JP2008143234A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーの好みに応じた操舵フィーリングを提供することができ、かつ、その操舵フィーリングを切り替えることのできる車両用操舵装置を実現する。
【解決手段】外部からの指示に基づいて連結部211の捩り剛性を切り替える剛性切替機構210と、当該剛性切替機構210による切り替え後の捩り剛性に基づいて車両のステアリング機構に操舵補助力を与える際の制御態様を切り替える制御態様切替手段とを車両用操舵装置に備える。走行モードの切り替えの指示がなされると、剛性切替機構210は、嵌合部材の嵌合/離反の状態を切り替えることにより、連結部211の捩り剛性を切り替える。制御態様切替手段は、切り替え後の捩り剛性に基づいて、操舵補助力の制御の際に使用されるパラメータを変更する。
【選択図】図3
【解決手段】外部からの指示に基づいて連結部211の捩り剛性を切り替える剛性切替機構210と、当該剛性切替機構210による切り替え後の捩り剛性に基づいて車両のステアリング機構に操舵補助力を与える際の制御態様を切り替える制御態様切替手段とを車両用操舵装置に備える。走行モードの切り替えの指示がなされると、剛性切替機構210は、嵌合部材の嵌合/離反の状態を切り替えることにより、連結部211の捩り剛性を切り替える。制御態様切替手段は、切り替え後の捩り剛性に基づいて、操舵補助力の制御の際に使用されるパラメータを変更する。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車等の車両に搭載され、操舵操作に応じて車両のステアリング機構に操舵補助力を与える車両用操舵装置に関する。
従来より、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置には、操舵のための操作手段であるハンドル(ステアリングホイール)に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサと車両の走行速度を検出する車速センサとが設けられており、トルクセンサで検出される操舵トルクと車速センサで検出される車速とに基づき電動モータに供給すべき電流の目標値(以下「目標電流値」という)が設定される。そして、この目標電流値と電動モータに実際に流れる電流の値との偏差に基づいて比例積分演算により電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成され、この指令値により電動モータに対するフィードバック制御が行われる。
ところで、このような電動パワーステアリング装置が搭載された車両において、運転者がハンドルから受ける手応えは、当該ハンドルに一端が固着されたステアリングシャフトの捩り剛性(ねじりに関するばね定数)に応じて異なる。より詳しくは、ステアリングシャフトの捩り剛性が相対的に低くなるほど路面からの振動がハンドルに伝わりにくくなり、捩り剛性が相対的に高くなるほど路面からの振動がハンドルに伝わりやすくなる。換言すれば、運転者が静粛性を好む場合には、捩り剛性を低くするほど、運転者の好みに応じた操舵フィーリングが得られる。一方、スポーツ走行時など運転者がダイレクト感(高い応答性)を好む場合には、捩り剛性を高くするほど、運転者の好みに応じた操舵フィーリングが得られる。
上述したステアリングシャフトの捩り剛性に関し、特開2005−112131号公報には、非操舵時である直進走行時にはトーションバーの捩りに関与する有効長を短くすることにより捩り剛性を高くし、操舵時にはトーションバーの捩りに関与する有効長を長くすることにより捩り剛性を低くする「動力舵取装置用のサーボ弁」についての発明が開示されている。
特開2005−112131号公報
ところが、上記従来技術によると、高剛性と低剛性との間での捩り剛性の切り替えは、トーションバーの捩れ角に基づいて行われる。このため、例えば、ダイレクト感が要求されるスポーツ走行中であっても、直進走行時には捩り剛性は低くされる。このように、ユーザー(運転者)が運転時に要求する操舵フィーリングに応じて捩り剛性が切り替えられるものではない。従って、ユーザーは、様々な走行スタイルでの運転を望む場合には、その走行スタイル毎に車両を替えなければならなかった。
そこで本発明は、ユーザーの好みに応じた操舵フィーリングを提供することができ、かつ、その操舵フィーリングを切り替えることのできる車両用操舵装置を実現することを目的とする。
第1の発明は、車両の操舵操作に応じて回転する入力軸と、前記入力軸の回転に応じて前記車両の車輪を転舵させるように回転する出力軸と、前記入力軸と前記出力軸とを連結する連結部とを備え、前記入力軸の回転に伴う前記連結部の捩れ角に応じて前記車両のステアリング機構に操舵補助力を与える車両用操舵装置であって、
外部からの指示に基づいて前記連結部の捩り剛性を切り替える剛性切替手段と、
前記剛性切替手段による切り替え後の捩り剛性に基づいて、前記車両のステアリング機構に操舵補助力を与える際の制御態様を切り替える制御態様切替手段と
を備えることを特徴とする。
外部からの指示に基づいて前記連結部の捩り剛性を切り替える剛性切替手段と、
前記剛性切替手段による切り替え後の捩り剛性に基づいて、前記車両のステアリング機構に操舵補助力を与える際の制御態様を切り替える制御態様切替手段と
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記ステアリング機構に与えられるべき操舵補助力を制御する際に使用されるパラメータである操舵制御パラメータを前記連結部の取り得る捩り剛性と対応付けて予め複数保持する操舵制御パラメータ保持手段を更に備え、
