JP2008113531A - 回転電機 - Google Patents

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Fumio Tajima
文男 田島
Teruyoshi Abe
輝宜 阿部
Motoya Ito
元哉 伊藤
Masaji Kitamura
正司 北村
Yoshitoshi Ishikawa
芳壽 石川
Tokuaki Hino
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Abstract

【課題】鉄損を低減できる回転電機を提供することにある。
【解決手段】ロータ130は、ステータ110に対して隙間を介して配置され、回転可能である。ロータ130は、ロータコア132と、このロータコアに形成された磁石挿入孔に挿入された複数個の永久磁石134とを有する。ロータコア132は、複数の鋼板を積層して形成される。鋼板は、磁石挿入孔及びその外周をエッチング加工されたエッチング加工部を備える。エッジング加工によるエッジング加工部は、少なくとも永久磁石挿入孔を形成する部位、及びロータコアのステータとの対向面を形成する部位に設けてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機に係り、代表的には鉄損を低減するための技術に関する。
回転電機の一つの使用例として電動機がある。電動機としては、回転子に永久磁石を備えた同期機を使用することにより、その効率を飛躍的に向上できる。永久磁石は、ロータコアに形成された磁石挿入孔に挿入される。ここで、ロータコアは、複数枚の電磁鋼板を積層した積層体により構成されている。永久磁石を挿入する孔などは、電磁鋼板をパンチプレスにより打ち抜き加工することによって形成される(例えば、特許文献1参照)。
また、固定子を構成するステータコアも同様に、複数枚の電磁鋼板を積層した積層体により構成されている。ステータコイルが収納されるスロットやティースは、ロータコアと同様に、電磁鋼板をパンチプレスにより打ち抜き加工することによって形成される。
なお、ステータコアとしては、電磁鋼板をエッチング加工することによってスロットやティースを形成してなるものも知られている(例えば、特許文献2,特許文献3参照)。
特開2001−86672号公報 特開平1−155263号公報 特開平5−284697号公報
より効率の良い回転電機を提供する上で、ヒステリシス損と渦電流損との和で表される鉄損の低減が望まれている。ヒステリシス損は、交番磁界により磁心の磁区が向きを変えるときに生じる損失であり、ヒステリシス曲線の内部の面積に依存するものである。渦電流損は、磁束の変化によって鉄心の表面に生じる渦電流によるものである。
回転電機の回転子を構成するロータコアにおいては、薄い電磁鋼板を積層して磁気回路を形成することにより渦電流損を低減している。しかし、特許文献1に記載のように、ロータコアを構成する個々の電磁鋼板を打ち抜き加工により成形すると、電磁鋼板の切断部分の結晶構造が変形して、磁気特性が劣化し、ヒステリシス曲線の内側面積が大きくなる。この結果、鉄損が改善されず、回転電機の効率も改善されない。
本発明の代表的なものは、鉄損を低減できる回転電機を提供する。鉄損の低減にあたっては、高トルクを出力でき、かつ回転電機を小型軽量化できることが好ましい。
本発明の代表的な一つの特徴は、ロータコアを、少なくともロータコアの永久磁石挿入孔を形成する部位、及びロータコアのステータとの対向面を形成する部位に、エッジング加工によるエッジング加工部を設けた複数の電磁鋼板を積層して形成したことにある。
本発明の代表的な一つによれば、電磁鋼板の加工部の結晶構造の変形を低減して磁気特性の劣化を低減でき、ヒステリシス曲線の内側面積が大きくなるということを抑えることができる。
本発明の代表的な一つによれば、鉄損を低減できる回転電機を提供できる。
以下、図1〜図12を用いて、本発明の第1の実施形態による回転電機の構成について説明する。以下の例では、回転電機の一例として、電動パワーステアリング用モータについて説明する。
最初に、図1〜図3を用いて、本実施形態の電動パワーステアリング用モータの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による回転電機の構成を示す横断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図2(A)は全体の断面図を示し、図2(B)は要部の断面図を示している。図3は、図2(A)の要部拡大図である。
電動パワーステアリング用モータ(EPSモータ)100は、ステータ110と、このステータ110の内側に対向配置されて、回転可能に支持されたロータ130とを備えた、磁石内臓型の同期電動機である。EPSモータ100は、バッテリーを備えた車載電源、例えば14ボルト系電源(バッテリーの出力電圧が12ボルト)あるいは24ボルト系電源若しくは42ボルト系電源(バッテリーの出力電圧36ボルト)又は48ボルト系電源から供給される電力で駆動される。
ステータ110は、珪素鋼板(電磁鋼板)を積層した積層磁性体で形成されたステータコア112と、ステータコア112のスロット内に保持されたステータコイル114とを備えている。ステータコア112は、12個のT字形状のティース一体型分割バックコアから構成されている。ティース一体型分割バックコアは、それぞれ、珪素鋼板などの磁性体の薄板をエッチングにより成形し、それを積層した構成となっている。複数のティースには、それぞれ、ステータコイル114が巻回されている。ステータコイル114は分布巻あるいは集中巻の方式で巻かれている。
ステータコイル114を分布巻とすると弱め界磁制御に優れ、また、リラクタンストルクの発生にも優れる。EPSモータとしては、モータの小型化や巻線抵抗の低減がたいへん重要である。ステータコイル114を集中巻とすることにより、ステータコイル114のコイルエンド長を短くできる。これにより、EPSモータ100の回転軸方向の長さを短くすることができる。また、ステータコイル114のコイルエンドの長さを短くできるので、ステータコイル114の抵抗を小さくでき、モータの温度上昇を抑えることができる。また、コイル抵抗を小さくできることから、モータの銅損を小さくできる。したがって、モータへの入力エネルギーの内、銅損によって消費される割合を小さくでき、入力エネルギーに対する出力トルクの効率を向上することができる。
EPSモータは上述のごとく車両に搭載された電源により駆動される。上記電源は出力電圧が低い場合が多い。電源端子間にインバータを構成するスイッチング素子や上記モータ、その他電流供給回路の接続手段が等価的に直列回路を構成し、上記回路においてそれぞれの回路構成素子の端子電圧の合計が上記電源の端子間電圧になるので、モータに電流を供給するためのモータの端子電圧は低くなる。このような状況でモータに流れ込む電流を確保するにはモータの銅損を低く抑えることが極めて重要である。この点から車両に搭載される電源は50ボルト以下の低電圧系が多く、ステータコイル114を集中巻とすることが望ましい。特に12ボルト系電源を使用する場合は極めて重要である。
また、EPSモータはステアリングコラムの近傍に置かれる場合、ラックアンドピニオンの近傍に置かれる場合などがあるが、何れも小型化が要求される。また、小型化された構造でステータコイルを固定することが必要であり、巻線作業が容易なことも重要である。分布巻に比べ集中巻は巻線作業、巻線の固定作業が容易である。
ステータコイル114のコイルエンドはモールドされている。EPSモータはコギングトルクなどのトルク変動をたいへん小さく抑えることが望ましく、ステータ部を組み上げてからステータ内部を再度切削加工することがある。このような機械加工により、切削紛が発生する。この切削紛がステータコイルのコイルエンド入り込むのを防止することが必要であり、コイルエンドのモールドが望ましい。コイルエンドは、ステータコイル114の複数の部位のうち、ステータコア112の軸方向両端部から軸方向に突出した部位を指す。
尚、本実施形態では、ステータコイル114のコイルエンドを覆ったモールド樹脂と、フレーム150との間に空隙が設けられているが、フレーム150,フロントフランジ152F及びリアフランジ152Rと接触する位置まで充填してもよい。こうすることにより、ステータコイル114からの発熱を、コイルエンドからモールド樹脂を介して直接、フレーム150,フロントフランジ152F及びリアフランジ152Rに伝達して外部に放熱できるので、空気を介して熱伝達する場合に比べてステータコイル114の温度上昇を低減することができる。
ステータコイル114は、U相,V相,W相の3相から構成され、それぞれ複数の単位コイルから構成される。複数の単位コイルは、3相の各相毎に、図示の左側に設けられた結線リング116によって結線されている。
EPSモータは大きなトルクが要求される。例えば車の走行停止状態、あるいは走行停止に近い運転状態でステアリングホイール(ハンドル)が早く回転されると操舵車輪と地面との間の摩擦抵抗のため、上記モータには大きなトルクが要求される。このときには大電流がステータコイルに供給される。この電流は条件により異なるが50アンペア以上の場合がある。70アンペアあるいは150アンペアの場合も考えられる。このような大電流を安全に供給でき、また上記電流による発熱を低減するために結線リング116を用いることはたいへん重要である。上記結線リング116を介してステータコイルに電流を供給することにより接続抵抗を小さくでき、銅損による電圧降下を抑えることができる。このことにより、大電流の供給が容易になる。またインバータの素子の動作に伴う電流の立ち上がり時定数が小さくなる効果がある。
ステータコア112とステータコイル114は、樹脂(電気的な絶縁性を有するもの)により一体にモールドされ、一体に形成されてステータSubAssyを構成している。この一体成形されたステータSubAssyは、アルミなど金属で形成された円筒状のフレーム150の内側に圧入されて固定された状態でモールド成形される。尚、一体成形されたステータSubAssyは、ステータコイル114がステータコア112に組み込まれた状態でモールド成形され、この後、フレーム150に圧入されてもよい。
自動車に搭載されるEPSモータには色々な振動が加わる。また、車輪からの衝撃が加わる。また、気温変化の大きい状態で利用される。摂氏マイナス40度の状態も考えられ、また、温度上昇により100度以上も考えられる。さらに、モータ内に水が入らないようにしなければならない。このような条件でステータがフレーム150に固定されるためには、筒状フレームの少なくともステータコアの外周部には螺子穴以外の穴が設けられていない、円筒金属にステータ部(SubAssy)を圧入することが望ましい。また、圧入後さらにフレームの外周から螺子止めしてもよい。圧入に加え回止を施すことが望ましい。
ロータ130は、珪素鋼板(電磁鋼板)を積層した積層磁性体からなるロータコア132と、このロータコア132に形成された磁石挿入孔(磁石装着孔)に挿入された複数の永久磁石であるマグネット134とを備えている。マグネット134は、希土類磁石であり、例えば、ネオジウムからなる。ロータコア132は、シャフト138に固定されている。複数のマグネット134は、磁石挿入孔に挿入され、保持されることで、ロータ130が高速回転した場合でも、マグネット134が飛散するのを防止している。上述のごとくEPSモータは振動や熱変化が極めて大きく破損し易い永久磁石を保持するのに優れている。また上述のとおり、仮に破損しても飛散を防止できる。
円筒形状のフレーム150の一方の端部には、フロントフランジ152Fが設けられている。フレーム150とフロントフランジ152FとはボルトB1により固定されている。また、フレーム150の他方の端部には、リアフランジ152Rが圧入されている。フロントフランジ152F及びリアフランジ152Rには、それぞれ、軸受154F,154Rが取り付けられている。これらの軸受154F,154Rにより、シャフト138及び、このシャフト138に固定されたステータ110が回転自在に支承されている。
フロントフランジ152Fには円環状の突出部が設けられている。フロントフランジ152Fの突出部は軸方向に突出したものであり、フロントフランジ152Fのコイルエンド側の側面からコイルエンド側に延出している。フロントフランジ152Fの突出部の先端部は、フレーム150にフロントフランジ152Fを固定した際、フロントフランジ152F側のコイルエンドのモールド材とフレーム150との間に形成された空隙内に挿入されるようになっている。また、コイルエンドからの放熱を向上させるために、フロントフランジ152Fの突出部は、フロントフランジ152F側のコイルエンドのモールド材と密に接触していることが好ましい。
リアフランジ152Rには円筒状の窪みが設けられている。リアフランジ152Rの窪みはシャフト138の中心軸と同心のものであり、フレーム150の軸方向端部よりも軸方向内側(ステータコア112側)に入り込んでいる。リアフランジ152Rの窪みの先端部は、リアフランジ152R側のコイルエンドの内径側まで延びて、リアフランジ152R側のコイルエンドと径方向に対向している。リアフランジ152Rの窪みの先端部には軸受154が保持されている。シャフト138のリアフランジ152R側の軸方向端部は軸受154よりもさらに軸方向外方(ロータコア132側とは反対側)に延びて、リアフランジ152Rの窪みの開口部近傍或いは開口部よりも若干軸方向外方に突出する位置まで至っている。
リアフランジ152Rの窪みの内周面とシャフト138の外周面との間に形成された空間にはレゾルバ156が配置されている。レゾルバ156はレゾルバステータ156Sとレゾルバロータ156Rを備えており、軸受154Rよりも軸方向外側(ロータコア132側とは反対側)に位置している。レゾルバロータ156Rはシャフト138の一方の端部(図示左側の端部)にナットN1によって固定されている。レゾルバステータ156Sは、レゾルバ押さえ板156BがネジSC1によってリアフランジ152Rに固定されることにより、リアフランジ152Rの窪みの内周側に固定され、レゾルバロータ156Rと空隙を介して対向している。レゾルバステータ156Sとレゾルバロータ156Rによりレゾルバ156を構成し、レゾルバロータ156Rの回転をレゾルバステータ156Sによって検出することにより、複数のマグネット134の位置を検出できる。
