JP2008120633A - 球状多孔質シリカ、その製造方法及びカラム充填剤 - Google Patents

球状多孔質シリカ、その製造方法及びカラム充填剤 Download PDF

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Abstract

【課題】細孔径が4〜10nmであり、平均粒径が3〜13μmの球状多孔質シリカ及びその製造方法、ならびにそれを用いたカラム充填剤を提供する。
【解決手段】 平均粒径が3〜50μmである球状多孔質シリカであって、下記(A)〜(C)の特徴を有する球状多孔質シリカ。
(A)細孔径が4〜10nm、(B)細孔容積が0.60ml/g以上、(C)シリカ粒子の球状換算として、走査型電子顕微鏡観察による短軸(D)と長軸(D)との長さの比(D/D)で表される真球度が0.95以上。
【選択図】なし

Description

本発明は球状多孔質シリカ、その製造方法及びカラム充填剤に関し、特に球状多孔質シリカの粒径、細孔径と細孔構造の制御、カラム充填剤の分離能の改善に関する。
HPLC用カラム充填剤は有機担体(ポリマー系樹脂担体)を基材とするものと、無機担体(シリカ系担体)を基材とするものに大別することができる。しかし実際には、無機担体であるシリカゲルを基材とした充填剤の使用頻度が高く、HPLCの全分離モードの60%以上を占める逆相液体クロマトグラフィーではシリカゲル担体表面を化学修飾したアルキルシリル化シリカゲルが主に用いられている。シリカゲル基材のHPLC用充填剤には、分離能および機械的強度の良好さが求められる。
近年、シリカゲル担体に様々なサイズの細孔を有するシリカ系多孔体の合成および機能研究が盛んに行われ、これらをカラム充填剤や触媒等として用いることが試みられている。前記シリカ系多孔体は、細孔のサイズによって3つのタイプ、マイクロポア多孔体(2nm以下)、メソポア多孔体(2〜50nm)、マクロポア多孔体(50nm以上)に分類される。吸着・分離を試みようとする目的物質の物性、分子サイズによって細孔の大きさが選択される。例えば、HPLC用を主体とする液体クロマトグラフィーによる有機物質の分離のために用いるカラム充填剤としては、メソポア多孔体が適している。
メソポア多孔体の合成の報告例として、例えばアルコキシシランと水とアルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤とを混合して得られる、中心細孔直径が1〜10nmのシリカ系多孔体がある(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、このシリカ系多孔体のシリカ粒子の形状は不定形であり、カラム充填剤として用いた場合に、分離能低下の要因となる。
また、アルコキシシランと水とアルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤とを混合させた後、アルカリによってゲル化させ、シリカ粒子を球状化させたメソポア多孔体(中心細孔直径が1〜10nm)がある(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、アルカリを添加してゲル化し、その後に球状化を施すために必要とされるオイルセット法またはエマルション法は操作が煩雑であり、球状化工程を有する上記メソポア多孔体の製造方法は、工業化に適したものとはいえない。
さらに、シリカ源としてアルカリケイ酸塩、鉱酸、水及び非イオン性界面活性剤を室温付近の温度において反応させ、界面活性剤を含んだ有機無機複合体を形成させた後、界面活性剤を除去して得られる2種のマイクロポアを有する球状マイクロポア多孔質シリカ粒子(細孔2nm以下)、さらに前記条件において特に酸として硝酸を用い反応条件を変えることによって得られるメソポアとマイクロポアを併せ持つ球状多孔質シリカ粒子がある。(例えば、特許文献3および4を参照)。
特許第3400262号公報 特許第3410634号公報 特開2004−182492号公報 特開2004−143026号公報
前記球状シリカ多孔質粒子の製造方法は球状化の工程を要さないものの、得られるシリカ粒子の粒径は100μmを超えるものであり、粒径の大きさを制御することは困難なものである。
本発明は、前述の従来技術の事情に鑑みなされたものであり、その目的はメソポアサイズの細孔を有し、平均粒径が数〜数十μmオーダーであり、真球度が高く、カラム充填剤として使用した場合には優れた分離能を発揮することが可能である球状多孔質シリカ、その製造方法及びそれを用いたカラム充填剤を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意研究を行った結果、シリカ源としてアルコキシシラン、酸性水溶液、特定の非イオン性界面活性剤を用いて製造することにより、望む粒径、細孔径、細孔構造を有する球状多孔質シリカが得られ、それをカラム充填剤として用いた場合には分離能に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の主題は、平均粒径が3〜50μmである球状多孔質シリカであって、