前記制御態様切替手段は、前記予め保持された複数の操舵制御パラメータのうち前記剛性切替手段による切り替え後の捩り剛性と対応付けられている操舵制御パラメータを前記操舵補助力を制御する際に使用されるパラメータとして設定することによって、前記制御態様を切り替えることを特徴とする。
前記ステアリング機構に与えられるべき操舵補助力を制御する際に使用されるパラメータである操舵制御パラメータを前記連結部の取り得る捩り剛性と対応付けて予め複数保持する操舵制御パラメータ保持手段を更に備え、
前記制御態様切替手段は、前記予め保持された複数の操舵制御パラメータのうち前記剛性切替手段による切り替え後の捩り剛性と対応付けられている操舵制御パラメータを前記操舵補助力を制御する際に使用されるパラメータとして設定することによって、前記制御態様を切り替えることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記剛性切替手段は、
前記入力軸と前記出力軸とを連結する低剛性部材と、
凹部を有する第1部材と凸部を有する第2部材とからなり前記入力軸と前記出力軸とを連結するための高剛性の嵌合部材と、
前記第1部材もしくは前記第2部材を移動させることにより前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを嵌合もしくは離反させる嵌合部材駆動機構と
を含み、
前記嵌合部材駆動機構は、
前記連結部の捩り剛性を低くする際には、前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを離反させ、
前記連結部の捩り剛性を高くする際には、前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを嵌合させることを特徴とする。
前記剛性切替手段は、
前記入力軸と前記出力軸とを連結する低剛性部材と、
凹部を有する第1部材と凸部を有する第2部材とからなり前記入力軸と前記出力軸とを連結するための高剛性の嵌合部材と、
前記第1部材もしくは前記第2部材を移動させることにより前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを嵌合もしくは離反させる嵌合部材駆動機構と
を含み、
前記嵌合部材駆動機構は、
前記連結部の捩り剛性を低くする際には、前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを離反させ、
前記連結部の捩り剛性を高くする際には、前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを嵌合させることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、車両用操舵装置において、入力軸と出力軸との連結部の捩り剛性を外部からの指示に基づいて切り替える剛性切替手段が設けられている。このため、例えばユーザーが走行モードを選択することによって連結部の捩り剛性が切り替えられる構成にすることができる。これにより、ユーザーは、1台の車両で異なる操舵フィーリングを楽しむことができる。また、連結部の捩り剛性が切り替えられると、それに応じて車両の制御態様も切り替えられる。このため、例えば制御系で使用されるパラメータを(選択可能な)走行モード毎に予め用意しておくことにより、選択された走行モードにおけるアシスト特性や周波数特性等を考慮して車両の制御を行うことができる。これにより、ユーザーの好みに応じた操舵フィーリングを、ユーザーに違和感を与えることなく提供することができる。
上記第2の発明によれば、連結部の取り得る捩り剛性毎に操舵制御パラメータを予め用意しておくことによって、上記第1の発明と同様、1台の車両で異なる操舵フィーリングを提供することができるとともに、ユーザーの好みに応じた操舵フィーリングをユーザーに違和感を与えることなく提供することができる。
上記第3の発明によれば、入力軸と出力軸とは、低剛性部材で連結されるとともに、高剛性の嵌合部材によっても連結される。ここで、嵌合部材は凹部を有する第1部材と凸部を有する第2部材とからなり、また、嵌合部材駆動機構はそれら第1部材もしくは第2部材を移動させることができる。このため、第1部材の凹部と第2部材の凸部とを対置させ、ユーザーによる走行モードの選択に応じて嵌合部材駆動機構が第1部材もしくは第2部材を移動させる構成とすることができる。これにより、比較的簡易な構成で連結部の捩り剛性を切り替えることができ、ユーザーの好みに応じた操舵フィーリングを提供できる車両用操舵装置が容易に実現される。
以下、本発明に係る車両用操舵装置を電動パワーステアリング装置に適用した例を一実施形態として説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサ4と、ハンドル操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、トルクセンサ3および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサ4と、ハンドル操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、トルクセンサ3および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
