JP3964739B2 - パイプライン制御アナログ・デジタル変換器の演算増幅器の利得誤差を訂正する装置 - Google Patents

パイプライン制御アナログ・デジタル変換器の演算増幅器の利得誤差を訂正する装置 Download PDF

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Description

【0001】
【従来の技術】
パイプライン制御アナログ・デジタル変換器(ADC)は、当業者には公知である。代表的なパイプライン制御ADCは複数のADCステージを含み、各ADCステージはアナログ入力の一部を1つまたは複数のビットに変換する。第1のADCステージはアナログ入力信号を受信し、第1の出力は1つまたは複数のデジタルビットを含み、第2の出力はアナログ残留電圧(residue voltage)である2つの出力を与える。1つまたは複数のデジタルビットは、デジタルフォーマットに変換されたアナログ入力信号の一部を表す。アナログ残留電圧は、ADCステージによって1つまたは複数のデジタルビットに変換された部分が除去された後に残るアナログ入力信号の量を表す。後続の各ADCステージは、前のADCステージからアナログ残留電圧を受信して、その一部を1つまたは複数のデジタルビットに変換する。ADCステージは、受信したアナログ入力残留電圧からデジタルフォーマットに変換されたその部分を除去して、次の隣接ステージにアナログ残留信号を出力する。普通、パイプライン制御ADCの最初のADCステージは最上位ビットを与え、最後のステージは最低位ビットを与える。各ADCステージから一緒に取り出されたデジタルビットは、ADCに与えられた入力信号のデジタル値を表す。
【0002】
図1は、複数N個のステージ102、104、106、108および110を含む主パイプライン101を備えた先行技術による代表的なパイプライン制御ADC100を示している。第1のステージ102は、入力ライン111で入力信号Vinを受信する。各ステージ102〜110は、ライン103〜111にそれぞれ1つまたは複数のデジタル出力ビットを与える。ステージ108は、代表的なADCステージとして、より詳細に示されている。
【0003】
ステージ108は、ライン109を介して入力信号Vinを受信するMビットのADC112を含む。入力信号Vinは、アナログ入力信号または前のステージの残留信号のいずれかである。MビットADC112は、デジタル出力信号としてMビットをライン114に与える。Mビット・デジタル・アナログ変換器116は、このMビットの出力を読みとり、ADC112によって与えられたMビット語に対応するアナログ電圧をライン117に与える。減算モジュール119は、ライン118でライン109の入力電圧Vinからこのアナログ電圧を減算する。結果として生じた差は、ADCステージ112によって変換された入力電圧の一部が除去された後に残る入力信号の残留電圧である。増幅器の利得が2Mに等しく、ある場合には2M−1に等しい増幅器120は、この残留電圧を増幅する。増幅された残留信号は、ライン122を介して次の隣接ADCステージに与えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
理論的には、パイプライン制御ADC100は、入力信号のほぼ完全なデジタル表現を与えなければならない。しかし、実際には、パイプライン制御ADCに使用されている構成要素および増幅器は理想的ではない。たとえば、各ADCステージの増幅器モジュールに使用されている演算増幅器(op−amp)の開ループ利得(open−loop gain)は有限である。利得が有限であるため、各増幅器モジュールの利得は2Mではない。したがって、増幅器によって与えられる残留信号は、デジタル部分が入力から除去された後のアナログ信号の量を正確に反映していない。前のステージからの誤差を増幅して伝搬するだけでなく、各ステージは、主パイプラインの下流の増幅器によってさらに増幅される全体の誤差に有限利得誤差(finite gain error)を加算する。
【0005】
図2は、図1に示す増幅器120として機能するように構成されて配置される代表的な演算増幅器回路である。この増幅器の利得は、
【数1】
Figure 0003964739
によって与えられる。ここで、増幅器の公称利得、Gは、(C1+C2)/C2に等しい。しかし、式(1)に示されているように、誤差項G/Aは、増幅器の実際の利得を低下させる。この誤差項が非常に小さく無視できるほど、開ループ利得Aが十分に大きくない場合は、増幅器ステージの実際の利得は、期待した値より小さい。したがって、残留信号は予期した値より小さく、後続の各残留信号のアナログ・デジタル変換によって不正確な出力が生じる。上に注意したように、この不正確な出力は、後続の各ADCステージによって増幅されかつ伝搬される。各ADCステージは、ADCステージを含む増幅器モジュールに固有な有限利得誤差(finite gain error)に起因する全体の誤差に加えられる。したがって、残留信号がステージからステージへと伝搬するのに伴って、上流のADCステージからの誤差が、下流の各ADCステージによって増幅されて加算される。パイプライン制御ADCを実行する場合に要求されるサイズの制約と処理のため、演算増幅器の開ループ利得の値は1000またはそれ以下のことが多いので、有限利得誤差を無視することはきない。
【0006】
したがって、パイプライン制御ADCの増幅器モジュールの内部で使用される演算増幅器の有限な利得によって発生する誤差を低減するパイプライン制御アナログ・デジタル変換器を提供することは利点がある。
