JP2008114708A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に無理なく容易な操舵操作を行わせること。
【解決手段】運転者が操舵操作を行う際に使用する操舵操作主体(ステアリングホイール本体21)と、この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材(グリップ22L,22R)と、この副操作部材の操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段(磁気情報読取部27及び磁気情報発生部28)と、運転者から操舵操作主体に対して入力された操舵力を検出する操舵力検出手段26と、副操作部材の変位と運転者による操舵操作主体に対しての操舵力を用いて操舵輪の目標転舵角θbaseを算出する目標転舵角算出手段(電子制御装置40)と、その目標転舵角θbaseとなるように操舵輪WL,WRを転舵させる車輪転舵角付与手段30と、を備えること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者によるステアリングホイールへの操舵操作に基づき求めた最適な転舵角となるように操舵輪を転舵させる操舵装置に関する。
従来、運転者によるステアリングホイールへの操舵操作量と車速などの車輌の走行状態とを総合的に判断し、これにより求めた最適な転舵角となるように操舵輪を転舵させる操舵装置が知られている。例えば、この種の操舵装置としては、ステアリングホイールと操舵輪との機械的な連結を切り離したものであって、運転者がステアリングホイールを操舵操作した際に電子制御装置(ECU)が目標転舵角を算出し、その目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる所謂ステアバイワイヤ方式の操舵装置が存在する。このステアバイワイヤ方式の操舵装置は、操舵輪を転舵させる為の電動モータ及びその駆動力の伝達機構が具備された車輪転舵角付与手段を有しており、目標転舵角となるよう電子制御装置が車輪転舵角付与手段に指示を与えて操舵輪を転舵させる。例えば、このようなステアバイワイヤ方式の操舵装置の一例としては、下記の特許文献1に開示されているものがある。
特開2004−196044号公報
ところで、一般に、運転者の操舵操作としては、ステアリングホイールの操舵角の如き運転者による操舵操作量の大きなものとステアリングホイールへの操舵トルクの如き運転者による操舵操作量の小さなものとがある。従って、従来の操舵装置においては、そのステアリングホイールの操舵角とステアリングホイールへの操舵トルクを検出し、これらと共にそのときの車輌の走行状態も加味して最適な目標転舵角を算出している。
しかしながら、その夫々の操舵操作は1つの回転系(左旋回時の操舵操作であればステアリングホイールの反時計回りの回転、右旋回時の操舵操作であればステアリングホイールの時計回りの回転)の中で行われるものであり、その内の何れか一方の操舵操作に合わせて転舵角などの転舵特性を設定すると、運転者は、その転舵特性に対応させて他方の操舵操作を行わなければならず、この他方の操舵操作を行い難くなる。
また、このような操舵操作時のステアリングホイールの回転の自由度が1自由度に拘束されている従来の操舵装置においては、両腕で操舵操作する際の各々の腕の操作軌跡が夫々に異なるものとなり、運転者の慣れに依存した不自然な動きを各々の腕に行わせる。例えば車庫入れや交差点での右左折時などのように低速で車輌を大きく旋回させる、即ち操舵輪を大きく転舵させる際に、運転者は、両腕を交差させながらステアリングホイールを持ち直して(所謂ステアリングホイールの切り返しを行って)操舵角を大きくしている。そして、このような人間の自然な動作とは言い難い動きは、長時間継続して運転したときの運転者の疲労の原因となり、また、所望の正確な操舵操作を行い難い原因ともなっている。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、運転者が無理なく容易に操舵操作を行うことのできる操舵装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、運転者が操舵操作を行う際に使用する操舵操作主体と、この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材と、この副操作部材の前記操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段と、運転者から操舵操作主体に対して入力された操舵力を検出する操舵力検出手段と、副操作部材の変位と運転者による操舵操作主体に対しての操舵力を用いて操舵輪の目標転舵角を算出する目標転舵角算出手段と、その目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、を備えている。
この請求項1記載の操舵装置においては、運転者による操舵トルク(捻れトルク)の入力と操舵角の入力を操舵操作主体と副操作部材とに分担させることができ、これにより、操舵操作する際の運転者の両腕の操作軌跡が人間の自然な動きの中で完結され、また、その各々の入力の自由度が高くなって、その入力に合わせた最適な操舵輪の転舵特性を簡便な操舵操作で発揮させることができる。また、この請求項1記載の操舵装置においては、その操舵トルクと操舵角とに夫々分担された転舵角を小さくすることができるので、少なくとも何れか一方を小さく操舵操作するだけで操舵輪に所望の転舵角を与えることができる。また、この請求項1記載の操舵装置においては、操舵操作主体を操舵操作し難いときにおいても、副操作部材を操舵操作することによって転舵角を大きくすることができる。例えば、その副操作部材の操舵操作によって切り増しが容易になる。
ここで、その請求項1記載の操舵装置における操舵力検出手段は、請求項2記載の発明の如く、操舵操作主体の環状部の円周方向に入力された力を検出するものである。例えば、その操舵力検出手段としては、ステアリングシャフトに掛かる捻れトルクの検出手段や、副操作部材と後述する副操作部材係止手段との間の圧電素子などが考えられる。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、運転者が操舵操作を行う際に使用する環状部を備えた操舵操作主体と、この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材と、この副操作部材の操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段と、その操舵操作主体の操舵角を検出する操舵角検出手段と、副操作部材の変位と操舵操作主体の操舵角を用いて操舵輪の目標転舵角を算出する目標転舵角算出手段と、その目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、を備えている。
この請求項3記載の操舵装置においては、運転者による操舵角の入力を操舵操作主体と副操作部材とに分担させることができる。従って、この請求項3記載の操舵装置は、上述した請求項1と同様の効果を得ることができる。
ところで、その請求項1,2又は3に記載の操舵装置における副操作部材は、請求項4記載の発明の如く、操舵操作主体の環状部上を円周方向へと移動できるよう構成することが好ましい。
また、その請求項1,2,3又は4に記載の操舵装置においては、請求項5記載の発明の如く、副操作部材を操舵操作主体上の初期位置に付勢させる反力発生手段を設けることが好ましい。
ここで、請求項6記載の発明の如く、その反力発生手段を副操作部材の操舵操作主体上における移動量が増すに従い反力が大きくなるものとし、副操作部材変位検出手段は、その反力発生手段から副操作部材への反力に応じて副操作部材の変位を求めるよう構成してもよい。
更に、その請求項1から6の内の何れか1つに記載の操舵装置における副操作部材は、請求項7記載の発明の如く、運転者の左手と右手用に夫々2つ設けることが好ましい。
この場合、目標転舵角算出手段は、請求項8記載の発明の如く、各副操作部材間の相対変位と操舵操作主体の操舵角を用いて目標転舵角の算出を行うよう構成する。これにより、左右の副操作部材が同時に動いたとしても、操舵操作主体上における正確な副操作部材の変位を知ることができる。
