JP2005305258A - 酸素ポンプ装置 - Google Patents

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明雄 福田
Akihiro Umeda
章広 梅田
Takeshi Nagai
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Abstract

【課題】高温での導電性を維持することにより酸素ポンプ装置としての機能低下の抑制を図ることで装置寿命の長期化を図ることを目的とする。
【解決手段】固体電解質10と、正電極膜11と、負電極膜12と、区画手段13と、電圧印加手段15と、電圧制御手段16と、加熱手段17と、温度制御手段19と、断熱手段20、21、22と、混合手段26と、赤外線輻射層31を備え、赤外線輻射層31によって、区画手段13の温度上昇が抑制され、酸化物生成量が減少し、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となるので、装置寿命の長期化と、任意濃度での酸素混合ガスの安定生成が可能な酸素ポンプ装置の提供が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質を用いた酸素ポンプ装置に関するものである。
従来、この種の酸素ポンプ装置は、固体電解質基板上に電極を設けた電気化学素子において、電極を酸化物電極層、混合電極層、金属電極層の3層電極構造として、金属電極層により導電性を高め、突起を有する導電性のセパレータが酸素と空気を隔離する機能を有しながら、突起によって前記電極と電気的接続を可能とする構成としていた。また、固体電解質円筒体の両面に白金電極を設けた固体電解質酸素ポンプにおいて、前記白金電極上に白金ネットを設けたものもある(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の酸素ポンプ装置を示すものである。図5に示すように、セラミック基板1の表面には、三層電極構造の陰極層2と陽極層3が形成され、セパレータ4及び5には突起6(6a、6b)が設けられた構成となっている。
また、図6は、特許文献2に記載された従来の酸素ポンプを示すものである。図6に示すように、固体電解質円筒体7と、白金電極8と白金ネット9とから構成されている。
特表2003−288904号公報 特開平9−127051号公報
しかしながら、前記従来の構成では、金属電極により導電性を高め、セパレータとの接触抵抗を低減させ電気接点の数も低減させるものの、使用温度が高いことによりセパレータの材質の選定が限定を受け、場合によっては高酸素雰囲気での酸化や高温による熱歪が発生すると接触不良により導電性が低下し、更に高電流領域では電流集中による局所的な温度上昇等が、酸素ポンプとしての機能低下を招くという課題を有していた。
また、白金ネットによる電気的接続においては、実用的にするには接触抵抗を一定に保つための構成上の工夫が必要であり、なおかつ高価であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するのもので、区画手段によるガス隔離機能と高温での導電性を維持することにより酸素ポンプ装置としての機能低下の抑制と、また加熱手段によるエネルギー消費の低下を図ることで装置寿命の長期化を図り、任意濃度での酸素混合ガスの安定生成が可能な酸素ポンプ装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素ポンプ装置は、酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する単一層あるいは複数層の電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記区画手段は前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面、もしくは両側表面に赤外線輻射層を有する構成としたものである。
これによって、区画手段の一方の表面、即ち前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面に設けた赤外線輻射層からの赤外線輻射量が増加し、加熱手段により加熱される区画手段の温度上昇を抑制することができる。
例えば、区画手段が薄い金属箔等である場合、赤外線輻射層の温度上昇抑制効果により酸化反応による酸化物生成量が減少する。これにより、長期間の良好な電気的接続が可能となる。
赤外線輻射層が、区画手段の両側表面に設けられた場合、特に加熱手段が配置されている向きに対して同じ側の表面にある赤外線輻射層は、赤外線吸収作用をもつ。一方で輻射層自体が、酸化抑制被膜として作用するので区画手段の酸化抑制が可能である。赤外線が吸収されると温度上昇を招くが、反対側の表面に設けられた赤外線輻射層が温度上昇の抑制を図るので、区画手段の温度上昇はない。結果として、赤外線輻射層の温度上昇抑制効果と酸化抑制被膜としての効果により酸化反応による酸化物生成量が減少する。これにより、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