【0007】
【課題を解決する手段】
パイプライン制御アナログ・デジタル変換器は、複数のアナログ・デジタル変換器ステージを含む主パイプラインと、主パイプラインの出力を補償するシャドー(shadow)パイプラインを含む。主パイプラインの各アナログ・デジタル変換器ステージは、デジタル出力とアナログ残留信号を与える。シャドー・パイプラインは、主パイプラインのアナログ・デジタル変換器ステージの1つから、少なくとも1つの利得誤差信号を受信する1つまたは複数のステージを含む。シャドー・パイプラインは、利得誤差信号を処理して補償信号(compensation signal)を形成するように構成されて配置されている。補償信号は、アナログ残留信号と結合して、有限な誤差利得がほぼ除去されている補償された残留信号を与える。代替方法として、補償信号をデジタルフォーマットに変換し、主パイプラインのアナログ・デジタル変換器ステージの1つまたは複数のデジタル出力ビットと結合して、利得誤差のすべてがほぼ除去されている補償されたデジタル出力を与えてもよい。
【0008】
一実施例においては、主パイプラインの複数のアナログ・デジタル変換器ステージは、シャドー・パイプラインに1つまたは複数の利得誤差信号を与える複数の誤差訂正ステージを形成する。シャドー・パイプラインは、受信した利得誤差信号を処理して、補償信号を与える。補償信号は、アナログ残留信号と結合して、前の増幅器ステージからの有限利得誤差が殆どない入力を後続のステージに与える。
【0009】
他の実施例におけるシャドー・パイプラインは、複数のアナログ・デジタル変換器ステージから複数の利得誤差信号を受信し、これらの利得誤差信号を処理して補償信号を与える。この補償信号は、対応するアナログ残留信号と結合させて有限利得誤差項を除去してもよいし、補償信号をデジタルフォーマットに変換し、主パイプラインの1つまたは複数のアナログ・デジタル変換器ステージからの出力として与えられたデジタルビットと結合させて、それに含まれる有限利得誤差を除去してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
添付の図面とともに以下に続く本発明の詳細な説明を参照すれば、本発明をより十分に理解できるであろう。
【0011】
図3は、パイプライン制御ADCの増幅器チェーン内の1つまたは複数の増幅器の有限利得誤差を訂正する装置の一実施例を示すブロック図である。この装置は、主増幅器パイプライン内の増幅器チェーンに含まれる4つの増幅器利得ステージ302、304、306および308を含む誤差訂正部分300を含む。増幅器ステージ302〜308の少なくとも1つは、シャドー・パイプライン400に利得誤差信号を与える。利得補償信号V01/A、V02/A、V03/AおよびV04/Aは、特定のステージ内で使用される演算増幅器の開ループ利得Aで除算された特定のステージの出力に等しい。利得誤差は、演算増幅器の加算ノードの入力から標本化される。シャドー・パイプライン400は、少なくとも1つの利得誤差信号を受信してこの信号を処理し、出力としてアナログ補償信号を与えるように構成されて配置されている。アナログ補償信号は、ステージ308のアナログ残留信号である出力、V04/Aと結合する。一緒に結合すると、アナログ補償信号は、主パイプラインの下流のアナログ・デジタル変換器ステージによってデジタルフォーマットに変換されるV04信号からほぼすべての有限利得誤差を除去する。
【0012】
上に注意したように、増幅器ステージからの出力は、
【数2】
Figure 0003964739
によって与えられる。ここでG(1−G/A)の項は、増幅器ステージの利得に等しい。したがって、増幅器の出力信号は2つの成分を含む。第1の成分は、理想的な出力信号、Vin*G2であり、第2の成分は、誤差信号−Vin*G2/Aである。ここで、Gは増幅器ステージの公称利得に等しく、Aは増幅器ステージの内部で使用される演算増幅器の開ループ利得に等しく、Vinは増幅器ステージへの入力信号に等しい。したがって、後続の各ステージは、追加する有限利得誤差を与えながら、前のステージの理想的出力信号と誤差信号の両方を増幅する。このように、アナログ・デジタル変換器の主パイプラインの任意の増幅器ステージの出力は、開ループ利得Aに関する級数展開(series expansion)、
【数3】
Figure 0003964739
で近似することができる。ここで分母の開ループ利得の値がA2かそれより大きいすべての項は無視できると考えられるので、この級数展開の2つの項以降を切り捨てた(the series expansion has been truncated after two terms)。式(3)におけるNは、パイプライン制御ADCの増幅器ステージの個数に等しく、Gは、各ステージに含まれる各増幅器の利得に等しい。式(3)でGは不変であると考えられているが、Gはステージごとに変わるかもしれない。Gがステージによって変わる場合、式(3)を、
【数4】
Figure 0003964739
に修正することができる。ここで、G1、G2、G3およびG4の項は、パイプラインADCの誤差訂正部分300内の4つの増幅器ステージの増幅器の利得に等しい。したがって、パイプラインADCに含まれる増幅器で使用される演算増幅器の有限利得に起因する誤差は、式(3)または式(3A)の第2の項によって与えられる。
【0013】