また、その請求項1から8の内の何れか1つに記載の操舵装置においては、請求項9記載の発明の如く、操舵操作主体上における副操作部材の可動範囲の一端にて当該副操作部材が係止される副操作部材係止手段を設けることが好ましい。これにより、運転者は、ステアリングセンタで操舵操作主体を副操作部材と共に保持しているときに、その副操作部材を無意識のうちに下へと引き下げずに済み、不用意な操舵輪の転舵を回避することができる。
この場合、操舵操作主体と副操作部材は、請求項10記載の発明の如く、副操作部材が副操作部材係止手段によって係止されているときに運転者が当該操舵操作主体と副操作部材の双方を操作できるような位置関係に配置することが好ましい。これにより、運転者は、操舵操作主体と副操作部材の内の何れか一方のみを操舵操作することもでき、また、その双方を同時に操舵操作することもできる。ここで、その副操作部材係止手段をスポーク部との境界部分から所定の間隔を空けた位置に配置することによって、例えばその境界部分に小指等を引っ掛けることができるようになるので、運転者は、副操作部材の操舵操作から操舵操作主体に操舵力を入力する操舵操作へと滑らかに移行することができる。
また、上記目的を達成する為、請求項11記載の発明では、運転者が操舵操作を行う際に使用する環状部を備えた操舵操作主体と、この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材と、この副操作部材の操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段と、操作部材の変位を用いて操舵輪の目標転舵角を算出する目標転舵角算出手段と、その目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、を備えている。
本発明に係る操舵装置は、操舵操作主体の操舵角や操舵力を増加させ難い自由度の少ない方向への操舵操作を一方の腕に無理して行わせなくても、他方の腕が広い操作空間で副操作部材を大きく移動させることができる。これが為、運転者は、操舵操作主体の持ち位置を変えるなどせずとも、更に、腕が身体に引っ掛かる等の不自然且つ無理な姿勢で操舵操作を行わずとも、操舵輪に対して大小に拘わらず所望の転舵角を与えることができる。つまり、運転者は、本発明に係る操舵装置を用いることによって、無理なく容易に正確な操舵操作を実行することができる。
以下に、本発明に係る操舵装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る操舵装置の実施例1を図1から図7に基づいて説明する。
本発明に係る操舵装置は、運転者によるステアリングホイールへの操舵操作量と車速などの車輌の走行状態とを総合的に判断し、これにより求めた目標転舵角となるように操舵輪を転舵させるものであり、その一例の全体構成を図1に示している。その図1の符号10は本実施例1の操舵装置の全体構成を示しており、本実施例1にあっては、ステアリングホイール20と車輌の左右の操舵輪WL,WRとの間に機械的な接続が無い所謂ステアバイワイヤ方式のものを例示している。
この本実施例1におけるステアバイワイヤ方式の操舵装置10は、図1に示す如く、ステアリングホイール20と、運転者のステアリングホイール20への操舵操作量と車輌の走行状態とに応じた目標転舵角θreqになるよう各操舵輪WL,WRに対して転舵力を発生させる車輪転舵角付与手段30と、を備えている。
また、この操舵装置10には、その目標転舵角θreqを求め、各操舵輪WL,WRがその目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段30を駆動制御する操舵制御装置が設けられている。本実施例1の操舵制御装置は、例えば、図1に示す電子制御装置(ECU)40の一機能として用意されており、運転者のステアリングホイール20への操舵操作量と車輌の走行状態とに応じた目標転舵角θreqを求める目標転舵角算出手段と、車輪転舵角付与手段30を駆動制御して目標転舵角θreqとなるように各操舵輪WL,WRを転舵させる車輪転舵制御手段と、が備えられている。
本実施例1においては、そのステアリングホイール20への操舵操作量として、運転者の操舵操作によって後述するステアリングホイール本体21に入力された円周方向(ステアリングホイール本体21の回転方向)の操舵力と、運転者の操舵操作で移動した後述するグリップ22L,22Rの変位と、を検出する。また、車輌の走行状態の情報としては、操舵操作時の車速Vを検出する。そして、本実施例1の目標転舵角算出手段には、その操舵力とグリップ22L,22Rの変位(具体的には、ステアリングホイール本体21上における正確なグリップ変位を知る為に、各グリップ22L,22R間の相対変位を用いる。)の内の少なくとも何れか一方と車輌の走行状態の情報とに基づいて目標転舵角θreqを設定させる。つまり、本実施例1の操舵装置10は、その操舵力のみで操舵操作を行うものであってもよく、そのグリップ22L,22Rのみを用いた操舵操作を行うものであってもよく、また、これら双方よる操舵操作を行うものであってもよい。ここでは、その操舵力とグリップ22L,22Rの変位の双方を用いて目標転舵角θreqの設定を行わせるものとして例示する。尚、ここでは車速Vのみを車輌の走行状態の情報として使用するが、これに加えてヨーモーメントやヨーレート、横加速度なども車輌の走行状態の情報として利用してもよい。
先ず、本実施例1のステアリングホイール20には、図2に示す如く、運転者が操舵操作する際に使用する環状部21aを有する操舵操作主体(以下、「ステアリングホイール本体」という。)21と、このステアリングホイール本体21の環状部21a上を円周方向へと移動する副操作部材(以下、「グリップ」という。)22L,22Rと、が設けられている。
本実施例1においては、左手用のグリップ22Lと右手用のグリップ22Rを用意し、これらをステアリングホイール本体21の環状部21a上に初期位置にて左右対称となるよう配置する。これら各グリップ22L,22Rは、環状部21a上を移動させることによって各操舵輪WL,WRを転舵させるものであり、基本的に、その初期位置からの変位が大きくなればなるほど目標転舵角θreqが大きくなるように設定される。ここで例示する各グリップ22L,22Rは、その環状部21aを外側から包み込むよう筒状に形成している。従って、ここでは図示しないが、これら各グリップ22L,22Rが自身の周方向へと自転しないように回り止めやガイド等を配備しておくことが好ましい。
その左手用のグリップ22Lの可動範囲は、ステアリングホイール20が図2の如き中立位置(以下、「ステアリングセンタ」という。)にあるときの状態から見て、車輌を右旋回させるときの移動量が大きくなり、車輌を左旋回させるときにグリップ22Lを保持している側の左腕の動きを阻害しない範囲内の移動量となるように設定する。ここではその可動範囲の一端である左旋回操舵時の移動量を規制すべく、ステアリングホイール本体21の環状部21a上には、その左手用のグリップ22Lにおける反時計回りの移動方向の一端を係止するグリップ係止手段(副操作部材係止手段)23が配設されている。また、右手用のグリップ22Rの可動範囲については、ステアリングセンタの状態から見て、車輌を左旋回させるときの移動量が大きくなり、車輌を右旋回させるときにグリップ22Rを保持している側の右腕の動きを阻害しない範囲内の移動量となるように設定する。従って、ステアリングホイール本体21の環状部21a上には、その右手用のグリップ22Rにおける時計回りの移動方向の一端を係止するグリップ係止手段(副操作部材係止手段)23が配設されており、これにより、その可動範囲の一端である右旋回操舵時の移動量を規制している。これら各グリップ係止手段23,23を設けることにより、運転者は、ステアリングセンタでステアリングホイール本体21を夫々のグリップ22L,22Rと共に保持しているときに、そのグリップ22L,22Rを無意識のうちに下へと引き下げずに済み、不用意な操舵輪WL,WRの転舵を回避することができる。
その各グリップ係止手段23,23は、少なくとも夫々のグリップ22L,22Rを係止しているときに、運転者がステアリングホイール本体21とグリップ22L,22Rの双方を各々の手で同時に操作できる位置関係となるよう配置することが好ましい。これにより、運転者は、ステアリングホイール本体21とグリップ22L,22Rの内の何れか一方のみを操舵操作することもでき、また、その双方を同時に操舵操作することもできるようになる。従って、運転者は、グリップ22L,22Rの操作のみを以て各操舵輪WL,WRに転舵角を与えることもでき、また、各グリップ22L,22Rを環状部21a上で移動させることなく、ステアリングホイール本体21に加えた操舵力のみを以て各操舵輪WL,WRに転舵角を与えることもできるので、様々な種類の操舵操作態様をステアリングホイール本体21の持ち替えなどを行わずとも無理なく思い通りに行うことができる。
