JP2008115915A - 自動変速機用クラッチ、及びそれを備えた自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スナップリングとクラッチドラムのスナップリング溝との磨耗を防止し、耐久性の向上を図ることを可能とした自動変速機用クラッチを提供する。
【解決手段】クラッチC−1は、回転自在に支持されたクラッチドラム20と、油圧サーボ40と、クラッチドラム20に対して油圧サーボ40を軸方向に位置決めするスナップリング50とによって構成されている。クラッチドラム20のボス部23には、X1方向側端部付近の外周面に、スナップリング50が嵌合する嵌合溝24が設けられている。このスナップリング50には、固体潤滑剤としてPTFE複合無電解Ni−P合金が表面にメッキされており、表面の摩擦係数が低下されている。これにより、スナップリング50は、ボス部23との間に相対回転が生じた際にも、上記メッキの作用により嵌合溝24上を滑り易くなって、嵌合溝24の磨耗が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車などの自動変速機、及びそれに用いられる自動変速機用クラッチに係り、詳しくは、解放時に入力回転より増速された増速回転が入力されることで空転状態となる自動変速機用クラッチ、及びそれを備えた自動変速機に関する。
一般に、例えば自動車などの自動変速機に用いられる自動変速機用クラッチ(以下、単に「クラッチ」という。)は、回転自在なクラッチドラムと、該クラッチドラムに内包された油圧サーボと、該クラッチドラムに形成されたスナップリング溝に嵌合され、該クラッチドラムに対して該油圧サーボを軸方向に位置決めするスナップリングとによって構成される。該油圧サーボは、該クラッチドラムに形成されたシリンダ部と、該クラッチドラムに回転不能に配置されると共に、シリンダ部に対して軸方向に移動自在に配置され、該シリンダ部との間に供給される油圧に基づき摩擦板の係脱を行うピストン部材と、該ピストン部材を該シリンダ部側に付勢する複数のリターンスプリングと、該ピストン部材を付勢する該リターンスプリングの反力を受圧すると共に、上記スナップリングにより該クラッチドラムに対して軸方向に位置決めされた支持プレートとを備えている。
このようなクラッチには、例えば自動変速機の入力軸の入力回転を減速した減速回転を出力するプラネタリギヤと、該入力回転や減速回転に基づき出力回転を生成するプラネタリギヤセットとの間に配置され、該クラッチの係合時に、減速回転をクラッチドラムより出力し、該クラッチの解放時に、プラネタリギヤセットによって入力回転より増速された増速回転が該クラッチドラムに逆入力され、該クラッチが空転状態とされるものがある(特許文献1参照)。
特開2003−278851号公報
しかしながら、上述のクラッチにおいては、係合時に入力回転より減速された減速回転を伝達するために、入力トルクよりも増幅されたトルクを伝達することになり、該クラッチは、この増幅されたトルクを伝達するために伝達トルク容量を大きく設定する必要があり、つまり該クラッチの摩擦板を強く押圧するために、油圧サーボに供給する油圧を高圧にする必要がある。このため、該油圧サーボにおいては、高圧の供給油圧に耐え得るような充分な剛性を確保するため、各部材の肉厚を厚く形成する必要がある。これにより、肉厚が厚く形成された各部材において、重量の増加により作用する慣性力が増加するため、該クラッチにおいて、上述のように解放されて増速回転の逆入力により空転状態となる場合、クラッチドラムに内包された油圧サーボに大きな慣性力が生じ、該クラッチドラムに対して油圧サーボが相対回転してしまうという問題があった。
このように、クラッチドラムに対して油圧サーボが相対回転すると、上述した支持プレートを位置決めするスナップリングが、リターンスプリングの付勢力によって押圧されて該支持プレートと連れ回る虞があり、一般的に例えば500HV程度のSS材等の比較的硬度の高い材質で形成されるスナップリングと、例えば200〜300HV程度のSC材等の比較的硬度の低い材質で形成されるクラッチドラムとの接触部分(即ちスナップリング溝)が磨耗する虞があって、つまり耐久性に悪影響を与える虞があった。
そこで本発明は、該スナップリングと該クラッチドラムのスナップリング溝との磨耗を防止し、耐久性の向上を図ることが可能な自動変速機用クラッチを提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図6参照)、入力側回転系(例えばCR1)と出力側回転系(例えばS3)との間に介在する摩擦係合手段(26,36)と、前記出力側回転系に接続され、かつ前記摩擦係合手段(26,36)を介して前記入力側回転系(例えばCR1)に接続されるドラム部(20)と、前記ドラム部(20)に内包され、前記摩擦係合手段(26,36)の係脱を行うことによって前記入力側回転系(例えばCR1)と前記出力側回転系(例えばS3)との駆動連結を操作する油圧サーボ(40)と、前記ドラム部(20)に形成された溝部(24)に嵌合され、該ドラム部(20)に対して前記油圧サーボ(40)を軸方向に位置決めするスナップリング(50)と、を備え、
前記ドラム部(20)が、前記摩擦係合手段(26,36)の解放時にあって、前記出力側回転系(例えばS3)に生じる、入力回転より増速された増速回転によって回転される自動変速機用クラッチ(C−1)において、
前記スナップリング(50)と前記ドラム部(20)の溝部(24,24)との間の摩擦抵抗を低くする低摩擦化手段を備える、
ことを特徴とする自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図1ないし図6参照)、前記入力側回転系(例えばCR1)は、前記入力回転より減速された減速回転によって回転されてなり、
前記油圧サーボ(40)による前記摩擦係合手段(26,36)の係合時にあって、前記入力側回転系(例えばCR1)の減速回転を前記駆動連結することによって前記ドラム部(20)より出力してなる、
請求項1記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図5参照)、前記低摩擦化手段は、前記スナップリング(50)の表面を被覆する固体潤滑剤からなる、
請求項1または2記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図5参照)、前記固体潤滑剤は、PTFE複合無電解Ni−P合金であり、
前記スナップリング(50)は、前記PTFE複合無電解Ni−P合金によりメッキされてなる、
請求項3記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項5に係る本発明は(例えば図1ないし図4及び図7ないし図13参照)、入力側回転系(例えばCR1)と出力側回転系(例えばS3)との間に介在する摩擦係合手段(26,36)と、前記出力側回転系(例えばS3)に接続され、かつ前記摩擦係合手段(26,36)を介して前記入力側回転系(例えばCR1)に接続されるドラム部(20)と、前記ドラム部(20)に内包され、前記摩擦係合手段(26,36)の係脱を行うことによって前記入力側回転系(例えばCR1)と前記出力側回転系(例えばS3)との駆動連結を操作する油圧サーボ(40)と、前記ドラム部(20)に形成された溝部(24)に嵌合され、該ドラム部(20)に対して前記油圧サーボ(40)を軸方向に位置決めするスナップリング(例えば50)と、を備え、
前記ドラム部(20)が、前記摩擦係合手段(26,36)の解放時にあって、前記出力側回転系(例えばS3)に生じる、入力回転より増速された増速回転によって回転される自動変速機用クラッチ(C−1)において、
前記油圧サーボ(40)は、
前記ドラム部(20)に形成されたシリンダ部(20a)と、
前記ドラム部(20)に対して相対回転不能に配置されると共に、前記シリンダ部(20a)に対して軸方向に移動自在に配置され、該シリンダ部(20a)との間に供給される油圧に基づき前記摩擦係合手段(26,36)の係脱を行うピストン部材(例えば41)と、
前記ピストン部材(例えば41)を前記シリンダ部(20a)側に付勢する複数のリターンスプリング(42)と、
前記ピストン部材(例えば41)を付勢する前記リターンスプリング(42)の反力を受圧すると共に、前記スナップリング(例えば50)により前記ドラム部(20)に対して軸方向に位置決めされた支持プレート(例えば46)と、を有し、
前記支持プレート(例えば46)を前記ドラム部(20)に対して相対回転不能にする回り止め手段を備える、
ことを特徴とする自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項6に係る本発明は(例えば図1ないし図4及び図7ないし図13参照)、前記入力側回転系(例えばCR1)は、前記入力回転より減速された減速回転によって回転されてなり、
前記油圧サーボ(40)による前記摩擦係合手段(26,36)の係合時にあって、前記入力側回転系(例えばCR1)の減速回転を前記駆動連結することによって前記ドラム部(20)より出力してなる、
