JP2008116639A - 帯電ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

帯電ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間繰り返し使用したときの電気特性や画質の安定性が高い、接触帯電方式に用いる帯電ローラ、該帯電ローラを備えた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外表面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外表面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、10℃15%RH及び28℃85%RHに48時間保管した後の前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、それぞれ2質量%以上8質量%以下であることを特徴とする帯電ローラ、該帯電ローラを備えた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成装置は高速でかつ高印字の品質が得られ、複写機およびレーザービームプリンター等において利用されている。電子写真方式による画像形成装置では、電子写真感光体である電子写真感光体表面上に均一な電荷を形成し、LEDやレーザー等により静電潜像を形成した後、帯電したトナーで該静電潜像を現像してトナー像を得る。さらに該トナー像を紙などの記録媒体へ、中間転写体を介して、あるいは直接静電的に転写することにより、所望の画像を得ることができる。
前述したように、電子写真方式による画像形成装置に於いては、電子写真感光体表面上に均一な電荷を形成するための帯電工程があるが、電子写真感光体に帯電を行う為の帯電部材としては非接触式、接触式帯電方法がある。非接触式帯電方法としてはコロトロン、スコロトロンなどを用いる方法が一般的であり、接触式帯電方法としてはロール、ブラシ、シート等が用いられているが(例えば、特許文献1及び2参照)、接触式帯電方法は、一般的に印加する電流が小さいため、非接触式帯電方法と比べてオゾン発生量が非常に少ないという利点がある。
一方、オフィスや家庭で用いられるプリンターでは、電子写真感光体やトナーなどの交換を要する消耗品は、容易に交換ができるようなカートリッジタイプが用いられることがある。このように容易に交換できるカートリッジでは、近年の環境問題を反映して長期間使用でき、交換頻度が少ないものが求められている。電子写真感光体を有するカートリッジを長期間使用するためには、電子写真感光体、前記電子写真感光体を帯電させる手段、前記電子写真感光体上に静電潜像を形成するための画像入力手段、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成するための現像手段、前記トナー像を被転写体に転写するための転写手段、転写後に電子写真感光体上に残存する現像剤を除去するためのクリーニング手段などの電子写真感光体と同時に組み込まれている各手段の寿命を延ばす必要がある。
ここで、前記電子写真感光体を帯電させる手段(帯電手段)として、直流のみによる帯電方式では電子写真感光体の磨耗が抑制され、長期間使用することができる。この帯電手段では、ブリードやブルームを防止するために、抵抗層の表面に中間層や移動防止層などを設けることが多い。また、抵抗層は帯電器と電子写真感光体とを均一に接触させるために精密形状に研削処理されることが多く、研削処理は砥石研削が用いられることが多い。
特許第3026290号明細書 特開2001−350351号公報
本発明は、長期間繰り返し使用したときの電気特性や画質の安定性が高い、接触帯電方式に用いる帯電ローラ、該帯電ローラを備えた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により、解決された。
即ち、本発明は、
<1> 支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であることを特徴とする帯電ローラである。
<2> 前記表面層は、20℃における体積抵抗率が10〜1012Ωcmであることを特徴とする<1>に記載の帯電ローラである。
<3> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体と接触して配置され、該電子写真感光体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させ現像する現像手段、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段からなる群より選択される少なくとも1種と、を備え、前記帯電手段は、支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下である帯電ローラを備えることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジである。
<4> 前記帯電ローラは、前記帯電ローラに直流電流のみを印加して前記電子写真感光体を帯電させることを特徴とする<3>に記載の電子写真プロセスカートリッジである。
<5> 前記表面層は、20℃における体積抵抗率が10〜1012Ωcmであることを特徴とする<3>に記載の電子写真プロセスカートリッジである。
<6> 前記帯電ローラと接触して配置され、該帯電ローラ表面をクリーニングするクリーニング部材を備えたことを特徴とする<3>に記載の電子写真プロセスカートリッジである。
<7> 前記クリーニング部材は、芯材と、多孔質の発泡体又は布を含んで構成される弾性層と、を有することを特徴とする<6>に記載の電子写真プロセスカートリッジである。
<8> 前記多孔質の発泡体は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の材料からなることを特徴とする<7>に記載の電子写真プロセスカートリッジである。
<9> 前記電子写真感光体と前記帯電ローラとは、電子写真装置に設置されるまでは非接触であることを特徴とする<4>に記載の電子写真プロセスカートリッジである。
<10> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体と接触して配置され、該電子写真感光体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させ現像する現像手段と、前記トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、を備え、前記帯電手段は、支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下である帯電ローラを備えることを特徴とする画像形成装置である。
<11> 前記帯電ローラは、前記帯電ローラに直流電流のみを印加して前記電子写真感光体を帯電させることを特徴とする<10>に記載の画像形成装置である。
<12> 前記表面層は、20℃における体積抵抗率が10〜1012Ωcmであることを特徴とする<10>に記載の画像形成装置である。
<13> 前記帯電ローラと接触して配置され、該帯電ローラ表面をクリーニングするクリーニング部材を備えたことを特徴とする<10>に記載の画像形成装置である。
<14> 前記クリーニング部材は、芯材と、多孔質の発泡体又は布を含んで構成される弾性層と、を有することを特徴とする<13>に記載の画像形成装置である。
<15> 前記多孔質の発泡体は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の材料からなることを特徴とする<14>に記載の画像形成装置である。
本発明は、長期間繰り返し使用したときの電気特性や画質の安定性が高い、接触帯電方式に用いる帯電ローラ、該帯電ローラを備えた電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
<帯電ローラ>
本発明の帯電ローラは、支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であることを特徴とし、更に、支持体と弾性層とを接着させる接着層、中間層、抵抗調整層などを設けることができる。また、弾性層は抵抗調整層の機能を持たせることもできる。
本発明の帯電ローラは、上述の構成とすることにより、長期間繰り返し使用したときの電気特性や画質の安定性が高いという効果が得られる。これは前述した2質量%以上8質量%以下の水分を保持することにより、周辺環境変化や長時間使用時にも安定して抵抗率を維持することが出来るためである。
また、本発明の帯電ローラは、直流電流のみを印加されて後述の電子写真感光体を帯電させることが、直流のみによる帯電方式では電子写真感光体の磨耗が抑制され、長期間使用することができる点で好ましい。
本発明の帯電ローラにおける支持体の材質としては、導電性(体積抵抗率が10Ωcm以下)を有するもので、一般には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
本発明の帯電ローラにおいて設けてもよい接着層としては、金属素材とゴム素材を接着させることができるものであれば公知のいかなるものでも用いることができ、導電性あるいは半導電性を有するものであることが好ましい。本発明における接着層の材質としては、電子導電剤を含有させた樹脂や導電性樹脂が挙げられる。
本発明の帯電ローラにおける弾性層の材質としては、導電性あるいは半導電性(体積抵抗率が1013Ωcm以下)を有するもので、ゴム材に導電剤を含有させたものが挙げられる。
前記ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレンーブタヒエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリンーエチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンーエチレンオキサイドーアクリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレンープロピレンージエン共重合ゴム、アクリロニトリルーブタジエン共重合ゴム、テンネンゴム等が挙げられる。これらは、2種以上ブレンドして用いることもできる。なかでも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロロヒドリンーエチレンオキサイド共重合ゴム、エピクロルヒドリンーエチレンオキサイドーアクリルグリシジルエーテル共重合ゴム及びこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したもの、無発泡のもののいずれをも用いることができる。
