JP2010263714A - モータ用鉄心及びその製造方法 - Google Patents

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孝之 東
Keiichi Yamamoto
恵一 山本
Akiyoshi Kita
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Abstract

【課題】渦電流損失の発生を抑制して、モータの性能向上及び製品ばらつきの低下を図ったモータ用鉄心及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アキシャルギャップ型モータ10のロータコア44及び一対のステータコア24,24は、電磁鋼板r1,r2を積層することで積層体67,68を構成し、ステータ12,12とロータ11が所定のエアギャップgを介して互いに対向する、積層体67,68の電流導通表面67a,68aには、酸に浸すことで酸洗浄が施されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、モータ用鉄心及びその製造方法に関する。
従来、例えば、回転軸周りに回転可能なロータと、回転軸方向の少なくとも一方側からロータに対向配置されたステータとを備え、ロータの永久磁石による界磁磁束に対して、ステータを介した磁束ループを形成するアキシャルギャップ型モータが知られている。
アキシャルギャップ型モータのステータやロータの製造方法としては、テープ状の電磁鋼板を捲回巻きした積層体によりステータコアやロータコアを構成したものが種々考案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。例えば、特許文献3に記載の製造方法では、電磁鋼板を捲回した後、内周側と外周側の端部を溶接等により固定し、場合によっては、さらに、積層体を接着剤に浸漬させ、互いに隣り合う層同士を接着剤によって固定する。
また、積層して使用される電磁鋼板の製造方法として、スラブを熱間圧延し、熱延板に熱延板焼鈍を施し、酸洗後に冷間圧延し、さらに再結晶焼鈍を施して最終製品とする工程が記載されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開平10−309049号公報(第1図) 特開2002−10537号公報(第1図) 特開2004−357391号公報(第1図) 特開2005−168124号公報(第1図) 特開2007−49891号公報(第2図) 特開2004−270011号公報
ところで、特許文献1〜5に記載のように捲回巻きによって積層体を製造する際、テープ状の電磁鋼板を所望の形状に型抜きするため、切断面では電磁鋼板の絶縁皮膜が剥がれた状態となり、また、部分的に型抜きによるダレが生じる。このため、ステータコア及びロータコアの少なくとも一方をなす積層体の、互いに対向する電流導通表面では、隣り合う積層間で接触が発生し、絶縁性が確保されず、渦電流損失が増大し、モータ性能の低下を招く可能性がある。
また、ステータコア及びロータコアが互いに対向する電流導通表面には、積層によって段差が生じる可能性がある。この場合、ステータコア及びロータコア間のエアギャップがばらつき、磁束の経路が不均一になり、その結果、性能のばらつきだけでなく、損失の増加やモータ性能の低下が発生する。また、ステータコアのリターンパス側面での積層による段差は、ハウジングとの接触面積を低下させ、抜熱性の低下やハウジングとねじ締結する場合のねじ軸力低下を発生する。このため、積層による段差を解消すべく電流導通表面を研磨することが考えられるが、この場合、研磨した際のダレやバリによって隣り合う電磁鋼板が層間接触してしまい、絶縁性が確保されず、渦電流損失が増大し、モータ性能の低下を招く可能性がある。これらの課題は、特許文献6に記載の方法で製造された電磁鋼板を用いて積層した場合にも同様に存在する。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、渦電流損失の発生を抑制して、モータの性能向上及び製品ばらつきの低下を図ったモータ用鉄心及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
電磁鋼板(例えば、後述する実施形態の電磁鋼板r1,r2)を積層することで積層体(例えば、後述する実施形態の積層体67,68)を構成し、ステータ(例えば、後述する実施形態のステータ12)とロータ(例えば、後述する実施形態のロータ11)の少なくとも一方をなすモータ用鉄心(例えば、後述する実施形態のステータコア24、ロータコア44)であって、
