JP2008114570A - 画像出力装置、画像出力方法、およびプログラム - Google Patents

画像出力装置、画像出力方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】処理を複雑化させることなく高画質な画像を出力する。
【解決手段】画像データの処理方法を判断して、画像データを、第1の標準階調インク量
データ、あるいは高階調インク量データの何れかに変換する。次いで、高階調インク量デ
ータの階調分解能を標準の階調分解能に変換することによって、第2の標準階調インク量
データを生成した後、第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、画像データに
対応する画像を出力する。こうすることで、画像を出力するための制御を複雑化させたり
、メモリなどのコンピュータリソースの使用量が増加するといった弊害を抑制しながら、
高画質な画像を出力することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像データに基づいて、モニタ画面あるいは印刷媒体上などに画像を出力す
る技術に関する。
コンピュータを初めとする各種のデジタル関連技術の進歩により、今日ではカラー画像
もデジタルデータとして取り扱われるようになっており、カラー画像をデジタルデータ(
カラー画像データ)の形態で生成および保存するとともに、カラー画像データを読み込ん
で、モニタ画面あるいは印刷媒体上に、カラー画像を出力することが可能となっている。
また、カラー画像データから画像の明るさ(明度)に関する情報を抽出することで、単色
による濃淡のみを用いて画像を表現した画像データ(モノクロ画像データ)を生成すれば
、モノクロ画像として出力することも可能である。このように、画像をデジタルデータと
して取り扱っておくことで、必要なときにカラー画像データを読み出して、カラー画像あ
るいはモノクロ画像などの所望の形態で出力することが可能となる。
更に近年では、より細かな階調変化まで表現された高画質な画像を出力可能とするため
に、階調方向への分解能を上げた高階調分解能の画像データを用いて画像を出力すること
も提案されている(特許文献1)。
特開2005−117220号公報(段落0014)
しかし、画像データの階調分解能が異なれば、画像データに加える画像処理も異なった
ものとなる。このため、画像データの階調分解能の種類が増える分だけ、画像処理の種類
が増加して、画像を出力するための制御が複雑になり、更には、メモリなどのコンピュー
タリソースの使用量も増加するという問題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
画像を出力するための制御を複雑化させたり、メモリなどのコンピュータリソースの使用
量が増加するといった弊害を抑制しながら、高画質な画像を出力可能な技術の提供を目的
とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の画像出力装置は次の構成を
採用した。すなわち、
画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
インク量データに基づいて画像を出力する画像出力装置であって、
前記画像データの処理方法を判断する判断手段と、
前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する画像データ変換手
段と、
前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
て、第2の標準階調インク量データを生成する階調分解能変換手段と、
第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
力する画像出力手段と
を備えることを要旨とする。
また、上記の画像出力装置に対応する本発明の画像出力方法は、
画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
インク量データに基づいて画像を出力する画像出力方法であって、
前記画像データの処理方法を判断する第1の工程と、
前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する第2の工程と、
前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
て、第2の標準階調インク量データを生成する第3の工程と、
第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
力する第4の工程と
を備えることを要旨とする。
かかる本発明の画像出漁装置および画像出力方法においては、画像データの処理方法を
判断して、画像データを、第1の標準階調インク量データ、あるいは高階調インク量デー
タの何れかに変換する。次いで、高階調インク量データの階調分解能を標準の階調分解能
に変換することによって、第2の標準階調インク量データを生成した後、第1又は第2の
標準階調インク量データに基づいて、画像データに対応する画像を出力する。
こうすることで、画像を出力するための制御を複雑化させたり、メモリなどのコンピュ
ータリソースの使用量が増加するといった弊害を抑制しながら、高画質な画像を出力する
ことが可能となる。
また、かかる本発明の画像出力装置においては、画像を単色で出力するか、階調表現を
重視して出力するか、処理に使うデータ量が小さいかの少なくとも何れかである場合に、
第2の標準階調インク量データに変換するものと判断してもよい。
こうすれば、画像データを受け取って、第1の標準階調インク量データまたは第2の標
準階調インク量データの何れに変換するかを、適切に判断することができる。
また、本発明の画像出力装置においては、高階調インク量データの階調分解能を、次の
ようにして、標準の階調分解能に変換することとしてもよい。先ず、高階調インク量デー
タの上位側から標準の階調分解能に相当するビット数のデータを取り出すことによって標
準階調のインク量データを生成する。次いで、残った下位側のビットのデータたる誤差デ
ータを誤差拡散法を用いて該生成した標準階調のインク量データに反映させることによっ
て、標準の階調分解能に変換してもよい。こうすることによって、第2の標準階調インク
量データを生成することとしてもよい。
このようにしても、第2の標準階調インク量データを適切に生成することが可能となる
また、本発明の画像出力装置においては、次のようにしても良い。先ず、所定の階調範
囲内の複数の閾値が二次元のマトリックス状に配列された閾値マトリックスを記憶してお
く。そして、高階調インク量データの上位側から標準の階調分解能に相当するビット数の
データを取り出すことによって標準階調のインク量データを生成するとともに、残った下
位側のビットのデータたる誤差データに前記記憶されている閾値マトリックスを用いてデ
ィザ法を用いて該生成した標準階調のインク量データに反映させて、第2の標準階調イン
ク量データを生成することとしてもよい。
このようにしても、第2の標準階調インク量データを適切に生成することが可能となる
また、このようにディザ法を用いて第2の標準階調インク量データを生成する画像出力
装置においては、第1又は第2の標準階調インク量データに基づくデータに対して閾値マ
トリックスを用いるディザ法を適用することにより、画素毎にドットの有無を判断し、か
かるドットの有無の判断結果に従った画像を出力することとしてもよい。
こうすれば、閾値マトリックスを流用しながら、適切に画像を出力することができる。
また、本発明の画像出力装置においては、カラー画像データに対応する画像を、印刷媒
体上に画像を形成するための制御データの形態で出力することとしてもよい。
このような制御データを受け取れば、印刷媒体上に適切に画像を形成することが可能と
なる。
尚、上述した本発明の画像出力装置および画像出力方法においては、次のようにしても
良い。画像の出力形態に応じて、画像データを、標準階調インク量データあるいは高階調
インク量データに変換する。そして、高階調インク量データに変換した場合には、上位側
から標準階調分解能に相当するビット数のデータを取り出すことによって、標準階調イン
ク量データを生成する。この階調変換によって誤差データが生じるが、この誤差データは
、高階調インク量データから生成した標準階調インク量データに反映させておく。ここで
「誤差データを標準階調インク量データに反映させる」とは、誤差データを単純に切り捨
てる操作は含まない。尚、単なる一例として「反映させる」操作を例示すると、誤差デー
タの階調値が大きくなるほど高い確率で誤差データの切り上げを発生させるとともに、誤
差データを切り上げた場合には、標準階調インク量データの最下位ビットに「1」を加算
する操作を挙げることができる。
このようにして、階調変換に伴って生じる誤差データを反映させながら、高階調インク
量データを標準階調インク量データに変換してやれば、個々の画素については標準の階調
分解能のインク量しか表現できないものの、複数の画素をまとめてみれば、高階調分解能
のデータと同程度に細かなインク量の変化を表現することができ、延いては、高階調イン
ク量データを用いた場合と同程度に細かな階調変化を表現することができる。このため、
それ以降の処理では標準階調分解能のデータを取り扱いながらも、高階調分解能のデータ
と同程度に高画質な画像を出力することが可能となり、その結果、画像を出力するための
制御が複雑になったり、メモリなどのコンピュータリソースの使用量が増加するといった
弊害を最小限に抑制しながら、高階調分解能のデータを取り扱った場合と同程度に高画質
な画像を出力することが可能となる。
また、上記の画像出力装置においては、画像の出力形態がモノクロ出力に設定されてい
るか否かを検出し、モノクロ出力に設定されていた場合には、階調表現を重視する形態に
設定されているものと判断することとしてもよい。
階調表現を重視して出力する場合は、標準階調のインク量データに変換するときには弊
害は避けられないが、変換後や階調表現を重視せずに出力する場合は弊害を押さえること
ができる。また、処理に使うデータ量が小さい場合には、コンピュータリソースの使用量
が少なくて済むので、高画質な画像を出力しても弊害が少なくて済む。モノクロ画像は、
両方の場合に該当し、画像の濃淡(あるいは明暗)のみを用いて画像を表現しているため
に、3色で表現されることが多いカラー画像に比べて、データ量は少なくて済み、さらに
階調変化の表現能力が画質に占める比率が大きくなっている。このことから、画像の出力
形態がモノクロ出力に設定されていれば、階調表現が重視される出力形態と判断すること
で、階調表現が重視されているか否かを簡便に判断して、高画質な画像を適切に出力する
ことが可能となる。
また、高階調分解能のインク量データを標準の階調分解能のインク量データに変換する
に際しては、次のようにして変換してもよい。すなわち、インク量データの階調分解能を
変換する際に生じる誤差データ(高階調インク量データの上位側から標準階調インク量デ
ータに相当するデータを取り出して、下位側に残ったデータ)に、所定の階調範囲のノイ
ズを加算する。そして、得られた加算値を所定の閾値と比較して、加算値の方が大きい場
合には、高階調インク量データから生成した標準階調インク量データの最下位ビットに1
を加算することとしてもよい。
このような方法によっても、誤差データの階調値に応じた割合で誤差データを上位側の
データに切り上げることができるので、標準の階調分解能インク量データを用いた場合で
も、複数の画素をまとめてみれば、高階調分解能のインク量データと同様に細かな階調変
化を表現することが可能となる。加えて、誤差データを切り上げる画素が偏って発生する
こともないので、結局、標準階調インク量データを用いながらも、高階調インク量データ
に基づいて出力した画像と、同程度に高画質な画像を出力することが可能となる。
また、上記の画像出力装置においては、高階調インク量データを階調変換する際に生じ
る誤差データを、次のようにして反映させることとしても良い。先ず、所定の階調範囲内
の複数の閾値が二次元のマトリックス状に配列された閾値マトリックスを記憶しておく。
そして、この閾値マトリックスを用いて誤差データにディザ法を適用することにより、誤
差データを標準階調インク量データに切り上げるか否かを判断する。すなわち、誤差デー
タと閾値マトリックスの閾値とを比較して、誤差データの方が大きい場合は、誤差を切り
上げるものと判断する。そして、切り上げると判断された場合は、標準階調インク量デー
タの最下位ビットに「1」を加算することによって、誤差データを標準階調インク量デー
タの最下位ビットに反映させる。
誤差データを切り上げるか否かを、閾値マトリックスを用いて判断すれば、誤差データ
