JP2001131829A - 蓄光性複合繊維とその製造方法 - Google Patents

蓄光性複合繊維とその製造方法

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JP2001131829A
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Koji Inagaki
孝司 稲垣
Akira Kanatsuki
亮 金築
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯鞘二層構造の複合繊維であって、蓄光性
能、強伸度等の糸質物性に優れ、産業資材用途にも好適
に使用することができる蓄光性複合繊維及び製造方法を
提供する。 【解決手段】 平均粒径2μm以下の蓄光性粒子を5重量%
以上含有する繊維形成性ポリマーで構成される芯層と、
芯層と同種の繊維形成性ポリマーで構成される鞘層から
なる芯鞘複合繊維であって、芯層の外接円の半径rcと鞘
層の外接円の半径rfが下記式を満足し、かつ、強度が3.
5cN/dtex以上である。 0.30≦rc/rf≦0.90

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄光性粒子を芯部
に含有する芯鞘型の複合繊維であって、釣り糸、漁網、
ロープ、延縄等の産業資材分野に好適に用いられる蓄光
性能を有する複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、釣り糸、漁網、ロープ等の用
途に使用される繊維は、種々の機能性を付与し、用途に
適したものが開発されてきた。その中で、光を蓄え、夜
間においても視認が可能な蓄光性繊維も提案、開発され
ている。
【0003】例えば、フィラメント表面に蓄光性塗料を
コーティングした繊維や、特開平2-112414号公報に記載
されたような、蓄光顔料を10重量%以上含有するポリ
マーを芯成分とし、透明性ポリマーを鞘成分とした複合
繊維が提案されている。
【0004】しかし、蓄光性塗料をコーティングした繊
維の場合、フィラメント表面の摩擦により蓄光塗料が離
脱し、長期の使用が不可能であり、また、フィラメント
の糸質性能が低下するという問題が生じていた。特開平
2-112414号公報記載の繊維では、芯、鞘部の形状を考慮
していないため蓄光性能が十分に発揮されず、また蓄光
顔料として粒子径が5μm以上のものを好ましく用いるも
のであるため、蓄光顔料のフィルター通過性が悪く、操
業性に劣るものであった。
【0005】また、特開平11-1824号公報には、20〜100
℃の融点差を有している繊維形成性ポリマーからなり、
一方のポリマー層に特定粒径の蓄光蛍光粒子を含有さ
せ、他方のポリマー層が繊維表面の70%以上を占めてい
る複合繊維が記載されている。
【0006】特開平11-1824号公報に記載されている繊
維は、芯部と鞘部を構成するポリマーが同種のものでな
いため、層間での剥離が生じる。なるほど、各層を構成
するポリマーの融点又は軟化点差を20〜100℃とするこ
とによって、層間剥離を抑制できるとされているが、異
種ポリマー間での層間剥離の抑制には限界があり、しか
もこの繊維は衣料用を目的としたものであり、使用条件
が過酷な産業資材用に用いるには、強伸度の点で劣るも
のであった。
【0007】さらに、特開平10-140421号公報におい
て、繊維断面が三層構造であり、最外層に透明性ポリマ
ー、中間層に蓄光性粒子を含有するポリマー、最内層に
曳き糸性が良好なポリマーを配した蓄光性繊維が提案さ
れている。この繊維は、蓄光性能、強伸度ともに優れ、
産業資材用途に好適に用いることができるが、三層構造
であるため、製造段階において複合構造のバランスが崩
れる場合があり、操業性の面で問題となることがあっ
た。そこで、形態がより単純で操業性よく得ることがで
き、蓄光性能に優れ、強伸度等の糸質物性にも優れてい
る蓄光性繊維が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、芯鞘二層構造の複合繊維であって、
操業性よく得ることができ、蓄光性能、強伸度等の糸質
物性に優れ、産業資材用途に好適に使用することができ
る蓄光性複合繊維及び製造方法を提供することを技術的
な課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、次の(1)、(2)を要旨と
するものである。 (1)平均粒径2μm以下の蓄光性粒子を5重量%以上含有
する繊維形成性ポリマーで構成される芯層と、芯層と同
種の繊維形成性ポリマーで構成される鞘層からなる芯鞘
複合繊維であって、芯層の外接円の半径rcと鞘層の外接
円の半径rfが下記式を満足し、かつ、強度が3.5cN/dtex
以上であることを特徴とする蓄光性複合繊維。 0.30≦rc/rf≦0.90 (2)未延伸糸を延伸工程において、30〜250℃の温度
で2.5〜6.0倍の第一段延伸を行い、次いで第一段延伸よ