前記弾性層に用いられる導電剤としては、電子導電性物質やイオン導電性物質が用いられる。
前記電子導電性物質としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属;ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、Sb、In、ZnO、MgO等の金属酸化物が挙げられる。
前記イオン導電性物質としては、四級アンモニウム塩やアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩等公知のものを用いることができる。
これらの導電剤は単独或いは2種以上混合して用いてもよい。
これらの導電剤の添加量は、所望の特性が得られる範囲内であれば特に制限はないが、前記電子導電剤の場合、ゴム材100質量部に対して、1〜90質量部であることが好ましく、また、前記イオン導電剤の場合、ゴム材100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましい。
また、前記弾性層の体積抵抗率としては、10〜1012Ωcmが好ましく、10〜10Ωcmがより好ましく、10〜10Ωcmが更に好ましい。前記弾性層の体積抵抗率が10Ωcm未満であると、絶縁破壊を起こしやすくなり、画質欠陥を発生させる場合があり、1012Ωcmを超えると、帯電能力が不足し、画質欠陥を発生させる場合がある。
尚、本発明において、体積抵抗率は、20℃における体積抵抗率であり、前記弾性層の体積抵抗率は、弾性層のシートサンプルを作製し、シートサンプルの両面には電極(アドバンテスト社製、R12702A/Bレジスティビィティ・チェンバ)をとりつけて、シートサンプルの片面には電極と同軸上にリング状のアース電極を更に取り付け、電極に高抵抗測定器(アドバンテスト社製、R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計)を接続した。シートサンプルに、電場(印加電圧/シートサンプル厚み)が1000V/cmになるよう調節した電圧を電極に印加し、30秒充電後の電流値より下記式(1)を用いて体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。
式(1)
体積抵抗率(Ω・cm) =
19.63×印加電圧(V)/電流値(A)×シートサンプル厚み(cm)
本発明の帯電ローラにおける弾性層は、外表面に研削処理が施されている。弾性層の外表面に研削処理を施こすことにより、本発明の帯電ローラは、後述するプロセスカートリッジ又は画像形成装置において、その長さ方向に電子写真感光体と均一に接触するための精密な形状が形成される。研削処理を施した後の形状については、所望の特性が得られる範囲内であれば、特に制限は無く、電子写真感光体の径、長さ、帯電ローラの径、長さ、帯電ローラの支持体の径、材質によって適宜決定される。
前記弾性層の研削処理は公知の方法であれば、いかなる手段を用いることもできるが、砥石研削が最も好ましく用いられる。
更に、研削処理を施すことにより、弾性層の表面粗さRzを20μm以下とすることが好ましい。前記弾性層の表面粗さRzが20μmを超えると、トナー、ゴミ等が帯電ローラの凹部に貯まる為に画像欠陥となる場合がある。前記弾性層の表面粗さRzは、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましい。尚、前記弾性層の表面粗さRzは、サーフコム1400A(東京精密(株)製)により測定し、JIS B 0601に基づき求めたものである。
本発明の帯電ローラにおける表面層は、トナー、ゴミ等による汚染防止の為に形成されるものであり、その材質としては、所望の特性が得られる範囲内であれば、公知の樹脂、ゴム等を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA(パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体)、FEP(四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フッ素ゴム等が挙げられる。これらのうち、汚れ防止の観点から、ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂は単独でも、2種以上混合して用いても良い。
前記表面層の体積抵抗率(20℃)は、10〜1012Ωcmであることが好ましく、10〜10Ωcmであることがより好ましく、10〜10Ωcmであることが更に好ましい。前記表面層の体積抵抗率が10Ωcm未満であると、絶縁破壊を起こしやすくなり、画質欠陥を発生させる場合があり、1012Ωcmを超えると、帯電能力が不足し、画質欠陥を発生させる場合がある。尚、前記表面層の体積抵抗率は、表面層のシートサンプルを作成し、シートサンプルの両面には電極(アドバンテスト社製、R12702A/Bレジスティビィティ・チェンバ)をとりつけて、シートサンプルの片面には電極と同軸上にリング状のアース電極を更に取り付け、電極に高抵抗測定器(アドバンテスト社製、R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計)を接続した。シートサンプルに、電場(印加電圧/組成物シート厚み)が1000V/cmになるよう調節した電圧を電極に印加し、30秒充電後の電流値より下記式(1)を用いて体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。
式(1)
体積抵抗率(Ω・cm)=
19.63×印加電圧(V)/電流値(A)×組成物シート厚み(cm)
前記表面層の体積抵抗率を調整するために導電剤を添加することができる。該導電剤としては、弾性層において導電剤として挙げられたカーボンブラック、金属、金属酸化物等が挙げられる。
また、前記表面層は、必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。
前記中間層としては、導電性あるいは半導電性(体積抵抗率が1013Ωcm以下)の高分子材料により構成される。該高分子材料としては、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ポリブタジエンゴム)、ハイスチレンゴム(Hi Styrene resin masterbatch)、IR(イソプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、ハロゲン化ブチルゴム(Halogenated butylrubber)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、 水添化NBR(H−NBR)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム),EPM (エチレンプロピレンゴム)、NBRとEPDMとをブレンドしたゴム,CR(クロロプレンゴム)、ACM(アクリルゴム)、CO(ヒドリンゴム)、ECO(エピクロルヒドリンゴム)、塩素化ポリエチレン(Chlorinated−PE)、 VAMAC(エチレン・アクリルゴム)、 VMQ(シリコーンゴム)、AU(ウレタンゴム)、FKM(ふっ素ゴム)、NR(天然ゴム)、CSM(クロロスルフォン化ポリエチレンゴム)等のゴム材料;PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリアリレート、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、シリコンなどの樹脂材料などが挙げられる。これらの樹脂は混合物及び共重合体及び変性体から選ばれるものであり特に制限は受けない。
前記抵抗調整層としては、帯電ローラを所定の抵抗値に調整するために設けられるものであり、樹脂中に前記した導電性粒子を分散させた薄膜から構成される。用いられる樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂等の樹脂が好適に用いられる。また、導電剤としては、前記弾性層に用いたものが好ましく用いられる。
既述の弾性層、表面層、更に必要に応じて設けられる接着層、中間層、抵抗調整層を形成する方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。
本発明の帯電ローラにおいては、前記弾性層の表面には研削痕による凹凸があるため、凸部分では表面層は薄くなる傾向があるため、前記表面層の弾性層の外表面からの厚さは2μm以上であることが必要である。また、帯電ローラの抵抗値維持のため、前記表面層の弾性層の外表面からの厚さは10μm以下であることが必要である。前記表面層の弾性層の外表面からの厚さが2μm未満であると、弾性層からのブリード物、ブルーム物の表面への移動を防ぐことができず、10μmを超えると、高抵抗となりやすく、長期使用時に帯電性低下を発生しやすくなる。前記表面層の弾性層の外表面からの厚さは2μm以上10μm以下であることが好ましく、3μm以上7μm以下であることがより好ましい。
尚、前記表面層の弾性層の外表面からの厚さは、ナイフで本発明の帯電部材の断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分及び凹部分に接する部分の表面層の厚さを測定することにより求めた。
本発明の帯電ローラは、表面粗さRzが10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることが更に好ましい。前記表面粗さRzが10μmを超えると、帯電性にムラが発生し、感光体を均一に帯電できなくなる場合がある。
尚、前記表面粗さRzは、サーフコム1400A(東京精密(株)製)により測定し、JIS B 0601に基づき求めた。