以下に示す実施例では、パイプラインADCの4つのステージが、パイプラインADCの誤差訂正部分300として使用されている。4つのステージは例示のために与えられているにすぎないのであって、パイプラインADCのアーキテクチャの誤差訂正部分300の中にいかなる個数の増幅器ステージを含めてもよいことを理解すべきである。その上、式(3)および(3A)中の1つの誤差項だけが以下に示す式の中で使用されている。1つの誤差項は例示のためにのみ使用されているのであって、式(3)および(3A)に示す級数展開の中では、任意の個数の誤差項を使用すれば、次第に正確な結果を得ることができることを理解すべきである。
【0014】
図4〜図7は、シャドー・パイプラインを含む本発明の実施例を示している。シャドー・パイプラインは、主パイプラインの増幅器ステージの誤差訂正部分の中の増幅器ステージの1つによって与えられる入力誤差信号を処理する。入力誤差信号は、シャドー・パイプラインによって処理されると、補償信号408を与える。アナログ補償信号408は、主パイプラインの誤差訂正部分300のアナログ残留出力信号と結合されると、主パイプラインの増幅器チェーンの中で使用される演算増幅器の有限な開ループ利得を補償する。各図のシャドー・パイプラインによって与えられる処理された入力利得誤差信号は、主パイプラインの誤差訂正部分によって与えられる信号出力と算術的に結合されて出力信号312を与える。図示されている実施例では、処理された入力誤差信号が、主パイプラインの誤差訂正部分300によって与えられる出力信号312に加算される。何故ならば、式(2)、(3)および(3A)に示されている誤差項は負だからである。補償された出力信号312は、主パイプラインの誤差訂正部分300からの出力として与えられる。
【0015】
図4に示す実施例において、主パイプラインの誤差訂正部分300の第1のステージ302は、シャドー・パイプライン400によって処理される利得誤差信号V01/Aをライン401に与える。この誤差信号は、シャドー・パイプライン400の利得を表す利得Kと乗算される。アナログ残留信号から有限利得誤差をほぼ除去する利得Kの値を決定するためには、誤差信号をKと乗算し、式(3)および(3A)の誤差項に等しく設定すると、利得Kについて解かれる。上に注意したように、主パイプラインの誤差訂正部分300のライン310上の出力は、切り捨てられた級数展開によって近似することができ、主パイプラインの誤差訂正部分300の各ステージの不変の利得がGであると想定すると、
【数5】
Figure 0003964739
となる。ここで、Nは主パイプラインの誤差訂正部分300の中のステージの個数に等しく、Gは各誤差訂正ステージの各増幅器ステージの不変の利得である。したがって、図4に示すように、Kの値、つまりシャドー・パイプラインの利得は64であり、この場合はG=2、N=4である。
【0016】
一般にN個のステージがあり、各ステージの利得がGである誤差訂正部分300の中のj番目の増幅器ステージによって与えられる利得誤差信号に対するシャドー・パイプラインの利得Kの値は、
【数6】
Figure 0003964739
である。したがって、図5に示すように、第2のステージ306からとられた利得誤差信号、V02/Aに対するシャドー・パイプラインの総利得Kは、G4+1-2*4=32である。図6に示すように、第3のステージ308からとられた利得誤差信号、V03/Aに対するシャドー・パイプラインの総利得Kは、G4+1-3*4=16である。図7に示すように、第4のステージ310からとられた利得誤差信号、V04/Aに対するシャドー・パイプラインの総利得Kは、G4+1-4*4=8である。図7は、加算器412に正しい信号が存在することを保証するために必要な、利得が「1」の遅延ステージをさらに含む。
【0017】
図示されている実施例では4つの誤差訂正ステージだけが使用されているが、どんな個数の誤差訂正ステージを使用してもよい。一般に、各ステージの誤差の寄与度(contribution)は、最上位ビットステージから最低位ビットステージへと低下する。主パイプライン内で使用すべき誤差訂正ステージの個数の選択は、ユーザーが要求する精度の関数である。最終デジタル出力の精度を上げるには、より多くの誤差訂正ステージを使用することが必要である。
【0018】
図4〜図7に示す各実施例におけるシャドー・パイプラインは、シャドー・パイプラインの総利得が、式(4)または式(5)で決定された値Kに等しいように設計者の所望する適当な個数のステージでよい。シャドー・パイプラインの増幅器ステージの個数に対して考慮すべきことには、増幅器モジュールに利用可能なADCチップ上で使用可能な面積と、使用可能なチップ面積で使用できる増幅器モジュールを形成する演算増幅器とそれに使用する構成部品のサイズと電気的特性を含めることができる。
【0019】
或る状態では、ADCの誤差訂正ステージの増幅器の利得はそれぞれ違っているかもしれない。たとえば、パイプライン制御ADCのいくつかのステージの出力は1ビットであり、いくつかのステージの出力は1.5ビットであり、いくつかのステージの出力は2ビットかもしれない。この場合、以下に示すように、パイプライン制御ADCの各ステージの利得を乗算してパイプライン制御増幅器ステージの総利得を計算する。
【数7】
Figure 0003964739
ここで、jの項は主パイプラインADCの誤差訂正部分300内の誤差訂正ステージの位置に等しく、Nは誤差訂正部分内のステージの個数に等しい。
【0020】
