JP2008118955A - 蓄光性釣り糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】光などの外部刺激により発光し、光を取り除いた後においても極めて長時間の残光輝度特性を有し、夜釣りにおいても極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きを容易に確認可能で、しかも強度および耐久性に優れた蓄光性釣り糸の提供。
【解決手段】蓄光性合成繊維11と非蓄光性合成繊維12の複数本同士からなる製紐体10からなる釣り糸であって、前記製紐体10の軸方向表層部に前記蓄光性合成繊維11と非蓄光性合成繊維12が交互に位置していることを特徴とする蓄光性釣り糸。
【選択図】図1

Description

本発明は、光などの外部刺激により発光し、光を取り除いた後においても極めて長時間の残光輝度特性を有し、夜釣りにおいても極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きを容易に確認可能で、しかも強度および耐久性に優れた蓄光生釣り糸に関するものである。
近年、釣具の進化はめざましく、中でも釣り糸の分野では、それぞれの釣り用途に最も適した釣り糸の開発が盛んに行われている。例えば、夜釣り用の釣り糸としては、光エネルギーを蓄えた後自ら発光する自発光糸と光を受けて発光する蛍光糸とを製紐した蓄光性釣り糸(例えば、特許文献1参照)や、釣り糸の表層に蓄光材を含有した被覆層を設けた蓄光性釣り糸(例えば特許文献2)が提案されている。
これら従来の蓄光性釣り糸は、夜釣りに使用する場合の視認性がよいことから、例えばアオリイカのエギ釣り用道糸として夜釣りで使用したときに、エギ(エビの形に模した疑似餌)の着水点を確認し易く、またエギにかかったアオリイカがどの方向に逃げようとしているかなどの大きな横方向の動きが糸を見ながら確認できる。しかしながら、着水した後のエギをアオリイカのいる層(以下棚という)まで沈めていく作業(以下フォーリングという)の途中では、エギにアオリイカが抱きついた時の繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きの変化を確認しにくいため、このわずかな変化を見逃してしまい、せっかくアオリイカがエギに抱きついていてもあわせを入れることなくフォーリングを続けてしまうことから、その結果アオリイカが違和感を覚えエギを離してしまい、釣り逃がしてしまうことが多いという問題があった。
また、釣り糸の繊維軸方向の微妙な動きを見極めることを可能とした釣り糸としては、0.5ないし2m程度の一定ピッチで着色領域と非着色領域を配置した釣り糸(例えば、特許文献3)や、所定単位長さ毎に所定長の識別色を付けた釣り糸(例えば、特許文献4)が知られているが、これらのマーキングを施した釣り糸は、自発光性を具備していないために、昼間の釣りに使用する場合においては有効であるが、夜釣りに使用する場合はマーキング部分はもとより釣り糸自体も視認が困難であり、釣り糸ラインの微妙な動きに応じて当たりを取ることができず、その結果夜釣りの釣果が下がってしまい、アオリイカの活動が活発になる夜釣り用の糸としては実用性に欠けるという問題を残していた。
特開2002−38350号公報 特開2005−200774号公報 特開2006−6157号公報 特開平11−32633号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、光などの外部刺激により発光し、光を取り除いた後においても極めて長時間の残光輝度特性を有し、夜釣りにおいても極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きを容易に確認可能で、しかも強度および耐久性に優れ、特にアオリイカのエギ釣り用釣り糸に適した蓄光性釣り糸を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、蓄光性合成繊維と非蓄光性合成繊維の複数本同士からなる製紐体からなる釣り糸であって、前記製紐体の軸方向表層部に前記蓄光性合成繊維と非蓄光性合成繊維が交互に位置していることを特徴とする蓄光性釣り糸が提供される。
なお、本発明の蓄光性釣り糸においては、
前記蓄光性合成繊維が蓄光性発光体を含有または表面被覆した合成繊維であること、
前記蓄光性発光体がアルカリ土類金属酸化物に賦活剤として希土類酸化物をドープさせてなる蓄光性発光体であること、
