JP2008213509A - 操舵装置 - Google Patents

操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008213509A
JP2008213509A JP2007049392A JP2007049392A JP2008213509A JP 2008213509 A JP2008213509 A JP 2008213509A JP 2007049392 A JP2007049392 A JP 2007049392A JP 2007049392 A JP2007049392 A JP 2007049392A JP 2008213509 A JP2008213509 A JP 2008213509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
grip
turning angle
grips
driver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007049392A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Yamada
稔 山田
Miki Ando
幹 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007049392A priority Critical patent/JP2008213509A/ja
Publication of JP2008213509A publication Critical patent/JP2008213509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】運転者に無理なく容易な操舵操作を行わせること。
【解決手段】操舵操作主体(ステアリングホイール本体21)と、目標転舵角θreqを設定する目標転舵角設定手段(電子制御装置50)と、目標転舵角となるよう操舵輪WL,WRを転舵させる車輪転舵角付与手段40と、その操舵操作主体上を所定方向へと移動させ且つ当該所定方向の方向軸を中心に回転させることの可能な副操作部材(グリップ22L,22R)と、その所定方向への第1副操作部材操舵操作量を検出するグリップ軸方向磁気情報読取部25A及びグリップ軸方向磁気情報発生部25Bと、その所定方向の方向軸周りへの第2副操作部材操舵操作量を検出するグリップ周方向磁気情報読取部26A及びグリップ周方向磁気情報発生部26Bと、を備え、目標転舵角設定手段には、その第1及び第2の副操作部材操舵操作量に基づき目標転舵角を設定させること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者のステアリングホイールに対しての操舵操作に基づき求めた最適な転舵角となるように操舵輪を転舵させる操舵装置に関する。
従来、運転者によるステアリングホイールへの操舵操作量と車速などの車輌の走行状態とを総合的に判断し、これにより求めた最適な転舵角となるように操舵輪を転舵させる操舵装置が知られている。例えば、この種の操舵装置としては、ステアリングホイールと操舵輪との機械的な連結を切り離したものであって、運転者がステアリングホイールを操舵操作した際に電子制御装置(ECU)が目標転舵角を算出し、その目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる所謂ステアバイワイヤ方式の操舵装置が存在する。このステアバイワイヤ方式の操舵装置は、操舵輪を転舵させる為の電動モータ及びその駆動力の伝達機構が具備された車輪転舵角付与手段を有しており、目標転舵角となるよう電子制御装置が車輪転舵角付与手段に指示を与えて操舵輪を転舵させる。例えば、このようなステアバイワイヤ方式の操舵装置の一例としては、下記の特許文献1に開示されているものがある。
特開2004−196044号公報
ところで、一般に、運転者の操舵操作としては、ステアリングホイールの操舵角の如き運転者による操舵操作量の大きなものとステアリングホイールへの操舵トルクの如き運転者による操舵操作量の小さなものとがある。従って、従来の操舵装置においては、そのステアリングホイールの操舵角とステアリングホイールへの操舵トルクを検出し、これらと共にそのときの車輌の走行状態も加味して最適な目標転舵角を算出している。
しかしながら、その夫々の操舵操作は1つの回転系(左旋回時の操舵操作であればステアリングホイールの反時計回りの回転、右旋回時の操舵操作であればステアリングホイールの時計回りの回転)の中で行われるものであり、その内の何れか一方の操舵操作に合わせて転舵角などの転舵特性を設定すると、運転者は、その転舵特性に対応させて他方の操舵操作を行わなければならず、この他方の操舵操作を行い難くなる。
また、このような操舵操作時のステアリングホイールの回転の自由度が1自由度に拘束されている従来の操舵装置においては、両腕で操舵操作する際の各々の腕の操作軌跡が夫々に異なるものとなり、運転者の慣れに依存した不自然な動きを各々の腕に行わせる。例えば車庫入れや交差点での右左折時などのように低速で車輌を大きく旋回させる、即ち操舵輪を大きく転舵させる際に、運転者は、両腕を交差させながらステアリングホイールを持ち直して(所謂ステアリングホイールの切り返しを行って)操舵角を大きくしている。そして、このような人間の自然な動作とは言い難い動きは、長時間継続して運転したときの運転者の疲労の原因となり、また、所望の正確な操舵操作を行い難い原因ともなっている。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、運転者が無理なく容易に操舵操作を行うことのできる操舵装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、運転者による操舵操作時の回転軸を中心にした回転が可能な操舵操作主体と、運転者の操舵操作に応じて操舵輪の目標転舵角を設定する目標転舵角設定手段と、その目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、を備えた操舵装置において、運転者が操舵操作を行う際に前記操舵操作主体上を所定方向へと移動させ且つ当該所定方向の方向軸を中心に回転させることの可能な副操作部材と、運転者による前記副操作部材に対しての前記所定方向への第1副操作部材操舵操作量を検出する第1副操作部材操作量検出手段と、運転者による前記副操作部材に対しての前記所定方向の方向軸周りへの第2副操作部材操舵操作量を検出する第2副操作部材操作量検出手段と、を設けている。そして、その目標転舵角設定手段は、副操作部材に対しての第1副操作部材操舵操作量及び第2副操作部材操舵操作量に基づいて目標転舵角の設定を行うよう構成している。
この請求項1記載の操舵装置においては、運転者による操舵トルク(捻れトルク)の入力と操舵角の入力を操舵操作主体と副操作部材とに分担させることができ、これにより、操舵操作する際の運転者の両腕の操作軌跡が人間の自然な動きの中で完結され、また、その各々の入力の自由度が高くなって、その入力に合わせた最適な操舵輪の転舵特性を簡便な操舵操作で発揮させることができる。また、この請求項1記載の操舵装置においては、操舵操作主体を操舵操作し難いときにおいても、副操作部材を操舵操作することによって転舵角を大きくすることができる。特に、この請求項1記載の操舵装置においては、その副操作部材を所定方向と当該所定方向の方向軸周りの2方向に操舵操作させることができるので、その副操作部材の一方向への操舵操作が行いづらくなったときでも他方向へと操舵操作させることでより大きな転舵角で操舵輪を転舵させることができる。例えば、この操舵装置によれば、その副操作部材の操舵操作によって切り増しが容易になる。
ここで、その第1副操作部材操舵操作量としては、請求項2記載の発明の如く、副操作部材の所定方向への移動量又は当該所定方向への運転者による副操作部材に対しての操作力が考えられる。また、その第2副操作部材操舵操作量は、請求項3記載の発明の如く、副操作部材の所定方向の方向軸周りへの移動量又は当該方向軸周りへの運転者による副操作部材に対しての操作力が考えられる。
ところで、その目標転舵角設定手段は、請求項4記載の発明の如く、検出された第1副操作部材操舵操作量が変化し続けているときには当該第1副操作部材操舵操作量に基づき目標転舵角の設定を行う一方、その第1副操作部材操舵操作量の変化が途絶えた後は当該途絶えた時点を起算点にした第2副操作部材操舵操作量を用いて目標転舵角の設定を行うよう構成することが好ましい。
つまり、2方向への操作が可能な副操作部材は、その構造上、1方向にのみ厳格に動かすことは難しく、例えば上記の所定方向にのみ動かして転舵させたいにも拘わらず、その所定方向の方向軸周りへも動いてしまうことがある。従って、この請求項4に記載の発明のように目標転舵角設定手段を構成することによって、運転者の操作意思に対応した転舵角で操舵輪を転舵させることができるようになる。
本発明に係る操舵装置は、操舵操作主体の操舵角や操作力を増加させ難い自由度の少ない方向への操舵操作を一方の腕に無理して行わせなくても、他方の腕が広い操作空間で副操作部材を大きく移動させることができる。これが為、運転者は、操舵操作主体の持ち位置を変えるなどせずとも、更に、腕が身体に引っ掛かる等の不自然且つ無理な姿勢で操舵操作を行わずとも、操舵輪に対して大小に拘わらず所望の転舵角を与えることができる。つまり、運転者は、本発明に係る操舵装置を用いることによって、無理なく容易に正確な操舵操作を実行することができる。
以下に、本発明に係る操舵装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る操舵装置の実施例1を図1から図9に基づいて説明する。
本発明に係る操舵装置は、運転者によるステアリングホイールへの操舵操作量と車速などの車輌の走行状態とを総合的に判断し、これにより求めた目標転舵角となるように操舵輪を転舵させるものであり、その一例の全体構成を図1に示している。その図1の符号10は本実施例1の操舵装置の全体構成を示しており、本実施例1にあっては、ステアリングホイール20と車輌の左右夫々の操舵輪WL,WRとの間に機械的な接続が無い所謂ステアバイワイヤ方式のものを例示している。尚、ここで示す目標転舵角とは、操舵輪に対して転舵角が付与されていないとき(即ち、車輌が直進状態にあるとき)を起算点とした角度のことをいう。
この本実施例1におけるステアバイワイヤ方式の操舵装置10は、図1に示す如く、ステアリングホイール20と、このステアリングホイール20に連結された回転軸たるステアリングシャフト30と、運転者のステアリングホイール20に対しての操舵操作量と車輌の走行状態とに応じた目標転舵角θreqになるよう各操舵輪WL,WRに対して転舵力を発生させる車輪転舵角付与手段40と、を備えている。
また、この操舵装置10には、その目標転舵角θreqを求め、各操舵輪WL,WRがその目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御させる操舵制御装置が設けられている。本実施例1の操舵制御装置は、例えば、図1に示す電子制御装置(ECU)50の一機能として用意されており、運転者のステアリングホイール20に対しての操舵操作量と車輌の走行状態(ここでは、車速V)とに応じた目標転舵角θreqを求めて設定する目標転舵角設定手段と、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して夫々の操舵輪WL,WRを転舵させる車輪転舵制御手段と、が備えられている。
先ず、本実施例1のステアリングホイール20について詳述する。
本実施例1のステアリングホイール20には、図2に示す如く、運転者が操舵操作を行う際にステアリングシャフト30を中心にして回転させることの可能な操舵操作主体(以下、「ステアリングホイール本体」という。)21と、運転者が操舵操作を行う際にステアリングホイール本体21上を所定方向へと移動させ且つ当該所定方向の方向軸を中心に回転させることの可能な副操作部材(以下、「グリップ」という。)22L,22Rと、が設けられている。
本実施例1においては、そのステアリングホイール本体21に対しての運転者による操舵操作量と、そのグリップ22L,22Rに対しての運転者による操舵操作量と、が夫々に上述した運転者によるステアリングホイール20への操舵操作量となる。従って、電子制御装置50の目標転舵角設定手段には、そのステアリングホイール本体21やグリップ22L,22Rの内の少なくとも1つの操舵操作量を検知した際に、その検知情報を用いて車輪転舵角付与手段40への駆動制御指令値たる目標転舵角θreqの値を求めさせる。ここでは、便宜上、そのステアリングホイール本体21の操舵操作量に応じて求められる転舵角を「基本転舵角θbase」といい、グリップ22L,22Rの操舵操作量に応じて求められる転舵角を「付加転舵角θaddL,θaddR」という。
ここで、本実施例1のステアリングホイール本体21には環状部21aが備えられており、運転者は、通常、その環状部21aを両手(又は片手)で握って操舵操作を行う。つまり、通常は、その環状部21aから運転者によって入力されたステアリングシャフト30を中心とする操舵操作量が運転者によるステアリングホイール本体21に対しての操舵操作量となる。これが為、このステアリングホイール本体21への操舵操作量としては、そのステアリングシャフト30を中心とする円周方向(ステアリングホイール本体21の回転方向)への操作力(ステアリング操舵トルク)と、その円周方向への回転角度(ステアリング操舵角θST)と、が考えられる。ここでは、前者の円周方向への操作力をステアリングホイール本体21への操舵操作量として例示して説明する。従って、本実施例1の操舵装置10には、その操作力を検出する図1に示す操作力検出手段31が用意されている。