さらに具体的に説明すると、レゾルバは、外周表面が凹凸状(例えば楕円形状或いは花びら形状)であるレゾルバロータ156Rと、2つの出力用コイル(電気的に90°ずれている)及び励磁用コイルがコアに巻かれたレゾルバステータ156Sとを有する。励磁用コイルに交流電圧を印加すると、2つの出力用コイルには、レゾルバロータ156Rとレゾルバステータ156Sとの間の空隙の長さの変化に応じた交流電圧が、回転角度に比例する位相差をもって発生する。このように、レゾルバは、位相差をもった2つの出力電圧を検知するためのものである。ロータ130の磁極位置は、検知された2つの出力電圧の位相差から位相角を求めることによって検出できる。リアフランジ152Rの外周には、レゾルバ156を覆うようにして、リアホルダ158が取り付けられている。
結線リング116によって接続されたU相,V相,W相の各相には、パワーケーブル162を介して、外部のバッテリーから電力が供給される。パワーケーブル162は、グロメット164によりフレーム150に取り付けられている。レゾルバステータ156Sから検出された磁極位置信号は、信号ケーブル166により外部に取り出される。信号ケーブル166は、グロメット168により、リアホルダ158に取り付けられている。結線リング116とパワーケーブル1の一部分はコイルエンドと共にモールド材によってモールドされている。
次に、図2を用いて、ステータ110及びロータ130の構成をさらに具体的に説明する。
図2は、図1のA−A矢視図である。図2(B)は、図2(A)のP部の拡大断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
最初に、ステータ110の構成について説明する。図1に示したステータコア112は、12個のT字形状のティース一体型分割バックコア112(U1+),112(U1−),112(U2+),112(U2−),112(V1+),112(V1−),112(V2+),112(V2−),112(W1+),112(W1−),112(W2+),112(W2−)から構成されている。ティース一体型分割バックコア112(U1+),…,112(W2−)は、それぞれ、珪素鋼板などの磁性体の薄板をエッチングにより成形され、それを積層した構成となっている。
ティース一体型分割バックコア112(U1+),…,112(W2−)のティース部には、ステータコイル114(U1+),114(U1−),114(U2+),114(U2−),114(V1+),114(V1−),114(V2+),114(V2−),114(W1+),114(W1−),114(W2+),114(W2−)が集中巻で巻回されている。
ここで、ステータコイル114(U1+)と、ステータコイル114(U1−)とは、コイルを流れる電流の向きが逆方向となるように巻回されている。ステータコイル114(U2+)と、ステータコイル114(U2−)とも、コイルを流れる電流の向きが逆方向となるように巻回されている。また、ステータコイル114(U1+)と、ステータコイル114(U2+)とは、コイルを流れる電流の向きが同一方向となるように巻回されている。ステータコイル114(U1−)と、ステータコイル114(U2−)とも、コイルを流れる電流の向きが同一方向となるように巻回されている。ステータコイル114(V1+),114(V1−),114(V2+),114(V2−)の電流の流れ方向の関係、及びステータコイル114(W1+),114(W1−),114(W2+),114(W2−)の電流の流れ方向の関係も、U相の場合と同様である。
次に、組み立て工程について説明する。ティース一体型分割バックコア112(U1+),…,112(W2−)に、それぞれ、ステータコイル114(U1+),…,114(W2−)を巻回する。次に、ティース一体型分割バックコア112(U1+),…,112(W2−)の周方向の端面に形成された凹部と嵌合形状の凸部とを圧入して、ステータ110の組立が完了する。次に、バックコア112Bの外周側の複数箇所をフレーム150の内周側に圧入した状態で、ステータコア112とステータコイル114とを熱硬化性樹脂MRにより一体モールド成形し、ステータSubAssyを構成する。
尚、本実施形態では、ステータコア112にステータコイル114を組み込んだものを、フレーム150に圧入した状態で、ステータコア112とステータコイル114とを一体モールドする場合について説明したが、ステータコア112にステータコイル114を組み込んだ状態で、ステータコア112とステータコイル114とを一体モールドし、その後、ステータコア112をフレーム150に圧入してもよい。
モールド材によるモールド成形にあたっては、ステータコア112と、ステータコア112の軸方向端部から軸方向に突出するステータコイル114のコイルエンド部を、図示省略した治具とフレーム150によって囲むように、図示省略した治具を、ステータコア112とステータコア112とフレーム150からなる構造体に対して取り付け、図示省略した治具とフレーム150によって囲まれている中に流体状のモールド材を注入し、コイルエンド部,ステータコア112の隙間,ステータコイル114の隙間,ステータコア112とステータコイル114との間の隙間及びステータコア112とフレーム150との間の隙間にモールド材を充填し、モールド材を固化させ、モールド材が固化したら、図示省略した治具を取り外す。
モールド成形したステータSubAssyの内周面,すなわち、ティース一体型分割バックコア112(U1+),…,112(W2−)のティース部の先端部であって、ロータ130と径方向に対向する面側には切削加工が施されている。これにより、ステータ110とロータ130とのギャップのバラツキを低減して、ステータ110の内径真円度をさらに向上させている。また、モールド成形により一体化することにより、モールドしない場合に比べて、ステータコイル114に通電することにより発生する熱の放熱性をよくすることができる。また、モールド成形することにより、ステータコイルやティースの振動を防止することもできる。また、モールド成形した後、内径を切削加工することにより、内径真円度に基づくコギングトルクを低減することができる。コギングトルクを低減することにより、ステアリングの操舵感を向上することができる。
フレーム150の内側には凸部150Tが形成されている。バックコア112Bの外周には、凸部150Tと対応するように凹部112BO2が形成されている。凸部150Tと凹部112BO2は、相互に異なる曲率を有して係合しあう係合部IPを構成しており、軸方向に連続して形成されかつ周方向に間隔をあけて8個設けられている。係合部は圧入部を兼ねている。すなわちフレーム150にステータコア112を固定する場合、係合部の凸部150Tの突端面と凹部112BO2の底面とが圧接するように、フレーム150の凸部150Tにバックコア112Bの凹部112BO2を圧入する。このように、本実施形態は、部分圧入によってフレーム150にステータコア112を固定している。この圧入によって、フレーム150とステータコア112との間には微細な空隙が形成される。本実施形態では、ステータコア112とステータコイル114とをモールド材MRによってモールドする際、フレーム150とステータコア112との間に形成された空隙にモールド材RMを同時に充填している。また、係合部は、フレーム150に対してステータコア112が周方向に回転することを防止するための回り止め部を兼ねている。
このように、本実施形態では、フレーム150にステータコア112を部分的に圧入しているので、フレーム150とステータコア112との間のすべりを大きくしかつ剛性を小さくできる。これにより、本実施形態では、フレーム150とステータコア112との間における騒音の減衰効果を向上させることができる。また、本実施形態では、フレーム150とステータコア112との間の空隙にモールド材を充填しているので、騒音の減衰効果をさらに向上させることができる。
なお、凸部150Tと凹部112BO2とは非接触として、両者は回り止めとしてのみ用い、この凸部150Tと凹部112BO2の部分以外のフレーム150の内周面に対してバックコア112Bの外周面を圧入するように構成してもよい。
また、ステータコイル114(U1+),114(U1−)と、114(U2+),114(U2−)とは、ステータ110の中心に対して、対称位置に配置されている。すなわち、ステータコイル114(U1+)と114(U1−)は隣接して配置され、また、ステータコイル114(U2+)と114(U2−)も隣接して配置されている。さらに、ステータコイル114(U1+),114(U1−)と、ステータコイル114(U2+),114(U2−)とは、ステータ110の中心に対して、線対称に配置されている。すなわち、シャフト138の中心を通る破線C−Cに対して、ステータコイル114(U1+)と、ステータコイル114(U2+)とが線対称に配置され、また、ステータコイル114(U1−)と、114(U2−)とが線対称に配置されている。
ステータコイル114(V1+),114(V1−)と、114(V2+),114(V2−)も同様に線対称に配置され、ステータコイル114(W1+),114(W1−)と、114(W2+),114(W2−)とも線対称に配置されている。
また、同相の隣接するステータコイル114は1本の線で連続して巻回されている。すなわちステータコイル114(U1+)と114(U1−)とは、1本の線を連続して巻回し、2つの巻回コイルを構成し、それぞれ、ティースに挿入して、ティースに巻回した構成となっている。ステータコイル114(U2+)と114(U2−)も、1本の線で連続して巻回されている。ステータコイル114(V1+)と114(V1−),ステータコイル114(V2+)と114(V2−),ステータコイル114(W1+)と114(W1−),ステータコイル114(W2+)と114(W2−)も、それぞれ、1本の線で連続して巻回されている。
このような線対称配置と、隣接する2つの同相のコイルを1本の線で巻回することにより、各相同士、また異相を結線リングで結線する際に、結線リングの構成を簡単にすることができる。
次に、ロータ130の構成について説明する。ロータ130は、積層磁性体からなるロータコア132と、このロータコア132に形成された磁石挿入孔に挿入されて、固定された10個のマグネット134(134A,134B,134C,134D,134E,134F,134G,134H,134I,134J)とを備えている。ロータコア132は、シャフト138に固定されている。
マグネット134は、その表面側(バックコア112(U1+),…,112(W2−)のティース部と対向する側)をN極とすると、その裏面側(シャフト138に近い側)がS極となるように、半径方向に着磁されている。また、マグネット134は、その表面側(バックコア112(U1+),…,112(W2−)のティース部と対向する側)をS極とすると、その裏面側(シャフト138に近い側)がN極となるように、半径方向に着磁されているものもある。そして、隣接するマグネット134は、着磁された極性が周方向に交互になるように着磁されている。例えば、マグネット134Aの表面側がN極に着磁されているとすると、隣接するマグネット134B,134Jの表面側はS極に着磁されている。すなわち、マグネット134A,134C,134E,134G,134Iの表面側がN極に着磁されている場合、マグネット134B,134D,134F,134H,134Jの表面側は、S極に着磁されている。
また、マグネット134は、それぞれ、断面形状がかまぼこ型の形状となっている。かまぼこ形状とは、周方向において、左右の半径方向の厚さが、中央の半径方向の厚さに比べて薄い構造のことである。このようなかまぼこ型の形状とすることにより、磁束分布を正弦波状とでき、EPSモータを回転させることによって発生する誘起電圧波形を正弦波状とすることができ、脈動分を低減することができる。脈動分を小さくできることにより、ステアリングの操舵感を向上できる。
なお、リング状の磁性体に着磁してマグネットを構成するとき、着磁力を制御することのにより、磁束分布を正弦波状類似のものとしてもよいものである。
図3を用いて、ロータ130の詳細構成について説明する。ロータコア132には、複数個の磁石挿入孔132HA,132HJ,132HIが形成されている。磁石挿入孔132HA,132HJ,132HIは、エッチングにより形成される。磁石挿入孔132HA,132HJ,132HIには、それぞれ、マグネット134A,134J,134Iが挿入される。また、ロータコア132の外周には、周方向に繰り返される形状の突部132GA,132GJ,132GIが形成されている。これらの突部132GA,132GJ,132GI,すなわち、ロータコア132の外周部もエッチングにより形成される。すなわち、磁石挿入孔132HA,132HJ,132HI及び突部132GA,132GJ,132GIは、エッチングにより成形加工されるエッチング加工部である。
ここで、ロータコア132は、磁石挿入孔132HA,132HJ,132HIのステータ110側とは反対側の部位よりもステータ110側とは反対側に形成されたヨーク部132X4と、マグネット134A,134I,134Jによって構成された主磁極の間に形成され、ヨーク部132X4のステータ110側からステータ110側に向かって径方向に延びる突極部132X2と、磁石挿入孔132HA,132HJ,132HIのステータ110側の部位よりもステータ110側に形成され、突極部132X2のステータ110側を周方向に連結するブリッジ部132X1とが一体形成されたものから構成されている。ヨーク部132X4、突極部132X2及びブリッジ部132X1のそれぞれにおける磁石挿入孔132HA,132HJ,132HI側の部位と、突極部132X2及びブリッジ部132X1のステータ110側の部位にはエッジング加工部が設けられている。すなわちヨーク部132X4、突極部132X2及びブリッジ部132X1のそれぞれは、珪素鋼板のそれぞれにおける磁石装着孔132HA,132HJ,132HIの形成部位(珪素鋼板の磁石装着孔132HA,132HJ,132HIを形成するための開孔部の表面)、及びステータ110に対するロータコア132の対向面の形成部位(外周表面)にエッジング加工による表面加工処理が施されることによって形成されている。
