JP2007119285A - 酸素供給装置 - Google Patents

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浩直 沼本
Kunihiro Tsuruta
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章広 梅田
Takeshi Nagai
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Abstract

【課題】熱回収しながら負電極側に空気強制給して豊富な酸素を得ることを目的とするものである
【解決手段】少なくとも固体電解質2の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質2が接合された金属箔部材10に対して、上方部に位置する正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介して加熱用ヒータ25が配置され、下方部に位置する負電極膜側に熱交換機能を有する送風回路18が配設され、前記送風回路18を使用して負電極膜側に強制的に空気を供給するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質を用いた酸素供給装置に関するものである。
従来、この種の酸素供給装置において、その酸素ポンプ素子は通気機能を有する断熱材に囲まれた構成を採用していた(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、図7において、固体電解質101の表裏に正電極膜102と負電極膜103を形成した酸素ポンプ素子104は、区画手段105上に配置されるとともに、加熱手段106で間接的に加熱されるようにしてある。
そして、それらは通気機能を有する断熱材107によって囲まれており、さらに、自然対流によって負電極膜103側に酸素ポンプに必要な空気が供給される構造となっている。
特開2003−215094号公報
しかしながら、前記従来の構成では、負電極膜103側に自然対流によって空気が供給される構造となっているため、酸素ポンプの能力が大きくなった場合には空気の供給が追いつかず、固体電解質101での酸素イオン伝導が限界に達してしまう。
それを防止するために、断熱材107の厚みを薄くした場合には、大きな放熱ロスを生じて消費電力が膨大になってしまう。
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素供給装置は、少なくとも固体電解質の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質が接合された金属箔部材に対して、上方部に位置する正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介して加熱用ヒータが配置され、下方部に位置する負電極膜側に熱交換機能を有する送風回路が配設され、前記送風回路を使用して負電極膜側には強制的に空気が供給される構造としたものである。
これによって、負電極膜側には強制的に空気が供給される構造を有しているため、固体電解質の酸素ポンプ能力を大きくしても、酸素ガス不足になることはない。送風回路には熱交換機能が備わっているため、高温を有した窒素リッチな空気は新鮮な空気と熱交換されながら負電極膜側に供給されることになる。その結果熱損失を小さく抑えることで、酸素供給装置の消費電力も小さくすることが可能となる。固体電解質を酸素イオン伝導可能な状態にするために必要な加熱用ヒータは正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介して配置することで、被加熱物と極力近接させた構造を保つことができる。正電極膜側に配置する絶縁材は電極膜表面で生じた酸素ガスが通気できるだけの通気構造を有していればよい。
本発明の酸素供給装置は、酸素ポンプ能力を大きくしても、供給空気に制限を受けることなく、熱回収しながら負電極側に必要な空気が供給されるため、消費電力も小さく抑えることができる。
第1の発明は、酸素供給装置に対して、少なくとも固体電解質の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質が接合された金属箔部材に対して、上方部に位置する正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介してヒータが配置され、下方部に位置する負電極膜側に熱交換機能を有する送風回路が配設され、前記送風回路を使用して負電極膜側には強制的に空気が供給される構造を有することにより、固体電解質の酸素ポンプ能力を大きくしても、酸素ガス不足になることはない。送風回路には熱交換機能が備わっているため、高温を有した窒素リッチな空気は新鮮な空気と熱交換されながら負電極膜側に供給されることになる。その結果熱損失を小さく抑えることで、酸素供給装置の消費電力も小さくすることが可能となる。固体電解質を酸素イオン伝導可能な状態にするために必要な加熱用ヒータを、制約を受けにくい正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介して配置することで、被加熱物と極力近接させた構造を保つことができる。