の階調値に応じて切り上げ確率が高くなるように、切り上げの有無を判断することができ
るので、複数の画素をまとめてみれば、標準階調インク量データでも高階調インク量デー
タと同程度に細かな階調変化を表現することが可能となる。加えて、切り上げが生じる画
素を、閾値マトリックスを用いて適切に分散させて発生させることができるので、より高
画質な画像を出力することが可能となる。
尚、このような閾値マトリックスとしては、つぎのようなマトリックスを記憶しておく
ことが望ましい。すなわち、マトリックス状に設定されている閾値により切り上げたデー
タの空間周波数を解析したときに、高い周波数領域では大きなスペクトルが現れるがその
他の周波数領域では大きなスペクトルが現れないような、閾値マトリックスを記憶してお
くことが望ましい。切り上げたデータが高い空間周波数領域で大きなスペクトルを有する
と言うことは、切り上げたデータの二次元的な分布は均一的であって、その結果、より高
画質な画像を得ることが可能となる。
また、誤差データを標準階調インク量データに反映させるために、閾値マトリックスを
用いる画像出力装置においては、生成した標準インク量データに対してディザ法を適用す
ることにより、画素毎にドットの形成有無を判断して画像を形成することとしても良い。
ディザ法に用いる閾値マトリックスは、記憶しておくために比較的大きなデータ量を使
用する。従って、誤差データを標準階調インク量データに反映させる処理と、標準階調イ
ンク量データから画素毎にドットの形成有無を判断する処理とで、閾値マトリックスを共
用してやれば、メモリ量を節約することが可能となる。尚、これら2つの処理では、閾値
マトリックスを共用するものの、画像上で閾値マトリックスを適用する位置はズラしてお
くこととしても良い。画像の大きさは閾値マトリックスよりも大きいので、ディザ法では
同じ閾値マトリックスを繰り返して使用することになるが、2つの処理で画像の同じ位置
に同じ閾値マトリックスを適用したのでは、出力された画像に、閾値マトリックスの大き
さに相当する周期が現れてしまう可能性がある。この点で、閾値マトリックスを少しズラ
しておけば、このような周期が現れてしまうおそれを回避することが可能となる。
また、上記の画像出力装置および画像出力方法が、画像を出力するために、カラー画像
データに所定の画像処理を施している点に着目すれば、本発明は、次のような画像処理装
置あるいは画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、本発明の画像処理
装置は、
画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
インク量データに所定の画像処理を施すことによって、画像を出力するための制御データ
を生成する画像処理装置であって、
前記画像データを受け取ると、前記画像の出力形態が、階調表現を重視する形態に設定
されているか否かを判断する出力形態判断手段と、
前記画像の出力形態に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記イン
ク量データたる標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する画像データ変換手
段と、
前記画像データが前記高階調インク量データに変換された場合には、該高階調インク量
データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによって、前記標準階調イン
ク量データを生成する階調分解能変換手段と、
前記画像データあるいは前記高階調インク量データの何れかから生成された前記標準階
調インク量データに対して所定の画像処理を施すことにより、前記制御データを生成する
制御データ生成手段と
を備え、
前記階調分解能変換手段は、前記高階調インク量データの上位側から前記標準の階調分
解能に相当するビット数のデータを取り出すことによって前記標準階調インク量データを
生成するとともに、残った下位側のビットのデータたる誤差データを、該生成した標準階
調インク量データの最下位のビットに反映させながら、該高階調インク量データの階調分
解能を該標準の階調分解能に変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
インク量データに所定の画像処理を施すことによって、画像を出力するための制御データ
を生成する画像処理方法であって、
前記画像データを受け取ると、前記画像の出力形態が、階調表現を重視する形態に設定
されているか否かを判断する工程(A)と、
前記画像の出力形態に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記イン
ク量データたる標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する工程(B)と、
前記画像データが前記高階調インク量データに変換された場合には、該高階調インク量
データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによって、前記標準階調イン
ク量データを生成する工程(C)と、
前記画像データあるいは前記高階調インク量データの何れかから生成された前記標準階
調インク量データに対して所定の画像処理を施すことにより、前記制御データを生成する
工程(D)と
を備え、
前記工程(C)は、前記高階調インク量データの上位側から前記標準の階調分解能に相
当するビット数のデータを取り出すことによって前記標準階調インク量データを生成する
とともに、残った下位側のビットのデータたる誤差データを、該生成した標準階調インク
量データの最下位のビットに反映させながら、該高階調インク量データの階調分解能を該
標準の階調分解能に変換する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の画像処理装置および画像処理方法においても、画像の出力形態に応じて
、標準階調インク量データあるいは高階調インク量データを生成し、高階調インク量デー
タを生成した場合には、階調変換を行って標準階調インク量データを生成する。この時、
階調変換によって生じる誤差データは、標準階調インク量データに反映させておく。この
ため、それ以降の処理では標準階調分解能のデータを取り扱いながらも、高階調分解能の
データを処理した場合と同程度に細かな階調変化が表現された制御データを生成すること
が可能となる。また、画像の出力形態に応じて、制御データを生成する処理を切り換える
必要もないので、制御が複雑になったり、メモリなどのコンピュータリソースの使用量が
増加するといった弊害も最小限に抑制することが可能となる。
更に本発明は、上述した画像出力方法あるいは画像処理方法を実現するためのプログラ
ムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用
いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プ
ログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した画像出力方
法に対応する本発明のプログラムは、
画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
インク量データに基づいて画像を出力する方法を、コンピュータを用いて実現するための
プログラムであって、
前記画像データの処理方法を判断する第1の機能と、
前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する第2の機能と、
前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
て、第2の標準階調インク量データを生成する第3の機能と、
第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
力する第4の機能と
をコンピュータにより実現することを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
インク量データに基づいて画像を出力するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に
記録した記録媒体であって、
前記画像データの処理方法を判断する第1の機能と、
前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する第2の機能と、
前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
て、第2の標準階調インク量データを生成する第3の機能と、
第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
力する第4の機能と
をコンピュータにより実現するプログラムを記憶していることを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、画
像を出力するための制御を複雑化させたり、メモリなどのコンピュータリソースの使用量
が増加するといった弊害を抑制しながら、高画質な画像を出力することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.実施例の概要:
B.装置構成:
B−1.全体構成:
B−2.内部構成:
B−2−1.スキャナ部の内部構成:
B−2−2.プリンタ部の内部構成:
C.画像印刷処理:
D.第1実施例のインク量データ生成処理:
D−1.インク量データ生成処理の概要:
D−2.階調分解能変換処理:
D−3.変形例の階調分解能変換処理:
E.第2実施例のインク量データ生成処理:
F.第3実施例のインク量データ生成処理:
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明して
おく。図1は、印刷装置10の形態を有する本実施例の画像出力装置の概要を示した説明
図である。図示した印刷装置10は、印刷媒体P上にインク滴を吐出してインクドットを
形成することにより画像を印刷するいわゆるインクジェットプリンタである。図示した印
刷装置10には、無彩色のインクとして、黒色インク(Kインク)と、灰色インク(LK
インク)と、淡灰色インク(LLKインク)とが搭載されており、また、有彩色のインク
としては、シアンインク(Cインク)と、マゼンタインク(Mインク)と、イエロインク
(Yインク)と、淡シアンインク(LCインク)と、淡マゼンタインク(LMインク)と
が搭載されている。そして、これらのインクによるインク滴を吐出して、印刷媒体P上に
インクドットを形成することによって画像を印刷する。Kインクを吐出することによって
形成されるKドットや、Cインクによって形成されるCドット、Mインクによって形成さ
れるMドットは、比較的目立ち易いドットであるため、これらのドットが目立つとザラザ
ラした感じの画像になって画質を悪化させる。これに対して、LKインクによるLKドッ
トや、LLKインクによるLLKドット、LCインクによるLCドット、LMインクによ
るLMドットは目立ち難いので、ドットが目立ち易い部分には、これら目立ち難いドット
を形成することで、高画質の画像を印刷することが可能となっている。
また、今日では、ドットが目立たないだけでなく、より細かな階調の変化も表現可能と
するために、画像データの画素あたりのデータ長を大きくして(高ビット化して)、階調
方向への分解能を上げた高階調分解能の画像データを用いることも提案されている。例え
ば、従来から用いられている画素あたり8ビットの画像データであれば、画像の濃淡(あ
るいは明暗)を256階調で表現するが、画素あたり16ビットの画像データであれば6
5536階調もの高い階調分解能で画像の濃淡(あるいは明暗)を表現することができる
ので、より細かな階調の変化も表現可能となる。
もっとも、画像データの階調分解能が異なれば処理も別々になる。従って、細かな階調
変化も表現可能とするために、単純に、高階調分解能の画像データにも対応可能としたの
では、画像を出力するための制御が複雑になってしまうという問題が生じる。そこで、こ
うした問題を最小限に抑制しつつ、細かな階調表現を可能とするために、図1に示した印
刷装置10には、「出力形態判断モジュール」や、「画像データ変換モジュール」、「階
調分解能変換モジュール」、「画像形成モジュール」などの複数のモジュールが搭載され
ている。尚、ここでいう「モジュール」とは、印刷装置10の内部で行われる一連の画像
処理を、処理内容に着目して便宜的にまとめたものであり、各モジュールを具現化してい
る実体は、画像処理を行うためのプログラムの一部分であっても良いし、あるいはAND