図8はシャドー・パイプライン800の他の実施例を示しており、この中で主パイプラインの誤差訂正部分300の各ステージは、上に説明したように利得誤差信号を与える。シャドー・パイプライン800は、これらの誤差を累積してライン810に出力されたアナログ補償信号に結合する。補償信号は、誤差訂正部分300の最終ステージ308からライン310に出力された信号と結合して、この出力から有限利得誤差を除去する。
【0021】
図8に示す実施例におけるシャドー・パイプライン800は、4つの誤差累積・処理ステージ802、804、806および808を含む。各誤差累積・処理ステージは、主パイプラインの誤差訂正部分300内の対応するステージから利得誤差信号を受信する。したがって、ステージ302はV01/Aに等しいアナログ利得誤差信号をステージ802に与える。ステージ304はV02/Aに等しいアナログ利得誤差信号をステージ804に与える。ステージ306はV03/Aに等しいアナログ利得誤差信号をステージ806に与え、ステージ308はV04/Aに等しいアナログ利得誤差信号をステージ808に与える。誤差累積・処理ステージ802〜808のそれぞれは、前のステージに利得誤差信号があれば前のステージからこの信号を受信して、処理された信号に加算し、この合計と利得因子Gを乗算して出力信号を与える。したがって、パイプライン制御ステージの各ステージの利得がGiであり、かつシャドー・パイプラインの各ステージの利得がKであれば、誤差の中の類似の項を等しいとしてKについて解くと、
【数8】
Figure 0003964739
が生じる。図8に示すように、式(6)の1つの解はG=2かつK=2の場合である。一般に、どのシャドー・パイプライン・ステージの利得Kも、シャドー・パイプライン・ステージに利得誤差信号を与える対応する増幅器ステージの利得Gに等しい。しかし、次に示す式(6)の一般化された式が満足されるかぎり、Kはシャドー・パイプライン制御利得ステージの各ステージごとに変わるかもしれない。
【数9】
Figure 0003964739
ここで、Kiの項はシャドー・パイプライン・ステージiの利得の値に等しく、Gjの項はパイプライン制御利得ステージjのそれぞれの利得に等しい。
【0022】
図9は、1つまたは複数の誤差累積・処理ステージを含むシャドー・パイプライン902の他の実施例を示している。この実施例において、誤差累積・処理ステージ904によって与えられる補償信号は、アナログ・デジタル変換器ステージ906によってデジタルフォーマットに変換される。デジタル補償信号は、主パイプラインのあらかじめ選択されたステージからのデジタル出力ビットと算術的に結合されると、デジタル出力から有限利得誤差を除去する。
【0023】
図9に示す実施例において、主パイプライン908は、10ビットのパイプライン制御ADCを形成する10個のADCステージ910〜928を含み、各ステージは、デジタル出力として1つまたは複数のデジタルビットDiを与える。ここで、iは、各ADCステージの位置である。シャドー・パイプライン902は2つの部分に分割される。第1の部分は、シャドー・パイプライン902の4つのステージ920、922、924および926を含む誤差累積ステージ904である。誤差累積ステージ904は、出力としてライン937にアナログ補償信号を与える。シャドー・パイプライン902の第2の部分は、アナログ補償信号を受信して、それを1つまたは複数のデジタル誤差訂正ビットに変換するアナログ・デジタル出力ステージ906である。
【0024】
図示されている実施例では、誤差累積ステージ904が主パイプライン908の第1の4つのステージ910〜916から誤差信号を受信する。第1の4つのステージのみが使用される。何故ならば、これらのステージで発生する誤差が総誤差の最大の成分になるからである。誤差累積ステージ1004の4つのステージ920〜926のそれぞれは、主パイプライン908のステージ910〜916から利得誤差信号V01/A、V02/A、V03/AおよびV04/Aをそれぞれ受信する。
【0025】
誤差累積ステージ904の第1のステージ930は、第1の利得誤差信号V01/Aを受信する。第1のステージ930は、受信した利得誤差V01/Aと不変の利得因子K1を乗算する。利得因子K1は、対応するADCステージ910で使用される増幅器の利得に等しい。誤差累積ステージ904の後続の各ステージは、主パイプライン908の対応する増幅器ステージから受信した利得誤差信号に前のステージの出力を加算する。この合計は、主パイプライン908の対応するADCステージ内で使用される増幅器の利得Gに等しい不変の利得因子K1と乗算される。したがって、ステージ932は、ステージ930の出力と利得誤差信号V02/Aを受信する。これら2つの信号は一緒に加算され、その合計は、主パイプライン908のステージ912で使用される増幅器の利得に等しい不変の利得因子Kと乗算される。ステージ934は、ステージ932の出力を受信しステージ914から利得誤差信号V03/Aを受信して、上に説明したようにこれらの信号を処理する。この2つの信号の合計を乗算する場合に使用される不変の利得因子は、ステージ914の利得に等しい。ステージ936は、ステージ934の出力と利得誤差信号V04/Aをステージ916から受信して、上に説明したようにこれらの信号を処理する。この2つの信号の合計を乗算する場合に使用される不変の利得因子は、ステージ916の利得に等しい。
【0026】