第2の発明は、酸素供給装置に対して、少なくとも固体電解質の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質が接合された金属箔部材に対して、上方部に位置する正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介してヒータが配置され、下方部に位置する負電極膜側に熱交換機能を有する送風回路が配設され、負電極膜側には前記送風回路を使用して強制的空気が供給される構造を有するブロック構造体が複数個積み重なるように配置されることにより、固体電解質の酸素ポンプ能力を大きくしても、酸素ガス不足になることはない。送風回路には熱交換機能が備わっているため、高温を有した窒素リッチな空気は新鮮な空気と熱交換されながら負電極膜側に供給されることになる。その結果熱損失を小さく抑え、酸素供給装置の消費電力も小さくすることが可能となる。固体電解質を酸素イオン伝導可能な状態にするために必要なヒータを、制約を受けにくい正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介して配置することで、被加熱物と極力近接させた構造を保つことができる。さらにブロック構造体を縦方向に積み重ねることで、外部への放熱ロスを抑えた大流量な酸素供給装置の提供が可能となる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の熱交換機能を有する送風回路に対して、平板を積層して構成されることにより、流路の圧力損失も小さく、簡単な構成で必要な熱回収を達成することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の熱交換機能を有する送風回路に対して、複数の流路が対交流となるように構成されることにより、コンパクトな構成で熱回収効率を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか一つの発明の金属箔部材に対して、複数の開口部を備え、前記開口部に絶縁膜を有して固体電解質が前記金属箔部材と絶縁構造でガスシールされながら複数配置され、前記固体電解質の両面には正電極膜と負電極膜が形成され、前記正電極膜または前記負電極膜のいずれか一方は前記固体電解質の縁面部に導電膜を設けることで導電部を他方側に導くことで、電圧を印加する側を同一方向とし、複数の固体電解質は前記正電極膜および前記負電極膜が電気的に直列回路となるように構成されることにより、固体電解質に印加される電圧を積み上げることができ、酸素ポンプ素子を高電圧小電流化して汎用的な電源で動作させることが可能となる。複数の固体電解質を同一方向から結線できるため製造プロセスが簡素化できる。また固体電解質は金属箔部材上に配置されているので、熱衝撃、熱歪に対しても十分な柔軟性を有している。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか一つの発明の固体電解質に対して、一枚の固体電解質はワイヤーボンディング方法で複数本が電気的に直列回路となるように結線されることにより、流れる電流が固体電解質上の一箇所に集中することなく、分散できるとともに、複数の固体電解質を自動化して結線できるため、製造プロセスが大幅に簡素化さ
れる。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか一つの発明の金属箔部材に対して、一枚の金属箔部材で複数の固体電解質が接する空間部を区画する区画手段として構成されることにより、複数の固体電解質を介して両側に位置する空間部は一枚の金属箔部材によって区分されるので十分なガスシール性を保持させることができる。
第8の発明は、特に、第3〜第7のいずれか一つの発明のガラスセラミック膜に対して、主体がSiO2―ZnO―CaO−BaO系、SiO2―ZnO―CaO−BaO系あるいはSiO2―Al2O3―CaO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有する結晶化ガラスとすることにより、高い耐熱性を有しながら、固体電解質基板と熱膨張係数を整合化させることができるので熱歪を生じることなく、固体電解質基板と金属箔部材との間に必要な絶縁性を保持させることができる。