(A)細孔径が4〜10nm、
(B)細孔容積が0.60ml/g以上、
(C)シリカ粒子の球状換算として、走査型電子顕微鏡観察による短軸(D)と長軸(D)との長さの比(D/D)で表される真球度が0.95以上、
の特徴を有する球状多孔質シリカである。
また、前記球状多孔質シリカにおいて、さらに下記(D)の特徴を有することが好適である。
(D)細孔形状が、シリンダー型棒状である。
前記球状多孔質シリカにおいて、走査型電子顕微鏡により観察される該シリカ粒子が単分散していることが好適である。
本発明の第二の主題は、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体を酸性水溶液と混合して溶解させた後、アルコキシシランを添加し50〜80℃にて熟成させて反応を行い、生成する球状粒子中のPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体を除去することを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法である。
前記球状多孔質シリカの製造方法において、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体の曇点が50℃以上で、分子量が1800〜15000であることが好適である。
さらに、前記球状多孔質シリカの製造方法において、前記ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体とアルコキシシランを0.005:1〜0.03:1のモル比で用いることが好適である。
また、前記球状多孔質シリカの製造方法において、さらに疎水化処理を施す球状多孔質シリカの製造方法を提供する。
前記疎水化処理が、球状シリカ表面上に存在するシラノール基への炭素数1〜30の炭化水素基またはシアノ基から選択される1種または2種以上の基の導入であることが好適である。
さらに、前記疎水化処理が、球状シリカ表面上に存在するシラノール基へのオクタデシル基、オクチル基、フェニル基、シアノプロピル基、ブチル基、メチル基から選択される1種または2種以上の基の導入であることが好適である。
本発明の第三の主題は前記球状多孔質シリカを用いたカラム充填剤を提供することである。
また、本発明は、前記球状多孔質シリカの製造方法により得られる液体クロマトグラフィー用カラム充填剤を提供する。
本発明によれば、細孔径が4〜10nmであり、真球度の高い平均粒径が3〜50μmの球状多孔質シリカが得られるため、これをカラム充填剤として用いた場合には、充填のムラが少なく分離能に優れ、また機械的強度が良好なものとなる。
本発明の実施の形態について、以下に詳細に説明する。
球状多孔質シリカの構造
本発明の球状多孔質シリカの粒子は、平均粒径が3〜50μmの球状粒子を基本骨格とする。平均粒径が3〜50μmであると、液体クロマトグラフィー用カラム充填剤、特にHPLC用カラム充填剤として用いる場合に適したものとなるため好ましい。平均粒径は、製造方法におけるシリカの熟成反応の条件を適宜調整することにより、所望のサイズとすることも可能である。
本発明にかかる球状多孔質シリカの平均粒径は、走査型電子顕微鏡の観察によって測定される。
さらに、走査型電子顕微鏡観察による、シリカ粒子の短軸(DS)と長軸(DL)との長さの比で表される真球度が0.95以上であることが好ましい。真球度が1.0に近い球状粒子であると、カラム充填剤として用いた場合に充填のムラが抑えられる。また、HPLC用カラム充填剤として用いた場合には、分離能の低下の現象として見られるピークのブロード、テーリングなどを回避することに貢献する。
また、カラム充填剤、特にHPLC用のカラム充填剤として用いる場合、圧力をかけて移動相を流すことが通常行われるが、従来技術として存在する不定形シリカと比較して、本発明の球状多孔質シリカは耐圧性にも優れ、機械的強度が改善されている。
図1に本発明にかかる球状多孔質シリカの顕微鏡写真を、図2に比較対象として、従来技術として存在する不定形のシリカを示す。本発明にかかる球状多孔質シリカは球状の粒子が凝集せずに単分散していることが走査型電子顕微鏡写真による観察(図1)より明らかである。単分散した状態で球状多孔質シリカ粒子が得られ、球状化などの煩雑な工程を要さず、効率的に製造することが可能である。
次に、本発明にかかる球状多孔質シリカが有する細孔の構造について説明する。
本発明にかかる球状多孔質シリカは、以下の特徴を示す細孔を有する。
(A)細孔径が4〜10nm、
(B)細孔容積が0.60ml/g以上、
本発明にかかる球状多孔質シリカが有する細孔の細孔径は好ましくは4〜10nm、より好ましくは5〜10nm、最も好ましくは6〜10nmである。細孔径が4nmより小さい、あるいは10nmを超えるものであると液体用クロマトグラフィー用のカラム充填剤に用いた場合に、十分な分離性能が得られない場合がある。
