JP2006081543A - 蓄光テグスおよびその製造方法、並びに蓄光性道糸 - Google Patents
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Abstract
【課題】光を取り除いた後においても優れた発光性を持続するとともに、十分な強度を持ち、耐久性および操作性に優れた蓄光テグスを提供する。
【解決手段】蓄光性蛍光体を含有した熱可塑性合成樹脂モノフィラメントであって、直径が0.15〜1.2mm、引張強度が450〜800MPa、引張破断伸度が15〜35%、結節強度が250〜650MPa、且つ曲げ硬さ指数Bhiが9〜15の範囲であることを特徴とする蓄光テグス。
【選択図】なし
【解決手段】蓄光性蛍光体を含有した熱可塑性合成樹脂モノフィラメントであって、直径が0.15〜1.2mm、引張強度が450〜800MPa、引張破断伸度が15〜35%、結節強度が250〜650MPa、且つ曲げ硬さ指数Bhiが9〜15の範囲であることを特徴とする蓄光テグス。
【選択図】なし
Description
本発明は、光を取り除いた後においても優れた発光性を持続すると共に、十分な強度を持ち、耐久性および操作性に優れた蓄光テグスおよびその製造方法、並びに蓄光性道糸に関するものである。
光を受けて発光し、光を取り除いた後においても暗所で発光し続ける蓄光性繊維は、従来から主にカーペットや夜釣り用釣糸などの用途に広く利用されている。
特に、発光性に優れるアルミン酸ストロンチウム系蓄光顔料を使用した蓄光繊維に関する従来技術は既に知られており、例えば蓄光性蛍光体を熱可塑性樹脂に配合して形成した蓄光性蛍光を有する繊維(例えば、特許文献1参照)、夜光性顔料を10〜60重量%含有するポリオレフィン樹脂からなる芯成分と、夜光性顔料を含有しないポリオレフィン樹脂からなる鞘成分からなる高輝度夜光性繊維(例えば、特許文献2参照)、夜光性顔料を含有するポリエステル樹脂またはポリオレフィン樹脂を芯成分とし、夜光性顔料を含有せず、ジカルボン酸成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を0.3〜2.5モル%共重合し、且つ繰り返し単位の82.5〜96.7モル%がポリエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂を鞘成分とする高輝度夜光性繊維(例えば、特許文献3参照)などが挙げられる。
しかし、上記の蓄光繊維は、蓄光性蛍光性能を有するものの、引張強度が高々180〜314MPa、または142〜425MPa程度であり、釣糸として使用した場合に十分な強さを発現するものではなかった。
また、発光性に優れるアルミン酸ストロンチウム系蓄光顔料を使用した蓄光テグスに関する従来技術としては、吸水率が0.5重量%以下の熱可塑性合成樹脂と、蓄光性蛍光体からなる樹脂組成物を少なくとも一部の構成成分とする発光性モノフィラメント(例えば、特許文献4参照)、少なくとも内層の一部を構成する成分が蓄光性蛍光顔料を含有する熱可塑性ポリマーからなり、最表層を構成する熱可塑性ポリマーが吸水率0.5重量%以下のポリマーからなる夜光性複合繊維(例えば、特許文献5参照)、および熱可塑性合成樹脂に式SrmAlnOm+3n/2(但し、m≧2、n≧3)で表されるアルミン酸ストロンチウムを含有させた組成物を少なくとも一部の構成成分とする釣糸(例えば、特許文献6参照)などが知られている。
さらに、蓄光テグスを継続的に発光させる技術として、竿またはリールに蓄光性テグスを発光させる蓄光器が備えられた釣用具(例えば、特許文献7参照)が本発明者らによって提案されている。
このようなテグスおよび釣用具を実際に夜釣りに使用した場合には、テグスが発光して良好な視認性が得られるものの、強度が十分でないために、魚が掛かった際には糸切れし易く、また、リールに巻いた際にはパラケが発生しやすくなるばかりか、蓄光器の中を通過しにくいなどの操作面で問題があるため、このような問題の解決が強く望まれていた。
特開平8−127937号公報
特開2000−136438号公報
特開2004−52203号公報
特開2001−89928号公報
特開2001−123328号公報
特開2002−125548号公報
特開2004−298048号公報
本発明の目的は、光を取り除いた後においても優れた発光性を持続すると共に、十分な強度を持ち、耐久性および操作性に優れた蓄光テグスおよび蓄光性道糸を提供することにある。
本発明は、上述した問題点の解決を目的として検討した結果達成されたものである。
すなわち、本発明の蓄光テグスは、蓄光性蛍光体を含有した熱可塑性合成樹脂モノフィラメントからなり、直径が0.15〜1.2mm、引張強度が450〜800MPa、引張破断伸度が15〜35%、結節強度が250〜650MPa、且つ下記式(I)で表される曲げ硬さ指数Bhiが9〜15の範囲であることを特徴とするものである。
但し、Bhは曲げ硬さ(単位:mN)、φはモノフィラメントの直径(単位:mm)を示す。
また、本発明の蓄光テグスにおいては、次の(1)から(7)に記載の条件を満たすことがいずれも好ましい態様であり、これらの条件を満たすことによって一層優れた効果が期待できる。
(1)前記蓄光性蛍光体が、式M1−XAl2O4−X(但し、式中のMはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素、Xは−0.33〜0.60の範囲の数値を示す)で表される化合物の結晶を粉砕・分級したものであること。
(2)前記蓄光性蛍光体が、Eu(ユウロピウム)および/またはDy(ジスプロシウム)を前記式のMで表される金属元素に対して原子比で0.001%以上10%以下添加されたものであること。
(3)レーザー回折散乱法により測定した前記蓄光性蛍光体粒子の平均粒径(累積粒度分布率50%(D50))が1.0〜5.0μmの範囲にあること。
(4)前記熱可塑性合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、およびポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体から選ばれる少なくとも1種であること。
(5)前記モノフィラメントが前記蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂と実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであり、且つ蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂のモノフィラメント全体に占める割合が10〜50重量%の範囲であること。
(6)前記モノフィラメントが鞘部または海部が蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂からなり、芯部または島部が実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであること。
(7)前記蓄光性蛍光体の含有量が、前記モノフィラメント全体に対し2〜20重量%の
範囲にあること。
(1)前記蓄光性蛍光体が、式M1−XAl2O4−X(但し、式中のMはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素、Xは−0.33〜0.60の範囲の数値を示す)で表される化合物の結晶を粉砕・分級したものであること。
(2)前記蓄光性蛍光体が、Eu(ユウロピウム)および/またはDy(ジスプロシウム)を前記式のMで表される金属元素に対して原子比で0.001%以上10%以下添加されたものであること。
