JP2008118473A - デジタル回路、並びにそれを備えたアナログ/デジタル変換回路 - Google Patents

デジタル回路、並びにそれを備えたアナログ/デジタル変換回路 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲイン誤差および歪みによる出力の誤差の補正を行い、AD変換回路のAD変換精度を向上させるデジタル回路、並びにそれを備えたAD変換回路を実現する。
【解決手段】AD変換回路30は、デジタル回路20を備えている。デジタル回路20は、ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数Sを算出する解算出部14と、この解算出部14にて算出された補正係数Sを用いて、上記誤差を補正するAD出力補正部16とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アナログ入力値をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換回路(以下、単にAD変換回路と記載)において、アナログ回路の誤差を補正するデジタル回路、並びにそれを備えたAD変換回路に関する。
アナログ入力値をデジタル値に変換して出力するAD変換回路のうち、百Mサンプル程度までの10〜12ビット程度のAD変換回路としては、パイプラインAD変換回路が最もよく用いられる。このパイプラインAD変換回路の動作原理について、図を用いて簡単に説明する。なお、詳細は、非特許文献1に開示されている。
図12は、パイプラインAD変換回路120の構成を示している。
パイプラインAD変換回路120は、AD変換を行う複数段のステージ(Stage1〜StageN)を備えている。1段目のステージ(Stage1)には、アナログ入力Vinが入力され、このアナログ入力VinをAD変換したデジタル値D(D1)とアナログ出力Vo(Vo1)とを出力する。2段目以降のステージ(Stage2〜StageN)には、前段のステージからのアナログ出力Voが入力され、このアナログ出力VoをAD変換したデジタル値Dとアナログ出力Voとを出力する。
また、パイプラインAD変換回路120は、各ステージから得られるデジタル値Dを統合し、パイプラインAD変換回路120のデジタル出力Dcとするエラー訂正回路110を備えている。
図13は、各ステージの構成を示している。なお、図13では、各ステージを代表して、1段目のステージ(Stage1)および2段目のステージ(Stage2)の構成を示している。
図示のように、各ステージは、アナログ入力(アナログ入力Vinまたはアナログ出力Vo)をAD変換してデジタル値Dを出力するsub−ADC102と、sub−ADC102から出力されたデジタル値DをDA変換するsub−DAC103と、上記アナログ入力とsub−DAC103から出力されたアナログ値とを加算する(上記アナログ入力から上記アナログ値を減算することに等しい)加算器104と、加算器104の加算結果をG倍(以下、ゲインと称す)してアナログ出力Voとして出力する増幅器105とを備えている。上記ゲインは、通常「2」として設計されている。なお、図示していないが、通常上記各回路を動作させるためのバイアス電圧や参照電圧Vr、さらには各種制御クロックが与えられる。
パイプラインAD変換回路120では、1段目のステージ(Stage1)のデジタル値D1が、デジタル出力DcのMSB(Most Significant Bit)となる。2段目のステージ(Stage2)のデジタル値D2は、アナログ入力Vinとデジタル値D1により決まるアナログ値(±Vr,0)との差を2倍したアナログ出力VoのAD変換結果であるため、MSBの1/2の重みを持つことになる。以降、最終段のステージ(StageN)まで、アナログ出力Voを伝播していき、各ステージでデジタル値Dを出力する。上記ステージは、要求精度(ビット数)に応じて必要な段数が接続されている。以上のようなパイプラインAD変換回路120は、パイプライン処理のため各ステージを変換速度に等しい動作速度で動作させれば良く、変換速度、変換精度、および消費電流のバランスが優れている。
次に、各ステージの加算器104および増幅器105の機能を実現するスイッチトキャパシタ器108について説明する。図14は、このスイッチトキャパシタ器108の構成を示しており、(a)は、スイッチトキャパシタ器108のサンプル時を示しており、(b)は、スイッチトキャパシタ器108の出力時を示している。
スイッチトキャパシタ器108は、増幅器106と、スイッチSW1・SW2・SW3と、サンプル容量Cf・Csとを備えており、サンプル時と出力時とでスイッチSW1〜SW3を図示のように切り替え、上記アナログ入力とsub―DAC103から出力されるアナログ値との差を2倍に増幅して、差動出力のアナログ出力Voを出力する構成である。このアナログ出力Voは、以下の数1によって表される。
Figure 2008118473
ここで、
Cf・Cs:サンプル容量
A :増幅器106のDCゲイン
f :帰還係数
D :sub−ADC102のデジタル値D(−1、0、+1)
g :sub−DAC103のゲイン
Vr :参照電圧
Ain :上記アナログ入力
Af :増幅器106の有限ゲイン
Cs/Cf:容量マッチング
数1は、理想的に、Cf=Cs、A=∞、f=0.5、g=0.5であれば、以下の数2となる。
Figure 2008118473
ところで、上述のようなパイプラインAD変換回路120では、増幅器106の高次の歪み、およびサンプル容量Cf・Csの容量マッチングと増幅器106のDCゲイン誤差とによるステージのゲイン誤差がステージ毎に生じ、これに起因したパイプラインAD変換回路120のAD変換精度の低下が問題となっている。