例えば、本実施例1の操舵装置10においては、ステアリングシャフト30が図示しないトーションバーや保持部材等を介し、軸心を中心に回転できるよう車体へと固定されているものとする。従って、運転者がステアリングホイール本体21に操作力を与えて回転させることによりトーションバーに捻れが生じるので、その際の捻れトルク(以下、「ステアリング捻れトルク」という。)TSTを検出することによって運転者によるステアリングホイール本体21への操作力を知ることができる。これが為、ここでは、そのステアリング捻れトルクTSTの検出を行う捻れトルク検出手段(捻れトルクセンサ)を操作力検出手段31として使用する。尚、そのステアリング捻れトルクTSTは、ステアリング操舵トルクと同じものを指す。
この操作力検出手段31においては、ステアリングホイール本体21を図2の如きステアリングホイール20の中立位置(以下、「ステアリングセンタ」という。)から左右何れか一方へと回転させた際のステアリング捻れトルクTSTを正の値として検出させ、それとは逆方向へと回転させた際のステアリング捻れトルクTSTを負の値として検出させるものとする。従って、ここでは、左旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21が回転させられた際のステアリング捻れトルクTSTが正の値として検出され、右旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21が回転させられた際のステアリング捻れトルクTSTが負の値として検出される。
例えば、この種の操作力検出手段31としては、ステアリングシャフト30と保持部材とに各々固定された2つのレゾルバセンサを利用することができる。これが為、本実施例1の目標転舵角設定手段には、夫々のレゾルバセンサで検出された角度から相対的な差を算出させ、この差に基づいてステアリング捻れトルクTSTを求めさせる。そして、この目標転舵角設定手段には、そのステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseを図3に示す基本転舵角マップデータから読み込ませる。その際、この目標転舵角設定手段には、各グリップ22L,22Rの変位が1つも検出されなければ、下記の式1の如くその基本転舵角θbaseを目標転舵角θreqとして設定させればよい。ここで、その図3の基本転舵角マップデータは、直進時を中心にして、左旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを正の値とし、右旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを負の値としたものであり、ステアリング捻れトルクTSTの絶対値が大きくなるにつれて基本転舵角θbaseを大きくするものである。
θreq=θbase … (1)
続いて、そのステアリングホイール本体21とは別に運転者によるステアリングホイール20への操舵操作量の一端を担うグリップ22L,22Rについての説明を行う。ここで例示する夫々のグリップ22L,22Rは、ステアリングホイール本体21の環状部21aを外側から包み込むよう筒状に形成している。
本実施例1においては、左手用のグリップ22Lと右手用のグリップ22Rとに分けて用意し、これらを図2に示す如くステアリングホイール本体21の環状部21a上に初期位置にて左右対称となるよう配置する。そして、これら各グリップ22L,22Rは、ステアリングホイール本体21の環状部21a上を当該環状部21aの軸線方向(ステアリングホイール本体21の回転方向と同一方向)へと移動でき、更に、その軸線方向の方向軸を中心に環状部21a上で回転できるように配設する。つまり、夫々のグリップ22L,22Rについては、自らの軸線方向(以下、「グリップ軸方向」という。)へと環状部21a上を往復移動させることもできれば、自らの周方向(以下、「グリップ周方向」という。)へと環状部21a上を往復回転させることもできるように配設されている。尚、これら各グリップ22L,22Rについては、ステアリングシャフト30を中心にして環状部21a上をグリップ軸方向へと移動する。
ここで、その左手用のグリップ22Lのグリップ軸方向における可動範囲は、ステアリングセンタの状態から見て、車輌を右旋回させるときの時計回り方向への移動量が大きくなり、車輌を左旋回させるときにグリップ22Lを保持している側の左腕の動きを阻害しない範囲内の反時計回り方向への移動量となるように設定する。ここでは、この左手用のグリップ22Lの左旋回操舵方向への移動を係止させるグリップ軸方向係止手段(副操作部材軸方向係止手段)23が用意されており、これにより、グリップ軸方向の可動範囲の一端である左旋回操舵時の移動量を規制している。例えば、このグリップ軸方向係止手段23は、そのグリップ22Lにおける左旋回操舵方向の一端を係止させるべくステアリングホイール本体21の環状部21a上に配設される。
一方、右手用のグリップ22Rのグリップ軸方向における可動範囲については、ステアリングセンタの状態から見て、車輌を左旋回させるときの反時計回り方向への移動量が大きくなり、車輌を右旋回させるときにグリップ22Rを保持している側の右腕の動きを阻害しない範囲内の時計回り方向への移動量となるように設定する。従って、ステアリングホイール本体21の環状部21a上には、左手用のグリップ22Lのときと同じく、その右手用のグリップ22Rにおける右旋回操舵方向の一端を係止するグリップ軸方向係止手段(副操作部材軸方向係止手段)23が配設されており、これにより、そのグリップ軸方向の可動範囲の一端である右旋回操舵時の移動量を規制している。
その各グリップ軸方向係止手段23,23は、少なくとも夫々のグリップ22L,22Rを係止しているときに、運転者がステアリングホイール本体21とグリップ22L,22Rの双方を各々の手で同時に操作できる位置関係となるよう配置することが好ましい。そして、これにより、運転者は、ステアリングホイール本体21とグリップ22L,22Rの内の何れか一方のみを操舵操作することもでき、また、その双方を同時に操舵操作することもできるようになる。従って、運転者は、グリップ22L,22Rの操作のみを以て各操舵輪WL,WRに転舵角を与えることもでき、また、各グリップ22L,22Rを環状部21a上で動かすことなく、ステアリングホイール本体21に加えた操作力のみを以て各操舵輪WL,WRに転舵角を与えることもできるので、様々な種類の操舵操作態様をステアリングホイール本体21の持ち替えなどを行わずとも無理なく思い通りに行うことができる。
例えば、これら各グリップ軸方向係止手段23,23は、環状部21aにおける左右のスポーク部21b,21bとの夫々の境界部分21c,21cから所定の間隔(例えば、指2本分等)を空けた位置に配置する。なお、ここで例示するステアリングホイール20は、その環状部21aにおける夫々のスポーク部21b,21bよりも上方を左右夫々の手で持たせるものであり、各境界部分21c,21cよりも上方に夫々のグリップ22L,22Rを配置しているので、その各境界部分21c,21cよりも上方に所定の間隔を空けて各グリップ軸方向係止手段23,23を配設する。
これにより、運転者は、グリップ22L,22Rのみを握っての操舵操作のみならず、環状部21aも同時に握って操舵操作することもできるようになる。つまり、この本実施例1のステアリングホイール20においては、例えば、人差し指や中指、親指でグリップ22L,22Rを握りながら、小指や薬指で境界部分21c,21c近傍の環状部21aを握って操舵操作することができる。従って、ステアリングホイール本体21への操舵操作(操作力)のみで各操舵輪WL,WRを転舵させたい場合には、運転者の意思に反したグリップ22L,22Rのグリップ軸方向又はグリップ周方向への作動を防ぎ、ステアリングホイール本体21のみの正確な操舵操作を行うことができるようになるので、所望の転舵角を正確に各操舵輪WL,WRに対して与えることができる。即ち、このステアリングホイール20は、運転者による自然な握り位置に環状部21aとグリップ22L,22Rが存在しており、これらを同時に握ることができるので、運転者にミスの無い操舵操作を行わせることができる。また、そのような位置関係で夫々のグリップ軸方向係止手段23,23を配置することによって、グリップ22L,22Rを係止した際に運転者がスポーク部21bや境界部分21cに小指等を引っ掛けることができるようになるので、運転者は、グリップ22L,22Rの操舵操作(グリップ軸方向へと移動させる操舵操作やグリップ周方向へと回転させる操舵操作)からステアリングホイール本体21に操作力を入力する操舵操作へと滑らかに移行することができる。
また、その各グリップ軸方向係止手段23,23は、夫々のグリップ22L,22Rを上記の初期位置で係止させるように配置してもよく、夫々のグリップ22L,22Rを保持している側の腕の動きが阻害されない範囲内で各グリップ22L,22Rをその初期位置から主な旋回操舵方向(左手用のグリップ22Lであれば右旋回操舵方向、右手用のグリップ22Rであれば左旋回操舵方向)とは反対方向へと移動させた後に係止させるよう配置してもよい。尚、本実施例1においては、前者の配置の場合について例示している。
例えば、その前者の配置の場合には、左旋回操舵時であれば、ステアリングホイール本体21を左手用のグリップ22Lと一体になって操舵開始と共に反時計回りへと回転させることができ、右旋回操舵時であれば、ステアリングホイール本体21を右手用のグリップ22Rと一体になって操舵開始と共に時計回りへと回転させることができる。従って、両手で操舵操作することを前提とするが、ステアリングセンタから操舵し始める際に一方の手や腕から常にステアリングホイール本体21へと操作力を加えさせたいのであれば、この前者の配置を採用することが好ましい。また、この前者の配置の場合には、運転者がステアリングセンタでステアリングホイール本体21と夫々のグリップ22L,22Rを同時に保持しているときに、そのグリップ22L,22Rを無意識のうちに下へと引き下げずに済むので、不用意なグリップ22L,22Rの作動に伴う操舵輪WL,WRの転舵を回避することができる。
一方、後者の配置の場合、左手で左手用のグリップ22Lのみを握って左旋回操舵を行うときには、そのグリップ22Lがグリップ軸方向係止手段23で係止されるまで当該グリップ22Lのみで各操舵輪WL,WRの転舵動作を実行させることができ、右手で右手用のグリップ22Rのみを握って右旋回操舵を行うときには、そのグリップ22Rがグリップ軸方向係止手段23で係止されるまで当該グリップ22Rのみで各操舵輪WL,WRの転舵動作を実行させることができる。つまり、この後者の配置の場合には、旋回初期にステアリングホイール本体21へと操作力を加えずとも夫々の操舵輪WL,WRを転舵させることができ、旋回初期の操舵操作を軽微な力で軽快に行うことができるようになる。
ところで、上記における夫々のグリップ22L,22Rは、各々にグリップ軸方向(右旋回操舵方向、左旋回操舵方向)へと何らの抵抗もなく自由に移動させることができてしまう。これが為、これら各グリップ22L,22Rは、このままでは運転者の意図するところよりもグリップ軸方向への操舵操作量(第1副操作部材操作量)が過度に大きくなり、必要以上の転舵角を各操舵輪WL,WRに与えてしまう可能性がある。また、これら各グリップ22L,22Rは、運転者が保持していなければ勝手にグリップ軸方向へと移動してしまい、運転者の意思に関係なくグリップ軸方向への操舵操作量が変化して操舵輪WL,WRを転舵させてしまう可能性もある。
そこで、本実施例1にあっては、その夫々のグリップ22L,22Rが初期位置のときに各々に対して左旋回操舵方向、右旋回操舵方向への押圧力(以下、「反力」という。)を付勢させ、且つ、その夫々のグリップ22L,22Rを各々に右旋回操舵方向、左旋回操舵方向へと移動させるにつれてその反力(以下、「操舵反力」という。)を増加させる反力発生手段24を設ける。
例えば、本実施例1の反力発生手段24としては、その移動量が増すにつれて弾発力が大きくなる弾性部材を利用することができる。ここでは、図2に示す如く、各グリップ22L,22Rの間に位置しているステアリングホイール本体21の環状部21aに巻き付けた1本の弦巻バネを例示する。これが為、ここで例示する反力発生手段24は、その各グリップ22L,22Rの間隔が狭まるにつれて当該各グリップ22L,22Rに大きな操舵反力を働かせる。
このような操舵反力や初期位置における反力を各グリップ22L,22Rに働かせた場合には、運転者による各グリップ22L,22Rに対しての後述するグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1の調節が容易になり、これらに対する操舵操作の負担が小さくなるので、各グリップ22L,22Rの操舵操作ミスが軽減される。また、夫々のグリップ22L,22Rは運転者が自らの意思で移動させない限り初期位置に保持されるので、運転者による各グリップ22L,22Rに対してのグリップ軸方向への操舵操作の有無を精度良く知ることができる。つまり、この操舵装置10においては、夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1を後述するグリップ軸方向操作量検出手段で各々検出させるので、これが検出されなければ(即ち、初期位置のままであれば)、運転者によって各グリップ22L,22Rに対するグリップ軸方向への操舵操作がされていない、と判断することができる。