ゲートおよびORゲートなどを組み合わせて構成した論理回路であってもよい。
図1に示されるように、本実施例の印刷装置10は、コンピュータ20やデジタルカメ
ラ30からの画像データを受け取ると、画像の出力形態が、階調表現を重視する設定にな
っているか否かを判断する。判断にあたっては、最も簡便には、階調表現を重視するか否
かについてを印刷装置10に対して予め設定しておき、この設定内容を参照することによ
って判断することができる。あるいは、画像データのヘッダ部に出力形態を示す情報を設
定しておき、この情報を読み出すことによって判断するようにしても良い。更には、画像
の出力形態を「カラー出力」または「モノクロ出力」の何れかに設定しておき、「モノク
ロ出力」であった場合には、階調表現を重視するものと判断しても良い。モノクロ画像は
画像の濃淡(あるいは明暗)のみで画像を表現するから、画質に対する階調表現の占める
比重が高く、従ってモノクロ出力であれば階調表現が重視されると判断することができる
。尚、ここで言う「モノクロ出力」とは、白黒画像の出力に限らず、色相が実質的に単一
であれば、どのような出力形態であっても構わない。例えばセピア色の画像として出力し
たり、あるいは、いわゆるクール調や、ウォーム調の画像として出力する形態とすること
もできる。「出力形態判断モジュール」は、このようにして階調表現を重視する設定にな
っているか否かを判断する。
「画像データ変換モジュール」では、コンピュータ20あるいはデジタルカメラ30な
どから供給された画像データを変換して、インク量データを生成する。ここでインク量デ
ータとは、画像を印刷するために使用するインク量に対応するデータである。図1に示さ
れているように、本実施例の「画像データ変換モジュール」は、標準の階調分解能あるい
は高階調分解能の何れかの分解能でインク量データを生成することが可能であり、「出力
形態判断モジュール」で階調表現重視と判断されている場合は、高階調分解能のインク量
データ(高階調インク量データ)を生成し、階調表現重視ではないと判断されている場合
は、標準の階調分解能のインク量データ(標準階調インク量データ)を生成する。
尚、コンピュータ20などから供給された画像データが高階調分解能の画像データであ
った場合は、階調分解能を維持したままインク量データを生成することで高階調インク量
データを生成することができ、階調分解能を低下させた状態でインク量データを生成する
ことで標準階調インク量データを生成することができる。また、供給された画像データが
標準階調分解能の画像データであった場合は、階調分解能を維持したままインク量データ
を生成することで標準階調インク量データを生成することができ、階調分解能を高くして
インク量データを生成することで高階調インク量データを生成することができる。詳細な
理由については後述するが、たとえ画像データの階調分解能が低くても、インク量データ
を生成する際に高階調分解能化することで、より細かな階調変化を表現することが可能と
なる。
こうして「画像データ変換モジュール」で標準階調インク量データが得られた場合(す
なわち、階調表現重視ではないと判断された場合)は、「画像形成モジュール」は標準階
調インク量データを受け取ると所定の画像処理を施すことによって、インクドットの形成
有無を示すデータに変換した後、インク吐出ヘッド12を駆動して印刷媒体P上に画像を
形成する。
これに対して「画像データ変換モジュール」で高階調インク量データが得られた場合(
すなわち、階調表現重視と判断された場合)には、「階調分解能変換モジュール」では、
高階調インク量データに対して次のような変換を行う。先ず、高階調インク量データの上
位側から、標準の階調分解能に相当するビット数のデータを取り出すことによって、標準
階調インク量データを生成する。次いで、残った下位側のビットのデータ(誤差データ)
を、生成した標準階調インク量データに反映させるか否かを判断し、反映させると判断し
た場合は、標準階調インク量データの最下位のビットに「1」を加算する。誤差データを
標準階調インク量データに反映させるか否かの判断には、種々の方法を適用することがで
きる。例えば、最も単純な方法としては、誤差データを四捨五入する方法を適用すること
ができるが、画質上の観点からは、誤差データにノイズを作用させた後、閾値と比較して
閾値よりも大きければ反映させると判断することもできる。更には、誤差データにディザ
法を適用することにより、標準階調インク量データに反映させるか否かを判断しても良い
。こうして得られた標準階調インク量データを「画像形成モジュール」に供給することに
よって、印刷媒体P上に画像を形成する。
このように本実施例の印刷装置10では、表現階調重視である旨が設定されていない場
合には、標準の階調分解能のインク量データを生成して画像を出力するが、表現階調重視
である旨が設定されている場合には、高階調分解能のインク量データを生成し、得られた
高階調インク量データの階調分解能を標準の階調分解能に変換する。また、階調分解能の
変換に際しては誤差が生じるが、この誤差は、得られた標準階調インク量データの下位側
のビットに反映されているので、ある程度の広さを持った領域で見れば、誤差を解消する
ことができる。このため、標準の階調分解能のインク量データを用いて出力された画像で
あるにも関わらず、高階調分解能のインク量データを用いて出力した場合と同程度に細か
な階調変化を表現することが可能となる。それでいながら、「画像形成モジュール」以降
の処理は共通化することができるので、画像を出力するための制御が複雑化することも最
小限に抑制することが可能となる。このような画像出力装置には種々の実施態様が存在し
ており、以下ではこれら実施態様について、実施例に基づいて詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の画像出力装置としての印刷装置10の外観形状を示す斜視図である
。図示されるように、本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部20
0と、スキャナ部100およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル30
0などから構成されている。スキャナ部100は、印刷画像を読み込んで画像データを生
成するスキャナ機能を有しており、プリンタ部200は、画像データを受け取って印刷媒
体上に画像を印刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取った
画像をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すな
わち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実
現可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という
)となっている。
図3は、印刷画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿台カバー1
02を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー102を上
に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキャナ機能を
実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷画像を読み込む際には、図示さ
れているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の上に印刷画像を置き、
原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操作する。こうすれば、
印刷画像を直ちに画像データに変換することが可能となっている。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキ
ャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4
参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げること
により、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である
。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げ
ることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の
内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含め
て印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260、更には、スキャナ
部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども
設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口
部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理
、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述した
ように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、ス
キャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ
部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では
、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構
成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、セットされ
た印刷画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた印刷画像を読み込
む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)に移動させ
る駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122と、読取キ
ャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。また、駆動
モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によって制御さ
れている。
制御回路260の制御の下で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介
してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、
ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方
向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124に
よって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転
させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可
能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CC
Dセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射
され、原稿台ガラス104の上にセットされた印刷画像で反射する。この反射光は、ミラ
ー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ
118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイ
オードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置
されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査
方向に移動させながら、光源112の光を印刷画像に照射し、CCD118によって反射
光強度を検出すれば、印刷画像を電気信号に変換することができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成されており、所定の