前記表面粗さを調整する方法としては、弾性層、表面層などに含有させる導電性あるいは半導電性粒子の凝集により調整する方法、弾性層、表面層などを研磨して調整する方法などが挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
本発明の帯電ローラは、10℃15%RH及び28℃85%RHに48時間保管した後の吸水率がそれぞれ2質量%以上8質量%以下であることを特徴とし、2質量%以上6質量%以下であることが好ましい。前記吸水率が2%未満であると、長期使用中に付着したトナーや外添剤、放電生成物などによる抵抗変化が激しくなり、8%を超えると、使用環境による抵抗変化が著しい為、帯電性能が変化しやすく、結果として画像濃度異常を発生しやすくなる。これらのことより、10℃15%RH及び28℃85%RHに48時間保管した後の吸水率がそれぞれ2質量%以上8質量%以下であると、長期間繰り返し使用したときの電気特性や画質の安定性が高いという効果が得られる。尚、前記吸水率は、弾性層及び表面層をナイフで切り出し、10℃15%RH又は28℃85%RHの環境下に48時間保管した後、カールフィッシャー法にて測定することにより求めた。カールフィッシャー法による水分測定では、帯電ローラの構成層を芯材からはがして、水分気化装置を用いて含有水分を気化させ、脱水溶剤をカールフィッシャー試薬で無水状態にした溶剤を入れた滴定フラスコに導入し、カールフィッシャー試薬を用いて滴定することにより求めることができる。
前記10℃15%RH及び28℃85%RHに48時間保管した後の吸水率を2質量%以上8質量%以下とする方法としては、帯電ローラを形成する少なくとも1層に、親水性化合物を混合させる方法、親水性樹脂を含有させる方法、層中に含有させる粒子表面を親水性化合物で表面処理する方法等を取ることができる。
本発明の帯電ローラは、ダイナミック超微小硬度が0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましい。前記ダイナミック超微小硬度(以下、単に「DH」称する場合がある)は、圧子を試料に一定の押込み速度(mN/s)で進入させたときの試験荷重P(mN)と押込み深さD(μm)より、式(2)より算出された硬度である。
DH=α×P/D ・・・ (2)
上記式(2)において、αは圧子形状による定数を表す。
なお、上記ダイナミック超微小硬度の測定は、ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S((株)島津製作所社製)により行った。ダイナミック超微小硬度は、軟質材料測定により、三角錐圧子(頂角:115°、α:3.8584)を、帯電ロールに押込み速度0.14mN/s、試験荷重1.0mNで進入させた時の押込み深さDを測定することにより求められる。
<画像形成装置及び電子写真プロセスカートリッジ>
次に、既述の本発明の帯電ローラを帯電手段として用いた、本発明の画像形成装置及び電子写真プロセスカートリッジを説明する。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体と接触して配置され、該電子写真感光体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させ現像する現像手段と、前記トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、を備えることを特徴とし、前記帯電手段は、既述の本発明の帯電ローラを備え、前記帯電ローラに直流電流のみを印加して前記電子写真感光体を帯電させることが好ましい。
以下、図1を用いて本発明の画像形成装置を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。図1に示す画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置(本発明の帯電ローラ)2、帯電装置用クリーニング装置3、電源4、露光装置(静電潜像形成手段)5、現像装置(現像手段)6、転写装置(転写手段)7、電子写真感光体用クリーニング装置8、除電装置9、定着装置11を備えている。を備えている。ここで、電子写真感光体用クリーニング装置8、除電装置9は必要に応じて備えられるものである。
電子写真感光体1は、導電性基体上に感光層を設けたものが用いられる。前記導電性基体としては、アルミニウム・銅・鉄・ステンレス・亜鉛・ニッケルなどの金属ドラムや、シート・紙・プラスチック又はガラス上に、アルミニウム・銅・金・銀・白金・パラジウム・チタン・ニッケル−クロム・ステンレス鋼・銅・インジウム等の金属を蒸着したもの、酸化インジウム・酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したもの、金属箔をラミネートしたもの、或いはカーボンブラック・酸化インジウム・酸化錫・酸化アンチモン粉・金属粉・沃化銅等を結着樹脂に分散し、塗布することによって導電処理したもの等が用いられる。
導電性基体の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。尚、導電性基体を金属パイプとした場合、表面は素管のままであってもよいし、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
また、所望により導電性基体と感光層の間に下引き層を形成することもできる。下引き層に用いられる材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物;チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物;、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物などの有機金属化合物があげられ、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため好ましく使用される。
更に、上記下引き層に用いられる材料に、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用してもよい。
更にまた、従来より下引き層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
下引き層に、電子輸送性有機顔料を混合/分散して使用してもよい。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料が、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理してもよい。
前記電子輸送性顔料は、多すぎると下引き層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じる場合があるため、下引き層における電子輸送性顔料の含有量は、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
下引き層には半導電性金属酸化物を含有させることができる。該半導電性金属酸化物微粒子としては、10〜1011Ω・cmの体積抵抗率(20℃)が好ましい。これは下引き層はリーク耐性を獲得するために適切な抵抗を得ることが好ましいためである。前記半導電性金属酸化物としては、中でも10〜1011Ω・cmの粉体抵抗を有する酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子を用いるのが好ましい。特に酸化亜鉛は好ましく用いられる。尚、前記粉体抵抗が10Ω・cmよりも低いと十分なリーク耐性が得られない場合があり、1011Ω・cmよりも高いと残留電位上昇を引き起こしてしまう場合がある。また、金属酸化物微粒子は表面処理の異なるものあるいは粒子径の異なるものなど2種以上混合して用いることもできる。また、金属酸化物微粒子としては、比表面積が10m/g以上のものが好ましく用いられる。比表面積値が10m/g以下のものは帯電性低下を招きやすい場合があり、良好な電子写真特性を得にくい場合がある。
また、金属酸化物微粒子は表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性材など所望の特性が得られるものであれば公知の材料から選択することができる。特にシランカップリング剤は良好な電子写真特性を与えるため好ましく用いられる。更に、アミノ基を有するシランカップリング剤は下引き層に良好なブロッキング性を与えるため好ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては所望の感光体特性を得られるものであればいかなる物でも用いることができるが、具体的例としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤は2種以上混合して使用することもできる。
前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いることができるシランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記表面処理の方法は、公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法あるいは湿式法を用いることができる。
乾式法にて表面処理を施す場合には、金属酸化物微粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒まに溶解させたシランカップリング剤を滴下し、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理される。添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、均一に攪拌される前に溶剤が蒸発し、シランカップリング剤が局部的にかたまってしまい均一な処理ができにくい場合がある。添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。
湿式法にて表面処理を施す場合には、金属酸化物微粒子を溶剤中で攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、シランカップリング剤溶液を添加し攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に処理される。溶剤除去方法はろ過あるいは蒸留により留去される。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法においては表面処理剤を添加する前に金属酸化物微粒子含有水分を除去することもでき、その例として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いることもできる。