更に、本実施例1の操舵装置10には、各グリップ22L,22Rのグリップ軸方向の操舵操作量を検出するグリップ軸方向操作量検出手段(第1副操作部材操作量検出手段)が用意されている。例えば、そのグリップ軸方向の操舵操作量としては、グリップ22L,22Rのグリップ軸方向への移動量(以下、「グリップ軸方向移動量」という。)θgripL1,θgripR1と、そのグリップ軸方向への操作力や操舵トルクと、が考えられる。ここでは、前者のグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1をグリップ22L,22Rにおけるグリップ軸方向の操舵操作量として例示して説明する。従って、本実施例1のグリップ軸方向操作量検出手段としては、夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1の検出が可能なものを用意する。
例えば、本実施例1のグリップ軸方向操作量検出手段としては、図2及び図4に示す如く、夫々のグリップ22L,22Rに個別に設けたピックアップ等のグリップ軸方向磁気情報読取部25A,25Aと、ステアリングホイール本体21の環状部21aに設けた複数のグリップ軸方向磁気情報発生部25Bと、で構成した所謂位置情報検出手段を用いる。
その夫々のグリップ軸方向磁気情報読取部25A,25Aは、少なくとも各々のグリップ22L,22Rと一体になってグリップ軸方向へと環状部21a上を往復移動できるように配設する。一方、その各グリップ軸方向磁気情報発生部25Bは、均等な間隔又は角度で且つ夫々のグリップ22L,22Rが初期位置からグリップ軸方向へと移動した際の各グリップ軸方向磁気情報読取部25A,25Aの移動軌跡上に配設する。つまり、本実施例1においては、検出された夫々のグリップ22L,22Rの位置情報に基づいて各々のグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1を検出させる。ここでは、そのグリップ22L,22Rの夫々の初期位置を起点にしたグリップ軸方向への移動と共に所定の角度ずつ増加していく位置情報が夫々のグリップ軸方向磁気情報発生部25Bから読み取られ、これにより、各々のグリップ22L,22Rの図5に示す角度情報としてのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1が検出される。即ち、これらグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1は、グリップ22L,22Rのステアリングホイール本体21に対する回転中心(即ち、ステアリングシャフト30)を中心にした初期位置(0deg)からの変位角度を表したものであり、ここでは正の値として検出させる。尚、その図5においては、左旋回操舵時における右手用のグリップ22Rの操舵操作後の状態を代表して図示している。
ここで、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1としては、それ以外に、初期位置以外の或る位置からの移動量を利用してもよい。
本実施例1の目標転舵角設定手段には、例えば、夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向磁気情報読取部25A,25Aによってグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1が検出された際に、そのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1と図1に示す車速センサ61から検出された車速Vとに応じた第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を図6に示す第1付加転舵角マップデータから読み込ませる。この第1付加転舵角マップデータは、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1が大きくなるにつれて、また、車速Vが低くなるにつれて第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を大きくするものである。つまり、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1が大きくなるということは操舵輪WL,WRに大きな転舵角を与えたいとの運転者の意思を表しているので、そのようなときには、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1が大きくなるに従って第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を大きくさせる。また、車速Vが高いときに大きな転舵角を操舵輪WL,WRに与えると車輌の挙動が不安定になる虞があり、更に、車速Vが低くなるほどに転舵角を大きくすれば車輌の回頭性が向上するので、ここでは、車速Vが低くなるに従って第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を大きくさせる。この第1付加転舵角マップデータにおいては、その第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を正の値として導かせるものとする。
本実施例1においては、前述したように、左旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseが正の値として設定される一方、右旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseが負の値として設定される。これが為、第1付加転舵角θaddL1,θaddR1についてもその基本転舵角θbaseに合わせて正負を関係づける必要がある。従って、ここでは、左手用のグリップ22Lのグリップ軸方向移動量θgripL1が初期位置から起算して右旋回操舵操作時に増えていくので、そのグリップ22Lに係る第1付加転舵角θaddL1についてのみ目標転舵角θreqの算出時に負の符号を付けることにする。つまり、目標転舵角θreqは、下記の式2に基づき算出させることができる。
θreq=θbase+(θaddR1−θaddL1) … (2)
また更に、本実施例1の操舵装置10には、各グリップ22L,22Rのグリップ周方向の操舵操作量(第2副操作部材操作量)を検出するグリップ周方向操作量検出手段(第2副操作部材操作量検出手段)が用意されている。例えば、そのグリップ周方向の操舵操作量としては、グリップ22L,22Rのグリップ周方向への移動量(以下、「グリップ周方向移動量」という。)θgripL2,θgripR2と、そのグリップ周方向への操作力や操舵トルクと、が考えられる。ここでは、前者のグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2をグリップ22L,22Rにおけるグリップ周方向の操舵操作量として例示して説明する。従って、本実施例1のグリップ周方向操作量検出手段としては、夫々のグリップ22L,22Rのグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2の検出が可能なものを用意する。
例えば、本実施例1のグリップ周方向操作量検出手段としては、図2及び図7に示す如く、夫々のグリップ22L,22Rに個別に設けたピックアップ等のグリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aと、グリップ周方向に配置した複数のグリップ周方向磁気情報発生部26Bと、で構成した所謂位置情報検出手段を用いる。
その夫々のグリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aは、各々のグリップ22L,22Rにおける何れかの端部で且つその各々のグリップ22L,22Rと一体になって少なくともグリップ周方向へと環状部21a上を移動できるように配設する。本実施例1においては、その各グリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aを各々のグリップ22L,22Rにおける第1環状部材27A側の端部の外周面上に配設する。一方、その各グリップ周方向磁気情報発生部26Bは、第1環状部材27Aの環状面上にグリップ周方向にて均等な間隔又は角度で配設する。
ここで、本実施例1の第1環状部材27Aについては、グリップ22L,22Rとは別体のものとして成型した部材であり、同心円の環状部21a上をグリップ軸方向へと往復移動可能な形状とする一方で、グリップ周方向への回転が不可能な形状にする。例えば、ここでは、図7に示す如く、その第1環状部材27Aの内周面に内径方向へと突設させた凸部27A1を形成し、更に、この凸部27A1がグリップ軸方向へと案内され且つ当該凸部27A1のグリップ周方向への移動が規制されるガイド部21dを環状部21aに形成する。これにより、その第1環状部材27Aの複数のグリップ周方向磁気情報発生部26Bは、夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向への移動に伴ってグリップ軸方向へと動くと共に、その各グリップ22L,22Rの初期位置からグリップ周方向への移動に伴ってグリップ周方向磁気情報読取部26Aの移動軌跡上に位置する。つまり、本実施例1のグリップ周方向操作量検出手段においては、検出された夫々のグリップ22L,22Rの位置情報に基づいて各々のグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2を検出させる。尚、その図7は右手用のグリップ22Rについてのみ図示しているが、左手用のグリップ22Lについてもこれと同様に構成される。
尚、ここでは、その夫々の第1環状部材27Aが反力発生手段24の座面を成している。一方、各々のグリップ22L,22Rにおける第1環状部材27Aとは逆の端部側には、図2に示す第2環状部材27Bが配設されている。この第2環状部材27Bは、例えば、その各々のグリップ22L,22Rと一体になって動かせばよい。
ここでは、そのグリップ22L,22Rの夫々のグリップ周方向における初期位置(以下、「グリップ周方向初期位置」という。)を起点にしたグリップ周方向への回転と共に所定の角度ずつ増加していく位置情報が夫々のグリップ周方向磁気情報発生部26Bから読み取られ、これにより、各々のグリップ22L,22Rの角度情報としてのグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が検出される。その際、例えば、グリップ周方向初期位置を起点にして、或る一方のグリップ周方向に向けてグリップ22L,22Rを回転させたときにのみ角度が増加するように構成してもよく、どちらのグリップ周方向に向けてグリップ22L,22Rを回転させたときでも角度が増加するように構成してもよい。つまり、その前者においては、夫々のグリップ22L,22Rがその起点から一方のグリップ周方向にのみ回転し得るよう構成すればよく、また、その後者においては、夫々のグリップ22L,22Rがその起点を中心にして略同等の回転幅で回転し得るよう構成すればよい。本実施例1においては、その前者の構成を例に挙げて説明する。
ここで、グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2としては、それ以外に、グリップ周方向初期位置以外の或る位置からの移動量を利用してもよい。
ところで、グリップ周方向操作量検出手段は、夫々のグリップ22L,22Rにおける各々の他方の端部に設けてもよい。その場合には、グリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aを各グリップ22L,22Rにおける第2環状部材27B側の端部の外周面上に配設すると共に、複数のグリップ周方向磁気情報発生部26Bを第2環状部材27Bに配設し、その第2環状部材27Bを第1環状部材27Aと同じ形状で且つ各グリップ22L,22Rとは別体のものとすればよい。
本実施例1の目標転舵角設定手段には、例えば、少なくとも一方のグリップ22L,22Rのグリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aによってグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が検出された際に、そのグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2と車速Vとに応じた第2付加転舵角θaddL2,θaddR2を図8に示す第2付加転舵角マップデータから読み込ませる。この第2付加転舵角マップデータは、グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が大きくなるにつれて、また、車速Vが低くなるにつれて第2付加転舵角θaddL2,θaddR2を大きくするものである。つまり、グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が大きくなるということは操舵輪WL,WRに大きな転舵角を与えたいとの運転者の意思を表すものであり、そのようなときには、グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が大きくなるに従って第2付加転舵角θaddL2,θaddR2を大きくさせる。また、車速との関係については、前述した第1付加転舵角θaddL1,θaddR1のときのような状況が考えられるので、ここでも車速Vが低くなるに従って第2付加転舵角θaddL2,θaddR2を大きくさせる。この第2付加転舵角マップデータにおいては、その第2付加転舵角θaddL2,θaddR2を正の値として導かせるものとする。