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか一つの発明の正電極膜と負電極膜に対して、固体電解質に直接接合する第一電極膜と、前記第一電極膜上に形成された第二電極膜とで構成され、固体電解質上に複合金属酸化物成分を主体とする膜を第一電極膜とし、貴金属成分を主体とする膜を第二電極膜として前記第一電極膜上に配設した構成とすることにより、第二電極膜は導電性の高い材料で構成されるので、ある程度の面積を有する電極部に対して等しい電位を印加することができた。また第一電極膜は固体電解質と第二電極膜の中間層として酸素を解離吸着する電極反応を高めることができるので酸素分子から酸素イオンへと変化するための良好な触媒作用を得ることができる。
第10の発明は、特に、第1〜第9の固体電解質に対して、ランタンガレートを使用することにより、ランタンガレートはランタンとガリウムを主成分としたペロブスカイト型複合金属酸化物であり、400℃以上で酸素イオン伝導性を有す。したがって酸素ポンプ素子の動作温度を600℃程度の比較的低温に保持することで十分な能力を得ることができるため、長期的にも酸素ポンプ素子の劣化を抑制できる。
第11の発明は、特に、第9または第10のいずれか一つの発明の第一電極膜の複合金属酸化物として、ペロブスカイト型構造を使用することにより、固体電解質と第二電極膜の中間層として酸素を解離吸着する電極反応を高めることができるので酸素ポンプ素子としての酸素イオン伝導性を向上させることができる。
第12の発明は、特に、第1〜第11のいずれか一つの発明の金属箔部材として、アルミニウムを含有したフェライト系ステンレスを使用することにより、高温酸化に対して優れた特性を有するようになり、800℃付近で長期使用に対して安定した特性を維持できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜3において、酸素ポンプ素子1は、固体電解質2とその表裏に設けた正電極膜3、および負電極膜4とから構成されている。
前記固体電解質2は置換型のランタンガレート(La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2)の焼結体を任意の厚さの平板状に成型したものであり、寸法15×15.5mm、厚み80μmに設定してある。
正,負電極膜3,4は酸素イオン伝導性を発現するもので、導電性を有するペロブスカイト型複合酸化物を用いた。具体的には、Sm0.5Sr0.5CoO3を有機溶剤であるセルロース系ビヒクルと混合したペーストを、スクリーン印刷により印刷膜、寸法12×12mmを形成し、乾燥後、1100℃にて焼成することにより膜厚約15μmの多孔性を有した電極膜を形成した。
さらに、正電極膜3と負電極膜4の表面上には、多孔性の正第2電極膜5、負第2電極膜6が積層してある。
これら正第2電極膜5、負第2電極膜6は、Auペーストを使い、スクリーン印刷により印刷膜、寸法12.2×12.2mmを形成し、乾燥後、930℃にて焼成することにより膜厚約3μmの電極膜を形成した。
前記正第2電極膜5、負第2電極膜6は、正電極膜3と負電極膜4間に電圧を印加した時の電位に対して固体電解質2の面分布ムラを改善するためのものである。
前記負第2電極膜6の周囲には第1の導電膜7を形成した。この第1導電膜7は、例えば、AuにBaO-CaO-Al2O3-SiO2系のガラスセラミック粒子が7wt%含有されるAuペーストを使用し、スクリーン印刷により内寸法12×12mm、外寸法15×15.5mmの導電膜を形成した。
また、正第2電極膜5側に1.5mmの間隔を設けて第2導電膜8を形成した。この第2の導電膜8も前記第1の導電膜7と同様、ガラスセラミック粒子含有のAuペーストを使用し、スクリーン印刷により幅0.5mm、長さ15mmを導電膜を形成した。
さらに、第1,第2導電膜7,8が導通構造となるように固体電解質2の端面部に第3導電膜9を形成した。
この第3導導電膜9も先の第1の導電膜7と同様、ガラスセラミック粒子含有のAuペーストを使用し、ポッティング印刷によって形成した。第1,2,3導電膜7,8,9は、乾燥後、920℃にて焼成することにより形成した。この結果、負第2電極膜6は、第1,3導電膜を介して第2導電膜8と導通している。
図4は、固体電解質2が49個使用された酸素ポンプ素子1を示し、個々の固体電解質2はそれらの負電極膜4側が1枚の金属箔部材10と連結されている。前記金属箔部材10としては、Fe−20Cr−5Al、12μmを使用した。
金属箔部材10には、固体電解質2の負第2電極膜4面が露出するように、12×12mmの49個の開口部が設けられている。固体電解質2の外周部負電極側は絶縁膜11でガスシールできるように金属箔部材10と接合されている。