(3)レーザー回折散乱法により測定した前記蓄光性蛍光体粒子の平均粒径(累積粒度分布率50%(D50))が1.0〜5.0μmの範囲にあること。
(4)前記熱可塑性合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、およびポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体から選ばれる少なくとも1種であること。
(5)前記モノフィラメントが前記蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂と実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであり、且つ蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂のモノフィラメント全体に占める割合が10〜50重量%の範囲であること。
(6)前記モノフィラメントが鞘部または海部が蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂からなり、芯部または島部が実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであること。
(7)前記蓄光性蛍光体の含有量が、前記モノフィラメント全体に対し2〜20重量%の
範囲にあること。
さらに、本発明の蓄光テグスの製造方法は、蓄光性蛍光体を含有した熱可塑性合成樹脂を溶融紡糸、冷却、延伸、熱処理した前記モノフィラメントを、一旦巻具に巻き取った後、80℃以下の温度で、水分率が0.5重量%以下となるように予備乾燥し、引き続いて、モノフィラメントを巻具から引き出しながら400〜900℃、かつ1秒以下の条件で高温短時間熱処理を施すことを特徴とする。
さらにまた、本発明の蓄光性道糸は、前記蓄光テグスを使用してなることを特徴とし、特にリールに巻いて使用され、かつ竿またはリールに設置された蓄光器の中を通過することにより発光する道糸として、さらには疑似餌釣り用の道糸として使用した場合には、発光性およびその持続性を遺憾なく発揮する。
本発明の蓄光テグスは、光を取り除いた後においても優れた発光性を有し、特に夜釣り用の道糸として使用した場合には、竿またはリールに設置された蓄光器を通過することで継続的に発光し、視認性に優れるばかりか、十分な強度を有するため、魚が掛かった際には優れた耐久性を発揮し、さらにリールに巻いた際にはパラケが発生しにくく、蓄光器の中を通過しやすいなど優れた操作性を有するものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
発光性に優れ、且つ耐久性や操作性に優れた夜釣り用の道糸として高い実用性を兼備する本発明の蓄光テグスは、蓄光性蛍光体を含有した熱可塑性合成樹脂モノフィラメントからなり、直径が0.15〜1.2mm、引張強度が450〜800MPa、引張破断伸度が15〜35%、結節強度が250〜650MPa、且つ下記式(I)で表される曲げ硬さ指数Bhiが9〜15の範囲であることが必要である。
但し、Bhは曲げ硬さ(単位:mN)、φはモノフィラメントの直径(単位:mm)を示す。
直径が0.15mmを下回ると、強力が不足し、逆に、直径が1.2mmを上回ると、直径が太い割に強力が得られにくくなるため強度が低下し、また剛直となるためリールに巻いた際にはパラケが発生しやすく、さらにリールや竿に備えられた蓄光器の中を通過しにくいといった操作性の低い蓄光テグスとなる。
また、引張強度が450MPaを下回り、引張破断伸度が35%を上回ると、テグスとして十分な強さが得られず、逆に、引張強度が800MPaを上回り、引張破断伸度が15%を下回ると、結節強度が低下する。
さらにまた、結節強度が250MPaを下回ると、テグスとして十分な耐久性が得られず、逆に、結節強度を650MPaより上回るようにするためには、蓄光性蛍光体の添加量を減らさなければならず、蓄光テグスとして十分な発光性が得られにくくなる。
糸の硬さは曲げ硬さで表され、曲げ硬さは糸の直径に依存する。丸棒状の合成樹脂の曲げ弾性率は直径の4乗に比例することが理論的に証明されているが、延伸によって結晶化および分子配向化されたモノフィラメントにはこの理論が当てはまらない。その理由は、同じ方法で製造されたモノフィラメントであっても、その直径によって結晶化および分子配向度が異なるためであると考えられ、直径が太いほど結晶化度および分子配向度が低くなり、強度も低下する。そこで本発明者らは、モノフィラメントにおける直径と曲げ硬さの関係を検討した結果、曲げ硬さは直径の3.3乗に比例することを見出し、さらに直径による結晶化度および分子配向度への影響を考慮して、上記式(I)に示す曲げ硬さ指数でモノフィラメントの曲げ硬さを表した。
そして、この曲げ硬さ指数Bhiが9を下回ると、テグスが蓄光器に絡み付き、蓄光器の中を通過しにくくなり、逆に、曲げ硬さ指数Bhiが15を上回ると、リールに巻いた際にパラケが発生しやすくなるばかりか、巻き癖が付くために、かえって蓄光器の中を通過しにくくなり、操作性の面で問題が生じやすくなる。
本発明の蓄光テグスに含有される蓄光性蛍光体として、優れた発光輝度を発現するという理由から、式M1−XAl2O4−X(但し、式中のMはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれた少なくとも1種の金属元素、Xは式−0.33〜0.60の範囲の数値を示す)で表される化合物の結晶を粉砕・分級したものを使用することが好ましい。
また、Eu(ユロピウム)および/またはDy(ジスプロシウム)を、前記Mで表される金属元素に対し原子比で0.001%以上10%以下添加すると、発光輝度を更に向上させることができる。なお、EuおよびDyは単体の他、その化合物で添加することができ、その化合物には、酸化物、炭酸化塩、シュウ酸塩、リン酸塩、ハロゲン化物、硫化物、セレン化物、テルル化物、硫酸塩などが挙げられ、単体同士、化合物同士、または単体および化合物の混合物として添加することもできる。
さらに、蓄光性蛍光体粒子は、エタノール中に分散させてレーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(累積粒度分布率50%(D50))が0.1〜5.0μmの範囲であることが、モノフィラメントの強度低下を抑えるという理由から好ましい。
なお、上記の各条件を満たす蓄光性蛍光体としては、グリーンに発光する根本特殊化学(株)製N夜光ルミノーバ(登録商標)G300FF、GLL300FF、GLL300FFSの他、ブルーに発光する根本特殊化学(株)製N夜光ルミノーバ(登録商標)BGL300FF、BGL300FFSなどが挙げられ、これらを使用することで本発明の蓄光テグスにより好ましい特性が発現する。
次に、本発明の蓄光テグスを構成する熱可塑性合成樹脂は、強度と耐摩耗性に優れ、適度な糸の硬さを有しているという理由から、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、およびポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ここで、ポリアミド系樹脂の具体例としては、例えばポリカプラミドであるナイロン6、ポリヘキサメチレンアジパミドであるN66、ポリメタキシレンアジパミドであるナイロンMXD6、ポリヘキサメチレンセバカミドであるナイロン610、ポリウンデカミドであるナイロン11、ポリドデカミドであるナイロン12およびカプラミドとヘキサメチレンアジパミドの共重合体であるナイロン6/66などを代表とする各種共重合ポリマーが挙げられ、特に、強さと適度な糸の硬さを有するという理由から、中でもナイロン6/66が好ましく使用される。