りも高温で、かつ100〜300℃の温度で全延伸倍率が5.0
〜7.5倍となるように第二段目以降の延伸を行う(1)
記載の蓄光性複合繊維の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における繊維形成性ポリマーとは、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂等である。ポリアミド系樹脂として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等の脂肪
族ポリアミド及びその共重合体、芳香族ジアミンとジカ
ルボン酸より形成される半芳香族ポリアミド及びその共
重合体等が挙げられる。
【0011】ポリエステル樹脂としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタリン2,6ジカルボン酸、フタ
ル酸、α,β-(4-カルボキシフェノキシ)エタン、4,4'-
ジカルボキフェニル、5-ナトリウムスルホイソフタル酸
等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の
脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオ
ール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ポリエチレン
グリコール、テトラメチレングリコール等のジオール化
合物とから重縮合されるポリエステル及びその共重合体
等が挙げられる。
【0012】フッ素系樹脂としては、ポリ弗化ビニリデ
ン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリモ
ノクロロトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプ
ロピレン及びおよびその共重合体等が挙げられる。
【0013】さらに、ポリオレフィン系樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メチル-1-ペン
テン等が挙げられる。
【0014】本発明の蓄光性複合繊維においては、芯層
と鞘層を構成する繊維形成性ポリマーは同種であること
が必要である。同種とは、化学的構造が全く同一、又
は、ホモポリマーと少量の共重合成分を含有しているコ
ポリマーとの関係のような基本的に類似であることをい
う。同種であることで芯層と鞘層の界面での剥離が抑制
され、糸質物性に優れる繊維となる。なお、蓄光性粒子
を含有した芯層の流動性を向上させる目的で、芯層と鞘
層の繊維形成性ポリマーの分子量に差をつけ、芯層に分
子量の低いポリマーを使用し、溶融粘度を低下させても
よい。
【0015】上記した繊維形成性ポリマーの中で、相対
粘度2.5以上のポリアミドを用いることが好ましく、中
でも、ナイロン6およびその共重合体を使用することが
好ましい。ポリアミドは、釣り糸、ロープ等に広く使用
されている素材であり、糸質物性に優れており、さら
に、柔軟な性質に起因し、繊維を結んだ時の糸質性能
(結節強度等)も優れている。そのため、蓄光性粒子を
含有させた本発明の複合構造繊維にした場合でも、優れ
た糸質物性を発現することが可能である。
【0016】また、繊維形成性ポリマーの性質及び溶融
成形性を向上させる目的で、上記の繊維形成性ポリマー
に可塑剤、柔軟化剤等を含有させてもよい。添加剤の添
加量は0.5〜10.0重量%、さらには、2.0〜6.0重量%と
することが好ましい。添加剤は一種又は二種以上組み合
わせて用いてもよい。
【0017】さらに、糸質性能、透明性を向上させた
り、用途にあった物性を満足させる目的で、熱安定剤、
結晶核剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を
含有させてもよい。
【0018】本発明の複合繊維において、繊維形成性ポ
リマーに含有させる蓄光性粒子は、平均粒径2μm以下と
する。平均粒径がこれより大きいと、製造時にフィルタ
ーの目詰りを誘発し、操業性を悪化させたり、また、繊
維中に大きな蓄光性粒子を含有することで糸質物性が低
下する。なお、粒径が小さくなりすぎると蓄光性能が低
下するので、0.2μm以上とすることが好ましい。
【0019】蓄光性粒子は、外部刺激により発光し、外
部刺激が停止した後もかなりの時間残光が肉眼で認めら
れるものである。例えば、ZnS:Cu(緑色発光)、CaSrS:Bi
(青色発光)、ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等の硫化物系蛍
光体、ZnS:Cu等の硫化亜鉛系蓄光性蛍光体、特開平7-11
250号公報に記載されているようなユウロピウム等を賦
活したアルカリ土類金属のアルミン酸塩を用いることが
できる。中でも、耐光性、化学的安定性、蓄光性能力等
の面でユウロピウム等を賦活したアルカリ土類金属のア