本発明において、細孔径の測定は窒素吸着測定により、窒素吸着等温線を作成し、それから細孔分布曲線(BJH法)を求めて実施している。細孔分布曲線において示される最大のピーク値を細孔径として採用するものとする。
また、本発明にかかる製造方法によると、球状多孔質シリカは前記の好ましい細孔径の範囲である細孔を有するものである。
また、球状多孔質シリカの細孔容積は0.60ml/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.70ml/g以上である。細孔容積が0.60ml/gより小さいと、特にカラム充填剤としたときに十分な分離性能が得られない場合がある。0.60ml/g、より好ましくは0.70ml/g以上であると試料混合物の吸着・脱着及び分離に適したものとなる。
本発明において、細孔容積は窒素吸着測定によって得られる窒素吸着等温線からBJH法により全細孔容積を求めている。全細孔容積(ml)をサンプル量(g)で割ったものが前記細孔容積(ml/g)として算出される。
なお、本発明における球状多孔質シリカの比表面積は窒素吸着等温線からBET法により得られるものである。BET法とは、1938年にBrunauer、Emmett、Tellerの3名が単分子層吸着理論であるLangmuir理論を多分子層吸着に拡張した、比表面積の計算方法として知られている理論である。比表面積を求めようとする試料に吸着占有面積の分かっているガス分子(ここでは窒素)を吸着させその吸着量(V)と相対圧力(P/P)の関係を測定し、BETプロットを作成して切片と勾配を求め、単分子量吸着量(V)が決定される。試料の全表面積および比表面積は、次式により算出される。
(式1)
total=(Vm×N×Acs)M
(ここで、Stotalは全表面積(m)、Vmは単分子吸着量、Nはアボガドロ数、Acsは吸着断面積(m)、Mは分子量。)
(式2)
S=Stotal/w
(ここで、Sは比表面積(m/g)、wは試料のサンプル量。)
本発明にかかる球状多孔質シリカのBET比表面積は、600m/g以上であることが好ましく、さらに好ましくは650m/g以上、最も好ましくは700m/g以上である。
また、本発明にかかる球状多孔質シリカが有する細孔は、おおよそ、(D)その形状がシリンダー型棒状であることを特徴とする。シリンダー型棒状とは、長径が4〜10nmとする断面を有する、ほぼ棒状構造であることを意味する。断面の形状は特に問わないが、円又は円に近似した形であることが好ましい。一般的に多孔質材料の細孔形状は、円柱型、インクつぼ型、スリット型などが知られている。本発明においては、シリンダー型棒状である細孔が球状シリカに存在することにより、試料混合物の分離性能に優れたものとすることが可能である。細孔の形状が、従来技術でみられるインクつぼ型である場合、本発明にかかる球状多孔質シリカと同等の細孔容積、細孔径を有するものであっても、試料混合物の吸着・脱着の効率が劣り、分離性能が低下する傾向がある。
本発明にかかる球状多孔質シリカが有する細孔の形状は、吸着等温線および脱着等温線のヒステリシスループの形状から推察することが可能である。ヒステリシスループの形状と細孔の形状に関する研究は、Pure&Appl. Chem., Vol.57, No.4, 603, 1985に示されている。
球状多孔質シリカの製造方法
次に、本発明にかかる球状多孔質シリカの製造方法について説明する。
(第1工程)
界面活性剤であるポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体を酸性水溶液と混合して攪拌して溶解させる。室温にて攪拌しながら、この界面活性剤溶液中にケイ素源であるアルコキシシランを滴下する。この混合液をテフロン(登録商標)容器に移し入れて密栓をし、50〜80℃で加熱しながら熟成させる。その結果、シリカゲル中に前記界面活性剤が複合してなる本発明にかかる球状多孔質シリカ前駆体が形成される。
(第2工程)
前工程で得られる球状多孔質シリカ前駆体をろ過し、水で洗浄後、乾燥させる。その後、前記前駆体に含まれる界面活性剤を除去し、本発明にかかる球状多孔質シリカを得る。
以下に前記第1工程に関し、用いる合成原料とあわせて詳細に説明する。
前記第1工程において用いるPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体は、プルロニックの商品名で知られているが、本発明においては、分子量が1800〜15000であり、曇点が50℃以上であるものが好ましく用いられる。
市販品としては、例えば、プルロニックP123(PEO20−PPO70−PEO20、分子量5800、曇点85℃、BASF社製)、プルロニックP104(PEO27−PPO61−PEO27、分子量5900、曇点75℃、BASF社製)、プルロニックP105(PEO37−PPO56−PEO37、分子量6500、曇点92℃、BASF社製)等が挙げられる。本発明においては、曇点が50〜100℃の範囲にあるPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体が特に好ましく用いられる。
