JP2008115962A - 動力伝達機構 - Google Patents

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伸明 星野
Masaki Ota
太田  雅樹
Giyouriyo O
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Abstract

【課題】第2回転体へのアーマチャディスクの吸着力を高めることができる動力伝達機構を提供すること。
【解決手段】電磁スプリングクラッチ60は、ロータ61に収容される電磁コイル62への通電によってロータ側摩擦面61fにアーマチャディスク72が吸着し、拡径したコイルスプリング71がロータ61の連結部74の内周面74aに圧接してハブ69とロータ61とが連結される。ロータ61のロータ側摩擦面61fの外周側には、該ロータ側摩擦面61fから連結部74の先端側に向けて傾斜する外周側傾斜面61gが形成されている。また、アーマチャディスク72の外周部には、外周側傾斜面61gに対して空隙Kを空けて対向する外周側対向面72gが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、拡径したコイルスプリングが連結部の内周面に圧接して第1回転体と第2回転体とが連結される動力伝達機構に関する。
例えば、車両空調装置の冷媒圧縮機においては、車両エンジンからの動力を冷媒圧縮機の回転軸へ断続的に伝達するために、図7に示すような動力伝達機構100を備えたものが存在する(例えば特許文献1参照。)。すなわち、冷媒圧縮機において固定フレーム101の外側には、車両エンジン(図示せず)から動力が入力される入力ハブ102が、ベアリング103を介して回転可能に支持されている。前記入力ハブ102内には励磁コイル104が収容されている。入力ハブ102の先端外周部には、入力ハブ102から延びる筒状部112が設けられ、該筒状部112の内周面には入力ハブ側内周面102aが設けられている。
また、冷媒圧縮機の出力軸106の一端部には出力ハブ105が設けられている。この出力ハブ105は、出力軸106に固着された第1のハブ部材107と、該第1のハブ部材107に固定された第2のハブ部材108と、該第2のハブ部材108に固定されたばね保持ドラム109とから構成されている。前記第2のハブ部材108の外周部の内周面には出力ハブ側内周面108aが設けられている。また、前記第1のハブ部材107には、アーマチャ体110が、その入力ハブ102側の端面110aと入力ハブ102のアーマチャ体110側の端面102bとの間に隙間を介して対向配置されている。前記ばね保持ドラム109の外周面にはコイルばね111が巻装され、該コイルばね111の一端は前記出力ハブ105(ばね保持ドラム109)に掛止され、他端は前記アーマチャ体110に掛止されている。
そして、上記動力伝達機構100によって冷媒圧縮機の回転軸に車両エンジンからの動力を伝達するには、前記励磁コイル104に通電し、励磁コイル104を励磁させる。すると、励磁コイル104が発生する磁束は、入力ハブ102に流れ、該入力ハブ102から発生する磁力により、アーマチャ体110の端面110aが入力ハブ102の端面102bに吸着される。すると、アーマチャ体110が入力ハブ102と一体になって回転し、コイルばね111も他端側が回転する。このとき、コイルばね111は巻き戻される方向に回転力を受けるため拡径し、拡径したコイルばね111は前記入力ハブ側内周面102a及び出力ハブ側内周面108aに圧接する。よって、車両エンジンからの動力は、コイルばね111を介して入力ハブ102から第2のハブ部材108へ伝達され、出力ハブ105を介して出力軸106に伝達されるようになっている。
特開昭60−175830号公報
ところで、上記動力伝達機構100において、図7の矢印Wに示すように、励磁コイル104が発生する磁束は、入力ハブ102における筒状部112側と端面102b側に分岐して流れていく。このため、アーマチャ体110の入力ハブ102側への吸引力が低下し、結果として、入力ハブ102のアーマチャ体110の吸着力が低下してしまう。また、第1のハブ部材107が磁性体である場合は、出力軸106側への磁束の洩れ(分散)が起きてしまう。
本発明は、第2回転体へのアーマチャディスクの吸着力を高めることができる動力伝達機構を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転機械の回転軸と一体回転する第1回転体を有するとともに、回転機械のハウジングに回転可能に支持され、前記第1回転体の同軸位置に対向配置される第2回転体を有し、前記第1回転体における前記第2回転体側に円環状のアーマチャディスクが支持され、前記第1回転体にコイルスプリングの第1端部が連結されるとともに前記アーマチャディスクにコイルスプリングの第2端部が連結され、さらに、前記第2回転体には前記アーマチャディスクに対向する摩擦面が形成されるとともに、前記コイルスプリングを取り囲むように前記摩擦面の外周側から延設される連結部が形成されており、第2回転体に収容される電磁コイルへの通電によって前記摩擦面にアーマチャディスクが吸着し、拡径したコイルスプリングが前記連結部の内周面に圧接して第1回転体と第2回転体とが連結される動力伝達機構であって、前記第2回転体の摩擦面の外周側に、該摩擦面から前記連結部の先端側に向けて傾斜する外周側傾斜面が形成されるとともに、アーマチャディスクの外周部に前記外周側傾斜面に対して空隙を空けて対向する外周側対向面が形成されている。
この構成によれば、電磁コイルへの通電によって第2回転体に流れる磁束は、連結部と摩擦面の内周側に向かって分岐するだけでなく、外周側傾斜面に向けても分岐する。このため、外周側傾斜面が形成されない場合のように、磁束が連結部と摩擦面の内周側だけに分岐して流れることが無くなる。したがって、連結部に向けて流れる磁束の量を抑え、結果として、連結部以外(摩擦面と外周側傾斜面)に向けて流れる磁束の量を多くすることができる。よって、外周側傾斜面が形成されない場合に比して、第2回転体におけるアーマチャディスクの移動方向に対向する面での磁力を高めることができ、第2回転体へのアーマチャディスクの吸引力を高め、結果として第2回転体へのアーマチャディスクの吸着力を高めることができる。