誤差累積ステージ904の最終ステージ926からのアナログ補償出力信号は、少なくとも1ビットのアナログ・デジタル変換器を含むアナログ・デジタル変換器ステージ906に与えられる。図示されている実施例における第1のアナログ・デジタル変換器ステージ928は、誤差累積ステージ904の最終ステージ936から出力を受信し、主パイプライン908の増幅器ステージ918から利得誤差信号V04/Aを受信する。これらの信号は、一緒に加算され、ステージ938、940,942、944および946によってデジタルフォーマットに変換される。シャドー・パイプライン902のアナログ・デジタル変換器ステージ938〜946のそれぞれは、1つまたは複数のデジタル誤差訂正出力ビットを与える。ステージ938、940,942、944および946からのデジタル誤差訂正出力ビットは、主パイプライン908内の対応するステージ920、922、924、926および928のデジタル出力と加算することによって、それぞれ結合される。同様に、アナログ・デジタル変換器ステージ938−940−942、944および946によって与えられるデジタル誤差訂正ビットは、5ビットのフラッシュ・アナログ・デジタル変換器、サブレンジング(subranging)ADC、2ステップまたはマルチ・ステップADC、シグマ・デルタADC、周期的アルゴリズム的(cyclic and algorithmic)ADC、単一または2重スロープ(single or dual slope)ADC、または逐次近似ADC、または適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器によって与えられてもよい。
【0027】
図12は、シャドー・パイプライン1202の各ステージが誤差累積アナログ・デジタル変換器(error−accumulating−analog−to−digital−converter)ステージである代替実施例を示している。シャドー・パイプラインの第1のステージ1228は、主パイプライン1204の第1のステージ1206から出力誤差信号1246を受信する。第1のシャドー・ステージ1228は、この出力誤差信号1248をMビットのデジタル語に変換し、シャドー・パイプライン1202の第2のステージ1232に残留信号を与える。第2のステージ1232は、第1のステージ1230から残留信号1248を受信し、主パイプライン1208の第2のステージ1212から出力誤差信号1250を受信する。
第2のステージ1212は、この2つの誤差信号を一緒に累積し、この累積された誤差をMビットのデジタル語に変換して、シャドー・パイプライン1202の第3のステージ1234に残留信号1252を与える。後続の各ステージ1232〜1244は、前のステージから残留信号1252〜1266をそれぞれ受信して、主パイプライン1204の対応するアナログ・デジタル・ステージの出力誤差信号1254〜1265とともにこの残留誤差信号を累積する。シャドー・パイプライン1202によって与えられる出力誤差ビットDe1〜De10は、主パイプライン1204によって与えられる出力ビットD1〜D10にそれぞれ加算され、デジタル出力から出力利得誤差の項を除去する。上に説明したように、出力誤差ビットDe1〜De10は、パイプライン制御アナログ・デジタル変換器によって与えられてはならない。出力誤差ビットDe1〜De10は、10ビットのフラッシュ・アナログ・デジタル変換器、サブレンジング ADC、2ステップまたはマルチ・ステップADC、シグマ・デルタADC、周期的アルゴリズム的ADC、単一または2重スロープADC、または逐次近似ADC、または適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器によって与えられてもよい。
【0028】
或る状態では、利得誤差信号が大きくて、誤差累積ステージ1004でオーバーフローが発生するかもしれない。このことは、たとえば、開ループ利得が500〜1000ではなく、50〜100のオーダーである演算増幅器によって起こるかもしれない。この場合、図10に示すように、シャドー・パイプラインは、第1のシャドー・パイプライン1002と第2のシャドー・パイプライン1004の少なくとも2つの部分に分割される。第1のシャドー・パイプライン1002は、主パイプライン908の第1の3個のステージ910〜914から第1組の利得誤差信号V01/A、V02/AおよびV03/Aを受信する誤差累積ステージ1006を含む。この第1組の利得誤差信号は、図9について上に説明したように、誤差累積ステージ1006によって処理される。第1の利得誤差信号V01/Aを受信するのは、誤差累積ステージ1006の第1のステージ1014である。第1のステージ1014は、受信した利得誤差V01/Aと、不変の利得因子K1を乗算する。利得因子Kは、対応するADCステージ910で使用される増幅器の利得に等しい。誤差累積ステージ1006の後続の各ステージは、主パイプライン908の対応する増幅器ステージから受信した利得誤差信号に前のステージの出力を加算する。この合計は、主パイプライン908の対応するADCステージで使用される増幅器の利得Gに等しい不変の利得因子Kと乗算される。したがって、ステージ1016は、ステージ1014の出力と利得誤差信号V03/Aを受信する。これら2つの信号は一緒に加算され、その合計は、主パイプライン908のステージ912で使用される増幅器の利得に等しい不変の利得因子と乗算される。ステージ1018は、ステージ1016の出力を受信し、ステージ914から利得誤差信号V03/Aを受信して、上に説明したようにこれらの信号を処理する。ステージ1018が第1のデジタル誤差出力ステージ1014に第1のアナログ補償信号を与えると、ここで第1のアナログ補償信号は1つまたは複数の第1のデジタル誤差訂正ビットに変換される。第1のデジタル誤差出力ステージ1014は、パイプライン制御アナログ・デジタル変換器またはフラッシュ・アナログ・デジタル変換器ステージ、サブレンジング ADC、2ステップまたはマルチ・ステップADC、シグマ・デルタADC、周期的アルゴリズム的ADC、単一または2重スロープADC、または逐次近似ADC、つまり適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器でよい。