下引き層中の金属酸化物微粒子に対するシランカップリング剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であれば任意に設定できる。
また、下引き層中の金属酸化物微粒子にはアクセプター性化合物を付与させることもできる。アクセプター性化合物としては所望の特性が得られる金属酸化物微粒子と反応可能な基を有するものならばいかなるものでも使用可能であるが、特に水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。さらに水酸基を有するアントラキノン構造を有しするアクセプター性化合物が好ましく用いられる。水酸基を有するアントラキノン構造を有する化合物としては、ヒドロキシアントラキノン系化合物、アミノヒドロキシアントラキノン系化合物などが挙げられる。水酸基を有するアントラキノン構造を有する化合物としてさらに具体的には、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン、1―ヒドロキシアントラキノン、2―アミノー3―ヒドロキシアントラキノン、1―アミノー4―ヒドロキシアントラキノンなどが特に好ましく用いられる。
前記アクセプター性化合物の付与量は所望の特性が得られる範囲であれば任意に設定できるが、好ましくは金属酸化物微粒子に対して0.01〜20質量%の範囲であり、さらに好ましくは金属酸化物に対して0.05〜10質量%の範囲である。前記アクセプター性化合物の付与量が0.01質量%未満であると、下引き層内の電荷蓄積改善に寄与するだけの十分なアクセプター性を付与できないため、繰り返し使用時に残留電位の上昇など維持性の悪化を招く場合がある。また、20質量%を超えると、金属酸化物同士の凝集を引き起こしやすく、その為下引き層形成時に下引き層内で金属酸化物が良好な導電路を形成することが出来ず、繰り返し使用時に残留電位の上昇など維持性の悪化を招きやすくなるだけでなく、黒点などの画質欠陥も引き起こしやすくなる場合がある。
下引き層に含有されるバインダー樹脂としては、良好な膜を形成できるもので、かつ所望の特性が得られるものであれば公知のいかなるものでも使用可能であるが、例えばポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等を用いることができる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
下引き層を形成すために用いる塗布液(下引き層形成用塗布液)中の金属酸化物微粒子とバインダー樹脂との比率は所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。
下引き層形成用塗布液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。該添加物としては、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
シランカップリング剤は金属酸化物の表面処理にも用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いることもできる。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等である。ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
下引き層形成用塗布液を調製するための溶媒としては、公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
金属酸化物微粒子と該金属酸化物微粒子と反応可能な基を有するアクセプター性化合物を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法を用いることができる。さらにこの下引き層2を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
下引き層では、分散工程中に金属酸化物微粒子と該金属酸化物微粒子と反応可能な基を有するアクセプター性化合物が反応しても、塗布膜乾燥・硬化中に反応してもよいが、分散液中で反応する方が均一に反応するため好ましい。
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を用い、導電性基体上に下引き層が成膜される。
また、下引き層は、ビッカース強度が35以上であることが好ましい。
さらに、下引き層は、所望の特性が得られるのであれば、いかなる厚さに設定することができるが、厚さが5μm以上が好ましく、さらに好ましくは5μm以上50μm以下である。下引き層の厚さが5μm未満であるときには、充分な耐リーク性能を得ることができない場合があり、また50μmを超えると、長期使用時に残留電位が残りやすくなるため画像濃度異常を招きやすい場合がある。
下引き層の表面粗さは、モアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)〜1/2λに調整される。表面粗さ調整のために下引き層中に樹脂などの粒子を添加することもできる。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いることができる。
また、表面粗さ調整のために下引き層を研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いることもできる。
さらに、この下引き層と感光層との間に、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために中間層を設けてもよい。
中間層を構成する成分としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物;、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物;などが挙げられる。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。この中でも、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等の金属を含有する有機金属化合物やシランカップリング剤は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも特に好ましく用いらるれシランカップリング剤は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物の具体例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
有機チタニウム化合物の具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす場合がある。したがって、中間層を形成する場合には、0.1〜5μmの膜厚範囲に設定されることが好ましい。
感光層を構成する電荷発生層は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、有機溶剤及び結着樹脂とともに分散し塗布することにより形成される。
分散塗布により電荷発生層を形成する場合、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂、添加剤等とともに分散し、得られた分散液を塗布することにより電荷発生層は形成される。
本発明において、電荷発生材料としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できる。赤外光用ではフタロシアニン顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した酸化亜鉛微粒子等が用いられる。これらの中で、特に優れた性能が得られ、好ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料が用いられる。これを用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる電子写真感光体が得られることができる。
また、フタロシアニン顔料やアゾ系顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった電子写真特性が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に好ましく用いられる電荷発生物質としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロススフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
フタロシアニン顔料結晶は、公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系が挙げられる。これらの溶剤の使用量は、顔料結晶100質量部に対して、1〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
上記の処理の温度は、−20℃〜溶剤の沸点以下が好ましく、−10〜60℃がより好ましい。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。
また、公知の方法で製造されるフタロシアニン系顔料結晶は、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶状態を制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度は70〜100質量%が好ましく、95〜100質量%がより好ましい。溶解温度は、−20〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましい。硫酸の使用量は、フタロシアニン顔料結晶の質量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤としては、水あるいは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらの中で特にポリビニルアセタール樹脂が好ましく用いられる