請求項5記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項7に係る本発明は(例えば図7参照)、前記ドラム部(20)は、内周側に軸状のボス部(23)を備え、
前記支持プレート(46)は、内周部が前記ボス部の外周部に嵌合されてなり、
前記回り止め手段は、前記ボス部(23)の外周部と前記支持プレート(46)の内周部とに形成され、それぞれ互いに嵌合する断面非円形状部からなる、
請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項8に係る本発明は(例えば図9参照)、前記ドラム部(20)は、内周側に軸状のボス部(23)を備え、
前記支持プレート(46)は、内周部が前記ボス部の外周部に嵌合されてなり、
前記回り止め手段は、前記ボス部(23)の外周部及び前記支持プレート(46)の内周部の、一方に形成された凸部(例えば46a)と、他方に形成されると共に該凸部(例えば46a)に嵌合する凹部(例えば23a)とからなる、
請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項9に係る本発明は(例えば図10及び図11参照)、前記複数のリターンスプリング(42)は、一端部(42a)が前記支持プレート(46)に相対回転不能に係着されてなり、
前記回り止め手段は、前記ピストン部材(41)に形成され、各前記リターンスプリング(42)の他端部(42b)を相対回転不能に支持する係合穴(41b)からなる、
請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項10に係る本発明は(例えば図12及び図13参照)、前記複数のリターンスプリング(42)は、一端部(42a)が前記支持プレート(46)に相対回転不能に係着されてなり、
前記油圧サーボ(40)は、前記複数のリターンスプリング(42)と前記ピストン部材(41)との間に、各前記リターンスプリング(42)の他端部を周方向に位置決めする環状のスプリングリテーナ(43)を有し、
前記回り止め手段は、前記スプリングリテーナ(43)及び前記ピストン部材(41)の、一方に形成された凸部(例えば43a)と、他方に形成されると共に該凸部(例えば43a)に嵌合する凹部(例えば41d)とからなる、
請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項11に係る本発明は(例えば図1及び図10ないし図12参照)、前記支持プレート(例えば46)は、前記ピストン部材(例えば41)との間に遠心油圧のキャンセル油室(32)を形成するキャンセルプレート(例えば46)であり、
前記キャンセルプレート(例えば46)と前記複数のリターンスプリング(42)の一端部との間の摩擦抵抗を高くする高摩擦化手段(例えば47a)を備える、
請求項5ないし10のいずれか記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項12に係る本発明は(例えば図10及び図11参照)、前記油圧サーボ(40)は、前記キャンセルプレート(46)と前記ピストン部材(41)との間をシールするシール部材(47)を有し、
前記シール部材(47)は、前記キャンセルプレート(46)と前記複数のリターンスプリング(42)の一端部との間に介在するように延設された延設部(47a)を備え、
前記高摩擦化手段は、前記延設部からなる、
請求項11記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項13に係る本発明は(例えば図8参照)、前記スナップリング(50)及び前記支持プレート(46)の、一方に形成された突起部(50b)と、他方に形成されると共に該突起部(50b)に嵌合する嵌合部(46d)とを有し、
前記突起部(50b)及び前記嵌合部(46d)の嵌合により、前記スナップリング(50)が前記支持プレート(46)に対して相対回転不能に構成されてなる、
請求項5ないし12のいずれか記載の自動変速機用クラッチ(C−1)にある。
請求項14に係る本発明は(例えば図2及び図3参照)、入力軸(70,71)の入力回転を減速した減速回転を減速回転要素から出力する減速プラネタリギヤ(SP)と、
第1のクラッチ(C−1)の係合により前記減速プラネタリギヤ(SP)からの減速回転を入力する第1回転要素(S3)と、第3のクラッチ(C−3)の係合により前記減速プラネタリギヤ(SP)からの減速回転を入力し、かつ第1の係止手段(B−1)の係止により回転が固定される第2回転要素(S2)と、第2の係止手段(B−2,F−1)の係止により回転が固定され、かつ第2のクラッチ(C−2)の係合により前記入力軸(70,71)の入力回転を入力する第3回転要素(CR2)と、出力回転要素(100)に回転連結される第4回転要素(R2)と、を有するプラネタリギヤセット(PU)と、を備え、
前記請求項1ないし13のいずれか記載の自動変速機用クラッチ(C−1)を、前記入力側回転系(例えばCR1)が前記減速回転要素となり、かつ前記出力側回転系(例えばS3)が前記第1回転要素となる前記第1のクラッチとして備えた、
ことを特徴とする自動変速機(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、スナップリングとドラム部の溝部との間の摩擦抵抗を低くする低摩擦化手段を備えたので、スナップリングとドラム部との間に相対回転を生じる場合でも、該スナップリングと該ドラム部の溝部との間の磨耗を防止することができ、自動変速機用クラッチの耐久性の向上を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、自動変速機用クラッチは、係合時にあって、前記入力側回転系の減速回転を前記駆動連結することによってドラム部より出力するクラッチであるので、伝達トルク容量を大きくするために油圧サーボの構成部材の肉厚を厚く形成する必要があるため、増速回転が入力される空転状態にあって大きな慣性力が生じて、スナップリングとドラム部との間に相対回転が生じ易くなるが、上記低摩擦化手段によりスナップリングとドラム部の溝部との間の磨耗を防止することができるので、このような減速回転を伝達する自動変速機用クラッチにあっても耐久性の向上を図ることができる。
請求項3に係る本発明によると、低摩擦化手段は、スナップリングの表面を被覆する固体潤滑剤からなるので、例えばドラム部の溝部に特殊な加工を施す場合に比して容易な加工とすることができ、自動変速機用クラッチの製造工程の簡素化を図ることができる。
請求項4に係る本発明によると、固体潤滑剤は、PTFE複合無電解Ni−P合金であり、スナップリングは、該PTFE複合無電解Ni−P合金によりメッキされてなるので、安価に製造することができ、自動変速機用クラッチのコストダウンを図ることができる。
請求項5に係る本発明によると、油圧サーボの支持プレートをドラム部に対して相対回転不能にする回り止め手段を備えるので、該支持プレートとドラム部に形成された溝部とが相対回転不能となり、スナップリングのドラム部に対する相対回転の防止を図ることができて、スナップリングと溝部との磨耗を防止することができ、自動変速機用クラッチの耐久性の向上を図ることができる。
請求項6に係る本発明によると、自動変速機用クラッチは、係合時にあって、前記入力側回転系の減速回転を前記駆動連結することによって伝達してドラム部より出力するクラッチであるので、伝達トルク容量を大きくするために油圧サーボの構成部材の肉厚を厚く形成する必要があるため、増速回転が入力される空転状態にあって大きな慣性力が生じて、スナップリングとドラム部との間に相対回転が生じ易くなるが、上記回り止め手段によりスナップリングのドラム部に対する相対回転の防止を図ることができるので、このような減速回転を伝達する自動変速機用クラッチにあっても耐久性の向上を図ることができる。
請求項7に係る本発明によると、回り止め手段は、ドラム部のボス部の外周部と支持プレートの内周部とに形成され、それぞれ互いに嵌合する断面非円形状部からなるので、該ドラム部と該支持プレートとを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリングのドラム部に対する相対回転の防止を図ることができる。また、回り止めをするための別部材を不要とし、コストアップの防止を図ることができると共に、簡単な加工によって回り止め手段を構成することができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
請求項8に係る本発明によると、回り止め手段は、ドラム部のボス部の外周部及び支持プレートの内周部の、一方に形成された凸部と、他方に形成されると共に該凸部に嵌合する凹部とからなるので、該凸部と該凹部とを嵌合させることで、ドラム部と支持プレートとを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリングのドラム部に対する相対回転の防止を図ることができる。また、回り止めをするための別部材を不要とし、コストアップの防止を図ることができると共に、回り止めの精度を向上させることができる。