また、前記第2回転体の摩擦面は、その内周側に該摩擦面から前記連結部の先端側に向けて傾斜する内周側傾斜面が形成されるとともに、前記アーマチャディスクの内周部に前記内周側傾斜面に対して空隙を空けて対向する内周側対向面をさらに有してもよい。
この構成によれば、アーマチャディスクに流れる磁束をアーマチャディスクの内周側だけでなく、内周側傾斜面に向けても流すことができる。よって、内周側傾斜面が形成されない場合に比して、アーマチャディスクの内周側に流れる磁束量を抑えることができる。
また、前記第1回転体は、前記回転軸に一体回転可能に固着された第1ハブ部材と、該第1ハブ部材に固着された第2ハブ部材とからなるとともに、前記第1ハブ部材の外周側に前記アーマチャディスクが支持され、前記アーマチャディスクと前記第1ハブ部材との間の合わせ面、及びアーマチャディスクと第2ハブ部材との間に形成される合わせ面との間に非磁性部材が介在されていてもよい。
この構成によれば、非磁性部材により、合わせ面でのアーマチャディスクから第1ハブ部材へ磁束の洩れを阻止し、アーマチャディスクから第2ハブ部材への磁束の洩れを阻止することができる。このため、アーマチャディスクが、合わせ面で第1ハブ部材及び第2ハブ部材に吸着してしまうことを無くすことができる。
また、前記第1回転体は、前記回転軸に一体回転可能に設けられた第1ハブ部材と、該第1ハブ部材に固着された第2ハブ部材とからなるとともに、前記第1ハブ部材の外周側に前記アーマチャディスクが支持され、前記アーマチャディスクと前記第1ハブ部材との間、及びアーマチャディスクと第2ハブ部材との間に形成される対向面は、該対向面を形成するいずれか一方から突設された突部を介して接触していてもよい。
この構成によれば、対向面でのアーマチャディスクから第1ハブ部材への磁束の洩れは突部だけで発生し、アーマチャディスクから第2ハブ部材への磁束の洩れは突部だけで発生する。このため、例えば、対向面の全面同士が接触し、該全面から磁束が洩れる場合に比して、アーマチャディスクから洩れる磁束の量を減らすことができる。
また、請求項5に記載の発明は、回転機械の回転軸と一体回転する第1回転体を有するとともに、回転機械のハウジングに回転可能に支持され、前記第1回転体の同軸位置に対向配置される第2回転体を有し、前記第1回転体における前記第2回転体側に円環状のアーマチャディスクが支持され、前記第1回転体にコイルスプリングの第1端部が連結されるとともに前記アーマチャディスクにコイルスプリングの第2端部が連結され、さらに、前記第2回転体には前記アーマチャディスクに対向する摩擦面が形成されるとともに、前記コイルスプリングを取り囲むように前記摩擦面の外周側から延設される連結部が形成されており、第2回転体に収容される電磁コイルへの通電によって前記摩擦面にアーマチャディスクが吸着し、拡径したコイルスプリングが前記連結部の内周面に圧接して第1回転体と第2回転体とが連結される動力伝達機構であって、前記第1回転体は、前記回転軸に一体回転可能に設けられた第1ハブ部材と、該第1ハブ部材に固着された第2ハブ部材とからなるとともに、前記第1ハブ部材の外周側に前記アーマチャディスクが支持され、前記アーマチャディスクと前記第1ハブ部材との間、及びアーマチャディスクと第2ハブ部材との間に形成される対向面は、該対向面を形成するいずれか一方から突設された突部を介して接触している。
この構成によれば、対向面でのアーマチャディスクから第1ハブ部材への磁束の洩れは突部だけで発生し、アーマチャディスクから第2ハブ部材への磁束の洩れは突部だけで発生する。このため、例えば、対向面の全面同士が接触し、該全面から磁束が洩れる場合に比して、アーマチャディスクから洩れる磁束の量を減らすことができる。
本発明によれば、第2回転体へのアーマチャディスクの吸着力を高めることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の動力伝達機構を、車両空調装置の冷媒圧縮機に用いられる電磁スプリングクラッチに具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、以下の説明において冷媒圧縮機10の「前」「後」は、図1に示す矢印Yの方向を前後方向とする。
図1に示すように、回転機械としての冷媒圧縮機10のハウジングは、シリンダブロック11と、その前端面(第1の端面)に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端面(第2の端面)に接合固定されたリヤハウジング14とから構成されている。また、前記シリンダブロック11とリヤハウジング14との間には、シリンダブロック11側からリヤハウジング14側に向けて、吸入弁形成プレート36、バルブプレート13、吐出弁形成プレート28及びリテーナ33が介在されている。
シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、制御圧室15が区画形成されているとともに、シリンダブロック11とフロントハウジング12には前記制御圧室15を貫通するように回転軸16が回転可能に支持されている。前記フロントハウジング12の前端部(先端部)には、回転軸16の前側(先側)を取り囲むようにして支持筒部12aが形成されている。回転軸16の前端部(第1の端部)は、動力伝達機構としての電磁スプリングクラッチ60を介して外部駆動源としての車両のエンジンEに作動連結されている。