また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデン成分を80重量%以上含有するポリフッ化ビニリデン単独重合体または共重合体である。ここで20重量%未満を占める共重合成分としては、テトラフロロエチレン、トリフロロモノクロロエチレン、トリフロロエチレン、モノフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレンから選ばれる少なくとも1種類以上ものが挙げられ、特に、強さと適度な糸の硬さを有するという理由から、共重合成分としてヘキサフロロプロピレンが好ましく使用される。さらに、強さと耐摩耗性が優れているという理由から、ポリフッ化ビニリデン単独重合体が好ましく使用される。
次に、ポリブチレンサクシネートとは、生分解性を有する脂肪族ポリエステルの1種であり、具体的には昭和高分子社製のビオノーレ(登録商標)#1001などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
さらに、ポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体とは、生分解性脂肪族/芳香族ポリエステルの1種であり、具体的にはデュポン社製Biomax4024、4026、4027、6924、6926などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
上記ポリブチレンサクシネートやポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体などは、自然分解し、環境に優しいという利点を有するため、蓄光テグスを構成する熱可塑性合成樹脂として特に好ましい。
なお、本発明のモノフィラメントには、必要に応じて、顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、結晶化抑制剤および可塑剤などの添加物を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有することができる。
本発明の蓄光テグスにさらに優れた強度を発現させるためには、蓄光テグスが蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂と実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントからなり、蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂のモノフィラメント全体に占める割合が10〜50重量%の範囲にあること好ましい。この理由は、実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂が50重量%以上占めることにより、引張強度および結節強度の発現が制御しやすくなるためである。
特に、蓄光性蛍光体がモノフィラメントの表層部に局在すると、発光性がさらに向上するという理由から、本発明の蓄光テグスは、鞘部または海部が蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂からなり、芯部または島部が実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであることが好ましい。
なお、上記複合モノフィラメントを構成する蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂と実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂は同じものでも良く、また互いに異なるでも良い。
また、本発明のモノフィラメント全体に占める蓄光性蛍光体の含有量は、2重量%以下では蓄光テグスとして十分な発光性が得られにくく、また、20重量%を越えると引張強度や結節強度の低下を招くため、2〜20重量%の範囲が好ましい。
次に本発明の蓄光テグスの製造方法について説明する。
まず、蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂を、1軸または2軸のエクストルーダー型またはメルトプレッシャー型溶融紡糸機に供給し、口金孔から溶融温度200〜350℃で溶融押出する。
また、芯鞘型または海島型複合モノフィラメントを製造する場合は、蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂および蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂を、同じく1軸または2軸のエクストルーダー型またはメルトプレッシャー型溶融紡糸機に供給し、複合口金孔から溶融温度200〜350℃で溶融押出する。
そして、押し出された溶融物を、引き続き冷却媒体中に通し、冷却固化する。なお、冷却媒体として、水やポリエチレングリコールなどを用いることができ、モノフィラメントの表面から容易に除去でき、化学的、物理的に本質的な変化を与えないものであれば特に限定はない。
次に、冷却固化した未延伸糸は、蓄光テグスとして必要な引張強度を得るために、加熱1段延伸または加熱多段延伸される。この際に使用される熱媒体としては、空気、温水、水蒸気、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびシリコーンオイルなどが挙げられ、モノフィラメントの表面から容易に除去でき、化学的、物理的に本質的な変化を与えないものであれば特に限定はない。
また、全延伸倍率条件については、使用する熱可塑性合成樹脂によって異なるが、例えば、ポリアミド系樹脂の場合は5.2〜5.8倍、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の場合は5.4〜6.0倍、ポリブチレンサクシネートの場合は6.2〜7.0倍、ポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体の場合は6.0〜7.2倍で行うことが、蓄光テグスとして十分な強度を得る上で好ましい。
そして、加熱延伸されたモノフィラメントは、必要に応じて加熱弛緩処理され、一旦巻具に巻き取られる。
次に、巻き取られたモノフィラメントを、80℃以下の温度で、水分率が0.5重量%以下となるように予備乾燥し、引き続いて、モノフィラメントを巻具から引き出しながら400〜900℃、且つ1秒以下の条件で高温短時間熱処理を行う。このように溶融紡糸して得られたモノフィラメントを高温短時間熱処理することで、高い強度を得ることができる。
この理由は明らかではないが、モノフィラメント中に分散する蓄光性蛍光体粒子を起因として発生するフィッシュアイと呼ばれる空隙が、高温短時間熱処理を行うことで消滅または減少し、これによって強度の低下が抑えられたためと考えられる。
この様にして製造された本発明の蓄光テグスは、夜釣り用の道糸として使用した場合、蓄光テグスとして十分な強度を有し、特に竿またはリールに設置された蓄光器を通過させた場合には優れた発光性と共に、蓄光器の中を通過しやすいなどの優れた操作性を発揮する。
ここで、本発明の蓄光テグスの用途は、ハリス、ショックリーダー、道糸、ルアーフィッシング用ライン、フライフィッシング用ラインなどのテグス全般に渡るものであるが、なかでも蓄光性道糸、特にリールに巻いて使用され、かつ竿またはリールに設置された蓄光器の中を通過することにより発光する蓄光性道糸として使用した場合には、光を発光しやすいことから極めて好適である。