請求項9に係る本発明によると、複数のリターンスプリングは、一端部が支持プレートに相対回転不能に係着されてなり、回り止め手段は、ピストン部材に形成され、各リターンスプリングの他端部を相対回転不能に支持する係合穴からなるので、ドラム部に対して回転不能に配置されたピストン部材と各リターンスプリングとを相対回転不能とすることができ、即ち、リターンスプリングを介して支持プレートとドラム部とを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリングのドラム部に対する相対回転の防止を図ることができる。また、スプリングリテーナを不要とすることができ、部品点数の減少を図ることができる。
請求項10に係る本発明によると、油圧サーボは、複数のリターンスプリングとピストン部材との間に、各リターンスプリングの他端部を周方向に位置決めする環状のスプリングリテーナを有し、回り止め手段は、スプリングリテーナ及びピストン部材の、一方に形成された凸部と、他方に形成されると共に該凸部に嵌合する凹部とからなるので、該凸部と該凹部とが嵌合させることでドラム部に対して回転不能に配置されたピストン部材とスプリングリテーナとを相対回転不能とすることができ、即ち、リターンスプリングを介して支持プレートとドラム部とを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリングのドラム部に対する相対回転の防止を図ることができる。また、ピストン部材に係合穴を形成する場合に比して、該ピストン部材の加工を簡単なものとすることができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
請求項11に係る本発明によると、キャンセルプレートと複数のリターンスプリングの一端部との間の摩擦抵抗を高くする高摩擦化手段を備えたので、リターンスプリングとキャンセルプレートとの係着の強化を図ることができ、キャンセルプレートとドラム部とをより強固に相対回転不能とすることができる。
請求項12に係る本発明によると、油圧サーボは、キャンセルプレートとピストン部材との間をシールするシール部材を有し、該シール部材は、該キャンセルプレートと複数のリターンスプリングの一端部との間に介在するように延設された延設部を備え、高摩擦化手段は、該延設部からなるので、例えばリターンスプリングとキャンセルプレートを直接係着させる場合に比して係着の強化を図ることができ、それによって、キャンセルプレートとドラム部とをより強固に相対回転不能とすることができる。
請求項13に係る本発明によると、スナップリング及び支持プレートの、一方に形成された突起部と、他方に形成されると共に該突起部に嵌合する嵌合部とを有し、突起部及び嵌合部の嵌合により、該スナップリングが該支持プレートに対して相対回転不能に構成されてなるので、該支持プレートに対して該スナップリングを相対回転不能とすることができ、スナップリングとドラム部との相対回転防止をより強くすることができる。
請求項14に係る本発明によると、例えば前進6速段及び後進1速段を達成するものにあって、解放時に増速回転が入力されて空転する第1のクラッチの耐久性の向上を図ることができ、つまり自動変速機の耐久性の向上を図ることができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。
まず、本発明を適用し得る自動変速機1の概略構成について図2に沿って説明する。図2に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両に用いて好適な自動変速機1は、不図示のエンジンに接続し得る自動変速機の入力軸10を有しており、該入力軸10の軸方向を中心としてトルクコンバータ11と、変速機構2とを備えている。
上記トルクコンバータ11は、自動変速機1の入力軸10に接続されたポンプインペラ11aと、作動流体を介して該ポンプインペラ11aの回転が伝達されるタービンランナ11bとを有しており、該タービンランナ11bは、上記入力軸10と同軸上に配設された上記変速機構2の入力軸(回転軸)70に接続されている。また、該トルクコンバータ11には、ロックアップクラッチ13が備えられており、該ロックアップクラッチ13が不図示の油圧制御装置の油圧制御によって係合されると、上記自動変速機1の入力軸10の回転が変速機構2の入力軸70に直接伝達される。
上記変速機構2には、入力軸70上において、プラネタリギヤ(減速プラネタリギヤ)SPと、プラネタリギヤユニット(プラネタリギヤセット)PUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤ(入力側回転系)CR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤ(第2回転要素)S2、サンギヤ(第1回転要素、出力側回転系)S3、キャリヤ(第3回転要素)CR2、及びリングギヤ(第4回転要素)R2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、不図示のミッションケースに一体的に固定されている不図示のボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸70の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、(第1の)クラッチC−1及び(第3の)クラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、ブレーキB−1(第1係止手段)に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、中間軸71を介して入力軸70の回転が入力される(第2の)クラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2(第2係止手段)に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、不図示の駆動車輪に回転を出力する出力ギヤ(出力回転要素)100に接続されている。
つづいて、上記構成に基づき、変速機構2の作用について図2、図3及び図4に沿って説明する。なお、図4に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、横方向最端部(図4中左方側)の縦軸はサンギヤS1に、以降図中右方側へ順に縦軸は、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、横方向最端部(図4中右方側)の縦軸はサンギヤS3に、以降図中左方側へ順に縦軸はリングギヤR2、キャリヤCR2、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1ST)では、図3に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転が出力ギヤ100から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2ND)では、図3に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を解してサンギヤS3に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転が出力ギヤ100から出力される。
前進3速段(3TH)では、図3に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−3の係合によりキャリヤCR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転が出力ギヤ100から出力される。
前進4速段(4TH)では、図3に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−2に係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進3速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転が出力ギヤ100から出力される。
前進5速段(5TH)では、図3に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転が出力ギヤ100から出力される。
前進6速段(6TH)では、図3に示すように、クラッチC−2が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図2及び図4に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進5速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転が出力ギヤ100から出力される。