例えば、これら各グリップ係止手段23,23は、環状部21aにおける左右のスポーク部21b,21bとの夫々の境界部分21c,21cから所定の間隔(例えば、指2本分等)を空けた位置に配置する。なお、ここで例示するステアリングホイール20は、その環状部21aにおける夫々のスポーク部21b,21bよりも上方を左右夫々の手で持たせるものであり、各境界部分21c,21cよりも上方に夫々のグリップ22L,22Rを配置しているので、その各境界部分21c,21cよりも上方に所定の間隔を空けて各グリップ係止手段23,23を配設する。
これにより、運転者は、グリップ22L,22Rのみを握っての操舵操作のみならず、環状部21aも同時に握って操舵操作することもできるようになる。つまり、この本実施例1のステアリングホイール20においては、例えば、人差し指や中指、親指でグリップ22L,22Rを握りながら、小指や薬指で境界部分21c,21c近傍の環状部21aを握って操舵操作することができる。従って、ステアリングホイール本体21への操舵操作(操舵力)のみで各操舵輪WL,WRを転舵させたい場合には、運転者の意思に反したグリップ22L,22Rの移動を防ぎ、ステアリングホイール本体21のみの正確な操舵操作を行うことができるようになるので、所望の転舵角を正確に各操舵輪WL,WRに対して与えることができる。即ち、このステアリングホイール20は、運転者による自然な握り位置に環状部21aとグリップ22L,22Rが存在しており、これらを同時に握ることができるので、運転者にミスの無い操舵操作を行わせることができる。また、そのような位置関係で夫々のグリップ係止手段23,23を配置することによって、グリップ22L,22Rを係止した際に運転者がスポーク部21bや境界部分21cに小指等を引っ掛けることができるようになるので、運転者は、グリップ22L,22Rを移動させる操舵操作からステアリングホイール本体21に操舵力を入力する操舵操作へと滑らかに移行することができる。
また、その各グリップ係止手段23,23は、各グリップ22L,22Rを上記の初期位置で係止させるように配置してもよく、夫々のグリップ22L,22Rを保持している側の腕の動きが阻害されない範囲内で各グリップ22L,22Rをその初期位置から主な旋回操舵方向(左手用のグリップ22Lであれば右旋回操舵方向、右手用のグリップ22Rであれば左旋回操舵方向)とは反対方向へと移動させた後に係止させるよう配置してもよい。尚、本実施例1においては、前者の配置の場合について例示している。
例えば、その前者の配置の場合には、左旋回操舵時であれば、ステアリングホイール本体21を左手用のグリップ22Lと一体になって操舵開始と共に反時計回りへと回転させることができ、右旋回操舵時であれば、ステアリングホイール本体21を右手用のグリップ22Rと一体になって操舵開始と共に時計回りへと回転させることができる。従って、両手で操舵操作することを前提とするが、ステアリングセンタから操舵し始める際に一方の手や腕から常にステアリングホイール本体21へと操舵力を加えさせたいのであれば、この前者の配置を採用することが好ましい。
一方、後者の配置の場合には、左手で左手用のグリップ22Lのみを握っているときの左旋回操舵時であれば、そのグリップ22Lがグリップ係止手段23で係止されるまではステアリングホイール本体21を回転させずに当該グリップ22Lのみの移動による各操舵輪WL,WRの転舵動作を実行させることができ、右手が右手用のグリップ22Rのみを握っているときの右旋回操舵時であれば、そのグリップ22Rがグリップ係止手段23で係止されるまではステアリングホイール本体21を回転させずに当該グリップ22Rのみを移動させることができる。従って、この後者の配置の場合には、旋回初期にステアリングホイール本体21へと操舵力を加えずとも各操舵輪WL,WRを転舵させることができ、旋回初期の操舵操作を軽微な力で軽快に行うことができるようになる。
ここで、上記における夫々のグリップ22L,22Rは、各々に右旋回操舵方向、左旋回操舵方向へと何らの抵抗もなく自由に移動させることができる。これが為、このままでは、運転者によるグリップ22L,22Rの変位が過度に大きくなって必要以上の転舵角を各操舵輪WL,WRに与えてしまう可能性も否めず、また、運転者の意思に関係なくグリップ22L,22Rが勝手に移動してしまう可能性もある。
そこで、本実施例1にあっては、その夫々のグリップ22L,22Rが初期位置のときに各々に対して左旋回操舵方向、右旋回操舵方向への押圧力(以下、「反力」という。)を付勢させ、且つ、その夫々のグリップ22L,22Rを各々に右旋回操舵方向、左旋回操舵方向へと移動させるにつれてその反力(以下、「操舵反力」という。)を増加させる反力発生手段24を設ける。このような操舵反力や初期位置における反力を各グリップ22L,22Rに掛けた場合には、運転者による各グリップ22L,22Rの変位調節が容易になり、これらに対する操舵操作の負担が小さくなるので、各グリップ22L,22Rの操舵操作ミスが軽減される。また、各グリップ22L,22Rは運転者が自らの意思で移動させない限り初期位置に保持されるので、運転者による各グリップ22L,22Rに対しての操舵操作の有無を精度良く知ることができる。つまり、この操舵装置10においては、夫々のグリップ22L,22Rの変位を各々検出させるので、その変位が検出されなければ(即ち、初期位置のままであれば)、運転者による各グリップ22L,22Rに対しての操舵操作がされていない、と判断することができる。
例えば、本実施例1の反力発生手段24としては、その移動量が増すにつれて弾発力が大きくなる弾性部材を利用することができる。ここでは、図2に示す如く、各グリップ22L,22Rの間に位置しているステアリングホイール本体21の環状部21aに巻き付けた1本の弦巻バネを例示する。これが為、ここで例示する反力発生手段24は、その各グリップ22L,22Rの間隔が狭まるにつれて当該各グリップ22L,22Rに大きな操舵反力を掛ける。
前述したが如く、本実施例1においては、運転者によるステアリングホイール本体21に対しての操舵力とグリップ22L,22Rの変位と車速Vに基づいて目標転舵角θreqを設定し、この目標転舵角θreqとなるように各操舵輪WL,WRを転舵させる。従って、本実施例1の操舵装置10には、その操舵力を検出する図1に示す操舵力検出手段26と、そのグリップ22L,22Rの変位を各々に検出するグリップ変位検出手段(副操作部材変位検出手段)と、を設けている。
先ず、本実施例1の操舵力検出手段26について説明する。
ここで、本実施例1の操舵装置10においては、ステアリングホイール本体21に連結された回転軸(以下、「ステアリングシャフト」という。)25が図示しないトーションバーや保持部材等を介し、軸心を中心に回転できるよう車体へと固定されているものとする。従って、運転者がステアリングホイール本体21に操舵力を与えて回転させることによりトーションバーに捻れが生じるので、その際の捻れトルクTを検出することによって運転者によるステアリングホイール本体21への操舵力を知ることができる。これが為、ここでは、その捻れトルクTの検出を行う捻れトルク検出手段(捻れトルクセンサ)を操舵力検出手段26として使用する。この操舵力検出手段26は、ステアリングホイール本体21をステアリングセンタから左右何れか一方へと回転させた際の捻れトルクTが正の値として検出され、それとは逆方向へと回転させた際の捻れトルクTが負の値として検出されるものとする。ここでは、左旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21が回転した際の捻れトルクTを正の値として検出させ、右旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21が回転した際の捻れトルクTを負の値として検出させる。