前記したように、固体電解質2の寸法15×15.5mmに対して金属箔部材10に設けられた開口部は12×12mmなので絶縁膜11による接合部は固体電解質2の周囲に対してほぼ1.5mm幅となる。
絶縁膜11としては、BaO-CaO-Al2O3-SiO2系のガラスセラミックペーストをスクリーン印刷により形成し、880℃にて焼成することにより膜厚約20μmのものを形成した。その後、さらに同様なガラスセラミックペーストをスクリーン印刷により形成し、個々の固体電解質2に50gの荷重を加えながら乾燥後、850℃にて焼成す
ることにより、固体電解質2を金属箔部材10に接合させた。
隣接する固体電解質2の正第2電極膜6と第2導電膜8とが結線されることで電気的に直列回路となっている。結線はφ0.03mmの金線12を30本、ピッチ300μmでボールボンディングすることによって行った。
図4において、個々の固体電解質2には直列回路に結線した序列を番号付けしている。49個の固体電解質2に対して最終的には1番目の固体電解質2の正第2電極膜6と結線されたリード部13と、49番の固体電解質2の負第2電極膜6と電気的に導通するリード部14から酸素ポンプ素子1全体に電圧を印加する構成となる。
リード部13,14も固体電解質1の一箇所に電流が集中するのを抑制するために3箇所からのφ0.10mmの金線リードを導出し、撚り線にした構成とした。
本実施の形態では、固体電解質2と金属箔部材10との絶縁構造を維持させるためにガラスセラミック膜で接合させている。固体電解質2と金属箔部材10との絶縁構造を維持させる方法として、金属箔部材10上にガラスセラミック膜で絶縁層を形成した後、導電体で接合する方法もある。しかし、その場合には導電体の印刷時あるいは焼成時にガラスセラミック膜のミクロな細孔部に導電体が進入して絶縁性が低下するというリスクを回避できない。したがって製造プロセス的には導電体を焼成して形成した後に絶縁層を形成した方が、信頼性の高い絶縁構造を保持させることができた。
図5は上記酸素ポンプ素子1を使用した酸素供給装置を示すものである。
49個の固体電解質2に対して空間区画手段となる一枚の金属箔部材10の周囲は、周囲幅15mmが断熱材15内部に挿入された構造となり、断熱材15で上下からサンドイッチされて固定されている。断熱材15は酸素ポンプ素子1が収納される外郭構造を構成している。
ここでは、シリカとアルミナを主成分とする平板状に成型された断熱部材を用いた。断熱材15としては断熱性が最も重要であり、通気性は要求されない。リード部13,14には、導線を介して電圧印加手段16が接続されており、また、この電圧印加手段16には、電圧制御手段17が接続されている。
下方部に位置する負電極膜側には、熱交換機能を有する蛇行状の送風回路18が配設されている。具体的にはス、テンレス平板19を4層に組み合わせた構造となっており、Fe-20Cr-5Al、100μmを流路間隔2mmで設計した。
給気口20を経て送風回路18の第3層から給気され、第2層へと給気流路が折り返され、さらに第1層へと給気流路が折り返されることで、固体電解質2の負電極側に達する。その後、窒素リッチとなった排気が第4層へと下って流路が折り返され、最終的に排気口21より排気される。
この平板流路を給気および排気が折り返し進むことで効果的に熱交換される構成となる。給気口20には給気用の送風ポンプ22が配置されている。送風回路18の外郭には断熱材15が配設されている。
上方部に位置する正電極膜側には、表面上に通気性を有する絶縁材として厚み1mmのセラミックペーパー23が配置され、加熱手段24を構成するヒータ25がセラミックペーパー23と接しながら配置されている。前記ヒータ25としては、Fe-20Cr-5Alからなるリボンヒータが使用されている。
ヒータ25の上には正電極側から発生した酸素ガスが通気して外部へと排出されるための断熱材26が配置されている。
断熱材26と外郭構造となる断熱材15との間には空間部27が配設されており、発生した酸素ガスの淀み空間となる。
断熱材15には酸素ガス排出口28が配設されている。
固体電解質の温度を検知する手段29を有する温度制御手段30が加熱手段24に信号を送っている。固体電解質の温度を検知する手段29は、温度センサーあるいは他の方法であってもよい。温度センサーの場合、固体電解質2の近傍に配置させるか、あるいは、任意の個所に配置してよい。温度制御手段30は固体電解質2の温度と連係してヒータ25への入力制御を行う。
酸素ポンプ素子1が収納されている容器31から酸素ガス排出口32を介してガスの混合手段33が連結されている。この混合手段33は、ガス誘導管34と、被混合ガス導入管35と、ガス混合器36と、ガスポンプ37によって構成されている。
以上のように構成された酸素供給装置について、以下その動作、作用を説明する。