前記ステータと前記ロータが所定のエアギャップ(例えば、後述する実施形態のエアギャップg)を介して互いに対向する、前記積層体の電流導通表面(例えば、後述する実施形態の電流導通表面67a,68a)には、酸に浸すことで酸洗浄が施されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、
前記電流導通表面には、研磨が施されるとともに、前記酸洗浄が施されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の構成に加えて、
前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸のいずれかであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、
前記積層体は、捲回巻きによって積層されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、
アキシャルギャップ型モータ(例えば、後述する実施形態のアキシャルギャップ型モータ10)に用いられることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
ステータとロータの少なくとも一方をなすモータ用鉄心の製造方法であって、
電磁鋼板を積層して積層体を構成する工程と、
該積層体に研磨を施した後、酸に浸すことで酸洗浄を施し、水洗、防錆、乾燥する工程と、
を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明の構成に加えて、
前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸のいずれかであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明の構成に加えて、
前記酸洗浄は、12規定の塩酸を用いて、5分以下で行われることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の発明の構成に加えて、
前記積層体は、捲回巻きによって積層され、アキシャルギャップ型モータに用いられることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、酸洗浄が施されることにより、隣り合う積層間で渦電流損失の発生を抑制して、モータの性能向上及び製品ばらつきの低下を図ることができる。
また、請求項2及び6の発明によれば、研磨が施されることにより、エアギャップのばらつきを抑えることができ、また、研磨した際のダレやバリによる電磁鋼板の層間接触を酸洗浄によって抑制することができる。
さらに、請求項3及び7に記載の発明によれば、これらの酸により研磨による絶縁破壊、積層鋼板の型抜き時に発生したダレに対して、電磁鋼板の層間接触を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、単一の電磁鋼板によって、ロータコアやステータコアを製造することができ、また、捲回巻きにより積層した際の電磁鋼板の層間接触を酸洗浄によって抑制することができる。
加えて、請求項5に記載の発明は、軸方向のエアギャップに影響する切断面やプレス面を精密に加工する必要がなくなる。
さらに、請求項8に記載の発明は、電磁鋼板の表面皮膜が剥離して、隣り合う積層間が導通するのを防止する効果ある。
また、請求項9に記載の発明は、単一の電磁鋼板によって、ロータコアやステータコアを製造することができ、また、捲回巻きにより積層した電磁鋼板の層間接触を酸洗浄によって防止することができ、さらに、軸方向のエアギャップに影響する切断面やプレス面を精密に加工する必要がなくなる。
本発明のモータ用鉄心に係るステータコア及びロータコアを備えたアキシャルギャップ型モータの全体斜視図である。 図1のアキシャルギャップ型モータ分解斜視図である。 図2のロータの分解斜視図である。 図2のロータのロータコア、主磁石部、及び副磁石部を示す分解斜視図である。 テープ状の電磁鋼板をロータコア及びステータコアに製造する工程を説明するためのフローチャートである。 (a)は、ロータコアに使用されるテープ状の電磁鋼板を示す平面図であり、(b)は、ステータコアに使用されるテープ状の電磁鋼板を示す平面図である。 (a)は、ロータコア用の電磁鋼板を捲回巻きにより積層体を構成する状態を示す図であり、(b)は、ステータコア用の電磁鋼板を捲回巻きにより積層体を構成する状態を示す図である。 (a)は、アキシャルギャップ型モータの部分断面斜視図であり、(b)は、(a)のVIII部拡大図である。 (a)は、ステータコアの巻き始め位置近傍のティースの酸洗浄前の電流導通表面のデジタル顕微鏡写真(倍率:200倍)であり、(b)は、その酸洗浄後の電流導通表面のデジタル顕微鏡写真(倍率:200倍)である。 (a)は、ステータコアのノッキング位置の酸洗浄前の電流導通表面のデジタル顕微鏡写真(倍率:200倍)であり、(b)は、その酸洗浄後の電流導通表面のデジタル顕微鏡写真(倍率:200倍)である。 (a)〜(c)は、電磁鋼板表面の酸洗浄前、酸洗浄5分経過時、酸洗浄30分経過時のデジタル顕微鏡写真(倍率:200倍)であり、(d)〜(f)は、電磁鋼板表面の酸洗浄前、酸洗浄5分経過時、酸洗浄30分経過時の金属顕微鏡写真(倍率:200倍)である。 (a)は、酸洗浄時間による板厚の変化を示すグラフであり、(b)は、(a)のXII部を拡大して示すグラフである。 (a)は、酸洗浄時間による重量減少率の変化を示すグラフであり、(b)は、(a)のXIII部を拡大して示すグラフである。 ロータの鋳込み状態を示す断面図である。 分割ヨークを示す側面図である。