例えば、この種の操舵力検出手段26としては、ステアリングシャフト25と保持部材とに各々固定された2つのレゾルバセンサを利用することができる。これが為、本実施例1の目標転舵角算出手段には、夫々のレゾルバセンサで検出された角度から相対的な差を算出させ、この差に基づいて捻れトルクTを求めさせる。そして、この目標転舵角算出手段には、その捻れトルクTに応じた基本転舵角θbaseを図3に示す基本転舵角マップデータから読み込ませる。その際、この目標転舵角算出手段には、各グリップ22L,22Rの変位が1つも検出されなければ、その基本転舵角θbaseを目標転舵角θreqとして設定させる。ここで、その図3の基本転舵角マップデータは、直進時を中心にして、左旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを正の値とし、右旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを負の値としたものであり、捻れトルクTの絶対値が大きくなるにつれて基本転舵角θbaseを大きくするものである。
続いて、本実施例1のグリップ変位検出手段について説明する。
本実施例1のグリップ変位検出手段としては、図2及び図4に示す如く、夫々のグリップ22L,22Rに個別に設けたピックアップ等の磁気情報読取部27,27と、ステアリングホイール本体21の環状部21aに設けた複数の磁気情報発生部28と、で構成した位置情報検出手段を用いる。その各磁気情報発生部28は、均等な間隔又は角度で且つ夫々のグリップ22L,22Rが移動した際の各磁気情報読取部27,27の移動軌跡上に配設する。ここでは、グリップ22L,22Rの初期位置を起点として当該グリップ22L,22Rの移動と共に所定の角度ずつ増加していく角度情報が夫々の磁気情報発生部28から読み取られ、これにより、各々のグリップ22L,22Rの変位が検出される。本実施例1においては、その夫々のグリップ22L,22Rの変位として、図5に示す如く初期位置(0deg)に対するグリップ22L,22Rの位置(以下、「グリップ位置」という。)XL,XRを検出させるが、その初期位置又は或る位置からの変位量(グリップ移動量)や変位角度(グリップ操舵角度)を検出させてもよい。その図5においては、左旋回操舵時における右手用のグリップ22Rの操舵操作後のグリップ位置XRを図示している。
例えば、本実施例1の目標転舵角算出手段には、グリップ22L,22Rの磁気情報読取部27,27がグリップ位置XL,XRを検出した際に、そのグリップ位置XL,XRと図1の車速センサ51から検出された車速Vとに応じた付加転舵角θaddL,θaddRを図6に示す付加転舵角マップデータから読み込ませる。その際、この目標転舵角算出手段には、ステアリングホイール本体21の回転に伴う捻れトルクTが検出されなければ、その夫々の付加転舵角θaddL,θaddRの相対的な差を目標転舵角θreqとして設定させる。ここで、その図6の付加転舵角マップデータは、グリップ位置XL,XRが大きくなるにつれて、また、車速Vが高くなるにつれて付加転舵角θaddL,θaddRを大きくするものであり、グリップ位置XL,XRと付加転舵角θaddL,θaddRを共に正の値としたものである。
一方、本実施例1の目標転舵角算出手段には、操舵力検出手段26が捻れトルクTを検出し、且つ、グリップ22L,22Rの磁気情報読取部27,27がグリップ位置XL,XRを検出した際に、下記の式1を用いて目標転舵角θreqを算出させる。この式1は、基本転舵角θbaseと夫々のグリップ位置XL,XRの相対変位(夫々の付加転舵角θaddL,θaddRの相対的な差)とに基づいて目標転舵角θreqを算出させるものである。
θreq=θbase+θaddR−θaddL … (1)
本実施例1の電子制御装置40は、上記に示したようにして目標転舵角θreqを求めた後、車輪転舵制御手段が車輪転舵角付与手段30を駆動制御して、各操舵輪WL,WRを目標転舵角θreqとなるように転舵させる。
本実施例1の車輪転舵角付与手段30としては、車輪転舵制御手段からの目標転舵角θreqの指令値に基づき電動モータ31を駆動し、その駆動力によりシャフト32を車輌の左右方向に直動させて操舵輪WL,WRを転舵させるものを用いる。即ち、この車輪転舵角付与手段30においては、その電動モータ31が夫々の操舵輪WL,WRに対しての転舵力を発生させる転舵力発生手段として利用される。例えば、本実施例1の電動モータ31は、図示しないが、管状のロータや当該ロータの外周側に覆設されたステータ等を備えており、そのロータの内部にシャフト32が挿通されている。
ここで、本実施例1の車輪転舵角付与手段30には、その電動モータ31の転舵力をシャフト32に伝達する転舵力伝達機構33が設けられている。この転舵力伝達機構33としては、例えば、図示しない、電動モータ31におけるロータの内周面に形成された又は当該ロータに取り付けられたボールネジナット,シャフト32の外周面に形成された螺旋状のボールネジ部,及びこれらボールネジナットとボールネジ部との間に配設された複数のボールで構成されたボールネジ機構を用いることができる。この種の転舵力伝達機構33は、電動モータ31の駆動(即ち、ロータの回転)に伴ってボールネジナットが周方向に回転し、その回転方向に応じてシャフト32を車輌の左方向又は右方向に直動させ、これにより、そのシャフト32の両端に連結された操舵輪WL,WRを転舵させる。
更に、この車輪転舵角付与手段30には、操舵輪WL,WRの転舵角を検出する転舵角センサ34が設けられている。例えば、この転舵角センサ34としては、シャフト32の外周面近傍に配置され、このシャフト32の回転角又は軸線方向(車輌の左右方向)への移動量を検出するものを用いる。この種の転舵角センサ34の場合、車輪転舵制御手段は、その検出した回転角又は移動量に基づいて実際の転舵角が目標転舵角θreqになっているのか否かを判断することができる。
以下に、本実施例1の操舵装置10の動作について図7のフローチャートに基づき説明する。
先ず、本実施例1の目標転舵角算出手段は、車速センサ51,操舵力検出手段26及びグリップ変位検出手段(左右の磁気情報読取部27,27と各磁気情報発生部28)の夫々の検出信号に基づいて、現在の車輌の車速V,操舵操作によってステアリングホイール本体21に入力されたステアリングシャフト25の捻れトルクT及び夫々のグリップ22L,22Rのグリップ位置XL,XRを読み込む(ステップST1)。
そして、この目標転舵角算出手段は、その捻れトルクTに応じた基本転舵角θbaseと、その車速V及びグリップ位置XL,XRに応じた各グリップ22L,22R毎の付加転舵角θaddL,θaddRと、を夫々に図3の基本転舵角マップデータと図6の付加転舵角マップデータから求め(ステップST2,ST3)、これらを上述した式1に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST4)。
ここで、その捻れトルクTが「0」のときは基本転舵角θbaseが「0」となり、そのグリップ位置XL,XRが「0」のときは付加転舵角θaddL,θaddRが「0」になる。これが為、上記ステップST1で読み込んだ捻れトルクTやグリップ位置XL,XRが「0」の場合には、該当する基本転舵角θbaseや付加転舵角θaddL,θaddRの演算処理を行わず、且つ、この該当する基本転舵角θbase等を上記の式1から除外した式を用い、目標転舵角θreqの演算処理の簡易化を図ってもよい。
しかる後、本実施例1の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段30を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST5)。
尚、運転者がステアリングホイール本体21のみを操舵操作した場合には、捻れトルクTに応じた基本転舵角θbaseが目標転舵角θreqとして設定され、この目標転舵角θreqへと各操舵輪WL,WRが転舵させられる。また、運転者がグリップ22L,22Rのみを操舵操作した場合には、その際の車速Vとグリップ位置XL,XRに応じた付加転舵角θaddL,θaddRのみからなる目標転舵角θreqが設定され、この目標転舵角θreqへと各操舵輪WL,WRが転舵させられる。
このように、従来であれば運転者による操舵トルク(捻れトルクT)の入力と操舵角の入力を1本のステアリングホイール本体のみに負担させていたが、本実施例1の操舵装置10は、これらを各々ステアリングホイール本体21と左右のグリップ22L,22Rとに分担させているので、操舵操作する際の運転者の両腕の操作軌跡が人間の自然な動きの中で完結され、また、その各々の入力の自由度が高くなって、その入力に合わせた最適な操舵輪WL,WRの転舵特性を容易な操舵操作で発揮させることができる。従って、この操舵装置10は、操舵操作する際の運転者の身体的な負担が軽減され、更に、これに伴って操舵操作時の操作ミスについても軽減させることができる。