ルミン酸塩を使用することが好ましい。この蓄光性粒子
の例としては、アルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4)を
母体結晶とするもので、商品名「N夜光」(根本特殊化
学社製)が挙げられる。
【0020】芯層における蓄光性粒子の含有量は5重量%
以上とする。含有量5重量%未満であると、蓄光性能が充
分に発揮されず、目的とする繊維を得ることができな
い。なお、蓄光性粒子の含有量の上限としては、操業性
や強度の低下を考慮し、50重量%以下とすることが好ま
しい。
【0021】次に、本発明の蓄光性複合繊維の形状を図
面を用いて説明する。図1〜図12は、本発明の複合繊維
の実施態様を示す断面説明図である。なお、繊維断面形
状は、円形断面(図1〜図8)のみに限定されるものでは
なく、三角や四角等の多角形状や多葉断面形状等の異形
断面(図9〜図12)のものでもよい。
【0022】複合繊維の断面形状において、芯層の外接
円の半径をrc、鞘層の外接円の半径をrfとし、0.30≦rc
/rf≦0.90、さらに好ましくは0.50≦rc/rf≦0.80を満
足するものとする。芯層の外接円とは、繊維中心から最
も離れた頂点に外接する円とし、その半径をrcとする。
図2を例にして説明すれば、A点が繊維中心であり、rc
は繊維中心から最も離れた頂点B点に外接する外接円の
半径である。また、鞘層の外接円の半径rfとは、丸断面
形状のときはその半径とするが、多角形状のときは、繊
維中心から最も離れた頂点に外接する円を外接円とし、
その半径をいうものとする。
【0023】rc/rfが0.30未満であると、繊維を側面か
ら観察した場合、繊維径に対して芯層の幅が小さく、光
を発する部分が内層部となり、繊維として充分な光量を
発することが困難となる。0.90を超えると、繊維径に対
して芯層の幅が大きくなり、光を発する部分が外層部に
近づくため、蓄光性能および光量の点では有利に働く
が、繊維自体に蓄光性粒子の色調が反映され、品質が低
下するとともに、製造段階において芯部が露出した形態
になる等、複合形態を制御することが困難となる。
【0024】そして、本発明の複合繊維の芯鞘比は、上
記の形態を満足すれば特に限定するものではないが、体
積比で2:8〜7:3程度とすることが好ましい。
【0025】さらに、本発明の蓄光性複合繊維は産業資
材用途に好適に用いるため、強度3.5cN/dtex以上であ
り、さらに好ましくは、4.4cN/dtex以上である。強度が
3.5cN/dtex未満の場合、釣り糸、漁網、ロープ等に使用
することが困難となる。また、釣り糸に使用する場合
は、単純引張強度のみではなく、結節時の引張強度も高
いことが必要であり、結節時の引張強度が2.6cN/dtex以
上であることが好ましい。2.6cN/dtex未満であると、結
んだ部分が破断を起こし、魚がつれた際に糸が切れてし
まう等の問題が生じる。
【0026】また、本発明の複合繊維は、用途に応じて
繊度を適宜選択すればよく、おおむね、11〜1111dtex
のものである。フィラメント数についても限定されるも
のではなく、釣り糸に用いる場合等はモノフィラメント
とする。
【0027】次に、本発明の蓄光性複合繊維の製造方法
について説明する。まず、芯層の蓄光性粒子を含有する
繊維形成ポリマーと、芯層と同種の繊維形成ポリマーで
ある鞘層のポリマーを用いて、複合紡糸装置を用い、通
常の方法で溶融紡糸を行い、未延伸フィラメントを得
る。このとき、紡出糸条は、液体又は気体を用いて、-1
0〜95℃の温度で冷却することが好ましく、繊維径が大
きなモノフィラメント等を製造する場合は、液体による
冷却を行うことが好ましい。
【0028】冷却温度を-10℃以下にすると温度管理及
び作業性等に困難をきたし、また、液体による冷却を行
う場合、液体粘度が高くなり、その結果、フィラメント
を引き取る際、大きな抵抗がかかり、糸ムラ等を起こす
原因となる。95℃以上であると、作業性に困難をきた
し、また、冷却不足となり最終的に得られるフィラメン
トの糸質特性が劣ったものとなりやすい。
【0029】次いで、冷却固化したフィラメントを、一
旦巻き取った後又は巻き取ることなく延伸する。本発明
の製造方法においては、延伸を適切な条件で行うことが
重要であり、未延伸糸を延伸工程において、延伸点の移
動等を起こさないように30〜250℃の温度で2.5〜6.0倍
の第一段延伸を行う。続いて第一段延伸よりも高温で、
かつ100〜300℃の温度で全延伸倍率が5.0〜7.5倍となる
ように第二段目以降の延伸を行う。
【0030】これらの第一段、第二段目以降の延伸は、
液体又は気体中で行う。全延伸倍率が5.0倍未満である
と、得られるフィラメントの糸質特性、特に直線強度が
劣り、7.5倍を超えると、塑性変形にポリマー分子の変
形がついてこれなくなり、白化現象が起こり、品質が劣
るとともに満足な性能を示すフィラメントが得られな
い。
【0031】そして、延伸後のフィラメントには、必要
に応じて液体又は気体中で弛緩熱処理等を行い、製品と