両親媒性物質であるPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体は、水溶液中において疎水性ブロックを中心として、親水性ブッロクが周囲の水と親媒するようにミセルを形成する。また、水溶液中におけるPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体濃度が上昇すると、このミセルは棒状ミセルを形成する。棒状ミセルが鉛筆を束ねたように最密充填し、その間隙でシリカ溶存種が縮合することにより、多孔質シリカ前駆体が形成される。
従って前記PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体が形成する棒状ミセルが、球状多孔質シリカが有する細孔のテンプレートの役割を果たし、望む細孔径、細孔容積、細孔形状を作り出すことに寄与する。
また、前記第1工程で用いられる酸性水溶液は、酸として塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸等の無機酸や有機酸などが挙げられるが、利便性等の点から本発明においては塩酸が好ましく用いられる。
本発明において、ケイ素源としてアルコキシシランが好ましく用いられる。アルコキシシランは、ケイ素原子上にアルコキシ基が4個、3個あるいは2個結合した、各々テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランを用いることができる。トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランである場合、ケイ素原子上には水酸基や有機基が結合してもよい。アルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
具体的には、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、シアノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシランが挙げられる。これらのアルコキシシランの1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルコキシシランを酸性水溶液中に滴下すると、アルコキシ基が加水分解されてシラノール基が生じる。このシラノール基が縮合することによってシリカ酸化物が形成される。前記PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体が形成する棒状ミセルの間隙を取り囲むようにして、シリカ酸化物が熟成し、本発明にかかる球状多孔質シリカの基本骨格が構築される。アルコキシシランは、1分子上に含まれるシラノール基の数が多いほど、縮合時の結合数が増し、機械的強度を有する球状多孔質シリカが得られる傾向にある。したがって本発明においては、テトラアルコキシシランが好ましく用いられる。特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが反応性の点からも好ましい。
さらに、前記PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体とアルコキシシランをモル比で0.005:1〜0.03:1の比で用いることが好ましい。この範囲を逸脱するモル比であると、望む粒径のシリカ粒子が形成されない場合や、球状多孔質シリカの形成が十分に行われなくなる場合があり好ましくない。
製造方法の第1工程において、用いる合成原料の添加順序は、PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体を先に酸性水溶液中に溶解させた後に、アルコキシシランを滴下することが好ましい。PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体が他の成分を含まない酸性溶液中に十分に溶解されることにより、棒状ミセルを形成することが、より効率的になされると考えられる。そして最終的に得られる細孔形状の均質性の向上に寄与する。
また、アルコキシシランをPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体の酸性溶液に滴下した後の熟成時の反応温度は50〜80℃が好ましく、より好ましくは60〜70℃である。反応温度が室温付近であったり、前記範囲よりも低いと、反応の進行が遅くなり効率が悪くなる。また、反応温度が前記範囲よりも高いと、用いるトリブロック共重合体によっては、曇点を越えてしまうため、シリカの形成や粒径の均質性に劣る場合があるため好ましくない。また良好に単分散されたものとして本発明にかかる球状多孔質シリカを得るためには、前記範囲の温度で熟成されることが好ましい。