即ち、ステアリングホイール本体21の操舵角や操舵力を増加させ難い自由度の少ない方向への操舵操作を一方の腕に無理して行わせなくても、他方の腕が広い操作空間でグリップ22L(22R)を大きく移動させることができる。例えば、左旋回操舵操作時においては、左腕が身体に引っ掛かるのでステアリングホイール本体21を大きく下に引き下げることができないが、右手でグリップ22Rを左旋回操舵方向へと大きく移動させることができる。これが為、運転者は、ステアリングホイール本体21の持ち位置を変えるなどせずとも、更に、腕が身体に引っ掛かる等の不自然且つ無理な姿勢で操舵操作を行わずとも、操舵輪WL,WRに対して大小に拘わらず所望の転舵角を与えることができる。つまり、運転者は、この操舵装置10を用いることによって、無理なく容易に正確な操舵操作を実行することができる。一方、小さな転舵角でよい場合や転舵角の微調整を行う場合には、ステアリングホイール本体21とグリップ22L(22R)の内の少なくとも一方の操舵操作で済む。また、一方の腕が自由度の少ない方向への操舵操作を行った場合には小さな転舵角しか与えることができないが、他方の腕でグリップ22L(22R)を大きく移動させることができるので、運転者は、楽に切り増しを行って操舵輪WL,WRに大きな転舵角を与えることができる。更にまた、グリップ22L(22R)の操作と操舵力の入力とを各々考慮して目標転舵角θreqが設定され、そのグリップ22L(22R)の操作量や操舵力の入力に夫々分担された転舵角を小さくすることができるので、少なくとも何れか一方を小さく操舵操作するだけで操舵輪WL,WRに所望の転舵角を与えることができる。
ここで、この操舵装置10においては、夫々のグリップ位置XL,XR毎の付加転舵角θaddL,θaddRを大きな値に設定してもよく、これによりグリップ22L,22Rの少ない移動量で操舵輪WL,WRを大きく転舵させることができる。従って、運転者の無理な姿勢での操舵操作を更に軽減でき、また、環状部21aの持ち替え(即ち、グリップ22L,22Rの大きな移動やステアリングホイール本体21の大きな回転)を不要にできる又は少なくできるので、操作遅れなどの操作ミスを一段と減らすことができる。
また、この操舵装置10においてはステアリングシャフト25に掛かる捻れトルクTの検出を行う捻れトルク検出手段を操舵力検出手段26として使用しているが、その操舵力検出手段26については、例えば、各グリップ22L,22Rと各グリップ係止手段23,23との間に夫々設けた圧電素子を利用してもよい。つまり、ステアリングホイール本体21に入力した操舵力が大きくなるほどに夫々のグリップ22L,22Rとグリップ係止手段23,23との間の圧力が大きくなるので、その間の圧電素子からの検出信号に基づいてステアリングホイール本体21への操舵力が推定できる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例2を図8から図13に基づいて説明する。
本実施例2は、前述した実施例1の操舵装置10のステアリングホイール20を図8に示すステアリングホイール120へと置き換えたものである。
本実施例2のステアリングホイール120は、実施例1のステアリングホイール20と同様に、環状部121aを有するステアリングホイール本体(操舵操作主体)121と、その環状部121a上を円周方向へと移動する初期位置にて左右対称に配置された左手用と右手用の副操作部材(以下、「グリップ」という。)122L,122Rと、これら各グリップ122L,122Rの間に配置され、その夫々に対して実施例1と同様の操舵反力や初期位置における反力を発生させる反力発生手段124と、各グリップ122L,122Rの環状部121a上における変位を検出するグリップ変位検出手段と、を備えている。
ここでも、その反力発生手段124としては、弦巻バネ等の弾性部材を利用する。また、そのグリップ変位検出手段は、実施例1と同様に、各グリップ122L,122Rに設けた磁気情報読取部127,127と、環状部121aに設けた複数の磁気情報発生部128と、で構成する。
先ず、本実施例2のステアリングホイール本体121は、図8及び図9に示す如く、その基幹を成すベース部121Aと、このベース部121Aに嵌合やネジ止め等の手段により固定されるカバー部121Bと、に環状部121aにおける各グリップ122L,122Rの移動範囲を分割して構成されている。
そのベース部121Aとカバー部121Bは、その間に図10に示す如き円柱状の空間を形成し、その空間部分を各グリップ122L,122Rの一部(後述するスプリングシート部122b)が各々自在に移動できるよう成形する。本実施例2においては、図11に示す如く反力発生手段124についてもその空間部分に配設し、その反力発生手段124の両端から夫々のグリップ122L,122Rのスプリングシート部122bに反力(操舵反力)を掛ける。尚、ここでは、そのカバー部121Bに複数の磁気情報発生部128を設けている。
ここで、本実施例2のグリップ122L,122Rは、図12及び図13に示す如く、ステアリングホイール本体121の外部に露出させ、操舵操作時に運転者が使用する操作部122aと、ステアリングホイール本体121の内部に収め、このステアリングホイール本体121におけるベース部121Aとカバー部121Bとの間の空間部分を当該ステアリングホイール本体121の円周方向へと移動可能なスプリングシート部122bと、円周方向へと移動する際にベース部121Aとカバー部121Bとの間の図8及び図11に示すガイドレール部129に沿って動くガイド部122cと、で構成している。
その操作部122aには上述したグリップ変位検出手段を成す磁気情報読取部127が配設されており、この磁気情報読取部127は、グリップ122L,122Rの移動に伴いカバー部121Bの磁気情報発生部128を読み取って、実施例1と同様に夫々のグリップ位置XL,XRを検出する。
また、そのスプリングシート部122bは、ベース部121Aとカバー部121Bとの間の空間部分でガタ無く移動させ、且つ、反力発生手段124の一端を端面で係止させるべく、その空間部分と略同形状の外径を有する円柱状又は円筒状に成形する。即ち、このスプリングシート部122bは、その反力発生手段124のスプリングシートとしての機能を有するのみならず、グリップ122L,122Rのステアリングホイール本体121に対するガタ防止機能やガイド機能も為している。
また、本実施例2のガイド部122cは、ステアリングホイール本体121の円周方向へと延設された板状のものであり、その操作部122aとスプリングシート部122bとを繋いでいる。本実施例2においては、このガイド部122cの板厚をスプリングシート部122bの外径よりも薄くし、その板厚よりも広く且つスプリングシート部122bの外径よりも狭くガイドレール部129の夫々の壁面の間隔を設定しておく。これにより、本実施例2のガイド部122cは、そのスプリングシート部122bを各グリップ122L,122Rのステアリングホイール本体121からの脱落防止機能としても働かせている。更に、このガイド部122cは、グリップ122L,122Rがスプリングシート部122bの周方向へと回転しようとしたときにガイドレール部129の夫々の壁面において係止されるので、ステアリングホイール本体121に対する回転防止機能として働く。従って、そのガイド部122cとガイドレール部129との間は、グリップ122L,122Rの円滑な操作を妨げない程度にまで夫々の対向する壁面の間隔を狭くし、その回転方向へのガタを小さくしておくことが好ましい。
このように、本実施例2のステアリングホイール120は、例えば反力発生手段24が外部に露出している実施例1のステアリングホイール20をより実用上に沿わせた形態へと変えたものであり、その実施例1のステアリングホイール20と同様にして操作される。従って、本実施例2の操舵装置10は、運転者の操舵操作に応じて実施例1のときと同様に動作し、このときと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例3を図14に基づいて説明する。
本実施例3は、前述した実施例1の操舵装置10におけるステアリングホイール20を図14に示すステアリングホイール220へと置き換えたものである。