本実施例1においては、その第2付加転舵角θaddL2,θaddR2についても、第1付加転舵角θaddL1,θaddR1のときと同様に基本転舵角θbaseに合わせて正負を関係づける。例えば、ここでは、左手用のグリップ22Lをグリップ周方向初期位置からグリップ周方向へと回転させた際に車輌を右旋回させ、右手用のグリップ22Rをグリップ周方向初期位置からグリップ周方向へと回転させた際に車輌を左旋回させるように設定しておく。従って、ここでは、右旋回操舵操作時のものとして設定される左手用のグリップ22Lに係る第2付加転舵角θaddL2についてのみ目標転舵角θreqの算出時に負の符号を付けることにする。つまり、目標転舵角θreqは、下記の式3に基づき算出させることができる。
θreq=θbase+(θaddR1−θaddL1)+(θaddR2−θaddL2) … (3)
ここで、例えば、本実施例1のグリップ22L,22Rは、グリップ軸方向への移動操作で大きなステアリング操舵角を与え、グリップ周方向への回転操作でステアリング操舵角を調節させるものとして利用することができる。つまり、本実施例1においては、第1付加転舵角マップデータと第2付加転舵角マップデータの比較からも明らかなように、グリップ22L,22Rによるステアリング操舵角(グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1、グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2)当たりの転舵角(第1付加転舵角θaddL1,θaddR1、第2付加転舵角θaddL2,θaddR2)の値がグリップ軸方向への操舵操作時よりもグリップ周方向への操舵操作時のときに小さくしているので、グリップ軸方向とグリップ周方向との間で転舵特性に違いを設けることができる。これが為、かかる形態で利用する場合には、グリップ軸方向への操舵操作を終えた後でグリップ周方向への操舵操作を始めさせるよう運転者に認識させておくことが好ましい。
このように、本実施例1においては、運転者によるステアリングホイール本体21に対しての操作力(ステアリング捻れトルクTST)、運転者によるグリップ22L,22Rに対してのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1やグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2、車速Vに基づいて目標転舵角θreqを設定し、この目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる。
例えば、本実施例1の車輪転舵角付与手段40としては、電子制御装置50の車輪転舵制御手段からの目標転舵角θreqの指令値に基づき電動モータ41を駆動し、その駆動力により左右夫々のタイロッド42L,42Rを車輌の左右方向に直動させて操舵輪WL,WRを転舵させるものを用いる。即ち、この車輪転舵角付与手段40においては、その電動モータ41が夫々の操舵輪WL,WRに対しての転舵力を発生させる転舵力発生手段として利用される。例えば、本実施例1の電動モータ41は、図示しないが、管状のロータや当該ロータの外周側に覆設されたステータ等を備えており、そのロータの内部にタイロッド42L,42Rと繋がるシャフトが挿通されている。
ここで、本実施例1の車輪転舵角付与手段40には、その電動モータ41の転舵力をタイロッド42L,42Rに伝達する転舵力伝達機構43が設けられている。この転舵力伝達機構43としては、例えば、図示しない、電動モータ41におけるロータの内周面に形成された又は当該ロータに取り付けられたボールネジナット,シャフトの外周面に形成された螺旋状のボールネジ部,及びこれらボールネジナットとボールネジ部との間に配設された複数のボールで構成されたボールネジ機構を用いることができる。この種の転舵力伝達機構43は、電動モータ41の駆動(即ち、ロータの回転)に伴ってボールネジナットが周方向に回転し、その回転方向に応じてシャフトを車輌の左方向又は右方向に直動させ、これにより、そのシャフトの両端に連結されたタイロッド42L,42Rを介して操舵輪WL,WRを転舵させる。
更に、この車輪転舵角付与手段40には、操舵輪WL,WRの転舵角を検出する転舵角センサ44が設けられている。例えば、この転舵角センサ44としては、シャフトやタイロッド42L,42Rの外周面近傍に配置され、このシャフト等の回転角又は軸線方向(車輌の左右方向)への移動量を検出するものを用いる。この種の転舵角センサ44の場合、車輪転舵制御手段は、その検出した回転角又は移動量に基づいて実際の転舵角が目標転舵角θreqになっているのか否かを判断することができる。
以下に、本実施例1の操舵装置10の動作について図9のフローチャートに基づき説明する。
先ず、本実施例1の目標転舵角設定手段は、車速センサ61,操作力検出手段31,グリップ軸方向操作量検出手段(左右のグリップ軸方向磁気情報読取部25A,25Aと各グリップ軸方向磁気情報発生部25B)及びグリップ周方向操作量検出手段(左右のグリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aと各グリップ周方向磁気情報発生部26B)の夫々の検出信号に基づいて、現在の車輌の車速V,運転者の操舵操作によってステアリングホイール本体21に入力されたステアリング捻れトルクTST及び運転者の操舵操作による左右夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1とグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2を読み込む(ステップST1)。
そして、この目標転舵角設定手段は、そのステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseと、その車速V及びグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1に応じた各グリップ22L,22R毎の第1付加転舵角θaddL1,θaddR1と、その車速V及びグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2に応じた各グリップ22L,22R毎の第2付加転舵角θaddL2,θaddR2と、を夫々に図3の基本転舵角マップデータと図6及び図8の第1及び第2の付加転舵角マップデータから求め(ステップST2,ST3,ST4)、これらを上述した式3に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST5)。
ここで、そのステアリング捻れトルクTSTが「0」のときは基本転舵角θbaseが「0」となり、そのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1やグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が「0」のときは第1付加転舵角θaddL1,θaddR1や第2付加転舵角θaddL2,θaddR2が「0」になる。これが為、上記ステップST1で読み込んだステアリング捻れトルクTST、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1やグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が「0」の場合には、「0」となる基本転舵角θbase、第1付加転舵角θaddL1,θaddR1や第2付加転舵角θaddL2,θaddR2の演算処理を行わずに本演算処理を一旦終えてもよい。
しかる後、本実施例1の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST6)。
その際、運転者がステアリングホイール本体21のみを操舵操作した場合には、ステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseが目標転舵角θreqとして設定され、この目標転舵角θreqへと各操舵輪WL,WRが転舵させられる。また、運転者がグリップ22L,22Rだけをグリップ軸方向のみに操舵操作した場合には、その際の車速Vとグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1に応じた第1付加転舵角θaddL1,θaddR1のみからなる目標転舵角θreqが設定され、この目標転舵角θreqへと各操舵輪WL,WRが転舵させられる。更に、運転者がグリップ22L,22Rだけをグリップ周方向のみに操舵操作した場合には、その際の車速Vとグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2に応じた第2付加転舵角θaddL2,θaddR2のみからなる目標転舵角θreqが設定され、この目標転舵角θreqへと各操舵輪WL,WRが転舵させられる。
このように、従来であれば運転者による操舵トルク(ステアリング捻れトルクTST)の入力と操舵角の入力を1本のステアリングホイール本体のみに負担させていたが、本実施例1の操舵装置10は、これらを各々ステアリングホイール本体21と左右のグリップ22L,22Rとに分担させているので、操舵操作する際の運転者の両腕の操作軌跡が人間の自然な動きの中で完結され、また、その各々の入力の自由度が高くなって、その入力に合わせた最適な操舵輪WL,WRの転舵特性を容易な操舵操作で発揮させることができる。従って、この操舵装置10は、操舵操作する際の運転者の身体的な負担が軽減され、更に、これに伴って操舵操作時の操作ミスについても軽減させることができる。
即ち、ステアリングホイール本体21の操舵角や操作力を増加させ難い自由度の少ない方向への操舵操作を一方の腕に無理して行わせなくても、他方の腕が広い操作空間でグリップ22L(22R)をグリップ軸方向に大きく移動させることができる。例えば、左旋回操舵操作時においては、左腕が身体に引っ掛かるのでステアリングホイール本体21を大きく下に引き下げることができないが、右手でグリップ22Rをグリップ軸方向の左旋回操舵方向へと大きく移動させることができる。これが為、運転者は、ステアリングホイール本体21の持ち位置を変えるなどせずとも、更に、腕が身体に引っ掛かる等の不自然且つ無理な姿勢で操舵操作を行わずとも、操舵輪WL,WRに対して大小に拘わらず所望の転舵角を与えることができる。
また、一方の腕が自由度の少ない方向への操舵操作を行った場合には操舵輪WL,WRに対して小さな転舵角しか与えることができないが、他方の腕でグリップ22L(22R)をグリップ軸方向に大きく移動して操舵輪WL,WRを転舵させることができるので、運転者は、楽に切り増しを行って操舵輪WL,WRに大きな転舵角を与えることができる。
ここで、本実施例1の操舵装置10は、グリップ22L(22R)がステアリングホイール本体21に対してグリップ軸方向に動かされていれば、その際のグリップ軸方向移動量θgripL1(θgripR1)に応じた(ステアリングホイール本体21に対しても操舵操作されているならば更にステアリング捻れトルクTSTにも応じた)目標転舵角θreqで転舵動作が行われる。また、グリップ22L(22R)がステアリングホイール本体21に対してグリップ周方向にも動かされていれば、その際のグリップ軸方向移動量θgripL1(θgripR1)とグリップ周方向移動量θgripL2(θgripR2)に応じた(ステアリングホイール本体21に対しても操舵操作されているならば更にステアリング捻れトルクTSTにも応じた)目標転舵角θreqで転舵動作が行われる。従って、本実施例1の操舵装置10は、例えば腕の自然且つ楽な動きの限界までグリップ22L(22R)をグリップ軸方向へと操作した後であっても、そのグリップ22L(22R)をグリップ周方向へと更に回転させることができるので、運転者は、ステアリングホイール本体21の持ち位置を変えるなどせずとも、更に、腕が身体に引っ掛かる等の不自然且つ無理な姿勢で操舵操作を行わずとも、より大きな転舵角を操舵輪WL,WRに対して与えることができる。
ところで、大方の運転者にとっては、グリップ22L,22Rのグリップ軸方向への操作とグリップ周方向への操作を完全に切り分けて行うことができるものではない。特に、動きの大きいグリップ軸方向への操舵操作時には、運転者に意図する所が無くてもグリップ22L,22Rがグリップ周方向へも動いてしまう。これが為、電子制御装置50の目標転舵角設定手段には、グリップ22L,22Rがグリップ軸方向に動かされているならば、その際にグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が検知されたとしてもグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1(ステアリングホイール本体21に対しても操舵操作されているならば更にステアリング捻れトルクTST)に基づいて目標転舵角θreqを設定させる。そして、グリップ軸方向への操舵操作が終わり(つまり、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1の変化が検知されなくなり)、その後グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2の変化が検知されたときには、そのグリップ軸方向への変化が途絶えた時点のグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1とその時点を起算点にしたグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2(ステアリングホイール本体21に対しても操舵操作されているならば更にステアリング捻れトルクTST)に基づいて目標転舵角θreqを設定させるように目標転舵角設定手段を構成してもよい。これによれば、運転者が厳格にグリップ22L,22Rの2方向への動きを意識せずとも、運転者の操作意思に対応した転舵角で操舵輪WL,WRを転舵させることができる。