する。
【0032】
【作用】本発明の蓄光性複合繊維は、芯層と鞘層を同種
の繊維形成性ポリマーで構成しているため、層間での剥
離がなく、高強度となり、産業資材用途にも好適に使用
できる。また、芯、鞘層の形状を特定のものにしている
ため、蓄光性粒子の粒径が小さく、含有量が比較的少量
であっても、鞘層を通して充分な残光特性が発揮され、
同時に操業性も向上する。そして、本発明の製造方法に
よれば、延伸条件が適切であるため、高強度の本発明の
複合繊維を安定して得ることができる。
【0033】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、糸質特性(繊度、引張強度及び伸度、結節
強度及び伸度)はJIS 1013に準じて測定した。また、芯
層の外接円の半径rcと鞘層の外接円の半径rfは、得られ
たフィラメントの横断面形状を撮影した後、得られた写
真及び画像から測定した。蓄光性能は、フィラメントが
3cm×3cmの面積を覆うように、台紙(白色)に捲きつ
け、予め暗所に放置して残光を消した試料に、キセノン
ランプで1000ルクスの照度で5分間照射し、その後の60
分経過後における残光輝度を測定した。残光が肉眼で確
認できるものを○、できないものを×として評価した。
【0034】実施例1 相対粘度(98%硫酸を測定溶媒として測定)4.0のナイロ
ン6(ヘキサメチレンアジパミド成分15%共重合体)を
芯層、鞘層の繊維形成性ポリマーとし、芯層に平均粒径
1.5μmの蓄光性粒子〔「N夜光」(根本特殊化学)比重
3.6〕を40重量%含有させ、芯鞘複合比率(重量比)25:7
5になるように複合繊維を製造した。まず、通常のエク
ストルーダー型複合溶融紡糸装置を使用し、270℃の温
度で溶融させて計量押し出しし、孔径0.6mmの吐出孔よ
り8本のモノフィラメントを紡糸した。紡出したフィラ
メントを15℃の水で冷却後、引き続いてこれを95℃の湯
浴中で3.08倍に延伸(第一段延伸)し、その後、215℃
のオーブンヒーター中で1.79倍に延伸した。その後、22
5℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、複合繊維を得
た。得られた複合繊維の断面形状は図1に示すようなも
のであった。
【0035】実施例2〜5、比較例1〜2 芯層に含有させる蓄光性粒子の含有量、芯鞘複合比率を
表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にし
て複合繊維を得た。
【0036】比較例3 芯層に含有させる蓄光性粒子の含有量を10重量%とし、
芯鞘複合繊維とせずに、芯層を形成するポリマーのみか
らなる丸断面形状の繊維とした以外は、実施例1と同様
に行った。
【0037】実施例6 芯層と鞘層の繊維形成性ポリマーとして、フェノールと
テトラクロロエタン等量溶媒を測定溶媒とした相対粘度
1.6のポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、
芯層に含有させる蓄光性粒子の含有量を20重量%とした
以外は、実施例1と同様にして複合繊維を得た。
【0038】実施例7 芯層と鞘層の繊維形成性ポリマーとして、DMFを測定溶
媒とした対数粘度1.4のPVDFを用い、芯層に含有させる
蓄光性粒子の含有量を10重量%とした以外は、実施例1
と同様にして複合繊維を得た。
【0039】比較例4 蓄光性粒子の平均粒径を10μmとした以外は、実施例1
と同様にして複合繊維を得た。
【0040】実施例8 芯層に含有させる蓄光性粒子の含有量、芯鞘複合比率を
表1に示すように変更し、繊維断面形状を図2に示す形
状とした以外は、実施例1と同様にして複合繊維を得
た。
【0041】実施例9 芯層に含有させる蓄光性粒子の含有量、芯鞘複合比率を
表1に示すように変更し、繊維断面形状を図9に示す形
状とした以外は、実施例1と同様にして複合繊維を得
た。
【0042】実施例1〜9、比較例1〜4で得られた複
合繊維の横断面形状(rc/rf)、糸質特性の測定結果を
表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、実施例1〜9の
蓄光性複合繊維は、強度、伸度等の糸質特性及び蓄光性
能に優れており、操業性よく得ることができた。一方、
比較例1の複合繊維は、rc/rfが0.3未満であったた
め、比較例2の複合繊維は、蓄光性粒子の含有量が少な
すぎたため、蓄光性能に劣っていた。また、比較例3の
繊維は、複合繊維ではなかったため、蓄光性粒子が繊維
表面に露出し、製造時における装置(ローラ等)の摩耗
が生じ、糸質性能も低下した。比較例4では、蓄光性粒
子の平均粒径が大きすぎたため、製造時にフィルターの
閉塞が起こり、製糸性不良となり、繊維を得ることがで
きなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の蓄光性複合繊維は、芯層と鞘層
の層間での剥離がなく、強度に優れており、蓄光性粒子