さらに、リールに巻かれた道糸の中でも、疑似餌釣り用道糸、具体的にはルアーやワームを使用したルアーフィッシング用ライン、エギを使用したエギング用ライン、フライを使用したフライフィッシング用ラインなどの常に疑似餌を動かして魚を誘き寄せる釣りに利用される道糸として適用した場合は、キャスティングと巻き取りを繰り返す間に、道糸が常に竿やリールに設置された蓄光器の中を常に通過するため、発光性およびその持続性を遺憾なく発揮することができる。
以下、本発明の蓄光テグスについて実施例に基づいて説明する。なお、実施例における熱可塑性合成樹脂、モノフィラメント物性および蓄光テグスの性能評価は以下の方法で行った。
[熱可塑性合成樹脂の融点測定]
PERKIN−ELMER社製DSC7を使用し、JIS K7121−1987の規定に準じて測定した。なお、昇温速度は10℃/分で行い、2nd−runのDSC曲線から融点を求めた(単位:℃)。
PERKIN−ELMER社製DSC7を使用し、JIS K7121−1987の規定に準じて測定した。なお、昇温速度は10℃/分で行い、2nd−runのDSC曲線から融点を求めた(単位:℃)。
[モノフィラメントの直径測定]
ミツトモ社製デジタルマイクロメータ(型式No.293−421−20、精度±1μm)で測定した(単位:mm)。
ミツトモ社製デジタルマイクロメータ(型式No.293−421−20、精度±1μm)で測定した(単位:mm)。
[モノフィラメントの引張強度、引張破断伸度、結節強度測定]
JIS L1013−1999の8.5および8.6の規定に準じて引張強さと結節強さを測定し、その値をモノフィラメントの断面積で割り返し、得られた値をそれぞれ引張強度と結節強度とした(単位:MPa)。また、引張破断時のモノフィラメントの伸び率を引張破断伸度とした。
JIS L1013−1999の8.5および8.6の規定に準じて引張強さと結節強さを測定し、その値をモノフィラメントの断面積で割り返し、得られた値をそれぞれ引張強度と結節強度とした(単位:MPa)。また、引張破断時のモノフィラメントの伸び率を引張破断伸度とした。
[曲げ硬さ指数Bhi]
糸長50mmのモノフィラメント試料を20℃、相対湿度65HR%の条件下で24時間放置した後、図1に示すように、長さ約4cmにカットしたモノフィラメント試料1を水平方向に10mm間隔で2本設置された直径2mmのステンレス棒2aおよび2bの下に接触するようにセットし、そのステンレス棒2aおよび2bの中央部の位置でモノフィラメント試料1に直径1mmのステンレス製フック3を掛け、(株)メネベア製TCM−200型万能引張・圧縮試験機を使用して、ステンレス製フック3を引取速度50mm/分で引き上げ、この時生じる最大応力(単位:mN)を曲げ硬さBhとした。
糸長50mmのモノフィラメント試料を20℃、相対湿度65HR%の条件下で24時間放置した後、図1に示すように、長さ約4cmにカットしたモノフィラメント試料1を水平方向に10mm間隔で2本設置された直径2mmのステンレス棒2aおよび2bの下に接触するようにセットし、そのステンレス棒2aおよび2bの中央部の位置でモノフィラメント試料1に直径1mmのステンレス製フック3を掛け、(株)メネベア製TCM−200型万能引張・圧縮試験機を使用して、ステンレス製フック3を引取速度50mm/分で引き上げ、この時生じる最大応力(単位:mN)を曲げ硬さBhとした。
そして、得られた曲げ硬さBhと、モノフィラメントの直径φ(単位:mm)を用いて、下記式(I)から曲げ硬さ指数Bhiを求めた。
[残光輝度]
JIS Z8720−1983の規定に準じて測定した。詳しくは、白色の台紙に厚さ5mm以上で均一に巻き取ったモノフィラメントをD65常用光源400lxの光で20分間照射し、その光源を取り除いて1分後、(株)トプコン社製TOPCON BM−5輝度計を用いてモノフィラメントの残光輝度(単位:mcd/m2)を測定した。残光輝度(mcd/m2)の値が大きいほど発光性が優れていることを示す。
JIS Z8720−1983の規定に準じて測定した。詳しくは、白色の台紙に厚さ5mm以上で均一に巻き取ったモノフィラメントをD65常用光源400lxの光で20分間照射し、その光源を取り除いて1分後、(株)トプコン社製TOPCON BM−5輝度計を用いてモノフィラメントの残光輝度(単位:mcd/m2)を測定した。残光輝度(mcd/m2)の値が大きいほど発光性が優れていることを示す。
[蓄光テグスの性能評価]
A.耐久性
蓄光テグスを道糸としてリールに巻き、その道糸を竿に取り付けた蓄光器で発光させながら夜釣りを行い、その結果を次の三段階で評価した。
○:魚が掛かった際に糸切れがなく、問題なく魚を取り込むことができた。
×:魚が掛かった際に糸切れが頻繁に起き、魚を取り逃がすことが多かった。
△:フッキング(あわせ)を行った際に、ショック切れを起こしやすかった。
A.耐久性
蓄光テグスを道糸としてリールに巻き、その道糸を竿に取り付けた蓄光器で発光させながら夜釣りを行い、その結果を次の三段階で評価した。
○:魚が掛かった際に糸切れがなく、問題なく魚を取り込むことができた。
×:魚が掛かった際に糸切れが頻繁に起き、魚を取り逃がすことが多かった。
△:フッキング(あわせ)を行った際に、ショック切れを起こしやすかった。
B.操作性
蓄光テグスを道糸としてリールに巻き、その道糸を竿に取り付けた蓄光器で発光させながら夜釣りを行い、その結果を次の二段階で評価した。
○:蓄光テグスがリールからパラケにくく、またガイドや竿に取り付けた蓄光器の中をスムーズに通過することができた。
×:蓄光テグスがリールからパラケやすく、またガイドや竿に取り付けた蓄光器に絡み、蓄光器の中を通過しにくかった。
蓄光テグスを道糸としてリールに巻き、その道糸を竿に取り付けた蓄光器で発光させながら夜釣りを行い、その結果を次の二段階で評価した。
○:蓄光テグスがリールからパラケにくく、またガイドや竿に取り付けた蓄光器の中をスムーズに通過することができた。
×:蓄光テグスがリールからパラケやすく、またガイドや竿に取り付けた蓄光器に絡み、蓄光器の中を通過しにくかった。
C.発光性
蓄光テグスを道糸としリールに巻き、その道糸を竿に取り付けた蓄光器で発光させて夜
釣りを行い、その結果を次の二段階で評価した。
○:糸筋が肉眼ではっきりと見え、蓄光テグスとしての機能が十分発揮できた。
△:糸筋が肉眼で視認できるものの、蓄光テグスとして明るさが十分ではなかった。
蓄光テグスを道糸としリールに巻き、その道糸を竿に取り付けた蓄光器で発光させて夜
釣りを行い、その結果を次の二段階で評価した。
○:糸筋が肉眼ではっきりと見え、蓄光テグスとしての機能が十分発揮できた。
△:糸筋が肉眼で視認できるものの、蓄光テグスとして明るさが十分ではなかった。
[実施例1]
東レ(株)製、ナイロン6/66共重合樹脂M6041(融点195℃、相対粘度4.
2)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバBGL300FFS(Sr4Al14O25・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、280℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、10℃の水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
東レ(株)製、ナイロン6/66共重合樹脂M6041(融点195℃、相対粘度4.