ブリッジ部132X1と突極部132X2との境界部分には磁気飽和部132X3が形成されている。ブリッジ部132X1は、ロータコア132の各部のうち、径方向の寸法が最も小さい部分であり、径方向の寸法が最も小さい状態のままで、マグネット134A,134I,134Jのステータ110側の形状に沿って周方向に延びている。これにより、ブリッジ部132X1は、マグネット134A,134I,134Jをステータ110側から押さえると共に、マグネット134A,134I,134Jの磁束が突極部132X2を介してヨーク部132X4に漏れることを抑えるための磁気飽和部132X3を形成している。また、ブリッジ部132X1は、ロータ130とステータ110との間のギャップを介してロータ130とステータ110との間で行き来するマグネット134A,134I,134Jの磁束を通す磁気回路を構成する領域でもある。
パワステ用モータとしては、トルクリプルを極端に嫌うことから表面磁石式の回転子構造が一般には用いられて、永久磁石の保持には、外周に非磁性のリングを設ける構造が取られるが、トルクリプルの補正を行える制御装置を備えることや、トルクリプルの許容の比較的緩い用途等には回転子鉄心にこのような永久磁石挿入孔を設け、ここに永久磁石を納める、いわゆるIPM(内部磁石式)構造を取ることができる。このような構成にすることによって。永久磁石外周の非磁性のリングを省略でき、簡単な構成で、強固な磁石保持構造にできる。また、リラクタンストルクの活用、あるいは外周非磁性の存在の影響による永久磁石の磁束の減少などの欠点のない、高トルクのモータとすることができる。
また、以上説明したように、本実施形態のロータ130は、10個のマグネット134を備えており、10極である。また、前述したように、バックコア112(U1+),…,112(W2−)のティース部は12個であり、隣接するティースの間に形成されるスロットの数は、12個である。すなわち、本実施形態のEPSモータは、10極12スロットの埋め込み磁石型の同期電動機となっている。
ここで、図4を用いて、ACモータにおける極数Pとスロット数Sとの関係について説明する。
図4は、ACモータの極数Pとスロット数Sの関係の説明図である。
図4において、横線によるハッチングを施した組合せが、3相のACモータ(ブラシレスモータ)として、取り得る極数Pとスロット数Sの組合せである。すなわち、3相ACモータとしては、2極3スロット,4極3スロット,4極6スロット,6極9スロット,8極6スロット,8極9スロット,8極12スロット,10極9スロット,10極12スロット,10極15スロットの組合せが成立する。この中で、左斜線と右斜線を施した組合せの10極12スロットが本実施形態によるモータの極数とスロット数である。なお、左斜め斜線を施した8極9スロットと10極9スロットとについては、後述する。また、図1に示したEPSモータは、外径が85φと小型のモータであり、このような小型モータにおいては、極数Nが12以上のモータは実現できないため、図示を省略している。
ここで、2極3スロット,4極3スロット,4極6スロット,6極9スロット,8極6スロット,8極12スロット,10極15スロットのモータは、その特性が近似するものであり、ここでは、6極9スロットのものを代表例として説明する。
6極9スロットのACモータに対して、本実施形態の10極12スロットのモータは、磁石磁束の利用率が高くできる。すなわち、6極9スロットのACモータにおける巻線係数(巻線の利用率)kwは0.87であり、スキュー係数ksは0.96であるので、磁石磁束の利用率(kw・ks)は、「0.83」となる。一方、本実施形態の10極12スロットのモータでは、巻線係数kwは0.93であり、スキュー係数ksは0.99であるので、磁石磁束の利用率(kw・ks)は、「0.92」となる。したがって、本実施形態の10極12スロットのモータでは、磁石磁束の利用率(kw・ks)を高くすることができる。
また、コギングトルクの周期は、極数Pとスロット数Sの最小公倍数となるため、6極9スロットのACモータにおけるコギングトルクの周期は、「18」となり、本実施形態の10極12スロットのモータでは、「60」とできるため、コギングトルクを低減することができる。
さらに、内径真円度の誤差によるコギングトルクも小さくできるものである。すなわち、6極9スロットのACモータにおける内径真円度の誤差によるコギングトルクを、「3.7」とすると、本実施形態の10極12スロットのモータでは、「2.4」とできるため、内径真円度の誤差によるコギングトルクを低減することができる。さらに、本実施形態では、モールド成形したステータSubAssyの内径を切削加工して、内径真円度を向上させる結果、さらに、内径真円度の誤差によるコギングトルクを低減することができる。
次に、図5〜図8を用いて、本実施形態による回転電機におけるステータコア及びロータコアのエッチング加工について説明する。
本実施形態では、打ち抜き加工による磁気特性の劣化を防止し、更なる磁気特性の向上を図るため、エッチング加工を用いて鋼板を加工し、その鋼板の厚さを0.30mm以下と薄肉化する。特に、厚さが0.30mm以下のような薄肉化された電磁鋼板の一つである珪素鋼板を、エッチング加工を用いて加工し、磁気特性の向上を図る。
ステータコア及びロータコアは、積層された鋼板で作られており、エッチング加工、好ましくはフォトエッチング加工により形成されている。このとき、鋼板の厚さが、0.08〜0.30mmである。プレスによる打ち抜き加工によるステータコア及びロータコアの加工では、鋼板内の規則的な結晶配置を破壊し、このことによりヒステリシス損を増大する。ステータコア及びロータコアをエッチング加工することで、規則的な結晶配置の破壊を防止でき、ヒステリシス損の増大を防止できる。
打ち抜き加工は加工対象の鋼板が薄くなればなるほど切断部の乱れ、例えばつぶれ,バリ,ダレが大きな問題となり、ヒステリシス損が増大する傾向を示す。
さらに、打ち抜き加工で加工可能な形状は、円または直線といった単純な形状の加工である。その理由は、打ち抜き加工では金型が必要であり、この金型を複雑な曲線に形成することことは極めて困難である。また、金型を研磨する場合にも、複雑な曲線形状を有する金型の場合には、うまく研磨ができないという問題がある。
このため打ち抜き加工などの機械加工では、渦電流損を低減する目的で電磁鋼板を薄くすることはできるが、ヒステリシス損が増大することとなり、鉄損を低く抑えることが困難となる。
エッチング加工はこのような問題を解決できる。このエッチング加工によりヒステリシス損を低く抑え、渦電流損を低減できる。回転電機ではステータコア及びロータコアをエッチング加工することにより、回転電機全体の効率を、更に向上させることができる。なお、エッチング加工の代表的な方法として、フォトエッチングによる加工がある。
エッチング加工は、鋼板内の規則的な結晶配置の破壊を防止できることによるヒステリシス損の低減効果を有する他に、加工精度の大幅向上による回転電機の特性の改善が期待できる。すなわち、ステータコア及びロータコアをエッチング加工することで、鉄損の低減に加え、加工精度の向上や、複雑な曲線形状の加工が可能となることで、特性改善や性能向上が可能となる。例えば、ステータコアとロータコアとの間のギャップの形状を高精度で加工することにより、効率向上のみならず、脈動の低減などの性能向上や特性改善が可能となる。
また、磁石内蔵型同期回転電機において、積層されたロータの鋼板の磁石挿入孔をエッチング加工により形成することにより、磁石挿入孔の形状を高精度で形成でき、回転子の磁極間のアンバランスを低減できる。また、磁気通路の形状を高精度で形成できることで回転電機の特性向上を図ることが可能となる。こうした場合も、打ち抜き加工では困難であった複雑な曲線形状の加工を、エッチング加工により高精度に行うことができるので、回転電機の特性改善や性能向上が可能となる。
同期モータでは、ステータコイルは3相巻線であることが好ましい。3相巻線を使用することで、回転電機の効率が向上し、エッチング加工することで、回転電機全体の効率が更に向上する。同期モータでも、鉄損の低減に加え、加工精度の向上による性能向上や特性改善が可能となる。
具体的には以下の形態で説明する。
本実施形態では、コアの積層コア密度は、90.0〜99.9%である。好ましくは93.0〜99.9%である。
なお、この積層コア密度は、機械的に積層されたコアを圧縮することにより向上させることも必ずしも不可能ではない。しかしながら、こうした場合、鉄損が増加してしまい好ましいとはいえない。本実施形態で説明するものは、こうした積層コア密度を向上させるための特別な工程を設けることなく、積層コア密度を向上させることのできるものである。
この場合、コアの積層コア密度(%)は、鋼板の板厚0.08〜0.30mmであり、コアの枚数20〜1000(枚)であり、コアの高さ5〜200mmである。
鋼板の組成は、Cが0.001〜0.060重量%、Mnが0.1〜0.6重量%、Pが0.03重量%以下、Sが0.03重量%以下、Crが0.1重量%以下、Alが0.8重量%以下、Siが0.5〜7.0重量%、Cuが0.01〜0.20重量%を含有し、残部が不可避な不純物とFeとからなる。なお、不可避な不純物は、酸素や窒素のガス成分等である。
そして、好ましくは、鋼板の組成は、Cが0.002〜0.020重量%、Mnが0.1〜0.3重量%、Pが0.02重量%以下、Sが0.02重量%以下、Crが0.05重量%以下、Alが0.5重量%以下、Siが0.8〜6.5重量%、Cuが0.01〜0.1重量%を含有し、残部が不純物とFeとからなる、結晶粒子を有する、いわゆる電磁鋼板としての珪素鋼板である。
こうした珪素鋼板の組成を決定する際に、特に、鉄損を低減するという観点では、SiとAlとの含有量が重要である。こうした観点でAl/Siを規定した場合、この比が0.01〜0.60であることが好ましい。さらに好ましくはこの比が0.01〜0.20である。
なお、珪素鋼板における珪素の濃度は、0.8〜2.0重量%を用いる回転電機と、4.5〜6.5重量%を用いる回転電機とを、その回転電機の種類によって、使い分けることができる。
なお、珪素の含有量を下げることによって、珪素鋼板の磁束密度は向上する。本実施形態の場合は、1.8〜2.2Tとすることができる。
珪素の含有量が少ない場合、圧延加工性が向上し、板厚を薄くすることができ、板厚を薄くすることにより、鉄損も減少する。一方、珪素の含有量が多い場合、圧延加工性の低下は珪素を圧延加工の後に含有させる等の工夫を施すことにより解決され、鉄損も減少する。
また、珪素鋼板に含有される珪素の分布は、珪素鋼板の厚み方向に対して、ほぼ均一に分散させてもよく、また、珪素の濃度を部分的に高くするように、珪素鋼板の厚み方向に対して、内部の濃度より表面部の濃度を高くすることも可能である。
さらには、コアは、積層された鋼板と鋼板との間に、厚さが0.01〜0.2μmである絶縁被膜を有し、その絶縁被膜の厚さも、0.1〜0.2μm、好ましくは0.12〜0.18μmである回転電機と、0.01〜0.05μm、好ましくは0.02〜0.04μmである回転電機とを、その回転電機の種類によって、使い分けることができる。
なお、絶縁被膜の厚さが、0.1〜0.2μmである場合には、その絶縁被膜は、有機や無機の膜を用いることが好ましい。絶縁被膜の材料としては、有機材料,無機材料、これら材料が混合されたハイブリット材料を用いることができる。
また、絶縁被膜の厚さが、0.01〜0.05μmである場合には、その絶縁被膜は、酸化被膜であることが好ましい。特に、鉄系の酸化被膜が好ましい。
つまり、珪素鋼板の板厚を薄肉化することによって、絶縁被膜の厚さも薄くすることができるようになる。
従来の電磁鋼板の絶縁皮膜は、打ち抜き加工後でも絶縁性が維持できると同時に、打ち抜き加工性そのものを向上させるために潤滑性,鋼板の密着性,打ち抜き加工後の焼鈍における耐熱性,積層された電磁鋼鈑を溶接してコアを形成する際の溶接性等、絶縁性以外の特性も加味して、絶縁皮膜の厚みや成分が調整され、0.3μm程度の厚さが必要となっていた。
しかしながら、本実施形態で説明する薄肉化した珪素鋼板では、絶縁皮膜の厚さを薄くする必要があることがわかった。
従来と同様な厚さの絶縁被膜を用いた場合、珪素鋼板が薄肉化したため、相対的に、絶縁皮膜の体積率が珪素鋼板の体積率に対して増加し、磁束密度が低下する恐れがあるからである。
このように、本実施形態で説明する薄肉化した珪素鋼板では、絶縁皮膜の厚さを薄くすることができる。
一般的に、電磁鋼板を薄くする場合、絶縁被膜は厚くする必要がある。しかしながら、本実施形態では、こうした考え方とは異なり、電磁鋼板を薄くしても絶縁被膜を厚くする必要がなく、むしろ電磁鋼板と共に薄くすることが可能となる。したがって、積層コア密度も向上することになる。
また、ここで説明する回転電機は、ステータコイルに交流電流が流れることによって、回転トルクが発生し回転する、いわゆる回転電動機として機能する。
ここで、回転電動機としては、ステータコイルに3相交流電流を流すことが好ましい。
なお、回転電動機としては、例えば、自動車のパワーステアリング用のモータ,ハイブリッド電気自動車に使用される車両走行用のモータ,電車の走行用モータや、エレベータなどの駆動用モータがある。
また、ここで説明する回転電機は、ロータが外部からの回転トルクにより回転することによって、ステータコイルに交流電力が誘起され、ステータコイルから交流電流が出力される、いわゆる発電機として機能する。
ここで、発電機としては、ステータコイルに3相交流電力が誘起され、ステータコイルから3相交流電流が出力されることが好ましい。
