JP2008001117A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 保舵状態判定部41は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作状態が通常操作状態か保舵操作状態かを判定する。通常操作状態であれば、変位−トルク変換部42、トルク−横加速度変換部43および転舵角変換部44の各処理により、操舵角θに対して指数関数的に変化する目標転舵角δdが計算される。一方、保舵操作状態であれば、変換部42,43,44の各処理により、保舵操舵角θhを仮想的な原点とし、操舵角θに対して指数関数的に変化する目標転舵角δdhが計算される。これにより、保舵操作状態においては、伝達比を小さくすることができ、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じて、左右前輪FW1,FW2を適切に転舵させることができる。
【選択図】 図2
Description
以下、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態の車両の操舵装置を概略的に示している。
Td11=(Tmax/θmax1)・θ …式1
Td12=To・exp(K1・θ) …式2
Td1=KRs0・Td11+(1−KRs0)・Td12 …式3
ただし、前記式3中のKRs0は、検出操舵角θの変化特性を補正する係数であり、図3に示すような特性を有する。具体的に説明すると、補正係数KRs0は、図3に示すように、運転者により入力された操舵角θが所定の操舵角θz未満ではその値が「1」とされ、所定の操舵角θz以上ではその値が所定値まで変化する補正係数である。なお、この所定値は、その値が「0」〜「1」の間の数値として設定されるとよい。ここで、所定の操舵角θz未満において補正係数KRs0を「1」とするのは、所定の操舵角θz未満では、前記式1に従い、操舵トルクTd1を一次関数的に変化させるためである。なお、前記式3(前記式1,2)の演算に代えて、操舵角θに対する操舵トルクTd1を記憶した図4に示すような特性の変換テーブルを用いて、操舵トルクTd1を計算するようにしてもよい。
Gd=a・Td1 (|Td1|<Tg) …式4
Gd=C・Td1K2 (Tg≦|Td1|) …式5
Gd=C・(To・exp(K1・θ))K2=C・ToK2・exp(K1・K2・θ)=Go・exp(K1・K2・θ) …式6
前記式6において、Goは定数C・ToK2であり、式6は運転者による操舵ハンドル11の操舵角θに対して見込み横加速度Gdが指数関数的に変化していることを示す。そして、この見込み横加速度Gdは、車内の所定部位への運転者の体の一部の接触によって運転者が知覚し得る物理量であり、前述したウェーバー・ヘフナーの法則に従ったものである。したがって、操舵トルクTdが所定値Tg以上のときに、運転者が、この見込み横加速度Gdに等しい横加速度を知覚しながら操舵ハンドル11を回動操作することができれば、操舵ハンドル11の回動操作と車両の操舵との関係を人間の知覚特性に対応させることができる。
Gd=Go・exp(K0・ω・t) …式7
ただし、K0は、K0=K1・K2の関係にある定数である。
ΔT=To・exp(K1・θ)・K1・Δθ=T・K1・Δθ …式8
この式7を変形するとともに、前記実験により求めた操舵トルクに関するウェーバー比ΔT/TをKtとすると、下記式9が成立する。
K1=ΔT/(T・Δθ)=Kt/Δθ …式9
Tmax=To・exp(K1・θmax1) …式10
この式10を変形すれば、下記式11が成立する。
K1=log(Tmax/To)/θmax1 …式11
そして、前記式9および式11から下記式12が導かれる。
Δθ=Kt/K1=Kt・θmax1/log(Tmax/To) …式12
この式11において、Ktは操舵トルクTのウェーバー比であり、Toは人間が知覚し得る最小操舵トルクに対応するものであり、これらの値Kt,Tmax,To,θmax1はいずれも予め設定できる定数であるので、前記微分値Δθは前記式11を用いて計算できる。そして、この微分値Δθとウェーバー比Ktを用いて、前記式9に基づいて所定値(係数)K1も計算できる。
ΔG=C・K2・TK2-1・ΔT=G・K2・ΔT/T …式13
この式12を変形し、かつ前記実験により求めた操舵トルクに関するウェーバー比ΔT/TをKtとするとともに、横加速度に関するウェーバー比ΔF/FをKaとすると下記式14,15が成立する。
ΔG/G=K2・ΔT/T …式14
K2=Ka/Kt …式15
この式15において、Ktは操舵トルクに関するウェーバー比であるとともに、Kaは横加速度に関するウェーバー比であって、共に定数として与えられるものであるので、これらのウェーバー比Kt,Kaを用いて、前記式15に基づいて係数K2も計算できる。
C=Gmax/TmaxK2 …式16
そして、この式16においては、GmaxおよびTmaxは予め設定できる定数であり、かつK2は前記式15によって計算されるものであるので、定数(係数)Cも計算できる。
δd=L・(1+A・V2)・Gd/V2 …式17
ただし、前記式17中のLはホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは車両の運動性能を示す予め決められた所定値である。