"A 10b, 20Msample/s, 35mW Pipeline A/D Converter", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL.30, NO.3, MARCH 1995 "A 15b, 1-Msample/s Digitally self-Calibrated Pipeline ADC", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL.28, NO.12, DECEMBER 1993 "A Digitally Self-Calibrating 14-bit 10-MHz CMOS Pipelined A/D Converter", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL.37, NO.6, JUNE 2002 "A 12b 75MS/s Pipelined ADC using Open-Loop Residue Amplification", in ISSCC Dig. Tech. Papers, Feb. 2003 特開2006−109415号公報(2006年4月20日公開)
上記問題を解決するために、非特許文献2および非特許文献3では、デジタル回路による処理によって上記ゲイン誤差によるAD変換出力の誤差を補正する方法を提案している。また、非特許文献4および特許文献1では、デジタル回路による処理によって上記歪みによるAD変換出力の誤差を補正する方法を提案している。
しかしながら、現在のところ、上記ゲイン誤差および歪みによるAD変換出力の誤差の双方を補正する技術は考案されていない。従って、上記問題の完全な解決には至っていない。
また、非特許文献4のAD変換回路では、補正が行なわれる1段の処理回路にオープンループの増幅回路を用いており、バラツキ制御が困難であるという問題を生じている。さらに、特許文献1のAD変換回路では、原理上、補正係数算出時に正確な参照電圧が必要であるという問題を生じている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲイン誤差および歪みによるAD変換出力の誤差の補正を行い、AD変換回路のAD変換精度を向上させるデジタル回路、並びにそれを備えたAD変換回路を実現することにある。
本発明に係るデジタル回路は、上記課題を解決するために、アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有するステージを1つまたは複数有するアナログ/デジタル変換回路の上記ステージのデジタル出力の誤差を補正するデジタル回路であって、上記ステージのゲイン誤差および上記ステージの増幅器の歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出する補正係数算出部と、上記補正係数算出部により算出された上記補正係数を用いて、上記ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正する補正部とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るデジタル回路は、補正係数算出部にてゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出し、この算出した補正係数を用いて補正部にて上記ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正する。これにより、ゲイン誤差および高次の歪みによる出力の誤差の補正を行い、AD変換回路のAD変換精度を向上させるデジタル回路を実現することができるという効果を奏する。
本発明に係るデジタル回路は、上記課題を解決するために、アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有するステージを複数有するアナログ/デジタル変換回路の上記ステージのデジタル出力の誤差を補正するデジタル回路であって、上記ステージのうち、所定のステージにおいてステージのゲイン誤差およびステージの増幅器の歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出し、残りのステージにおいてステージのゲイン誤差による誤差を補正するための補正係数を算出する補正係数算出部と、上記補正係数算出部により算出された上記補正係数を用いて、上記誤差を補正する補正部とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るデジタル回路は、補正係数算出部にてゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出し、この算出した補正係数を用いて、補正部にて上記ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正する。これにより、ゲイン誤差および高次の歪みによる出力の誤差の補正を行い、パイプラインAD変換回路のAD変換精度を向上させるデジタル回路を実現することができるという効果を奏する。
本発明に係るアナログ/デジタル変換回路は、上記補正部が、補正係数のうち少なくとも1つの補正係数を、当該補正係数が補正に用いられるデジタル出力とは異なるデジタル出力の補正に用いることが好ましい。
上記の構成によれば、許容された精度によって、例えば、所定のステージにおいてゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数の算出を行い、この所定のステージにおいて算出した補正係数を用いて、残りのステージの補正を行う構成とすることができる。これにより、補正係数を算出する処理を減らすことができ、回路構成の簡略化、処理時間の短縮、消費電力および回路面積の削減等のさらなる効果を奏する。
本発明に係るアナログ/デジタル変換回路は、上記課題を解決するために、アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有する1つのステージと、上記デジタル回路とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るアナログ/デジタル回路は、上記デジタル回路を備えている。これにより、ゲイン誤差および高次の歪みによる誤差の補正を行い、AD変換精度の向上が可能なAD変換回路を実現することができるという効果を奏する。また、デジタル回路による補正であるため、アナログ回路のみで要求精度を実現するのに対して、消費電力や回路面積を増加させることなくAD変換精度を向上させることができる。上記AD変換回路としては、サイクリック型AD変換回路が挙げられる。