ここで、ステアリングシャフト102には、ハンドル100側の部分(以下、「入力軸102a」という。)と減速ギヤ7を介して操舵補助トルクの加えられる部分(以下、「出力軸102b」という。)とを連結するために、トーションバー200を含む連結部211が設けられている。また、ステアリングシャフト102の捩り剛性を切り替えるための剛性切替機構210が設けられており、連結部211は剛性切替機構の一部を構成している。なお、剛性切替機構210の詳しい構成については後述する。
トルクセンサ3は、ステアリングシャフト102の上記連結部211のねじれを検出することにより操舵トルクを検出する。このようにして検出された操舵トルクの検出値Tは、操舵トルク検出信号としてトルクセンサ3から出力され、ECU5に入力される。また、車速センサ4は、車両の走行速度である車速の検出値Vを示す信号を車速信号として出力する。この車速信号もECU5に入力される。
このような電動パワーステアリング装置を搭載した車両において、運転者がハンドル100を操作すると、その操作による操舵トルクがトルクセンサ3によって検出され、その操舵トルクの検出値Tと車速センサ4によって検出された車速の検出値Vとに基づいてECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、その操舵補助力が減速ギヤ7を介してステアリングシャフト102に加えられることにより、操舵操作による運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクと、モータ6の発生する操舵補助力によるトルクの和が出力トルクとして、ステアリングシャフト102を介してラックピニオン機構104に与えられる。これによりピニオン軸が回転すると、その回転がラックピニオン機構104によってラック軸の往復運動に変換される。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
なお、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置においては、ユーザー(運転者)が好みの操舵フィーリングを選択できるように、2つの走行モードが予め用意されている。詳しくは、静粛性が好まれるときのモードである「ノーマルモード」とスポーツ走行に応じたモードである「スポーツモード」とが用意されている。
<2.制御装置の構成および動作>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の機能的構成を示すブロック図である。このECU5は、モータ制御部として機能するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10と、そのマイコン10から出力される指令値Dに応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路18と、そのPWM信号のデューティ比に応じた電圧をモータ6に印加するモータ駆動回路20と、モータ6に流れる電流を検出する電流検出器19とから構成される。
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の機能的構成を示すブロック図である。このECU5は、モータ制御部として機能するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10と、そのマイコン10から出力される指令値Dに応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路18と、そのPWM信号のデューティ比に応じた電圧をモータ6に印加するモータ駆動回路20と、モータ6に流れる電流を検出する電流検出器19とから構成される。
マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12と減算器14とフィードバック制御演算部(以下「FB制御演算部」と略記する)16とからなるモータ制御部として機能する。このモータ制御部において、目標電流設定部12は、トルクセンサ3から出力される操舵トルクの検出値T(以下、単に「操舵トルクT」という)と、車速センサ4から出力される車速の検出値V(以下、単に「車速V」という)とに基づき、モータ6に流すべき電流の目標値Itを決定する。減算器14は、この目標電流設定部12から出力される目標電流値Itと電流検出器19から出力されるモータ電流の検出値Isとの偏差It−Isを算出する。FB制御演算部16は、この偏差It−Isに基づく比例積分制御演算によって、PWM信号生成回路18に与えるべきフィードバック制御のための上記指令値Dを生成する。
PWM信号生成回路18は、この指令値Dに応じたデューティ比のパルス信号、すなわち指令値Dに応じてパルス幅の変化するPWM信号を生成する。モータ駆動回路20は、典型的にはバッテリ8の電源ラインと接地ラインとの間に接続される4個の電力用の電界効果型トランジスタからなるブリッジ回路であって、PWM信号のパルス幅(デューティ比)に応じた電圧をモータ6に印加する。モータ6は、その電圧印加によって流れる電流に応じた大きさおよび方向のトルクを発生する。このように、目標電流値Itを受け取る減算器14、FB制御演算部16、PWM信号生成回路18、モータ駆動回路20、およびモータ電流の検出値Isを減算器14へ出力する電流検出器19は、モータ6に対するフィードバック制御を行う制御手段を構成する。