δda=δd+K3・(Gd−G) …式18
ただし、係数K3は予め決められた正の定数であり、実横加速度Gが見込み横加速度Gdに満たない場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が大きくなる側に補正される。また、実横加速度Gが見込み横加速度Gdを超える場合には、補正目標転舵角δdaの絶対値が小さくなる側に補正される。この補正により、見込み横加速度Gdの発生に必要な左右前輪FW1,FW2の転舵角が精度よく確保される。
δd=(L・(1+A・V2)/V2)・Go・exp(K1・K2・θ) …式19
ただし、前記式19中の係数K1,K2については、前記式9および前記式15に従って計算されるものである。前記式19によれば、目標転舵角δdは、図7に示すように、操舵角θに対して指数関数的に変化するものであり、特に、所定の操舵角θg以上に操舵角θの絶対値が増加するに伴って、この操舵角θの変化量に対する目標転舵角δdの絶対値の変化量の比(以下、この変化量の比を伝達比という)は大きくなる。このように、伝達比が大きくなる操舵範囲内で操舵ハンドル11を回動操作した場合には、操舵ハンドル11の回動操作に対して目標転舵角δdが大きく変化するため、例えば、左右前輪FW1,FW2の転舵状態を微調整することが難しくなる。
Td21=(Tmax/θmax2)・(θ−θh) …式20
Td22=To・exp(K1・(θ−θh)) …式21
Td2=KRs0・Td21+(1−KRs0)・Td22+Tk …式22
Tdh=(1−F)・Td1+F・Td2 …式23
ただし、前記式23中のFは、操舵トルクTd1と操舵トルクTd2との比率を決定するための変数であり、図8に示すように、保舵操作状態判定条件を構成する操舵角速度dθ/dtの絶対値と(1/V)の変化に応じて変化する特性を有する。すなわち、変数Fは、操舵角速度dθ/dtの絶対値の増大に伴って、「1」から「0」に変化するとともに、検出車速Vの減少に伴って、「1」から「0」に変化する。これにより、前記式23に従って計算される操舵トルクTdhは、保舵操作状態判定条件が成立している場合においては、操舵トルクTd2の比率が大きくなる。一方、操舵トルクTdhは、前記条件が成立しない、すなわち、操舵角速度dθ/dtの絶対値が大きい、または、検出車速Vが減少した場合には、操舵トルクTd1の比率が連続的に大きくなる。なお、この場合も、前記式23の演算に代えて、操舵角θに対する操舵トルクTdhを記憶した図9にて実線で示すような特性の変換テーブルを用いて、操舵トルクTdhを計算するようにしてもよい。
Gdh=C・TdhK2 …式24
ただし、前記式24中の操舵トルクTdhは前記式23を用いて計算した操舵トルクTdhの絶対値を表しているものであり、前記計算した操舵トルクTdhが正であれば定数Cを正の値とするとともに、前記計算した操舵トルクTdhが負であれば定数Cを前記正の定数Cと同じ絶対値を有する負の値とする。なお、この場合も、前記式24の演算に代えて、操舵トルクTdhに対する見込み横加速度Gdhを記憶した図10にて実線で示すような特性の変換テーブルを用いて、見込み横加速度Gdhを計算するようにしてもよい。ここで、図10中におけるGkは、操舵トルクTkすなわち保舵操舵角θhにおける見込み横加速度を表す。
δdh=δk+L・(1+A・V2)・Gdh/V2 …式25
ただし、前記式25中のδkは、前記式17に従って計算される見込み横加速度Gkのときの目標転舵角、言い換えれば、前記式19に従って計算される保舵操舵角θhのときの目標転舵角を表す。
δdh=δk+(L・(1+A・V2)/V2)・Go・exp(K1・K2・(θ−θh) …式26
前記式26によれば、目標転舵角δdhは、図11にて実線で示すように、保舵操舵角θhを仮想的な原点として、操舵角θに対して指数関数的に変化する。これにより、保舵操舵角θh近傍で緩やかに操舵ハンドル11が操作された場合には、目標転舵角δdhの変化量が小さい、言い換えれば、伝達比が小さくなる。したがって、運転者は、通常操作状態から保舵操作状態に切り替わった後、左右前輪FW1,FW2の転舵状態を極めて良好に微調整することができる。
|Td1−Tdh|<ε …式27
ただし、前記式27中のεは、予め設定される定数である。そして、変位−トルク変換部42は、変数Fの値が「1」から「0」に連続的に変更することによって前記式27で示される関係が成立すると、目標転舵角δdhから目標転舵角δdに変更する。このように、目標転舵角δdhから目標転舵角δdへの急激な変化を制限することにより、保舵操作状態から通常操作状態に切り替わる場合、言い換えれば、目標転舵角δdhから目標転舵角δdに切り替わる場合であっても、左右前輪FW1,FW2の急激な変化を効果的に防止することができ、運転者が違和感を覚えることを防止することができる。
δdha=δdh+K4・(Gdh−G) …式28
ただし、係数K4は予め決められた正の定数である。また、実横加速度Gは横加速度センサ34によって検出されたものであり、見込み横加速度Gdhはトルク−横加速度変換部43によって計算されたものである。そして、このように計算された補正目標転舵角δdhaは、駆動制御部52に供給され、左右前輪FW1,FW2が補正目標転舵角δdhaに転舵される。