ここで説明する回転電機は、ステータコア及びロータコアの直径が5〜300mm(但し、ステータコアの直径>ロータコアの直径)であり、最大出力が200KW以下である、いわゆる中小型回転電機に好ましく適用できる。こうした回転電機には、定速で使用するものや、可変速で使用するものがある。
なお、一つの回転電機を用いて、回転電動機と発電機との両方の機能を持たせて使用することも可能であり、こうした場合には、最大出力は、発電機として用いた場合より回転電動機として用いた場合のほうが大きく、それぞれ回転電動機が50〜200KW、発電機が25〜100KWであることが好ましい。
また、この形態で説明する回転電機は、その最高回転速度の運転域が4000〜100000回/分(rpm)の範囲にある回転電機に適用されることが好ましい。
そして、珪素鋼板における珪素の分散状態と、ロータの使用条件とを勘案して、回転電機を検討する必要があり、最高回転速度の運転域が4000〜6000rpmにあり、珪素鋼板からなる鋼板に含有される珪素が鋼板の厚み方向に分散されている場合と、最高速回速度の運転域が10000〜100000rpmであり、珪素鋼板からなる鋼板に含有される珪素の濃度が、内部より表面部が高い場合とを、用途に応じて使い分けることができる。
回転速度と鉄損との関係には、回転速度が上昇すれば上昇するほど、磁束の交番周波数が高くなるため鉄損が増加する関係がある。回転速度が速い回転電機は回転速度が遅い回転電機より、鉄損が増加する傾向にある。この点を考慮して、珪素鋼板における珪素の含有量を検討する必要がある。
なお、珪素鋼板に含有される珪素は、溶解法により、電磁鋼板に均一的に添加してもよく、表面改質またはイオン注入,CVD(ケミカルベーパデポジット)などの方法により、電磁鋼板に局部的、特に表面部に添加してもよい。
また、本実施形態で説明する電磁鋼板は、ティースとスロットとを有するステータコア、磁石挿入孔を有するロータコアを形成するに使用されることを前提とし、厚さが0.08〜0.30mmであり、ティースとスロットとが、磁石挿入孔とロータコアの外周とがそれぞれエッチング加工により形成されることが可能なものである。
幅が50〜200cmである電磁鋼板におけるエッチング加工は、鋼板にレジストを塗布し、ステータコアではティースの形状およびスロットの形状を露光して現像し、ロータコアでは磁石挿入孔の形状とロータコアの外周の形状を露光して現像し、この形状に基づきレジストを除去し、エッチング液により加工し、エッチング液による加工後、残ったレジストを除去することで行われる。
中小型回転電機は、インバータの使用,希土類磁石の適用,最適設計等が進み,高効率化・高性能化が進んだが、更なる高効率化・高性能化には、新たな材料技術が必要とされ、コアの材料である電磁鋼板についても、珪素鋼板に代表されるような磁束密度が高く、鉄損の低い材料の開発が進められている。
また、低鉄損化に有利とされる珪素鋼板の薄肉化については、珪素鋼板の圧延加工性の悪さや、コアを打ち抜く際のプロセスである打ち抜き加工性の悪さから、工業規模で大幅なコスト増を伴わずに実現することは不可能とされてきた。このように、高効率・高性能の中小型回転電機に使用する電磁鋼板として珪素鋼板を使用した場合、板厚0.50mmと0.35mmとが中心であり、永らく薄肉化の進展がなかった。
しかしながら、本実施形態では、打ち抜き加工を使用せず、エッチング加工を使用することにより、工業規模で大幅なコスト増を伴わずに、コアに用いる珪素鋼板の薄肉化を可能とし、低鉄損化を実現した。
本実施形態では、コアの低鉄損化を実現するために、鉄損の小さい珪素鋼板を使用すると共に圧延加工をも考慮した珪素含有量の調整,珪素鋼板の圧延加工をも考慮した板厚の薄肉化,コアの形状に形成するエッチング加工の適用,積層されたコアを構成する一枚一枚の珪素鋼板の低鉄損化,珪素鋼板と珪素鋼板との間に形成される絶縁皮膜を考慮したコアとしての低鉄損化を考慮する。
金型を用いた打ち抜き加工法である打ち抜き加工では、切断部近傍に加工硬化層や、バリやダレ(以下「バリ等」と呼称する)と称される塑性変形層が形成され、残留歪や残留応力が発生する。打ち抜き加工時に発生する残留応力は、分子磁石の配列の規則性を破壊し、すなわち磁区を破壊し、鉄損を著しく増大させ、残留応力を除去するための焼鈍工程が必要となる。焼鈍工程は、コアの製造コストの更なる増加をもたらすことになる。
本実施形態では、こうした打ち抜き加工を施さずにコアを形成するため、塑性変形層が形成されることもほとんどなく、残留歪や残留応力が発生することもない。従って、結晶粒子の配列状態を乱すこともほとんど無く、分子磁石の配列、すなわち磁区の配列の損傷を防止でき、磁気特性であるヒステリシス特性の劣化を防止できる。
また、ステータコア及びロータコアは、加工された珪素鋼板を積層して形成される。この珪素鋼板の残留歪や残留応力の発生を抑制することによって、ステータコア及びロータコアとしての磁気特性をさらに向上させることができる。
したがって、本実施形態に係る回転電機は、低鉄損化,高出力化,小型軽量化を実現することができる。また、この回転電機に使用する電磁鋼板は、エッジ部分にバリ等がほとんどない良好なものである。
バリ等は、塑性変形層の一つで、切断部に沿って、鋼板の平面方向から空間方向に鋭利に突出するため、電磁鋼板の表面に形成される絶縁皮膜を破り、積層される鋼板の間の絶縁を破壊する場合がある。
また、こうした鋼板を積層する場合には、バリ等によって、積層される鋼板の間に不要な空隙が作られるため、積層コア密度の増加が阻害され、その結果、磁束密度が低下する。磁束密度の低下は、回転電機の小型軽量化を阻害する。
電磁鋼鈑を積層後、ステータコア及びロータコアを板厚方向に圧縮することで、バリ等を潰し、積層コア密度を向上させる方法が採られる場合もあるが、この場合、加圧圧縮によって残留応力が増加し、鉄損が増加する。さらに、バリ等による絶縁破壊の問題も残る。
本実施形態で説明するステータコア及びロータコアは、バリ等がほとんど発生しないため、加圧圧縮することもなく、積層コア密度を向上させることができ、また、絶縁破壊を起こすこともない。したがって、鉄損も低減することができる。
ステータコア,ロータコアに用いる電磁鋼板としての珪素鋼板において、珪素の含有量として6.5重量%が、理論上、最も鉄損が低い。しかしながら、珪素の含有量が増えると圧延加工性や打ち抜き加工性が著しく悪くなる。このため、多少鉄損が高いものであっても、圧延加工性や打ち抜き加工性を考慮して、珪素鋼板における珪素の含有量として約3.0重量%が主流である。
本実施形態で説明する珪素鋼板は、板厚を0.3mm以下と薄肉化することができるため、珪素の含有量を2.0重量%以下としても、鉄損が低いものである。
従来、板厚0.3mm以下の薄肉化した珪素鋼板の製造には、圧延,焼鈍等の特別の工程が必要であったが、本実施形態で説明する珪素鋼板は、こうした特別の工程を必要としないため、薄肉化した珪素鋼板の製造コストも低減可能である。なお、ステータコア及びロータコアの製造に関しては、打ち抜き加工を必要としないため、更なる製造コストの低減が可能である。
なお、ステータコア及びロータコアの主力材料である珪素鋼板とは別に、極薄電磁材料として特殊な用途で限定的に使用される極めて高価なアモルファス材料が知られているが、アモルファス材料は、溶融金属を急速に凝固させ箔体として製造される特殊なプロセスを有するため、0.05mm厚程度またはこれ以下の超薄肉で300mm幅程度の極少量の製造は可能であるが、これ以上の板厚や板幅の材料の製造は工業規模では不可能とされている。
このようにアモルファス材料は、硬く脆い材質で薄すぎるため、打ち抜き加工ができず、化学成分の制限から磁束密度が低いなどの理由のためステータコア及びロータコアの材料としては主力となり得ない。
本実施形態で説明する電磁鋼鈑は、このようなアモルファス材料とは異なり、結晶粒子を有するものである。
また、本実施形態における電磁鋼板は、低鉄損化に有利な薄肉化,歪の低減,高出力化,小型軽量化に有利な寸法精度の向上と、高磁束密度化に有利なコア積層密度の向上と、を同時に実現させるものでもある。
つまり、本実施形態によれば、低鉄損失と共に、高出力化,小型軽量化を実現できるステータコア及びロータコアを、提供することができる。
次に、図5を用いて、電磁鋼板の板厚と鉄損との関係について説明する。
図5に示すように、板厚と鉄損との間には、板厚が厚くなれば厚くなるほど、鉄損が高くなるという関係があることがわかる。
このうち一般的に用いられる珪素鋼板の板厚は、圧延加工や打ち抜き加工性を考慮して、0.50mmと0.35mmとの2種類である。
ステータコア、ロータコアの製造に広く用いられるこの2種類の板厚の珪素鋼板では、鉄損を低減するため、圧延と焼鈍とを施す必要がある。また、更なる薄肉化を実現するためには、対象となるステータコア及びロータコアの形状や大きさで繰り返す回数は異なるが、こうした圧延と焼鈍とを繰り返す必要がある。このように、一般的に用いられる珪素鋼板では、薄肉化を実現するために、圧延,焼鈍等の特別の工程を追加して製造する必要があり、製造コストが高くなる。
本実施形態で説明するステータコア及びロータコアは、製造コストも低減でき、ステータコア及びロータコアの加工上の問題も解決することができるため、工業規模での大量生産が可能となる。
本実施形態では、0.08〜0.30mmの板厚の珪素鋼板を使用するものである。なお、好ましくは、0.1〜0.2mmの板厚の珪素鋼板を使用し、エッチング加工を用いてステータコア、ロータコアの形状を作製する。
図5は、参考のためアモルファス材料の板厚の領域も示している。アモルファス材料は、溶融金属を急速に凝固させ箔体として製造される特殊なプロセスを有するため、0.05mm厚程度またはそれ以下の超薄肉の製造に適し、これ以上の板厚は急速な冷却が困難となるため、製造が難しい。また、板幅も300mm幅程度の狭いものしか製造ができず、特殊な製造プロセスと相まって製造コストが著しく高くなる。
また、磁気特性については、鉄損は低いが、磁束密度が低いという欠点がある。これは急冷に凝固させるため化学成分に制限があるためである。
本実施形態では、このようなアモルファス材料を使用することなく、結晶粒子を有する珪素鋼板を使用する。
次に、珪素鋼板の代表的な製造プロセスを示す。
電磁鋼板に成り得る材料を製鋼する。例えば、Cが0.005重量%、Mnが0.2重量%、Pが0.02重量%、Sが0.02重量%、Crが0.03重量%、Alが0.03重量%、Siが2.0重量%、Cuが0.01重量%を含有し、残部がFeと若干の不純物とからなる組成を有する鋼板材料を用いる。
こうした鋼板材料を、連続鋳造,熱間圧延,連続焼鈍,酸洗,冷間圧延,連続焼鈍を施すことにより、板幅50〜200cm、ここでは特に板幅50cm,板厚0.2mmの珪素鋼板を製造する。
また、作製された珪素鋼板の表面に、鉄損を低減するため、さらに、4.5〜6.5重量%の珪素を形成してもよい。
この後、厚さ0.1μmの有機樹脂の絶縁被膜コーティグを施し、珪素鋼板を製造する。
場合によっては、特別な絶縁被膜コーティグの工程を用いずに、厚さ0.01〜0.05μmの酸化被膜を作製してもよい。
なお、ここで説明した絶縁被膜コーティグの工程は、ステータコア、ロータコアを製造する際、エッチング加工の工程の後に施されることが好ましい。
なお、珪素鋼板は、平板又はコイル状,ロール状に形成される。
次に、ステータコア、ロータコアの代表的な製造プロセスを示す。
製造された珪素鋼板に前処理を施し、レジストを塗布する。このレジストに対して、マスクを用いて、ステータコアではティースの形状およびスロットの形状を露光し、ロータコアでは磁石挿入孔の形状およびロータコアの外周形状を露光し、それぞれ現像する。この形状に基づきレジストを除去する。さらに、エッチング液により加工する。エッチング液による加工後、残ったレジストを除去し、所望のティースの形状およびスロットの形状を有する珪素鋼板、所望の磁石挿入孔の形状およびロータコアの外周形状を有する珪素鋼板を製造する。こうした製造には、例えばフォトエッチング加工が有効であり、金属マスクを用いた微細孔を精密に加工する方法を使用することも有効である。
ステータコアは、製造された所望のティースの形状およびスロットの形状を有し、ステータコアの形状を有する珪素鋼板を複数枚積層し、溶接等を用いて積層された珪素鋼板を固定することにより製造する。なお、溶接に際しては、ファイバーレーザー等の入熱の少ない溶接を施すことが好ましい。
ロータコアは、製造された所望の磁石挿入孔の形状およびロータコアの外周形状を有し、ロータコアの形状を有する珪素鋼板を複数枚積層して加締めた後、軸方向両端から当板により挟み込んでボルトなどにより固定して押さえることにより製造する。この後、ロータコアはロータシャフトの外周面上に嵌合される。
なお、平板又はコイル状,ロール状に形成される珪素鋼板から、ロータコアおよびステータコアを同時に採取することもでき、複数の形状のステータコア及びロータコアを同時に採取することも可能である。
エッチング加工を用いて、ティースの形状およびスロットの形状、磁石挿入孔の形状およびロータコアの外周形状を製造することによって、極めて高い加工精度、例えば、誤差として±10μm以下、好ましくは±5μm以下で、所望の形状のティースおよびスロット、磁石挿入孔の形状およびロータコアの外周形状を製造することが可能である。
また、真円度で誤差を表現すると、30μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、真円度とは、円形部分の幾何学的円からの狂いの大きさをいい、円形部分を二つの同心の幾何学的円で挟んだときの両円の間の領域が最小となる場合の半径の差をいう。
また、ティースとスロットとを有するステータコアの形状と、磁石挿入孔を有するロータコアの形状とを、同時にエッチング加工によって形成することも可能である。この場合、エッチング加工の加工精度が高いため、これらのギャップを0.1〜0.5mmとすることができる。
また、エッチング加工を用いることにより、ロータコアの磁石挿入孔の形状を複雑な形状とすることも可能である。