さらの上記のシリカの熟成にかける反応時間は、72〜200時間が好ましい。上記の反応温度にて、72〜200時間熟成させることにより、本発明にかかる球状多孔質シリカが、真球度が0.95以上の球状であり、かつ均質性に富み単分散したものとして得られる。ただし、反応時間を上記範囲外にすることにより、多孔質シリカの粒径を目的に応じて適宜調整することも可能である。
次に、前記本発明にかかる製造方法の第2工程について説明する。
第1工程において調製された球状多孔質シリカ前駆体の反応懸濁液をろ過して、固体生成物を分離し、水で洗浄する。その後、室温〜100℃で乾燥させる。最終処理として、次の条件で焼成を行い、球状多孔質シリカ前駆体に含まれる、PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体を除去し、放冷した後に本発明にかかる球状多孔質シリカが得られる。
焼成:25℃〜500℃まで4℃/minで昇温させ、500℃付近で2時間以上、より好ましくは4時間以上行う。
また、PEO−PPO−PEOトリブロック共重合体の除去方法としては、前記の焼成以外に、メタノールやエタノール、アセトンなどの溶剤を用いた除去方法を用いてもよい。
球状多孔質シリカの利用
本発明にかかる球状多孔質シリカは、均質なメソポア多孔体であるため、それ自身で様々な分子の選択的な触媒担体、吸着剤、乾燥剤、ガスクロマトグラフィーまたはイオンクロマトグラフィーのためのカラム充填剤として用いることが可能である。
また、本発明にかかる球状多孔質シリカに疎水化処理を施すことも可能である。疎水化処理としては、球状多孔質シリカの粒子表面上に存在するシラノール基へのアルキル基、あるいはシアノ基等の導入が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の炭化水素基などが好ましい。オクタデシル基、オクチル基、フェニル基、シアノプロピル基、ブチル基、メチル基が好ましく導入される。その中でも特にオクタデシル基が好ましく導入される。
前記アルキルの導入のためにシランカップリング剤が反応に用いられる。シランカップリング剤としては、オクタデシル基を持つものとしてはジメチルオクタデシルクロロシラン、メチルオクタデシルメトキシシラン、メチルオクタデシルジクロロシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、1,3,5,7−テトラオクタデシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクチル基を持つものとしては、ジメチルオクチルクロロシラン、メチルオクチルジクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、1,3,5,7−テトラオクチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、n−ブチル基を持つものとしては、n−ブチルジメチルクロロシラン、n−ブチルメチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、1,3,5,7−テトラ−n−ブチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、フェニル基を持つものとしてはトリフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、1,3,5,7−テトラフェニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、シアノプロピル基を持つものとしては、3−シアノプロピルジメチルクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン等が具体的に挙げられる。
前記シランカップリング剤の中でも、特にメチルオクタデシルジクロロシラン等のジクロロシラン化合物、オクタデシルトリクロロシラン等のトリクロロシラン化合物、メチルオクタデシルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン化合物、オクタデシルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン化合物、1,3,5,7−テトラオクタデシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等のシクロシロキサン化合物を用いることが好ましい。
前記アルキル基の導入の方法としては、シランカップリング剤を球状多孔質シリカと反応させることが挙げられる。反応は公知の方法、条件を採用することができ、例えば溶媒の存在下において50〜300℃、気相あるいは液相で2時間以上接触させることにより行うことができる。触媒としては、金属触媒すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム又は白金の化合物が適合している。