本発明に係るアナログ/デジタル変換回路は、上記課題を解決するために、アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有する複数のステージと、上記デジタル回路とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るアナログ/デジタル回路は、上記デジタル回路を備えている。これにより、ゲイン誤差および高次の歪みによる誤差の補正を行い、AD変換精度の向上が可能なAD変換回路を実現することができるという効果を奏する。また、デジタル回路による補正であるため、アナログ回路のみで要求精度を実現するのに対して、消費電力や回路面積を増加させることなくAD変換精度を向上させることができる。上記AD変換回路としては、パイプライン型AD変換回路が挙げられる。
本発明に係るアナログ/デジタル変換回路は、上記の構成に加えて、上記アナログ/デジタル変換回路は、上記複数のステージのうち全ステージまたは所定のステージが、補正用アナログ入力の入力が可能であると共に、上記アナログ入力および上記補正用アナログ入力のいずれをステージの入力とするかを切り替える入力切替部を備え、上記デジタル回路は、上記アナログ入力または上記補正用アナログ入力に対するデジタル値を獲得する出力獲得部を備え、上記補正係数算出部は、上記出力獲得部にて獲得した上記補正用アナログ入力に対するデジタル値に基づいて、上記各ステージのアナログ入出力特性を示す式の連立方程式の解を算出することにより上記補正係数を算出し、上記補正部は、上記補正係数を用いて、上記出力獲得部にて獲得した上記アナログ入力に対するデジタル値を補正することが好ましい。
上記の構成によれば、上記補正係数算出部は、上記各ステージのアナログ入出力特性を示す式の連立方程式の解を算出することにより上記補正係数を算出する。これにより、上記補正係数を正確に求めることができ、より緻密なAD変換精度の向上を達成できるというさらなる効果を奏する。
また、上記の構成によれば、上記補正は、全ステージまたは所定のステージで行われる。全ステージで行われる場合は、より大きなAD変換精度の向上を達成でき、所定のステージで行われる場合は、回路構成の簡略化、処理時間の短縮、消費電力および回路面積の削減等のさらなる効果を奏する。
さらに、上記の構成によれば、ゲイン誤差を補正するための補正係数のみ算出するステージと、ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出するステージとが混在する。例えば、1段目のステージでゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出して補正を行い、残りのステージでゲイン誤差を補正するための補正係数のみ算出して補正を行う場合、全ステージでゲイン誤差および歪みによる誤差の補正を行う場合と比較して、回路構成の簡略化、処理時間の短縮、消費電力および回路面積の削減が可能である。また、例えば所定のステージのうち、1段目のステージのみゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出して補正を行い、残りのステージはゲイン誤差を補正するための補正係数のみ算出して補正を行う場合、所定のステージ全体でゲイン誤差および歪みによる誤差の補正を行う場合と比較して、回路構成の簡略化、処理時間の短縮、消費電力および回路面積の削減が可能である。
本発明に係るアナログ/デジタル変換回路は、上記ゲイン誤差による誤差を補正するための補正係数は、上記ステージのゲイン、もしくはその指標であり、上記歪みによる誤差を補正するための補正係数は、上記各ステージに備えられている増幅器の高次の歪み、もしくはその指標であるが好ましい。
上記の構成によれば、上記ゲイン誤差による誤差を補正するための補正係数は、上記各ステージのゲイン、もしくはその指標であり、上記歪みによる誤差を補正するための補正係数は、増幅器の高次の歪み、もしくはその指標である。これにより、上記誤差に対して適切な補正を行うことができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係るデジタル回路は、ステージのゲイン誤差およびステージに備えられている増幅器の歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出する補正係数算出部と、上記補正係数算出部により算出された上記補正係数を用いて、上記誤差を補正する補正部とを備えることを特徴としている。また、本発明に係るデジタル回路は、複数のステージのうち、所定のステージにおいてステージのゲイン誤差およびステージに備えられている増幅器の歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出し、残りのステージにおいてゲイン誤差を補正するための補正係数を算出する補正係数算出部と、上記補正係数算出部により算出された上記補正係数を用いて、上記誤差を補正する補正部とを備えることを特徴としている。これにより、ゲイン誤差および高次の歪みによる出力の誤差の補正を行い、AD変換回路のAD変換精度を向上させるデジタル回路を実現することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明に係る一実施形態について、図1〜図8に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施形態1に係るAD変換回路30の構成を示している。AD変換回路30は、パイプラインAD変換回路10とデジタル回路20とを備えている。