また、本発明の酸素ポンプ装置は、酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する単一層あるいは複数層の電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記断熱手段は前記加熱手段が配置された向きの一方の表面に赤外線反射層を有する構成としたものである。
これによって、加熱手段から発生し、断熱手段表面へ供給された熱エネルギーの一部は赤外線反射により固体電解質側へと供給され、効率的な固体電解質の加熱が可能となる。同時に加熱手段からの供給エネルギーの減少によって、区画手段が受ける熱エネルギー量も低減され、熱による酸化の抑制が図られる。結果として、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
また、本発明の酸素ポンプ装置は、酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する単一層あるいは複数層の電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記区画手段は前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面、もしくは両側表面に赤外線輻射層を有し、前記断熱手段は前記加熱手段が配置された向きの一方の表面に赤外線反射層を有する構成としたものである。
これによって、上述したように赤外線輻射層と赤外線反射層の両方の効果により、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
本発明の酸素ポンプ装置は、長期間の良好な電気的接続が可能となるので、装置寿命の長期化と、任意濃度での酸素混合ガスの安定生成が可能な酸素ポンプ装置の提供が可能となる。
第1の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記区画手段は前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面、もしくは両側表面に赤外線輻射層を有する構成とすることにより、赤外線輻射層の温度上昇抑制効果と酸化抑制被膜としての効果により酸化反応により酸化反応による酸化物生成量が減少する。これにより、長期間の良好な電気的接続が可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の赤外線輻射層を、ポリボロシロキサンあるいはポリチタノシロキサンを結合剤とする赤外線輻射被膜で構成することにより、膜厚が数μmの比較的薄膜で高い赤外線輻射率を持つ赤外線輻射層を得ることができる。
赤外線輻射率が高いことは、区画手段の温度上昇抑制により効果的であり、膜厚が薄いことが、基材である区画手段の変形への追随性を高め、密着性を強化し、また赤外線輻射層による区画手段への機械的影響を少なくすることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の赤外線輻射層を、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの少なくとも1種以上を含む金属酸化物もしくは複合酸化物を含有する構成とすることにより、赤外線の広い波長領域において高い赤外線輻射率を持たせることが可能となる。これによって、薄膜の赤外線輻射層が、更に効果的に温度上昇を抑制することになる。
第4の発明は、特に、第1または第2の発明の赤外線輻射層を、Al、Si、Ti、Y、Zrの少なくとも1種以上を含む酸化物もしくは複合酸化物を含有する構成とすることにより、赤外線の6〜7μm以上の長波長領域において赤外線輻射率を高めることが可能となる。使用の条件によって、金属酸化物や金属複合酸化物の使用が困難である場合に適している。
第5の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記断熱手段は前記加熱手段が配置された向きの一方の表面に赤外線反射層を有する構成とすることにより、赤外線反射層による効率的な固体電解質の加熱と、同時に加熱手段からの供給エネルギーが減少することにより熱による酸化の抑制が図られる。結果として、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
第6の発明は、特に、第5の発明の赤外線反射層を、Auの多孔質層で構成することにより高温下でも酸化による反射率の低下が極めて少なく、高い赤外線反射率が得られる。
第7の発明は、特に、第5または第6の発明の赤外線反射層が、多孔質体の表面に形成され、前記多孔質体を前記断熱手段の表面に配置した構成とすることにより、前記断熱手段表面への赤外線反射層の形成が困難な場合に有効である。