本発明にかかる球状多孔質シリカの疎水化処理方法としては、上記のアルキル基の導入の他に、特許第1987472号に開示されるSi−H基を有するシリコーン化合物を球状多孔質シリカと接触させてシリコーンポリマー被膜を担持した粉体にアルキル基を導入する方法等が挙げられる。なお、これらに限定されるものではない。
疎水化処理された球状多孔質シリカは、試料混合物を分離する液体クロマトグラフィー用カラム充填剤として用いることができる。
また、本発明にかかる球状多孔質シリカを前述の目的で利用する際、使用目的に応じてサイズの均質性をさらに向上させるために、分級を行ってもよい。分級の方法は、例えば、乾式分級や湿式分級の重力、遠心力を利用した方法等がある。
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
多孔質シリカの製造例
<多孔質シリカの実施例1>
1.ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体(PEO20PPO70PEO20、分子量5800、曇点85℃、BASF社製)70gを塩酸水溶液(濃度10%)5000mlと攪拌混合し溶解させた。室温にて攪拌しながら、前記界面活性剤溶液中にテトラエトキシシランを純分で208g滴下し、テフロン(登録商標)容器に入れて密栓をして、5日間60〜70℃で加熱しながら熟成させ、球状多孔質シリカ前駆体を得た。
混合した(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体:テトラエトキシシランのモル比は、0.012:1。
2.前工程で得られる球状多孔質シリカ前駆体をろ過し、水で洗浄後、70℃にて12時間乾燥させた。その後25℃から500℃まで4℃/minで昇温させて、500℃にて4時間焼成し、放冷して球状多孔質シリカを得た。
<多孔質シリカの実施例2>
1.ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体(PEO37PPO56PEO37、分子量6500、曇点92℃、BASF社製)78gを塩酸水溶液(濃度10%)10000mlと攪拌混合し溶解させた。室温にて攪拌しながら、前記界面活性剤溶液中にテトラプロポキシシランを純分で264g滴下し、テフロン(登録商標)容器に入れて密栓をして、5日間60〜70℃で加熱しながら熟成させ、球状多孔質シリカ前駆体を得た。
混合した(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体:テトラエトキシシランのモル比は、0.012:1
2.前工程で得られる球状多孔質シリカ前駆体をろ過し、水で洗浄後、70℃にて12時間乾燥させた。その後25℃から500℃まで4℃/minで昇温させて、500℃にて4時間焼成し、放冷して球状多孔質シリカを得た。
<多孔質シリカの実施例3>
1.ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体(PEO20PPO70PEO20、分子量5800、曇点85℃、BASF社製)140gを塩酸水溶液(濃度10%)5000mlと攪拌混合し溶解させた。室温にて攪拌しながら、前記界面活性剤溶液中にテトラエトキシシランを純分で208g滴下し、テフロン(登録商標)容器に入れて密栓をして、5日間60〜70℃で加熱しながら熟成させ、球状多孔質シリカ前駆体を得た。
混合した(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体:テトラエトキシシランのモル比は、0.024:1
2.前工程で得られる球状多孔質シリカ前駆体をろ過し、水で洗浄後、70℃にて12時間乾燥させた。その後25℃から500℃まで4℃/minで昇温させて、500℃にて4時間焼成し、放冷して球状多孔質シリカを得た。
<多孔質シリカの比較例1>
テトラエトキシシラン純分で212gを塩酸水溶液(濃度3%)36mlと混合攪拌した後、界面活性剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド93gを添加し、数分間激しく攪拌させ粘性を生じさせた。その後テフロン(登録商標)容器に入れて密栓をして、5日間室温にて熟成させ、多孔質シリカ前駆体を得た。これをろ過し、水で洗浄後、70℃にて12時間乾燥させた。その後25℃から500℃まで4℃/minで昇温させて、500℃にて4時間焼成し、放冷して多孔質シリカを得た。
<多孔質シリカの比較例2>
テトラエトキシシランを純分で212gを塩酸水溶液(濃度3%)36mlと混合攪拌した後、界面活性剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド93gを添加し、1時間室温にて激しく攪拌させ粘性を有する溶液Aを得た。一方、n−ヘキサン500ml中にトリエチルアミン10ml加えた混合溶液を長さ500mmのガラスカラムに入れた。このガラスカラムの上部から、前記粘性溶液Aをシリンジにて圧力をかけながら注入して、溶液Aをカラム中に分散させゲル化させて球状多孔質シリカ前駆体を得た。これをろ過し、水で洗浄後、70℃にて12時間乾燥させた。その後25℃から500℃まで4℃/minで昇温させて、500℃にて4時間焼成し、放冷して多孔質シリカを得た。