周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてC
CD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画
像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R
色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG
成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光
を所定の周期で切り替えながら印刷画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光
強度を検出すれば、印刷画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画
像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えてい
る間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置
は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このず
れは、各成分を読み込んだ後に、画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
次に、プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装
置10の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印
刷キャリッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒
体の紙送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、無彩色のインクであるKインク、LKインク、LLKインク
を収納するインクカートリッジ242と、有彩色のインクであるCインク,Mインク,Y
インク,LCインク,LMインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、
底面側に設けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、
インク滴を吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ24
0にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示
しない導入管を通じて、各色のインク吐出ヘッド244ないし251に供給される。尚、
図5に示したプリンタ部200では、Kインク、LKインク、LLKインクについては一
つのインクカートリッジ242に一体に収納され、また、Cインク,Mインク,Yインク
,LCインク,LMインクについては他のインクカートリッジ243に一体に収納されて
いるものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカー
トリッジに収納することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動
するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリ
ッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための
張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233
と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成され
ている。後述する制御回路260の制御の下でキャリッジモータ230を回転させると、
回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能で
ある。また、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向
に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と
、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている
。後述する制御回路260の制御の下で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に
応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナロ
グ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うため
の周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、印刷装
置10全体の動作を制御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モ
ータ122、CCD118とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動して印刷キャリッジ2
40の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド244ないし251に
駆動信号を供給してインク滴を吐出させる制御も行っている。インク吐出ヘッド244な
いし251に供給する駆動信号は、コンピュータ20やデジタルカメラ30などから画像
データを読み込んで、後述する画像印刷処理を行うことによって生成する。もちろん、ス
キャナ部100で読み込んだ画像データに画像処理を施すことにより、駆動信号を生成す
ることも可能である。こうして制御回路260の制御の下で、印刷キャリッジ240を主
走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ないし251からインク滴を吐出
して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷するこ
とが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像処理を行うのではなく、画像
処理が施されたデータをコンピュータ20から受け取って、このデータに従って印刷キャ
リッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出ヘッド244ないし251を
駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されてお
り、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能
や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。例えば、本実
施例の印刷装置10では、操作パネル300上で設定することにより、カラー画像データ
を、カラー画像あるいはモノクロ画像の何れの形態で出力するか選択することが可能とな
っている。更には、コンピュータ20から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳
細な動作モードを設定することも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし251に、インク滴を吐出する複数のノ
ズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐
出ヘッドの底面には、無彩色(K,LK,LLK)のインク滴を吐出する3組のノズル列
と、有彩色(C,M,Y,LC,LM)のインク滴を吐出する5組のノズル列とが形成さ
れており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチkの間隔を空けて千
鳥状に配列されている。これらノズルNzのそれぞれには、制御回路260から駆動信号
が供給され、各ノズルNzは駆動信号に従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出
することにより、各色のドットを形成することが可能となっている。
尚、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することが
できる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置した
ヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いる
ことができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙
上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付
着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
以上に説明したように、プリンタ部200で所望の画像を印刷するためには、適切な位
置にドットが形成されるように、キャリッジ240の動きにあわせて適切なタイミングで
各ノズルに駆動信号を供給する必要がある。各ノズルに供給する駆動信号は、印刷しよう
とする画像の画像データに対して所定の画像処理を施すことによって生成することができ
る。
また、細かな階調変化まで表現された高画質な画像を印刷するためには、階調分解能が
高い画像データ(例えば、画素あたりのデータ長が16ビットの画像データ)を受け取り
、高階調分解能の画像データに対して画像処理を行うことによって画像を印刷することが
効果的である。もっとも、画像データの階調分解能が異なれば、それぞれに専用の画像処
理が必要となり、加えて階調分解能に応じて処理内容を切り換える制御が必要となるので
、単純に高階調分解能の画像データにも対応可能としたのでは、印刷装置10全体の制御
が複雑になってしまう。そこで、本実施例の印刷装置10では、こうした弊害を最小限に
抑制しながら、細かな階調変化が表現された高画質な画像を印刷可能とするために、次の
ような方法を用いて画像を印刷している。以下では、本実施例の印刷装置10が、画像を
印刷する処理(画像印刷処理)について詳しく説明する。
C.画像印刷処理 :
図7は、本実施例の印刷装置10が、画像データを受け取って画像を印刷するために行
う画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明
する。本実施例の画像印刷処理を開始すると、制御回路260は先ず初めに、印刷しよう
とする画像のカラー画像データの読み込みを行う(ステップS100)。本実施例では、
カラー画像データは、R,G,B各色の階調値によって表現されたRGBカラー画像デー
タであるものとするが、これに限られるものではなく、例えば明度に対応する成分と、二
種類の色差に対応する成分を用いてカラー画像を表現したデータとすることも可能である
次いで、読み込んだ高階調分解能の画像データの解像度を、プリンタ部200が印刷す
るための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。読み込んだ
画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行っ
て新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画
像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画
像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。このように解像度変換処理
では、読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くこと
によって、読み込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、インク量データ生成処理を行う(ステ
ップS104)。ここで、インク量データとは、画像を印刷するために使用するインク量
を表すデータである。前述したように、本実施例の印刷装置10は、インクを用いてドッ
トを形成することによって画像を印刷しており、単位面積あたりに使用されるインク量の
多寡によって画像の濃淡を表現し、更には、色の異なるインク間のインク量の割合を適切
な割合とすることによって色彩を表現している。従って、画像データに対して、その画像