前記回転軸16は、前側はフロントハウジング12に形成された軸孔12bに挿通されるとともに、ラジアルベアリング18によってフロントハウジング12に回転可能に支持されている。回転軸16の前側の周面と、該周面に対向するフロントハウジング12の内周面との間には軸シール室20が形成されている。そして、軸シール室20内には、前記回転軸16の周面と軸シール室20の周面との間をシールする軸シール部材21が設けられている。回転軸16の後側は、シリンダブロック11に形成された軸孔11b内に挿通されているとともに、ラジアルベアリング19によってシリンダブロック11に回転可能に支持されている。
前記制御圧室15内において、回転軸16には回転支持体22が固着されており、回転支持体22は回転軸16と一体回転可能に固定されている。この回転支持体22とフロントハウジング12の内壁面との間にはスラストベアリング23が設けられている。また、制御圧室15内には斜板24が収容されている。斜板24の中央には、挿通孔24aが穿設されており、該挿通孔24aに回転軸16が挿通されている。回転支持体22と斜板24との間には、ヒンジ機構25が介在されている。斜板24は、ヒンジ機構25を介した回転支持体22との間でのヒンジ連結、及び挿通孔24aを介した回転軸16の支持により、回転軸16及び回転支持体22と同期回転可能であるとともに、回転軸16の中心軸Lに沿った軸方向へのスライド移動を伴いながら回転軸16に対して傾角を変更可能とされている。
シリンダブロック11には、回転軸16の周りに複数のシリンダボア26(図1では1つのシリンダボア26のみ図示)が等角度間隔で回転軸16の軸方向(前後方向)に貫通形成されている。シリンダボア26には、片頭型のピストン27が回転軸16の軸方向へ移動可能に収容されている。シリンダボア26の前後開口は、バルブプレート13及びピストン27によって閉塞されており、このシリンダボア26内にはピストン27の前後方向への移動に応じて容積変化する圧縮室37が区画されている。ピストン27は、一対のシュー29を介して斜板24の外周部に係留されている。
リヤハウジング14には、前記バルブプレート13に面して吸入室30と吐出室31が区画形成されている。詳細には、リヤハウジング14の中央部には、前記吸入室30が設けられ、該吸入室30の外周側には前記吐出室31が設けられている。前記バルブプレート13には、各シリンダボア26と対向する位置において、バルブプレート13の径方向内寄りに吸入ポート32が形成され、バルブプレート13の径方向外寄りに吐出ポート34がそれぞれ形成されている。
前記吸入弁形成プレート36には前記吸入ポート32と対応する位置に該吸入ポート32を開閉する吸入弁36aが形成されている。また、前記吸入弁形成プレート36には、前記吐出ポート34に対応する位置に吐出孔36bが形成されている。前記吐出弁形成プレート28には吐出ポート34と対応する位置に該吐出ポート34を開閉する吐出弁28aが形成されている。また、前記吐出弁形成プレート28には、前記吸入ポート32に対応する位置に吸入孔28bが形成されている。吐出弁28aはリテーナ33によって開放位置が規制されるようになっている。リヤハウジング14には、電磁弁からなる容量制御弁52が組み付けられている。
そして、ピストン27の移動に伴い、吸入室30の冷媒ガスは、吸入孔28b及び吸入ポート32を通過し、吸入弁36aを押し退けて前記圧縮室37へ吸入され、圧縮室37で圧縮される。圧縮室37で圧縮された冷媒ガスは、該圧縮室37から吐出孔36b及び吐出ポート34を通過し、吐出弁28aを押し退けて吐出室31へ吐出され、外部冷媒回路(図示せず)へと導出される。該外部冷媒回路からの戻りガスは吸入室30へ吸入されるようになっており、本実施形態の冷媒圧縮機10は、外部冷媒回路とで冷媒循環回路を構成している。そして、シリンダブロック11(シリンダボア26)、回転軸16、回転支持体22、斜板24、ヒンジ機構25、ピストン27及びシュー29によって、冷媒圧縮機10における圧縮機構が構成され、該圧縮機構は回転軸16の回転に基づいて駆動される。
冷媒圧縮機10には、吐出室31と、前記制御圧室15とを連通させ、吐出室31の冷媒ガスを、制御ガスとして制御圧室15へ供給するための供給通路54が設けられている。この供給通路54上には前記容量制御弁52が設けられている。また、冷媒圧縮機10には、制御圧室15と吸入室30とを連通させ、制御圧室15の冷媒ガスを制御ガスとして吸入室30へ排出させる排出通路53が設けられている。そして、吐出室31へ吐出された冷媒ガスは、前記供給通路54を通過して制御圧室15へ供給されるようになっている。また、前記容量制御弁52により、供給通路54を通過し、制御圧室15へ供給される冷媒ガス量が調節されるようになっている。
また、制御圧室15内の冷媒ガスは、排出通路53を介して吸入室30へ排出される。そして、供給通路54を介した制御圧室15への冷媒ガス供給量と排出通路53を介した制御圧室15からの冷媒ガス排出量とのバランスが制御されて制御圧室15の圧力が決定される(制御圧室15が調圧される)。制御圧室15の圧力が変更されると、ピストン27を介した制御圧室15内とシリンダボア26内との差圧が変更され、斜板24の傾角が変化する。この結果、ピストン27のストローク(冷媒圧縮機10の吐出容量)が調節される。よって、冷媒圧縮機10は可変容量型タイプである。
次に、前記電磁スプリングクラッチ60について詳細に説明する。前記フロントハウジング12における支持筒部12aの外周側には、ラジアルベアリング70を介して第2回転体としてのロータ61が回転可能に支持されている。ロータ61は磁性材より筒状に形成され、エンジンEの出力軸からのベルト(図示せず)が掛けられる筒状のベルト掛け部61aと、該ベルト掛け部61aの内側に設けられた筒状の支持部61bとを一体に有している。そして、ロータ61は、前記支持部61bを以ってフロントハウジング12(支持筒部12a)にラジアルベアリング70を介して回転可能に支持されている。
ロータ61において、前記ベルト掛け部61aの内周面と、支持部61bの外周面との間には、環状の収容凹部61cが形成されている。そして、収容凹部61c内には、磁性材よりなる収容筒体63に収容された電磁コイル62が収容され、該電磁コイル62は、正逆両方向に通電の切換が可能に構成されている。なお、本実施形態において、電磁コイル62が正方向への通電によって励磁されると、ロータ61には矢印Y1に示す方向へ磁束が流れるようになっている。