以下、本発明に係るモータ用鉄心及びその製造方法についてアキシャルギャップ型モータを一例として、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本実施形態によるアキシャルギャップ型モータ10は、例えば図1及び図2に示すように、このアキシャルギャップ型モータ10の回転軸O周りに回転可能に設けられた略円環状のロータ11と、回転軸O方向の両側からロータ11を挟みこむようにして対向配置され、ロータ11を回転させる回転磁界を発生する複数相の各固定子巻線を有する1対のステータ12,12とを備えて構成されている。
このアキシャルギャップ型モータ10は、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、出力軸がトランスミッション(図示略)の入力軸に接続されることで、アキシャルギャップ型モータ10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からアキシャルギャップ型モータ10に駆動力が伝達されると、アキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、アキシャルギャップ型モータ10の回転軸が内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されると、内燃機関の出力がアキシャルギャップ型モータ10に伝達された場合にもアキシャルギャップ型モータ10は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
各ステータ12は、略円環板状のステータヨーク部21と、ロータ11に対向するステータヨーク部21の対向面上で周方向に所定間隔をおいた位置から回転軸O方向に沿ってロータ11に向かい突出すると共に径方向に伸びる複数のティース22,…,22とを有するステータコア24と、適宜のティース22,22間に装着される固定子巻線(図示略)とを備えて構成されている。
各ステータ12は、例えば主極が6個(例えば、U+,V+,W+,U−,V−,W)とされた6N型であって、一方のステータ12の各U+,V+,W+極に対して、他方のステータ12の各U−,V−,W−極が回転軸O方向で対向するように設定されている。例えば回転軸O方向で対向する1対のステータ12,12に対し、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の一方に対応する一方のステータ12の3個のティース22,22,22と、U+,V+,W+極およびU−,V−,W−極の他方に対応する他方のステータ12の3個のティース22,22,22とが、回転軸O方向で対向するように設定され、回転軸O方向で対向する一方のステータ12のティース22と、他方のステータ12のティース22とに対する通電状態が電気角で反転状態となるように設定されている。
ロータ11は、図3及び図4に示すように、略扇形形状の複数の主磁石部41,…,41と、略直方体形状の複数の副磁石部43,…,43と、ロータコア44によって構成される略扇形形状の複数のヨーク部42,…,42と、非磁性部材からなるロータフレーム30と、を備えて構成される。なお、ロータフレーム30の周囲には、高速回転する際の遠心力によってヨーク部42が径方向外方に広がるのを抑えるように、図示しないアウターリングが設けられてもよい。
ロータコア44には、略扇形形状の複数のヨーク部42,…,42の他、複数の主磁石部41,…,41をそれぞれ保持する略扇形形状の複数の主磁石部収容部72,…,72と、複数の副磁石部43,…,43をそれぞれ配置する軸方向外側に開口した略直方体形状の複数の副磁石部収容部74,…,74と、ロータフレーム30の後述する複数のリブ31がそれぞれ収容される略直方体形状の複数のリブ収容穴73,…,73と、が形成されている。
複数の主磁石部収容部72,…,72と複数のリブ収容穴73,…,73とは、回転軸方向中間部で、それぞれ周方向に所定の間隔で交互に設けられ、複数のヨーク部42,…,42と複数の副磁石部収容部74,…,74とは、回転軸方向両側で、それぞれ周方向に所定の間隔で交互に設けられる。