Tz11=(Tmax/θmax1)・θ …式29
Tz12=To・exp(K1・θ) …式30
Tz1=KRs0・Td11+(1−KRs0)・Td12 …式31
Tz21=(Tmax/θmax2)・(θ−θh) …式32
Tz22=To・exp(K1・(θ−θh)) …式33
Tz2=KRs0・Tz21+(1−KRs0)・Tz22+Tk …式34
ここで、前記式32中のθmax2は、前記式20と同様な保舵操作状態における操舵ハンドル11の最大操舵角の絶対値を表す。また、前記式34中のTkは、通常操作状態における保舵操舵角θhの操舵トルクを表すものであり、前記式31(前記式29,30)に従って計算されるものである。また、前記式34中のKRs0も、前記式31と同様な検出操舵角θの変化特性を補正する係数である。なお、この場合、所定の操舵角θg以上に操舵ハンドル11が回動操作されているため、KRs0は「1」未満となる。
Tzh=(1−F)・Tz1+F・Tz2 …式35
ただし、前記式35中のFも、前記式23と同様に、操舵トルクTd1と操舵トルクTd2との比率を決定するための変数であり、図8に示すように、保舵操作状態判定条件を構成する操舵角速度dθ/dtの絶対値と(1/V)の変化に応じて変化する特性を有する。これにより、変数Fは、操舵角速度dθ/dtの絶対値の増大に伴って、「1」から「0」に変化するとともに、検出車速Vの減少に伴って、「1」から「0」に変化する。
上記第1実施形態においては、保舵状態判定部41,61によって、運転者による操舵ハンドル11の操作状態が保舵操作状態であると判定されると、保舵操舵角θhを仮想的な原点として一回設定し、この保舵操舵角θhの近傍における伝達比を小さくするように実施した。これに対して、保舵操作状態中に複数回の保舵操作状態が判定された場合には、それぞれの判定ごとに保舵操舵角を仮想的な原点として再度設定するように実施することも可能である。以下、この第2実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
Tdn1=(Tmax/θmaxn)・(θ−θhn) …式36
Tdn2=To・exp(K1・(θ−θhn)) …式37
Tdn=KRs0・Tdn1+(1−KRs0)・Tdn2+Tk …式38
Tdhn=(1−F)・Td(n-1)+F・Tdn …式39
ただし、前記式36中のθmaxnは、第n回目の保舵操作状態における操舵ハンドル11の最大操舵角を表す。前記式39中のTd(n-1)は、第n−1回目の保舵操舵角θh(n-1)の設定に伴って、前記式36〜38に従って計算された操舵トルクを表す。なお、この場合、前記式39の演算に代えて、操舵角θに対する操舵トルクTdhnを記憶した図13にて実線で示すような特性の変換テーブルを用いて、操舵トルクTdhnを計算するようにしてもよい。
Gdhn=C・Tdhn K2 …式40
ただし、前記式40中の操舵トルクTdhnは前記式39を用いて計算した操舵トルクTdhnの絶対値を表しているものであり、前記計算した操舵トルクTdhnが正であれば定数Cを正の値とするとともに、前記計算した操舵トルクTdhnが負であれば定数Cを前記正の定数Cと同じ絶対値を有する負の値とする。なお、この場合も、前記式40の演算に代えて、操舵トルクTdhnに対する見込み横加速度Gdhnを記憶した図14にて実線で示すような特性の変換テーブルを用いて、見込み横加速度Gdhnを計算するようにしてもよい。ここで、図14中におけるGknは、操舵トルクTknすなわち保舵操舵角θhnにおける見込み横加速度を表す。
δdhn=δk(n-1)+L・(1+A・V2)・Gdhn/V2 …式41
ただし、前記式41中のδk(n-1)は、第n−1回目に保舵操舵角θh(n-1)を設定したときに、前記式41に従って計算される保舵操舵角θhnに対応した目標転舵角を表す。
Tzn1=(Tmax/θmaxn)・(θ−θhn) …式42
Tzn2=To・exp(K1・(θ−θhn)) …式43
Tzn=KRs0・Tzn1+(1−KRs0)・Tzn2+Tk …式44
Tzhn=(1−F)・Tz(n-1)+F・Tzn …式45
上記第1実施形態および第2実施形態においては、伝達比が大きくなる操舵範囲内で操舵ハンドル11が回動操作されている状況で、保舵状態判定部41によって保舵操作状態判定条件が成立していると判定されたとき、保舵操舵角θhを仮想的な原点に設定するようにした。これにより、保舵操作状態においては、伝達比を小さくすることができて、左右前輪FW1,FW2の転舵状態を極めて容易に微調整できるようにした。
δsn=(dθ/dt)/Gra0+δs(n-1) …式46
ただし、前記式46中のGra0は、転舵ギア比を表し、図17に示すような特性を有する。具体的に説明すると、転舵ギア比Gra0は、図17に示すように、運転者による操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtの絶対値が大きくなるに従って、小さな値となる変化特性を有するものである。また、前記式46中のδs(n-1)は、前回計算した制御用目標転舵角を表す。
δsn=(θn−θc)/Gra1+δsc …式47