電荷発生層形成用塗布液において、電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。塗布液を調製するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、電荷発生物質及び結着樹脂の分散に用いる溶剤は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることができる。さらにこの電荷発生層31を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
更に、この分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることは高感度・高安定性に対して有効である。
電荷発生材料は、電気特性の安定性向上、画質欠陥防止などのために表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるがこれに限定されるものではない。
表面処理に用いるカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらのなかでも特に好ましく用いられるシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
また、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等の有機ジルコニウム化合物も用いることができる。
更に、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等の有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物も用いることができる。
また、この電荷発生層用塗布液には電気特性向上、画質向上などのために種々の添加剤を添加することもできる。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。
シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
上述の電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものでも使用可能であるが、下記に示すものを例示することができる。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物;3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体;、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体等の正孔輸送物質;クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送物質、あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等があげられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
電荷輸送層の結着樹脂は公知のものであればいかなるものでも使用することが出来るが、電気絶縁性のフィルムが形成可能な樹脂が好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂。シリコン−アルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリーN―カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、カルボキシーメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送材との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れ好ましく用いられる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
更に、電荷輸送層は、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層(感光層の導電性基体から最も遠い側に配置される層)である場合、潤滑性を付与させ、表面層を磨耗しにくくしたり、傷がつきにくくするため、また感光体表面に付着した現像剤のクリーニング性を高めるために、潤滑性粒子(例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂粒子、シリコーン系樹脂微粒子)を含有することが好ましい。これらの潤滑性粒子は、2種以上を混合して用いることもできる。特に、フッ素系樹脂粒子は好ましく用いられる。
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
前記フッ素系樹脂の一次粒径は、0.05〜1μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。前記一次粒径が0.05μmを下回ると分散時あるいは分散後の凝集が進みやすくなる場合があり、1μmを上回ると画質欠陥が発生する場合がある。
フッ素系樹脂を含有する電荷輸送層におけるフッ素系樹脂の電荷輸送層中における含有量は、電荷輸送層全量に対し、0.1〜40質量%が適当であり、特に1〜30質量%が好ましい。前記フッ素系樹脂の含有量が0.1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でない場合があり、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる場合がある。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂、並びにその他の材料を適当な溶媒に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を塗布して乾燥することによって形成することができる。
電荷輸送層の形成に使用される溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル系溶剤、或いはこれらの混合溶剤等を用いることができる。なお、電荷輸送物質と上記結着樹脂との配合比(電荷輸送物質:結着樹脂、質量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、電荷輸送層形成用塗布液には塗膜の平滑性向上のためのシリコーンオイル等のレベリング剤を微量添加することもできる。
電荷輸送層中にフッ素系樹脂を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コロイドミル、衝突式メディアレス分散機、貫通式メディアレス分散機等の方法を用いることができる。
電荷輸送層を形成する塗布液の分散例としては、溶媒に溶解した結着樹脂、電荷輸送材料などの溶液中にフッ素系樹脂粒子を分散する方法が挙げられる。
電荷輸送層を形成する塗工液を製造する工程では、塗工液の温度を0℃〜50℃の範囲に制御することが好ましい。
塗工液製造工程での塗工液の温度を0℃〜50℃に制御する方法として、水で冷やす、風で冷やす、冷媒で冷やす、製造工程の室温を調節する、温水で暖める、熱風で温める、ヒーターで暖める、発熱しにくい材料で塗工液製造設備を作る、放熱しやすい材料で塗工液製造設備を作る、蓄熱しやすい材料で塗工液製造設備を作るなどの方法が利用できる。
分散液の分散安定性を向上させるため、及び塗膜形成時の凝集を防止するために分散助剤を少量添加することも有効である。分散助剤として、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。また、フッ素系樹脂と前記分散助剤を少量の分散溶剤中であらかじめ分散、攪拌、混合した後、電荷輸送材料と結着樹脂と分散溶剤とを混合溶解した液と攪拌、混合した後に前記方法により分散することも有効な手段である。
電荷輸送層を設けるときに用いられる塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、スプレー塗布法、ロールコータ塗布法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコータ塗布法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法等を用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmが好ましく、10〜45μmがより好ましい。
更に、本発明において、電子写真感光体には電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による電子写真感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤・光安定剤などの添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物ではビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としてジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系系光安定剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル−)−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他の化合物として2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート等が挙げられる。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。
電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
本発明においては、電荷輸送層の上に、さらに保護層を設けることもできる。保護層は、積層構造からなる感光体では帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善したりする為に用いられる。