ところで、本実施形態においては、上述のように2つの走行モードが予め用意されている。ユーザーにより走行モードの切り替えの指示がなされると、後述のようにしてステアリングシャフト102の捩り剛性が切り替えられる。ステアリングシャフト102の捩り剛性が変化すると、検出される操舵トルクTの大きさや共振周波数等が変化する。このため、捩り剛性の変化に応じて、例えばアシスト量を変化させる必要がある。そこで、本実施形態においては、モータ制御部10で使用されるパラメータ(以下、「操舵制御パラメータ」という。)として、低剛性用のパラメータ(以下、「低剛性用操舵制御パラメータ」という。)と高剛性用のパラメータ(以下、「高剛性用操舵制御パラメータ」という。)とが予め操舵制御パラメータ保持手段としてのECU5に保持されている。
<3.剛性切替機構の構成および動作>
図3は、本実施形態における剛性切替機構210の構成を模式的に示した図である。この剛性切替機構210は、入力軸102aと出力軸102bとを連結する連結部211と、ボールねじ機構213と、回転モータ214と、スライド機構215とから構成されている。連結部211には、トーションバー200と、凹部を有する第1部材212aと凸部を有する第2部材212bとからなる嵌合部材とが含まれている。第1部材212aと第2部材212bとは、凹部と凸部とが嵌合可能なように対置されている。また、第2部材212bおよびスライド機構215は、図3において矢印で示す軸方向に移動可能なように形成されている。なお、本実施形態においては、トーションバー200には比較的低剛性の部材が用いられ、嵌合部材には比較的高剛性の部材が用いられている。
図3は、本実施形態における剛性切替機構210の構成を模式的に示した図である。この剛性切替機構210は、入力軸102aと出力軸102bとを連結する連結部211と、ボールねじ機構213と、回転モータ214と、スライド機構215とから構成されている。連結部211には、トーションバー200と、凹部を有する第1部材212aと凸部を有する第2部材212bとからなる嵌合部材とが含まれている。第1部材212aと第2部材212bとは、凹部と凸部とが嵌合可能なように対置されている。また、第2部材212bおよびスライド機構215は、図3において矢印で示す軸方向に移動可能なように形成されている。なお、本実施形態においては、トーションバー200には比較的低剛性の部材が用いられ、嵌合部材には比較的高剛性の部材が用いられている。
図4は、本実施形態におけるボールねじ機構213の構成を示すブロック図である。このボールねじ機構213は、ボールねじ213aと、ガイド部材213bと、ボールねじ213aに螺合するボールねじナット213dと、ボールねじナット213dと一体的に移動する移動体213cと、軸受け(ベアリング)213eとから構成されている。ボールねじ213aは、回転運動を直進運動に変換するものであり、回転モータ214によって回転力を与えられることにより回転する。ガイド部材213bは、移動体213cを支持している。移動体213cは、ボールねじ213aが回転駆動されることによりガイド部材213b上を移動する。また、軸受け213eの外輪がボールねじナット213dに固着され内輪が嵌合部材の第2部材212bに圧入されることにより、嵌合部材の第2部材212bは、回転自在であって、移動体213cとともに軸方向移動するように構成されている。
図3および図4に示した構成において、回転モータ214は、ECU5からの指示に従い、ボールねじ213に回転力を与える。ボールねじ213は、回転モータ214から与えられる回転力によって回転することにより、ガイド部材213b上で移動体213cを軸方向に移動させる。これにより、移動体213cとともに嵌合部材の第2部材212bが軸方向に移動する。また、第2部材212bの移動に伴って、スライド機構215も軸方向に移動する。このようにして嵌合部材の第2部材212bを移動させることにより、当該嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとが離れた状態とそれらが嵌合した状態との切り替えが行われる。なお、本実施形態においては、ボールねじ機構213と回転モータ214とによって嵌合部材駆動機構が実現されている。
ここで、嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとが離れた状態にある時、入力軸102aと出力軸102bとはトーションバー200を介して相対回転可能な状態となる。トーションバー200は比較的低剛性の部材であるので、この時、連結部211全体としての捩り剛性は低くなる。一方、嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとが嵌合した状態にある時、入力軸102aと出力軸102bとは嵌合部材を介して相対回転しない状態となる。嵌合部材は比較的高剛性の部材であるので、この時、連結部211全体としての捩り剛性は高くなる。
<4.走行モードの切り替え>
次に、走行モードが切り替わる際のECU5の動作について、図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。モード選択スイッチ(図示せず)等により、ユーザーにより走行モードの切り替えの指示がなされると、ECU5は、トルクセンサ3によって検出された操舵トルクTが0であるか否かを判定する(ステップS10)。判定の結果、操舵トルクTが0であればステップS20に進む。一方、操舵トルクTが0でなければ、連結部211の捩り剛性を切り替える処理をすることなく終了する。操舵トルクTが0でなければ終了する理由は、操舵中に連結部211の捩り剛性や操舵制御パラメータが変化すると、ユーザーが予期しない操舵状態に陥ることがあり、安全性を確保することができないからである。