ただし、前記式47中のθcは、操舵角速度dθn/dtの絶対値が所定の操舵角速度S未満となったときの操舵角を表し、δscは、操舵角速度dθn/dtの絶対値が所定の操舵角速度S未満となったときの制御用目標転舵角を表す。また、前記式47中のGra1は、転舵ギア比を表す定数である。これによれば、運転者によって緩やかに操舵ハンドル11が回動操作されている状態では、検出操舵角θnの変化に依存して制御用目標転舵角δsnが計算される。したがって、運転者が操舵ハンドル11の回動操作を緩やかに続ける限り、適正に制御用目標転舵角δsnを計算することができるため、パルス出力タイプの操舵角センサ31を採用した場合であっても、左右前輪FW1,FW2を適切に転舵制御することができる。
次に、上記第1〜第3実施形態における運動状態量としての横加速度に代えて、ヨーレートを用いた本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態においては、図1に破線で示すように、上記第1実施形態における横加速度センサ34に代えて、運転者が知覚し得る運動状態量である実ヨーレートγを検出するヨーレートセンサ38を備えている。他の構成については上記第1実施形態と同じであるが、電子制御ユニット35にて実行されるコンピュータプログラムは上記第1実施形態の場合と若干異なる。
γd=a・Td1 (|Td|<Tg) …式47
γd=C・Td1K2 (Tg≦|Td|) …式48
γdh=C・TdhK2 …式49
δd=L・(1+A・V2)・γd/V …式50
δdh=δk+L・(1+A・V2)・γdh/V …式51
ただし、前記式50,51中のLはホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは車両の運動性能を示す予め決められた所定値である。また、前記式51中のδkは、前記式50に従って計算される保舵操舵角θhのときの目標転舵角を表す。
δda=δd+K5・(γd−γ) …式52
δdha=δdh+K5・(γdh−γ) …式53
次に、上記第1〜第3実施形態における運動状態量としての横加速度に代えて、旋回曲率を用いた本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態においても、上記第1実施形態と同様に図1に示すように構成されている。ただし、電子制御ユニット35にて実行されるコンピュータプログラムが上記第1実施形態の場合とは若干異なる。
ρd=a・Td1 (|Td|<Tg) …式54
ρd=C・Td1K2 (Tg≦|Td|) …式55
ρdh=C・TdhK2 …式56
δd=L・(1+A・V2)・ρd …式57
δdh=δk+L・(1+A・V2)・ρdh …式58
ただし、前記式57,58中のLはホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは車両の運動性能を示す予め決められた所定値である。また、前記式58中のδkは、前記式57に従って計算される保舵操舵角θhのときの目標転舵角を表す。
ρ=G/V2またはρ=γ/V …式59
δda=δd+K6・(γd−γ) …式60
δdha=δdh+K6・(γdh−γ) …式61
ただし、係数K6は予め決められた正の定数であり、実旋回曲率ρが見込み旋回曲率ρd,ρdhに満たない場合には、補正目標転舵角δda,δdhaの絶対値が大きくなる側に補正される。また、実旋回局率ρが見込み旋回曲率ρd,ρdhを超える場合には、補正目標転舵角δda,δdhaの絶対値が小さくなる側に補正される。この補正により、見込み旋回曲率ρd,ρdhに必要な左右前輪FW1,FW2の転舵角がより精度よく確保される。
Claims (13)
- 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪を非線形的に転舵制御する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、
前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、
前記検出された操作入力値の変化量に基づいて、同変化量の大きな前記操舵ハンドルの操作状態を表す通常操作状態と、前記変化量の小さな前記操舵ハンドルの操作状態を表す保舵操作状態とを判定する操作状態判定手段と、
前記操舵ハンドルの操作状態が前記保舵操作状態であると判定されたとき、前記操作入力値の変化量に対する前記転舵輪の転舵量の比を表す伝達比が前記通常操作状態のときよりも小さくなる目標転舵角を前記検出された操作入力値を用いて計算する転舵角計算手段と、
前記計算された目標転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算された目標転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記操作状態判定手段は、
前記検出された操作入力値の時間微分値が予め設定された所定値以上であれば前記操舵ハンドルの操作状態が通常操作状態であると判定し、前記時間微分値が前記所定値未満であれば前記操舵ハンドルの操作状態が保舵操作状態であると判定することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項2に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記転舵制御装置は、さらに、
車両の車速を検出する車速検出手段を備えており、