データによる画像を表現するためのインク量を決定することができる。インク量データ生
成処理とは、印刷解像度に変換された画像データに対して所定の変換を行うことにより、
その画像を印刷するためのインク量データを生成する処理である。
また、本実施例のインク量データ生成処理では、画像の出力形態が階調表現を重視する
形態に設定されているか否かに応じてインク量データの生成方法を切り換えることにより
、必要に応じて細かな階調変化も表現することが可能となっている。一般には、細かな階
調変化を表現可能とするためには、階調分解能の高い画像データを処理可能とすることが
行われるが、これでは階調分解能の種類に相当する数だけ異なった系統の画像処理が必要
となり、画像処理が複雑になる等の種々の弊害が生じてしまう。この点で、本実施例の画
像印刷処理では、画像の出力形態についての設定が階調表現を重視する旨の設定になって
いるか否かに関わらず、最終的に得られるインク量データは同じ形式のデータであり、従
って、インク量データを生成した後の処理を共通化することができる。このため、画像処
理が複雑になることを最小限に抑制することが可能となり、同時に、メモリなどのコンピ
ュータリソースの使用量も抑制することが可能となる。こうしたことを可能とする本実施
例のインク量データ生成処理の詳細な内容、およびこうしたことが可能となる理由につい
ては、後ほど詳しく説明する。
以上のようにしてインク量データを生成したら、得られたインク量データに対してハー
フトーン処理を開始する(ステップS106)。ハーフトーン処理とは、次のような処理
である。インク量データ生成処理によって得られたインク量データは、標準の階調分解能
を有するデータであり、本実施例では8ビット分の階調分解能を有するとしているから、
階調値0から階調値255までの256階調を取ることができる。これに対してプリンタ
部200では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素
についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有する
インク量データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドットデータ)に変換し
ておく必要がある。ハーフトーン処理とは、インク量データをドットデータに変換する処
理である。尚、後ほど詳しく説明するように、本実施例のインク量データ生成処理では、
Kインク、LKインク、LLKインク、Cインク、Mインク、Yインク、LCインク、L
Mインクの各インクについてインク量データが得られており、ハーフトーン処理も、これ
ら各インクについて行われる。もっとも、処理内容は何れのインクについても同様である
ため、以下では、インクの種類を特定することなく説明するものとする。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用
することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことで
その画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散さ
れてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法
である。これに対してディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値
とインク量データとを画素毎に比較して、インク量データの方が大きい画素にはドットを
形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断する
ことで、各画素についてのドットデータを得る手法である。本実施例では、ディザ法を用
いてハーフトーン処理を行うものとする。
図8は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリ
ックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲
から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜
255の範囲から選択されているのは、インク量データが8ビットのデータであり、階調
値が0〜255の値を取り得ることによるものである。尚、ディザマトリックスの大きさ
は、図8に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異
なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
図9は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断してい
る様子を概念的に示した説明図である。ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の
対象として着目している画素(着目画素)についてのインク量データと、ディザマトリッ
クス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印
は、着目画素のインク量データを、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されてい
る閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの
閾値よりも着目画素のインク量データの方が大きい場合には、その画素にはドットを形成
するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素
にはドットを形成しないものと判断する。
図9に示した例では、画像の左上隅にある画素のインク量データは「97」であり、デ
ィザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従
って、左上隅の画素については、インク量データの方がディザマトリックスの閾値よりも
大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図9中に実線で示した矢印は、
この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模
式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、インク量データは「
97」、ディザマトリックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画
素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、インク量データとディザ
マトリックスに設定された閾値とを比較しながら、ドットの形成有無を画素毎に決定する
ことにより、インク量データをドットデータに変換する。図7に示したハーフトーン処理
では、このような処理を、K,LK,LLK,C,M,Y,LC,LMの各インクのイン
ク量データについて行うことにより、インク毎にドットデータを生成する処理を行う。
ハーフトーン処理に続いて、画像印刷処理ではインターレース処理を開始する(ステッ
プS108)。インターレース処理とは、印字ヘッド241がドットを形成する順序でド
ットデータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッド244ないし251に供給する処理で
ある。すなわち、図6に示したように、インク吐出ヘッド244ないし251に設けられ
たノズルNzは副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて設けられているから、印刷キ
ャリッジ240を主走査させながらインク滴を吐出すると、副走査方向にノズルピッチk
の間隔を空けてドットが形成されてしまう。そこで全画素にドットを形成するためには、
印刷キャリッジ240と印刷媒体との相対位置を副走査方向に移動させて、ノズルピッチ
kだけ隔たったドット間の画素に新たなドットを形成することが必要となる。このように
、実際に画像を印刷する場合には、画像上で上方にある画素から順番にドットを形成して
いるわけではない。更には、主走査方向に同じ列にある画素についても、一回の主走査で
ドットを形成するのではなく、画質上の要請から、複数回の主走査に分けてドットを形成
することとして、各回の主走査では飛び飛びの位置の画素にドットを形成することも広く
行われている。
そこで、実際にドットの形成を開始する前に、ドットの種類毎に得られたドットデータ
を、インク吐出ヘッド244ないし251がドットを形成する順番に並び替える処理を行
う。このような処理が、インターレースと呼ばれる処理である。
そして、インターレース処理の終了後は、順番が並べ替えられたドットデータに従って
、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドット形成処理)を開始する(ステップS
110)。かかる処理では、キャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を
主走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ない
し251に供給する。前述したようにドットデータは、各画素にドットを形成するか否か
を表したデータであるから、インク吐出ヘッド244ないし251がドットデータに従っ
てインク滴を吐出すれば、各画素に適切にインクドットを形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体
を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ2
40を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244
ないし251に供給してドットを形成する。このような操作を繰り返し行うことにより、
印刷媒体上には、無彩色のドット(Kドット、LKドット、LLKドット)、および有彩
色のドット(Cドット、Mドット、Yドット、LCドット、LMドット)が適切な密度で
形成されて画像データに対応した画像が印刷される。また、ドットを形成する元になった
インク量データは、画像の出力形態が表現階調を重視する設定になっているか否かに応じ
て、適切な方法を用いて生成されている。このため、必要に応じて細かな階調変化も表現
された高画質な画像を印刷することが可能である。それでいながら、画像の出力形態の設
定が異なっていても、インク量データは同じ形式のデータが生成されるので、以降の処理
については処理を切り換える必要がない。以下では、こうしたことを実現するための本実
施例のインク量データ生成処理について、詳しく説明する。
D.第1実施例のインク量データ生成処理 :
D−1.インク量データ生成処理の概要 :
図10は、第1実施例のインク量データ生成処理の流れを示すフローチャートである。
図示されているように、第1実施例のインク量データ生成処理では、処理を開始すると先
ず初めに、画像の出力形骸がモノクロ出力に設定されているか否かを判断する(ステップ
S200)。本実施例の印刷装置10では、画像をカラー画像として出力するのか(カラ
ー出力)、あるいはモノクロ画像として出力するのか(モノクロ出力)を、印刷装置10
の操作者が予め設定しておくようになっており、かかる設定内容を読み出すことで、画像
の出力形態がモノクロ出力か否かを判断することが可能となっている。
図11は、本実施例の印刷装置10に設けられた操作パネル300から、画像の出力形
態を予め設定している様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、本実
施例の印刷装置10では、操作パネル300の画面上に設けられたラジオボタンを選択す
ることにより、画像の出力形態を「カラー出力」または「モノクロ出力」の何れかに設定
しておくようになっている。図10に示したインク量データ生成処理のステップS200
では、このような画面上の設定を読み出すことにより、出力形態がモノクロ出力か否かを
判断するのである。
尚、本実施例の印刷装置10では、操作パネル300の画面上から予め設定されている
内容に基づいて、画像の出力形態を判断するものとして説明するが、画像の出力形態を判
断する方法としては、このような方法に限られるものではなく、例えば、画像データのヘ
ッダ部に画像の出力形態を示す情報を設定しておき、画像データを受け取ると、ヘッダ部
に設定されている情報を読み出して、画像の出力形態を判断するようにしてもよい。
このようにして画像の出力形態を判断した結果、モノクロ出力ではない(すなわち、カ