次に、走行モードが切り替わる際のECU5の動作について、図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。モード選択スイッチ(図示せず)等により、ユーザーにより走行モードの切り替えの指示がなされると、ECU5は、トルクセンサ3によって検出された操舵トルクTが0であるか否かを判定する(ステップS10)。判定の結果、操舵トルクTが0であればステップS20に進む。一方、操舵トルクTが0でなければ、連結部211の捩り剛性を切り替える処理をすることなく終了する。操舵トルクTが0でなければ終了する理由は、操舵中に連結部211の捩り剛性や操舵制御パラメータが変化すると、ユーザーが予期しない操舵状態に陥ることがあり、安全性を確保することができないからである。
ステップS20では、ECU5は、ノーマルモードとスポーツモードのいずれがユーザーによって選択されたのかを判定する。判定の結果、ノーマルモードが選択されていれば、ステップS30に進む。一方、スポーツモードが選択されていれば、ステップS40に進む。
ステップS30では、ECU5は、第1部材212aの凹部と第2部材212bの凸部とを互いに離反させるように、回転モータ214に指令を出す。これにより、回転モータ214は、第2部材212bが出力軸102b側から入力軸102a側に移動するように、ボールねじ213aを回転させる。その結果、連結部211は図6(a)に示す状態となり、連結部211全体の捩り剛性は低くなる。ステップS30の終了後、ステップS32に進む。ステップS32では、ECU5のモータ制御部10で使用されるパラメータが低剛性用操舵制御パラメータに変更される。その後、処理は終了する。
ステップS40では、ECU5は、第1部材212aの凹部と第2部材212bの凸部とが嵌合するように、回転モータ214に指令を出す。これにより、回転モータ214は、第2部材212bが入力軸102a側から出力軸102b側に移動するように、ボールねじ213aを回転させる。その結果、連結部211は図6(b)に示す状態となり、連結部211全体の捩り剛性は高くなる。ステップS40の終了後、ステップS42に進む。ステップS42では、ECU5のモータ制御部10で使用されるパラメータが高剛性用操舵制御パラメータに変更される。その後、処理は終了する。
なお、本実施形態においては、上記ステップS32とステップS42とによって、制御態様切替手段が実現されている。
<5.効果>
本実施形態によれば、車両の操舵が行われていない時にユーザーは走行モードの変更を行うことができ、走行モードが変更されると、ステアリングシャフト102の連結部211の捩り剛性が変更後の走行モードに対応したものとなるように、ECU5は回転モータ214に指令を出す。そして、ノーマルモードが選択されている時には、嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとは離反した状態にされる。このため、入力軸102aと出力軸102bとを連結する連結部211の捩り剛性は低くなる。一方、スポーツモードが選択されている時には、嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとは嵌合した状態にされる。このため、連結部211の捩り剛性は高くなる。また、連結部211の捩り剛性の変更後には、変更後の捩り剛性に対応して予め用意されている操舵制御パラメータが、モータ制御部10で使用されるパラメータとして設定される。
本実施形態によれば、車両の操舵が行われていない時にユーザーは走行モードの変更を行うことができ、走行モードが変更されると、ステアリングシャフト102の連結部211の捩り剛性が変更後の走行モードに対応したものとなるように、ECU5は回転モータ214に指令を出す。そして、ノーマルモードが選択されている時には、嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとは離反した状態にされる。このため、入力軸102aと出力軸102bとを連結する連結部211の捩り剛性は低くなる。一方、スポーツモードが選択されている時には、嵌合部材の第1部材212aと第2部材212bとは嵌合した状態にされる。このため、連結部211の捩り剛性は高くなる。また、連結部211の捩り剛性の変更後には、変更後の捩り剛性に対応して予め用意されている操舵制御パラメータが、モータ制御部10で使用されるパラメータとして設定される。
以上より、ユーザーは、好みの操舵フィーリングが得られるように、運転時に走行モードを切り替えることができる。このため、ユーザーは、1台の車両で異なる操舵フィーリングを楽しむことができる。また、ユーザーが選択した走行モードに応じて操舵制御パラメータが設定されるので、連結部211の捩り剛性を変更したことによるアシスト特性の変化や周波数特性の変化等に応じて好適な操舵補助力が発生するようにモータ6の駆動が行われる。これにより、ユーザーの好みに応じた操舵フィーリングを違和感なく与えることができ、かつ、その操舵フィーリングを切り替えることのできる車両用操舵装置が実現される。
<6.その他>
上記実施形態においては、ステアリングシャフト102の連結部211の捩り剛性が2段階で切り替えられる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、3段階以上の多段階で切り替えられる場合についても本発明を適用することができる。