また、小さな転舵角でよい場合や転舵角の微調整を行う場合には、ステアリングホイール本体21とグリップ22L(22R)の内の少なくとも一方の操舵操作で済ませることもできる。特に、そのグリップ22L(22R)のグリップ周方向への操舵操作を前述したようにステアリング操舵角の調節用として設定可能であるので、かかる場合には、運転者が軽微な力で操舵輪WL,WRの転舵角を微調整することができ、更に、そのような軽微な力で操舵輪WL,WRの転舵角を保持させることもできる。
更に、この操舵装置10においては、夫々のグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1(グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2)当たりの第1付加転舵角θaddL1,θaddR1(第2付加転舵角θaddL2,θaddR2)を大きな値に設定することも可能であり、かかる設定であれば、グリップ22L,22Rをグリップ軸方向やグリップ周方向へと小さく動かすだけで操舵輪WL,WRを大きく転舵させることができる。従って、運転者の無理な姿勢での操舵操作を更に軽減でき、また、環状部21aの持ち替え(即ち、グリップ22L,22Rの大きな移動やステアリングホイール本体21の大きな回転)を不要にできる又は少なくできるので、操作遅れなどの操作ミスを一段と減らすことができる。
このように、本実施例1の操舵装置10によれば、運転者には、無理なく容易に正確な操舵操作を実行させることができる。
ここで、この操舵装置10においてはステアリングシャフト30に働くステアリング捻れトルクTSTの検出が可能な捻れトルク検出手段を操作力検出手段31として使用しているが、その操作力検出手段31については、例えば、各グリップ22L,22Rと各グリップ軸方向係止手段23,23との間に夫々設けた圧電素子等の圧力検出手段を利用してもよい。つまり、ステアリングホイール本体21に入力した操作力が大きくなるほどに夫々のグリップ22L,22Rとグリップ軸方向係止手段23,23との間の圧力が大きくなるので、その間の圧力検出手段からの検出信号に基づいてステアリングホイール本体21への操作力が推定できる。
また、本実施例1においては車速Vのみを車輌の走行状態の情報として使用するが、これに加えてヨーモーメントやヨーレート、横加速度なども車輌の走行状態の情報として利用してもよい。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例2を図10から図12に基づいて説明する。
本実施例2は、前述した実施例1の操舵装置10におけるステアリングホイール20を図10に示すステアリングホイール120へと置き換えたものである。
具体的に、本実施例2のステアリングホイール120は、実施例1のステアリングホイール20において、グリップ軸方向磁気情報読取部25A,25Aと複数のグリップ軸方向磁気情報発生部25Bとからなる夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向操作量検出手段を以下のものへと置き換えたものである。
本実施例2の図10に示すステアリングホイール120においては、一方のグリップ22L(22R)が環状部21a上をグリップ軸方向へと移動しているときに、他方が初期位置に保持されていることを前提とする。即ち、本実施例2の反力発生手段24についても各グリップ22L,22Rの間隔が狭まるにつれて操舵反力を大きくするものであり、その間隔毎の操舵反力の大きさを一意の関係のものとして表すことができるので、一方のグリップ22L(22R)のみが環状部21a上を移動している場合には、その際の反力発生手段24からの操舵反力の大きさが明らかになれば他方との間隔が判り、その他方との間隔から自身のグリップ軸方向移動量θgripL1(θgripR1)を推定することができる。
そこで、本実施例2においては、運転者による左右夫々のグリップ22L,22Rに対してのグリップ軸方向への操舵トルク(以下、「グリップ軸方向操舵トルク」という。)TgripL1,TgripR1の検出が可能な検出手段を利用する。例えば、そのグリップ軸方向操舵トルクTgripL1,TgripR1の情報を得る為には、そのグリップ22L,22Rに対してのグリップ軸方向への操作力が明らかになればよい。そして、その操作力は、各グリップ22L,22Rへの反力発生手段24からの夫々の反力の絶対値と同値になる。これが為、ここでは、その反力の検出が可能な図10に示す反力検出手段125L,125Rをグリップ軸方向操作量検出手段(第1副操作部材操作量検出手段)として用いる。例えば、その反力検出手段125L,125Rとしては圧力をその大きさに応じた電圧(電気信号)へと変換する圧電素子等の圧力検出手段が考えられる。かかる圧力検出手段を用いる場合には、図10に示す如く反力発生手段24と夫々のグリップ22L,22R(厳密には、第1環状部材27A)の間に反力検出手段125L,125Rを配設する。
この場合、本実施例2の電子制御装置50の目標転舵角設定手段は、その反力検出手段125L,125Rから受信した電気信号に対応する圧力を求め、この圧力に対応するグリップ軸方向操舵トルクTgripL1,TgripR1に応じた第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を実施例1の図6に示す第1付加転舵角マップデータに準ずるマップデータ(つまり、グリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1をグリップ軸方向操舵トルクTgripL1,TgripR1に置き換えたが如きマップデータ)から読み込んで設定させる。尚、この本実施例2の第1付加転舵角マップデータについては、予め実験やシミュレーションを行い、反力発生手段24の設計的特性(バネ定数や初期位置におけるイニシャル荷重など)を考慮に入れたものとして用意しておく。
例えば、本実施例2の操舵装置10においては、図11のフローチャートに示す如く、前述した実施例1のステップST1における左右夫々のグリップ22L,22Rのグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1の替わりに、グリップ軸方向操作量検出手段(反力検出手段125L,125R)の検出信号に基づいてグリップ22L,22Rに働くグリップ軸方向操舵トルクTgripL1,TgripR1を読み込ませる(ステップST11)。
そして、目標転舵角設定手段は、ステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseと、車速V及びグリップ軸方向操舵トルクTgripL1,TgripR1に応じた各グリップ22L,22R毎の第1付加転舵角θaddL1,θaddR1と、車速V及びグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2に応じた各グリップ22L,22R毎の第2付加転舵角θaddL2,θaddR2と、を夫々に求め(ステップST12,ST13,ST14)、これらを上述した式3に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST15)。
しかる後、本実施例2においても、電子制御装置50の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST16)。
このように、本実施例2のステアリングホイール120は、実施例1のステアリングホイール20に対して、グリップ軸方向操作量検出手段の構成とグリップ軸方向操作量に係る第1付加転舵角θaddL1,θaddR1を求める際の演算形態のみを変えたものであり、その実施例1のステアリングホイール20と同様にして操作される。従って、本実施例2の操舵装置10は、運転者の操舵操作に応じて実施例1のときと同様に動作し、このときと同様の作用効果を得ることができる。
ここで、このステアリングホイール120は、厳密に言えば、上記の如く一方のグリップ22L(22R)が初期位置に保持されていなければ、何れのグリップ22L,22Rが操舵操作されているのかを判別し難い。
これが為、かかる不都合を解消する為には、例えば、そのステアリングホイール120の反力発生手段24を2分割し、その間に係止部材を配置すればよい。かかるステアリングホイールについて図12に示す。この図12のステアリングホイール220は、上記ステアリングホイール120において、環状部21aにおける初期位置にある夫々のグリップ22L,22Rの中間部分に環状の係止部材228を一体的に配設し、その係止部材228の夫々の環状面に左右夫々の反力発生手段224L,224Rを係止させたものである。その左側の反力発生手段224Lは、左手用のグリップ22Lの反力検出手段125Lと係止部材228との間に弾発力を働かせた状態で配設する。また、右側の反力発生手段224Rは、右手用のグリップ22Rの反力検出手段125Rと係止部材228との間に弾発力を働かせた状態で配設する。これにより、このステアリングホイール220においては、操舵操作されるグリップ22L,22Rが何れか一方であろうが双方であろうが個々のグリップ22L,22Rの反力を検出することができるので、どのグリップ22L,22Rが操舵操作されているのかを判別することができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例3を図13から図16に基づいて説明する。
本実施例3は、前述した実施例1の操舵装置10におけるステアリングホイール20を図13に示すステアリングホイール320へと置き換えたものである。
具体的に、本実施例3のステアリングホイール320は、実施例1のステアリングホイール20において、グリップ周方向磁気情報読取部26A,26Aと複数のグリップ周方向磁気情報発生部26Bとからなる夫々のグリップ22L,22Rのグリップ周方向操作量検出手段を以下のものへと置き換えたものである。
その本実施例3のグリップ周方向操作量検出手段としては、運転者による左右夫々のグリップ322L,322Rに対してのグリップ周方向への操舵トルク(以下、「グリップ周方向操舵トルク」という。)TgripL2,TgripR2の検出が可能な検出手段を利用する。つまり、本実施例3においては、そのグリップ周方向操舵トルクTgripL2,TgripR2を以て夫々のグリップ322L,322Rに係る付加転舵角を設定させる。
例えば、本実施例3の夫々のグリップ322L,322Rは、ステアリングホイール本体21の環状部21aに対するグリップ周方向への回転幅の小さい転舵角の微調整用として使用させる。従って、この場合には、一方にグリップ322L(322R)からグリップ周方向の回転トルクを働かせ、他方に環状部21aから逆のグリップ周方向の回転トルクを働かせることの可能な部材をグリップ322L(322R)と環状部21aとの間に配設することができ、その各々からの回転トルクに伴いその部材に発生した歪みからグリップ周方向操舵トルクTgripL2,TgripR2を導き出せる。
そこで、本実施例3においては、そのような部材に発生した歪みの検出が可能な歪みセンサ等の歪み検出手段をグリップ周方向操作量検出手段として用いる。例えば、このグリップ周方向操作量検出手段は、図13に示す如く、グリップ322L(322R)における何れかの端部に配設した環状部材327Bと、この環状部材327B上に配設した歪み検出手段326L(326R)と、を備えて構成する。ここでは、その環状部材327Bをグリップ軸方向係止手段23側の端部に配置する。
その夫々の環状部材327Bとは、グリップ322L,322Rとは別体のものとして成型した部材であり、同心円の環状部21a上をグリップ軸方向へと往復移動可能な形状とする一方で、全体のグリップ周方向への回転を不可能にした形状のものである。例えば、この夫々の環状部材327Bは、図14に示す如く、各々のグリップ322L,322Rからのグリップ周方向の回転トルクを作用させることが可能な第1環状部327B1と、この第1環状部327B1に対して所定の間隔を空けて配置されると共にそのグリップ周方向への動きが禁止された第2環状部327B2と、これら第1環状部327B1と第2環状部327B2との間を連結させる少なくとも1枚の板状の連結部327B3と、を備えている。尚、その図14は、右手用のグリップ322Rを例に挙げて図示しているが、左手用のグリップ322Lについてもこれと同様に構成される。
つまり、この環状部材327Bにおいては、第1環状部327B1にグリップ周方向の回転トルクが働いた際に、グリップ周方向への動きが規制された第2環状部327B2との間に相対的なグリップ周方向の捻れトルク(以下、「グリップ捻れトルク」という。)が働く。このグリップ捻れトルクとは上述したグリップ周方向操舵トルクTgripL2,TgripR2と同じものであるので、以下においては、これらをグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2に統一する。従って、その第1環状部327B1と第2環状部327B2との間の連結部327B3にはそのグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2に伴う歪みが発生するので、本実施例3のグリップ周方向操作量検出手段は、その歪みを歪み検出手段326L,326Rで検出させることによってグリップ322L,322Rの操舵操作に応じたグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2の検出を行う。