ラー出力である)と判断された場合は(ステップS200:no)、三次元の変換テーブ
ルを参照することにより、画像データを、標準の階調分解能のインク量データ(標準階調
インク量データ)に変換する処理を行う(ステップS202)。尚、本明細書中では、標
準の階調分解能のデータとは、8ビット分、すなわち256階調を表現可能なデータを表
している。また、画像データは、種々の階調分解能のデータとすることができるが、第1
実施例では、標準の階調分解能の画像データであるものとする。
図12は、画像データをインク量データに変換する際に参照される三次元の変換テーブ
ルを概念的に示した説明図である。図示されているように、三次元の変換テーブルは、互
いに直交する三軸にR軸、G軸、B軸を取ったRGB色空間に複数の格子点を設定し、各
格子点にC,M,Y,LC,LM,K,LK,LLKの各色インクについてのインク量デ
ータを設定した数表である。画像データは、RGB色空間内の座標点に対応付けることが
できるから、その座標点に相当する格子点に、各色インクの適切なインク量データを設定
しておけば、変換テーブルを参照することでカラー画像データを直ちにインク量データに
変換することができる。もちろん、画像データに対応する座標点が、予め設定されている
格子点に必ず一致するとは限らないが、このような場合でも、周囲の格子点に設定されて
いるインク量データを用いて、座標点でのインク量データを補間演算することにより、画
像データに対応するインク量データを求めることができる。
尚、RGB色空間内の格子点は、R成分、G成分、B成分の座標値が何れも階調値0か
ら階調値255の範囲内で設定されているのは、第1実施例では画像データの階調分解能
が、標準の階調分解能としていることに対応したものである。また、格子点に設定されて
いるインク量データは、標準の階調分解能のデータが設定されている。従って、図10の
インク量データ生成処理のS202においては、このような三次元の変換テーブルを参照
することにより、画像データが、標準の階調分解能を有するインク量データ(標準階調イ
ンク量データ)に変換されることになる。
これに対して、画像の出力形態がモノクロ出力に設定されていると判断された場合は(
図10のステップS200:yes)、画像データをモノクロ画像データに変換する(ス
テップS204)。モノクロ画像データへの変換は、次式に示すように、画像データのR
成分、G成分、B成分の階調値に所定の重みを付けて加算することによって、容易に実施
することができる。
Gray=0.3*R+0.59*G+0.11*B
ここで、上式中の「Gray」はモノクロ画像データの階調値を表し、「R」は画像デー
タのR成分の階調値を、「G」は画像データのG成分の階調値を表し、そして、「B」は
画像データのB成分の階調値を表している。尚、上述したように、第1実施例では画像デ
ータは標準の階調分解能を有するものとしているから、R成分、G成分、B成分も標準の
階調分解能を有しており、従って、得られたモノクロ画像データも標準の階調分解能を有
するデータとなっている。
こうしてモノクロ画像データが得られたら、一次元の変換テーブルを参照することによ
って、モノクロ画像データを高階調分解能のインク量データ(高階調インク量データ)に
変換する(ステップS206)。尚、本明細書中では、高階調分解能のデータとは、16
ビット分、すなわち65536階調を表現可能なデータを表している。
図13は、モノクロ画像データを高階調分解能のインク量データに変換する際に参照さ
れる一次元の変換テーブルを概念的に示した説明図である。図中の横軸には、モノクロ画
像データの階調値が設定されており、縦軸には、各インクについてのインク量データが設
定されている。また、モノクロ画像データが標準の階調分解能を有するデータであり、イ
ンク量データが高階調分解能のデータであることに対応して、横軸は階調値0から階調値
255の範囲で設定され、縦軸は階調値0から階調値65535の範囲で設定されている
。尚、前述したように、本実施例の印刷装置10では、無彩色インクとしては、Kインク
、LKインク、LLKインクの3種類のインク、有彩色インクとしては、Cインク、Mイ
ンク、Yインク、LCインク、LMインクの5種類のインクを搭載しているが、モノクロ
画像の印刷には、CインクおよびMインクは使用せず、従って、これら2つのインクにつ
いては、インク量データは「0」が設定されている。このため、図13では、Kインク、
LKインク、LLKインクの3つの無彩色インクに加えて、Yインク、LCインク、LM
インクについてのインク量データのみ表示され、CインクおよびMインクについてのイン
ク量データは図示が省略されている。
画像の出力形態がモノクロ出力に設定されている場合には、画像データから標準階調分
解能のモノクロ画像データを生成した後、このような一次元の変換テーブルを参照するこ
とにより、高階調インク量データを生成する処理を行う(図10のステップS206)。
次いで、インク量データ生成処理では、生成した高階調分解能のインク量データに対し
て階調分解能変換処理を行うことにより、標準の階調分解能を有するインク量データを生
成する(ステップS208)。もっとも、インク量データの階調分解能を、単純に高階調
分解能から標準の階調分解能に変換したのでは、高階調インク量データの有する情報が失
われてしまい、細かな階調変化を表現することはできなくなる。そこで、本実施例の階調
分解能変換処理では、高階調インク量データが有する情報をできるだけ保持しながら、標
準の階調分解能に変換するために、次のような処理を行っている。
D−2.階調分解能変換処理 :
図14は、第1実施例のインク量データ生成処理中で行われる階調分解能変換処理の流
れを示すフローチャートである。図示されるように、階調分解能変換処理を開始すると、
先ず初めに、高階調インク量データを上位バイトのデータと、下位バイトのデータとに分
離する(ステップS250)。ここで高階調インク量データを、上位バイトと下位バイト
とに分離しているのは、本明細書では、高階調インク量データが2バイトのデータであり
、標準階調インク量データが1バイトのデータであるとしていることによるものである。
すなわち、高階調分解能を有する2バイトのインク量データを、上位側から標準の階調分
解能に相当するビット数(=1バイト)のデータと、その他の下位側のデータとに分離す
る処理を行う。従って、仮に高階調インク量データが12ビットのデータであり、標準階
調インク量データが8ビット(=1バイト)のデータであれば、高階調インク量データを
、上位側の8ビットのデータと、下位側の4ビットのデータとに分離することになる。
こうして、高階調インク量データから標準階調インク量データに相当する上位バイトの
データを分離すると、残った下位バイトのデータは、階調分解能を変換したことにより生
じた誤差のデータ(誤差データ)となる。そこで、この誤差データに対して前述したディ
ザ法を適用することにより、誤差データを上位バイトのデータに切り上げるか否かを決定
する(ステップS252)。これは次のような処理である。
仮に、高階調インク量データから上位バイトのデータを取り出して標準階調インク量デ
ータに変換する際に、誤差データを切り捨ててしまったのでは、得られる標準階調インク
量データは高階調インク量データよりも小さめのデータとなってしまう。逆に、誤差デー
タを切り上げることにして、標準階調インク量データの最下位ビットに「1」を加えたの
では、標準階調インク量データが高階調インク量データよりも大きめのデータとなってし
まう。このことから、誤差データの階調値に応じて、適切な割合で切り上げたり切り捨て
たりしてやれば、個々の画素については、標準階調インク量データが高階調インク量デー
タより大きかったり、小さかったりするものの、複数の画素をまとめてみると、高階調イ
ンク量データを正確に表現した標準階調インク量データを得ることができる。例えば、こ
こでは誤差データは1バイトのデータであるとしているから、誤差データは階調値0から
階調値255の値を取ることができるが、仮に誤差データの階調値が128であったとす
る。この場合、誤差データを切り捨てる場合と切り上げる場合とが半分ずつの割合となる
ようにして、切り上げる場合には標準階調インク量データの最下位ビットに「1」を加算
しておけば、高階調インク量データの表現する階調を、標準階調インク量データを用いて
正確に表現することが可能となる。尚、本明細書では、このように、あるデータの階調値
に応じて他のデータの最下位ビットに「1」を加算する操作を、「あるデータを、他のデ
ータの最下位ビットに反映させる」と称している。
このように、誤差データを標準階調インク量データに反映させる操作は、ディザ法を用
いることにより、容易に実現することができる。すなわち、図9に示した「インク量デー
タ」を「誤差データ」に置き換えて、誤差データとディザマトリックスの閾値とを比較す
る。そして、誤差データの方が大きければ、誤差データを切り上げると判断して標準階調
インク量データの最下位ビットに「1」を加算する。このようにして誤差データの切り上
げ有無を決定してやれば、切り上げの発生し易さは、誤差データの階調値と、ディザマト
リックスの閾値の配列とに依存し、そしてディザマトリックスの閾値の配列はドット(こ
こでは誤差データを切り上げる画素)が良好に分散して発生するように設定されている。
このため、誤差データを切り上げる画素が偏って発生しないように、しかも誤差データの
階調値に応じた適切な割合となるように、切り上げの有無を決定することが可能となる。
加えて、誤差データの切り上げ有無を決定するために用いるディザマトリックスと、前述
したハーフトーン処理(図7のステップS106)で参照するディザマトリックスとは共
用することができるので、何らメモリを使用することなく、誤差データの切り上げ有無を
適切に判断することが可能となる。
以上のようにして、誤差データ(高階調インク量データの下位バイトのデータ)にディ
ザ法を適用した結果、誤差データを切り上げると判断された場合は(図14のステップS
254:yes)、高階調インク量データから分離した上位バイトのデータの最下位ビッ
トに「1」を加算した後(ステップS256)、加算後の上位バイトのデータを、標準階
調インク量データとして設定する(ステップS258)。これに対して、ディザ法を適用
した結果、誤差データを切り上げないと判断された場合は(ステップS254:no)、
高階調インク量データから分離した上位バイトのデータを、そのまま標準階調インク量デ
ータとして設定する(ステップS258)。こうして、高階調インク量データから標準階
調インク量データを生成したら、図14に示した階調分解能変換処理を終了して、図10
のインク量データ生成処理に復帰する。
図15は、階調分解能変換処理によって、高階調分解能のインク量データが、標準階調
分解能のインク量データに変換される様子を概念的に示した説明図である。図15(a)
に示されるように、高階調インク量データを標準階調インク量データに変換するに際して
は、高階調インク量データを上位バイトと下位バイトとに分離した後、下位バイトにディ
ザ法を適用して、下位バイトのデータ(誤差データ)を切り上げるか否かを決定する。そ
の結果を、上位バイトの最下位ビットに反映させることによって、1バイトの標準階調イ
ンク量データを得ることができる。図15(b)には、一例として、高階調インク量デー
タの上位バイトのデータ(98h)に、下位バイトのデータが切り上げられて、標準階調
インク量データ(99h)が生成される様子が示されている。尚、98hの「h」は、1
6進数表示された数値であることを示している。
このようにして高階調インク量データを標準階調インク量データに変換してやれば、高
階調インク量データの有する高い階調表現能力を維持したまま、標準の階調分解能のイン
ク量データに変換することができる。すなわち、画像の出力形態が、階調表現を重視する
モノクロ出力の設定になっていた場合には、高階調分解能のインク量データと同程度の階
調表現能力を有する標準階調インク量データが得られることになる。そして、標準の階調
分解能のインク量データであれば、画像を出力するための以降の処理(ハーフトーン処理
(図7のステップS106)、インターレース処理(ステップS108)、ドット形成処
理(ステップS110))については、出力形態の設定によらず同じ処理とすることがで
きるので、画像を出力するための制御が複雑になってしまうこともない。
尚、上述した第1実施例のインク量データ生成処理では、画像の出力形態がモノクロ出
力に設定されていた場合には、標準階調分解能の画像データから高階調分解能のインク量
データを生成した後、得られたインク量データの階調分解能を標準階調分解能に変換して
いる。一見すると、標準階調分解能の画像データから高階調分解能のインク量データを生
成しても、画像の階調表現能力が増加する訳ではないように感じられるが、実際には、高