この保護層は、硬化性樹脂、電荷輸送性化合物を含む樹脂硬化膜、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成された膜などから成る。硬化性樹脂としては公地の樹脂であれば何でも使用できるが、例えばフェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。
前記電荷輸送性化合物としては、前述の電荷輸送層に用いる電荷輸送物質を用いることができる。また、前記導電性材料としては、ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、ITO等の金属酸化物等の材料を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
保護層の体積抵抗率(20℃)は、10〜1014Ω・cmの範囲であることが好適である。電気抵抗が1014Ω・cmを越えると残留電位が増加する場合があり、他方、10Ω・cm未満であると沿面方向での電荷漏洩が無視できなくなり、解像度の低下が生じてしまう場合がある。
保護層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、1〜10μmの範囲であることがより好ましい。保護層を設けた場合、必要に応じて、感光層3と保護層との間に、保護層から感光層3への電荷の漏洩を阻止するためのブロッキング層を設けることができる。 このブロッキング層としては、保護層の場合と同様に公知のものを用いることができる。
前記保護層には、表面潤滑性を付与する目的でフッ素原子含有化合物を添加できる。表面潤滑性を向上させることによりクリーニング部材との摩擦係数が低下し、耐摩耗性を向上させることができる。また、感光体表面に対する放電生成物、現像剤および紙粉などの付着を防止する効果も有し、感光体の寿命向上に役立つ。
前記フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有ポリマーをそのまま添加するか、あるいはそれらポリマーの微粒子を添加することができる。前記フッ素含有化合物の添加量としては、保護層中の20質量%以下とすることが好ましい。これを越えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
前記保護層は十分な耐酸化性を有しているが、さらに強い耐酸化性を付与する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては、保護層中の15質量%以下が好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、等が挙げられる。
また、前記保護層には、公知の塗膜形成に用いられるその他の添加剤を添加することも可能であり、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、界面活性剤、など公知のものを用いることができる。
前記保護層を形成するためには、前述の各種材料、および各種添加剤の混合物を感光層の上に塗布し加熱処理する。これにより、3次元的に架橋硬化反応を起こさせ、強固な硬化膜を形成する。加熱処理の温度は、下層である感光層3に影響しなければ特に制限はないが、室温〜200℃の範囲、特に100〜160℃の範囲に設定するのが好ましい。
前記保護層の形成において、架橋硬化反応を行う際には無触媒で行なってもよいが、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
前記保護層には、塗布を容易にするため、必要に応じて溶剤を添加して用いることができる。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル、等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
前記保護層の形成において、塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
前記保護層の膜厚は0.5〜20μmの範囲、特に2〜10μmの範囲であることが望ましい。
本発明の画像形成装置及び後述する本発明の電子写真プロセスカートリッジは、帯電ロールの表面に付着するトナー、トナーに含まれる外添剤およびゴミ等を除去することにより、帯電性低下や帯電ムラなどによる画質欠陥発生を予防する点で、図1のように、既述の本発明の帯電ローラ表面をクリーニングする帯電装置用クリーニング装置(クリーニング部材)3を備えていることが好ましい。
帯電装置用クリーニング装置3は、例えば、芯材上に弾性層を設けてなるロール形状、単層若しくは複数層の弾性層からなるブレード形状、多数の繊維からなるブラシ形状のものである。クリーニング性能の点からクリーニング装置はロール形状であることが好ましい。
帯電装置用クリーニング装置3がロール形状のクリーニング部材を備える場合、その芯材は、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等金属の他、樹脂成形品等を用いることができるが、所望の特性を得られるように帯電器との均一な接触圧をえるために、たわみの少ない強度を有する材質が好ましい。
また、芯材の径も所望の特性を得られるように帯電器との均一な接触圧をえるために、たわみの少ない長さが好ましく設定される。
帯電装置用クリーニング装置3の弾性層は、帯電装置2のクリーニング効果が高い点で、多孔質の発泡体又は布を含んで構成されることが好ましく、多孔質の発泡体を含んで構成されることがより好ましく、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の材料からなる多孔質の発泡体を含んで構成されることが更に好ましい。さらに該多孔質の発泡体を樹脂液や導電性物質を含有した樹脂液に浸漬し、強度を高めることができる。
露光装置5としては、帯電した電子写真感光体1を露光して静電潜像を形成させるものであればよい。また、露光装置5の光源としては、マルチビーム方式の面発光レーザを用いることが望ましい。
転写装置7としては、電子写真感光体1上のトナー像を被転写部材(中間転写体を含む)に転写するものであればよく、例えば、ロール形状の通常使用されるものが使用される。なお、本発明でいう被転写部材とは、電子写真感光体1上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体1から直接、紙等に転写する場合は紙等が被転写媒体であり、また、中間転写体を用いる場合には中間転写体が被転写部材になる。
現像装置6は、電子写真感光体1上の静電潜像を現像してトナー像を形成するものである。
現像装置6に使用されるトナーについて説明する。かかるトナーとしては、平均形状係数(ML/AXπ/4×100、ここでMLは粒子の最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが好ましく、100以上140以下であることがより好ましい。さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が2μm以上12μm以下であることが好ましく、3μm以上12μm以下であることがより好ましく、3μm以上9μm以下であることがさらに好ましい。このような平均形状係数及び体積平均粒子径を満たすトナーを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
電子写真感光体用クリーニング装置8は、転写後の電子写真感光体1上に残存するトナーを除去する。電子写真感光体用クリーニング装置8は、電子写真感光体1に対して線圧10〜150g/cmで当接するブレード部材を有することが好ましい。
除電装置9は、電子写真感光体1の残存電荷を消去する。
また、図1に示す画像形成装置は、被転写体に転写されたトナー像を定着させる定着装置11を備えている。
一方、本発明の電子写真プロセスカートリッジは、電子写真感光体1と、帯電装置2と、露光装置5、現像装置6、転写装置7からなる群より選択される少なくとも1種と、を有するもので、画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。尚、本発明の電子写真プロセスカートリッジは、帯電装置2と、露光装置5、現像装置6、転写装置7からなる群より選択される少なくとも1種と、がそれぞれカートリッジ化されている以外は、本発明の画像形成装置と同様の構成を有している。
本発明の帯電ローラは、電子写真装置に電子写真プロセスカートリッジが設置される前に、後述する電子写真感光体1と非接触とする機構を有することが好ましい。このような機構のプロセスカートリッジとすることで、保管安定性、耐振動に優れ、長期保管しても、また振動ストレスを強く与えても、電気特性の変動、画質欠陥の発生を生じない。非接触とする機構は帯電部材の画像有効領域外の位置に設けることが好ましい。たとえば、電子写真プロセスカートリッジの帯電ローラの支持体に用いられるシャフト部分における電子写真感光体側に楔状の部材を配置し、電子写真感光体から帯電部材を浮かせて非接触とし、該電子写真プロセスカートリッジを電子写真装置に配置させる直前に楔状部材を引き抜く方法などが挙げられる。
本発明の画像形成装置及び電子写真プロセスカートリッジにおいて、既述の帯電装置2を用いて電子写真感光体1を帯電させる方法としては、帯電装置2に電圧を印加するが、印加電圧は直流電圧が好ましく用いられる。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光体帯電電位に応じて正または負の50〜2000Vが好ましく、特に100〜1500Vが好ましい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(帯電ロール1の作製)
〜弾性層Aの作製〜
アクリルニトリルブタジエンゴム:N230SV(JSR社製)100質量部、カーボンブラック:アサヒ#60(旭カーボン社製)60質量部、カーボンブラック:ケッチェンブラックEC(ライオン社製)10質量部、ジオクチルフタレート(大日本インキ化学工業社製)20質量部、硫黄:200メッシュ(鶴見化学工業社製)1質量部、加硫促進剤:ノクセラーDM(大内新興化学工業社製)1質量部、加硫促進剤:ノクセラーTT(大内新興化学工業社製)1質量部を混合し、オープンロールで混練りした後、SUM−Niからなる直径8mmの支持体の表面に厚さ3mmとなるように円筒状に被覆し、内径14.5mmの円筒型金型に入れて、175℃で20分加硫させ、金型から取り出した後、直径14.0mm、肉厚3.0mm、表面粗さRz5μmとなるように砥石で研削し、円筒状の弾性層Aを得た。