また、複数のヨーク部42,…,42は、複数の主磁石部収容部72,…,72の回転軸方向両側にそれぞれ配置され、複数の副磁石部収容部74,…,74は、複数のリブ収容穴73,…,73の回転軸方向両側にそれぞれ配置される。主磁石部収容部72とリブ収容穴73とは、軸方向両側のヨーク部42同士を連結する軸方向連結部75によって仕切られており、また、副磁石部収容部74とリブ収容穴73とは、周方向両側のヨーク部42同士を連結する周方向連結部76によって仕切られている。
これにより、複数の主磁石部収容部72,…,72に保持された複数の主磁石部41,…,41は、周方向に所定の間隔で配置され、且つ、その磁化方向は、周方向で隣り合う主磁石部41,41毎に異なるように回転軸方向に向けられている。また、複数の副磁石部収容部74,…,74に保持された複数の副磁石部43,…,43は、周方向に隣り合うヨーク部42間に配置され、その磁化方向が回転軸方向および径方向に直交する方向に向けられている。周方向で隣り合う副磁石部43,43は、磁化方向が互いに異なっており、また、回転軸方向に隣り合う副磁石部43,43も、磁化方向が互いに異なっている。
さらに、各主磁石部41に対して、回転軸方向の一方側に位置するヨーク部42を周方向両側から挟み込む副磁石部43,43同士は、該主磁石部41の一方側の磁極と同極の磁極を対向させて配置され、回転軸方向の他方側に位置するヨーク部42を周方向両側から挟み込む副磁石部43,43同士は、該主磁石部41の他方側の磁極と同極の磁極を対向させて配置される。これにより、所謂永久磁石の略ハルバッハ配置による磁束レンズ効果により、主磁石部41および各副磁石部43,43の各磁束が収束し、各ステータ12,12に鎖交する有効磁束が相対的に増大するようになっている。
ロータフレーム30は、積層体67のリブ収容穴73,…,73内を径方向に延び、周方向に隣り合う主磁石部41間にそれぞれ配置される複数のリブ31,…,31と、複数のリブ31,…,31の内径側及び外径側にそれぞれ設けられ、これらリブ31,…,31によって接続される内筒部32及び外筒部33と、を有する。
内筒部32の内周部には、外部の駆動軸(例えば、車両のトランスミッションの入力軸等)に接続される図示しないシャフト部と締結固定される内向きフランジ38が形成されている。
ここで、ロータコア44及び一対のステータコア24,24は、図5に示すような工程で製造される。即ち、図6(a)に示すように、ロータコア44は、テープ状の単一の電磁鋼板(ロータコア用磁性板)r1を搬送しながら、主磁石部収容部72を構成する主磁石用開口61、副磁石部収容部74を構成する副磁石用開口62、及び、リブ収容穴73を構成するリブ用開口63を図示しない打ち抜き型を用いて打ち抜く(ノッチング、ステップS1)。そして、打ち抜き後、図7(a)に示すように、ロータコア用磁性板r1を巻芯70aを用いて捲回し(ステップS2)、所定の径方向寸法にてカットし、巻き始め部64aと巻き終わり部65aとが溶接される(ステップS3)ことで、積層体67が形成される。また、図6(b)に示すように、ステータコア24は、テープ状の単一の電磁鋼板(ステータコア用磁性板)r2を搬送しながら、スロット部23を構成するスロット用開口66を図示しない打ち抜き型を用いて打ち抜く(ノッチング、ステップS1)。そして、打ち抜き後、図7(b)に示すように、ステータコア用磁性板r2を巻芯70bを用いて捲回し(ステップS2)、所定の径方向寸法にてカットし、巻き始め部64bと巻き終わり部65bとが溶接される(ステップS3)ことで、積層体68が形成される。
なお、各電磁鋼板r1,r2は、それぞれ巻芯70a,70b上で捲回されるので、最内径側から一層目、二層目、三層目、・・・と長手方向長さが長くなる。このため、図6(a)に示すように、リブ用開口63の中心間距離をピッチP1とすると、各層のピッチP1は径方向外方に向かって次第に大きくなるように設定され、図6(b)に示すように、スロット用開口66の中心間距離をピッチP2とすると、各層のピッチP2も径方向外方に向かって次第に大きくなるように設定される。
その後、積層体67,68は、必要に応じて接着剤に浸漬されて、互いに隣り合う層同士が接着剤により固定される(ステップS4)。さらに、図8に示すように、組み立て時にロータ11とステータ12,12が所定のエアギャップgを介して互いに対向する、積層体67,68の電流導通表面(磁束対向面)67a,68aは、研磨処理が施される(ステップS5)。これにより、積層体67,68の電流導通表面67a,68aには、積層による段差がなくなり、ステータ12,12及びロータ11間のエアギャップgが均一となる。また、ステータ12,12のリターンパス側面12aでの積層による段差も研磨によりなくなるため、図示しないハウジングとの接触面積が増加し、抜熱性が向上する。