後進1速段(REV)では、図3に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−2が係止される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転が出力ギヤ100から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、及びクラッチC−3、が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となる。また、入力軸70(中間軸71)とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸70とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸70と出力ギヤ100との動力伝達が切断状態となる。
次に、本第1の実施の形態に係るクラッチC−1(自動変速機用クラッチ)について、図1に沿って説明する。
クラッチC−1は、図1に示すように、大まかに、入力軸70に対して回転自在に支持されたクラッチドラム(ドラム部)20と、該クラッチドラム20に内包された油圧サーボ40と、該クラッチドラム20に対して該油圧サーボ40を軸方向に位置決めするスナップリング50とによって構成されている。
該クラッチドラム20は、内周側においてX1−X2方向に向けて形成された中空軸状のボス部23と、該ボス部23から略々径方向外周側へ延設されたフランジ状のフランジ部21とを有するインナドラム20Aと、該フランジ部21の外周側に一体的に固定され、該フランジ部21の外周側へさらに延設された延設部25と、該延設部25からX1方向側に延設された円筒状の円筒部22とを有するアウタドラム20Bを備えている。
上記インナドラム20Aのボス部23は、X2方向側端部において該X2方向側端部の内周面側に形成されたスプライン23sと、上記サンギヤS3と接続される連結部材76のスプライン76sとがスプライン係合しており、該スプライン23sのX1方向側においては円筒部材75が嵌合し、該円筒部材75はニードルベアリング73を介して入力軸70に対して回転自在に支持され、つまり該インナドラム20Aは入力軸70に対して回転自在に支持されている。また、該ボス部23のX1方向側端部付近の外周面には、詳しくは後述するスナップリング50が嵌合するスナップリング溝(溝部)24が設けられている。さらに、上記インナドラム20Aのフランジ部21は、X1方向側の端面に後述する油圧サーボ40を構成するシリンダ部20aが形成されている。なお、該ボス部23には、詳しくは後述する作動油室31に連通する油路33とキャンセル油室32に連通する油路(図示せず)とが形成されている。
一方、入力軸70には、該ボス部23のX1方向側にフランジ状のフランジ部70aが一体に形成されており、該フランジ部70aの径方向外周側には、中空円板状の円板部材72が該フランジ部70aに一体的に固定されている。該円板部材72の外周側端部には、上記プラネタリギヤSPのリングギヤR1が一体的に固定され、該リングギヤR1は、キャリヤCR1(図2参照)に一体的に接続されたピニオンシャフトP1Sに回転自在に支持されたピニオンP1と噛合している。該ピニオンP1は、入力軸70に対して径方向内周側となる部分において上記サンギヤS1と噛合しており、該サンギヤS1は、不図示のミッションケースに対して回転不能に固定された固定部材37とスプライン係合することで該ミッションケースに対して回転不能に配置され、ベアリング66などによってX1−X2方向に位置決めされている。また、該固定部材37は、ニードルベアリング65によって入力軸70を回転自在に支持している。そして、上記ボス部23は、X1方向側においてベアリング67を介して該フランジ部70aと、X2方向側においてベアリング68とによってX1−X2方向における位置決めがなされている。
上記アウタドラム20Bの円筒部22には、内周面側にスプライン22sが形成されており、複数の外摩擦板(摩擦係合手段)26とスプライン係合して該クラッチドラム20と一体回転するように構成されている。また、複数の該外摩擦板26は、スナップリング27によって抜け止めされている。さらに、複数の該外摩擦板26に対して交互に並ぶように配置された複数の内摩擦板(摩擦係合手段)36は、上述したプラネタリギヤSPのキャリヤCR1に接続されたハブ部材35に、該ハブ部材35のスプライン35sによって係合している。なお、該ハブ部材35のスプライン35sは、クラッチC−3の内摩擦板ともスプライン係合している。
一方、該アウタドラム20Bの円筒部22の外周側には、バンドブレーキ型に構成された上記ブレーキB−1のブレーキドラム62が配置されている。該ブレーキドラム62は、X1方向側において上記クラッチC−3のクラッチドラムと接続されており、X2方向側において上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2に接続する連結部材61と接続されている。
上記油圧サーボ40は、ピストン部材41、キャンセルプレート(支持プレート)46、及びリターンスプリング42によって構成されている。
上記ピストン部材41は、概ね上記クラッチドラム20の形状に合せてX1方向側に内包される形状に形成されており、上述のシリンダ部20aに対向して該クラッチドラム20に対してX1−X2方向に摺動自在に配設されている。該シリンダ部20aと該ピストン部材41との間には、シールリング28,29が配設されており、これらシールリング28,29によってシールされて作動油室31が形成されている。また、該ピストン部材41は、径方向外周側の端部が摩擦板26を押圧するための押圧部41aとして形成されており、つまり上記作動油室31の油圧に基づき摩擦板26を押圧し得るように構成されている。さらに、該押圧部41aの外周側端部、つまり該ピストン部材41の外縁部41cは、内スプライン形状に形成され、上記アウタドラム20Bのスプライン22sとスプライン係合しており、即ち、該クラッチドラム20と該ピストン部材41は、相対回転不能に構成されている。
上記キャンセルプレート46は、ピストン部材41よりX1方向側にあって、中空円板状に形成されており、内周側がクラッチドラム20のボス部23に嵌合し、外周側がピストン部材41の外周部分の内周面に嵌合するように配設されている。また、該キャンセルプレート46の内周端部は、該クラッチドラム20のボス部23に嵌合された、後述するスナップリング50によってX1方向側への移動が規制されている。さらに、該キャンセルプレート46のスナップリング50の当接する側(図1中X1方向側)には、該スナップリング50が組付けられた際に該スナップリング50の外周縁部に位置する部分に、該スナップリング50の外れ止めとなる突出部46cが配置されている。該ピストン部材41と該キャンセルプレート46の外周端部との間には、シールリップ(シール部材)47が配設されており、該シールリップ47と、上記ピストン部材41及びボス部23の間のシールリング28とによってシールされて、上記作動油室31の遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室32が形成されている。
上記リターンスプリング42は、コイル状のスプリングからなり、上述したピストン部材41とキャンセルプレート46との間に、周方向均等な位置に複数縮設され、該キャンセルプレート46の反力を受けて該ピストン部材41を上記シリンダ部20a側に付勢している。また、該リターンスプリング42のX1方向側端部42aは、座金45に固定されており、このリターンスプリング42を取付けた座金45が、上記シールリップ47を接着する際にキャンセルプレート46全体を接着剤に浸して塗布されているため、キャンセルプレート46のX2方向側に該接着剤により固着(着座)されている。さらに、リターンスプリング42の、該端部42aの反対側の端部42bは、スプリングリテーナ43を介して該ピストン部材41に係着(着座)されている。
そして、上記スナップリング50は、図5(a)、図5(b)に示すように、切欠部50aを有する略々中空円板状に形成されており、上記インナドラム20Aのボス部23の内周面に設けられたスナップリング溝24に嵌合される。これにより、キャンセルプレート46がリターンスプリング42の付勢によってX1方向に押圧されつつ位置決めされ、つまり油圧サーボ40がクラッチドラム20に対してX1方向に対して位置決めされている。
ついで、クラッチC−1の作用について説明する。クラッチC−1の油圧サーボ40において、例えばオイルポンプ(不図示)の作用に基づいた油圧を油圧制御装置(不図示)によって調圧された作動油が、作動油室31に油路33を通じて供給され作動油圧が生じると、ピストン部材41がリターンスプリング42の付勢力に反してX1方向に押圧駆動され、該ピストン部材41の押圧部41aが上述した複数の摩擦板26をX1方向に押圧し、クラッチC−1が係合状態とされる。また、作動油室31より作動油圧が油路33を通じて排出されると、該作動油室31の遠心油圧がキャンセル油室32の遠心油圧によりキャンセルされると共に、リターンスプリング42の付勢力によってピストン部材41がX2方向に押圧されて、該クラッチC−1は解放状態とされる。つまり、キャリヤCR1とサンギヤS3との間に介在する外摩擦板26及び内摩擦板36を油圧サーボ40の作用によって係合・解放することにより、該キャリヤCR1と該サンギヤS3との駆動連結を操作している。