<多孔質シリカの比較例3>
1.ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体PEO100PPO40PEO100、分子量11400、曇点>100℃、BSAF社製)73gを塩酸水溶液(濃度5%)3900mlと攪拌混合し溶解させた。前記界面活性剤溶液中にケイ酸ナトリウム60gに水40gを加えたケイ酸ナトリウム水溶液を滴下し、室温にて2時間、攪拌しながら反応させ(600rpm)、球状多孔質シリカ前駆体を得た。
2.前工程で得られる球状多孔質シリカ前駆体をろ過し、水で洗浄後、70℃にて12時間乾燥させた。その後25℃から600℃まで4℃/minで昇温させて、600℃にて1時間焼成し、放冷して球状多孔質シリカを得た。
上記実施例1および比較例1〜3の多孔質シリカの各試験方法は以下のように行った。
(1)平均粒径および真球度の測定
走査型電子顕微鏡(JSM6300,日本電子株式会社製)を用いて、20個の粒子径を測定し、平均値を算出した。また、10個の粒子の短軸(D)と長軸(D)との長さの比(D/D)を測定し、真球度の平均値を算出した。
(2)細孔の比表面積、細孔容積、細孔径の測定
自動窒素吸着測定装置(Autosorb、Quantachrome社製)を用いて、多孔質シリカの窒素吸着等温線を作成し、BET比表面積を求めた。また、細孔径分布はBJH法により解析し、最大ピーク値を細孔径として求めた。細孔容積は、窒素吸着等温線からBJH法により全細孔容積を求めた。
下記表1に、上記実施例1〜3および従来技術の比較例1〜3で得た、多孔質シリカの特性を示す。
なお、図3に、実施例1で得た球状多孔質シリカの窒素吸着・脱着等温線を示す。図3の等温線はIUPACのIV型であり、本発明にかかる球状多孔質シリカがメソポアを有することを示唆するものである。また、細孔形状がシリンダー型棒状であることが推察される。
また図4に、実施例1で得た球状多孔質シリカの窒素吸着等温線から求めた細孔分布曲線(BJH法)を示す。
上記表1の結果より明らかなように、比較例1および2で得られた多孔質シリカは、細孔径が2nm付近のものであり、ほぼマイクロポアの領域の多孔体である。またこれらは、界面活性剤としてアルキルアミン塩を用いて製造されており、比較例1においては粒子が不定形であり真球度が低いものであった。比較例2においては、アルカリ処理を施しているため、若干真球度が向上しているものの、この球状化処理は操作が煩雑であり実使用するには不適切なものと判断される。
比較例3で得られた多孔質シリカは球状化処理を要することなく、真球度が高い球状を有するものであるが、シリカ粒子の粒径が100μmを超えるものであった。そのために比表面積は700m/gを超えているものの、細孔容積は0.36ml/gであることから、多孔体であるシリカ粒子としての特性を十分に生かしているものとはいえない。また、この多孔質シリカも比較例1および2と同様に、マイクロポアの領域の多孔体である。
一方、実施例1〜3で得られた多孔質シリカは、真球度が0.95以上の値である球状を有するものである。製造に用いる界面活性剤を、前記比較例3と類似の化合物(親水性割合が異なる)を用いたことにより球状化が図れたとものと推測される。しかしながら、比較例3と異なり、実施例1〜3の多孔質シリカの細孔は5.8〜7.3nmとメソポア領域のものであり、細孔容積、比表面積共に、カラム充填剤として適しており固有の特性を有していると認められた。シリカ粒径も数μmオーダーのものであり、その値と細孔容積、比表面積との相関から、多孔体としてのシリカ粒子の特性を十分に発揮するものと期待される。
次に、本発明にかかる球状多孔質シリカを用いたHPLC用カラム充填剤について具体的に説明する。
HPLC用カラム充填剤の製造例
前記実施例1で調製した、本発明にかかる球状多孔質シリカ2.0g(平均粒径12.7μm、均等係数(D40/D90)=1.83)を水でデカンテーションすることにより分級処理を施し、球状多孔質シリカ0.45gを採取した。分級後の球状多孔質シリカは平均粒径が6.1μm、均等係数(D40/D90)=1.53であった。
前記分級後の球状多孔質シリカ0.45gをトルエン22.5mLとピリジン10mmolと混合し、加熱還流をさせた混合懸濁液中へ、n−オクタデシルジメチルクロロシラン10mmolを滴下した。懸濁液を3時間加熱還流させた後、シリカ粒子をろ過し、洗浄、減圧乾燥(120℃にて13時間)して目的のオクタデシル基が導入された(C18化)球状多孔質シリカ充填剤を得た(実施例2)。なお、このようにして得られた充填剤の物性データは以下の通りであった。