〜表面層Aの作製〜
共重合ナイロン:アミランCM8000(東レ社製)100質量部をメタノール500質量部に加熱しながら溶解させたのち、n−ブタノール250質量部、蒸留水50質量部を添加し、攪拌して樹脂溶液を得た。前記樹脂溶液にアンチモンドープ酸化錫:S1(三菱マテリアル社製)50質量部を添加し、サンドグラインダーミルにて分散し、得られた分散液をメタノール100質量部で希釈して表面層塗布液Aを得た。表面層塗布液を前記弾性層Aに浸漬塗布して、150℃で10分間加熱乾燥し、厚さ5μmの表面層Aを形成し、帯電ロール1を得た。
表面層の厚さについては、ナイフで断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分の表面層の厚さを示した。さらに帯電ロール1の弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。含水率は10℃15%環境下48時間保管で2.6質量%、28℃85%環境下48時間保管で5.2質量%であった。尚、20℃における表面層の体積抵抗率は8×10Ω・cmであった。
(帯電ロール2の作製)
〜弾性層Bの作製〜
アクリルニトリルブタジエンゴム:N230SV(JSR社製)100質量部、カーボンブラック:アサヒ#60(旭カーボン社製)50質量部、カーボンブラック:ケッチェンブラックEC(ライオン社製)10質量部、ジオクチルフタレート(大日本インキ化学工業社製)30質量部、硫黄:200メッシュ(鶴見化学工業社製)1質量部、加硫促進剤:ノクセラーDM(大内新興化学工業社製)1質量部、加硫促進剤:ノクセラーTT(大内新興化学工業社製)1質量部を混合し、オープンロールで混練りした後、SUM−Niからなる直径8mmの支持体の表面に厚さ3mmとなるように円筒状に被覆し、内径14.5mmの円筒型金型に入れて、175℃で20分加硫させ、金型から取り出した後、直径14.0mm、肉厚3.0mm、表面粗さRz5μmとなるように砥石で研削し、円筒状の弾性層Bを得た。
〜表面層Bの作製〜
ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)80質量部をメチルエチルケトン500質量部に溶解させた後、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部を添加、溶解させて表面層塗布溶液Bを得た。表面層塗布液Bを前記弾性層Bに浸漬塗布して、150℃で10分間加熱乾燥し、厚さ2.5μmの表面層Bを形成し、帯電ロール2を得た。
表面層の厚さについては、ナイフで断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分の表面層の厚さを示した。さらに帯電ロール2の弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。含水率は10℃15%環境下48時間保管で2.8質量%、28℃85%環境下48時間保管で4.4質量%であった。尚、20℃における表面層の体積抵抗率は5×1010Ω・cmであった。
(帯電ロール3の作製)
〜弾性層Cの作製〜
帯電ロール2における弾性層Bの作製と同様にして弾性層Cを得た。
〜表面層Cの作製〜
ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)80質量部をメチルエチルケトン500質量部に溶解させた後、フッ素変性アクリル樹脂:モディパーF200(日本油脂社製)20質量部と触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部を添加、溶解させて樹脂溶液を得た。獲られた樹脂溶液にアンチモンドープ酸化錫:S1(三菱マテリアル社製)50質量部を添加し、サンドグラインダーミルにて分散し、分散液をMEK100質量部で希釈して表面層塗布液Cを得た。表面層塗布液Cを前記弾性層Cに浸漬塗布して、150℃で10分間加熱乾燥し、厚さ5μmの表面層を形成し、帯電ロール3を得た。
表面層の厚さについては、ナイフで断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分の表面層の厚さを示す。さらに帯電ロール3の弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。含水率は10℃15%環境下48時間保管で2.7質量%、28℃85%環境下48時間保管で5.9質量%であった。尚、20℃における表面層の体積抵抗率は2×1010Ω・cmであった。
(帯電ロール4の作製)
〜弾性層Dの作製〜
帯電ロール1における弾性層Aの作製と同様にして弾性層Dを得た。
〜表面層の作製〜
帯電ロール1における表面層塗布液Aを用い、弾性層Dに浸漬塗布して、150℃で10分間加熱乾燥し、厚さ9μmの表面層Dを形成し、帯電ロール4を得た。
表面層の厚さについては、ナイフで断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分の表面層の厚さを示した。さらに帯電ロール4の弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。含水率は10℃15%環境下48時間保管で3.0質量%、28℃85%環境下48時間保管で7.2質量%であった。尚、20℃における表面層の体積抵抗率は1×1010Ω・cmであった。
(帯電ロール5の作製)
〜弾性層Eの作製〜
帯電ロール1における弾性層Aの作製と同様にして弾性層Eを得た。
〜表面層Eの作製〜
アルキルアセタール化ポリビニルアルコール:エスレックKX−1 100質量部を磯プロピルアルコール200質量部/水300質量部に溶解させて樹脂溶液を得た。前記樹脂溶液にアンチモンドープ酸化錫:S1(三菱マテリアル社製)50質量部を添加し、サンドグラインダーミルにて分散し、得られた分散液をメタノール100質量部で希釈して表面層塗布液Eを得た。表面層塗布液を前記弾性層Eに浸漬塗布して、150℃で10分間加熱乾燥し、厚さ5μmの表面層Eを形成し、帯電ロール5を得た。
表面層の厚さについては、ナイフで断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分の表面層の厚さを示した。さらに帯電ロール5の弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。含水率は10℃15%環境下48時間保管で8質量%、28℃85%環境下48時間保管で10質量%であった。尚、20℃における表面層の体積抵抗率は4×10Ω・cmであった。
(帯電ロール6の作製)
〜弾性層Fの作製〜
砥石による研削を行わない以外は帯電ロール1における弾性層Aの作製と同様にして弾性層Eを得た。
〜表面層Fの作製〜
帯電ロール1における表面層Aの作製と同様にして、厚さ5μmの表面層Fを形成し、帯電ロール6を得た。
表面層の厚さについては、ナイフで断面を切り出し、レーザー顕微鏡にて弾性層の凸部分の表面層の厚さを示した。さらに帯電ロール6の弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。含水率は10℃15%環境下48時間保管で2.6質量%、28℃85%環境下48時間保管で5.2質量%であった。尚、20℃における表面層の体積抵抗率は8×10Ω・cmであった。
(帯電装置用のクリーニングロール)
SUS416からなるφ直径mmの円筒状芯材の上にホットメルト接着剤(BR4301:日進化学製)を塗布した。一方、ポリエーテルポリオール発泡ウレタンスポンジ(EP70:イノアックコーポレーション製)のシートを貫通ドリルで中空とし、前記ホットメルト接着剤を塗布した円筒状芯材を貫通させた後、90℃のオーブン内で溶融接着させた。次に接着させたウレタンスポンジの外周を研削機を用いて、直径12mm、肉厚3mmに加工し、帯電装置用のクリーニングロール(クリーニング部材)を得た。
(電子写真感光体の作製)
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603、信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛微粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛微粒子60質量部、アリザリン0.6質量部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部を、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引き層塗布用液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmの鏡面加工したアルミニウム基材上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ25μmの下引き層を得た。
次に、電荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が、少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。
得られた分散液に、n−酢酸ブチル175質量部及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用の塗布液を前記下引き層上に浸漬塗布し、常温で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