図6は、珪素鋼板における珪素含有量と鉄損との関係を示している。
図6に示すように、珪素含有量が6.5重量%の珪素鋼板が最も鉄損が少ない。しかしながら、6.5重量%と多量の珪素が、珪素鋼板に含有されている場合、圧延加工が難しく、所望の厚さの珪素鋼板の製造が困難になる。実線Zで示す圧延加工性は、電磁鋼鈑に含有される珪素が多くなれば多くなるほど、悪化するという傾向にあるためである。こうした背景から、鉄損と圧延加工性とのバランスを考慮して、3.0重量%の珪素が含有されている珪素
鋼板が用いられている。
つまり、本実施形態では、珪素鋼板の板厚を薄肉化することにより、珪素鋼板の鉄損を低減し、珪素鋼板における珪素の含有量の鉄損に対する影響度を小さくする。
したがって、本実施形態で説明する珪素鋼板は、圧延加工性が良好になると共に、板厚を薄肉化することにより、鉄損に影響度の大きい珪素鋼板における珪素の含有量の自由度が大きくなる。こうしたことから、珪素鋼板における珪素の含有量を、0.5〜7.0重量%の範囲とすることが可能であり、0.8〜2.0重量%と4.5〜6.5重量%との極端に異なる含有量を用いることもでき、コアの仕様または回転電機の用途によって、使い分けすることができるようになる。
次に、図7を用いて、本実施形態によるエッチング加工による代表的な加工断面形状について説明する。図7(A)において、符号Tは板厚を示し、X1は垂直方向を示し、X2は平面方向を示し、Y1は加工断面を示している。
珪素鋼板をエッチング加工することにより、酸液で溶解された加工断面Y1の近傍には、図7(A)に示すようにバリ等の塑性変形層は存在しない。加工断面を珪素鋼板の平面方向X2に対して、ほぼ垂直に形成することができる。
また、先端的なフォトエッチング加工では、図7(B)〜(D)に示すように溶解部の形状の制御も可能である。つまり、所定のテーパーを形成することもでき、板厚方向に対して垂直方向に凹凸を形成することも可能である。
このように、エッチング加工された珪素鋼板は、その加工による残留応力がほぼ0であり、塑性変形層は、ほとんど存在せず、珪素鋼板の板厚方向に対する塑性変形量はほぼ0である。また、エッチング加工による加工断面近傍の塑性変形量もほぼ0である。
さらに、加工断面において、珪素鋼板の加工断面の形状を制御することができ、加工による残留応力がほぼ0であり、加工断面近傍の塑性変形量もほぼ0である切断断面形状を形成することができる。
また、こうしたエッチング加工を用いることによって、珪素鋼板の微細な結晶組織,機械的特性,表面部を最適化した状態でステータコア及びロータコアに適用することもできる。珪素鋼板の結晶組織の異方性や、これに基づく磁気特性の異方性を勘案して、ステータコア及びロータコアの磁気特性の最適化を実現することもできる。
次に、図8を用いて、従来の打ち抜き加工による代表的な加工断面形状について説明する。
珪素鋼板を打ち抜き加工することにより、塑性加工時のせん断応力によって、加工断面近傍は著しく変形し、10〜100μm程度のバリY5,ダレY2,つぶれY6が形成される。なお、符号Y3は剪断破面を示し、Y4は延性破面を示し、Tは板厚を示している。
また、珪素鋼板の平面方向の寸法精度についても、打ち抜き加工では金型の寸法精度で制限され、通常は珪素鋼板の板厚に対して5%前後の空隙でせん断されるため、珪素鋼板の平面方向の寸法精度は低下する。さらに、量産時には金型の損耗で経時的に精度が低下する等の問題もある。また、薄肉化された珪素鋼板ほど打ち抜き加工が困難となる。
エッチング加工を適用する本実施形態では、こうした加工精度の問題も解決され、経時的な精度の低下も解消される。
電磁鋼板を積層する場合、圧延方向に対して電磁鋼板が平均化されることが、回転電機の特性を向上させる上で必要である。例えば、圧延方向に対して、所定量,マーク又は基準孔の位置を変え、電磁鋼板を積層する際に、マーク又は基準孔の位置を揃えることで、回転電機としての磁気特性の向上を図ることが可能となる。
また、ロータコアに用いる電磁鋼板として厚板を打ち抜き加工を用いた場合、ブリッジ部(図3のブリッジ部132X1)や磁極片部(図3の磁極片部132X1)の最小幅が大きくなりすぎる。打ち抜き加工の場合、ブリッジ部の最小幅は、板厚tの0.7倍必要である。したがって、例えば板厚tが0.50mmや0.35mmで0.35mm以上のものの用いると、ブリッジ部の最小幅は、0.245mm以上必要となる。磁極片部の最小幅は、ブリッジ部の最小幅と同等以上である。
このように、ブリッジ部や磁極片部の最小幅が大きくなると、ロータコアに内蔵された永久磁石の表面から磁極片132x1−ブリッジ132x3―補助磁極132x2を介して回転子内に戻る時速が増加し、固定子まで到達してトルク発生に寄与する永久磁石の磁束が減少してトルクのダウン等の欠点を生じる。これを抑制するためには、必要以上には、永久磁石の磁石量を増加させる必要がある。
また、ブリッジ部や磁極片部の厚さが厚くなると、空隙磁束密度が乱れ、トルクリプルが増加する。
さらに、ブリッジ部や磁極片部の厚さが厚くなると、固定子の電流によって磁極片132x1−ブリッジ132x3―補助磁極132x2を流れる磁束が増加し、トルク利プル、鉄損が増加する。
これらの影響により、回転電機の特性が劣化する。
特に前述のEPSモータの場合にはこれは致命的な欠点になることがある。
また、プレス型で打ち抜き加工を行いロータコアを作成すると、打ち抜き時に、磁性鋼板に応力がかかる。この応力によって、打ち抜き後の磁性鋼板は、磁気特性が劣化し、また、鉄損がさらに増加する。また、この応力によって、打ち抜き後の磁性鋼板は、機械特性が劣化して強度不足となり、さらに、厚さを厚くする必要がある。
このような厚板の打ち抜き加工の問題に対して、本実施形態では、精度のよいエッチング加工を行い、そのときの磁性鋼板の厚さは0.05〜0.3mmと薄い板を用いる。したがって、磁石外周部のブリッジ部や磁極片部の厚さを適正にすることができる。例えば、従来のブリッジ部の厚さの最低が、0.245mmとすると、本実施形態では、その半分の0.12mmでも、強度の劣化が無いので同じ強度で永久磁石を保持できる。その結果、漏洩磁束を防ぎ、磁束磁石量の増加を防ぐことができ、また、空隙磁束密度の乱れによるトルクリプルの増加を防ぐことができ、また、鉄損の増加を防ぐことができる。その結果、本実施形態では、回転電機の特性を向上することができる。
また、磁性鋼板をエッチングで加工し、それを積層してロータコアを制作することで、磁気特性の劣化がなく、また、高効率化、小型化、低トルク脈動化が可能となる。
なお、以上はエッチング加工による製作をロータコアに適用した例を示したが、図1―図2に示した実施例の分割コアのステータコアに適用した場合にも、第1に薄板電磁鋼板による効果と第2にエッチング加工による効果によって鉄損を低減することができる。また、エッチングによる精度の向上は、コアバック112Bの外周部の凹部112BO2やティース一体型分割型バックコア112の周方向に隣り合う部分に設けられた凹部と嵌合形状の凸部との制作精度を向上させることができる。
前記分割コア方式においてはこれによって、モータの全体的なトルク向上と、トルク脈動低減に大きく寄与する。内径精度向上のためのステータコア切削などを不要とすることも可能である。
本実施形態のEPSモータ100は、車載のバッテリー(例えば出力電圧12V)を電源とするモータである。EPSモータ100の取り付け位置は、ステアリングの近傍やステアリングの回転力を車輪に伝達するラック&ピニオンギアのラックの近傍に配置される。従って、取り付け位置の制限から小型化する必要がある。その一方では、ステアリングをパワーアシストするために大トルク(例えば、4.5Nm)を必要とする。
必要とされるトルクをAC100Vを電源とするACサーボモータで出力しようとすると、モータ電流は5A程度でよい。しかし、本実施形態のようにDC14VをDC/AC変換した14Vの交流で駆動する場合、同じ程度の体積で、同じ程度のトルクを出力するためには、モータ電流を70A〜100Aとする必要がある。このような大電流を流すため、ステータコイル114の直径は1.6φと大径とする必要がある。このとき、ステータコイル114の巻回数は、14ターン(T)としている。ステータコイル114の巻回数は、ステータコイル114の線径にもよるが、例えば、9〜21Tである。ステータコイル114の直径は1.8φとしたとき、ターン数は9Tとなる。ここで、1.8φのコイルに対して、1.6φのコイルを巻回した方が占積率を、例えば、75%まで向上することができる。占積率を大きくできるため、導体の電流密度を相対的に小さくできる。その結果、銅損を低減でき、モータの温度上昇を抑え、さらに、回転数−トルク特性を向上できる。なお、最近の車両では、42Vのバッテリーを搭載する電動車両などがあるが、この場合、モータ電流を小さくすることができるため、ステータコイル114の巻回数は20〜30Tとなる。
隣接するティースにおいて、ティースの先端(ロータ130と面する側)の拡大部の間隔は、1mmとしている。このように、ティースの間隔を狭くすることにより、コギングトルクを低減することができる。しかも、モータに振動が加えられたとしても、間隔W1よりもステータコイル114の線形が太いため、ティースの間から、ロータ側にステータコイル114が抜け落ちることを防止できる。隣接するティースの間隔W1は、例えば、ステータコイル114の線径以下の0.5mm〜1.5mmが好適である。このように、本実施形態では、隣接するティースの間隔W1を、ステータコイル114の線径以下としている。
次に、図9を用いて、本実施形態の電動パワーステアリング用モータにおけるステータコイルの結線関係について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態の回転電機におけるステータコイルの結線図である。
図9において、コイルU1+は、図2に示したステータコイル112T(U1+)を示している。コイルU1−,U2+,U2−,V1+,V1−,V2+,V2−,W1+,W1−,W2+,W2−も、それぞれ、図2に示したステータコイル112T(U1−),…,112T(W2−)を示している。
本実施形態のステータコイルは、U相,V相,W相を、デルタ(Δ)結線としている。また、各相は、それぞれ並列回路を構成している。すなわち、U相について見ると、コイルU1+とコイルU1−の直列回路に対して、コイルU2+とコイルU2−の直列回路を並列接続している。ここで、コイルU1+とコイルU1−とは、前述したように、1本の線を連続的に巻回してコイルを構成している。また、V相,W相についても、同様である。
結線方法は、スター結線でも可能であるが、デルタ結線とすることにより、スター結線に比べて端子電圧を低くすることができる。例えば、U相の直並列回路の両端電圧をEとするとき、端子電圧はEであるが、スター結線では、√3Eとなる。端子電圧を低くできるため、コイルのターン数を大きくでき、線径の細い線を使用できる。また、並列回路とすることにより、4コイルが直列の場合に比べて、各コイルに流す電流を小さくできる点からも、線径の細い線を使用することができるので、占積率を高くすることができ、また、曲げやすく、製作性も良好となる。
次に、図10を用いて、ステータ110の他の構成例について説明する。図10は、図1のA−A矢視図である。なお、図2と同一符号は、同一部分を示している。
図2に示したステータ110においては、12個のT字形状のティース一体型分割バックコア112(U1+),112(U1−),112(U2+),112(U2−),112(V1+),112(V1−),112(V2+),112(V2−),112(W1+),112(W1−),112(W2+),112(W2−)から構成されている。それに対して、本例では、ステータコア112は、円環状のバックコア112Bと、このバックコア112Bとは分離して構成された複数のティース112Tとか構成されている。複数のティース112Tは、それぞれ、バックコア112Bに機械的に固定される。なお、ロータ130の構成は、図2と同様である。
ティース112Tは、それぞれ独立した12個のティース112T(U1+),112T(U1−),112T(U2+),112T(U2−),112T(V1+),112T(V1−),112T(V2+),112T(V2−),112T(W1+),112T(W1−),112T(W2+),112T(W2−)から構成されている。それぞれのティース112T(U1+),…,112T(W2−)には、ステータコイル114(U1+),114(U1−),114(U2+),114(U2−),114(V1+),114(V1−),114(V2+),114(V2−),114(W1+),114(W1−),114(W2+),114(W2−)が集中巻で巻回されている。
ここで、ステータコイル114(U1+)と、ステータコイル114(U1−)とは、コイルを流れる電流の向きが逆方向となるように巻回されている。ステータコイル114(U2+)と、ステータコイル114(U2−)とも、コイルを流れる電流の向きが逆方向となるように巻回されている。また、ステータコイル114(U1+)と、ステータコイル114(U2+)とは、コイルを流れる電流の向きが同一方向となるように巻回されている。ステータコイル114(U1−)と、ステータコイル114(U2−)とも、コイルを流れる電流の向きが同一方向となるように巻回されている。ステータコイル114(V1+),114(V1−),114(V2+),114(V2−)の電流の流れ方向の関係、及びステータコイル114(W1+),114(W1−),114(W2+),114(W2−)の電流の流れ方向の関係も、U相の場合と同様である。