パイプラインAD変換回路10は、AD変換を行う複数段のステージ(Stage1〜StageN)を備えている。1段目のステージ(Stage1)には、アナログ入力Vinが入力され、このアナログ入力VinをAD変換したデジタル値D(D1)とアナログ出力Vo(Vo1)とを出力する。2段目以降のステージ(Stage2〜StageN)には、前段のステージからのアナログ出力Voが入力され、このアナログ出力VoをAD変換したデジタル値Dとアナログ出力Voとを出力する。
図2は、各ステージの構成を示している。なお、図2では、各ステージを代表して、1段目のステージおよび2段目のステージの構成を示している。
図示のように、各ステージは、各ステージの入力を切り替える(アナログ入力Ainおよび補正用アナログ入力Vcoのいずれかを入力とする)スイッチ(入力切替部)1と、アナログ入力Ainまたは補正用アナログ入力VcoをAD変換してデジタル値Dを出力するsub−ADC2(アナログ/デジタル変換器)と、sub−ADC2から出力されたデジタル値DをDA変換するsub−DAC3(デジタル/アナログ変換器)と、アナログ入力Ainまたは補正用アナログ入力Vcoとsub−DAC3から出力されたアナログ値とを加算する(アナログ入力Ainまたは補正用アナログ入力Vcoから上記アナログ値を減算することに等しい)加算器4と、その加算結果をG倍(以下、ゲインと称す)してアナログ出力Voとして出力する増幅器5とを備えている。
加算器4と増幅器5とは、図14に示すようなスイッチトキャパシタ器により構成される。上記ゲインは、通常「2」として設計され、上記スイッチトキャパシタ器のサンプル容量の容量マッチングと増幅器の有限ゲインとで表される。より具体的には、上記ゲインは、上記数1における(1+Cs/Cf)(1−1/Af)で求められる。なお、(1+Cs/Cf)と(1−1/Af)とは、個々に求めることは不可能である。
なお、アナログ入力Ainは、1段目のステージ(Stage1)の場合はアナログ入力Vinであり、2段目以降のステージ(Stage2〜StageN)の場合は、アナログ出力Voである。また、図示していないが、通常上記各回路を動作させるためのバイアス電圧や参照電圧Vr、さらには各種制御クロックが与えられる。
図3は、あるステージの入出力特性(アナログ入力Ain―アナログ出力Vo)を示している。図中の点線は、理想の入出力特性を示しており、図中の実線は、実際の入出力特性を示している。図示のように、実際のステージでは、理想の状態と比べて入出力特性に誤差が生じる。上記従来技術で述べたように、この誤差は、上記スイッチトキャパシタ器のサンプル容量の容量マッチングと増幅器のDCゲイン誤差とによるステージのゲイン誤差、および上記増幅器の高次の歪み(主に3次歪み)に起因するものであり、これにより、パイプラインAD変換回路10のAD変換精度が低下する。
デジタル回路20は、上記両誤差を補正し、AD変換精度を向上させるものであり、具体的には、上記両誤差を補正するための補正係数Sをステージ毎に求め、この補正係数Sを用いてパイプラインAD変換回路10の各デジタル値Dを補正する。補正係数Sは、各ステージの入出力特性の式の連立方程式の解を算出することにより求める。以下、詳細に説明する。
上記図3における曲線c1〜c3は以下の数3で表される。また、上記図3において、アナログ入力Ainが0.25のときの曲線c2上の点をA点、アナログ入力Ainが0.25のときの曲線c1上の点をB点、アナログ入力Ainが−0.25のときの曲線c3上の点をC点、アナログ入力Ainが−0.25のときの曲線c2上の点をD点、アナログ入力Ainが1のときの曲線c1上の点をE点、アナログ入力Ainが−1のときの曲線c3上の点をF点とする。これらA点〜F点のアナログ出力Vo(Voa〜Vof)は、上記数3に基づき、以下の数4で表される。なお、説明を簡単化するため、sub−DAC3の参照電圧Vrは1としている。
Figure 2008118473
Figure 2008118473
補正係数Sは、曲線c1,c2および曲線c2,c3がそれぞれ誤差なく接続されるように求める。上記各場合のゲイン誤差を補正するための補正係数Sは、補正係数Sp=Voa−Vob,補正係数Sm=Voc−Vodで表される。ここで、上記曲線を誤差なく接続させるためには、A点、B点およびC点、D点が同様の特性を有している必要がある。そこで、A点E点、B点E点およびC点F点、D点F点の連立方程式からゲインGおよび歪み係数a(歪みによる誤差を補正するための補正係数S)を求め、A点E点、B点E点からそれぞれ求まるゲインGおよび歪み係数aが一致することにより、また、C点F点、D点F点からそれぞれ求まるゲインGおよび歪み係数aが一致することにより、A点、B点およびC点、D点が同様の特性を有しているか否かを確認する。
図4は、上記各点のアナログ出力Voを示しており、(a)は上記理想の場合(ゲインG=2、歪み係数a=0)を示しており、(b)は上記実際の場合の一例(ゲインG=1.99、歪み係数a=0.1)を示している。以下、上記図4(b)の場合を例として、ゲインGおよび歪み係数aを求める。
上記数4および上記図4(b)より、A点、B点、E点は、それぞれ以下の数5によって表される。
Figure 2008118473
A点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.99、歪み係数a=0.1が簡単に得られる。また、B点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.99、歪み係数a=0.1が簡単に得られる。なお、C点D点も同様に連立方程式を解くことで、同様な結果を得る。
上述のように、それぞれの場合において求まるゲインGおよび歪み係数aが一致したため、補正係数Sを用いて補正することにより、上記各曲線を誤差なく接続できる、すなわち上記誤差を補正できる。このデジタル補正AD変換では、上記各曲線の間でコード欠けやコード重複は起こらない。
なお、ここでは、A点〜F点を使用して補正係数Sを求めたが、これに限らず、A点、B点、E点のみを使用して、またはC点、D点、F点のみを使用して補正係数Sを求める構成としてもよい。