階調分解能のインク量データを生成することで、細かな階調変化が表現された画像を出力
することが可能となる。以下では、この点について簡単に説明しておく。
前述したように、インク量データは変換テーブルを参照することによって画像データか
ら変換されるが、変換テーブルに設定されているインク量データは、取り得る階調範囲が
設定されているわけではない。例えば、図13に例示した変換テーブルでは、モノクロ画
像データが階調値0から階調値255まで変化しても、Yインクのインク量データは僅か
にしか発生しない。図示した例では、全階調の1/10程度の階調値しか発生していない
。従って、モノクロ画像データが256階調のデータだからといって、Yインクのインク
量データも256階調のデータで表現したのでは、Yインクのインク量データは25階調
程度にしか変化することができない。これでは、画像データが256階調の全階調値を取
り得るのに対して、Yインクのインク量データの階調分解能が大きく不足した状態となっ
ている。これに対してインク量データを高階調分解能で表しておけば、Yインクのインク
量データの階調分解能が画像データに対して不足することはなく、従って、細かな階調変
化を表現することが可能となる。
また、こうしたことはYインクのインク量データに限らず、図13に示したLCインク
やLMインクのインク量データについても同様に生じる。更に、図12に示した三次元の
変換テーブルに設定されているインク量データについても、画質上の要請からインク量デ
ータの上限値が、全階調値の半分程度の階調値に制限されていることは、決して珍しいこ
とではなく、このような場合にも、程度の差はあるものの、同様なことが生じ得る。以上
のような理由から、たとえ画像データが標準の階調分解能のデータであっても、高階調分
解能のインク量データを生成することで、細かな階調変化を表現することが可能となるの
である。そして、本実施例のインク量データ生成処理では、高階調分解能のインク量デー
タが有する階調表現能力を維持したまま、階調分解能を標準階調分解能に変換することで
、以降の処理については標準階調分解能のデータと共通化することを可能としている。そ
の結果、全体の処理を複雑にすることなく、階調表現を重視した高画質な画像と、標準的
な画質の画像とを切り換えて出力することが可能となっている。
D−3.変形例の階調分解能変換処理 :
以上に説明した第1実施例の階調分解能変換処理では、誤差データを切り上げるか否か
を判断するために、誤差データにディザ法を適用して判断することとした。前述したよう
に、ディザ法を用いれば誤差データを切り上げる画素を、分散した状態で発生させること
ができるので、良好な画質を維持することができる。加えて、インク量データをドットデ
ータに変換するためのハーフトーン処理でもディザ法を用いる場合は、ハーフトーン処理
で用いるディザマトリックス(更には処理プログラム)を流用することができるので、メ
モリを節約することができるという利点もある。
しかし、誤差データを切り上げるか否かの判断は、必ずしもディザ法を用いる必要はな
く、以下のような簡便な方法を適用することも可能である。特に、ハーフトーン処理にデ
ィザ法以外の方法が用いられる場合には、階調分解能変換処理のために専用のディザマト
リックス(および処理プログラム)が必要になるのではメモリの負担が大きいので、この
ような場合には、以下のような方法を適用する採用することによるメリットも大きなもの
となる。以下、このような変形例の階調分解能変換処理について説明する。
図16は、変形例の階調分解能変換処理の流れを示すフローチャートである。変形例の
階調分解能変換処理では、図14を用いて前述した第1実施例の処理に対して、誤差デー
タを切り上げるか否かを判断するために、ノイズと所定の閾値とを用いる点が大きく異な
っている。以下では、この相違点に焦点をあてて、変形例の階調分解能変換処理の内容を
説明していく。
変形例の階調分解能変換処理を開始すると、前述した第1実施例と同様に、先ず初めに
、高階調インク量データを上位バイトのデータと、下位バイトのデータとに分離する(ス
テップS270)。変形例の階調分解能変換処理においても、この上位バイトのデータが
標準階調インク量データとなり、下位バイトのデータが誤差データとなる。
次いで、下位バイトのデータ(すなわち、誤差データ)に、「―128」から「128
」の階調範囲で変動するノイズを加算する(ステップS272)。そして、得られた加算
値と、所定の閾値(ここでは、階調値128)とを比較して(ステップS274)、加算
値の方が大きければ(ステップS274:yes)、誤差データを切り上げるものと判断
して、上位バイトのデータの最下位ビットに「1」を加算する(ステップS276)。
尚、ここではノイズの変動幅は「−128」から「128」までの256階調を取り得
るとしたが、必ずしも256階調である必要はなく、例えば、「−64」から「64」ま
での128階調とすることも可能である。また、誤差データは階調値0から階調値255
の値を取り得るから、ノイズを加算することで、階調値が負の値になったり、255を越
える場合も生じ得る。このような場合には、正確な加算値を求めることなく、それぞれ階
調値0あるいは階調値255としておき、これらの値を閾値128と比較するようにして
も良い。誤差データを切り上げるか否かの判断には、誤差データにノイズを加えた正確な
加算値が必要なのではなく、加算値と所定の閾値との大小関係が分かればよいから、加算
値が負になったり、桁あふれする場合には、このように階調値0あるいは階調値255に
貼り付けておくことで、判断精度を落とすことなく、処理を簡素化することができる。
一方、誤差データにノイズを加えた値が、閾値128よりも小さいと判断された場合は
(ステップS274:no)、上位バイトのデータの最下位ビットに「1」を加算する処
理は行わない。以上のようにして、最終的に得られた上位バイトのデータを、標準階調イ
ンク量データとして設定した後(ステップS278)、図16に示した変形例の階調分解
能変換処理を終了する。
以上のようにして、誤差データを切り上げるか否かを判断した場合でも、誤差データの
階調値に応じた割合で切り上げることができ、しかも、誤差データを切り上げる画素が偏
って発生することもない。このため、高階調インク量データと同等の階調表現力を維持し
たまま、インク量データの階調分解能を、標準の階調分解能に変換することが可能となる
。その結果、前述した第1実施例の場合と同様に、ハーフトーン処理や、インターレース
処理、ドット形成処理などは標準の階調分解能のデータを扱いながらも、細かな階調変化
を表現可能な高画質な画像を出力することが可能となる。
E.第2実施例のインク量データ生成処理 :
以上に説明した第1実施例のインク量データ生成処理では、画像データが、標準の階調
分解能のデータであるものとして説明した。しかし、本発明は、高階調分解能の画像デー
タに対しても適用することができる。以下では、このような第2実施例のインク量データ
生成処理について説明する。
図17は、第2実施例のインク量データ生成処理の流れを示すフローチャートである。
第2実施例のインク量データ生成処理は、図10を用いて前述した第1実施例のインク量
データ生成処理に対して、画像データの階調分解能が高階調分解能である点が大きく異な
っており、他の部分については、第1実施例の処理とほぼ同様である。以下では、かかる
相違点を中心として簡単に説明する。
第2実施例のインク量データ生成処理も、処理を開始すると先ず初めに、画像の出力形
骸がモノクロ出力に設定されているか否かを判断する(ステップS300)。かかる判断
は、前述した第1実施例と同様に、操作パネル300の画面上から予め設定されている内
容を読み出すことによって行う。
そして、画像の出力形態が、モノクロ出力ではない(すなわち、カラー出力である)と
判断された場合は(ステップS300:no)、高階調分解能の画像データを、標準分解
能の画像データに変換する(ステップS302)。カラー出力の場合に、画像データの階
調分解能を、高階調分解能から標準の階調分解能に落としている理由は次のようなもので
ある。
先ず、モノクロ画像は、画像の濃淡(あるいは明暗)のみを用いて画像を表現している
ため、細かな階調変化を表現可能とすることで、出力画質を大きく向上することができる
。これに対して、カラー画像は、画像の濃淡(あるいは明暗)だけでなく、色相および彩
度も利用して画像を表現している。このため階調表現能力が画質に与える影響は、モノク
ロ画像の場合ほどには大きなものではない。その一方で、カラー画像を出力する場合は、
インク量データを生成するために参照する変換テーブルが三次元のテーブルになるので、
画像データが高階調分解能になると、変換テーブルが大変に大きなテーブルとなってしま
い、テーブルを記憶しておくために多大なメモリが必要となる。そこで、第2実施例のイ
ンク量データ生成処理では、メモリ消費量と出力画質とのバランスを図って、カラー出力
の場合には、画像データの階調分解能を標準の階調分解能まで落としてから処理すること
としている。
また、第2実施例のインク量データ生成処理で、高階調分解能の画像データを標準階調
分解能の画像データに変換する処理(図17のステップS302)は、高階調分解能の画
像データの上位側から、標準の階調分解能に相当するビット数のデータを抜き出すことに
よって行う。もちろん、前述した第1実施例で説明した階調分解能変換処理のように、階
調分解能を変換する際に生じる誤差データを反映させながら、標準階調分解能の画像デー
タに変換することも可能である。
次いで、三次元の変換テーブルを参照することにより、得られた標準階調分解の画像デ
ータを、標準の階調分解能のインク量データ(標準階調インク量データ)に変換する処理
を行う(ステップS304)。かかる処理は、前述した第1実施例における処理と同様で
ある。すなわち、図12に示すような三次元の変換テーブルを参照することによって、画
像データを、C,M,Y,LC,LM,K,LK,LLKの各インクについての標準階調
インク量データに変換する。
一方、画像の出力形態がモノクロ出力に設定されていると判断された場合は(図17の
ステップS300:yes)、画像データをモノクロ画像データに変換する(ステップS
306)。モノクロ画像データへの変換に際しては、前述した第1実施例における場合と
同様に、画像データのR成分、G成分、B成分の階調値に所定の重みを付けて加算するこ
とによって行う。また、第2実施例では、画像データは高階調分解能のデータであるとし
ているから、得られるモノクロ画像データも高階調分解能のデータとなる。
次いで、前述した第1実施例の場合と同様に、一次元の変換テーブルを参照することに
より、モノクロ画像データを高階調分解能のインク量データに変換する(ステップS30
8)。尚、第2実施例では、モノクロ画像データは高階調分解能のデータとなっているか
ら、これに合わせて一次元の変換テーブルも、高階調分解能用のテーブルとなっている。
図18には、高階調分解能のモノクロ画像データをインク量データに変換する際に参照さ
れる一次元の変換テーブルが概念的に示されている。
次いで、こうして生成した高階調インク量データに対して階調分解能変換処理を行うこ
とにより、標準の階調分解能を有するインク量データを生成する(ステップS310)。
かかる処理は、前述した第1実施例における処理と同様であるため、ここでは説明を省略
する。階調分解能変換処理を行うことにより、高階調インク量データと同程度の階調表現
能力を維持したまま、インク量データの階調分解能が標準の階調分解能に変換される。
以上に説明したように、高階調分解能の画像データを受け取った場合でも、上述した第
2実施例のインク量データ生成処理を行って、画像データからインク量データを生成して
おけば、階調表現が重視されるモノクロ画像と、それ程には階調表現が重視されないカラ
ー画像とを切り換えながら、処理が複雑化することを最小限に抑制することが可能となる
F.第3実施例のインク量データ生成処理 :
以上に説明した各種の実施例では、画像の出力形態として、「モノクロ出力」または「
カラー出力」の何れかを設定可能となっており、「モノクロ出力」が設定されていた場合
には、階調表現が重視されるものと判断して、高階調分解能のインク量データを生成する
ものとして説明した。しかし、階調表現を重視する出力形態か否かを設定しておき、この
設定に応じて、異なる階調分解能でインク量データを生成するようにしても良い。以下で
は、このような第3実施例のインク量データ生成処理について簡単に説明する。
図19は、第3実施例のインク量データ生成処理の流れを示すフローチャートである。
図示されているように、第3実施例のインク量データ生成処理では、処理を開始すると先
ず初めに、画像の出力形態が、階調表現を重視する設定になっているか否かを判断する(