具体的に、本実施例3のステアリングホイール220は、実施例1のステアリングホイール20において、磁気情報読取部27,27と複数の磁気情報発生部28とからなる夫々のグリップ22L,22Rのグリップ変位検出手段を以下のものへと置き換えたものである。
本実施例3のステアリングホイール220においては、一方のグリップ22L(22R)が環状部21a上を移動しているときに、他方が初期位置に保持されていることを前提とする。即ち、本実施例3の反力発生手段24についても各グリップ22L,22Rの間隔が狭まるにつれて操舵反力を大きくするものであり、その間隔毎の操舵反力の大きさを一意の関係のものとして表すことができるので、一方のグリップ22L(22R)のみが環状部21a上を移動している場合には、その際の反力発生手段24からの操舵反力の大きさが明らかになれば他方との間隔が判り、その他方との間隔から自身の変位{グリップ位置XL(XR)}を推定することができる。
そこで、本実施例3においては、グリップ変位検出手段(副操作部材変位検出手段)として、各グリップ22L,22Rへの反力発生手段24からの夫々の反力を検出する図14に示す反力検出手段227L,227Rを利用する。例えば、その反力検出手段227L,227Rとしては圧力をその大きさに応じた電圧(電気信号)へと変換する圧電素子などが考えられる。かかる圧電素子を用いる場合には、図14に示す如く反力発生手段24と夫々のグリップ22L,22Rの間に反力検出手段227L,227Rを配設する。
この場合、本実施例3の電子制御装置40における目標転舵角算出手段は、その反力検出手段227L,227Rから受信した電気信号に対応する圧力を求め、この圧力に対応するグリップ位置XL,XRを例えば圧力−グリップ位置変換マップデータ(図示略)から導き出す。その圧力−グリップ位置変換マップデータは、予め行った実験やシミュレーションの結果、反力発生手段24の設計的特性(バネ定数や初期位置におけるイニシャル荷重など)に基づいて用意しておく。
このように、本実施例3のステアリングホイール220は、実施例1のステアリングホイール20に対して、グリップ変位検出手段の構成とグリップ位置XL,XRを求める際の演算形態のみを変えたものであり、その実施例1のステアリングホイール20と同様にして操作される。従って、本実施例3の操舵装置10は、運転者の操舵操作に応じて実施例1のときと同様に動作し、このときと同様の作用効果を得ることができる。
ここで、本実施例3においては実施例1の操舵装置10の変形例を示したが、本実施例3のグリップ変位検出手段と同様のものは、前述した実施例2のステアリングホイール120に対しても適用することができ、これによっても同様の作用効果を奏することが可能である。例えば、この実施例2のステアリングホイール120を基にした場合、そのグリップ変位検出手段としての反力検出手段227L,227Rについては、ステアリングホイール本体121におけるベース部121Aとカバー部121Bとの間の空間部分で、且つ、グリップ122L,122Rの夫々のスプリングシート部122bと反力発生手段124との間に各々配設する。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例4を図15及び図16に基づいて説明する。
図15の符号310は、本実施例4の操舵装置を示す。本実施例4は、前述した各実施例1〜3の操舵装置10において、運転者が操舵操作時にステアリングホイール本体21(121)へと入力した操舵力(操舵トルク)ではなく、その操舵操作時のステアリングホイール本体21(121)の操舵角θSTを用いて基本転舵角θbaseの算出を行わせるよう変更したものである。
そこで、本実施例4の操舵装置310には、その各実施例1〜3の操舵力検出手段26の替わりに、ステアリングホイール本体21(121)の操舵角θSTの検出を行う操舵角検出手段61を設ける。その操舵角検出手段61の一例としては、所謂ステアリング舵角センサが知られており、例えば、ステアリングシャフト25上又はステアリングシャフト25の外周面近傍等に配置され、そのステアリングシャフト25の回転移動量又は回転角度の検出を行うものを用いる。ここでは、左旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21(121)が回転した際の操舵角θSTを正の値として検出させ、右旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21(121)が回転した際の操舵角θSTを負の値として検出させる。
この操舵角検出手段61の検出信号は電子制御装置40に送信され、この電子制御装置40においてステアリングホイール本体21(121)の操舵角θSTが算出される。そして、この電子制御装置40の目標転舵角算出手段は、その操舵角θSTに該当する基本転舵角θbaseを求める。その際、この目標転舵角算出手段は、予め用意されている基本転舵角マップデータを用いて基本転舵角θbaseの算出を行う。例えば、その基本転舵角マップデータは、図3の基本転舵角マップデータにおける横軸の捻れトルクTをステアリングホイール本体21(121)の操舵角θSTに置き換えたものと同等の転舵角変化特性を有している。即ち、この基本転舵角マップデータは、直進時を中心にして、左旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを正の値とし、右旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを負の値としたものであり、操舵角θSTの絶対値が大きくなるにつれて基本転舵角θbaseを大きくするものである。
以下に、本実施例4の操舵装置310の動作について図16のフローチャートを用いて簡単に説明する。
先ず、本実施例4の目標転舵角算出手段は、車速センサ51,操舵角検出手段61及びグリップ変位検出手段の夫々の検出信号に基づいて、現在の車輌の車速V,操舵操作に応じたステアリングホイール本体21(121)の操舵角θST及び夫々のグリップ22L,22R(122L,122R)のグリップ位置XL,XRを読み込む(ステップST11)。
そして、この目標転舵角算出手段は、その操舵角θSTに応じた基本転舵角θbaseと、その車速V及びグリップ位置XL,XRに応じた各グリップ22L,22R(122L,122R)毎の付加転舵角θaddL,θaddRと、を夫々に上記の如き基本転舵角マップデータと図6の付加転舵角マップデータから求め(ステップST12,ST13)、これらを実施例1と同様の式1に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST14)。
ここで、その操舵角θSTが「0」の場合には、基本転舵角θbaseが「0」になるので、この基本転舵角θbaseの演算処理を行わず、且つ、この基本転舵角θbaseを上記の式1から除外した式を用い、目標転舵角θreqの演算処理の簡易化を図ってもよい。
しかる後、本実施例4の車輪転舵制御手段は、各実施例1〜3のときと同様に、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段30を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST15)。
この本実施例4においては、運転者がステアリングホイール本体21(121)のみを操舵したときに、その操舵角θSTに応じた基本転舵角θbaseが目標転舵角θreqとして設定される。一方、グリップ22L,22R(122L,122R)のみが操舵操作された場合には、実施例1〜3と同様に、その際の車速Vとグリップ位置XL,XRに応じた付加転舵角θaddL,θaddRが目標転舵角θreqとして設定される。
このように、本実施例4の操舵装置310は、操舵角の入力をステアリングホイール本体21と左右のグリップ22L,22Rとに分担させている。つまり、この操舵装置310は、前述した各実施例1〜3に対して基本転舵角θbaseの演算形態のみを変更したものであり、それ以外の演算処理や機械的な構成についての変更はないので、その各実施例1〜3のときと同等の動作が行われ、このときと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例5を図17及び図18に基づいて説明する。