温度制御手段30を介してヒータ25に通電すると、固体電解質2の温度が上昇する。温度制御手段30は固体電解質2が無理なく動作するのに必要な温度、すなわち、約600℃となるようにヒータ25への電流を制御する。但し、この温度が限定を受けるものではなく、固体電解質2の特性に合わせて、任意の温度の動作も可能である。ここではヒータ25に250Wを入力して酸素ポンプ素子1の起動を行った。
その結果、約60secで600℃とすることができた。その後は酸素供給装置全体への熱拡散も考慮しながら、温度制御手段30での制御を行う。
固体電解質2のイオン伝導可能な温度に達した時点で、正第2電極膜5と負第2電極膜6を介して個々の固体電解質2に電圧を印加すると、負電極膜4側の表面近傍の酸素が電気化学反応によって、この負電極膜4から固体電解質2の内部を酸素イオンとして正電極膜3へと移動し、その表面から酸素分子として放出される。
49個の固体電解質2からなる酸素ポンプ素子1に24Vを印加することによって4.0Aの電流が流れる。その結果、酸素イオン伝導によって酸素ポンプ素子1の正極側から約700ml/minの酸素ガスを得ることが可能となる。
この時、送風ポンプ22も起動させることで所定量の外気が給気口20を経て送風回路18へ導かれ、熱交換されながら固体電解質2の負電極膜側へと給気される。ここでは4300ml/minの空気を供給した。
酸素ポンプ素子1が動作していると固体電解質2の負極側から正極側へと酸素が引き抜かれ、負極側が窒素リッチ状態に陥る。これを抑制するために窒素リッチ状態の空気は送風回路18を経て最終的に排気口21から外部へと排出される。
その後、ヒータ25への入力を徐々に低減させていくとともに、酸素ポンプ素子1の電流値4.0Aを維持させるように、印加する電圧を徐々に上昇させた。最終的には酸素ポンプ素子1への印加電圧を36Vとして、ヒータ25への入力をゼロにすることができた
。すなわち、酸素イオン伝導によって生じた36V、4.0Aの144Wによって断熱部材内部は給排気に伴う熱ロスも含めて熱平衡となり、固体電解質2を定常的に動作可能とさせることができた。
ここで、金属箔部材10が1枚で構成されているため、固体電解質2を動作させる高温雰囲気でも絶縁膜11は少なくとも36Vの1/2以上の絶縁破壊電圧を有することが要求される。そのため、本実施の形態では、絶縁膜16として約60V以上の絶縁破壊電圧を有するように設計した。
この時、金属箔部材10も600℃の雰囲気温度に加えて高温状態に曝されることになる。金属箔部材10として、アルミニウムを含有するフェライト系ステンレスを使用することで優れた耐酸化性を得ることができる。
正電極膜3側の表面近傍は発生した酸素ガスによって純酸素に近い状態となり、通気性を有する断熱材28を通過することになる。したがって、断熱材15の内部に挿入された状態で、空間を区画する手段となる金属箔部材10が負電極膜9側からのガスリークを防ぐ手段として有効に作用する。
また、固体電解質2と金属箔部材10とをガスシールする絶縁膜11も負電極膜側からのガスリークを防ぐ手段として有効に作用する。
正電極膜側から放出される酸素ガスは、断熱材26を通過した後、空間部27で淀んだ状態を維持しながら酸素ガス排出口28、酸素ガス排出口32を通り、ガス混合手段33を構成するガス誘導管34と、被混合ガス導入管35と、ガス混合器36とによって被混合ガスと混合される。
本実施の形態では、被混合ガスは大気である。生成される混合ガスは酸素富化ガスであり、その流量は、ガスポンプ37の吸引と排出速度によって決められる。
また、混合ガス中の酸素濃度は、混合ガス流量と、固体電解質を流れる酸素イオン量、すなわち、イオン電流の大きさによって決められる。電圧制御手段30による電圧制御とガスポンプ37による混合ガス流量の制御によって任意の酸素濃度ガスを安定的に得ることができる。
本実施の形態における酸素供給装置によって得られる混合ガス中の酸素濃度は36Vで動作時、酸素濃度95%、0.7L/min〜酸素濃度30%、5L/minを供給することが可能であった。
(実施の形態2)
図6に示す実施の形態2の構成は、実施の形態1と同様な酸素ポンプ素子1を4段積み重ねるように配置したものである。実施の形態1と同一作用を行う構成については同一符号を付し、説明はこの実施の形態1のものを援用する。
すなわち、酸素ポンプ素子1となる金属箔部材10に接合された固体電解質2と負電極側に位置する熱交換機能を有する送風回路18と正電極側に位置するヒータ25、通気性を有する断熱材26が最小単位となるブロック構造体を4段積み重ねるように配置している。
各々の送風回路18には送風ポンプ22から導入管38から分岐された分岐管39,40,41,42を介して必要な空気が給気される構造となっている。また各々酸素ポンプ