前記蓄光性発光体の粒子表面にリン酸塩がコーティングされていること
前記製紐体の軸方向表層部に前記蓄光性合成繊維と非蓄光性合成繊維とが10〜200cmの間隔で配置されていること、および
アオリイカのエギ釣り用釣り糸であること
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことによりさらに優れた効果を取得することができる。
本発明によれば以下に説明するとおり、光などの外部刺激により発光し、光を取り除いた後においても極めて長時間の残光輝度特性を有し、夜釣りにおいても極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きを容易に確認可能で、しかも強度および耐久性に優れた蓄光性釣り糸を得ることができ、この蓄光性釣り糸は特にアオリイカのエギ釣り用釣り糸として好適である。
以下、図面を参照しつつ本発明の蓄光性釣り糸について具体的に説明する。
図1は本発明の蓄光性釣り糸の一例を示す説明図である。
図1に示したように、本発明の蓄光性釣り糸は、複数本の蓄光性合成繊維11と、複数本の非蓄光性合成繊維12とからなる製紐体10を基本構造としており、この製紐体10の軸方向表層部には、蓄光性合成繊維11と非蓄光性合成繊維12とが交互に位置していることを特徴とする。
すなわち、製紐体10の軸方向表層部には、蓄光性合成繊維11からなる蓄光部aと、非蓄光性合成繊維12からなる非蓄光部bとが、所定の間隔を置いて交互に配置されており、これによりマーキングが形成されているのである。
この場合に、釣り糸の全体を非蓄光部にしてしまうと、夜釣りにおいて釣り糸の視認が出来なくなり、全体を蓄光部にしてしまうと、夜釣りにおける釣り糸の視認性は良くなるが、エギが着水してから棚までエギをフォーリングする途中にエギにアオリイカが抱きついた時の繊維軸方向の微妙な糸の変化を見逃してしまう傾向となるため好ましくない。
ここで、蓄光性合成繊維11からなる蓄光部と、非蓄光性合成繊維12からなる非蓄光部とのピッチ間隔については特に限定するものではないが、蓄光部および非蓄光部ともに長さが10〜200cmの間隔で交互に配置されていることが好ましく、さらに50〜100cmの間隔で交互に配置されることが、釣り糸の微妙な動きを確認するためにはより好ましい条件となる。
この場合に、非蓄光部および蓄光部の長さが10cmより短くなると、蓄光部と非蓄光部とのコントラストがハッキリしなくなり全体が光って見えてしまうため、繊維軸方向の微妙な糸の変化を読みとれなくなり、200cmを越えてしまうと、コントラストはハッキリするが、マーキング間隔が広くなり過ぎて逆に微妙な動きが読みとり難くなる傾向が招かれることになる。
本発明の釣り糸を構成する合成繊維としては、ポリアミド繊維、ポリフッ化ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、アラミド繊維など様々な素材のマルチフィラメントおよび/またはモノフィラメントなどが挙げられ、これら複数を組み合わせることにより、高比重タイプ、低比重タイプ、高伸度タイプ、低伸度タイプなどの様々な釣り糸を提供することができる。
蓄光性繊維は、前記合成繊維に蓄光性発光体を含有または表面被覆させることにより作成することができるが、高強度を維持するためには表面被覆する方が好ましい。
一方、非蓄光性合成繊維としては、釣り糸自体の強度を保証するために、破断強度が13cN/dtex以上、弾性率が350cN/dtex以上の繊維を使用することが好ましく、この条件を満たす蓄光性繊維としては、高密度ポリエチレン繊維、アラミド繊維およびポリアリレート繊維などが挙げられる。特に、高密度ポリエチレン繊維およびポリアリレート繊維などを釣り糸の少なくとも一部に使用することが、アオリイカのエギ釣り用釣り糸の要求特性である高強度、低伸度を実現するためには好ましい。
本発明の蓄光性釣り糸の製造方法としては、例えば、複数本の蓄光性合成繊維を芯糸側に配置し、非蓄光性合成繊維を鞘糸側に配置して製紐を開始し、次いで鞘糸側の非蓄光性合成繊維を芯糸側に変更し、芯糸側の蓄光性合成繊維を鞘糸側に変更して製紐する作業を連続的に繰り返すことにより、蓄光性合成繊維からなる蓄光部と、非蓄光性合成繊維からなる非蓄光部とが所定の間隔で交互に配置した製紐体となす方法が適用される。