ステップS400)。かかる判断は、次のようにして行う。すなわち、第3実施例の印刷
装置10では、操作パネル300の画面上から、階調表現を重視するか否かを、予め設定
しておくようになっている。
図20は、第3実施例の印刷装置10に設けられた操作パネル300から、画像の出力
形態を予め設定している様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、第
3実施例の印刷装置10では、操作パネル300の画面上に、「階調表現重視」、「標準
」の2つの項目が選択可能となっており、画面上で何れかの項目に対応するラジオボタン
を選択することによって、画像の出力形態を設定することが可能となっている。図19に
示した第3実施例のインク量データ生成処理のステップS400では、このような画面上
の設定を読み出すことにより、画像の出力形態が、階調表現重視に設定されているか否か
を判断するのである。
そして、階調表現重視ではなく、標準の設定になっていると判断された場合は(ステッ
プS400:no)、標準階調用の変換テーブルを参照することにより、標準階調のイン
ク量データを生成する(ステップS402)。ここで、標準階調用の変換テーブルとは、
標準階調インク量データが設定されている変換テーブルである。出力する画像がモノクロ
画像であれば、標準階調インク量データが設定された一次元の変換テーブルを参照するこ
とによって、画像データを標準階調インク量データに変換する。また、出力する画像がカ
ラー画像であれば、標準階調インク量データが設定された三次元の変換テーブルを参照す
ることによって、画像データを標準階調インク量データに変換する。
一方、画像の出力形態が、階調表現重視に設定されていると判断された場合は(ステッ
プS400:yes)、高階調用の変換テーブルを参照することにより、高階調インク量
データを生成する(ステップS404)。ここで、高階調用の変換テーブルとは、高階調
インク量データが設定されている変換テーブルである。高階調用の変換テーブルにも、モ
ノクロ画像を出力するための一次元変換テーブルと、カラー画像を出力するための三次元
変換テーブルとが設けられている。そして、何れの画像を出力するかに応じて、対応する
変換テーブルを参照することにより、画像データを高階調インク量データに変換する処理
を行う。
次いで、こうして得られた高階調インク量データに対して、前述した階調分解能変換処
理を行う(ステップS406)。すなわち、高階調インク量データを、上位バイトのデー
タと下位バイトのデータ(誤差データ)とに分離して、誤差データを切り上げるか否かを
判断し、切り上げる場合には、上位バイトのデータの最下位ビットに「1」を加算する処
理を行う。そして、最終的に得られた上位バイトのデータを、標準階調インク量データと
して採用する。その結果、高階調インク量データと同程度に細かな階調変化が表現された
状態のまま、インク量データの階調分解能を標準の階調分解能に変換することができる。
以上のようにして、標準階調インク量データが得られたら、図19に示した第3実施例の
インク量データ生成処理を終了して、図7の画像印刷処理に復帰する。
第3実施例のインク量データ生成処理では、階調表現を重視する出力態様に設定されて
いると判断された場合には、出力する画像がモノクロ画像であるか、カラー画像であるか
に関わらず、画像データを高階調インク量データに変換することによって、細かな階調変
化が表現された高画質な画像を出力することが可能となっている。それでいながら、イン
ク量データを制止した後の処理、すなわち、ハーフトーン処理(図7のステップS106
)、インターレース処理(ステップS108)、ドット形成処理(ステップS110)は
、画像の出力形態によって切り換える必要がないので、画像を出力する処理が複雑になっ
てしまうことも回避することが可能となる。
以上、本実施例の印刷装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られ
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる
例えば、コンピュータ20やデジタルカメラ30に各モジュールの一部又は全部を備え
、ここから出力された画像データに基づき印刷装置10で印刷を行っても良い。
この時、コンピュータ20やデジタルカメラ30で動作するいわゆるプリンタドライバ
に各モジュールの一部又は全部が含まれ、プリンタドライバによりコンピュータ20やデ
ジタルカメラ30の表示画面に表示される画面を通じてユーザーが行った設定に基づいて
、出力形態を判断するということも可能である。
本実施例の印刷装置の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷画像を読み込むために印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 インク吐出ヘッドにインク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。 本実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 第1実施例のインク量データ生成処理の流れを示すフローチャートである。 印刷装置に設けられた操作パネルから画像の出力形態を設定している様子を概念的に示した説明図である。 カラー画像データをインク量データに変換するために参照される三次元の変換テーブルを概念的に示した説明図である。 モノクロ画像データをインク量データに変換するために参照される一次元の変換テーブルを概念的に示した説明図である。 第1実施例の階調分解能変換処理の流れを示したフローチャートである。 階調分解能変換処理によって高階調分解能のインク量データが標準階調分解能のインク量データに変換される様子を概念的に示した説明図である。 変形例の階調分解能変換処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施例のインク量データ生成処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施例のインク量データ生成処理で参照される一次元の変換テーブルを概念的に示した説明図である。 第3実施例のインク量データ生成処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施例の印刷装置で操作パネルから画像の出力形態を設定している様子を概念的に示した説明図である。
符号の説明
10…印刷装置、 12…インク吐出ヘッド、 100…スキャナ部、
200…プリンタ部、 240…印刷キャリッジ、 241…印字ヘッド、
242…インクカートリッジ、 243…インクカートリッジ、
260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (8)

  1. 画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
    インク量データに基づいて画像を出力する画像出力装置であって、
    前記画像データの処理方法を判断する判断手段と、
    前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
    ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
    解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する画像データ変換手
    段と、
    前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
    て、第2の標準階調インク量データを生成する階調分解能変換手段と、
    第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
    力する画像出力手段と
    を備える画像出力装置。
  2. 請求項1に記載の画像出力装置であって、
    前記判断手段は、前記画像を単色で出力するか、階調表現を重視して出力するか、処
    理に使うデータ量が小さいかの少なくとも何れかである場合に、第2の標準階調インク量
    データに変換するものと判断する手段である画像出力装置。
  3. 請求項1に記載の画像出力装置であって、
    前記階調分解能変換手段は、前記高階調インク量データの上位側から前記標準の階調分
    解能に相当するビット数のデータを取り出すことによって前記標準階調のインク量データ
    を生成するとともに、残った下位側のビットのデータたる前記誤差データを誤差拡散法を
    用いて該生成した標準階調のインク量データに反映させて前記第2の標準階調インク量デ
    ータを生成する画像出力装置。
  4. 請求項1に記載の画像出力装置であって、
    所定の階調範囲内の複数の閾値が二次元のマトリックス状に配列された閾値マトリック
    スを記憶している閾値マトリックス記憶手段を備え、
    前記階調分解能変換手段は、前記高階調インク量データの上位側から前記標準の階調分
    解能に相当するビット数のデータを取り出すことによって前記標準階調のインク量データ
    を生成するとともに、残った下位側のビットのデータたる誤差データに前記記憶されてい
    る閾値マトリックスを用いてディザ法を用いて該生成した標準階調のインク量データに反
    映させて前記第2の標準階調インク量データを生成する画像出力装置。
  5. 請求項4に記載の画像出力装置であって、
    前記第1又は第2の標準階調インク量データに基づくデータに対して前記閾値マトリ
    ックスを用いるディザ法を適用することにより、画素毎にドットの有無を判断するドット
    有無判断手段を更に備え、
    前記画像出力手段は、前記ドットの有無の判断結果に従った画像を出力する画像出力装
    置。
  6. 請求項1に記載の画像出力装置であって、
    前記画像出力手段は、前記カラー画像データに対応する画像を、印刷媒体上に画像を形
    成するための制御データの形態で出力する手段である画像出力装置。
  7. 画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
    インク量データに基づいて画像を出力する画像出力方法であって、
    前記画像データの処理方法を判断する第1の工程と、
    前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
    ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
    解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する第2の工程と、
    前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
    て、第2の標準階調インク量データを生成する第3の工程と、
    第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
    力する第4の工程と
    を備える画像出力方法。
  8. 画像データを、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに変換した後、該
    インク量データに基づいて画像を出力する方法を、コンピュータを用いて実現するための
    プログラムであって、
    前記画像データの処理方法を判断する第1の機能と、
    前記処理方法に応じて、前記画像データを、標準の階調分解能を有する前記インク量デ
    ータたる第1の標準階調インク量データ、あるいは該標準の階調分解能よりも高い階調分
    解能を有する前記インク量データたる高階調インク量データに変換する第2の機能と、
    前記高階調インク量データの階調分解能を前記標準の階調分解能に変換することによっ
    て、第2の標準階調インク量データを生成する第3の機能と、
    第1又は第2の標準階調インク量データに基づいて、該画像データに対応する画像を出
    力する第4の機能と
    をコンピュータにより実現するプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015145973A1 (ja) * 2014-03-28 2017-04-13 日本電気株式会社 画像処理装置、ハーフトーンスクリーン生成装置、ハーフトーンスクリーン生成方法、及びハーフトーンスクリーン生成プログラム

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