素子1から発生した酸素ガスも排出管43,44,45,46から統合管47に至り、その後、ガス混合手段33に導いている。
各々の酸素ポンプ素子1には導線を介して電圧印加手段47が接続されており、この電圧印加手段47には電圧制御手段48が接続されている。
図6には示していないが、各々のヒータ25には加熱手段によって、固体電解質の温度を検知しながら温度制御手段が制御する構成となっている。ブロック構造体に対してヒータは並列回路で構成した。また酸素ポンプ素子1は2個直列を並列回路とする構成とした。
その結果、起動時にはヒータ25に合計700Wを入力して酸素イオン伝導可能な温度とした後、合計196個の固体電解質からなる酸素ポンプ素子に対して、49個の固体電解質からなる酸素ポンプ素子には24Vを印加することによって4.0Aの電流が流れ、酸素イオン伝導によって酸素ポンプ素子の正極側から約2、7L/minの酸素ガスを得ることが可能となった。
この時、送風ポンプ22も起動させることで、所定量の外気が送風回路18へと導かれ、熱交換されながら、固体電解質の負電極膜側へと給気される。ここでは16L/minの空気を供給した。
その後、ヒータ25への入力を徐々に低減させていくとともに、酸素ポンプ素子の電流値4.0Aを維持させるように、印加する電圧を徐々に上昇させた。最終的には酸素供給装置の酸素ポンプ素子への電源部として印加電圧70V、電流値8Aとして、ヒータ25への入力をゼロにすることができた。
すなわち、酸素イオン伝導によって生じた560Wによって断熱部材内部は給排気に伴う熱ロスも含めて熱平衡となり、固体電解質を定常的に動作可能とさせることができた。
実施の形態では熱交換機能を有する送風回路としてステンレス平板を4層にしたものを使用したがこれに限定されるものではない。しかし、送風回路をあまり複雑にすると送風時の圧力損失増大となるため、6層程度に止めるのが好ましいと考える。送風の構成としては対交流となるようにするもが最も効率的である。
また、実施の形態ではワイヤーボンディングとして、φ0.03mmの金線を30本、ピッチ300μmでボールボンディングすることによって行った。これによって電流4Aは9mm幅に拡散分布しながら供給されることになる。その結果1箇所に集中する場合よりも大幅に固体電解質がクラックに至ることを防止できた。
また、実施の形態では固体電解質の正電極膜側にヒータと接しながら配置する絶縁材としてセラミックペーパー、1mmを使用したがこれに限定されるものではない。電極膜表面で発生した酸素を無理なく通気できるとともに、絶縁状態を保ちながらヒータの熱を固体電解質側に伝達できるものであれば良い。
また、実施の形態では、固体電解質としてランタンガレートを使用したがこれに限定させるものではなく、イットリウムドープ型のジルコニア(YSZ)、サマリウムト゛ープ型のセリア(SDC)などであっても良い。但し現状ではランタンガレート系の材料が酸素イオン伝導体として動作温度が低いので材料の耐久性を鑑みた場合、もっとも好ましい材料といえる。
また、実施の形態では、第一電極膜の複合金属酸化物としてSm0.5Sr0.5CoO3を使用したがこれに限定されるものではない。しかしペロブスカイト型構造を有する複合金属酸化物は酸素分子との電極反応性が高く、かつそれ自体が導電性を有するので優れた酸素イオン伝導性を実現することができる。特に、ペロブスカイト型複合酸化物の中でもAサイトにランタン、サマリウムの少なくとも1種と、Bサイトにコバルト、鉄、マンガンの少なくとも1種で構成されるもの、また、Aサイトの一部をストロンチウムで置換したものが優れた導電性と高い酸素分子の電極反応性を有していた。
また、実施の形態では、絶縁膜となるガラスセラミック膜としてSiO2―ZnO―CaO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有するもの使用したがこれに限定されるものではない。金属箔部材との充分な絶縁性が維持でき、電極膜や導電膜となる材料と製造工程での処理温度に不具合を生じないものであればよい。その他SiO2−B2O3−MgO−BaO系またはSiO2―Al2O3―CaO−BaO系も適用可能であった。アルカリ金属の酸化物含有率を抑えることでガラスの特性は高温化し、アルカリ土類金属酸化物の含有率を15〜25wt%とすることで結晶化開始温度は750〜850℃とすることができ、金属箔部材との接合温度を800〜900℃にすることができた。
また、実施の形態では、金属箔部材としてFe−20Cr−5Alの材料を使用したがこれに限定させるものではなく、高温酸化に対して耐久性を有する材料であれば他の金属箔材料を使用することができる。しかし現状ではアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスが高温酸化に対して優れた特性を有していた。さらに耐高温酸化性を向上させる目的で希土類金属を添加することも可能である。また厚み12μmを使用したが金属箔部材としては5〜20μmが好ましいと考えられる。