なお、同様な蓄光部によるマーキングを形成する手段としては、例えば非蓄光性合成繊維の表面に、蓄光性発光体を含有させた樹脂および/またはバインダーを部分的にコーティングする方法、蓄光性発光体を含有した蓄光性合成繊維の表面に、光透過性を押さえた樹脂および/またはバインダーを部分的にコーティングする方法、および非蓄光性合成繊維の表面に蓄光性発光体を含有させた樹脂および/またはバインダーをコーティングした蓄光性繊維から、コーティング層を部分的に除去する方法などが考えられるが、このような方法で得られる線状体は、いずれも表層側が使用中に脱落して蓄光性合成繊維または非蓄光性合成繊維の単体になりやすく、せっかく形成したマーキング層の耐久性が劣るため好ましくない。また、部分的にコーティングを施すことにより、表面のコーティング部分、非コーティング部分により釣り糸の表面が凸凹になってしまうため、エギを投げたとき釣り竿のガイドの抵抗が大きくなり飛距離が落ちてしまうばかりか、コーティング部分が硬く非コーティング部分が柔らかくなるために、釣り竿のガイドに絡みやすくなり使用中のトラブルが頻発することになる。
すなわち、上記したような構造の製紐体により本発明の蓄光性釣り糸を形成することにより、蓄光部によるマーキングが施され、しかも釣り糸として必要とされる強度が保持されるとともに、蓄光性能およびマーキング性能の耐久性が向上した蓄光性釣り糸が得られるのである。
本発明の蓄光性釣り糸において、蓄光性合成繊維に使用される蓄光性発光体としては、アルカリ土類金属酸化物に賦活剤として希土類酸化物をドープさせてなる蓄光性発光体が好ましく、さらにはこの蓄光性発光体の粒子の表面にリン酸塩がコーティングされているものが好ましい。このような蓄光性発光体を使用することにより、高輝度で、長時間の残光輝度特性を有し、蓄光性能の耐久性も確保できる。
本発明の蓄光性釣り糸の直径については特に限定されないが、0.05〜0.6mmの範囲が好ましく、0.1〜0.3mmの範囲がより好ましい。
釣り糸の直径が0.05mmより細くなると、釣り糸の強力が低くなりせっかく掛けたアオリイカを取り込む時に糸が切れてしまい逃がしてしまうばかりか、大切なエギを無くしてしまう傾向となり、直径が0.6mmより太くなると、釣り糸の空気抵抗が大きくなってエギの飛距離が落ちてしまうばかりか、水の抵抗が大きくなりエギをフォーリングさせるのに時間がかかってしまうという不具合が招かれることになる。
以上の構成からなる本発明の蓄光性釣り糸は、光などの外部刺激により発光し、光を取り除いた後においても極めて長時間の残光輝度特性を有し、夜釣りにおいても極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きを容易に確認可能で、しかも強度および耐久性に優れていることから、特にアオリイカの活動が活発になる夜釣りに使用するエギ釣り用釣り糸として最適である。
以下に、本発明の蓄光性釣り糸を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、実施例における釣り糸の評価は以下の方法で行った。
[直径測定]
アンリツ社製レーザー外径測定機「KL−151A」を使用し、釣り糸300mを30m/分の速度で計測部分を走行させることにより測定し、平均直径を算出した。
[破断強度]
JIS L1013の規定に準じて、釣り糸を20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置後、(株)オリエンテック社製「テンシロンUTM−4−100型」引張試験機を使用して、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で引張破断強力を求め強度を算出した。
[実釣評価−1]
実施例または比較例で得られた釣り糸をスピニングリールに巻き取り、ナショナル社製ルミラインシステム専用蓄光器「BF−966」を釣り竿に取りつけ、重さ2.5gのエギを使用して実際にアオリイカの夜釣りをする場合の釣り糸の視認性について、複数の釣り人に次の二段階での評価を依頼した。
○:夜釣りに置いても糸筋がハッキリ見えてエギの位置が確認しやすく、アオリイカを取り込むときも障害物をさけることが出来、釣り逃がすことがなかった。
×:夜釣りに置いては糸筋が確認できず、エギの位置は感のみが頼りであり、無駄なリーリング時間が長く、釣果も上がらなかった。
[実釣評価−2]
実施例または比較例で得られた釣り糸をスピニングリールに巻き取り、ナショナル社製ルミラインシステム専用蓄光器「BF−966」を釣り竿に取りつけ、重さ2.5gのエギを使用して実際にアオリイカの夜釣りをする場合のラインの動きによる当たりの取り易さについて、複数の釣り人に次の三段階での評価を依頼した。