このように係合・解放されるクラッチC−1は、上述したように前進1速段から前進4速段において、係合状態とされ、キャリヤCR1の減速回転を伝達しており、前進5速段及び前進6速段において、解放状態とされ、プラネタリギヤユニットPUにおけるサンギヤS3と同回転で空転状態となる。このため、該クラッチC−1は、減速したためにトルクの増加した回転を伝達するための伝達トルク容量を大きくするのに伴い、該クラッチC−1の摩擦板26を強く押圧するために高圧となった供給油圧により、力のかかる部材、特にピストン部材41、リターンスプリング42、キャンセルプレート46等は、充分な剛性を確保するために肉厚が厚く形成されている。また、前進5速段及び前進6速段において、増速回転によって空転させられるため、肉厚が厚く形成されたピストン部材41、リターンスプリング42、キャンセルプレート46等に大きな慣性力が生じることになる。
これにより、本第1の実施の形態に係るクラッチC−1においては、特に上記空転状態にあって、ピストン部材41が該ピストン部材41の外縁部41cにおいてクラッチドラム20のスプライン22sにスプライン係合して相対回転不能となっているものの、リターンスプリング42とピストン部材41との間、詳細にはスプリングリテーナ43とピストン部材41との間が摺動するため、リターンスプリング42及びキャンセルプレート46がクラッチドラム20に対して相対回転する。
そこで、上記スナップリング50には、固体潤滑剤としてPTFE複合無電解Ni−P合金を表面にメッキ(被覆)し(低摩擦化手段)、該スナップリング50の表面の摩擦係数を低下させている。詳しくは、図5(c)に示すように、該スナップリング50に対してPTFE複合無電解Ni−P合金メッキが未処理の場合には、摩擦家数がμ9(例えば0.18)となり、該PTFE複合無電解Ni−P合金メッキが処理済の場合には、摩擦係数がμ7(例えば0.14)となっており、該スナップリング50は、該固定潤滑剤をメッキすることにより摩擦係数を低下させている。これにより、上述のようにインナドラム20Aのボス部23とキャンセルプレート46との間に相対回転が生じた際にも、特に該スナップリング50は、該PTFE複合無電解Ni−P合金メッキの作用により該スナップリング溝24上で滑ることで該スナップリング溝24の磨耗を防止している。
以上のように本発明の第1の実施の形態に係るクラッチC−1によると、スナップリング50とクラッチドラム20のスナップリング溝24との間の摩擦抵抗を低くする低摩擦化手段を備えたので、スナップリング50とクラッチドラム20との間に相対回転を生じる場合でも、該スナップリング50と該クラッチドラム20のスナップリング溝24との間の磨耗を防止することができ、クラッチC−1の耐久性の向上を図ることができる。
また、クラッチC−1は、係合時にあって、前記入力側回転系の減速回転を前記駆動連結することによってクラッチドラム20より出力するクラッチであるので、伝達トルク容量を大きくするために油圧サーボ40の構成部材の肉厚を厚く形成する必要があるため、増速回転が入力される空転状態にあって大きな慣性力が生じて、スナップリング50とクラッチドラム20との間に相対回転が生じ易くなるが、上記低摩擦化手段によりスナップリング50とクラッチドラム20の溝24との間の磨耗を防止することができるので、このような減速回転を伝達するクラッチC−1にあっても耐久性の向上を図ることができる。
また、低摩擦化手段は、スナップリング50の表面を被覆する固体潤滑剤からなるので、例えばクラッチドラム20のスナップリング溝24に特殊な加工を施す場合に比して容易な加工とすることができ、クラッチC−1の製造工程の簡素化を図ることができる。
また、固体潤滑剤は、PTFE複合無電解Ni−P合金であり、スナップリング50は、該PTFE複合無電解Ni−P合金によりメッキされてなるので、安価に製造することができ、クラッチC−1のコストダウンを図ることができる。
また、例えば前進6速段及び後進1速段を達成するものにあって、解放時に増速回転が入力されて空転するクラッチC−1の耐久性の向上を図ることができ、つまり自動変速機1の耐久性の向上を図ることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を図6に沿って説明する。なお、本第2の実施の形態においては、一部の変更を除き、第1の実施の形態と同様な部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第2の実施の形態に係るクラッチC−1は、第1の実施の形態に比して、クラッチドラム20のインナドラム20Aのスナップリング溝24部分に窒化処理を施したものである。該クラッチドラム20のインナドラム20Aのスナップリング溝24は、図6(a)、図6(b)に示すように、該スナップリング溝24部分において、窒化処理を施すことにより硬度を高くする。詳しくは、図6(c)に示すように、該スナップリング溝24部分において、窒化処理を施す前は、HV2付近からHV3付近(例えば約200HVから約300HV)であるのに対し、窒化処理を施した後は、HV4付近からHV7付近(例えば約400HVから約700HV)まで硬度が強化しており、該スナップリング溝24部分は、例えば例えば500HV程度のSS材等の比較的硬度の高い材質で形成されたスナップリング50と同程度の硬度にされている。
これにより、該スナップリング溝24部分をスナップリング50の硬度と同程度の硬度とすることができ、該スナップリング溝24に対して該スナップリング50に相対回転が生じる場合にも、該スナップリング溝24と該スナップリング50との間の磨耗を防止することができ、クラッチC−1の耐久性の向上を図ることができる。
なお、本第2の実施の形態においては、この他の構成、作用、及び効果は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を図7及び図8に沿って説明する。なお、本第3の実施の形態においては、一部の変更を除き、第1及び第2の実施の形態と同様な部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第3の実施の形態に係るクラッチC−1は、第1及び第2の実施の形態に比して、キャンセルプレート46とインナドラム20Aとの嵌合部分の形状を変更し、回り止め手段を備えたものである。キャンセルプレート46は、図7(a)、図7(b)に示すように、後述のボス部23の外周側に嵌合するために中空円板状に形成されており、その中空状の内周面には、周方向均等な4箇所に平面部46aが備えられ、つまりキャンセルプレート46の内周面は、断面形状が非円形状に形成されている。
一方、インナドラム20Aは、図7(c)、図7(d)に示すように、キャンセルプレート46と嵌合するボス部23の外周面に、4箇所の平面部23aを備えており、つまりインナドラム20Aのボス部23の外周面は、上記キャンセルプレート46の内周面と同形状となる非円形状に形成されている。
即ち、キャンセルプレート46の内周面とボス部23の外周面とによって断面非円形状部からなる回り止め手段が構成され、つまりキャンセルプレート46の平面部46aとインナドラム20Aの平面部23aとを噛合わせて嵌合させることで、キャンセルプレート46は、インナドラム20Aに対して相対回転不能とさせることができる。
また、キャンセルプレート46は、X2方向側面に、上記リターンスプリング42のX1方向側端部42aを固定した座金45を接着剤により固着(着座)させることで、高摩擦化手段を構成しており、該キャンセルプレート46と複数のリターンスプリング42の一端部との間の摩擦係数を高くすることができ、より強固に相対回転不能とすることができる。
また、本第3の実施の形態において、スナップリング50は、図8(a)、図8(b)に示すように、C字状部50cに対し、C字状の端部の外周側から突出した2箇所の突起部50bが形成されており、それら2箇所の突起部50bの間には、切欠部50aが形成されている。
さらに、該キャンセルプレート46のスナップリング50の当接する側(図7(a)中右方側)(図1中X1方向側)には、該スナップリング50が組付けられた際に該スナップリング50の外周縁部に位置する部分にあって、該平面部46aと周方向位置において対応する部分に、該スナップリング50の外れ止めとなる突出部46cが配置されており、それら突出部46cの間には、穴部46bが形成されている。
これにより、図8(c)に示すように、スナップリング50の2箇所の突起部50bを上記キャンセルプレート46に配置された突出部46c同士の間隔46d、つまり穴部46bの位置に嵌合させることで、スナップリング50は、キャンセルプレート46に対して相対回転不能とさせることができる。