2)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバBGL300FFS(Sr4Al14O25・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、280℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、10℃の水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を100℃の蒸気延伸浴中で3.5倍に一段目延伸した後、200℃の乾熱浴中で1.66倍に二段目延伸(全延伸倍率5.8倍)し、さらに180℃の乾熱浴中で0.9倍に加熱弛緩処理を行い、得られた直径0.285mmのモノフィラメントを一旦巻具に巻き取った。
次に、巻き取られたモノフィラメントを70℃の乾燥機中に24時間放置して予備乾燥し、モノフィラメントの水分率を0.1%に調整した。そして、予備乾燥したモノフィラメントを、巻具から引き出しながら、730℃で0.1秒間、高温短時間熱処理を行った。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表1に示す。各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れたものであった。
[実施例2]
ダイキン社製、ポリフッ化ビニリデン樹脂VP−830(融点:176℃、MFR(2
30℃、10Kg):4.4g/10分)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミナーバGLL300FFS(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、260℃の温度で孔径2.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、20℃のポリエチレングリコール浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
ダイキン社製、ポリフッ化ビニリデン樹脂VP−830(融点:176℃、MFR(2
30℃、10Kg):4.4g/10分)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミナーバGLL300FFS(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、260℃の温度で孔径2.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、20℃のポリエチレングリコール浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を165℃のポリエチレングリコール延伸浴中で4.5倍に一段目延伸した後、140℃の乾熱浴中で1.33倍に二段目延伸(全延伸倍率6.0倍)し、さらに155℃の乾熱浴中で0.9倍に加熱弛緩処理を行い、得られた直径0.285mmのモノフィラメントを一旦巻具に巻き取った。
次に、巻き取られたモノフィラメントを70℃の乾燥機中に24時間放置して予備乾燥し、モノフィラメントの水分率を0.03%に調整した。そして、予備乾燥したモノフィラメントを巻具から引き出しながら、710℃で0.1秒間、高温短時間熱処理を行った。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表1に示す。実施例1と同様に各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れた結果であった。
[実施例3]
昭和高分子社製、ポリブチレンサクシネート樹脂ビオノーレ♯1001(融点:11
4℃、MI(190℃、2.16Kg):1.2g/10分)90重量%に対し、根本特
殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量
%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、23
0℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、20℃の水浴中で冷却
固化して未延伸糸を得た。
昭和高分子社製、ポリブチレンサクシネート樹脂ビオノーレ♯1001(融点:11
4℃、MI(190℃、2.16Kg):1.2g/10分)90重量%に対し、根本特
殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量
%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、23
0℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、20℃の水浴中で冷却
固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を80℃の温水延伸浴中で3.7倍に一段目延伸した後、95℃の乾熱浴中で1.89倍に二段目延伸(全延伸倍率7.0倍)し、さらに80℃の乾熱浴中で0.9倍に加熱弛緩処理を行い、得られた直径0.285mmのモノフィラメントを一旦巻具に巻き取った。
次に、巻き取られたモノフィラメントを70℃の乾燥機に24時間放置して予備乾燥し、モノフィラメントの水分率を0.08%に調整した。そして、予備乾燥したモノフィラメントを巻具から引き出しながら、650℃で0.1秒間、高温短時間熱処理を行った。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表1に示す。実施例1と同様に各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れた結果であった。
[実施例4]
Dupont社製、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)共重合ポリエステル樹脂Biomax−6924(融点:200℃)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、240℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、70℃の温水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
Dupont社製、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)共重合ポリエステル樹脂Biomax−6924(融点:200℃)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、240℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、70℃の温水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を80℃の温水延伸浴中で5.0倍に一段目延伸した後、160℃の乾熱浴中で1.44倍に二段目延伸(全延伸倍率7.2倍)し、さらに170℃の乾熱浴中で0.9倍に加熱弛緩処理を行い、得られた直径0.285mmのモノフィラメントを一旦巻具に巻き取った。
次に、巻き取られたモノフィラメントを70℃の乾燥機に24時間放置して予備乾燥し、モノフィラメントの水分率を0.07%に調整した。そして、予備乾燥したモノフィラメントを巻具から引き出しながら、725℃で0.1秒間、高温短時間熱処理を行った。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表1に示す。実施例1と同様に各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れた結果であった。