○:フォーリング中のエギを途中でアオリイカが抱く止め当たり、沈んでいくエギを追いかけてそのままエギが沈む方向に引っ張る当たりなど微妙な当たりもラインの動きで確認でき釣果が上がったと共に、夜釣りに置いても昼間と同じような釣りを楽しむことが出来た。
△:ラインが見えるためエギの位置などは解りやすかったが、フォーリング中のエギを途中でアオリイカが抱く止め当たり、沈んでいくエギを追いかけてそのままエギが沈む方向に引っ張る当たりなど微妙な当たりが確認できず結果として釣果が上がらなかった。
×:夜釣りに置いては釣り糸が見えずラインの動きによる当たりを捕らえることが出来ないばかりか、エギの位置も確認できないことから無駄なリーリング時間が長くなり、釣果が上がらなかった。
[実釣評価−3]
実施例または比較例で得られた釣り糸をスピニングリールに巻き取り、ナショナル社製ルミラインシステム専用蓄光器「BF−966」を釣り竿に取りつけ、重さ2.5gのエギを使用して実際にアオリイカの夜釣りをする場合の耐久性について、複数の釣り人に次の二段階での評価を依頼した。
○:釣り始めから釣り終わりまで蓄光部分、非蓄光部分のコントラストがハッキリしており、その状態は複数回の使用でも変化がなかった。
×:釣り始めから数時間で、コーティング部分が剥がれ出し、蓄光部分と非蓄光部分とのコントラストがハッキリしなくなり、フォーリング中のエギを途中でアオリイカが抱く止め当たり、沈んでいくエギを追いかけてそのままエギが沈む方向に引っ張る当たりなど、微妙な当たりが確認できず結果として釣果が上がらなかった。
[実釣評価4]
複数の釣り人に、実施例または比較例で得られた釣り糸をスピニングリールに巻き取り、ナショナル社製ルミラインシステム専用蓄光器「BF−966」釣り竿に取りつけ、重さ2.5gのエギを使用して実際にアオリイカの夜釣りをする場合の釣り糸の絡み、キャスティング時のバックラッシュなど使用中のトラブルについて、複数の釣り人に次の二段階での評価を依頼した。
○:釣り竿のガイドへの絡み、バックラッシュ、巻き取り時の釣り糸表面の凸凹による抵抗など全く問題なく終日快適に釣りを楽しむことができた。
×:釣り竿のガイドへの絡み、キャスティング時のバックラッシュ等が頻発した他、巻き取り時に釣り糸表面の凸凹による抵抗が当たりの様に手元に伝わってくるため実際の当たりとの見分けがつかず結果として釣果が上がらなかった。
[実施例1]
サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」4本を芯糸にし、クラレ(株)製の全芳香族ポリエステルマルチフィラメント繊維「ベクトランHT」220dtex4本を鞘糸として製紐し、まず軸方向表層部に長さ50cmの非蓄光部を、引き続き芯糸と鞘糸を逆転させて、軸方向表層部に長さ30cmの蓄光部を形成する作業を繰り返すことにより、直径0.165mmの釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製 N夜光ルミノーバ GLL300FFS)10重量%と6/66ナイロン共重合体(東レ社製 M6041 融点:195℃)90重量%との混合物にエチレンビスステアリン酸アマイド(ライオンアクゾ社製 アーモワックスEBSパウダー)を0.1重量%ブレンドし、この混合物をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給して、235℃の温度で溶融混錬した後、孔径0.8mmの紡糸口金を通して紡出し、さらに10℃の冷却水中で冷却固化せしめた。
次に、冷却固化された未延伸糸を100℃の蒸気浴中と205℃の乾熱浴中でトータル6.0倍に延伸し、さらに170℃の乾熱浴中で0.9倍の弛緩熱処理を施すことにより、直径0.1mmの蓄光性モノフィラメント繊維を得た。