元素分析装置による炭素含有量測定:C%15.75%
上記製造例で調製した充填剤を、400kg/cm2の充填圧力で内径2.0mm、長さ35mmのステンレス製カラムに平衡スラリーで充填し、HPLC用カラムを作成した。このカラムを用い、試料混合物の分離性能の評価試験を行った。分離すべき試料混合物は、ウラシル、安息香酸メチル、トルエン、ナフタレンである。
なお、比較のために、前記比較例3で調製した多孔質シリカを上記と同様にC18化し、ステンレス製カラムに充填して評価試験を行った(比較例4)。
なお、測定条件は以下の通りである。
移動相:アセトニトリル:水=4:6
温度:35℃
流速:200μL/min
検出:UV、254nm
試料量:2μL
HPLCによる測定結果を、実施例2および比較例4を用いた場合について各々図5、図6に示した。
図5の結果から明らかなように、本発明にかかる球状多孔質シリカを用いたカラム充填剤を用いた場合には、各成分に対応したピークが観測された。一方、図6に関しては、ピークが図5に比べてシャープさに欠けるものであった。
本発明にかかる球状多孔質シリカの走査型電子顕微鏡の写真図である。 従来品の不定形多孔質シリカの走査型電子顕微鏡の写真図である。 実施例1の球状多孔質シリカの窒素吸着等温線を示す図である。 実施例1の球状多孔質シリカの窒素吸着等温線から求めた細孔分布曲線(BJH法)を示す図である。 実施例2のカラム充填剤のHPLCによる測定結果を示す図である。 比較例4のカラム充填剤のHPLCによる測定結果を示す図である。

Claims (11)

  1. 平均粒径が3〜50μmである球状多孔質シリカであって、下記(A)〜(C)の特徴を有する球状多孔質シリカ。
    (A)細孔径が4〜10nm、
    (B)細孔容積が0.60ml/g以上、
    (C)シリカ粒子の球状換算として、走査型電子顕微鏡観察による短軸(D)と長軸(D)との長さの比(D/D)で表される真球度が0.95以上。
  2. 請求項1に記載の球状多孔質シリカにおいて、さらに下記(D)の特徴を有する球状多孔質シリカ。
    (D)細孔形状が、シリンダー型棒状である。
  3. 請求項1または2に記載の球状多孔質シリカにおいて、走査型電子顕微鏡により観察される該シリカ粒子が単分散していることを特徴とする球状多孔質シリカ。
  4. ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体を酸性水溶液と混合して溶解させた後、アルコキシシランを添加し50〜80℃にて熟成させて反応を行い、生成する球状粒子中のPEO−PPO−PEOトリブロック共重合体を除去することを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法。
  5. 請求項4に記載の球状多孔質シリカの製造方法において、前記ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体の曇点が50℃以上で、分子量が1800〜15000であることを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の球状多孔質シリカの製造方法において、前記ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(PEO−PPO−PEO)トリブロック共重合体とアルコキシシランを0.005:1〜0.03:1のモル比で用いることを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の球状多孔質シリカの製造方法において、さらに疎水化処理を施すことを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法。
  8. 請求項7に記載の球状多孔質シリカの製造方法において、前記疎水化処理が、球状シリカ表面上に存在するシラノール基への炭素数1〜30の炭化水素基またはシアノ基から選択される1種または2種以上の基の導入であることを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の球状多孔質シリカの製造方法において、前記疎水化処理が、球状シリカ表面上に存在するシラノール基へのオクタデシル基、オクチル基、フェニル基、シアノプロピル基、ブチル基、メチル基から選択される1種または2種以上の基の導入であることを特徴とする球状多孔質シリカの製造方法。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載の球状多孔質シリカを用いたカラム充填剤。
  11. 請求項4〜9のいずれかに記載の球状多孔質シリカの製造方法により得られることを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラム充填剤。
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