第8の発明は、特に、第7の発明の多孔質体を、ガス拡散を促進するための通気孔を有する構成とすることにより、ガスの移動が容易となり、多孔質体の配置により必要な酸素移動速度が得られない場合に有効である。
第9の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記区画手段は前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面、もしくは両側表面に赤外線輻射層を有し、前記断熱手段は前記加熱手段が配置された向きの一方の表面に赤外線反射層を有する構成とすることにより、上述したように赤外線輻射層と赤外線反射層の双方の効果により、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
第10の発明は、特に、第9の発明の赤外線輻射層を、ポリボロシロキサンあるいはポリチタノシロキサンを結合剤とする赤外線輻射被膜で構成することにより、膜厚が数μmの比較的薄膜で高い赤外線輻射率を持つ赤外線輻射層を得ることができる。
赤外線輻射率が高いことは、区画手段の温度上昇抑制により効果的であり、膜厚が薄いことが、基材である区画手段の変形への追随性を高め、密着性を強化し、また赤外線輻射層による区画手段への機械的影響を少なくすることができる。
第11の発明は、特に、第9または第10の発明の赤外線輻射層を、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの少なくとも1種以上を含む金属酸化物もしくは複合酸化物を含有する構成とすることにより、赤外線の広い波長領域において高い赤外線輻射率を持たせることが可能となる。これによって、薄膜の赤外線輻射層が、更に効果的に温度上昇を抑制することになる。
第12の発明は、特に、第9または第10の発明の赤外線輻射層を、Al、Si、Ti、Y、Zrの少なくとも1種以上を含む酸化物もしくは複合酸化物を含有する構成とすることにより、赤外線の6〜7μm以上の長波長領域において赤外線輻射率を高めることが可能となる。使用の条件によって、金属酸化物や金属複合酸化物の使用が困難である場合に適している。
第13の発明は、特に、第9〜12の発明の赤外線反射層を、Auの多孔質層で構成することにより高温下でも酸化による反射率の低下が極めて少なく、高い赤外線反射率が得られる。
第14の発明は、特に、第9〜13の発明の赤外線反射層が、多孔質体の表面に形成され、前記多孔質体を前記断熱手段の表面に配置した構成とすることにより、前記断熱手段表面への赤外線反射層の形成が困難な場合に有効である。
第15の発明は、特に、第7の発明の多孔質体を、ガス拡散を促進するための通気孔を有する構成とすることにより、ガスの移動が容易となり、多孔質体の配置により必要な酸素移動速度が得られない場合に有効である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における酸素ポンプ装置の断面構成図を示すものである。
図1において、固体電解質10は置換型のランタンガレート(La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2)の焼結体を任意の厚さの平板状に成型したものであり、表面に正電極膜11と負電極膜12が酸素イオン伝導性を発現するように結合されている。固体電解質10は、ランタンガレートに限るものではなく、イットリウムドープ型のジルコニア(YSZ)、サマリウムドープ型のセリア(SDC)などであっても良い。
正電極膜11と負電極膜12には、導電性を有するペロブスカイト型複合酸化物を用いた。例えば、Sm0.5Sr0.5CoOを有機溶剤であるセルロース系ビヒクルと混合したペーストを、スクリーン印刷により印刷膜を形成し、乾燥、焼成することにより膜厚10〜20μmの多孔性電極膜を形成した。
更に、正電極膜11と負電極膜12は、上記多孔性電極膜の上にAuやPtのような多孔性金属膜を積層しても良い。この場合、AuペーストあるいはPtペーストを使い、上記と同様の行程で造膜できる。得られた積層型の電極膜は、金属膜により導電性が高まり、電極膜での電位の面分布のムラを改善できる。
負電極膜12には、導電性の金属箔である区画手段13が連結されている。ここでは、SUS430を用いた。区画手段13は、負電極膜12を露出するための開口13aを有している。区画手段13の周囲には、電気絶縁性のガス封止剤14を付加している。
また、正電極膜11および負電極膜12には、導線15aを介して電圧印加手段15が接続されており、電圧印加手段15には、電圧制御手段16が接続されている。導線15aは、導線ガイド32を介して各電極膜に接続されている。
より詳細には、負電極膜12は、区画手段13との接触界面において接着により電気的に接続され、区画手段13が導線15aと接続されている。従って、区画手段13の電気抵抗の安定を図ることが求められる。そのためには、熱などによる区画手段13の酸化を抑制することが必要である。