図2に示すように、ロータ61の前端(先端)の外周部には、前記ベルト掛け部61aからフロントハウジング12より離れる側(前側)へ突出する連結部74が設けられている。連結部74は、ロータ61の軸方向、すなわち回転軸16の軸方向に沿って延びる円筒状に形成されている。また、ロータ61の前端(先端)の内周部には、フロントハウジング12より離れる側(前側)へ突出する突出部75が設けられている。そして、突出部75は、ロータ61の軸方向、すなわち回転軸16の軸方向に沿って延びる円筒状に形成されている。
回転軸16の前端部には、円盤状をなすとともに、内周部に雌ねじ65aが螺刻された第1ハブ部材65が固着されている。第1ハブ部材65は、前記雌ねじ65aが回転軸16の雄ねじ16aに螺着されることで回転軸16と一体回転可能になっているとともに、第1ハブ部材65の回転動力が回転軸16に伝達されるようになっている。第1ハブ部材65における、回転軸16の前端側には、第2ハブ部材66が固定ピンPによって固着され、第1ハブ部材65と第2ハブ部材66とは一体回転可能になっている。そして、前記第1ハブ部材65と第2ハブ部材66とから第1回転体としてのハブ69が構成されている。さらに、第2ハブ部材66の外周側には、弾性体よりなるダンパDが設けられ、該ダンパDによってロータ61とハブ69の連結時の衝撃が吸収されるようになっている。
第1ハブ部材65の外周部には、ばね支持部65bが設けられている。そして、第1ハブ部材65の外周側には、磁性材により円盤状に形成されたアーマチャディスク72が配設されている。このアーマチャディスク72は、内周面72dが第1ハブ部材65の外周面65cに対向するようになっている。アーマチャディスク72の内周部には、ばね当接部72aが形成されている。
そして、アーマチャディスク72が第1ハブ部材65の外周側に設けられた状態では、ばね当接部72aとばね支持部65bとの間には、皿ばね73が配設されている。この皿ばね73は、アーマチャディスク72のばね当接部72aを、第1ハブ部材65のばね支持部65bから離反させる方向に付勢している。すなわち、第1ハブ部材65は回転軸16に螺着されているため、皿ばね73は、回転軸16の軸方向前端側へアーマチャディスク72を移動させる方向、言い換えると、アーマチャディスク72をロータ61から離反する方向へ付勢している。
また、アーマチャディスク72は、第2ハブ部材66に対向する第2ハブ部材側端面72cが、該第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dに当接することで、アーマチャディスク72の回転軸16の軸方向前端側への移動が規制されるようになっている。
そして、アーマチャディスク72において、回転軸16の軸方向においてロータ61に対向する面により円環状をなすアーマチャ側摩擦面72fが形成され、ロータ61における前端面(先端面)には、前記アーマチャ側摩擦面72fに対向する円環状をなすロータ側摩擦面61fが形成されている。このアーマチャ側摩擦面72fとロータ側摩擦面61fとの間には一定の空隙が形成されている。
第1ハブ部材65の外周面65cには、非磁性材料よりなる非磁性体シートS1が周方向全体に接着されている。そして、この非磁性体シートS1は、第1ハブ部材65の外周面65cと、該外周面65cに対向するアーマチャディスク72の内周面72dとからなる合わせ面の間に介在されている。
また、アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cには、非磁性材料よりなる非磁性体シートS2が周方向全体に接着されている。そして、この非磁性体シートS2は、第2ハブ部材側端面72cと、該第2ハブ部材側端面72cに対し、回転軸16の軸方向に対向する第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dとからなる合わせ面の間に介在されている。
上記構成のハブ69は、ロータ61の内側、具体的には前記連結部74の内側に収容されるように回転軸16に固定されている。また、前記連結部74は、ロータ61の前端面、すなわち前記アーマチャ側摩擦面72fの外周部から回転軸16の軸方向に沿って延設されている。第2ハブ部材66の外周面66cと連結部74の内周面74aとは、一定の間隔をおいて相対向するように位置し、該外周面66cと内周面74aの間には、コイルスプリング71が収容されている。すなわち、第2ハブ部材66(ハブ69)の外周にコイルスプリング71が巻装されている。なお、コイルスプリング71は、回転軸16の回転方向に巻締められてなるコイルばねである。
第2ハブ部材66の外周面66cには、コイルスプリング71の第1端部71aが掛止され、第2ハブ部材66にコイルスプリング71の第1端部71aが連結されている。一方、コイルスプリング71の第2端部71bは、前記アーマチャディスク72の外周面72bに連結されている。したがって、コイルスプリング71にアーマチャディスク72が連結され、該アーマチャディスク72は、外周側がコイルスプリング71によって第2ハブ部材66に支持されるとともに、内周側が皿ばね73によって第1ハブ部材65に支持されている。
また、アーマチャディスク72の内周面72dは、第1ハブ部材65の外周面65cに接触しており、アーマチャディスク72の移動時は、内周面72dが外周面65cに摺接(接触)することでアーマチャディスク72の移動が、回転軸16の軸方向へ移動するようにガイドされる。そして、第2ハブ部材66(ハブ69)はコイルスプリング71によって取り囲まれるとともに、コイルスプリング71は連結部74の内周面74aに相対向する位置に配設されている。