【0029】
第2のシャドウ・パイプライン1004は、主パイプライン908の第2グループの誤差訂正ステージ916〜920から第2組の利得誤差信号V04/A、V05/AおよびV06/Aを受信する誤差累積ステージ1006を含む。この第2組の利得誤差信号は、上に説明したように、誤差累積ステージ1006によって処理される。即ち、誤差累積ステージ1004の第2のステージ1004が第1の利得誤差信号V04/Aを受信する。第1のステージ1032は、受信した利得誤差V04/Aと不変の利得因子K1を乗算する。利得因子Kは、対応するADCステージ916で使用される増幅器の利得に等しい。誤差累積ステージ1010の後続の各ステージは、主パイプライン908の対応する増幅器ステージから受信した利得誤差信号に前のステージの出力を加算する。この合計は、主パイプライン908の対応するADCステージで使用される増幅器の利得Gに等しい不変の利得因子Kと乗算される。したがって、ステージ1034は、ステージ1032の出力と利得誤差信号V05/Aを受信する。これら2つの信号は一緒に加算され、その合計は、主パイプライン908のステージ918で使用される増幅器の利得に等しい不変の利得因子と乗算される。ステージ1036は、ステージ1034の出力を受信しステージ920から利得誤差信号V06/Aを受信して、上に説明したようにこれらの信号を処理する。ステージ1036が第2のデジタル誤差出力ステージ1012に第2のアナログ補償信号を与えると、ここで第2のアナログ補償信号は1つまたは複数の第2のデジタル誤差訂正ビットに変換される。第1と第2のデジタル誤差出力ステージ1012および1008からの対応するデジタル誤差訂正ビットのそれぞれは、デジタル出力の有限利得誤差をほぼ除去するため、主パイプライン1002によって与えられる対応するデジタル出力ビットに加算される。第2のデジタル誤差出力ステージ1012は、パイプライン制御アナログ・デジタル変換器またはフラッシュ・アナログ・デジタル変換器ステージ、サブレンジング ADC、2ステップまたはマルチ・ステップADC、シグマ・デルタADC、周期的アルゴリズム的ADC、単一または2重スロープADC、または逐次近似ADC、つまり適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器でよい。
【0030】
図11は、本明細書で説明して実施例のシャドー・パイプライン内の使用に適したスイッチドキャパシタ増幅器(switched capacitor amplifier)を示している。その出力は、
【数10】
Figure 0003964739
によって与えられる。ここでC1、C2およびC3はそれぞれコンデンサ906、904および908の値であり、Aは、演算増幅器902の開ループ利得である。上式からC1およびC3を消去することによって、利得が「1」の遅延回路が与えられる。C1を消去すると、利得のない加算回路になる。コンデンサの比を調整することによって、入力に適当な利得因子が与えられる。
【0031】
ここに開示した本発明の考え方から逸脱することなく、上に説明したパイプラインADCの有限利得誤差を訂正する方法と装置の変形と修正をつくることができることは、当業者はさらによく理解できるはずである。したがって、特許請求に示す範囲と趣旨によってのみ限定されるものとして本発明を考察すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術によるパイプライン制御アナログ・デジタル変換器のブロック図。
【図2】図1に示すパイプライン制御アナログ・デジタル変換器に使用される従来の技術によるスイッチドキャパシタ増幅器(switched capacitoramplifier)の模式的回路図。
【図3】本発明による、誤差訂正部分とシャドー・パイプラインを備えたパイプライン制御アナログ・デジタル変換器の一実施例の機能的ブロック図。
【図4】図3に示す機能的ブロック図の実施例を示す機能的ブロック図。
【図5】図3に示す機能的ブロック図の他の実施例を示す機能的ブロック図。
【図6】図3に示す機能的ブロック図の他の実施例を示す機能的ブロック図。
【図7】図3に示す機能的ブロック図の他の実施例を示す機能的ブロック図。
【図8】誤差累積部分を含むシャドー・パイプラインを示す機能的ブロック図。
【図9】誤差累積部分とアナログ・デジタル変換部分を含むシャドー・パイプラインを示す機能的ブロック図。
【図10】2つのシャドー・パイプラインを使用するパイプライン制御アナログ・デジタル変換器を示す機能的ブロック図
【図11】本発明における使用に適したスイッチドキャパシタ回路の模式図。
【図12】アナログ・デジタル変換シャドー・パイプラインを使用するパイプライン制御アナログ・デジタル変換器を示す機能的ブロック図。
【符号の説明】
300、908、1204 主パイプライン
303 入力信号
302、304、306、308 主パイプラインの増幅器ステージ
310 主パイプラインの出力ライン
312 出力信号
400、500、600、700、800、902、1202 シャドー・パイプライン
408 補償信号
412、604 加算器
910−928、1206−1224 主パイプラインのADCステージ