上記で得られた蓄光性モノフィラメント繊維3本を芯糸にし、クラレ(株)製の全芳香族ポリエステルマルチフィラメント繊維「ベクトランHT」220dtex4本を鞘糸として製紐し、まず軸方向表層部に長さ40cmの非蓄光部を、引き続き芯糸と鞘糸を逆転させて、軸方向表層部に長さ10cmの蓄光部を形成する作業を繰り返すことにより、直径0.310mmの釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」4本を芯糸にし、東レ製ナイロンマルチフィラメント50dtex5本を鞘糸として製紐し、まず軸方向表層部に長さ30cmの非蓄光部を、引き続き芯糸と鞘糸を逆転させて、軸方向表層部に長さ50cmの蓄光部を形成する作業を繰り返すことにより、直径0.165mmの釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」4本を芯糸にし、東洋紡(株)製の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント繊維「ダイニーマSK60」220dtex4本を鞘糸として製紐し、まず軸方向表層部に長さ50cmの非蓄光部を、引き続き芯糸と鞘糸を逆転させて、軸方向表層部に長さ50cmの蓄光部を形成する作業を繰り返すことにより、直径0.165mmの釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」を芯糸、鞘糸両方に使用し、直径0.165mmの全長が蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
東洋紡(株)製の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント繊維「ダイニーマSK60」220dtexを芯糸、鞘糸両方に使用し、直径0.165mmの全長が非蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」4本を芯糸にし、東洋紡(株)製の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント繊維「ダイニーマSK60」220dtex4本を鞘糸として製紐し、直径0.165mmの全長が非蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例4]
東洋紡(株)製の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント繊維「ダイニーマSK60」220dtexを芯糸にし、サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」4本を鞘糸として製紐し、直径0.165mmの全長が蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例5]
東洋紡(株)製の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント繊維「ダイニーマSK60」220dtexを芯糸、鞘糸両方に使用し、直径0.165mmの全長が非蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の軸方向表層部に蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製 N夜光ルミノーバ GLL300FFS)10重量%を含有させた紫外線硬化樹脂(JSR社製デソライト)を50cm間隔でコーティングし、紫外線照射により硬化させることにより、50cmの蓄光部と50cmの非蓄光部とを交互に持った直径0.170mmの釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例6]
サンエス繊維工業社製蓄光繊維「SELLAN/GLL(P)」を芯糸、鞘糸両方に使用し、直径0.165mmの全長が蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の軸方向表層部に黒色分散染料(三菱ケミカル社製ダイヤニックスブラックBG−FS200%)を10重量%含有させた紫外線硬化樹脂(JSR社製デソライト)を50cm間隔でコーティングし、紫外線照射により硬化させることにより、50cmの蓄光部と50cmの非蓄光部とを交互に持った直径0.170mmの釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
[比較例7]
東洋紡(株)製の超高分子量ポリエチレンマルチフィラメント繊維「ダイニーマSK60」220dtexを芯糸、鞘糸両方に使用し、直径0.165mmの全長が非蓄光部の釣り糸を作成した。得られた釣り糸の表面に蓄光性蛍光体(根本特殊化学社製 N夜光ルミノーバ GLL300FFS)10重量%を含有させた紫外線硬化樹脂(JSR社製デソライト)を全体にコーティングし、紫外線照射により硬化させることにより全体が蓄光部の0.170mmの釣り糸を得た。得られた釣り糸の軸方向表層部から50cm間隔で20cm分のコーティング層を機械的に剥がすことにより釣り糸を作製した。得られた釣り糸の評価結果を表1に示す。