上記コイルスプリング71は、アーマチャディスク72がロータ61に吸引されていない状態では、第2ハブ部材66の外周面66cにおける外径より大径をなすとともに連結部74の内周面74aにおける内径より小径をなし、コイルスプリング71は両周面66c,74aから離間している。一方、コイルスプリング71は、アーマチャディスク72がロータ61に吸引され、アーマチャディスク72とともに回転した状態では、連結部74の内周面74aにおける内径より大径となり、コイルスプリング71の外周面は連結部74の内周面74aに圧接するようになっている。
ロータ61において、前記ロータ側摩擦面61fの外周部には、ロータ側摩擦面61fから連結部74の前端側(先端側)に向かうように傾斜する外周側傾斜面61gが形成され、連結部74の後端側(基端側)にはテーパ面が形成されている。この外周側傾斜面61gにより、連結部74の内径は、回転軸16の軸方向に沿って該回転軸16の前端側へ向かうに従い拡径するようになっている。連結部74の後端側における内周面74aと、ロータ側摩擦面61fとは外周側傾斜面61gによって連結され、内周面74aと外周側傾斜面61gとロータ側摩擦面61fとは連続面を形成している。このため、矢印Y1に示すように、電磁コイル62の励磁によってロータ61に流れる磁束は、連結部74に流れる磁束と、外周側傾斜面61gに向かって流れる磁束と、ロータ側摩擦面61fに向かって流れる磁束とに分散されるようになっている。そして、アーマチャディスク72において、アーマチャ側摩擦面72fの外周部には、前記外周側傾斜面61gに対して一定の空隙Kを以て相対向する外周側対向面72gが形成されている。
ロータ61において、前記ロータ側摩擦面61fの内周部には、ロータ側摩擦面61fから突出部75の前端側(先端側)に向かうように傾斜する内周側傾斜面61hが形成され、ロータ61の内周部にはテーパ面が形成されている。この内周側傾斜面61hにより、突出部75の外径は、回転軸16の軸方向に沿って該回転軸16の前端側へ向かうに従い縮径するようになっている。突出部75に形成された内周側傾斜面61hとロータ側摩擦面61fとは連続面を形成している。
そして、アーマチャディスク72において、アーマチャ側摩擦面72fの内周部には、前記内周側傾斜面61hに対して一定の空隙Kを以て相対向する内周側対向面72hが形成されている。このため、アーマチャディスク72に流れる磁束は、突出部75に形成された内周側傾斜面61hに向けて流れる磁束と、アーマチャディスク72の内周側に向けて流れる磁束とに分散されるようになっている。
図3(a)に示すように、ロータ側摩擦面61f上を通る直線を仮想線M1とし、外周側傾斜面61g上を通る直線及び内周側傾斜面61h上を通る直線を仮想線M2,M3とする(内周側傾斜面61h上を通る仮想線M3は図示略)。そして、前記仮想線M1と仮想線M2,M3との間に形成される角度のうち鋭角の角度を、ロータ側摩擦面61fに対する外周側傾斜面61g及び内周側傾斜面61hの傾斜角度θとする。なお、図示しないが、アーマチャ側摩擦面72f上を通る直線と、外周側対向面72g及び内周側対向面72h上を通る直線との間に形成される角度のうち鋭角の角度を、アーマチャ側摩擦面72fに対する外周側対向面72g及び内周側対向面72hの傾斜角度とする。この場合、アーマチャ側摩擦面72fに対する外周側対向面72g及び内周側対向面72hの傾斜角度と、ロータ側摩擦面61fに対する外周側傾斜面61g及び内周側傾斜面61hの傾斜角度θとは同じとなっている。
この傾斜角度θは、ロータ61においては連結部74に流れる磁束を極力抑え、アーマチャディスク72においてはアーマチャディスク72の内周側に流れる磁束を極力抑えるために、35〜80°に設定されるのが好ましく、50〜60°に設定されるのが特に好ましい。図3(b)に示すグラフは、横軸に傾斜角度θ(°)を示し、縦軸に、傾斜角度θ0°に対する各傾斜角度θでの、アーマチャディスク72のロータ61への吸引力の向上率を示す。そして、図3(b)のグラフに示すように、傾斜角度θが35〜80°に設定されると吸引力の向上率が高く、傾斜角度θが50〜60°に設定されると吸引力の向上率が最も高くなる。
次に、上記構成の電磁スプリングクラッチ60の動作について説明する。電磁コイル62が正方向への通電によって励磁されると、ロータ61には磁束路が形成される。このとき、図2に示すように、ロータ61には外周側傾斜面61gが形成されているため、該外周側傾斜面61gに向かって磁束が流れ、連結部74に向かって流れる磁束の量を抑えることができる。そして、ロータ側摩擦面61f及び外周側傾斜面61gに磁束が流れるため、該ロータ側摩擦面61f及び外周側傾斜面61gから磁力が発生し、吸引力がアーマチャディスク72に作用される。アーマチャディスク72は、ロータ61に強力に吸引され、皿ばね73のばね力に抗して回転軸16の軸方向に沿ってロータ61側へ移動し、アーマチャ側摩擦面72fがロータ側摩擦面61fに吸着する。すると、ロータ61とアーマチャディスク72とが吸着(連結)され、アーマチャディスク72はロータ61の回転方向へ回転される。
ロータ61にアーマチャディスク72が吸着された状態において、アーマチャディスク72に磁束が流れる。このとき、アーマチャディスク72には内周側対向面72hが形成されているため、該内周側対向面72hに向かって磁束が流れ、アーマチャディスク72の内周側に向かって流れる磁束の量を抑えることができる。
加えて、アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cには非磁性体シートS2が設けられているため、アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cから第2ハブ部材66に磁束が洩れることが阻止される。さらに、第1ハブ部材65の外周面65cには非磁性体シートS1が設けられているため、アーマチャディスク72の内周面72dから第1ハブ部材65に磁束が洩れることが阻止される。