その一方、積層体67,68の電流導通表面67a,68aやリターンパス側面12aは、研磨が施されると、図9(a)や図10(a)に示すように、電磁鋼板r1,r2の隣り合う積層間での境界は全く見えず、研磨した際のダレやバリによる層間接触により絶縁性が確保されていないことがわかる。このため、本実施形態では、積層体67,68の電流導通表面67a,68aやリターンパス側面12aに酸による酸洗浄が施され(ステップS6)、その後、水洗(ステップS7)、防錆(ステップS8)、乾燥(ステップS9)が行われて、ロータコア44、ステータコア24,24が形成される。なお、酸洗浄に使用される酸としては、塩酸、硫酸、硝酸(いずれも濃度の濃い酸や薄い酸を含む)のいずれかが使用される。また、数値的には各種酸で水溶性が異なるが、塩酸では36%、硫酸では、98%、硝酸では、67.5%(いずれも重量%)が最大濃度となる。
従って、図9(b)及び図10(b)に示すように、酸洗浄後の電流導通表面67a,68aでは、隣り合う積層間での境界が視認でき、絶縁性が確保されていることがわかる。
なお、図9(a)及び(b)は、ステータコアの巻き始め位置近傍のティースの電流導通表面を示し、積層に対して略平行な方向で研磨が行われている。また、図10(a)及び(b)は、ステータコアのノッキング位置の電流導通表面を示し、積層に対して略垂直な方向で研磨が行われている。
ここで、例えば、3つの電磁鋼板のサンプルに対して、濃度が35〜37%の12規定のHCl原液を用いて、積層体67,68に酸洗浄を施した場合の最適な洗浄時間を、板厚、重量減少の観点から確認した。図12及び図13に示すように、酸洗浄時間が5分未満の場合には、重量減少に対して板厚の減少は少ない。酸洗浄時間が5分においても、図11(b)及び(e)に示すように、電磁鋼板の表面の皮膜は一部がはがれるのみであり、積層した場合でも積層間での渦電流の発生は抑えられる。一方、酸洗浄時間が5分を越えると、板厚、重量共に減少し、積層間で皮膜が剥離した部分同士が導通してしまい渦電流が発生する。例えば、図11(c)及び(f)に示すように、酸洗浄時間が30分経った時点では、完全に表面の皮膜が剥離してしまい、積層間で導通してしまう。また、図9(b)及び図10(b)に示すように、酸洗浄時間が5分を経過した段階で、積層間での境界が視認でき、隣り合う層間の絶縁が確認できており、従って、上記HCl原液を用いての酸洗浄時間は0〜5分とすることが好ましいことがわかる。なお、図12に示す本実施例では、0.2mmの板厚の電磁鋼板について行っているが、電磁鋼板の板厚は、0.2mmに限定されるものではない。
このようにして、ロータコア44には、径方向に並んだ複数の主磁石用開口61により構成される主磁石部収容部72と、径方向に並んだ複数の副磁石用開口62により構成される副磁石部収容部74と、径方向に並んだ複数のリブ用開口63により構成されるリブ収容穴73と、が形成される。また、ステータコア24には、径方向に並んだ複数のスロット用開口66により構成される複数のスロット部23、及び複数のティース部22が形成される。
ロータコア44の各主磁石部収容部72,…,72には、該収容部72,…,72と略同一寸法を有する略扇形形状の複数の主磁石部41,…,41が挿入され、各副磁石部収容部74,…,74には、該収容部74,…,74と略同一寸法を有する略直方体状の複数の副磁石部43,…,43が挿入される。
また、ロータフレーム30は、図14に示すように、主磁石部41,…,41と副磁石部43,…,43とが挿入されたロータコア44を第1及び第2の金型80,81内に収容し、アルミニウム合金等の非磁性のダイカスト合金を用いて鋳込みによって形成される。
第1及び第2の金型80,81は回転軸方向に二分割可能で、主磁石部41,…,41、副磁石部43,…,43、ロータコア44が収容された状態で、第1及び第2の金型80,81を閉じ、これら金型80,81間に形成された空間内に第2の金型81に設けられた環状の湯口84からダイカスト合金を流し込む。そして、湯口84から流し込まれたダイカスト合金は、内筒部32を構成する空間に入り込んだ後、積層体67に形成されたリブ収容穴73を通過して、外筒部33を構成する空間に流れ込む。これにより、リブ31、内筒部32、外筒部33を有するロータフレーム30が鋳込みにより形成され、複数の主磁石部41,…,41、複数の副磁石部43,…,43、ロータコア44、及びロータフレーム30が一体となったロータ11が設けられる。
従って、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10のロータコア44及び一対のステータコア24,24、及びこれらの製造方法によれば、電磁鋼板r1,r2を積層することで積層体67,68を構成し、ステータ12,12とロータ11が所定のエアギャップgを介して互いに対向する、積層体67,68の電流導通表面67a,68aには、酸に浸すことで酸洗浄が施されている。これにより、隣り合う積層間での渦電流損失の発生が抑制され、モータの性能向上及び製品ばらつきの低下を図ることができる。