次に、4フッ化エチレン樹脂粒子1質量部(平均粒径:0.2μm)及びフッ素系グラフトポリマー0.02質量部とテトラヒドロフラン5質量部とを、トルエン2質量部とともに十分攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。次に、電荷輸送物質としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部、テトラヒドロフラン23質量部及びトルエン10質量部を混合溶解した。これに前記4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を加えて攪拌混合した後、微細な流露を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製、商品名LA−33S)を用いて、400kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返し、さらに、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合して電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
(実施例1)
帯電ロール1、帯電装置用のクリーニングロール及び電子写真感光体を、改造したフルカラープリンターDocu Centre Color f450(富士ゼロックス社製)用プロセスカートリッジに装着し、更にフルカラープリンターDocu Centre Color f450(富士ゼロックス社製)改造機に前記プロセスカートリッジを装着し、高温・高湿(28℃/85%)環境下で直流−40μAを帯電ロールに印加して30,000枚プリント後、及び更に1週間保管した後、再度高温・高湿(28℃/85%)環境下で直流−40μAを帯電ロールに印加して、全面ハーフトーン画像をプリントして画質評価(濃度ムラ、白スジ、色スジの有無)を行った。その結果を表1に示す。尚、前記プロセスカートリッジを装着したDocu Centre Color f450(富士ゼロックス社製)改造機は、電子写真感光体、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を有している。
(比較例1)
実施例1で用いた帯電ロール1の表面層の膜厚を1μmにした以外は実施例1と同様にして、プロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。尚、比較例1で用いた帯電ロールの弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。その結果、含水率は10℃15%環境下48時間保管で1.5質量%、28℃85%環境下48時間保管で4.2質量%であった。
(実施例2)
帯電ロール1の代わりに帯電ロール2を用いた以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2で用いた帯電ロール2の表面層の膜厚を1.5μmにした以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。尚、比較例2で用いた帯電ロールの弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。その結果、含水率は10℃15%環境下48時間保管で0.9質量%、28℃85%環境下48時間保管で1.9質量%であった。
(実施例3)
帯電ロール1の代わりに帯電ロール3を用いた以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例3で用いた帯電ロール3の表面層の膜厚を0.5μmにした以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。尚、比較例3で用いた帯電ロールの弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。その結果、含水率は10℃15%環境下48時間保管で0.3質量%、28℃85%環境下48時間保管で1.3質量%であった。
(実施例4)
帯電ロール1の代わりに帯電ロール4を用いた以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例4で用いた帯電ロール4の表面層の膜厚を12μmにした以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。尚、比較例3で用いた帯電ロールの弾性層と表面層部分をナイフで切り出し、カールフィッシャー法にて含水率を測定した。その結果、含水率は10℃15%環境下48時間保管で3.5質量%、28℃85%環境下48時間保管で8.6質量%であった。
(比較例5)
帯電ロール1の代わりに帯電ロール5を用いた以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示した。
(比較例6)
帯電ロール1の代わりに帯電ロール6を用いた以外は実施例1と同様にプロセスカートリッジを作製し、評価を行った。その結果を表1に示した。
Figure 2008116639
表1より、実施例1〜4では、長期に渡り良好な帯電が行われ、良好な画像が得られることがわかる。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 帯電装置
3 帯電装置用クリーニング装置
4 電源
5 露光装置
6 現像装置
7 転写装置
8 電子写真感光体用クリーニング装置
9 除電装置
11 定着装置

Claims (12)

  1. 支持体と、
    前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、
    前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、
    を有し、
    温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、
    かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であることを特徴とする帯電ローラ。
  2. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体と接触して配置され、該電子写真感光体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
    前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させ現像する現像手段、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段からなる群より選択される少なくとも1種と、
    を備え、
    前記帯電手段は、支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下である帯電ローラを備えることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  3. 前記帯電ローラは、前記帯電ローラに直流電流のみを印加して前記電子写真感光体を帯電させることを特徴とする請求項2に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
  4. 前記帯電ローラと接触して配置され、該帯電ローラ表面をクリーニングするクリーニング部材を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
  5. 前記クリーニング部材は、芯材と、多孔質の発泡体又は布を含んで構成される弾性層と、を有することを特徴とする請求項4に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
  6. 前記多孔質の発泡体は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の材料からなることを特徴とする請求項5に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
  7. 前記電子写真感光体と前記帯電ローラとは、電子写真装置に設置されるまでは非接触であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真プロセスカートリッジ。
  8. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体と接触して配置され、該電子写真感光体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
    前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記電子写真感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成させ現像する現像手段と、
    前記トナー像を被転写部材に転写させる転写手段と、
    を備え、
    前記帯電手段は、支持体と、前記支持体の外周面上に設けられ、外周面に研削処理が施された弾性層と、前記弾性層の外周面を覆うように形成され、かつ該弾性層の外周面からの厚さが2μm以上10μm以下である表面層と、を有し、温度10℃、湿度15%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下であり、かつ、温度28℃、湿度85%RHの環境下で48時間保管した後の、前記弾性層及び前記表面層からなる層全体の吸水率は、2質量%以上8質量%以下である帯電ローラを備えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記帯電ローラは、前記帯電ローラに直流電流のみを印加して前記電子写真感光体を帯電させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記帯電ローラと接触して配置され、該帯電ローラ表面をクリーニングするクリーニング部材を備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 前記クリーニング部材は、芯材と、多孔質の発泡体又は布を含んで構成される弾性層と、を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記多孔質の発泡体は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の材料からなることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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