12個のティース112T及びステータコイル114は、同様に製作されるため、ここでは、ティース112T(U1+)及びステータコイル114(U1+)を例にして、その組立工程について説明する。ステータコイル114(U1+)は、ティース112T(U1+)に巻回した形状となるように、予め成形されている成形コイルである。この成形コイルとなっているステータコイル114(U1+)は、ボビン112BOとともに、成形されている。ボビン112BOと成形されたステータコイル114(U1+)の一体物を、ティース112T(U1+)の後端側からはめ込む。ティース112T(U1+)の先端部,すなわち、ロータ130と面する側は円周方向に拡大しているため、ボビン112BOとステータコイル114(U1+)は、この拡大部においてストッパとなり、係止される。ティース112T(U1+)の後端側には、バックコア112Bの内周側に形成された凹部112BKとハメアイ形状の凸部112TTが形成されている。成形されたステータコイル114(U1+)が巻回されたティース112T(U1+)の凸部112TTを、バックコア112Bの凹部112BKに圧入して、ティース112T(U1+)がバックコア112Bに固定される。他のティース112T(U1−),…,112T(W2−)に対して、ステータコイル114(U1−),…,114(W2−)を取り付ける工程及び、ティース112T(U1−),…,112T(W2−)をバックコア112Bに固定する工程も同様である。
バックコア112Bに、ステータコイル114が装着された12個のティース112Tを固定し、バックコア112Bの外周側の複数箇所をフレーム150の内周側に圧入した状態で、ステータコア112とステータコイル114とを熱硬化性樹脂MRにより一体モールド成形し、ステータSubAssyを構成する。尚、本実施形態では、ステータコア112にステータコイル114を組み込んだものをフレーム150に圧入した状態で、ステータコア112とステータコイル114とを一体モールドする場合について説明したが、ステータコア112にステータコイル114を組み込んだ状態で、ステータコア112とステータコイル114とを一体モールドし、その後、ステータコア112をフレーム150に圧入してもよい。
モールド材によるモールド成形にあたっては、ステータコア112と、ステータコア112の軸方向端部から軸方向に突出するステータコイル114のコイルエンド部を、図示省略した治具とフレーム150によって囲むように、図示省略した治具を、ステータコア112とステータコア112とフレーム150からなる構造体に対して取り付け、図示省略した治具とフレーム150によって囲まれている中に流体状のモールド材を注入し、コイルエンド部,ステータコア112の隙間,ステータコイル114の隙間,ステータコア112とステータコイル114との間の隙間及びステータコア112とフレーム150との間の隙間にモールド材を充填し、モールド材を固化させ、モールド材が固化したら、図示省略した治具を取り外す。
モールド成形したステータSubAssyの内周面,すなわちティース112T(U1−),…,112T(W2−)の先端部であって、ロータ130と径方向に対向する面側には切削加工が施されている。これにより、ステータ110とロータ130とのギャップのバラツキを低減して、ステータ110の内径真円度をさらに向上させている。また、モールド成形により一体化することにより、モールドしない場合に比べて、ステータコイル114に通電することにより発生する熱の放熱性をよくすることができる。また、モールド成形することにより、ステータコイルやティースの振動を防止することもできる。
例えば、ロータ130のロータコアの外周と、ステータ110のティースの内周の間のギャップを、3mm(3000μm)としたとき、バックコア112Bの製作誤差,ティース112Tの製作誤差や、バックコア112Bとティース112Tと圧入組み立てた時の組み付け誤差等により、内径真円度は、±30μm程度生じる。この真円度は、ギャップの1%(=30μm/3000μm)に相当するため、この内径真円度によってコギングトルクが発生する。しかし、モールド成形した後、内径を切削加工することにより、内径真円度に基づくコギングトルクを低減することができる。コギングトルクを低減することにより、ステアリングの操舵感を向上することができる。
フレーム150の内側には凸部150Tが形成されている。バックコア112Bの外周には、凸部150Tと対応するように凹部112BO2が形成されている。その詳細については、図2(B)に示すとおりである。凸部150Tと凹部112BO2は、相互に異なる曲率を有して係合しあう係合部IPを構成しており、軸方向に連続して形成されかつ周方向に間隔をあけて8個設けられている。係合部は圧入部を兼ねている。すなわちフレーム150にステータコア112を固定する場合、係合部の凸部150Tの突端面と凹部112BO2の底面とが圧接するように、フレーム150の凸部150Tにバックコア112Bの凹部112BO2を圧入する。このように、本実施形態は、部分圧入によってフレーム150にステータコア112を固定している。この圧入によって、フレーム150とステータコア112との間には微細な空隙が形成される。本実施形態では、ステータコア112とステータコイル114とをモールド材MRによってモールドする際、フレーム150とステータコア112との間に形成された空隙にモールド材RMを同時に充填している。また、係合部は、フレーム150に対してステータコア112が周方向に回転することを防止するための回り止め部を兼ねている。
このように、本実施形態では、フレーム150にステータコア112を部分的に圧入しているので、フレーム150とステータコア112との間のすべりを大きくしかつ剛性を小さくできる。これにより、本実施形態では、フレーム150とステータコア112との間における騒音の減衰効果を向上させることができる。また、本実施形態では、フレーム150とステータコア112との間の空隙にモールド材を充填しているので、騒音の減衰効果をさらに向上させることができる。
なお、凸部150Tと凹部112BO2とを非接触として、両者を回り止めとしてのみ用い、この凸部150Tと凹部112BO2の部分以外のフレーム150の内周面に対してバックコア112Bの外周面を圧入するように構成してもよい。
また、ステータコイル114(U1+),114(U1−)と、114(U2+),114(U2−)とは、ステータ110の中心に対して、対称位置に配置されている。すなわち、ステータコイル114(U1+)と114(U1−)は隣接して配置され、また、ステータコイル114(U2+)と114(U2−)も隣接して配置されている。さらに、ステータコイル114(U1+),114(U1−)と、ステータコイル114(U2+),114(U2−)とは、ステータ110の中心に対して、線対称に配置されている。すなわち、シャフト138の中心を通る破線C−Cに対して、ステータコイル114(U1+)と、ステータコイル114(U2+)とが線対称に配置され、また、ステータコイル114(U1−)と、114(U2−)とが線対称に配置されている。
ステータコイル114(V1+),114(V1−)と、114(V2+),114(V2−)も同様に線対称に配置され、ステータコイル114(W1+),114(W1−)と、114(W2+),114(W2−)とも線対称に配置されている。
また、同相の隣接するステータコイル114は1本の線で連続して巻回されている。すなわちステータコイル114(U1+)と114(U1−)とは、1本の線を連続して巻回し、2つの巻回コイルを構成し、それぞれ、ティースに挿入して、ティースに巻回した構成となっている。ステータコイル114(U2+)と114(U2−)も、1本の線で連続して巻回されている。ステータコイル114(V1+)と114(V1−),ステータコイル114(V2+)と114(V2−),ステータコイル114(W1+)と114(W1−),ステータコイル114(W2+)と114(W2−)も、それぞれ、1本の線で連続して巻回されている。
以上の構成において、特にロータコアはエッチング加工で制作され、前述の特徴をすべて有するものである。
次に、図11を用いて、本実施形態の回転電機を用いた電動パワーステアリングのシステム構成について説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態の回転電機を用いた電動パワーステアリングの構成を示すシステム構成図である。
ステアリングSTを回転させると、その回転駆動力は、ロッドROを介して、マニュアルステアリングギアSTGにより減速して、左右のタイロッドTR1,T2に伝達し、左右の車輪WH1,WH2に伝達され、左右の車輪WH1,WH2を舵取りする。
本実施形態によるEPSモータ100は、マニュアルステアリングギアSTGの近傍に取り付けられており、ギアGEを介して、その駆動力をマニュアルステアリングギアSTGに伝達する。ロッドROには、トルクセンサTSが取り付けられており、ステアリングSTに与えられた回転駆動力(トルク)を検出する。制御装置200は、トルクセンサTSの出力に基づいて、EPSモータ100の出力トルクが目標トルクとなるようにモータ100への通電電流を制御する。制御装置200及びEPSモータ100の電源は、バッテリーBAから供給される。
なお、以上の構成は、EPSモータをラック&ピニオンギアの近傍に備えるラック型のパワーステアリングであるが、ステアリングの近傍にEPSモータを備えるコラム型のパワーステアリングに対しても、本実施形態のEPSモータ100は同様に適用できるものである。
次に、図12を用いて、本実施形態の回転電機を制御する制御装置の構成について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態の回転電機を制御する制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
制御装置200は、インバータとして機能するパワーモジュール210と、パワーモジュール210を制御する制御モジュール220とを備えている。バッテリーBAからの直流電圧は、インバータとして機能するパワーモジュール210によって3相交流電圧に変換され、EPSモータ100のステータコイル114に供給される。
制御モジュール220の中のトルク制御221は、トルクセンサTSによって検出されたステアリングSTのトルクTfと、目標トルクTsとからトルクTeを算出し、これにPI制御(P:比例項、I:積分項)等によってトルク指令,即ち、電流指令Isとロータ130の回転角θ1を出力する。
位相シフト回路222は、エンコーダEよりのパルス,即ち、回転子の位置情報θを、トルク制御回路(ASR)221からの回転角θ1の指令に応じて位相シフトして出力する。正弦波・余弦波発生器2223は、ロータ130の永久磁石磁極の位置を検出するレゾルバ156と、位相シフト回路222からの位相シフトされた回転子の位置情報θに基づいて、ステータコイル114の各巻線(ここでは3相)の誘起電圧を位相シフトした正弦波出力を発生する。位相シフト量は、零の場合でもよい。
2相−3相変換回路224は、トルク制御回路(ASR)221からの電流指令Isと正弦波・余弦波発生器223の出力に応じて、各相に電流指令Isa,Isb,Iscを出力する。各相はそれぞれ個別に電流制御系(ACR)225A,225B,225Cを持ち、電流指令Isa,Isb,Iscと電流検出器CTからの電流検出信号Ifa,Ifb,Ifcに応じた信号を、インバータ210に送って各相電流を制御する。この場合、各相合成の電流は、界磁磁束に直角,あるいは位相シフトした位置に常に形成される。
なお、以上の説明は、10極12スロットのEPSモータについて説明したものであるが、次に、図3に左斜め斜線を施した8極9スロットと10極9スロットのEPSモータについて説明する。
6極9スロットのACモータに対して、8極9スロットと10極9スロットのモータは、磁石磁束の利用率が高くできる。すなわち、6極9スロットのACモータにおける磁石磁束の利用率(kw・ks)は、前述したように、「0.83」となる。一方、8極9スロットと10極9スロットのモータでは、巻線係数kwは0.95であり、スキュー係数ksは1.00であるので、磁石磁束の利用率(kw・ks)は、「0.94」となる。したがって、本実施形態の8極9スロットと10極9スロットのモータでは、磁石磁束の利用率(kw・ks)を高くすることができる。
また、コギングトルクの周期は、極数Pとスロット数Sの最小公倍数となるため、6極9スロットのACモータにおけるコギングトルクの周期は、「18」となり、8極9スロットと10極9スロットのモータでは、「72」とできるため、コギングトルクを低減することができる。
さらに、内径真円度の誤差によるコギングトルクも小さくできるものである。すなわち、6極9スロットのACモータにおける内径真円度の誤差によるコギングトルクを、「3.7」とすると、8極9スロットと10極9スロットのモータでは、「1.4」とできるため、内径真円度の誤差によるコギングトルクを低減することができる。さらに、モールド成形したステータSubAssyの内径を切削加工して、内径真円度を向上させる結果、さらに、内径真円度の誤差によるコギングトルクを低減することができる。
なお、8極9スロットと10極9スロットのモータにおいては、図5において説明したような10極12スロットのEPSモータのように、例えば、U相について見ると、コイルU1+とコイルU1−の直列回路に対して、コイルU2+とコイルU2−の直列回路を並列接続する構成はとりえず、コイルU1+,コイルU1−,コイルU2+,コイルU2−を直列接続する必要がある。
本実施形態によれば、高効率化、小型化、低トルク脈動化が可能で、回転電機の特性を向上することができる。
次に、図13を用いて、本発明の第2の実施形態による回転電機の構成について説明する。以下の例では、回転電機の一例として、ハイブリッド自動車用モータについて説明する。本実施形態による回転電機の横断面の構成は、図1に示したものと同様である。
図13は、本発明の第2の実施形態による回転電機の構成を示す断面図である。そして、図13は、図1のA−A断面図である。
本実施形態のモータ100Aは、ステータ110と、ロータ130Aとを備えている。ステータ110の構成は、図2に示したステータ110と同様であり、エッチング加工した薄板の電磁鋼板を積層して形成したものである。ロータ130Aは、ロータコア132Aと、永久磁石であるマグネット134(134A’,134B’,134C’,134D’,134E’,134F’,134G’,134H’,134I’,134J’)と、シャフト138とから構成されている。ここで、ロータコア132Aは、第1の実施形態と同様に、エッチング加工した薄板の電磁鋼板を積層して形成したものである。