区画手段13の表面には、赤外線輻射層31を設けている。赤外線輻射層31の前駆体は、ポリボロシロキサンとSiOとAlとZrOとFe・Cu・Mn複合酸化物と溶剤との混合物である。赤外線輻射層31の形成は、予め区画手段13の表面に前記混合物である前駆体を塗布した後、乾燥、焼成行程によって造膜することによって行った。膜厚は、3〜5μmであった。このようにしてできた赤外線輻射層31の輻射率を、熱平衡型放射率計で測定すると0.7〜0.8であった。区画手段13の素材であるSUS430は、輻射率0.1〜0.15である。
この赤外線輻射層31は、赤外線輻射率が高いので被加熱時に輻射により区画手段の温度上昇を抑制する。例えば、加熱温度が500〜600℃の場合において、赤外線輻射層31を形成した場合とそうでない場合とで、その表面温度は、前者が50℃以上低いことが確認できた。
赤外線輻射層31の前駆体を構成するポリボロシロキサンは、焼成することによりセラミック化し、基材との密着性や添加する酸化物粒子の結合保持力に優れ、比較的薄い膜形成のための結合材として適している。同様の機能を持つものとして、ポリチタノシロキサンがある。
Fe・Cu・Mn複合酸化物のような金属酸化物や複合酸化物は、広い波長領域での赤外線吸収性に優れており、そのことが輻射性能を高めている。他に、NiやCuも同様に使用可能である。
SiO、Al、ZrOなどは、上記複合酸化物に比べると短波長側で輻射性能が劣るが、長波長側では同等の輻射性能を有する。従って、遷移金属系の使用が難しい時には、適している。前記の前駆体成分を、ポリボロシロキサンとSiOとAlとZrOとTiOとした場合、得られた赤外線輻射層31の輻射率は、0.6〜0.7である。他に、Yも同様の理由で使用するが可能である。
このように赤外線輻射層31は、区画手段13の温度上昇を抑制するので、酸化反応による酸化物生成量を減少させ、これにより、長期間の良好な電気的接続が可能となる。
また、赤外線輻射層31は、区画手段13の両面に形成してもよい。この場合、次に記載するヒータ18に面する輻射層は、赤外線の吸収層として機能し、熱伝度により固体電解質10の昇温を促進する。加えて、輻射層自体が酸化抑制被膜として作用するので区画手段13の酸化抑制が可能である。
加熱手段17を構成するヒータ18は、負電極12の表面に対向して配置され、固体電解質10の温度を検知する手段19aを有する温度制御手段19が、加熱手段17と接続されている。
固体電解質10の温度を検知する手段19aは、温度センサーあるいは他の方法であってもよい。センサーの場合、固体電解質10の近傍に配置されるかあるいは、任意の個所に配置してよい。温度制御手段19が検知する固体電解質10の温度によって、温度制御手段19が、加熱手段17を構成するヒータ18の入力制御を行う。
ヒータ18が発生する熱の損失を抑制するための通気性の断熱材が断熱手段20および21、22である。ここでは、シリカとアルミナを主成分とする平板状に成型された断熱材を用いた。酸素ポンプ装置を構成する各要素と全体の形状保持のための容器23は、負電極膜12側に、通気用の開口部24を設けている。
また、容器23の正電極膜11側には、通気口25を介して、ガスの混合手段26が連結されている。混合手段26は、ガス誘導管27と、被混合ガス導入管28と、ガス混合器29と、ガスポンプ30によって構成されている。
以上のように構成された酸素ポンプ装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、酸素ポンプ装置は、室内空気等の大気中に置かれる。この時、窒素や酸素などの大気成分(以下、単に窒素、酸素とする)は、酸素ポンプ装置を構成する通気性の断熱材である断熱手段20および21、22の内部を通過して正電極膜11および負電極膜12の表面まで拡散した状態で安定している。
この状態において温度制御手段19によってヒータ18に通電すると、断熱手段20および21、22内の固体電解質10および正電極膜11、負電極膜12の温度が上昇する。温度制御手段19は、固体電解質10が動作するに必要な温度となるよう、予め定められた所定の電圧を、ヒータ18に通電する。固体電解質10がランタンガレートである場合、動作に必要な温度は、約600℃が好ましい。但し、この温度が限定を受けるものではなく、固体電解質10の特性に合わせて、任意の温度の動作も可能である。
このようにして、固体電解質10が配置された空間は動作温度近傍で、ほぼ熱的平衡状態となるので、固体電解質10に連結された区画手段13の温度も熱分布はあるが、高温部は同程度の温度まで上昇する。
しかしながら、この時に、赤外線輻射層31が、区画手段13の温度上昇を抑制するように作用するため、実際の温度測定によると、いずれの被膜も無い場合に比べて50℃以上の温度低下が認められた。
固体電解質10の温度が上昇した状態においても、窒素と酸素の正電極膜11および負電極膜12の表面への拡散は行われている。固体電解質10の温度が安定した時点で、正電極膜11と負電極膜12を介して固体電解質10に電圧を印加すると、負電極膜12の表面近傍の酸素が、電気化学反応によって負電極膜12から固体電解質10の内部を酸素イオンとして、正電極膜11へと移動し、正電極膜11の表面から酸素分子として放出される。