ここで、その夫々の第1環状部327B1には、各々のグリップ322L,322Rがグリップ周方向へと回転させられた際にその回転トルクを働かせるべく、そのグリップ周方向にて各々のグリップ322L,322Rと係合させるグリップ周方向係合部327B4が設けられている。本実施例3のグリップ周方向係合部327B4は、夫々の第1環状部327B1における各々のグリップ322L,322Rの端面と対向する環状面から一体的に突設された突設体であり、そのグリップ周方向における側壁面にて各々のグリップ322L,322Rのグリップ周方向への回転を係止するものである。これが為、本実施例3の左右夫々のグリップ322L,322Rには、各々の環状部材327B側の端部にそのグリップ周方向係合部327B4の側壁面とグリップ周方向にて係合する凹部や切り欠き部等のグリップ周方向係合部が形成されている。
例えば、ここでは、そのグリップ周方向係合部として図14に示す如く凹部322R1を形成し、この凹部322R1のグリップ周方向における一方の側壁面をグリップ周方向係合部327B4の一方の側壁面とグリップ周方向初期位置にて係合させ、そのときの夫々の他方の側壁面の間に間隔を設けさせる。これにより、その凹部322R1の他方の側壁面は、グリップ322Rをグリップ周方向初期位置からグリップ周方向へと回転させ続けることによってグリップ周方向係合部327B4の他方の側壁面に当接され、このグリップ322Rから第1環状部327B1に対して回転トルクを働かせることができる。尚、本実施例3の各グリップ322L,322Rにおいては、その凹部322R1を複数箇所に形成しておき、その内の1つを上記のグリップ周方向係合部として利用させると共に、別の1つを後述するグリップ周方向回転トルク発生手段を配設する為に利用させる。
このように、ここでは、その側壁面の間隔が夫々のグリップ322L,322Rの可動範囲を規定するものとなり、各グリップ322L,322Rの適切な操作感の設定に必要な各グリップ322L,322Rの環状部21aに対するグリップ周方向への回転幅を確保することができる。その適切な操作感とは、いくら微調整を行うものであるとはいえ、回転幅があまりにも小さいとどの程度の転舵角を操舵輪WL,WRに与えているのか運転者は操作時の感覚として判り難いので、その感覚を運転者がグリップ322L,322Rの動きとして感知し得るだけの操作感のことをいう。その反面、ここでは、夫々の側壁面同士が係合するまでグリップ322Rから第1環状部327B1に回転トルクが作用しないので、それまでのグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が分からず付加転舵角を設定することができない。
そこで、ここでは、夫々のグリップ322L,322Rと各々の第1環状部327B1との間にグリップ周方向への回転トルクを働かせるグリップ周方向回転トルク発生手段を設ける。例えば、そのグリップ周方向回転トルク発生手段としては、グリップ322L,322Rのグリップ周方向への回転が進むにつれて弾発力を増加させる弾性部材を備えたものが考えられる。
ここでは、そのグリップ周方向回転トルク発生手段として、図14に示す如く、一端を夫々のグリップ322L,322Rの凹部322R1のグリップ周方向における側壁面に保持させた弾性部材(弦巻バネ)328aと、この弾性部材328aの他端を保持する弾性部材保持部328bと、が備えられたものを例示する。その弾性部材保持部328bは、夫々の第1環状部327B1における各々のグリップ322L,322Rの端面と対向する環状面から一体的に突設された例えばピン状の突設体である。この例示においては、2つの弾性部材328aの一端を凹部322R1のグリップ周方向における夫々の側壁面に1つずつ保持させ、その夫々の弾性部材328aの他端を1つの弾性部材保持部328bに保持させる。これにより、グリップ322L,322Rをグリップ周方向初期位置からグリップ周方向へと回転させた際には、一方の弾性部材328aの圧縮力と他方の弾性部材328aの引張力が弾性部材保持部328bに掛かり、グリップ322L,322Rの回転に伴う回転トルクが第1環状部327B1に働く。つまり、このようなグリップ周方向回転トルク発生手段を夫々のグリップ322L,322Rと各々の第1環状部327B1との間に介在させることによって、グリップ322L,322Rの回転初期から第1環状部327B1に回転トルクを働かせることができるようになる。
一方、本実施例3においては、図14に示す如く、夫々の環状部材327Bの第2環状部327B2の内周面に内径方向へと突設させた凸部327B5を形成し、更に、この凸部327B5がグリップ軸方向へと案内され且つ当該凸部327B5のグリップ周方向への移動が規制されるガイド部21eを環状部21aに形成する。これにより、その第2環状部327B2は、グリップ周方向へと回転できなくなるので、回転トルクの働いた第1環状部327B1との間にグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2を発生させる。
ここで、図示しないが、夫々のグリップ322L,322Rと各々の第1環状部327B1との間には、その間におけるグリップ周方向への相対的な回転を許す一方で、その間におけるグリップ軸方向への相対的な移動を禁止させる係合部が用意されている。これにより、各環状部材327Bは、各々のグリップ322L,322Rと共にグリップ軸方向へと移動することができる。
本実施例3の目標転舵角設定手段には、例えば、少なくとも一方のグリップ322L,322Rの歪み検出手段326L,326Rによってグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が検出された際に、そのグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2と車速Vとに応じた第3付加転舵角θaddL3,θaddR3を図15に示す第3付加転舵角マップデータから読み込ませる。この第3付加転舵角マップデータは、グリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が大きくなるにつれて、また、車速Vが低くなるにつれて第3付加転舵角θaddL3,θaddR3を大きくするものである。つまり、グリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が大きくなるということは操舵輪WL,WRに大きな転舵角を与えたいとの運転者の意思を表すものであり、そのようなときには、グリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が大きくなるに従って第3付加転舵角θaddL3,θaddR3を大きくさせる。また、車速との関係については、前述した実施例1における第1付加転舵角θaddL1,θaddR1のときのような状況が考えられるので、ここでも車速Vが低くなるに従って第3付加転舵角θaddL3,θaddR3を大きくさせる。この第3付加転舵角マップデータにおいては、その第3付加転舵角θaddL3,θaddR3を正の値として導かせるものとする。
本実施例3においては、その第3付加転舵角θaddL3,θaddR3についても、第1付加転舵角θaddL1,θaddR1のときと同様に基本転舵角θbaseに合わせて正負を関係づける。例えば、ここでは、左手用のグリップ322Lをグリップ周方向初期位置からグリップ周方向へと回転させた際に車輌を右旋回させ、右手用のグリップ322Rをグリップ周方向初期位置からグリップ周方向へと回転させた際に車輌を左旋回させるように設定しておく。従って、ここでは、右旋回操舵操作時のものとして設定される左手用のグリップ322Lに係る第3付加転舵角θaddL3についてのみ目標転舵角θreqの算出時に負の符号を付けることにする。つまり、目標転舵角θreqは、下記の式4に基づき算出させることができる。
θreq=θbase+(θaddR1−θaddL1)+(θaddR3−θaddL3) … (4)
例えば、本実施例3の操舵装置10においては、図16のフローチャートに示す如く、前述した実施例1のステップST1における左右夫々のグリップ22L,22Rのグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2の替わりに、グリップ周方向操作量検出手段(歪み検出手段326L,326R)の検出信号に基づいてグリップ322L,322Rのグリップ周方向への操舵操作に伴うグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2を読み込ませる(ステップST21)。
そして、目標転舵角設定手段は、ステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseと、車速V及びグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1に応じた各グリップ322L,322R毎の第1付加転舵角θaddL1,θaddR1と、車速V及びグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2に応じた各グリップ322L,322R毎の第3付加転舵角θaddL3,θaddR3と、を夫々に求め(ステップST22,ST23,ST24)、これらを上述した式4に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST25)。
しかる後、本実施例3においても、電子制御装置50の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST26)。
このように、本実施例3のステアリングホイール320は、実施例1のステアリングホイール20に対して、グリップ周方向操作量検出手段の構成とグリップ周方向操作量に係る第3付加転舵角θaddL3,θaddR3を求める際の演算形態のみを変えたものであり、その実施例1のステアリングホイール20と同様にして操作される。従って、本実施例3の操舵装置10は、運転者の操舵操作に応じて実施例1のときと同様に動作し、このときと同様の作用効果を得ることができる。更に、本実施例3のグリップ周方向回転トルク発生手段(弾性部材328a、弾性部材保持部328b)はグリップ周方向への操舵操作時の反力発生手段としても機能するので、このステアリングホイール320においては、過度にグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が発生してしまう事態を回避することができ、更に適切な操舵輪WL,WRの転舵角の微調整や保持が可能になる。
ところで、ここでは、或る一方のグリップ周方向に向けてグリップ322L,322Rを回転させたときにのみグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が増加するように構成しているが、そのグリップ322L,322Rをどちらのグリップ周方向に向けて回転させたとしてもグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2が増加するように構成してもよい。
また、本実施例3のグリップ周方向操作量検出手段は、反力発生手段24側の環状部材327Aと置き換えてもよい。
尚、前述した実施例2においても本実施例3の如くグリップ周方向操作量検出手段(歪み検出手段326L,326R、環状部材327B)に置き換えてもよく、この場合においても同様の作用効果を得ることができる。
ここで、本実施例3のグリップ周方向回転トルク発生手段(弾性部材328a、弾性部材保持部328b)は、前述した各実施例1〜2のステアリングホイール20,120,220に対して適用してもよく、これによりグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2が過度に大きくなるという事態を回避することができるので、これら各実施例1〜2のステアリングホイール20,120,220においても更に適切な操舵輪WL,WRの転舵角の微調整や保持を行うことができるようになる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例4を図17及び図18に基づいて説明する。
本実施例4は、前述した実施例1の操舵装置10におけるステアリングホイール20を図17に示すステアリングホイール420へと置き換えたものである。
具体的に、本実施例4のステアリングホイール420は、実施例1のステアリングホイール20に前述した実施例3のグリップ周方向操作量検出手段(歪み検出手段326L,326R、環状部材327B)を加えたものである。つまり、本実施例4は、グリップ422L,422Rのグリップ周方向への操舵操作に伴う転舵角について、グリップ周方向への操舵角(グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2)と操舵トルク{グリップ周方向操舵トルク(グリップ捻れトルク)TgripL2,TgripR2}とで設定させるようにしたものである。
例えば、本実施例4の操舵装置10は、図18のフローチャートに示す如く、前述した実施例1のステップST1において、更に、グリップ周方向操作量検出手段(歪み検出手段326L,326R)の検出信号に基づきグリップ422L,422Rのグリップ周方向への操舵操作に伴うグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2も読み込ませる(ステップST31)。