ロータコア132Aには、マグネット134を挿入する複数の磁石挿入孔132Hがエッチングにより形成され、それぞれの磁石挿入孔132Hにマグネット134が挿入されて固定される。マグネット134は直方体のブロック状のものであり、磁石挿入孔132Hに収納されることにより、ロータコア132Aの周方向に等間隔で環状に配置される。この時、マグネット134の軸方向断面における長手方向がロータコア132Aの周方向に沿うように、マグネット134はロータコア132Aに装着されている。
ロータコア132Aの材料としてマグネット134よりも高い透磁率を有するもの、例えば珪素鋼板のような高透磁率磁性材料を用いる。これにより、磁石内部に発生する渦電流損を減少させることができる。
複数のマグネット134によって構成される複数の主磁極の周方向に隣接するもの同士の間には補助磁極(突極)部132X5が形成されている。補助磁極部132X5を挟んで周方向に隣接配置されるマグネット134は互いに極性が逆になっている。補助磁極部132X5は、リラクタンストルクを発生させるための磁束が通る磁気回路を構成している。ロータコア132Aの材料としてマグネット134よりも高い透磁率を有するものを用いることで、補助磁極部132X5をより有効に機能させることができる。
図示しない制御装置によって、ステータコイル114による電機子起磁力の合成ベクトルを補助磁極の中心位置より回転方向側に向くように制御すれば、ステータコイル114から発生した磁束が補助磁極部132X5を介してマグネット134を周回し、リラクタンストルクが発生する。これは特に低速運転状態において有効であり、このリラクタンストルクがマグネット134による通常のトルクに加わることで、電動機として高いトルクを得ることができる。
磁石挿入孔132Hのステータ110側とは反対側の部位よりもステータ110側とは反対側の部分にはヨーク部132X4が形成されている。ヨーク部132X4のステータ110側からはステータ110側に向かって径方向に補助突極部132X5が延びている。磁石挿入孔132Hのステータ110側の部位よりもステータ110側の部分には、補助突極部132X5のステータ110側を周方向に連結する磁極片部132X6が形成されている。磁極片部132X6はマグネット134のステータ110側を押さえながら、ロータ130とステータ110との間のギャップを介してロータ130とステータ110との間で行き来するマグネット134の磁束を通す磁気回路を構成する部分である。マグネット134の磁極片部132X6と補助突極部132X5との境界部分にはブリッジ部132X1が形成されている。ブリッジ部132X1はロータコア132Aの他の部分よりも径方向の寸法が最も小さい部位であり、マグネット134の磁束が補助突極部132X5を介してヨーク部132X4に漏れることを抑えるための磁気飽和部を形成している。
磁石挿入孔132Hの軸方向断面積は、挿入されるマグネット134の軸方向断面積よりも大きくなっており、磁石挿入孔132Hに挿入されたマグネット134の両側,すなわち、マグネット134の周方向両端部であり、マグネット134の軸方向断面における長手方向両端部に磁気的な空隙132Kを隣接して設けている。この空隙132Kは軸方向に延び、マグネット134、補助磁極部132X5、及びブリッジ部132X1に接している。空隙132Kには樹脂などの充填材を充填してもよいが、物理的な空間としてもよい。
ここで、この空隙132Kの作用について説明する。
上記のように、磁極片部132X6は、マグネット134が発生した磁束をステータ110に伝達する磁気回路として機能する。補助磁極部132X5は、リラクタンストルクを発生するための磁束を通す磁気回路として機能する。
マグネット134によってロータ130のステータ110側表面から発生される磁束密度分布は、磁極片部132X6では、ほぼ一定である。一方、補助磁極部132X5では、マグネット134による磁束が伝達されにくく、ロータ130のステータ110側表面から発生される磁束はほぼ零となる。
ここで、空隙132Kがない場合、磁極片部132X6と補助磁極部132X5の境界付近において、急激な磁束密度分布の変化が現れる。永久磁石回転電機においては、回転電機への通電の有無にかかわらず、永久磁石が常に磁束を発生しているため、ロータは、常にステータのティース部と磁極片部132X6との位置関係に応じた力を受ける。ロータが回転すれば、互いの位置が変化することによりロータの受ける力が脈動的に変化し、これがコギングトルクやトルク脈動となって現れる。ロータの周方向における磁束密度分布の変化が急激なほど、トルク脈動は顕著である。
それに対して、本実施形態のように空隙132Kを設けることで、磁極片部132X6と補助磁極部132X5の境界付近における磁束密度分布の変化を緩やかなものにする。これは、空隙132Kによって、ロータの外周部の補助磁極部132X5と磁極片部132X6の間に、周方向に延びるブリッジ部132X1が形成され、磁極片部132X6と補助磁極部132X5の間に距離が設けられるためである。従って、空隙がない場合に比べて、緩やかな磁束密度分布の変化が現れ、コギングトルクやトルク脈動を抑制することができる。
なお、本実施形態では、空隙132Kのステータ110側の面の周方向幅を反ステータ110側の面の周方向幅よりも大きくしたものである。すなわち、空隙132Kの周方向断面が略三角形状となるように形成する。これにより、補助磁極部132X5を通る磁束がスムーズにマグネット134を周回することができ、リラクタンストルクをより多く得ることができる。
さらに、ロータ130のステータ110側表面に略平行となるように空隙132Kのステータ110側の面を形成する。これによって、ブリッジ部132X1の磁気的な飽和はきつくなり、マグネット134から発生する磁束が磁極片部132X6,ブリッジ部132X1を介して補助磁極部132X5に漏洩する磁束を抑制することができる。
ブリッジ部132X1、ヨーク部132X4、補助突極部132X5及び磁極片部132X6のそれぞれにおける磁石挿入孔132H及び空隙132K側の部位と、ブリッジ部132X1、補助突極部132X5及び磁極片部132X6のステータ110側の部位にはエッジング加工部が設けられている。すなわちブリッジ部132X1、ヨーク部132X4、補助突極部132X5及び磁極片部132X6のそれぞれは、珪素鋼板のそれぞれにおける磁石装着孔132H及び空隙132Kの形成部位(珪素鋼板の磁石装着孔132H及び空隙132Kを形成するための開孔部の表面)、及びステータ110に対するロータコア132Aの対向面の形成部位(外周表面)にエッジング加工による表面加工処理が施されることによって形成されている。
本実施形態によれば、高効率化、小型化、低トルク脈動化が可能で、回転電機の特性を向上することができる。また、ハイブリッド自動車用もモータとして用いるには、コギングトルクを低減でき、ハイブリッド自動車の発進をスムーズにすることができる。
次に、図14を用いて、本発明の第3の実施形態による回転電機の構成について説明する。以下の例では、回転電機の一例として、ハイブリッド自動車用モータについて説明する。本実施形態による回転電機の横断面の構成は、図1に示したものと同様である。
図14は、本発明の第3の実施形態による回転電機の構成を示す断面図である。そして、図14は、図1のA−A断面図である。
本実施形態のモータ100Bは、ステータ110と、ロータ130Bとを備えている。ステータ110の構成は、図2に示したステータ110と同様であり、エッチング加工した薄板の電磁鋼板を積層して形成したものである。ロータ130Bは、ロータコア132Bと、永久磁石であるマグネット134(134A”,134B”,134C”,134D”,134E”,134F”,134G”,134H”,134I”,134J”)と、シャフト138とから構成されている。ここで、ロータコア132Bは、第1の実施形態と同様に、エッチング加工した薄板の電磁鋼板を積層して形成したものである。
ロータコア132Bは、周方向に等間隔に配置されるマグネット134の磁石挿入孔132Hを有している。磁石挿入孔132Hには、マグネット134が挿入されている。ロータ130Bの極数は、8極であり、磁石挿入孔132Hは、16個備えられている。例えば、2個の磁石挿入孔132H1,132H2に挿入されたマグネット134A1,134A2は同極となり、これにより、1主磁極を構成する。
複数のマグネット134によって構成される複数の主磁極の周方向に隣接するもの同士の間には補助磁極(突極)部132X5が形成されている。補助磁極部132X5を挟んで周方向に隣接配置されるマグネット134A1,134A2の極性をS極とすると、これに対して補助磁極部132X5を挟んで周方向に隣接するマグネット134B1,134B2の極性はN極となっており、周方向に交互の極性となっている。磁石挿入孔132H1,132H2は、ロータコア132Bの半径方向に対して線対称に、しかも前記ステータ側とは反対側に窪む軸方向断面形状、すなわちV字形状となるように配置されている。したがって、一主磁極当たり、2個のマグネット134B1,134B2が配置されるため、一主磁極当たりの磁束密度を高くできる。
補助磁極部132X5は、リラクタンストルクを発生させるための磁束が通る磁気回路を構成している。ロータコア132Bの材料としてマグネット134よりも高い透磁率を有するものを用いることで、補助磁極部132X5をより有効に機能させることができる。
図示しない制御装置によって、ステータコイル114による電機子起磁力の合成ベクトルを補助磁極の中心位置より回転方向側に向くように制御すれば、ステータコイル114から発生した磁束が補助磁極部132X5を介してマグネット134を周回し、リラクタンストルクが発生する。これは特に低速運転状態において有効であり、このリラクタンストルクがマグネット134による通常のトルクに加わることで、電動機として高いトルクを得ることができる。
磁石挿入孔132H1,132H2のステータ110側とは反対側の部位よりもステータ110側とは反対側の部分にはヨーク部132X4が形成されている。ヨーク部132X4のステータ110側からはステータ110側に向かって径方向に補助突極部132X5が延びている。磁石挿入孔132Hのステータ110側の部位よりもステータ110側の部分には、補助突極部132X5のステータ110側を周方向に連結する磁極片部132X6が形成されている。磁極片部132X6はマグネット134B1,134B2のステータ110側を押さえながら、ロータ130とステータ110との間のギャップを介してロータ130とステータ110との間で行き来するマグネット134B1,134B2の磁束を通す磁気回路を構成する部分である。磁極片部132X6と補助突極部132X5との境界部分にはブリッジ部132X1が形成されている。ブリッジ部132X1はロータコア132Aの他の部分よりも径方向の寸法が最も小さい部位であり、マグネット134の磁束が補助突極部132X5を介してヨーク部132X4に漏れることを抑えるための磁気飽和部を形成している。磁極片部132X6と補助磁極部132X5は、ブリッジ部132X1によって連結されることにより機械的強度を大きくしている。
マグネット134A1,134A2とブリッジ部132X1の間には、それぞれ、三角形状の磁気的な空隙132K1,132K2が設けられ、同極を構成するマグネット134A1,134A2の間には、三角形状の磁気的な空隙132K3が設けられている。空隙132K1,132K2,132K3の内部は、空気が存在しており、漏れ磁束を低減する。
磁石挿入孔132H1,132H2の軸方向断面積は、挿入されるマグネット134A1,134A2の軸方向断面積よりも大きくなっており、これにより、磁石挿入孔132H1,132H2に挿入されたマグネット134A1,134A2のブリッジ部132X1側,すなわちマグネット134A1,134A2の軸方向断面における長手方向端部に磁気的な空隙132K1,132K2を隣接して設けることができる。この空隙132K1,132K2は軸方向に延び、マグネット134A1,134A2、ブリッジ部132X1、磁極片132X6及び補助磁極部132X5に接している。空隙132K3も軸方向に延びている。空隙132K1,132K2,132K3には樹脂などの充填材を充填してもよいが、物理的な空間としてもよい。
空隙132K1,132K2の作用は前例と同様であり、空隙132K1,132K2によって、ロータの外周部の補助磁極部132X5と磁極片部132X6の間に、周方向に延びるブリッジ部132X1を形成して、磁極片部132X6と補助磁極部132X5の間に距離が設けられるようにし、磁極片部132X6と補助磁極部132X5の境界付近における磁束密度分布の変化を緩やかなものにする。これにより、コギングトルクやトルク脈動を抑制することができる。
弱め界磁電流による制御は電流を増加させることによってその鉄損の基本波分は少なくすることができるが、逆に鉄損の高調波成分が増加し、結局は鉄損の低減にならないことがある。
一方、ステータ110とロータ130との間の空隙長を増加させることによって、高調波の鉄損は減少する。しかし、空隙長の増加に伴い、トルクの低下も生じる。従って、トルク発生の低下を押さえつつ、高速時の鉄損の増加を抑えることが重要である。
そこで、本実施形態では、ロータコア132Bの外周部であって、磁極片部132X6の空隙面に、磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部132Mを設けている。特に、ロータコア132Bの磁極片部132X6の空隙面に磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部132Mを設けることで、トルク発生に大きく寄与し、鉄損発生に影響を及ぼさない補助磁極部132X5及び磁極片部132X6の中心部の空隙長は小さくし、トルク発生よりむしろ高調波鉄損を引き起こす磁極の中心から磁極端部の磁極片の空隙部を大きくすることによって鉄損の低減とトルク発生の確保を両立させることができる。