[実施例5]
表1に示すとおり、蓄光性蛍光体の含有量を5重量%とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表1に示すとおり、蓄光性蛍光体の含有量を5重量%とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表1に示す。蓄光性蛍光体の含有量が減ったために発光性がやや低下するが、蓄光テグスとして十分使用することができ、実施例1と同等レベルであった。
[実施例6]
表1に示すとおり、蓄光性蛍光体の含有量を15重量%とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表1に示すとおり、蓄光性蛍光体の含有量を15重量%とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表1に示す。蓄光性蛍光体の含有量が増えたために結節強度がやや低下するが、蓄光テグスとして十分使用することができ、実施例1と同等レベルであった。
[比較例1]
表2に示すとおり、口金孔径を0.5mmとし、高温短時間熱処理の条件を、440℃、0.08秒間とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.10mmのモノフィラメントを得た。
表2に示すとおり、口金孔径を0.5mmとし、高温短時間熱処理の条件を、440℃、0.08秒間とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.10mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。直径が細いため十分な強力が得られず、蓄光テグスの性能評価においても耐久性が低かった。
[比較例2]
表2に示すとおり、口金孔径を4.0mmとし、高温短時間熱処理の条件を、800℃、0.5秒間とした以外は、実施例1と同じ条件で直径1.30mmのモノフィラメントを得た。
表2に示すとおり、口金孔径を4.0mmとし、高温短時間熱処理の条件を、800℃、0.5秒間とした以外は、実施例1と同じ条件で直径1.30mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。直径が太すぎるために十分な引張強度および結節強度が得られず、さらにリールに巻いた際にはパラケが発生しやすくなり、操作性に問題があった。
[比較例3]
表2に示すとおり、二段目延伸倍率を1.89倍とし、全延伸倍率を6.6倍とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表2に示すとおり、二段目延伸倍率を1.89倍とし、全延伸倍率を6.6倍とした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。引張強度は高いものの結節強度が低く、蓄光テグスとして十分な耐久性は得られなかった。
[比較例4]
表2に示すとおり、二段目延伸倍率を1.43倍とし、全延伸倍率を5.0倍として以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表2に示すとおり、二段目延伸倍率を1.43倍とし、全延伸倍率を5.0倍として以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。引張強度および結節強度が低く、蓄光テグスとして十分な耐久性は得られなかった。
[比較例5]
昭和高分子社製、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合樹脂ビオノーレ♯3001(融点:95℃、MI(190℃、2.16kg):1.0g/10分)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、230℃で孔径1.5mmの口金孔から押出した溶融物を、20℃の水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
昭和高分子社製、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合樹脂ビオノーレ♯3001(融点:95℃、MI(190℃、2.16kg):1.0g/10分)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、230℃で孔径1.5mmの口金孔から押出した溶融物を、20℃の水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を70℃の温水延伸浴中で4.3倍に一段目延伸した後、85℃の乾熱浴中で2.09倍に二段目延伸(全延伸倍率9.0倍)し、さらに80℃の乾熱浴中で0.9倍に加熱弛緩処理を行い、得られた直径0.285mmのモノフィラメントを一旦巻具に巻き取った。
次に、巻き取られたモノフィラメントを70℃の乾燥機に24時間放置して予備乾燥し、モノフィラメントの水分率を0.08%に調整した。そして、予備乾燥したモノフィラメントを、巻具から引き出しながら、630℃で0.1秒間、高温短時間熱処理を行った。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。引張強度および結節強度が低く、蓄光テグスとして十分な耐久性は得られなかった。
[比較例6]
三井ペット社製、ポリエチレンテレフタレート樹脂J055(融点:255℃)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、70℃の温水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
三井ペット社製、ポリエチレンテレフタレート樹脂J055(融点:255℃)90重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を10重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を、エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で孔径1.5mmの口金孔から溶融押出した溶融物を、70℃の温水浴中で冷却固化して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を93℃の温水延伸浴中で3.2倍に一段目延伸した後、230℃の乾熱浴中で1.72倍に二段目延伸(全延伸倍率5.5倍)し、さらに250℃の乾熱浴中で0.95倍に加熱弛緩処理を行い、得られた直径0.285mmのモノフィラメントを一旦巻具に巻き取った。
次に、巻き取られたモノフィラメントを70℃の乾燥機に24時間放置して予備乾燥し、モノフィラメントの水分率を0.02%に調整した。そして、予備乾燥したモノフィラメントを巻具から引き出しながら、790℃で0.1秒間、高温短時間熱処理を行った。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。ポリエチレンテレフタレートを使用した結果、モノフィラメントの曲げ硬さ指数が高くなり、蓄光器の中をスムーズに通過できず、操作性に問題があった。
[比較例7]
表2に示すとおり、二段目延伸倍率と全延伸倍率をそれぞれ1.71倍と6.0倍にし、溶融紡糸後の予備乾燥および高温短時間熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表2に示すとおり、二段目延伸倍率と全延伸倍率をそれぞれ1.71倍と6.0倍にし、溶融紡糸後の予備乾燥および高温短時間熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。予備乾燥および高温短時間熱処理を行わなかったために結節強度が低下し、蓄光テグスとして十分な耐久性が得られなかった。