正電極膜11の表面近傍は、純酸素に近い状態となるが、ガスリークの完全な防止ができない限り、正電極膜11の表面から離れるとともに、排出された酸素はリークしたガスと自然に混合される。したがって、区画手段13とガス封止剤14が、負電極膜12側からのガスリークを防ぐ手段として有効に作用する。
一方、窒素は負電極膜12の側に残される。残された窒素は、断熱手段22の通気性により、大気中に拡散していくと共に、負電極膜12には酸素が供給される。
正電極膜11から放出される酸素は、通気口25を通り、ガス混合手段26を構成することによってガス誘導管27と、被混合ガス導入管28と、ガス混合器29とによって被混合ガスと混合される。本実施例では、被混合ガスは大気である。生成される混合ガスは酸素富化ガスであり、その流量は、ガスポンプ30の吸引と排出速度によって決められる。
また、混合ガス中の酸素濃度は、混合ガス流量と、固体電解質10を流れる酸素イオン量すなわちイオン電流の大きさによって決められる。イオン電流は、固体電解質10に印加される電圧の大きさによって制御できる。
最終的に、本発明の酸素ポンプ装置によって得られる混合ガス中の酸素濃度は、電圧制御手段16による電圧制御とガスポンプ30による混合ガス流量の制御によって実行されることになる。
以上のように、本実施の形態では、固体電解質10と正電極膜11と負電極膜12を酸素イオン伝導性を発現するように結合させ、区画手段13等によってガスリークを抑制し、加熱昇温と電圧印加を行うことにより、酸素分子を正電極11から放出させ、酸素富化された混合ガスを生成することとなり、電圧制御手段16による電圧制御とガスポンプ30による混合ガス流量の制御によって、任意の酸素濃度ガスを安定的に得ることができる。
また、本実施の形態では正電極膜11と負電極膜12は、それぞれ単層構造に限るものではなく、上記のペロブスカイト型酸化物を使った正負両電極膜の表面に、金あるいは白金のような導電性の優れた材料の多孔性膜を形成した2層構造の電極膜としたことにより、正電極膜11と負電極膜12のイオン電流と垂直方向すなわち電極膜の面方向の電位分布が均一になり、正電極膜11と負電極膜12の動作が、ムラなく行われることから、消費電力の低減を図ることができると共に効率的な酸素イオンの移動が可能となる。
更に、以上の動作による区画手段13の状態変化は、赤外線輻射層31の作用により明らかに酸化物生成の抑制が確認された。このことにより、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
(実施の形態2)
図2及び図3は、本発明の第2の実施の形態の酸素ポンプ装置の断面構成図を示すものである。
図2において、断熱手段22の表面に赤外線反射層33が設けられている。赤外線反射層33は、Auペーストを断熱手段22の表面に塗布後、乾燥、焼成の行程により造膜して形成した。造膜による膜厚は、1〜3μmであった。断熱手段22は多孔質であるので、その表面は平滑性と連続性が低い。従って、赤外線反射層33も多孔質になり易い。このことは、通気性が求められる断熱手段22には好適である。
以上のように構成された、赤外線反射層33を設けた断熱手段22を用いて、赤外線反射層33がヒータ18に面するように配置すれば、Auの高い赤外線反射率によってヒータ18からの輻射光を反射するので、赤外線反射層33による効率的な固体電解質10の加熱と、同時にヒータ18からの供給エネルギーを低下することができることにより、熱による区画手段13の酸化抑制が図られる。
図3においては、断熱手段22の表面に赤外線輻射層34を有する平板状の多孔質体35が配置されている。断熱手段22の性状によっては、赤外線反射層33の直接形成が困難な場合もあるので、このような構成が有効な手段となる。多孔質体35として限定はしないが、例えばセラミック発泡体がよい。セラミック発泡体は、材質と空隙率が可変であるので、用途に適した空隙率での使用が可能であり、その作用は、上記説明と同様である。
また、必要に応じて多孔質体35にガス拡散を促進するための通気孔を設けても良い。より好ましくは、通気孔の開口位置を、ヒータ18の直下でない部位とすることである。
以上のように、本発明の実施の形態では、区画手段13の酸化抑制が図られるので、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態における酸素ポンプ装置の断面構成図を示すものである。
図4において、区画手段13に赤外線輻射層31が設けられ、断熱手段22の表面に赤外線反射層33が設けられている。それぞれは、上記した方法で形成した。赤外線輻射層31は、区画手段13の両面に形成しても良い。その作用は、実施の形態1及び2における説明と同様である。
以上のように、本発明の実施の形態では、赤外線輻射層と赤外線反射層の双方の効果により、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となる。
以上のように、本発明にかかる酸素ポンプ装置は、導電性を有する区画手段の酸化抑制が図られるので、酸素ポンプ装置での長期間の良好な電気的接続が可能となり、酸素を利用する空気清浄機や空調機器あるいは健康促進機器、健康増進機器など広範な用途に適用できる。