次に、デジタル回路20の具体的な構成について、図5を用いて説明する。図5は、デジタル回路20の構成を示している。図示のように、デジタル回路20は、制御部11と、スイッチ制御部12と、AD出力獲得部(出力獲得部)13と、解算出部(補正係数算出部)14と、記憶部15と、AD出力補正部(補正部)16とを備えている。
制御部11は、上記各部を全体として正しく動作させるためのタイミング調整等の制御を行う。制御部11は、大略的に、補正係数Sを求める補正係数算出モードM1と、この補正係数算出モードM1で求めた補正係数Sを用いてアナログ入力Ainに対するデジタル値Dを補正するAD変換モードM2とで動作する。以下、図6を用いて詳細に説明する。図6は、制御部11の各種制御を示しており、(a)が補正係数算出モードM1での制御を、(b)がAD変換モードM2での制御を示している。
制御部11は、補正係数算出モードM1では、(1a)スイッチ制御部12を制御し、(2a)AD出力獲得部13を制御し、(3a)解算出部14を制御し、次いで、(4a)記憶部15を制御する。次に、AD変換モードM2では、(1b)スイッチ制御部12を制御し、(2b)AD出力獲得部13を制御し、次いで、(3b)AD出力補正部16を制御する。
なお、補正係数算出モードM1は、AD変換回路30の起動時に毎回行われる構成としてもよいし、例えば、AD変換回路30の最初の起動時のみ行われる構成としてもよい。また、外部からの指示(Cal_ON)に応じて、行われる構成としてもよい。
スイッチ制御部12は、制御部11の制御に応じて、各ステージのスイッチ1を制御し、アナログ入力Ainおよび補正用アナログ入力Vcoのいずれかを各ステージの入力とする。すなわち、スイッチ制御部12は、補正係数算出モードM1での制御部11の制御
(1a)に対して、補正用アナログ入力Vcoを各ステージの入力とし、AD変換モードM2での制御部11の制御(1b)に対して、アナログ入力Ainを各ステージの入力とする。
本実施形態では、上述のように、補正係数Sを求めるために4種類のアナログ入力を使用する。従って、補正用アナログ入力Vcoとしては、4種類(補正用アナログ入力Vco1〜補正用アナログ入力Vco4)用意する。なお、上述のように、いずれかの点のみを使用して補正係数Sを求める構成であれば、2種類でよい。スイッチ制御部12は、制御部11の制御(1a)に対して、これら補正用アナログ入力Vcoを適宜切り替えて、各ステージの入力とする。
AD出力獲得部13は、制御部11の制御に応じて、補正係数Sの算出に用いられるデジタル値Dを獲得して解算出部14に入力すると共に、デジタル値Dの補正に用いられるデジタル値Dを獲得してAD出力補正部16に入力する。
補正係数Sの算出に用いられる各点のアナログ出力Voは、該当ステージ(補正係数Sの算出を行うステージ)以降のステージを理想的とみなしてAD変換器として使用することで、デジタル値Dとして得る。理想的とみなすためには、通常後段(LSB側)から補正係数Sの算出を行ない、前段(MSB側)へと進めて行く。
また、各点のアナログ出力Voであるデジタル値Dを得るために、ステージのsub−ADC2から出力されるデジタル値Dを設定する。例えば、A点のアナログ出力Voに対応するデジタル値Dを得るためには、sub−ADC2から出力されるデジタル値Dを0に設定し、B点のアナログ出力Voに対応するデジタル値Dを得るためには、sub−ADC2から出力されるデジタル値Dを1に設定する。
すなわち、AD出力獲得部13は、補正係数算出モードM1での制御部11の制御(2a)に対して、補正用アナログ入力Vcoに応じて該当ステージのsub−ADC2から出力されるデジタル値Dを設定し、上記該当ステージの後段のステージのsub−ADC2から出力されたデジタル値Dを獲得して解算出部14に入力する。また、AD出力獲得部13は、AD変換モードM2での制御部11の制御(2b)に対して、アナログ入力Ainに対する該当ステージのsub−ADC2から出力されるデジタル値Dを獲得し、AD出力補正部16に入力する。
解算出部14は、補正係数算出モードM1での制御部11の制御(3a)に応じて、AD出力獲得部13から入力されたデジタル値Dに基づいて上述のように補正係数Sを算出すると共に、この算出した補正係数Sを記憶部15に入力する。
記憶部15は、補正係数算出モードM1での制御部11の制御(4a)に応じて、解算出部14から入力された補正係数Sを記憶する。
AD出力補正部16は、AD変換モードM2での制御部11の制御(3b)に応じて、記憶部15に記憶されている補正係数Sを読み出し、この読み出した補正係数Sを用いて、また、AD変換モードM2においてAD出力獲得部13から入力されたデジタル値Dに基づいて、補正係数算出モードM1においてAD出力獲得部13から入力されたデジタル値Dを補正し、パイプラインAD変換回路10のデジタル出力Dcとする。以下、図7を用いて詳細に説明する。
図7は、AD出力補正部16の補正処理を示しており、(a)は、あるステージのsub−ADC2の入出力特性を示しており、(b)は、その補正処理を示しており、(c)は、補正された入出力特性を示している。なお、図中の点線は、理想の入出力特性を示しており、図中の実線は、実際の入出力特性を示しており、図中の一点鎖線は、補正後の入出力特性を示している。
AD出力補正部16は、ゲイン誤差を補正するため、AD変換モードM2においてAD出力獲得部13から入力されたデジタル値Dに基づいて、記憶部15から読み出した補正係数Sとアナログ出力Vo(上述のように、実際は、補正係数算出モードM1においてデジタル値Dとして得る)とを、以下に示すように演算する。なお、ここでは、補正係数Sとして、補正係数Sp,Sm双方を用いている。また、アナログ出力Vocは、補正後のアナログ出力Voであり、デジタル出力Dcとなる。
D=−1のとき、Voc=Vo−Sm :負側ゲインを減算
D= 0のとき、Voc=Vo :何もしない
D= 1のとき、Voc=Vo+Sp :正側ゲインを加算
また、ステージ全体のオフセットOfを考慮すると、
D=−1のとき、Voc=Vo−Sm+Of :負側ゲインを減算
D= 0のとき、Voc=Vo+Of :何もしない