上記実施形態においては、ステアリングシャフト102の連結部211の捩り剛性が2段階で切り替えられる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、3段階以上の多段階で切り替えられる場合についても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、回転モータ214とボールねじ機構213とによって嵌合部材駆動機構が実現されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、嵌合部材駆動機構としてソレノイドを備え、当該ソレノイドによって嵌合部材の一方(例えば第2部材212b)を移動させる構成にすることもできる。
さらに、上記実施形態においては、操舵トルクが0であれば走行モードを切り替えることができる構成としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、操舵トルクTが0かつ車速Vが0であれば走行モードを切り替えることができる構成にしても良い。このような構成にすれば、より安全性を高めることができる。
さらにまた、上記実施形態においては、電動パワーステアリング装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、他のステアリング装置にも本発明を適用することができる。
3…トルクセンサ、4…車速センサ、5…電子制御ユニット(ECU)、6…モータ、10…マイコン、100…ハンドル(ステアリングホイール)、102…ステアリングシャフト、102a…入力軸、102b…出力軸、210…剛性切替機構、211…連結部、212a…第1部材(嵌合部材)、212b…第2部材(嵌合部材)、213…ボールねじ機構、214…回転モータ
Claims (3)
- 車両の操舵操作に応じて回転する入力軸と、前記入力軸の回転に応じて前記車両の車輪を転舵させるように回転する出力軸と、前記入力軸と前記出力軸とを連結する連結部とを備え、前記入力軸の回転に伴う前記連結部の捩れ角に応じて前記車両のステアリング機構に操舵補助力を与える車両用操舵装置であって、
外部からの指示に基づいて前記連結部の捩り剛性を切り替える剛性切替手段と、
前記剛性切替手段による切り替え後の捩り剛性に基づいて、前記車両のステアリング機構に操舵補助力を与える際の制御態様を切り替える制御態様切替手段と
を備えることを特徴とする、車両用操舵装置。 - 前記ステアリング機構に与えられるべき操舵補助力を制御する際に使用されるパラメータである操舵制御パラメータを前記連結部の取り得る捩り剛性と対応付けて予め複数保持する操舵制御パラメータ保持手段を更に備え、
前記制御態様切替手段は、前記予め保持された複数の操舵制御パラメータのうち前記剛性切替手段による切り替え後の捩り剛性と対応付けられている操舵制御パラメータを前記操舵補助力を制御する際に使用されるパラメータとして設定することによって、前記制御態様を切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の車両用操舵装置。 - 前記剛性切替手段は、
前記入力軸と前記出力軸とを連結する低剛性部材と、
凹部を有する第1部材と凸部を有する第2部材とからなり前記入力軸と前記出力軸とを連結するための高剛性の嵌合部材と、
前記第1部材もしくは前記第2部材を移動させることにより前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを嵌合もしくは離反させる嵌合部材駆動機構と
を含み、
前記嵌合部材駆動機構は、
前記連結部の捩り剛性を低くする際には、前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを離反させ、
前記連結部の捩り剛性を高くする際には、前記第1部材の凹部と前記第2部材の凸部とを嵌合させることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用操舵装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006329794A JP2008143234A (ja) | 2006-12-06 | 2006-12-06 | 車両用操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006329794A JP2008143234A (ja) | 2006-12-06 | 2006-12-06 | 車両用操舵装置 |
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ID=39603895
Family Applications (1)
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2011148379A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両のパワーステアリング制御装置 |
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-
2006
- 2006-12-06 JP JP2006329794A patent/JP2008143234A/ja active Pending
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