すなわち、固体電解質で発生した熱を外周部方向へと伝熱拡散させないためには厚みが薄いほど好ましい。しかし5μm以下になると製造時でのハンドリングが悪くなるためである。
また、実施の形態では、金属箔部材の構成として負電極膜側に接合させて固体電解質が空間部を区画する区画手段として使用した場合についてだけ説明したが、逆に正電極膜側に接合させて空間部を区画する区画手段として使用してもかまわない。
また、実施の形態では、第二電極膜、導電膜としてAu系を使用したがこれに限定させるものではなく、抵抗値の小さな耐熱性を有する材料であれば他にもAg系、AgPd系のものが使用できる。
また、本実施の形態では、固体電解質表面上の正電極膜と負電極膜にさらに第二電極膜を配置した場合について説明したが、第二電極膜を配置しない構造についても適用できる。例えば、固体電解質表面上に形成される電極膜の寸法が5×5mmであれば、流す電流値も0.5A程度となり、電極膜上で生ずる電位ムラもそれ程大きくないので第二電極膜は必要とならない。
以上のように、本発明にかかる酸素ポンプ素子および酸素供給装置は、長期間に渡って安定した良好な電気電流特性が得られるため、酸素を利用する空気清浄機や空調機器あるいは健康促進機器、健康増進機器など広範な用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における酸素ポンプ素子の上面図 同酸素ポンプ素子の下面図 図1のA−A線断面図 同酸素ポンプ素子全体の概略構成図 同酸素供給装置の概略断面図 本発明の実施の形態2における酸素供給装置の概略断面図 従来の酸素供給装置の断面図
符号の説明
1 酸素ポンプ素子
2 固体電解質
3 正電極膜
4 負電極膜
5 正第2電極膜
6 負第2電極膜
7 第1導電膜
8 第2導電膜
9 第3導電膜
10 金属箔部材
18 送風回路
22 送風ポンプ
23 絶縁材(セラミックペーパー)
25 ヒータ

Claims (12)

  1. 固体電解質、その表裏面に形成された正電極膜と負電極膜、および前記固体電解質が接合された金属箔部材とからなる酸素ポンプ素子と、通気性を有する絶縁材を介して前記正電極膜側に配置したヒータと、前記負電極膜側に配設され、熱交換機能を有する送風回路とを具備し、前記送風回路を使用して負電極膜側に強制的に空気を供給するようにした酸素供給装置。
  2. 酸素ポンプ素子、ヒータ、および送風回路のブロック構造体を複数個積み重なるように配置した請求項1記載の酸素供給装置。
  3. 酸素ポンプ素子を複数集合させた請求項1または2記載の酸素供給装置。
  4. 一枚の固体電解質はワイヤーボンディング方法で複数本が電気的に直列回路となるように結線した請求項1〜3のいずれか1項記載の酸素供給装置。
  5. 一枚の金属箔部材は複数の固体電解質が接する空間部を区画する区画手段として構成した請求項1〜4いずれか1項記載の酸素供給装置。
  6. 絶縁材の主体がSiO2―ZnO―CaO−BaO系、SiO2−B2O3−MgO−BaO系またはSiO2―Al2O3―CaO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有する結晶化ガラスである請求項1記載の酸素供給装置。
  7. 正電極膜と負電極膜は固体電解質に直接接合する第1電極膜と、前記第1電極膜上に形成された第2電極膜とで構成され、前記固体電解質上に複合金属酸化物成分を主体とする膜を前記第1電極膜とし、貴金属成分を主体とする膜を前記第2電極膜として前記第1電極膜上に配設した請求項1記載の酸素供給装置。
  8. 固体電解質がランタンガレートであることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  9. 第1電極膜の複合金属酸化物がペロブスカイト型構造であることを特徴とする請求項7記載の酸素供給装置。
  10. 金属箔部材がアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスである請求項1記載の酸素供給装置。
  11. 請求項1〜10いずれか1項記載の酸素供給装置を搭載した空気清浄機。
  12. 請求項1〜10いずれか1項記載の酸素供給装置を搭載した空気調和機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111545001A (zh) * 2020-05-19 2020-08-18 邱焜 一种气体环保过滤设备

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