そして、コイルスプリング71の第2端部71bはアーマチャディスク72に連結されている。このため、アーマチャディスク72の回転に伴い、コイルスプリング71の第2端部71bはアーマチャディスク72によってその回転方向へ押され、コイルスプリング71は巻き戻される。すると、コイルスプリング71が拡径し、コイルスプリング71の外周面が連結部74の内周面74aに圧接する。
その結果、コイルスプリング71を介してハブ69(第2ハブ部材66)とロータ61(連結部74)とが連結され、ロータ61とハブ69は、電磁コイル62の電磁力に基づく吸引力と、コイルスプリング71による圧接によって強固に連結される。そして、エンジンEからロータ61に伝達された動力は、ロータ61の連結部74から該連結部74の内側のコイルスプリング71へ伝達され、さらに、コイルスプリング71の内側の第2ハブ部材66に伝達される。すると、電磁スプリングクラッチ60によって、エンジンEから回転軸16への動力伝達が可能となる。
一方、電磁コイル62が逆方向への通電によって励磁されると、前記正方向へ通電した場合とは逆方向への磁束が生じ、前記正方向への磁束が打ち消されることとなり、アーマチャディスク72は、皿ばね73の復帰力により、回転軸16の軸方向に沿ってロータ61のロータ側摩擦面61fから離反する方向へ移動する。このとき、ロータ61からアーマチャディスク72への動力伝達が遮断されるので、コイルスプリング71は拡径状態から縮径するように巻締められる。その結果、連結部74の内周面74aに対するコイルスプリング71の圧接状態が解除され、ハブ69とロータ61が非連結状態となる。よって、ロータ61及びアーマチャディスク72間の連結、すなわち、ロータ61とハブ69との連結が解除され、エンジンEから回転軸16への動力伝達は不可能となる。
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電磁スプリングクラッチ60において、ロータ61のロータ側摩擦面61fの外周部には連結部74の内周面74aに繋がる外周側傾斜面61gが形成されている。このため、ロータ61に流れる磁束を、連結部74とロータ側摩擦面61fの内周側だけでなく、外周側傾斜面61gに向けても流すことができる。よって、外周側傾斜面61gが形成されない場合に比して、連結部74に向けて流れる磁束量を抑え、アーマチャディスク72に向けて流れる磁束量を多くすることができる。その結果として、アーマチャディスク72に対するロータ61の吸引力を高め、ロータ61へのアーマチャディスク72の吸着力を高めることができる。
(2)電磁スプリングクラッチ60において、ロータ61のロータ側摩擦面61fの内周部には内周側傾斜面61hが形成されている。このため、アーマチャディスク72に流れる磁束をアーマチャディスク72の内周側だけでなく、内周側傾斜面61hに向けても流すことができる。よって、内周側傾斜面61hが形成されない場合に比して、アーマチャディスク72の内周側に流れる磁束量を抑えることができ、結果として、ロータ61へのアーマチャディスク72の吸着力を高めることができる。
(3)ロータ61のロータ側摩擦面61fの外周部に外周側傾斜面61gが形成されることにより、連結部74に向けて流れる磁束量を抑え、結果として、アーマチャディスク72に対するロータ61の吸引力を高めることができる。このため、外周側傾斜面61gが形成されない場合に比して、ロータ61にアーマチャディスク72を吸引するために必要とする力(起磁力)を小さくすることができ、結果として電磁スプリングクラッチ60の省電力化、小型化を図ることができる。
(4)第1ハブ部材65の外周面65cには非磁性体シートS1が設けられ、第1ハブ部材65の外周面65cとアーマチャディスク72の内周面72dとの合わせ面に非磁性体シートS1が介在されている。このため、非磁性体シートS1により、合わせ面でのアーマチャディスク72から第1ハブ部材65への磁束の洩れを阻止することができる。よって、アーマチャディスク72が第1ハブ部材65に吸着してしまうことを防止することができ、結果として、ロータ61へのアーマチャディスク72の吸着力を高めることができる。
(5)アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cには非磁性体シートS2が設けられ、アーマチャディスク72と第2ハブ部材66との合わせ面に非磁性体シートS2が介在されている。このため、非磁性体シートS2により、合わせ面でのアーマチャディスク72から第2ハブ部材66への磁束の洩れを阻止することができる。よって、アーマチャディスク72が第2ハブ部材66に吸着してしまうことを防止することができ、結果として、ロータ61へのアーマチャディスク72の吸着力を高めることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の動力伝達機構を、車両空調装置の冷媒圧縮機に用いられる電磁スプリングクラッチに具体化した第2の実施形態を図4〜図6にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1ハブ部材65とアーマチャディスク72を変更した実施形態であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。なお、図4は第1の実施形態の図2と同じく電磁スプリングクラッチ60の要部を拡大して示している。
図5(a)及び図5(b)に示すように、第1ハブ部材65の外周面65cには、突部としての外周突起651が第1ハブ部材65の周方向へ等間隔おきに3箇所形成されている。そして、図4に示すように、外周突起651は、第1ハブ部材65の外周面65cと、該外周面65cに対向するアーマチャディスク72の内周面72dとからなる対向面同士の間に介在されている。このため、第1ハブ部材65の外周面65cとアーマチャディスク72の内周面72dとは、前記外周突起651を以て接触し、外周突起651以外では離間している。