の粒径が小さく、含有量が比較的少量であっても、鞘層
を通して充分な残光特性が発揮され、蓄光性能に優れ
る。このため、釣り糸、漁網、ロープ等の産業資材用途
に好適に使用することが可能となる。そして、本発明の
製造方法によれば、本発明の蓄光性複合繊維を操業性よ
く安定して得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄光性複合繊維の一実施態様を示す断
面説明図である。
【図2】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図3】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図4】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図5】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図6】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図7】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図8】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図9】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示す
断面説明図である。
【図10】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示
す断面説明図である。
【図11】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示
す断面説明図である。
【図12】本発明の蓄光性複合繊維の他の実施態様を示
す断面説明図である。
【符号の説明】
A 繊維の中心 B 頂点 rc 芯層の外接円の半径 rf 鞘層の外接円の半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB31 BB57 BB72 BB79 BB85 BB89 BB91 CC02 CC07 DD02 DD14 EE07 EE08 EE20 FF01 FF02 HH10 JJ28 KK01 KK05 4L041 AA20 BA02 BA05 BA21 BA23 BA24 BA37 BC06 BC20 BD02 CA06 CA21 CA47 CB21 CB25 CB28 DD01 DD21 4L045 AA05 BA02 BA18 BA49 BA52 BA60 CA25 CA40 CB09 CB13 DA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径2μm以下の蓄光性粒子を5重
    量%以上含有する繊維形成性ポリマーで構成される芯層
    と、芯層と同種の繊維形成性ポリマーで構成される鞘層
    からなる芯鞘複合繊維であって、芯層の外接円の半径r
    cと鞘層の外接円の半径rfが下記式を満足し、かつ、
    強度が3.5cN/dtex以上であることを特徴とす
    る蓄光性複合繊維。 0.30≦rc/rf≦0.90
  2. 【請求項2】 繊維形成性ポリマーが相対粘度2.5以
    上のポリアミドであることを特徴とする請求項1記載の
    複合繊維。
  3. 【請求項3】 未延伸糸を延伸工程において、30〜2
    50℃の温度で2.5〜6.0倍の第一段延伸を行い、
    次いで第一段延伸よりも高温で、かつ100〜300℃
    の温度で全延伸倍率が5.0〜7.5倍となるように第
    二段目以降の延伸を行う、請求項1又は2記載の蓄光性
    複合繊維の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2781650A1 (en) * 2013-03-22 2014-09-24 Lankhorst Euronete Portugal, S.A. Light emitting ropes and use thereof
CN109402832A (zh) * 2017-08-16 2019-03-01 曾凱熙 增强纤维布、防护板及制备防护板的方法
JP2020051016A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司 高輝度を有する蓄光繊維
CN111676532A (zh) * 2020-06-10 2020-09-18 华中科技大学 一种发光纤维、及其制备方法和应用、发光口罩
WO2021070740A1 (ja) * 2019-10-08 2021-04-15 東レ株式会社 芯鞘複合繊維およびマルチフィラメント

Cited By (5)

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