D= 1のとき、Voc=Vo+Sp+Of :正側ゲインを加算
次に、AD出力補正部16は、歪みによる誤差を補正するため、記憶部15から読み出した補正係数S(歪み係数a)により、3次曲線を推定する。そして、ある区間において、上記3次曲線を直線に近似し、歪み量を推定し、この推定した歪み量をデジタル値Dに加算することにより補正する。
以上のように、AD変換回路30は、デジタル回路20によりゲイン誤差および歪みによる誤差の補正を行うことができ、これにより、従来にないAD変換精度の向上を達成できる。また、デジタル回路による補正であるため、アナログ回路のみで要求精度を実現するのに対して、消費電力や回路面積を増加させることなくAD変換精度を向上させることができる。
ところで、上述した補正係数Sの算出方法は、補正用アナログ入力Vcoが正確に入力できた場合である。実際の回路では、正確な直流電圧を生成することは非常に困難である。以下、このような場合において、正確な補正係数Sを算出するための工程を図8を用いて説明する。なお、ここでは、A点、B点、E点を用いて補正係数Sを算出する場合において、A点B点の補正用アナログ入力Vcoとして0.25を入力したが、実際には0.256であった場合を例として説明する。
図8は、正確な補正係数Sを調べる過程のゲインGおよび歪み係数aを示しており、(a)は、補正用アナログ入力Vcoとして0.25を入力した場合を示しており、(b)は、補正用アナログ入力Vcoとして0.26を入力した場合示しており、(c)は、補正用アナログ入力Vcoとして0.255を入力した場合を示しており、(d)は、補正用アナログ入力Vcoとして0.256を入力した場合を示している。
図4(c)に示す、補正用アナログ入力Vcoが0.256の場合の各点のアナログ出力Vo(ゲインG=1.99、歪み係数a=0.1)、および上記数4から、A点、B点、E点は、それぞれ以下の数6によって表される。
Figure 2008118473
A点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=2.053065、歪み係数a=0.352262が得られる。また、B点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.926906、歪み係数a-=-0.15238が得られる。両者のゲインGおよび歪み係数aが異なるため(図8(a)の矢印下線部参照)、曲線c1と曲線c2との接続時にコード欠けやコード重複が生じ、正確に補正できない。これは、A点B点の補正用アナログ入力Vcoが元々0.25でなかったことに起因する。
次に、補正用アナログ入力Vcoを0.26にして同様の計算を行なう。この場合、A点、B点、E点は、それぞれ以下の数7によって表される。
Figure 2008118473
A点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.948459、歪み係数a=-0.06616が得られる。また、B点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=2.032715、歪み係数a=0.270862が得られる。先ほどとは結果が逆になっているが、両者のゲインGおよび歪み係数aがやはり異なるため(図8(b)矢印下線部参照)、曲線c1と曲線c2との接続時にコード欠けやコード重複が生じ、正確に補正できない。これは、A点B点の補正用アナログ入力Vcoが元々0.26でなかったことに起因する。
さらに、補正用アナログ入力Vcoを0.255にして同様の計算を行なう。この場合、A点、B点、E点は、それぞれ以下の数8によって表される。
Figure 2008118473
A点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=2.000443、歪み係数a=0.141774が得られる。また、B点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.979407、歪み係数a=0.05763が得られる。まだ、両者のゲインGおよび歪み係数aが異なるが(図8(c)矢印下線部参照)、前2例よりは実際の値にかなり近づく。
最後に、補正用アナログ入力Vcoを0.256にして同様の計算を行なう。この場合、A点、B点、E点は、それぞれ以下の数9によって表される。
Figure 2008118473
A点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.99、歪み係数a=0.1が得られる。また、B点の式およびE点の式の連立方程式を解くことにより、ゲインG=1.99、歪み係数a=0.1が得られる。両者のゲインGおよび歪み係数aが一致し(図8(d)矢印下線部参照)、補正用アナログ入力Vcoが0.256であったことがわかる。この場合、コード欠けやコード重複は起こらず、適切な補正を行うことができる。
なお、当然ながら、ここでの「一致」とは、デジタル回路の演算精度のフルビットで一致する必要は無く、要求されている精度内での「一致」を指す。また一致点を探索するための、収束アルゴリズムに関しても従来から多種多様なものが存在するため、収束アルゴリズムを問わないのはもちろんである。
以上のように、本発明では、各ステージの入出力特性を示す式の連立方程式の解を算出することにより補正係数Sを算出するため、補正係数Sを正確に求めることができる。これにより、適切な補正を行うことができ、より緻密にAD変換精度の向上を達成できる。
なお、本実施形態では、3次の歪みを補正しているが、これに限らず、同様な方法で、例えば5次の歪みも補正することが可能である。また、本実施形態では、ゲイン誤差を補正するための補正係数Sとして、補正係数Sp,Smを用いたが、これに限らず、例えば(2×Sp)または(1−Sp)等の指標を用いることも可能である。このような指標を用いることにより、記憶部15のメモリ容量の節約、以降の処理の簡便化が可能である。
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施形態について、図9に基づいて説明すると以下の通りである。