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cには、突部としての内周突起721がアーマチャディスク72の周方向へ等間隔おきに3箇所形成されている。そして、図4に示すように、内周突起721は、第2ハブ部材側端面72cと、該第2ハブ部材側端面72cに対し、回転軸16の軸方向に対向する第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dとからなる対向面同士の間に介在されている。このため、アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cと、第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dとは、前記内周突起721を以て接触し、内周突起721以外では離間している。
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の(1)〜(3)の効果と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(6)第1ハブ部材65の外周面65cの外周突起651のみが、アーマチャディスク72の内周面72dに接触し、外周面65cと内周面72dとは外周突起651以外の部位では離間している。このため、外周突起651により、アーマチャディスク72から第1ハブ部材65への磁束の洩れは外周突起651だけで発生する。したがって、例えば、アーマチャディスク72の内周面72d全面が第1ハブ部材65の外周面65c全面に接触している場合に比して、磁束の洩れ量を抑えることができる。よって、第1ハブ部材65へのアーマチャディスク72の吸着力を低減することができ、結果として、ロータ61へのアーマチャディスク72の吸着力を高めることができる。このように構成することで第1の実施形態における非磁性体シートS1,S2を省略することができる。
(7)アーマチャディスク72の内周突起721のみが、第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dに接触し、第2ハブ部材側端面72cとアーマチャディスク側端面66dとは内周突起721以外の部位では離間している。このため、内周突起721により、アーマチャディスク72から第2ハブ部材66への磁束の洩れは内周突起721だけで発生する。したがって、例えば、第2ハブ部材側端面72c全面がアーマチャディスク側端面66dに接触している場合に比して、磁束の洩れ量を抑えることができる。よって、第2ハブ部材66へのアーマチャディスク72の吸着力を低減することができ、結果として、ロータ61へのアーマチャディスク72の吸着力を高めることができる。このように構成することで第1の実施形態における非磁性体シートS1,S2を省略することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 各実施形態において、ロータ61に外周側傾斜面61gのみを形成するとともに、内周側傾斜面61hを削除し、アーマチャディスク72の外周側対向面72gのみを形成するとともに、内周側対向面72hを削除してもよい。
○ 第1の実施形態において、非磁性体シートS1及び非磁性体シートS2のいずれか一方を削除してもよい。
○ 第1の実施形態において、非磁性体シートS1をアーマチャディスク72の内周面72dに接着して、非磁性体シートS1を第1ハブ部材65ではなくアーマチャディスク72に設けてもよい。
○ 第1の実施形態において、非磁性体シートS2を第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dに接着して、非磁性体シートS2をアーマチャディスク72ではなく第2ハブ部材66に設けてもよい。
○ 第2の実施形態において、第1ハブ部材65の外周面65cとアーマチャディスク72の内周面72dとの対向面同士の間において、アーマチャディスク72の内周面72dに突部を設け、該突部を以て第1ハブ部材65とアーマチャディスク72とを接触させた状態としてもよい。
○ 第2の実施形態において、アーマチャディスク72の第2ハブ部材側端面72cと第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dとの対向面同士の間において、第2ハブ部材66のアーマチャディスク側端面66dに突部を設け、該突部を以てアーマチャディスク72と第2ハブ部材66とを接触させた状態としてもよい。
○ 第2の実施形態において、外周突起651の端面に非磁性体シートを接着し、内周突起721に非磁性体シートを接着してもよい。
○ 外周側傾斜面61gはテーパ面でなくてもよく、例えば、ロータ側摩擦面61fから連結部74の前端側(先端側)に向かうに従い弧状に湾曲しながら傾斜する形状であってもよい。この場合、外周側対向面72gは、外周側傾斜面61gと対向する弧状に形成される。
○ 内周側傾斜面61hはテーパ面でなくてもよく、例えば、ロータ側摩擦面61fから突出部75の前端側(先端側)に向かうに従い弧状に湾曲しながら傾斜する形状であってもよい。この場合、内周側対向面72hは、内周側傾斜面61hと対向する弧状に形成される。
○ 冷媒圧縮機10を、片頭型のピストン27に圧縮動作を行なわせる片側式の圧縮機ではなく、前後両側に設けられたシリンダボア26において両頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる両側式の圧縮機としてもよい。
○ 冷媒圧縮機10を、斜板24が回転軸16と一体回転する構成に代えて、回転支持体22が回転軸16に対して相対回転可能に支持されて揺動するタイプ、例えば、揺動(ワッブル)式圧縮機としてもよい。
○ 冷媒圧縮機10は、ピストン27のストロークを変更不可能な固定容量タイプであってもよい。
○ 回転機械として、ピストン27が往復動を行うピストン式の冷媒圧縮機10に具体化したが、電磁スプリングクラッチ60によって外部駆動源から動力が伝達される回転機械であれば、どのようなものに適用してもよい。