以上のように本発明の第3の実施の形態に係るクラッチC−1によると、油圧サーボ40のキャンセルプレート46をドラム部20に対して相対回転不能にする回り止め手段を備えるので、該キャンセルプレート46とクラッチドラム20に形成されたスナップリング溝24とが相対回転不能となり、スナップリング50のクラッチドラム20に対する相対回転の防止を図ることができて、スナップリング50とスナップリング溝24との磨耗を防止することができ、クラッチC−1の耐久性の向上を図ることができる。
また、クラッチC−1は、係合時にあって、前記入力側回転系の減速回転を前記駆動連結することによってクラッチドラム20より出力するクラッチであるので、伝達トルク容量を大きくするために油圧サーボ40の構成部材の肉厚を厚く形成する必要があるため、増速回転が入力される空転状態にあって大きな慣性力が生じて、スナップリング50とクラッチドラム20との間に相対回転が生じ易くなるが、上記回り止め手段によりスナップリング50のクラッチドラム20に対する相対回転の防止を図ることができるので、このような減速回転を伝達するクラッチC−1にあっても耐久性の向上を図ることができる。
また、回り止め手段は、クラッチドラム20のボス部23aの外周部とキャンセルプレート46の内周部とに形成され、それぞれ互いに嵌合する断面非円形状部からなるので、該クラッチドラム20と該キャンセルプレート46とを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリング50のクラッチドラム20に対する相対回転の防止を図ることができる。また、回り止めをするための別部材を不要とし、コストアップの防止を図ることができると共に、簡単な加工によって回り止め手段を構成することができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
また、キャンセルプレート46と複数のリターンスプリング42の一端部との間の摩擦抵抗を高くする高摩擦化手段を備えたので、リターンスプリング42とキャンセルプレート46との係着の強化を図ることができ、キャンセルプレート46とクラッチドラム20とをより強固に相対回転不能とすることができる。
また、スナップリング50及びキャンセルプレート46の、該スナップリング50に形成された突起部50bと、該キャンセルプレート46に形成されると共に該突起部50bに嵌合する間隔46dとを有し、該突起部50b及び該間隔46dの嵌合により、該スナップリング50が該キャンセルプレート46に対して相対回転不能に構成されてなるので、該キャンセルプレート46に対して該スナップリング50bを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリング50とクラッチドラム20との相対回転防止をより強くすることができる。
また、例えば前進6速段及び後進1速段を達成するものにあって、解放時に増速回転が入力されて空転するクラッチC−1の耐久性の向上を図ることができ、つまり自動変速機1の耐久性の向上を図ることができる。
なお、本第3の実施の形態においては、この他の構成及び作用は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
なお、以上説明した第3の実施の形態に係るクラッチC−1は、スナップリング50の突起部50bを突起部、キャンセルプレート46の突出部46c同士の間隔46dを嵌合部として、該突起部50b及び該間隔46dの嵌合により、該スナップリング50と該キャンセルプレート46とが回り止めされている説明したが、例えば突起部が該キャンセルプレート46に形成され、嵌合部が該スナップリング50の突起部50bの間に形成される切欠部50aとしてもよく、突起部と嵌合部とが嵌合し得るように備えられていればどちらに備えられていても構わない。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態を図9に沿って説明する。なお、本第4の実施の形態においては、一部の変更を除き、第3の実施の形態と同様な部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第4の実施の形態に係るクラッチC−1は、第3の実施の形態に比して、キャンセルプレート46とインナドラム20Aとの嵌合部分の形状を変更し、回り止め手段を備えたものである。キャンセルプレート46は、図9(a)、図9(b)に示すように、後述のボス部23aに嵌合するために中空円板状に形成されており、その中空状の内周面には、周方向均等な4箇所に凸部46aを備えられ、該キャンセルプレート46のスナップリング50の当接する側(図9(a)中右方側)の内周側で該凸部46aに対応した部分に配置された突出部46cと、該突出部46cの間に配置された穴部46bとを備えている。
一方、インナドラム20Aは、図9(c)、図9(d)に示すように、キャンセルプレート46と嵌合するボス部23aの外周面に、周方向均等な4箇所に凹部23aを備えており、つまりインナドラム20Aのボス部23aの外周面は、上記キャンセルプレート46の内周面と嵌合し得る同形状に形成されている。
即ち、キャンセルプレート46の内周面とボス部23aの外周面とによって凸部と凹部とからなる回り止め手段が構成され、つまりキャンセルプレート46の凸部46aとインナドラム20A凹部23aとを噛合わせて嵌合させることで、キャンセルプレート46は、インナドラム20Aに対して相対回転不能とさせることができる。
以上のように本発明の第4の実施の形態に係るクラッチC−1によると、回り止め手段は、クラッチドラム20のボス部23aの外周部及びキャンセルプレート46の内周部の、該キャンセルプレート46に形成された凸部46aと、ボス部23に形成されると共に該凸部46aに嵌合する凹部23aとからなるので、該凸部46aと該凹部23aとを嵌合させることで、クラッチドラム20とキャンセルプレート46とを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリング50のクラッチドラム20に対する相対回転の防止を図ることができる。また、回り止めをするための別部材を不要とし、コストアップの防止を図ることができると共に、回り止めの精度を向上させることができる。
なお、以上説明した第4の実施の形態に係るクラッチC−1は、キャンセルプレート46とインナドラム20Aとの回り止め手段を、凸部が該キャンセルプレート46の凸部46a、凹部が該インナドラム20Aの凹部23aとして説明したが、例えば該キャンセルプレート46側に凹部、該インナドラム20A側に凸部を備えていてもよく、凸部と凹部とが嵌合し得るように備えられていればどちらに備えられていても構わない。
また、以上説明した第4の実施の形態に係るクラッチC−1は、第3の実施の形態で説明した、突出部46c同士の間隔46dを有するキャンセルプレート46と突起部50bを有するスナップリング50を備え、該突起部50b及び該間隔46dの嵌合により、該スナップリング50が該キャンセルプレート46に対して相対回転不能となるように構成してもよいことは勿論である。
なお、本第4の実施の形態においては、この他の構成、作用、及び効果は第3の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態を図10及び図11に沿って説明する。なお、本第5の実施の形態においては、一部の変更を除き、第3の実施の形態と同様な部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第5の実施の形態に係るクラッチC−1は、第3及び第4の実施の形態に比して、ピストン部材41とシールリップ47の形状を変更し、回り止め手段を備えたものである。ピストン部材41は、図10、図11(a)及び図11(b)に示すように、X1方向側のリターンスプリング42が係着する部分において、該リターンスプリング42の外径と略々同径に形成され、該リターンスプリング42のX2方向側の端部42bを周方向に把持し得る係合穴41bを備えており、また、該係合穴41bは、複数のリターンスプリング42のすべてに対応して形成されている。つまり、本第5の実施の形態に係るリターンスプリング42は、周方向均等に22本配置されているので、該係合穴41bも周方向均等に22箇所に形成されている。
一方、シールリップ47は、図10、図11(c)及び図11(d)に示すように、第1の実施の形態で説明したものに比して、キャンセルプレート46のX2方向側に沿って内周側に向かって延設させた延設部47aを備えており、上記リターンスプリング42の座金45と該キャンセルプレート46との間に介在している。
これにより、ピストン部材41の係合穴41bと上記リターンスプリング42のX2方向側の端部42bとからなる回り止め手段が構成され、つまり該ピストン部材41の係合穴41bと該上記リターンスプリング42のX2方向側の端部42bとを係合させることで、リターンスプリング42は、ピストン部材41に対して相対回転不能とさせることができる。また、該リターンスプリング42と該キャンセルプレート46とは、シールリップ47の延設部47aを介在させることにより、例えばリターンスプリング42とキャンセルプレート46を直接係着させる場合に比して係着の強化を図ることができ、該キャンセルプレート46は、該リターンスプリング42に対してより強固に相対回転不能とすることができる。即ち、該キャンセルプレート46は、該ピストン部材41と相対回転不能に構成されたクラッチドラム20に対して相対回転不能とさせることができる。そして、リターンスプリング42の付勢力によって押圧されたキャンセルプレート46によりスナップリング50が連れ回りされるような場合でも、該スナップリング50は、クラッチドラム20に対して相対回転し難くなっている。