前記操作状態判定手段は、
前記検出された車速が所定の車速以上であり、かつ、前記時間微分値が前記所定値未満であれば前記操舵ハンドルの操作状態が保舵操作状態であると判定することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記操作状態判定手段は、
前記操舵ハンドルの通常操作状態における前記伝達比が所定の伝達比よりも大きくなるときに、前記操舵ハンドルの操作状態を判定することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記転舵角計算手段は、
前記操作状態判定手段によって前記操舵ハンドルが通常操作状態であると判定されると、前記操作入力値を検出するための検出基準点を原点として前記検出された操作入力値と所定の非線形の関係にある通常操作状態の目標転舵角を計算し、前記操作状態判定手段によって前記操舵ハンドルが保舵操作状態であると判定されると、同保舵操作状態が判定された時の操作入力値を仮想的な原点として前記検出された操作入力値と所定の非線形の関係にある保舵操作状態の目標転舵角を計算し、
前記転舵制御手段は、
前記計算された目標転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算された目標転舵角に転舵することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 車両の操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪を非線形的に転舵制御する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、
前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、
前記検出された操作入力値の変化量に対する前記転舵輪の転舵量の比を表す伝達比を前記検出された操作入力値の時間微分値に基づいて変更する伝達比変更手段と、
前記検出された操作入力値と所定の非線形の関係にある目標転舵角を、前記検出された操作入力値および前記変更された伝達比を用いて計算する転舵角計算手段と、
前記計算された目標転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を前記計算された目標転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 前記伝達比変更手段は、
前記検出された操作入力値の時間微分値が所定値よりも小さいときに、前記伝達比を前記検出された操作入力値の変化量に基づいて変更する請求項6に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 前記伝達比変更手段は、
前記検出された操作入力値の時間微分値が所定値よりも小さい状態で、前記操舵ハンドルの操作が継続しているときは、前記検出された操作入力値の変化量に応じて前記伝達比を大きな値に変更する請求項9に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 前記所定の非線形の関係は、前記操作入力値検出手段によって検出された操作入力値と予め定めた指数関係である請求項5または請求項6に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
- 請求項9に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記転舵角計算手段は、
車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態量を表していて前記検出された操作入力値と予め定めた指数関係にある車両の見込み運動状態量を前記検出された操作入力値を用いて計算するとともに、同計算した見込み運動状態量を用いて前記目標転舵角を計算することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項10に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記見込み運動状態量は、車両の横加速度、ヨーレートおよび旋回曲率のうちのいずれか一つであるステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項9に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
前記操作入力値検出手段を、
前記操舵ハンドルの変位量を検出する変位量検出手段と、
前記検出された変位量を前記操舵ハンドルに付与される操作力に変換する操作力変換手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。 - 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、さらに、
前記操舵ハンドルの操作に対して反力を付与する反力装置を設けたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
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