本発明の第1の実施の形態における酸素ポンプ装置の断面構成図 本発明の第2の実施の形態の酸素ポンプ装置の断面構成図 本発明の第2の実施の形態の酸素ポンプ装置において赤外線輻射層を有する平板状の多孔質体が配置された構成の断面構成図 本発明の第3の実施の形態における酸素ポンプ装置の断面構成図 特許文献1における従来の酸素ポンプ装置を示す図 特許文献2における従来の酸素ポンプを示す図
符号の説明
10 固体電解質
11 正電極膜
12 負電極膜
13 区画手段
15、15a 電圧印加手段
16 電圧制御手段
17 加熱手段
19 温度制御手段
20、21、22 断熱手段
26 混合手段
31 赤外線輻射層

Claims (15)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する単一層あるいは複数層の電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記区画手段は前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面、もしくは両側表面に赤外線輻射層を有する酸素ポンプ装置。
  2. 赤外線輻射層は、ポリボロシロキサンあるいはポリチタノシロキサンを結合剤とする赤外線輻射被膜である請求項1に記載の酸素ポンプ装置。
  3. 赤外線輻射層は、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの少なくとも1種以上を含む金属酸化物もしくは複合酸化物を含有する請求項1または2に記載の酸素ポンプ装置。
  4. 赤外線輻射層は、Al、Si、Ti、Y、Zrの少なくとも1種以上を含む酸化物もしくは複合酸化物を含有する請求項1または2に記載の酸素ポンプ装置。
  5. 酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する単一層あるいは複数層の電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記断熱手段は前記加熱手段が配置された向きの一方の表面に赤外線反射層を有する酸素ポンプ装置。
  6. 赤外線反射層は、Auの多孔質層である請求項5に記載の酸素ポンプ装置。
  7. 赤外線反射層は、多孔質体の表面に形成され、前記多孔質体を前記断熱手段の表面に配置した請求項5または6に記載の酸素ポンプ装置。
  8. 前記多孔質体は、ガス拡散を促進するための通気孔を有する構造とした請求項7記載の酸素ポンプ装置。
  9. 酸素イオン伝導性の固体電解質と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質の両面に形成された正負両極を構成する単一層あるいは複数層の電極膜と、前記正負両極の電極膜が接する空間を区画する前記電極膜のいずれか一方に連結された導電性を有する区画手段と、前記電極膜を介して前記酸素イオン伝導性の固体電解質に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段を制御する電圧制御手段と、前記酸素イオン伝導性の固体電解質と前記電極膜を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の熱発散を防止する通気性の断熱手段と、正の電極膜を介して発生する酸素と被混合ガスとを混合して混合ガスを生成する混合手段とを備え、前記区画手段は前記加熱手段が配置されている向きに対して反対側の一方の表面、もしくは両側表面に赤外線輻射層を有し、前記断熱手段は前記加熱手段が配置された向きの一方の表面に赤外線反射層を有する酸素ポンプ装置。
  10. 赤外線輻射層は、ポリボロシロキサンあるいはポリチタノシロキサンを結合剤とする赤外線輻射被膜である請求項9に記載の酸素ポンプ装置。
  11. 赤外線輻射層は、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの少なくとも1種以上を含む金属酸化物もしくは複合酸化物を含有する請求項9または10に記載の酸素ポンプ装置。
  12. 赤外線輻射層は、Al、Si、Ti、Y、Zrの少なくとも1種以上を含む酸化物もしくは複合酸化物を含有する請求項9または10に記載の酸素ポンプ装置。
  13. 赤外線反射層は、Auの多孔質層である請求項9〜12いずれか1項に記載の酸素ポンプ装置。
  14. 赤外線反射層は、多孔質体の表面に形成され、前記多孔質体を前記断熱手段の表面に配置した請求項9〜13いずれか1項に記載の酸素ポンプ装置。
  15. 前記多孔質体は、ガス拡散を促進するための通気孔を有する構造とした請求項14記載の酸素ポンプ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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