以上のように本発明の第5の実施の形態に係るクラッチC−1によると、複数のリターンスプリング42は、一端部がキャンセルプレート46に相対回転不能に係着されてなり、回り止め手段は、ピストン部材41に形成され、各リターンスプリング42の他端部を相対回転不能に支持する係合穴41bからなるので、クラッチドラム20に対して回転不能に配置されたピストン部材41と各リターンスプリング42とを相対回転不能とすることができ、即ち、リターンスプリング42を介してキャンセルプレート46とクラッチドラム20とを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリング50のクラッチドラム20に対する相対回転の防止を図ることができる。また、スプリングリテーナを不要とすることができ、部品点数の減少を図ることができる。
また、油圧サーボ40は、キャンセルプレート46とピストン部材41との間をシールするシール部材47を有し、該シール部材47は、該キャンセルプレート46と複数のリターンスプリングの42一端部との間に介在するように延設された延設部47aを備え、該高摩擦化手段は、該延設部からなるので、例えばリターンスプリング42とキャンセルプレート46を直接係着させる場合に比して係着の強化を図ることができ、それによってキャンセルプレート46とクラッチドラム20とをより強固に相対回転不能とすることができる。
なお、以上説明した第5の実施の形態に係るクラッチC−1は、第4の実施の形態と同様に、第3の実施の形態で説明した、突出部46c同士の間隔46dを有するキャンセルプレート46と突起部50bを有するスナップリング50を備え、該突起部50b及び該間隔46dの嵌合により、該スナップリング50が該キャンセルプレート46に対して相対回転不能となるように構成してもよいことは勿論である。
なお、本第5の実施の形態においては、この他の構成、作用、及び効果は第3の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態を図12及び図13に沿って説明する。なお、本第6の実施の形態においては、一部の変更を除き、第3の実施の形態と同様な部分に、同符号を付して、その説明を省略する。
本第6の実施の形態に係るクラッチC−1は、第3及び第4の実施の形態に比して、ピストン部材41とスプリングリテーナ43の形状を変更し、回り止め手段を備えたものである。ピストン部材41は、図12、図13(a)及び図13(b)に示すように、X1方向側でリターンスプリング42の係着する部分の内周側部分に周方向均等な4箇所に凹部41dを備えている。
一方、スプリングリテーナ43は、図12、図13(c)及び図13(d)に示すように、中空円板状に形成された円板部43cと、該円板部43cの上記リターンスプリング42の配置位置に対応する位置に設けられた係合部43bと、上記凹部41dに対応する位置で該円板部43cの内周側に突出するように、該凹部41dに嵌合し得る4箇所の凸部43aとが備えられている。
即ち、ピストン部材41の凹部41dとスプリングリテーナ43の凸部43aとによって凸部と凹部とからなる回り止め手段が構成され、つまり該ピストン部材41の凹部41dと該スプリングリテーナ43の凸部43aとを噛合わせて嵌合させることで、スプリングリテーナ43は、ピストン部材41に対して相対回転不能とすることができる。即ち、リターンスプリング42を介してスプリングリテーナ43と一体に固定されているキャンセルプレート46は、ピストン部材41に対して相対回転不能とすることができる。
これにより、キャンセルプレート46は、クラッチドラム20に対して相対回転不能となり、リターンスプリング42の付勢力によって押圧されたキャンセルプレート46によりスナップリング50が連れ回りされるような場合でも、該スナップリング50は、クラッチドラム20に対して相対回転し難くなっている。
以上のように本発明の第6の実施の形態に係るクラッチC−1によると、油圧サーボ40は、複数のリターンスプリング42とピストン部材41との間に、各リターンスプリング42の他端部を周方向に位置決めする環状のスプリングリテーナ43を有し、回り止め手段は、スプリングリテーナ43及びピストン部材41の、該スプリングリテーナ43に形成された凸部43aと、該ピストン部材41に形成されると共に該凸部43aに嵌合する凹部41bとからなるので、該凸部43aと該凹部41dとが嵌合させることでクラッチドラム20に対して回転不能に配置されたピストン部材41とスプリングリテーナ43とを相対回転不能とすることができ、即ち、リターンスプリング42を介してキャンセルプレート46とクラッチドラム20とを相対回転不能とすることを可能とすることができ、スナップリング50のクラッチドラム20に対する相対回転の防止を図ることができる。また、ピストン部材に係合穴を形成し、回り止め手段とするものに比して、該ピストン部材の加工を簡単なものとすることができ、製造工程の簡素化を図ることができる。
なお、以上説明した第6の実施の形態に係るクラッチC−1は、ピストン部材41とスプリングリテーナ43との回り止め手段を、凸部が該スプリングリテーナ43の凸部43a、凹部が該ピストン部材41の凹部41dとして説明したが、例えば該スプリングリテーナ側に凹部、該ピストン部材側に凸部を備えていてもよく、凸部と凹部とが嵌合し得るように備えられていればどちらに備えられていても構わない。
また、以上説明した第6の実施の形態に係るクラッチC−1は、第4及び第5の実施の形態と同様に、第3の実施の形態で説明した、突出部46c同士の間隔46dを有するキャンセルプレート46と突起部50bを有するスナップリング50を備え、該突起部50b及び該間隔46dの嵌合により、該スナップリング50が該キャンセルプレート46に対して相対回転不能となるように構成してもよいことは勿論である。
なお、本第6の実施の形態においては、この他の構成、作用、及び効果は第3の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
なお、以上説明した第1ないし第6の実施の形態に係るクラッチC−1は、FFタイプの車輌に用いられる自動変速機用のクラッチとして説明したが、例えばFRタイプの車輌やハイブリッド駆動装置と組み合わされた自動変速機用のクラッチとしてもよく、解放時に増速回転が逆入力されるものであれば、どのような自動変速機であっても適用可能である。
また、以上説明した第1ないし第6の実施の形態において、本発明を適用し得るクラッチとして第1のクラッチC−1に適用し、つまり係合時に減速回転を伝達するクラッチに本発明を適用した例を説明したが、これに限らず、係合時に入力回転や増速回転を伝達するクラッチにも本発明を適用し得ることは、勿論のことである。
また、以上説明した第1ないし第6の実施の形態に係るクラッチC−1は、該クラッチC−1の解放時に逆入力される回転を、入力回転から増速する伝達装置としてラビニヨ型のプラネタリギヤとして説明したが、例えばシンプソン型のプラネタリギヤを用いてもよく、該クラッチC−1に接続され、該クラッチC−1の解放時に増速回転が逆入力されるものであれば、どのような伝達装置であっても適用可能である。
また、以上説明した第1ないし第6の実施の形態に係るクラッチC−1は、該クラッチC−1に減速回転を伝達する装置として、リングギヤ入力、キャリヤ出力のシングルピニオンプラネタリギヤとして説明したが、例えばキャリヤ入力、リングギヤ出力のダブルピニオンプラネタリギヤとしてもよく、該クラッチC−1に入力回転からの減速回転を伝達する装置であれば、どのような伝達装置であっても適用可能である。
第1の実施の形態に係るクラッチC−1を示す断面図。 自動変速機を示すスケルトン図。 自動変速機の作動表。 自動変速機の速度線図。 第1の実施の形態に係るスナップリングを示す図で(a)は断面図、(b)は正面図、(c)はメッキ処理の有無による摩擦係数の違いを示す図。 第2の実施の形態に係るインナドラムを示す図で(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は窒化処理の有無による硬度の違いを示す図。 第3の実施の形態に係る回り止め手段を示す図で(a)はキャンセルプレートの断面図、(b)はキャンセルプレートの正面図、(c)はインナドラムの断面図、(d)はインナドラムの正面図。 第3の実施の形態に係るスナップリングを示す図で(a)は断面図、(b)は正面図、(c)はキャンセルプレート、インナドラム、及びスナップリングを組付けた状態の正面図。 第4の実施の形態に係る回り止め手段を示す図で(a)はキャンセルプレートの断面図、(b)はキャンセルプレートの正面図、(c)はインナドラムの断面図、(d)はインナドラムの正面図。 第5の実施の形態に係るクラッチC−1を示す断面図。 第5の実施の形態に係る回り止め手段を示す図で(a)はピストン部材の断面図、(b)はピストン部材の正面図、(c)はキャンセルプレートの断面図、(d)はキャンセルプレートの正面図。 第6の実施の形態に係るクラッチC−1を示す断面図。 第6の実施の形態に係る回り止め手段を示す図で(a)はピストン部材の断面図、(b)はピストン部材の正面図、(c)はスプリングリテーナ及びリターンスプリングの断面図、(d)はスプリングリテーナ正面図。