そして、目標転舵角設定手段は、ステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseと、車速V及びグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1に応じた各グリップ422L,422R毎の第1付加転舵角θaddL1,θaddR1と、車速V及びグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2に応じた各グリップ422L,422R毎の第2付加転舵角θaddL2,θaddR2と、車速V及びグリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2に応じた各グリップ422L,422R毎の第3付加転舵角θaddL3,θaddR3と、を夫々に求め(ステップST32,ST33,ST34,ST35)、これらを下記の式5に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST36)。
θreq=θbase+(θaddR1−θaddL1)+(θaddR2−θaddL2)+(θaddR3−θaddL3
… (5)
しかる後、本実施例4においても、電子制御装置50の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST37)。
本実施例4においては、そのようなステアリングホイール420に置き換えたとしても実施例1のときと同様の作用効果を得ることができる。
ところで、本実施例4のようにして目標転舵角θreqを設定させる場合には、グリップ周方向操作量検出手段の環状部材327Bからグリップ周方向回転トルク発生手段(弾性部材328a、弾性部材保持部328b)を外してステアリングホイールを構成してもよい。かかるステアリングホイールは、グリップ422L,422Rが第1環状部327B1に係止されるまでの間であれば、グリップ周方向への操舵角(グリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2)に基づいてグリップ周方向へと操舵操作した際の付加転舵角を設定させ、その係止後であれば、グリップ周方向への操舵トルク(グリップ捻れトルクTgripL2,TgripR2)に基づいてグリップ周方向へと操舵操作した際の付加転舵角を設定させるものである。即ち、かかるステアリングホイールによれば、グリップ422L,422Rの第1環状部327B1への係止後はそれ以上グリップ422L,422Rがグリップ周方向へと回転しないので、操舵輪WL,WRの転舵角の微調整や保持をより容易に行うことができるようになる。
尚、前述した実施例2,3においても本実施例4の如くグリップ周方向操作量検出手段(歪み検出手段326L,326R、環状部材327B)の追加を行ってもよく、この場合においても同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例5を図19及び図20に基づいて説明する。
図19の符号510は、本実施例5の操舵装置を示す。本実施例5は、前述した各実施例1〜4の操舵装置10において、運転者が操舵操作時にステアリングホイール本体21へと入力した操作力(ステアリング操舵トルク)ではなく、その操舵操作時のステアリングホイール本体21のステアリング操舵角θSTを用いて基本転舵角θbaseの算出を行わせるよう変更したものである。
そこで、本実施例5の操舵装置510には、その各実施例1〜4の操作力検出手段31の替わりに、運転者によるステアリングホイール本体21に対してのステアリング操舵角θSTの検出を行う操舵角検出手段32を設ける。その操舵角検出手段32の一例としては、所謂ステアリング舵角センサが知られており、例えば、ステアリングシャフト30上又はステアリングシャフト30の外周面近傍等に配置され、そのステアリングシャフト30の回転移動量又は回転角度の検出を行うものを用いる。ここでは、左旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21が回転した際のステアリング操舵角θSTを正の値として検出させ、右旋回操舵方向へとステアリングホイール本体21が回転した際のステアリング操舵角θSTを負の値として検出させる。
この操舵角検出手段32の検出信号は電子制御装置50に送信され、この電子制御装置50においてステアリングホイール本体21のステアリング操舵角θSTが算出される。そして、この電子制御装置50の目標転舵角設定手段は、そのステアリング操舵角θSTに該当する基本転舵角θbaseを求める。その際、この目標転舵角設定手段は、予め用意されている基本転舵角マップデータを用いて基本転舵角θbaseの算出を行う。例えば、その基本転舵角マップデータは、図3の基本転舵角マップデータにおける横軸のステアリング捻れトルクTSTをステアリング操舵角θSTに置き換えたものと同等の転舵角変化特性を有している。即ち、この基本転舵角マップデータは、直進時を中心にして、左旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを正の値とし、右旋回操舵操作時の基本転舵角θbaseを負の値としたものであり、ステアリング操舵角θSTの絶対値が大きくなるにつれて基本転舵角θbaseを大きくするものである。
以下に、本実施例5の操舵装置510の動作について図20のフローチャートを用いて簡単に説明する。尚、ここでは、前述した実施例1のステアリングホイール20を基にしたものを代表して例示する。
先ず、本実施例5の目標転舵角設定手段は、前述した実施例1のステップST1におけるステアリング捻れトルクTSTの替わりに、操舵角検出手段32の検出信号に基づいて運転者の操舵操作によるステアリングホイール本体21のステアリング操舵角θSTを読み込ませる(ステップST41)。
そして、目標転舵角設定手段は、そのステアリング操舵角θSTに応じた基本転舵角θbaseと、車速V及びグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1に応じた各グリップ22L,22R毎の第1付加転舵角θaddL1,θaddR1と、車速V及びグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2に応じた各グリップ22L,22R毎の第2付加転舵角θaddL2,θaddR2と、を夫々に求め(ステップST42,ST43,ST44)、これらを上述した式3に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST45)。
しかる後、本実施例5においても、電子制御装置50の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST46)。
このように、本実施例5の操舵装置510は、操舵角の入力をステアリングホイール本体21と左右のグリップ22L,22Rとに分担させている。つまり、この操舵装置510は、前述した各実施例1〜4に対して基本転舵角θbaseの演算形態のみを変更したものであり、それ以外の演算処理や機械的な構成についての変更はないので、その各実施例1〜4のときと同等の動作が行われ、このときと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例6を図21及び図22に基づいて説明する。
図21の符号610は、本実施例6の操舵装置を示す。本実施例6は、前述した各実施例1〜4の操舵装置10において、運転者が操舵操作時にステアリングホイール本体21へと入力した操作力(ステアリング操舵トルク)に加えて、実施例5において示した操舵操作時におけるステアリングホイール本体21のステアリング操舵角θSTをも用いて基本転舵角θbaseの算出を行わせるよう変更したものである。即ち、本実施例6の操舵装置610は、各実施例1〜4の操舵装置10において実施例5の操舵角検出手段32を更に設けたものである。
従って、本実施例6の目標転舵角設定手段には、そのステアリング捻れトルクTST及びステアリング操舵角θSTに該当する基本転舵角θbaseを求めさせる。ここでは、下記の式6を用いて基本転舵角θbaseの算出を行う。
θbase=K1*θbaseST)+K2*θbase(TST) … (6)
この式6における「θbaseST)」は、ステアリング操舵角θSTに基づいた基本転舵角(以下「第1基本転舵角」という。)のことであり、例えば上述した図3の基本転舵角マップデータに準じた実施例5のマップデータから求められる。また、この式6における「θbase(TST)は、ステアリング捻れトルクTSTに基づいた基本転舵角(以下「第2基本転舵角」という。)のことであり、例えば上述した図3の基本転舵角マップデータから求められる。また、「K1」は第1基本転舵角θbaseST)に対しての係数であり、「K2」は第2基本転舵角θbase(TST)に対しての係数である。これら「K1」及び「K2」は、ステアリング操舵角θSTとステアリング捻れトルクTSTの何れに重点を置き基本転舵角θbaseの算出を行わせるのかによって決める係数であり、重点の置かれた方の値を大きくする。つまり、ステアリング操舵角θSTによる転舵角を大きくしたいのであればK1を大きな値に設定し、ステアリング捻れトルクTSTによる転舵角を大きくしたいのであればK2を大きな値に設定する。例えば、これら「K1」と「K2」との関係は、ステアリング操舵角θSTとステアリング捻れトルクTSTとの間の重み付けの比γ=K1/K2として予め設定しておく。
以下に、本実施例6の操舵装置610の動作について図22のフローチャートを用いて簡単に説明する。尚、ここでは、前述した実施例1のステアリングホイール20を基にしたものを代表して例示する。
先ず、本実施例6の目標転舵角設定手段は、前述した実施例1のステップST1において更にステアリング操舵角θSTについても読み込ませる(ステップST51)。
そして、目標転舵角設定手段は、そのステアリング操舵角θSTとステアリング捻れトルクTSTに応じた基本転舵角θbaseを上記の式6から求めると共に(ステップST52)、車速V及びグリップ軸方向移動量θgripL1,θgripR1に応じた各グリップ22L,22R毎の第1付加転舵角θaddL1,θaddR1と、車速V及びグリップ周方向移動量θgripL2,θgripR2に応じた各グリップ22L,22R毎の第2付加転舵角θaddL2,θaddR2と、を夫々に求め(ステップST53,ST54)、これらを上述した式3に代入して目標転舵角θreqを算出する(ステップST55)。
しかる後、本実施例6においても、電子制御装置50の車輪転舵制御手段は、その目標転舵角θreqとなるように車輪転舵角付与手段40を駆動制御して各操舵輪WL,WRを転舵させる(ステップST56)。
このように、本実施例6の操舵装置610は、前述した各実施例1〜4に対して基本転舵角θbaseの演算形態のみを変更したものであり、それ以外の演算処理や機械的な構成についての変更はないので、その各実施例1〜4のときと同等の動作が行われ、このときと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る操舵装置の実施例7を図23に基づいて説明する。
例えば、前述した各実施例1〜6の操舵装置10(510,610)は、ステアリング操舵角θSTを大きくするにつれてステアリング捻れトルクTST(換言すれば、操舵反力)が大きくなっていくものであると仮定する。この場合、この操舵装置10(510,610)においては、大きすぎる操舵反力が弊害となって、切り替えし動作などのような大きなステアリング操舵角θSTをステアリングホイール本体21に与え難くなり、運転者による操舵操作態様の幅が狭まってしまう。これが為、例えば、ステアリングシャフト30の捻れ剛性を低下させることによって大きなステアリング操舵角θSTまでの操舵操作を可能にすることもできるが、その捻れ剛性の低下に伴って車体からの振動がステアリングシャフト30を介してステアリングホイール本体21へと伝達されるので、運転者は、その振動に不快感を覚える。
そこで、本実施例7の操舵装置710は、その各実施例1〜6の操舵装置10(510,610)において、ステアリングシャフト30を軸受け等の回転方向における抵抗の少ない保持手段(図示略)で保持させる。これにより、運転者がステアリングホイール本体21をどれだけ回転させても操舵反力を殆ど感じないので、ステアリングシャフト30の捻れ剛性を低下させずに、また、その捻れ剛性を上げたとしても、大きなステアリング操舵角θSTの操舵操作を行えるようになる。つまり、この操舵装置710においては、ステアリングシャフト30の捻れ剛性を低下させる必要が無く、ステアリングホイール本体21を介して車体からの振動が運転者に伝わらないので、大きなステアリング操舵角θSTまで不快な振動の無い滑らかなステアリングホイール本体21の操舵操作を行うことができる。従って、本実施例7の操舵装置710においては、ステアリングホイール本体21を操舵操作した際の各操舵輪WL,WRの基本転舵角θbaseがステアリング操舵角θSTの大小に拘わらず設定できるようになる。即ち、この本実施例7の操舵装置710によれば、その基本転舵角θbaseの設定制御幅が拡がるので、運転者による操舵操作態様の幅を拡大させることができる。
ここで、本実施例7の操舵装置710においては、車体からの振動を吸収可能な弾性係数の小さな弾性部材やダンパー等の減衰装置を介してステアリングシャフト30の保持手段を車体に固定してもよい。これにより、より効果的に運転者への振動の伝達を抑えることができる。