○ 第2回転体として、ロータ61以外にも、スプロケットやギヤ等を適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)回転軸を有するとともに該回転軸に外部駆動源から動力を伝達するための動力伝達機構を備えた回転機械において、前記動力伝達機構として、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の動力伝達機構を設けた回転機械。
(2)前記回転軸の回転に基づいて駆動される圧縮機構を有する技術的思想(1)に記載の回転機械。
第1の実施形態の冷媒圧縮機を示す縦断面図。 第1の実施形態の電磁スプリングクラッチを示す半断面図。 (a)は外周側傾斜面及び内周側対向面を拡大して示す部分断面図、(b)は吸引力向上率と傾斜角度との関係を示すグラフ。 第2の実施形の電磁スプリングクラッチを示す半断面図。 (a)は第1ハブ部材を示す正面図、(b)は第1ハブ部材を示す断面図。 (a)はアーマチャディスクを示す正面図、(b)はアーマチャディスクを示す断面図。 背景技術の動力伝達機構を示す断面図。
符号の説明
E…外部駆動源としてのエンジン、K…空隙、S1,S2…非磁性部材としての非磁性体シート、10…回転機械としての冷媒圧縮機、11…ハウジングを構成するシリンダブロック、12…ハウジングを構成するフロントハウジング、14…ハウジングを構成するリヤハウジング、16…回転軸、60…動力伝達機構としての電磁スプリングクラッチ、61…第2回転体としてのロータ、61f…ロータ側摩擦面、61g…外周側傾斜面、61h…内周側傾斜面、62…電磁コイル、65…第1ハブ部材、65c…合わせ面及び対向面を形成する外周面、66…第2ハブ部材、66d…合わせ面及び対向面を形成するアーマチャディスク側端面、69…第1回転体としてのハブ、71…コイルスプリング、71a…第1端部、71b…第2端部、72…アーマチャディスク、72c…合わせ面及び対向面を形成する第2ハブ部材側端面、72d…合わせ面及び対向面を形成する内周面、72g…外周側対向面、72h…内周側対向面、74…連結部、74a…内周面、651…突部としての外周突起、721…突部としての内周突起。

Claims (5)

  1. 回転機械の回転軸と一体回転する第1回転体を有するとともに、回転機械のハウジングに回転可能に支持され、前記第1回転体の同軸位置に対向配置される第2回転体を有し、前記第1回転体における前記第2回転体側に円環状のアーマチャディスクが支持され、前記第1回転体にコイルスプリングの第1端部が連結されるとともに前記アーマチャディスクにコイルスプリングの第2端部が連結され、さらに、前記第2回転体には前記アーマチャディスクに対向する摩擦面が形成されるとともに、前記コイルスプリングを取り囲むように前記摩擦面の外周側から延設される連結部が形成されており、第2回転体に収容される電磁コイルへの通電によって前記摩擦面にアーマチャディスクが吸着し、拡径したコイルスプリングが前記連結部の内周面に圧接して第1回転体と第2回転体とが連結される動力伝達機構であって、
    前記第2回転体の摩擦面の外周側に、該摩擦面から前記連結部の先端側に向けて傾斜する外周側傾斜面が形成されるとともに、アーマチャディスクの外周部に前記外周側傾斜面に対して空隙を空けて対向する外周側対向面が形成されている動力伝達機構。
  2. 前記第2回転体の摩擦面は、その内周側に該摩擦面から前記連結部の先端側に向けて傾斜する内周側傾斜面が形成されるとともに、前記アーマチャディスクの内周部に前記内周側傾斜面に対して空隙を空けて対向する内周側対向面をさらに有する請求項1に記載の動力伝達機構。
  3. 前記第1回転体は、前記回転軸に一体回転可能に固着された第1ハブ部材と、該第1ハブ部材に固着された第2ハブ部材とからなるとともに、前記第1ハブ部材の外周側に前記アーマチャディスクが支持され、前記アーマチャディスクと前記第1ハブ部材との間の合わせ面、及びアーマチャディスクと第2ハブ部材との間に形成される合わせ面との間に非磁性部材が介在されている請求項1又は請求項2に記載の動力伝達機構。
  4. 前記第1回転体は、前記回転軸に一体回転可能に設けられた第1ハブ部材と、該第1ハブ部材に固着された第2ハブ部材とからなるとともに、前記第1ハブ部材の外周側に前記アーマチャディスクが支持され、前記アーマチャディスクと前記第1ハブ部材との間、及びアーマチャディスクと第2ハブ部材との間に形成される対向面は、該対向面を形成するいずれか一方から突設された突部を介して接触している請求項1又は請求項2に記載の動力伝達機構。
  5. 回転機械の回転軸と一体回転する第1回転体を有するとともに、回転機械のハウジングに回転可能に支持され、前記第1回転体の同軸位置に対向配置される第2回転体を有し、前記第1回転体における前記第2回転体側に円環状のアーマチャディスクが支持され、前記第1回転体にコイルスプリングの第1端部が連結されるとともに前記アーマチャディスクにコイルスプリングの第2端部が連結され、さらに、前記第2回転体には前記アーマチャディスクに対向する摩擦面が形成されるとともに、前記コイルスプリングを取り囲むように前記摩擦面の外周側から延設される連結部が形成されており、第2回転体に収容される電磁コイルへの通電によって前記摩擦面にアーマチャディスクが吸着し、拡径したコイルスプリングが前記連結部の内周面に圧接して第1回転体と第2回転体とが連結される動力伝達機構であって、
    前記第1回転体は、前記回転軸に一体回転可能に設けられた第1ハブ部材と、該第1ハブ部材に固着された第2ハブ部材とからなるとともに、前記第1ハブ部材の外周側に前記アーマチャディスクが支持され、前記アーマチャディスクと前記第1ハブ部材との間、及びアーマチャディスクと第2ハブ部材との間に形成される対向面は、該対向面を形成するいずれか一方から突設された突部を介して接触している動力伝達機構。
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