図17の符号410は、本実施例5の操舵装置を示す。本実施例5は、前述した各実施例1〜3の操舵装置10において、運転者が操舵操作時にステアリングホイール本体21(121)へと入力した操舵力(操舵トルク)に加えて、実施例4において示した操舵操作時のステアリングホイール本体21(121)の操舵角θSTをも用いて基本転舵角θbaseの算出を行わせるよう変更したものである。即ち、本実施例5の操舵装置410は、各実施例1〜3の操舵装置10において実施例4の操舵角検出手段61を更に設けたものである。
従って、本実施例5の目標転舵角算出手段には、その捻れトルクT及び操舵角θSTに該当する基本転舵角θbaseを求めさせる。ここでは、下記の式2を用いて基本転舵角θbaseの算出を行う。
θbase=K1*θbaseST)+K2*θbase(T) … (2)
この式2における「θbaseST)」は、操舵角θSTに基づいた基本転舵角(以下「第1基本転舵角」という。)のことであり、例えば上述した図3の基本転舵角マップデータに準じた実施例4のマップデータから求められる。また、この式2における「θbase(T)は、捻れトルクTに基づいた基本転舵角(以下「第2基本転舵角」という。)のことであり、例えば上述した図3の基本転舵角マップデータから求められる。また、「K1」は第1基本転舵角θbaseST)に対しての係数であり、「K2」は第2基本転舵角θbase(T)に対しての係数である。これら「K1」及び「K2」は、操舵角θSTと捻れトルクTの何れに重点を置き基本転舵角θbaseの算出を行わせるのかによって決める係数であり、重点の置かれた方の値を大きくする。つまり、操舵角θSTによる転舵角を大きくしたいのであればK1を大きな値に設定し、捻れトルクTによる転舵角を大きくしたいのであればK2を大きな値に設定する。例えば、これら「K1」と「K2」との関係は、操舵角θSTと捻れトルクTとの間の重み付けの比γ=K1/K2として予め設定しておく。
以下に、本実施例5の操舵装置410の動作について図18のフローチャートを用いて簡単に説明する。
先ず、本実施例5の目標転舵角算出手段は、車速センサ51,操舵力検出手段26,操舵角検出手段61及びグリップ変位検出手段の夫々の検出信号に基づいて、現在の車輌の車速V,操舵操作によってステアリングホイール本体21(121)に入力されたステアリングシャフト25の捻れトルクT,操舵操作に応じたステアリングホイール本体21(121)の操舵角θST及び夫々のグリップ22L,22R(122L,122R)のグリップ位置XL,XRを読み込む(ステップST21)。
そして、この目標転舵角算出手段は、その操舵角θSTと捻れトルクTに応じた基本転舵角θbaseを上記の式2から求めると共に(ステップST22)、その車速V及びグリップ位置XL,XRに応じた各グリップ22L,22R(122L,122R)毎の付加転舵角θaddL,θaddRを実施例1と同様の図6の付加転舵角マップデータから求め(ステップST23)、これらを実施例1と同様の式1に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST24)。
ここで、その操舵角θSTと捻れトルクTが夫々に「0」の場合には、基本転舵角θbaseが「0」になるので、この基本転舵角θbaseの演算処理を行わず、且つ、この基本転舵角θbaseを上記の式1から除外した式を用い、目標転舵角θreqの演算処理の簡易化を図ってもよい。
しかる後、本実施例5の車輪転舵制御手段は、各実施例1〜4のときと同様に、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段30を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST25)。
この本実施例5においては、運転者がステアリングホイール本体21(121)のみを操舵したときに、その操舵角θSTと捻れトルクTに応じて上記式2で求めた基本転舵角θbaseが目標転舵角θreqとして設定される。一方、グリップ22L,22R(122L,122R)のみが操舵操作された場合には、実施例1〜4と同様に、その際の車速Vとグリップ位置XL,XRに応じた付加転舵角θaddL,θaddRが目標転舵角θreqとして設定される。
このように、本実施例5の操舵装置410は、前述した各実施例1〜4に対して基本転舵角θbaseの演算形態のみを変更したものであり、それ以外の演算処理や機械的な構成についての変更はないので、その各実施例1〜4のときと同等の動作が行われ、このときと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例6を図19に基づいて説明する。
例えば、前述した各実施例1〜5の操舵装置10(310,410)は、ステアリングホイール本体21(121)の操舵角θSTを大きくするにつれて捻れトルクT(換言すれば、操舵反力)が大きくなっていくものであると仮定する。この場合、この操舵装置10(310,410)においては、大きすぎる操舵反力が弊害となって、切り替えし動作などのような大きな操舵角θSTをステアリングホイール本体21(121)に与え難くなり、運転者による操舵操作態様の幅が狭まってしまう。これが為、例えば、ステアリングシャフト25の捻れ剛性を低下させることによって大きな操舵角θSTまでの操舵操作を可能にすることもできるが、その捻れ剛性の低下に伴って車体からの振動がステアリングシャフト25を介してステアリングホイール本体21(121)へと伝達されるので、運転者は、その振動に不快感を覚える。
そこで、本実施例6の操舵装置510は、その各実施例1〜5の操舵装置10(310,410)において、ステアリングシャフト25を軸受け等の回転方向における抵抗の少ない保持手段(図示略)で保持させる。これにより、運転者がステアリングホイール本体21(121)をどれだけ回転させても操舵反力を殆ど感じないので、ステアリングシャフト25の捻れ剛性を低下させずに、また、その捻れ剛性を上げたとしても、大きな操舵角θSTの操舵操作を行えるようになる。つまり、この操舵装置510においては、ステアリングシャフト25の捻れ剛性を低下させる必要が無く、ステアリングホイール本体21(121)を介して車体からの振動が運転者に伝わらないので、大きな操舵角θSTまで不快な振動の無い滑らかなステアリングホイール本体21(121)の操舵操作を行うことができる。従って、本実施例6の操舵装置510においては、ステアリングホイール本体21(121)を操舵操作した際の各操舵輪WL,WRの基本転舵角θbaseが操舵角θSTの大小に拘わらず設定できるようになる。即ち、この本実施例6の操舵装置510によれば、その基本転舵角θbaseの設定制御幅が拡がるので、運転者による操舵操作態様の幅を拡大させることができる。
ここで、本実施例6の操舵装置510においては、車体からの振動を吸収可能な弾性係数の小さな弾性部材やダンパー等の減衰装置を介してステアリングシャフト25の保持手段を車体に固定してもよい。これにより、より効果的に運転者への振動の伝達を抑えることができる。
一方、この操舵装置510は、このままでは殆ど操舵反力を感じないので、一般的な運転者が慣れ親しんでいるステアリングホイールと操舵輪とが機械的に連結された操舵装置と比較して違和感を覚えさせる。これが為、本実施例6の操舵装置510においては、運転者の操舵操作の弊害とならない程度の最適な大きさの操舵反力を発生させ、この操舵反力を運転者に伝える図19の操舵反力発生手段62を設ける。これにより、本実施例6の操舵装置510は、ステアリングホイール本体21(121)の操舵操作時に感じさせる操舵反力を大きな操舵角θSTに至るまで運転者の最適な大きさにすることができる。
ここで、この操舵反力発生手段62は、当該技術分野における周知の構成のものを適用することができる。例えば、本実施例6の操舵反力発生手段62は、ステアリングシャフト25上に配備され、運転者がステアリングホイール本体21(121)に与えた操舵力(捻れトルクT)又は操舵角θSTに応じた逆方向のトルクを強制的に発生させて、これを操舵反力として運転者にステアリングシャフト25とステアリングホイール本体21(121)を介して伝えるものである。この種の操舵反力発生手段62としては、例えば、ステアリングホイール本体21(121)の動き{操舵力(捻れトルクT)や操舵角θST}に基づいて図示しない電動モータを駆動し、ギアなどの動力伝達機構を介してステアリングホイール本体21(121)の操舵方向とは反対方向のトルクを発生させてステアリングシャフト25に伝えるものが知られている。