一方、この操舵装置710は、このままでは殆ど操舵反力を感じないので、一般的な運転者が慣れ親しんでいるステアリングホイールと操舵輪とが機械的に連結された操舵装置と比較して違和感を覚えさせる。これが為、本実施例7の操舵装置710においては、運転者の操舵操作の弊害とならない程度の最適な大きさの操舵反力を発生させ、この操舵反力を運転者に伝える図23の操舵反力発生手段33を設ける。これにより、本実施例7の操舵装置710は、ステアリングホイール本体21の操舵操作時に感じさせる操舵反力を大きなステアリング操舵角θSTに至るまで運転者の最適な大きさにすることができる。
ここで、この操舵反力発生手段33は、当該技術分野における周知の構成のものを適用することができる。例えば、本実施例7の操舵反力発生手段33は、ステアリングシャフト30上に配備され、運転者がステアリングホイール本体21に与えた操作力(ステアリング捻れトルクTST)又はステアリング操舵角θSTに応じた逆方向のトルクを強制的に発生させて、これを操舵反力として運転者にステアリングシャフト30とステアリングホイール本体21を介して伝えるものである。この種の操舵反力発生手段33としては、例えば、ステアリングホイール本体21の動き{操作力(ステアリング捻れトルクTST)やステアリング操舵角θST}に基づいて図示しない電動モータを駆動し、ギアなどの動力伝達機構を介してステアリングホイール本体21の操舵方向とは反対方向のトルクを発生させてステアリングシャフト30に伝えるものが知られている。
このように、本実施例7の操舵装置710は、前述した各実施例1〜6に対して操舵操作態様の幅を拡げたものであり、それ以外の演算処理や機械的な構成についての変更はないので、その各実施例1〜6のときと同等の動作が行われ、このときと同様の作用効果を得ることができる。
ところで、上述した各実施例1〜7においては左右のスポーク部21b,21bよりも上方にグリップ22L,22R(322L,322R,422L,422R)を夫々配設したが、そのグリップ22L,22R(322L,322R,422L,422R)は、必ずしも上述した態様に限定して配置するものではない。例えば、各グリップ22L,22R(322L,322R,422L,422R)は、ステアリングホイール本体21の環状部21aにおける各スポーク部21b,21bよりも下方に各々配設してもよく、これによっても各実施例1〜7と同様の作用効果を得ることができる。
また、上述した各実施例1〜7においてはステアリングホイール本体21に2つのグリップ22L,22R(322L,322R,422L,422R)を設けたが、かかるグリップは、必ずしも2つに限定するものではない。例えば、グリップは、ステアリングホイール本体21の環状部21aの上部又は下部に上記のグリップ22L,22R(322L,322R,422L,422R)と同様の形態のものを1つだけ設けたものであってもよく、これによっても各実施例1〜7と同様の作用効果を得ることができる。この場合には、そのグリップの両端に同等の大きさの押圧力を掛ける反力発生手段24を夫々配置する。
以上のように、本発明に係る操舵装置は、運転者に無理なく容易な操舵操作を行わせる為の技術に適している。
本発明に係る操舵装置の実施例1〜4の構成を示す図である。 実施例1のステアリングホイールの正面図である。 実施例1〜4の基本転舵角マップデータの一例を示す図である。 実施例1のステアリングホイールの正面図であって、グリップ軸方向操作量検出手段について説明する部分透視図である。 実施例1のステアリングホイールの正面図であって、グリップのグリップ軸方向への操舵操作状態を示す図である。 実施例1の第1付加転舵角マップデータの一例を示す図である。 実施例1のグリップ周方向操作量検出手段について説明する部分断面斜視図である。 実施例1の第2付加転舵角マップデータの一例を示す図である。 実施例1の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例2のステアリングホイールの正面図である。 実施例2の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例2のステアリングホイールの他の例の正面図である。 実施例3のステアリングホイールの正面図である。 実施例3のグリップ周方向操作量検出手段について説明する斜視図である。 実施例3の第3付加転舵角マップデータの一例を示す図である。 実施例3の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例4のステアリングホイールの正面図である。 実施例4の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る操舵装置の実施例5の構成を示す図である。 実施例5の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る操舵装置の実施例6の構成を示す図である。 実施例6の操舵装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る操舵装置の実施例7の構成を示す図である。
符号の説明
10,510,610,710 操舵装置
20 ステアリングホイール
21 ステアリングホイール本体(操舵操作主体)
21a 環状部
21d ガイド部
21e ガイド部
22L 左手用のグリップ(副操作部材)
22R 右手用のグリップ(副操作部材)
23 グリップ軸方向係止手段
24 反力発生手段
25A グリップ軸方向磁気情報読取部(第1副操作部材操作量検出手段)
25B グリップ軸方向磁気情報発生部(第1副操作部材操作量検出手段)
26A グリップ周方向磁気情報読取部(第2副操作部材操作量検出手段)
26B グリップ周方向磁気情報発生部(第2副操作部材操作量検出手段)
27A 環状部材
27A1 凸部
30 ステアリングシャフト
31 操作力検出手段
32 操舵角検出手段
40 車輪転舵角付与手段
50 電子制御装置
61 車速センサ
120 ステアリングホイール
125L,125R 反力検出手段(第1副操作部材操作量検出手段)
220 ステアリングホイール
224L,224R 反力発生手段
228 係止部材
320 ステアリングホイール
322L 左手用のグリップ(副操作部材)
322R 右手用のグリップ(副操作部材)
326L,326R 歪み検出手段(第2副操作部材操作量検出手段)
327B 環状部材
327B1 第1環状部
327B2 第2環状部
327B3 連結部
327B4 グリップ周方向係合部
327B5 凸部
328a 弾性部材
328b 弾性部材保持部
420 ステアリングホイール
422L 左手用のグリップ(副操作部材)
422R 右手用のグリップ(副操作部材)
gripL1,TgripR1 グリップ軸方向操舵トルク(第1副操作部材操作量)
gripL2,TgripR2 グリップ周方向操舵トルク(第2副操作部材操作量)
ST ステアリング捻れトルク
V 車速
WL,WR 操舵輪
θaddL1,θaddR1 第1付加転舵角
θaddL2,θaddR2 第2付加転舵角
θaddL3,θaddR3 第3付加転舵角
θbase 基本転舵角
θgripL1,θgripR1 グリップ軸方向移動量(第1副操作部材操作量)
θgripL2,θgripR2 グリップ周方向移動量(第2副操作部材操作量)
θreq 目標転舵角
θST ステアリング操舵角

Claims (4)

  1. 運転者による操舵操作時の回転軸を中心にした回転が可能な操舵操作主体と、運転者の操舵操作に応じて操舵輪の目標転舵角を設定する目標転舵角設定手段と、前記目標転舵角となるように操舵輪を転舵させる車輪転舵角付与手段と、を備えた操舵装置において、
    運転者が操舵操作を行う際に前記操舵操作主体上を所定方向へと移動させ且つ当該所定方向の方向軸を中心に回転させることの可能な副操作部材と、
    運転者による前記副操作部材に対しての前記所定方向への第1副操作部材操舵操作量を検出する第1副操作部材操作量検出手段と、
    運転者による前記副操作部材に対しての前記所定方向の方向軸周りへの第2副操作部材操舵操作量を検出する第2副操作部材操作量検出手段と、
    を設け、
    前記目標転舵角設定手段は、前記副操作部材に対しての第1副操作部材操舵操作量及び第2副操作部材操舵操作量に基づいて前記目標転舵角の設定を行うよう構成したことを特徴とする操舵装置。
  2. 前記第1副操作部材操舵操作量は、前記副操作部材の前記所定方向への移動量又は当該所定方向への運転者による前記副操作部材に対しての操作力であることを特徴とする請求項1記載の操舵装置。
  3. 前記第2副操作部材操舵操作量は、前記副操作部材の前記所定方向の方向軸周りへの移動量又は当該方向軸周りへの運転者による前記副操作部材に対しての操作力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵装置。
  4. 前記目標転舵角設定手段は、検出された前記第1副操作部材操舵操作量が変化し続けているときには当該第1副操作部材操舵操作量に基づき前記目標転舵角の設定を行う一方、該第1副操作部材操舵操作量の変化が途絶えた後は当該途絶えた時点を起算点にした前記第2副操作部材操舵操作量を用いて前記目標転舵角の設定を行うよう構成したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の操舵装置。
JP2007049392A 2007-02-28 2007-02-28 操舵装置 Pending JP2008213509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007049392A JP2008213509A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007049392A JP2008213509A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008213509A true JP2008213509A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39834095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007049392A Pending JP2008213509A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008213509A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010089945A1 (ja) * 2009-02-04 2010-08-12 本田技研工業株式会社 車両用ステアリング装置
CN104405732A (zh) * 2014-11-21 2015-03-11 三一重型装备有限公司 一种支架搬运车及其液压油箱的自加热系统
KR20170135296A (ko) * 2016-05-31 2017-12-08 현대자동차주식회사 스티어링 휠의 그립감 가변 장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010089945A1 (ja) * 2009-02-04 2010-08-12 本田技研工業株式会社 車両用ステアリング装置
CN104405732A (zh) * 2014-11-21 2015-03-11 三一重型装备有限公司 一种支架搬运车及其液压油箱的自加热系统
KR20170135296A (ko) * 2016-05-31 2017-12-08 현대자동차주식회사 스티어링 휠의 그립감 가변 장치
KR102335514B1 (ko) 2016-05-31 2021-12-03 현대자동차주식회사 스티어링 휠의 그립감 가변 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7966114B2 (en) Electric power steering device, and control method thereof
JP5126357B2 (ja) 車両の操舵装置
JP7197413B2 (ja) 操舵制御システム
JP5860568B2 (ja) パワーステアリング装置及びこれに用いる制御装置
JP4710202B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
CN111114624B (zh) 转向系统及转向系统的控制方法
JP3897293B2 (ja) 車両の運転操作装置
JP6812806B2 (ja) ステアバイワイヤ式操舵装置
JP2008213509A (ja) 操舵装置
WO2021157610A1 (ja) ステアバイワイヤの操舵入力装置
JP2019131072A (ja) 操舵制御装置
JP2008114708A (ja) 操舵装置
JP5273929B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5234061B2 (ja) 車両用操舵装置
JP4434261B2 (ja) ステアリング装置
JP2007186014A (ja) 車両用操舵装置
JP4577020B2 (ja) 車両の操舵装置
JP2020163993A (ja) 操舵制御装置
WO2003091084A1 (fr) Procede et dispositif de commande de mouvement de vehicule
US20230091186A1 (en) Vehicle steering system
JP2019025961A (ja) 操舵制御装置
JP2008213508A (ja) 操舵装置
JP2008143234A (ja) 車両用操舵装置
JP7491287B2 (ja) 車両の操舵システム、反力トルクの制御方法、及びプログラム
JP4285369B2 (ja) 車両の操舵装置