[比較例8]
表2に示すとおり、二段目延伸倍率と全延伸倍率をそれぞれ1.42倍と6.4倍にし、溶融紡糸後の予備乾燥および高温短時間熱処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表2に示すとおり、二段目延伸倍率と全延伸倍率をそれぞれ1.42倍と6.4倍にし、溶融紡糸後の予備乾燥および高温短時間熱処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表2に示す。予備乾燥および高温短時間熱処理を行わなかったために結節強度が低下し、比較例7と同様に蓄光テグスとして十分な耐久性が得られなかった。
[実施例7]
表3に示すとおり、鞘成分に蓄光性蛍光体を34重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、芯成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、鞘部:芯部の重量比率が30:70の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表3に示すとおり、鞘成分に蓄光性蛍光体を34重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、芯成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、鞘部:芯部の重量比率が30:70の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表4に示す。実施例1と同様に各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れた結果であった。
[実施例8]
表3に示すとおり、鞘成分に蓄光性蛍光体を17重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、芯成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、鞘部:芯部の重量比率が30:70の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表3に示すとおり、鞘成分に蓄光性蛍光体を17重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、芯成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、鞘部:芯部の重量比率が30:70の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表4に示す。蓄光性蛍光体の含有量が実施例7に比べて少ないために発光性がやや低下するが、蓄光テグスとして十分使用することができた。
[実施例9]
表3に示すとおり、鞘成分に蓄光性蛍光体を10重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、芯成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、鞘部:芯部の重量比率が30:70の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表3に示すとおり、鞘成分に蓄光性蛍光体を10重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、芯成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、鞘部:芯部の重量比率が30:70の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表4に示す。蓄光性蛍光体の含有量が実施例8に比べてさらに少ないため、さらに発光性が低下するが、蓄光テグスとして十分使用することができた。
[実施例10]
表3に示すとおり、海成分に蓄光性蛍光体を30重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、島成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、海部:島部の重量比率が50:50の3島構造の海島型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表3に示すとおり、海成分に蓄光性蛍光体を30重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、島成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、海部:島部の重量比率が50:50の3島構造の海島型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表4に示す。実施例1と同様に各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れた結果であった。
[実施例11]
表3に示すとおり、海成分に蓄光性蛍光体を30重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、島成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、海部:島部の重量比率が10:90の3島構造の海島型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
表3に示すとおり、海成分に蓄光性蛍光体を30重量%含有する実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を、島成分に蓄光性蛍光体を含有しない実施例1に記載のナイロン6/66共重合樹脂を使用し、海部:島部の重量比率が10:90の3島構造の海島型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表4に示す。海部の重量比率が実施例10に比べて少なくなったためにモノフィラメント全体に占める蓄光性蛍光体の含有量が減少し、結果、発光性が低下するが、蓄光テグスとして十分使用することができた。
[実施例12]
Dupont社製、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)共重合ポリエステル樹脂Biomax−6924(融点:200℃)75重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を25重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を鞘成分、東レ(株)製、ナイロン6/66共重合樹脂M6041(融点195℃、相対粘度4.2)を芯成分として使用し、鞘部:芯部の重量比率が20:80の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