上記実施の形態1では、全ステージで補正係数Sを求めそれぞれ補正を行う構成であったが、十数ビット程度のAD変換回路において歪みの影響が現れるのは、1、2段目のステージ程度である。従って、1段目または1段目および2段目のステージでゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するための補正係数Sを算出して補正を行い、2段目または3段目以降のステージでゲイン誤差を補正するための補正係数のみ算出して補正を行う構成とすることも可能である。このような構成は、1段目以降または2段目以降の歪みが精度的に無視しても良いアプリケーションに好適に用いることができる。以下、上記構成について説明する。
図9は、本実施形態におけるステージの構成を示している。なお、図9に示すステージは、1段目のステージでゲイン誤差および歪みによる誤差の補正を行い、2段目以降のステージでゲイン誤差の補正のみを行う場合のステージを示している。また、図2と同様、各ステージを代表して、1段目のステージおよび2段目のステージの構成を示している。さらに、図2に示すステージの部材と同一の符号を付した部材は、特に説明しない限り同一の機能を有するものとし、その説明を省略する。
本実施形態の構成は、基本的には上記実施の形態1の構成と同様であるが、ゲイン誤差の補正のみを行うステージは、図示のように、スイッチ1がスイッチ1aとなる。なお、図中のスイッチ1aは、A点〜F点を使用して補正係数を算出する場合である。A点、B点、E点またはC点、D点、F点を使用して補正係数を算出する場合は、補正用アナログ出力Vcoは1種類でよい。補正係数の算出方法、補正方法等は、上記実施の形態1で示した通りであるので、省略する。
本実施形態の構成は、上記実施の形態1と比較して、ステージによって補正内容が異なるため、回路構成の簡略化、処理時間の短縮、消費電力および回路面積の削減を可能とする。なお、本実施形態の構成は、1段目のステージで求めた歪みによる誤差を補正するための補正係数aを用いて、2段目以降のステージを補正する構成とすることも可能である。
〔実施の形態3〕
本発明に係る他の実施形態について説明すると以下の通りである。
上記実施の形態2では、1段目または1段目および2段目のステージでゲイン誤差および歪みによる誤差を補正し、2段目または3段目以降のステージでゲイン誤差を補正する構成であったが、LSB側からの数段(ステージが10段構成であると仮定すると、10段目、9段目、8段目、7段目…)では、ゲイン誤差もほとんど現れない。従って、上記実施の形態2の構成は、LSB側からの数段を補正なしとすることも可能である。
具体的には、例えばステージが10段構成であると仮定すると、1段目のステージでゲイン誤差および歪みによる誤差の補正を行い、2段目〜4段目のステージでゲイン誤差の補正を行い、5段目〜10段目のステージでは補正なし、すなわち通常のパイプラインAD変換動作のみ、となる。いずれの段まで補正を行うかは、各ステージの容量マッチング精度や増幅器5のDCゲインに影響されるため、設計したパイプラインAD変換回路10毎に決定すればよい。
本実施形態の構成は、上記実施の形態2と比較して、所定のステージでのみ補正を行うため、回路構成の簡略化、処理時間の短縮、消費電力および回路面積の削減をより可能とする。なお、上記実施の形態2と同様、求めた歪みによる誤差を補正するための補正係数aを用いて、補正を行うステージを補正する構成としてもよい。
〔実施の形態4〕
上記各実施形態では、パイプラインAD変換回路10を備えたAD変換回路30にデジタル回路20を適応した場合を説明したが、これに限られるわけではなく、例えば、サイクリック型AD変換回路を備えたAD変換回路に適応可能である。以下、図を用いて説明するが、基本的にAD変換回路30と異なる部分についてのみ説明する。
図10は、AD変換回路50の構成を示している。AD変換回路50は、サイクリック型AD変換回路40とデジタル回路20とを備えている。
サイクリック型AD変換回路40は、パイプラインAD変換回路10の1段目のステージと同様な構成のステージを1段備え、ステージのアナログ出力Voを次の入力値としてステージの入力に帰還させる。要求される解像度分アナログ出力Voを帰還させることにより、AD変換結果を得る。
図11は、上記ステージ(Stage1)の具体的な構成を示している。パイプラインAD変換回路10における1段目のステージのスイッチ1に代えて、スイッチ1の機能に、アナログ出力Voを帰還して入力とするための機能を加えたスイッチ1Aを備えている。
このように、1つのステージで要求されるAD変換結果を得ることができるため、AD変換回路30と比較して回路面積の削減が可能である。
デジタル回路20による補正係数Sの算出、補正処理等は、上記実施の形態1で説明した方法と同様に行えばよいため、ここでは省略する。補正処理は、全デジタル値Dにおいて、ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正するものであってもよいし、例えば所定のデジタル値Dのみゲイン誤差による誤差を補正するものであってもよい。
最後に、デジタル回路20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、デジタル回路20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデジタル回路20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、AD変換回路30に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、AD変換回路30を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、AD変換回路を備える回路、特にパイプラインAD変換回路を備える回路に好適に用いることができる。