ブリッジ部132X1、ヨーク部132X4、補助突極部132X5及び磁極片部132X6のそれぞれにおける磁石挿入孔132H1,132H2及び空隙132K1,132K側の部位と、ブリッジ部132X1、補助突極部132X5及び磁極片部132X6のステータ110側の部位にはエッジング加工部が設けられている。すなわちブリッジ部132X1、ヨーク部132X4、補助突極部132X5及び磁極片部132X6のそれぞれは、珪素鋼板のそれぞれにおける磁石挿入孔132H1,132H2及び空隙132K1,132Kの形成部位(珪素鋼板の磁石挿入孔132H1,132H2及び空隙132K1,132Kを形成するための開孔部の表面)、及びステータ110に対するロータコア132Bの対向面の形成部位(外周表面)にエッジング加工による表面加工処理が施されることによって形成されている。
以上、図2,13,14において、永久磁石を回転子鉄心内に挿入するいわゆるIPM(磁石内蔵型)構造に本発明のエッチング鉄心を適用した例に示したが、以上の構成により、薄板採用、エッチング製法による鉄損が可能にでき、かつエッチングの精度向上によって、回転子鉄心に設けられたブリッジ部の機械的な劣化が無いことと、製作精度の向上によって、ブリッジ幅を機械的な強度の確保の命題を確保しつつ、最小にすることができる。これは、回転子内を循環する永久磁石の磁束量を最小とし、つまり、永久磁石の磁束の利用率を向上して、回転電機のトルク向上することができる。また、磁石挿入孔と永久磁石間の空間をも最小化でき、トルク向上に一層寄与することができる。
固定子鉄心の薄板鋼板をエッチング製法による方式は、さらに前述のように鉄損低減、ヒステリシス損低減せしめる効果がある。
本実施形態によれば、高効率化、小型化、低トルク脈動化が可能で、回転電機の特性を向上することができる。また、ハイブリッド自動車用もモータとして用いるには、低鉄損で、低トルクリプルのものとすることができる。ハイブリッド自動車にもちいることで、高速時に、鉄損を小さくできることから、燃費を向上することができる。
本発明の第1の実施形態による回転電機の構成を示す横断面図である。 図1のA−A断面図である。 図2(A)の要部拡大図である。 ACモータの極数Pとスロット数Sの関係の説明図である。 電磁鋼板の板厚と鉄損との関係の説明図である。 珪素鋼板における珪素含有量と鉄損との関係の説明図である。 本実施形態によるエッチング加工による代表的な加工断面形状の説明図である。 従来の打ち抜き加工による代表的な加工断面形状の説明図である。 本発明の第1の実施形態の回転電機におけるステータコイルの結線図である。 本発明の第1の実施形態による回転電機のステータの他の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の回転電機を用いた電動パワーステアリングの構成を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態の回転電機を制御する制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態による回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態による回転電機の構成を示す断面図である。
符号の説明
100…電動パワーステアリング用モータ
100A,100B…モータ
110…ステータ
112…ステータコア
112T…ティース
112B…バックコア
114…ステータコイル
116…結線リング
130…ロータ
132…ロータコア
132HA,132HJ,132HI…磁石挿入孔(エッチング加工部)
132GA,132GJ,132GI…突部(エッチング加工部)
132X1…ブリッジ部
132X2…突極部
132X3…磁気飽和部
132X4…ヨーク部
132X5…補助磁極部
132X6…磁極片部
132K…空隙
134…マグネット
138…シャフト
150…ヨーク
162…パワーケーブル
164…グロメット
200…制御装置
210…パワーモジュール
220…制御モジュール
230…導体モジュール
BA…バッテリ
MR…樹脂

Claims (22)

  1. ステータと、
    該ステータに対して隙間を介して対向配置され、回転可能に支持されたロータとを有し、
    前記ロータは、ロータコア、及び該ロータコアの内部に形成された永久磁石挿入孔に挿入された複数個の永久磁石とを備えており、
    前記ロータコアは、エッジング加工された複数の電磁鋼板を積層した積層体により形成されており、
    前記電磁鋼板は、前記エッジング加工によるエッジング加工部を、少なくとも前記永久磁石挿入孔を形成する部位、及び前記ロータコアの前記ステータとの対向面を形成する部位に設けていることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記電磁鋼板の厚さは、0.05mm〜0.30mmであることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記複数の永久磁石は、前記ロータコアの周方向に、等間隔で、かつ、隣接する永久磁石の極性が互いに異なるように配置されており、
    前記ロータコアは、前記永久磁石挿入孔の前記ステータ側とは反対側の部位よりも前記ステータ側とは反対側に形成されたヨーク部、前記永久磁石によって構成された主磁極の間に形成され、前記ヨーク部の前記ステータ側から前記ステータ側に向かって径方向に延びる突部、及び前記永久磁石挿入孔の前記ステータ側の部位よりも前記ステータ側に形成され、前記突部の前記ステータ側を周方向に連結する連結部を備えており、
    前記ヨーク部、前記突部及び前記連結部のそれぞれにおける前記永久磁石挿入孔側の部位と、前記突部及び前記連結部のそれぞれにおける前記ステータ側の部位には前記エッジング加工部が設けられていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項3に記載の回転電機において、
    前記連結部は、前記ロータコアの各部のうち、径方向の寸法が最も小さいブリッジ部を構成しており、
    前記ブリッジ部は、前記永久磁石を前記ステータ側から押さえながら、前記永久磁石の磁束が前記突部を介して前記ヨーク部に漏れることを抑えるためのものであることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機において、
    前記永久磁石は、前記ステータ側の軸方向断面形状が、前記ステータ側に突をなす円弧になっており、
    前記連結部は、径方向の寸法が最も小さい状態のままで、前記永久磁石の前記ステータ側の形状に沿って周方向に延びていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項3に記載の回転電機において、
    前記連結部は、前記永久磁石の磁束を通す磁極片を構成しており、
    前記突部は、リラクタンストルクを発生させるための磁束を通す補助磁極を構成しており、
    前記連結部と前記突部との境界部位は、径方向の寸法が最も小さいブリッジ部になっており、前記永久磁石の磁束が前記突部を介して前記ヨーク部に漏れることを抑えるための磁気飽和部を構成していることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機において、
    前記永久磁石の軸方向断面における長手方向の端部には磁気的な空隙が隣接して形成されており、
    前記ブリッジ部は、前記空隙の前記ステータ側に形成されていることを特徴とする回転電機。
  8. 請求項6に記載の回転電機において、
    前記永久磁石は、前記主磁極毎に複数の永久磁石から構成されており、
    前記主磁極のそれぞれにおける複数の永久磁石は、前記ロータコアの半径方向に対して線対称で、かつ前記ステータ側とは反対側に窪む軸方向断面形状を有するように配置されていることを特徴とする回転電機。
  9. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記電磁鋼板は、Cが0.001〜0.060重量%、Mnが0.1〜0.6重量%、Pが0.03重量%以下、Sが0.03重量%以下、Crが0.1重量%以下、Alが0.8重量%以下、Siが0.5〜7.0重量%、Cuが0.01〜0.20重量%含有され、残部が不可避な不純物とFeとからなるものであることを特徴とする回転電機。
  10. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記電磁鋼板は珪素鋼板であることを特徴とする回転電機。
  11. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記電磁鋼板は結晶粒子を有することを特徴とする回転電機。
  12. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ロータコアは、厚さが0.01〜0.2μmである絶縁被膜を、積層方向に隣り合う前記電磁鋼板の間に有することを特徴とする回転電機。
  13. 請求項12に記載の回転電機において、
    前記絶縁被膜の厚さは0.1〜0.2μmであることを特徴とする回転電機。
  14. 請求項12に記載の回転電機において、
    前記絶縁被膜は、厚さが0.01〜0.05μmである酸化被膜であることを特徴とする回転電機。
  15. 請求項10に記載の回転電機において、
    前記珪素鋼板は珪素の濃度が0.8〜2.0重量%であることを特徴とする回転電機。
  16. 請求項10に記載の回転電機において、
    前記珪素鋼板は珪素の濃度が4.5〜6.5重量%であることを特徴とする回転電機。
  17. 請求項10に記載の回転電機において、
    前記珪素鋼板は珪素の濃度が内部よりも表面部が高いことを特徴とする回転電機。
  18. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ステータは、ステータコア、及び該ステータコアに装着されたステータコイルを備えており、
    前記ステータコアは、エッジング加工された複数の電磁鋼板を積層した積層体により形成されたものであることを特徴とする回転電機。
  19. 請求項18に記載の回転電機において、
    前記ステータコアは、前記ヨーク部、該ヨーク部の前記ロータ側から前記ロータ側に向かって径方向に突出し、かつ周方向に間隔をあけて配置された複数のティース部、及び周方向に隣接する前記ティース部の間に形成され、前記ステータコイルが収納される複数のスロット部を備えており、
    前記電磁鋼板は、前記エッジング加工によるエッジング加工部を、少なくとも前記ティース部及び前記スロット部を形成する部位に設けていることを特徴とする回転電機。
  20. ステータと、
    該ステータに対して隙間を介して対向配置され、回転可能に支持されたロータとを有し、
    前記ロータは、ロータコア、及び該ロータコアに装着された複数の永久磁石を備えており、
    前記ロータコアは、複数の開孔部が内部に形成された複数の電磁鋼板を積層することにより形成され、前記開孔部が前記電磁鋼板の積層方向に連なることにより形成された複数の永久磁石装着孔を、前記ステータとの対向側の内部領域に備えており、
    前記永久磁石は前記永久磁石装着孔に収納されており、
    少なくとも前記ロータコアの前記ステータとの対向面を形成する前記電磁鋼板の表面、及び前記開孔部を形成する前記電磁鋼板の表面には、エッジング加工による表面加工処理が施されていることを特徴とする回転電機。
  21. ステータと、
    該ステータに対して隙間を介して対向配置され、回転可能に支持されたロータとを有し、
    前記ロータは、複数の電磁鋼板の積層体であるロータコア、及び該ロータコアに装着された複数の永久磁石を備えており、
    前記ロータコアは、回転軸に嵌合するヨーク部、該ヨーク部の前記ステータ側から前記ステータに向かって径方向に突出すると共に、周方向に間隔をあけて配置された複数の突部、及び該複数の突部の前記ステータ側を周方向に連結する連結部を備えており、
    前記ロータコアにおける、周方向に隣接する前記突部、前記ヨーク部、及び前記連結部によって囲まれた複数の部分には、複数の永久磁石装着孔が形成されて前記永久磁石が収納されており、
    前記突部、前記ヨーク部、及び前記連結部のそれぞれは、前記電磁鋼板のそれぞれにおける前記複数の永久磁石装着孔の形成部位、及び前記ステータに対する前記ロータコアの対向面の形成部位にエッジング加工を施すことによって形成されていることを特徴とする回転電機。
  22. 車両に搭載され、被駆動体を駆動するための駆動力を発生する回転電機と、
    該回転電機の電源から供給された電力を制御して前記回転電機の駆動を制御する制御装置とを有し、
    前記回転電機は、
    ステータと、
    該ステータに対して隙間を介して対向配置され、回転可能に支持されたロータとを有しており、
    前記ステータは、ステータコア、及び該ステータコアに装着されたステータコイルを備えており、
    前記ロータは、ロータコア、及び該ロータコアの内部に形成された永久磁石挿入孔に挿入された複数個の永久磁石とを備えており、
    前記ロータコアは、エッジング加工された複数の電磁鋼板を積層した積層体により形成されており、
    前記電磁鋼板は、前記エッジング加工によるエッジング加工部を、少なくとも前記永久磁石挿入孔を形成する部位、及び前記ロータコアの前記ステータとの対向面を形成する部位に設けており、
    前記電源から供給され、前記制御装置によって制御された電力は前記ステータコイルに供給されることを特徴とする車載電動駆動装置。
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