Dupont社製、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)共重合ポリエステル樹脂Biomax−6924(融点:200℃)75重量%に対し、根本特殊化学製N夜光ルミノーバGLL300FF(SrAl2O4・Eu、Dy)を25重量%含有させた熱可塑性合成樹脂組成物を鞘成分、東レ(株)製、ナイロン6/66共重合樹脂M6041(融点195℃、相対粘度4.2)を芯成分として使用し、鞘部:芯部の重量比率が20:80の芯鞘型複合モノフィラメントとした以外は、実施例1と同じ条件で直径0.285mmのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントの各物性および蓄光テグスの性能評価結果を表4に示す。実施例1と同様に各物性ともテグスとして十分な物性を示し、実際に蓄光テグスとして使用した場合にも、耐久性、操作性、および発光性に優れた結果であった。
[実施例13]
実施例1で得られたモノフィラメントを道糸として使用し、一旦リールに巻き取った。そして、リールを竿に取り付け、リールに巻かれた道糸をリールと竿のガイドとの間に設置された蓄光器(特開平2004−298048号公報の実施例1に記載する蓄光器)の中に通し、実際にルアーを使用して夜釣りを行った。その結果、キャスティングおよび巻き取りを繰り返すことにより道糸が常に蓄光器の中を通過し続けるため、長時間道糸が発光し続け、常に道糸を視認しながら夜釣りを行うことができた。
実施例1で得られたモノフィラメントを道糸として使用し、一旦リールに巻き取った。そして、リールを竿に取り付け、リールに巻かれた道糸をリールと竿のガイドとの間に設置された蓄光器(特開平2004−298048号公報の実施例1に記載する蓄光器)の中に通し、実際にルアーを使用して夜釣りを行った。その結果、キャスティングおよび巻き取りを繰り返すことにより道糸が常に蓄光器の中を通過し続けるため、長時間道糸が発光し続け、常に道糸を視認しながら夜釣りを行うことができた。
[実施例14]
実施例7で得られたモノフィラメントを道糸として使用し、実施例13と同じく、実際にルアーを使用して夜釣りを行った。その結果、実施例13の道糸を使用した場合と同じく、長時間道糸が発光し続け、常に道糸を視認しながら夜釣りを行うことができた。
実施例7で得られたモノフィラメントを道糸として使用し、実施例13と同じく、実際にルアーを使用して夜釣りを行った。その結果、実施例13の道糸を使用した場合と同じく、長時間道糸が発光し続け、常に道糸を視認しながら夜釣りを行うことができた。
本発明の蓄光テグスは、光を取り除いた後においても優れた発光性を有すると共に、優れた強度と操作性を兼ね備えていることを特徴とする。特に、本発明の蓄光テグスを、竿またはリールに設置された蓄光器に通過させて使用する夜釣り用の道糸に使用した場合、優れた発光性を有し、十分な強度を有するため、魚が掛かった際には耐久性に優れ、リールに巻いた際にはパラケが発生しにくく、さらには蓄光器の中を通過しやすいなどの優れた操作性を発揮する。特に、本発明の蓄光テグスを疑似餌釣り用の道糸に使用した場合には、キャスティングと巻き取りを繰り返しながら常に疑似餌を動かすため、道糸が竿やリールに設置された蓄光器の中を常に通過し、発光性およびその持続性を遺憾なく発揮することができる。
1 モノフィラメント試料
2a、2b ステンレス棒
3 ステンレス製フック
2a、2b ステンレス棒
3 ステンレス製フック
Claims (12)
- 前記蓄光性蛍光体が、式M1−XAl2O4−X(但し、式中のMはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素、Xは−0.33〜0.60の範囲の数値を示す)で表される化合物の結晶を粉砕・分級したものであることを特徴とする請求項1に記載の蓄光テグス。
- 前記蓄光性蛍光体が、Eu(ユウロピウム)および/またはDy(ジスプロシウム)を前記式のMで表される金属元素に対し原子比で0.001%以上10%以下添加されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の蓄光テグス。
- レーザー回折散乱法により測定した前記蓄光性蛍光体粒子の平均粒径(累積粒度分布率50%(D50))が1.0〜5.0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄光テグス。
- 前記熱可塑性合成樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、およびポリエチレンテレフタレート/サクシネートおよび/またはアジペート共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄光テグス。
- 前記モノフィラメントが前記蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂と実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂からなる芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであり、且つ蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂のモノフィラメント全体に占める割合が10〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄光テグス。
- 前記モノフィラメントが、前記蓄光性蛍光体を含有する熱可塑性合成樹脂を鞘部または海部成分とし、且つ実質的に蓄光性蛍光体を含有しない熱可塑性合成樹脂を芯部または島部成分とする芯鞘型または海島型複合モノフィラメントであることを特徴とする請求項6に記載の蓄光テグス。
- 前記蓄光性蛍光体の含有量が、前記モノフィラメント全体に対し2〜20重
量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄光テグス。 - 前記蓄光性蛍光体を含有した熱可塑性合成樹脂を溶融紡糸、冷却、延伸、熱処理したモノフィラメントを、一旦巻具に巻き取った後、80℃以下の温度で、水分率が0.5重量%以下となるように予備乾燥し、引き続いて、モノフィラメントを巻具から引き出しながら400〜900℃、且つ1秒以下の条件で高温短時間熱処理を施すことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄光テグスの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄光テグスを使用してなることを特徴とする蓄光性道糸。
- リールに巻いて使用され、かつ竿またはリールに設置された蓄光器の中を通過することにより発光することを特徴とする請求項10に記載の蓄光性道糸。
- 疑似餌釣り用道糸であることを特徴とする請求項10または11に記載の蓄光性道糸。
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JP2007282580A (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-01 | Toray Monofilament Co Ltd | 蓄光釣り糸 |
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JP2020058264A (ja) * | 2018-10-09 | 2020-04-16 | 株式会社川島織物セルコン | 蓄光繊維 |
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2005
- 2005-08-05 JP JP2005228067A patent/JP2006081543A/ja active Pending
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