符号の説明
20 ドラム部(クラッチドラム)
20a シリンダ部
23,23,23 ボス部
23a 凹部
24,24 溝部(スナップリング溝)
26,36 摩擦係合手段(摩擦板)
32 キャンセル油室
40 油圧サーボ
41,41,41 ピストン部材
41b 係合穴
41d 凹部
42 リターンスプリング
42a 一端部
42b 他端部
43,43 スプリングリテーナ
43a 凸部
46,46,46,46 支持プレート(キャンセルプレート)
46a 凸部
46b 突起部
46d 嵌合部
47,47 シール部材(シールリップ)
50,50 スナップリング
70 回転軸、入力軸
71 入力軸
100 出力回転要素(出力ギヤ)
SP 減速プラネタリギヤ
PU プラネタリギヤセット(プラネタリギヤユニット)
S2 第2回転要素(サンギヤ)
S3 第1回転要素、出力側回転系(サンギヤ)
CR1 入力側回転系(キャリヤ)
CR2 第3回転要素(キャリヤ)
R2 第4回転要素(リングギヤ)
C−1 自動変速機用クラッチ、第1のクラッチ
C−2 第2のクラッチ
C−3 第3のクラッチ
B−1 第1の係止手段(ブレーキ)
B−2 第2の係止手段(ブレーキ)
F−1 第2の係止手段(ワンウェイクラッチ)

Claims (14)

  1. 入力側回転系と出力側回転系との間に介在する摩擦係合手段と、前記出力側回転系に接続され、かつ前記摩擦係合手段を介して前記入力側回転系に接続されるドラム部と、前記ドラム部に内包され、前記摩擦係合手段の係脱を行うことによって前記入力側回転系と前記出力側回転系との駆動連結を操作する油圧サーボと、前記ドラム部に形成された溝部に嵌合され、該ドラム部に対して前記油圧サーボを軸方向に位置決めするスナップリングと、を備え、
    前記ドラム部が、前記摩擦係合手段の解放時にあって、前記出力側回転系に生じる、入力回転より増速された増速回転によって回転される自動変速機用クラッチにおいて、
    前記スナップリングと前記ドラム部の溝部との間の摩擦抵抗を低くする低摩擦化手段を備える、
    ことを特徴とする自動変速機用クラッチ。
  2. 前記入力側回転系は、前記入力回転より減速された減速回転によって回転されてなり、
    前記油圧サーボによる前記摩擦係合手段の係合時にあって、前記入力側回転系の減速回転を前記駆動連結することによって前記ドラム部より出力してなる、
    請求項1記載の自動変速機用クラッチ。
  3. 前記低摩擦化手段は、前記スナップリングの表面を被覆する固体潤滑剤からなる、
    請求項1または2記載の自動変速機用クラッチ。
  4. 前記固体潤滑剤は、PTFE複合無電解Ni−P合金であり、
    前記スナップリングは、前記PTFE複合無電解Ni−P合金によりメッキされてなる、
    請求項3記載の自動変速機用クラッチ。
  5. 入力側回転系と出力側回転系との間に介在する摩擦係合手段と、前記出力側回転系に接続され、かつ前記摩擦係合手段を介して前記入力側回転系に接続されるドラム部と、前記ドラム部に内包され、前記摩擦係合手段の係脱を行うことによって前記入力側回転系と前記出力側回転系との駆動連結を操作する油圧サーボと、前記ドラム部に形成された溝部に嵌合され、該ドラム部に対して前記油圧サーボを軸方向に位置決めするスナップリングと、を備え、
    前記ドラム部が、前記摩擦係合手段の解放時にあって、前記出力側回転系に生じる、入力回転より増速された増速回転によって回転される自動変速機用クラッチにおいて、
    前記油圧サーボは、
    前記ドラム部に形成されたシリンダ部と、
    前記ドラム部に対して相対回転不能に配置されると共に、前記シリンダ部に対して軸方向に移動自在に配置され、該シリンダ部との間に供給される油圧に基づき前記摩擦係合手段の係脱を行うピストン部材と、
    前記ピストン部材を前記シリンダ部側に付勢する複数のリターンスプリングと、
    前記ピストン部材を付勢する前記リターンスプリングの反力を受圧すると共に、前記スナップリングにより前記ドラム部に対して軸方向に位置決めされた支持プレートと、を有し、
    前記支持プレートを前記ドラム部に対して相対回転不能にする回り止め手段を備える、
    ことを特徴とする自動変速機用クラッチ。
  6. 前記入力側回転系は、前記入力回転より減速された減速回転によって回転されてなり、
    前記油圧サーボによる前記摩擦係合手段の係合時にあって、前記入力側回転系の減速回転を前記駆動連結することによって前記ドラム部より出力してなる、
    請求項5記載の自動変速機用クラッチ。
  7. 前記ドラム部は、内周側に軸状のボス部を備え、
    前記支持プレートは、内周部が前記ボス部の外周部に嵌合されてなり、
    前記回り止め手段は、前記ボス部の外周部と前記支持プレートの内周部とに形成され、それぞれ互いに嵌合する断面非円形状部からなる、
    請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ。
  8. 前記ドラム部は、内周側に軸状のボス部を備え、
    前記支持プレートは、内周部が前記ボス部の外周部に嵌合されてなり、
    前記回り止め手段は、前記ボス部の外周部及び前記支持プレートの内周部の、一方に形成された凸部と、他方に形成されると共に該凸部に嵌合する凹部とからなる、
    請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ。
  9. 前記複数のリターンスプリングは、一端部が前記支持プレートに相対回転不能に係着されてなり、
    前記回り止め手段は、前記ピストン部材に形成され、各前記リターンスプリングの他端部を相対回転不能に支持する係合穴からなる、
    請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ。
  10. 前記複数のリターンスプリングは、一端部が前記支持プレートに相対回転不能に係着されてなり、
    前記油圧サーボは、前記複数のリターンスプリングと前記ピストン部材との間に、各前記リターンスプリングの他端部を周方向に位置決めする環状のスプリングリテーナを有し、
    前記回り止め手段は、前記スプリングリテーナ及び前記ピストン部材の、一方に形成された凸部と、他方に形成されると共に該凸部に嵌合する凹部とからなる、
    請求項5または6記載の自動変速機用クラッチ。
  11. 前記支持プレートは、前記ピストン部材との間に遠心油圧のキャンセル油室を形成するキャンセルプレートであり、
    前記キャンセルプレートと前記複数のリターンスプリングの一端部との間の摩擦抵抗を高くする高摩擦化手段を備える、
    請求項5ないし10のいずれか記載の自動変速機用クラッチ。
  12. 前記油圧サーボは、前記キャンセルプレートと前記ピストン部材との間をシールするシール部材を有し、
    前記シール部材は、前記キャンセルプレートと前記複数のリターンスプリングの一端部との間に介在するように延設された延設部を備え、
    前記高摩擦化手段は、前記延設部からなる、
    請求項11記載の自動変速機用クラッチ。
  13. 前記スナップリング及び前記支持プレートの、一方に形成された突起部と、他方に形成されると共に該突起部に嵌合する嵌合部とを有し、
    前記突起部及び前記嵌合部の嵌合により、前記スナップリングが前記支持プレートに対して相対回転不能に構成されてなる、
    請求項5ないし12のいずれか記載の自動変速機用クラッチ。
  14. 入力軸の入力回転を減速した減速回転を減速回転要素から出力する減速プラネタリギヤと、
    第1のクラッチの係合により前記減速プラネタリギヤからの減速回転を入力する第1回転要素と、第3のクラッチの係合により前記減速プラネタリギヤからの減速回転を入力し、かつ第1の係止手段の係止により回転が固定される第2回転要素と、第2の係止手段の係止により回転が固定され、かつ第2のクラッチの係合により前記入力軸の入力回転を入力する第3回転要素と、出力回転要素に回転連結される第4回転要素と、を有するプラネタリギヤセットと、を備え、
    前記請求項1ないし13のいずれか記載の自動変速機用クラッチを、前記入力側回転系が前記減速回転要素となり、かつ前記出力側回転系が前記第1回転要素となる前記第1のクラッチとして備えた、
    ことを特徴とする自動変速機。
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