1002、1004 第1と第2のシャドー・パイプライン
802−808、930−946、1014−1042 シャドー・パイプラインのADCステージ
904、1006、1010 誤差累積ステージ
1200 スイッチドキャパシタ増幅器

Claims (20)

  1. 対応する利得をもつ増幅器が各ステージにある複数のアナログ・デジタル変換器ステージを含む主パイプラインを備えたパイプライン制御アナログ・デジタル変換器において、増幅器の利得誤差を補償する装置であって、
    前記主パイプライン内に所定の個数の隣接するアナログ・デジタル変換器ステージを含むとともに残留出力信号を与える複数の誤差訂正ステージと、
    少なくとも1つのシャドウ・ステージを有し、前記複数の訂正ステージの少なくとも1つの誤差から利得誤差信号を受信し、補償信号を与えるように構成されて配置されたシャドー・パイプラインであって、前記複数の誤差訂正ステージの前記少なくとも1つから受信した前記利得誤差信号と、利得因子を乗算するように構成されて配置され、前記利得因子は、前記後続の誤差訂正ステージのそれぞれに対応する前記利得に、前記複数の誤差訂正ステージ内のステージのそれぞれに対応する各利得の合計を乗算した積にほぼ等しい前記シャドー・パイプラインと、
    前記補償信号と前記残留出力信号を結合して、誤差が補償された信号を与えるように構成されて配置された結合モジュールと、
    を含む装置。
  2. 請求項に記載の装置において、前記主パイプラインの各ステージの前記増幅器に対応する前記利得は「2」であり、前記複数の誤差訂正ステージの個数はNであり、前記少なくとも1つのシャドー利得ステージの利得はN*2Nである前記装置。
  3. 請求項1に記載の装置において、前記複数の誤差訂正ステージの少なくとも1つは、前記第1の誤差訂正ステージである前記装置。
  4. 請求項1に記載の装置において、前記結合モジュールは、前記残留出力信号からの前記補償信号を加算するように構成されて配置された加算モジュールである前記装置。
  5. 請求項に記載の装置において、前記複数の誤差訂正ステージの前記第1のステージは、前記主パイプラインの前記第1のアナログ・デジタル変換器ステージである前記装置。
  6. 請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1つのシャドー・ステージは、アナログ・デジタル変換器を含み、前記補償信号は、少なくとも1つのデジタル誤差ビットである前記装置。
  7. 対応する利得をもつ増幅器が各ステージにある複数のアナログ・デジタル変換器ステージを含む主パイプラインを備えたパイプライン制御アナログ・デジタル変換器において、増幅器の利得誤差を補償する装置であって、
    前記主パイプライン内に所定の個数の隣接するステージを含み、第1の誤差訂正ステージと、複数の後続誤差訂正ステージを含み、残留出力信号を与える複数の誤差訂正ステージと、
    少なくとも1つのシャドウ・パイプライン・ステージを含み、前記シャドー・パイプライン・ステージは複数の誤差訂正ステージから複数の利得誤差信号を受信し、前記少なくとも1つのシャドウ・ステージは、前記複数の利得誤差信号を結合し、出力信号として補償信号を与えるように構成されて配置されたシャドー・パイプラインであって、前記主パイプ・ライン内の各ステージの増幅器に対応する利得がGであり、前記シャドウ・パイプライン内の各対応するステージの利得が少なくともGである、前記シャドー・パイプラインと、
    前記補償信号を前記残留出力信号と結合して、誤差が補償された信号を与えるように構成されて配置された結合モジュールと、
    を含む装置。
  8. 請求項に記載の装置において、前記少なくとも1つのシャドウ・ステージは複数のシャドウ・ステージを含み、第1のシャドウ・ステージは前記複数の誤差訂正ステージ内の前記第1のステージから第1の利得誤差信号を受信し、前記第1の利得誤差信号と第1の利得定数を乗算して第1のシャドウ信号を与えるように校正されて配置され、後続の各シャドー・パイプライン・ステージは、前記前のシャドー・パイプライン・ステージからシャドウ信号を受信し、前記複数の誤差訂正ステージの対応する訂正ステージから利得誤差信号を受信し、前記シャドウ信号と前記利得誤差信号を一緒に加算して、前記合計と利得因子を乗算し、前記複数のシャドウ・ステージは前記補償信号を与える前記装置。
  9. 請求項に記載の装置において、前記複数のシャドウ・ステージのそれぞれの前記利得は、前記複数の誤差訂正ステージ内の前記アナログ・デジタル変換器ステージ内に含まれ、前記利得誤差信号を誤差訂正ステージに与える対応する増幅器の前記利得に等しい前記装置。
  10. 請求項に記載の装置において、前記主パイプラインの各ステージの増幅器に対応する利得は「2」である前記装置。
  11. 請求項に記載の装置において、前記最初の誤差訂正ステージは、前記パイプライン制御アナログ・デジタル変換器の第1のステージである前記装置。
  12. 請求項に記載の装置において、前記少なくとも1つのシャドウ・ステージはアナログ・デジタル変換器を含み、前記補償信号は、少なくとも1つのデジタル誤差ビットである前記装置。
  13. 各ステージが少なくとも1つのデジタルビットを与え、対応する利得をもつ増幅器が各ステージにある複数のアナログ・デジタル変換器ステージを含む主パイプラインを備えたパイプライン制御アナログ・デジタル変換器において、増幅器の利得誤差を補償する装置であって、