Figure 2008118955
表1の結果から明らかなように、本発明の釣り糸(実施例1〜4)は、いずれも繊維軸方向に非蓄光部および蓄光部を交互に形成しており、夜釣りにおいて極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向のわずかな糸の動きを視認できることから、夜釣りでアオリイカのエギ釣りをした場合フォーリング中のエギを途中でアオリイカが抱く止め当たり、沈んでいくエギを追いかけてそのままエギが沈む方向に引っ張る当たりなどの微妙な当たりもラインの動きで確認でき釣果が上がったと共に、耐久性に優れ、使用中のトラブルもなく、夜釣りにおいても昼間と同じような釣りを楽しむことができ、極めて実用性の高いものである。
一方、全長が蓄光部である釣り糸(比較例1および4)は、夜釣りにおいて極めて優れた視認性を発揮してラインがはっきり見えるため、エギの位置などは解りやすかったが、フォーリング中のエギを途中でアオリイカが抱く止め当たり、沈んでいくエギを追いかけてそのままエギが沈む方向に引っ張る当たりなど微妙な当たりが確認できず、結果として釣果が上がらず実用性に欠けたものであった。
また、全長が非蓄光部である釣り糸(比較例2および3)は、夜釣りにおいては釣り糸が確認できずラインの動きによる当たりを捕らえることができないばかりか、エギの位置も確認できないことから無駄なリーリング時間が長くなり、釣果が上がらず、極めて扱いにくいものであった。
さらに、非蓄光釣り糸に蓄光性顔料を含有したコーティング材で部分的にコーティングして蓄光部と非蓄光部とを形成した釣り糸(比較例5)、蓄光性釣り糸に黒色染料を含有したコーティング材で部分的にコーティングして蓄光部と非蓄光部とを形成した釣り糸(比較例6)、蓄光性釣り糸に黒色染料を含有したコーティング材で全体をコーティングし、部分的にコーティングを剥がして蓄光部と非蓄光部とを形成した釣り糸(比較例7)は、いずれも視認性、当たりの取り易さについては実施例同様良好であったが、実釣時釣り竿のガイドとの擦れによりコーティングが剥がれやすく、耐久性に欠けるものであり、コーティング部分が部分的に太くなりキャスティング時に釣り竿のガイドに引っかかり飛距離が下がると共に、コーティング部分が硬く非コーティング部分が柔らかく成るため釣り竿のガイドに絡みやすくなり、使用中のトラブルが頻発してしまい極めて扱いにくいものであった。
以上説明したように、本発明の蓄光性釣り糸は、光などの外部刺激により発光し、光を取り除いた後においても極めて長時間の残光輝度特性を有し、夜釣りにおいても極めて優れた視認性を発揮すると共に、繊維軸方向の微妙な釣り糸の動きを容易に確認可能で、しかも強度および耐久性に優れているため、その実用性が極めて高く、特にアオリイカのエギ釣り用釣り糸として好適である。
本発明の蓄光性釣り糸の一例を示す説明図。
符号の説明
10 製紐体
11 蓄光性合成繊維
12 非蓄光性合成繊維
a 蓄光部
b 非蓄光部

Claims (6)

  1. 蓄光性合成繊維と非蓄光性合成繊維の複数本同士からなる製紐体からなる釣り糸であって、前記製紐体の軸方向表層部に前記蓄光性合成繊維と非蓄光性合成繊維が交互に位置していることを特徴とする蓄光性釣り糸。
  2. 前記蓄光性合成繊維が、蓄光性発光体を含有または表面被覆した合成繊維であることを特徴とする請求項1に記載の蓄光性釣り糸。
  3. 前記蓄光性発光体が、アルカリ土類金属酸化物に賦活剤として希土類酸化物をドープさせてなる蓄光性発光体であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄光性釣り糸。
  4. 前記蓄光性発光体の粒子表面にリン酸塩がコーティングされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄光性釣り糸。
  5. 前記製紐体の軸方向表層部に、前記蓄光性合成繊維と非蓄光性合成繊維とが10〜200cmの間隔で配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄光性釣り糸。
  6. アオリイカのエギ釣り用釣り糸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄光性釣り糸。
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