本発明の一実施形態を示すものであり、AD変換回路の構成を示すブロック図である。 上記AD変換回路に備えられているパイプラインAD変換回路のステージの構成を示す図である。 ステージの入出力特性を示すグラフである。 上記入出力特性における各点のアナログ出力Voを示す図であり、(a)は上記入出力特性が理想の状態にある場合であり、(b)は上記入出力特性の実際の状態の場合であり、(c)は上記入出力特性の実際の状態の場合であると共に、アナログ入力が0.256である場合である。 上記AD変換回路に備えられているデジタル回路の構成を示すブロック図である。 上記デジタル回路の制御部の各種制御を示す図であり、(a)は補正係数算出モードでの制御を示しており、(b)はAD変換モードでの制御を示している。 上記デジタル回路のAD出力補正部の補正処理を示す図であり、(a)はあるステージのsub−ADCの入出力特性を示しており、(b)はその補正処理を示しており、(c)は補正された入出力特性を示している。 正確な補正係数を調べる過程のゲインおよび歪み係数を示す図であり、(a)は、補正用アナログ入力として0.25を入力した場合を示しており、(b)は、補正用アナログ入力として0.26を入力した場合示しており、(c)は、補正用アナログ入力として0.255を入力した場合を示しており、(d)は、補正用アナログ入力として0.256を入力した場合を示している。 本発明の他の実施形態におけるステージの構成を示す図である。 本発明の他の実施形態を示すものであり、AD変換回路の構成を示すブロック図である。 上記AD変換回路に備えられているサイクリック型AD変換回路のステージの構成を示す図である。 従来技術を示すものであり、パイプラインAD変換回路の構成を示すブロック図である。 上記パイプラインAD変換回路のステージの構成を示す図である。 上記ステージのスイッチトキャパシタ回路の構成を示す図である。
符号の説明
1 スイッチ(入力切替部)
5 増幅器
10、120 パイプラインAD変換回路
13 AD出力獲得部(出力獲得部)
14 解算出部(補正係数算出部)
16 補正部(AD出力補正部)
20 デジタル回路
30 AD変換回路
40 サイクリック型AD変換回路
50 AD変換回路
stage ステージ

Claims (7)

  1. アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有するステージを1つまたは複数有するアナログ/デジタル変換回路の上記ステージのデジタル出力の誤差を補正するデジタル回路であって、
    上記ステージのゲイン誤差および上記ステージの増幅器の歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出する補正係数算出部と、
    上記補正係数算出部により算出された上記補正係数を用いて、上記ゲイン誤差および歪みによる誤差を補正する補正部とを備えることを特徴とするデジタル回路。
  2. アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有するステージを複数有するアナログ/デジタル変換回路の上記ステージのデジタル出力の誤差を補正するデジタル回路であって、
    上記ステージのうち、所定のステージにおいてステージのゲイン誤差およびステージの増幅器の歪みによる誤差を補正するための補正係数を算出し、残りのステージにおいてステージのゲイン誤差による誤差を補正するための補正係数を算出する補正係数算出部と、
    上記補正係数算出部により算出された上記補正係数を用いて、上記誤差を補正する補正部とを備えることを特徴とするデジタル回路。
  3. 上記補正部は、補正係数のうち少なくとも1つの補正係数を、当該補正係数が補正に用いられるデジタル出力とは異なるデジタル出力の補正に用いることを特徴とする請求項1または2に記載のデジタル回路。
  4. アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有する1つのステージと、請求項1または3に記載のデジタル回路とを備えていることを特徴とするアナログ/デジタル変換回路。
  5. アナログ入力をデジタル値に変換して出力するアナログ/デジタル変換器と、当該アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル値をアナログ値に変換して出力するデジタル/アナログ変換器と、当該デジタル/アナログ変換器から出力されたアナログ値と上記アナログ入力とを加算し、その加算結果をゲイン分増幅して出力する、2つのコンデンサと増幅器とを有するスイッチトキャパシタ器とを備え、上記2つのコンデンサの容量マッチングと上記増幅器の有限ゲインとで表される上記ゲインを有する複数のステージと、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル回路とを備えていることを特徴とするアナログ/デジタル変換回路。
  6. 上記アナログ/デジタル変換回路は、上記ステージのうち全ステージまたは所定のステージが、補正用アナログ入力の入力が可能であると共に、上記アナログ入力および上記補正用アナログ入力のいずれをステージの入力とするかを切り替える入力切替部を備え、
    上記デジタル回路は、上記アナログ入力または上記補正用アナログ入力に対するデジタル値を獲得する出力獲得部を備え、
    上記補正係数算出部は、上記出力獲得部にて獲得した上記補正用アナログ入力に対するデジタル値に基づいて、上記各ステージのアナログ入出力特性を示す式の連立方程式の解を算出することにより上記補正係数を算出し、
    上記補正部は、上記補正係数を用いて、上記出力獲得部にて獲得した上記アナログ入力に対するデジタル値を補正することを特徴とする請求項4または5に記載のアナログ/デジタル変換回路。
  7. 上記ゲイン誤差による誤差を補正するための補正係数は、上記ステージのゲイン、もしくはその指標であり、上記歪みによる誤差を補正するための補正係数は、上記増幅器の高次の歪み、もしくはその指標であることを特徴とする請求項6に記載のアナログ/デジタル変換回路。
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