    複数のシャドー・パイプライン・ステージを含み、誤差累積部分とシャドウ・アナログ・デジタル補償出力部分を含むシャドー・パイプラインと、
    前記主パイプライン内に含まれる前記複数のアナログ・デジタル変換器ステージのサブセットから複数の利得誤差入力を受信し、前記受信した複数の利得誤差を累積して処理するとともに、出力としてアナログ補償信号を与えるように構成されて配置された前記誤差累積部分と、
    前記アナログ補償信号を受信し、前記アナログ補償誤差信号に応答してMビットの出力デジタル信号を与えるように構成されて配置された前記シャドウ・プロセッサの前記シャドウ・アナログ・デジタル出力部分と、
    前記Mビットの出力デジタル信号と、前記主パイプラインの前記複数のアナログ・デジタル変換器ステージによって与えられる前記最低位のMビットを加算するように構成されて配置された加算器ステージと、
    を含む装置。
  14. 請求項13に記載の装置において、前記シャドウ・プロセッサの前記シャドウ・アナログ・デジタル出力部分は、パイプライン制御アナログ・デジタル変換器を含む前記装置。
  15. 請求項13に記載の装置において、前記シャドウ・プロセッサの前記シャドウ・アナログ・デジタル出力部分は、フラッシュ・アナログ・デジタル変換器、サブレンジング・アナログ・デジタル変換器、2ステップまたはマルチ・ステップ・アナログ・デジタル変換器、シグマ・デルタ・アナログ・デジタル変換器、周期的アルゴリズム的アナログ・デジタル変換器、単一または2重スロープ・アナログ・デジタル変換器または逐次近似アナログ・デジタル変換器、つまり適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器のグループからの1つを含む前記装置。
  16. 各ステージが少なくとも1つのデジタルビットを与え、対応する利得をもつ増幅器が各ステージにある複数のアナログ・デジタル変換器ステージを含む主パイプラインを備えたパイプライン制御アナログ・デジタル変換器において、増幅器の利得誤差を補償する装置であって、
    それぞれが複数のシャドー・パイプライン・ステージと、誤差累積部分およびアナログ・デジタル補償出力部分を含む少なくとも第1と第2のシャドー・パイプラインと、
    前記主パイプラインに含まれる前記複数のアナログ・デジタル変換器ステージの第1のサブセットから複数の利得誤差入力を受信し、前記受信した複数の利得誤差を累積して処理し、出力として第1のアナログ補償信号を与えるように構成されて配置された前記第1のシャドー・パイプラインの前記誤差累積部分と、
    前記主パイプラインの前記複数のアナログ・デジタル変換器ステージの第2のサブセットから複数の利得誤差入力を受信し、前記受信した複数の利得誤差を累積して処理し、出力として第2のアナログ補償信号を与えるように構成されて配置された前記第2のシャドー・パイプラインの前記誤差累積部分と、
    前記第1のアナログ補償信号を受信し、前記アナログ補償誤差信号に応答して、Mビットの出力デジタル信号を与えるように構成されて配置された前記第1のシャドウ・プロセッサの前記誤差のアナログ・デジタル出力部分と、
    前記第2のアナログ補償信号を受信し、前記アナログ補償誤差信号に応答して、Lビットの出力デジタル信号を与えるように構成されて配置された前記第2のシャドウ・プロセッサの前記誤差のアナログ・デジタル出力部分と、
    前記Mビットの出力デジタル信号と、前記主パイプラインの前記複数のアナログ・デジタル変換器ステージによって与えられる前記最低位のMビットを加算し、さらに前記Lビットの出力デジタル信号と、前記主パイプラインの前記複数のアナログ・デジタル変換器ステージによって与えられる前記最低位のLビットを加算するように構成されて配置された加算器ステージと、
    を含む装置。
  17. 請求項16に記載の装置において、前記第1のシャドウ・プロセッサの前記誤差のアナログ・デジタル出力部分は、パイプライン制御アナログ・デジタル変換器を含む前記装置。
  18. 請求項16に記載の装置において、前記第1のシャドウ・プロセッサの前記誤差のアナログ・デジタル出力部分は、フラッシュ・アナログ・デジタル変換器、サブレンジング・アナログ・デジタル変換器、2ステップまたはマルチ・ステップ・アナログ・デジタル変換器、シグマ・デルタ・アナログ・デジタル変換器、周期的アルゴリズム的アナログ・デジタル変換器、単一または2重スロープ・アナログ・デジタル変換器または逐次近似アナログ・デジタル変換器、つまり適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器のグループからの1つを含む前記装置。
  19. 請求項16に記載の装置において、前記第2のシャドウ・プロセッサの前記誤差のアナログ・デジタル出力部分は、パイプライン制御アナログ・デジタル変換器を含む前記装置。
  20. 請求項16に記載の装置において、前記第2のシャドウ・プロセッサの前記誤差のアナログ・デジタル出力部分は、フラッシュ・アナログ・デジタル変換器、サブレンジング・アナログ・デジタル変換器、2ステップまたはマルチ・ステップ・アナログ・デジタル変換器、シグマ・デルタ・アナログ・デジタル変換器、周期的アルゴリズム的アナログ・デジタル変換器、単一または2重スロープ・アナログ・デジタル変換器または逐次近似アナログ・デジタル変換器、つまり適切な出力分解能と速度を備えた任意の形式のアナログ・デジタル変換器のグループからの1つを含む前記装置。
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