このように、本実施例6の操舵装置510は、前述した各実施例1〜5に対して操舵操作態様の幅を拡げたものであり、それ以外の演算処理や機械的な構成についての変更はないので、その各実施例1〜5のときと同等の動作が行われ、このときと同様の作用効果を得ることができる。
ところで、上述した各実施例1〜6においては左右のスポーク部21b,21bよりも上方にグリップ22L,22R(122L,122R)を夫々配設したが、そのグリップ22L,22R(122L,122R)は、必ずしも上述した態様に限定して配置するものではない。例えば、各グリップ22L,22R(122L,122R)は、ステアリングホイール本体21(121)の環状部21aにおける各スポーク部21b,21bよりも下方に各々配設してもよく、これによっても各実施例1〜6と同様の作用効果を得ることができる。
また、上述した各実施例1〜6においてはステアリングホイール本体21(121)に2つのグリップ22L,22R(122L,122R)を設けたが、かかるグリップは、必ずしも2つに限定するものではない。例えば、グリップは、ステアリングホイール本体21(121)の環状部21aの上部又は下部に上記のグリップ22L,22R(122L,122R)と同様の形態のものを1つだけ設けたものであってもよく、これによっても各実施例1〜6と同様の作用効果を得ることができる。この場合には、そのグリップの両端に同等の大きさの押圧力を掛ける反力発生手段24(124)を夫々配置する。
以上のように、本発明に係る操舵装置は、運転者に無理なく容易な操舵操作を行わせる為の技術に適している。
本発明に係る操舵装置の実施例1の構成を示す図である。 実施例1のステアリングホイールの正面図である。 実施例1の基本転舵角マップデータの一例を示す図である。 実施例1のステアリングホイールの正面図であって、グリップ変位検出手段について説明する部分透視図である。 実施例1のステアリングホイールの正面図であって、グリップ位置について説明する図である。 実施例1の付加転舵角マップデータの一例を示す図である。 実施例1の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例2のステアリングホイールの正面図である。 実施例2のステアリングホイールの分解図である。 図8のX−X線から見たステアリングホイールの断面図である。 図8のY−Y線から見たステアリングホイールの断面図である。 実施例2のグリップの正面図である。 図12のZ−Z線から見たグリップの断面図である。 実施例3のステアリングホイールの正面図である。 本発明に係る操舵装置の実施例4の構成を示す図である。 実施例4の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る操舵装置の実施例5の構成を示す図である。 実施例5の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る操舵装置の実施例6の構成を示す図である。
符号の説明
10,310,410,510 操舵装置
20 ステアリングホイール
21 ステアリングホイール本体(操舵操作主体)
21a 環状部
21b スポーク部
21c 境界部分
22L 左手用のグリップ(副操作部材)
22R 右手用のグリップ(副操作部材)
23 グリップ係止手段
24 反力発生手段
25 ステアリングシャフト
26 操舵力検出手段
27 磁気情報読取部(副操作部材変位検出手段)
28 磁気情報発生部(副操作部材変位検出手段)
30 車輪転舵角付与手段
40 電子制御装置
51 車速センサ
61 操舵角検出手段
62 操舵反力発生手段
120 ステアリングホイール
121 ステアリングホイール本体(操舵操作主体)
121A ベース部
121B カバー部
121a 環状部
122L 左手用のグリップ(副操作部材)
122R 右手用のグリップ(副操作部材)
122a 操作部
122b スプリングシート部
122c ガイド部
124 反力発生手段
127 磁気情報読取部(副操作部材変位検出手段)
128 磁気情報発生部(副操作部材変位検出手段)
129 ガイドレール部
220 ステアリングホイール
227L,227R 反力検出手段
T 捻れトルク
V 車速
WL,WR 操舵輪
L,XR グリップ位置
θaddL,θaddR 付加転舵角
θbase 基本転舵角
θreq 目標転舵角
θST 操舵角

Claims (11)

  1. 運転者が操舵操作を行う際に使用する操舵操作主体と、
    この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材と、
    この副操作部材の前記操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段と、
    運転者から前記操舵操作主体に対して入力された操舵力を検出する操舵力検出手段と、
    前記副操作部材の変位と運転者による前記操舵操作主体に対しての操舵力を用いて操舵輪の目標転舵角を算出する目標転舵角算出手段と、
    前記目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、
    を備えたことを特徴とする操舵装置。
  2. 前記操舵力検出手段は、前記操舵操作主体の環状部の円周方向に入力された力を検出するものであることを特徴とした請求項1記載の操舵装置。
  3. 運転者が操舵操作を行う際に使用する環状部を備えた操舵操作主体と、
    この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材と、
    この副操作部材の前記操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段と、
    前記操舵操作主体の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記副操作部材の変位と前記操舵操作主体の操舵角を用いて操舵輪の目標転舵角を算出する目標転舵角算出手段と、
    前記目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、
    を備えたことを特徴とする操舵装置。
  4. 前記副操作部材は、前記操舵操作主体の環状部上を円周方向へと移動できるよう構成したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の操舵装置。
  5. 前記副操作部材を前記操舵操作主体上の初期位置に付勢させる反力発生手段を設けたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の操舵装置。
  6. 前記反力発生手段を前記副操作部材の前記操舵操作主体上における移動量が増すに従い反力が大きくなるものとし、前記副操作部材変位検出手段は、該反力発生手段から当該副操作部材への反力に応じて前記副操作部材の変位を求めるよう構成したことを特徴とする請求項5記載の操舵装置。
  7. 前記副操作部材は、運転者の左手と右手用に夫々2つ設けたことを特徴とする請求項1から6の内の何れか1つに記載の操舵装置。
  8. 前記目標転舵角算出手段は、前記各副操作部材間の相対変位と前記操舵操作主体の操舵角を用いて前記目標転舵角の算出を行うよう構成したことを特徴とする請求項7記載の操舵装置。
  9. 前記操舵操作主体上における前記副操作部材の可動範囲の一端にて当該副操作部材が係止される副操作部材係止手段を設けたことを特徴とする請求項1から8の内の何れか1つに記載の操舵装置。
  10. 前記操舵操作主体と前記副操作部材は、該副操作部材が前記副操作部材係止手段によって係止されているときに運転者が当該操舵操作主体と副操作部材の双方を操作できるような位置関係に配置したことを特徴とする請求項9記載の操舵装置。
  11. 運転者が操舵操作を行う際に使用する環状部を備えた操舵操作主体と、
    この操舵操作主体上を運転者の操舵操作に従って移動する副操作部材と、
    この副操作部材の前記操舵操作主体上における変位を検出する副操作部材変位検出手段と、
    前記副操作部材の変位を用いて操舵輪の目標転舵角を算出する目標転舵角算出手段と、
    前記目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、
    を備えたことを特徴とする操舵装置。
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