また、電流導通表面67a,68aには、研磨が施されるとともに、酸洗浄が施されるので、エアギャップgのばらつきを抑えることができ、また、研磨した際のダレやバリによる電磁鋼板r1,r2の層間接触を酸洗浄によって抑制することができる。
また、酸洗浄に使用される酸は、塩酸、硫酸、硝酸のいずれかであるので、これらの酸により研磨による絶縁破壊、電磁鋼板の型抜き時に発生したダレに対して、電磁鋼板の層間接触を抑制することができる。
具体的には、例えば、酸洗浄は、12規定の塩酸を用いて、5分以下で行われる。これにより、電磁鋼板r1,r2の表面皮膜が剥離して、隣り合う積層間が導通するのを防止する効果がある。
また、積層体67,68は、捲回巻きによって積層されるので、単一の電磁鋼板r1,r2によって、ロータコア44や一対のステータコア24,24を製造することができ、また、捲回巻きにより積層した際の電磁鋼板r1,r2の層間接触を酸洗浄によって抑制することができる。
また、このようなロータコア44や一対のステータコア24,24は、アキシャルギャップ型モータ10に適用されることで、軸方向のエアギャップgに影響する切断面やプレス面を精密に加工する必要がなくなる。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、電磁鋼板を捲回巻きすることで積層される積層体に本発明が適用されたが、図15に示すように、所定の長さの扇形形状の電磁鋼板r3を径方向に積層することで得られる分割ヨーク部42aを積層体としたロータ11の場合にも、本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、エアギャップのばらつきを抑制するため、電流導通表面67a,68aに研磨が施された後に、酸洗浄が施されているが、研磨が施されずに積層段差が生じている表面67a,68aに酸洗浄が施される場合にも、型抜き時に発生したダレによる層間接触を抑制することができる。
また、本発明は、アキシャルギャップ型モータに限定されるものでなく、電磁鋼板を軸方向に積層した、ラジアルギャップ型モータのステータやロータにも適用することができる。
また、上記実施形態では、回転軸O方向の何れか一方側にのみステータ12を備え、ステータ12と対向しない他方側においてはバックヨークを配置してもよい。
10 アキシャルギャップ型モータ
11 ロータ
12 ステータ
24 ステータコア
30 ロータフレーム
31 リブ
41 主磁石部
42 ヨーク部
43 副磁石部
44 ロータコア
64a,64b 巻き始め部
65a,65b 巻き終わり部
67,68 積層体
72 主磁石部収容部
73 リブ収容穴
74 副磁石部収容部
O 回転軸
r1,r2,r3 電磁鋼板

Claims (9)

  1. 電磁鋼板を積層することで積層体を構成し、ステータとロータの少なくとも一方をなすモータ用鉄心であって、
    前記ステータと前記ロータが所定のエアギャップを介して互いに対向する、前記積層体の電流導通表面には、酸に浸すことで酸洗浄が施されていることを特徴とするモータ用鉄心。
  2. 前記電流導通表面には、研磨が施されるとともに、前記酸洗浄が施されることを特徴とする請求項1に記載のモータ用鉄心。
  3. 前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ用鉄心。
  4. 前記積層体は、捲回巻きによって積層されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモータ用鉄心。
  5. アキシャルギャップ型モータに用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモータ用鉄心。
  6. ステータとロータの少なくとも一方をなすモータ用鉄心の製造方法であって、
    電磁鋼板を積層して積層体を構成する工程と、
    該積層体に研磨を施した後、酸に浸すことで酸洗浄を施し、水洗、防錆、乾燥する工程と、
    を含むことを特徴とするモータ用鉄心の製造方法。
  7. 前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のモータ用鉄心の製造方法。
  8. 前記酸洗浄は、12規定の塩酸を用いて、5分以下で行われることを特徴とする請求項6または7に記載のモータ用鉄心の製造方法。
  9. 前記積層体は、捲回巻きによって積層され、アキシャルギャップ型モータに用いられることを特徴とする請求項7または8に記載のモータ用鉄心の製造方法。
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