JP2008111293A - 柱・梁接合部用接合金物及びそれを用いた柱・梁接合部 - Google Patents

柱・梁接合部用接合金物及びそれを用いた柱・梁接合部 Download PDF

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Abstract

【課題】柱部材のフランジと梁部材のフランジに高力ボルトにより接合されるT形断面の接合金物を用いた柱・梁接合部において、ティーフランジを柱部材に接合するボルトの列が複数ある場合に、継手効率低下の問題を解決する。
【解決手段】フランジ61を有する柱部材6とフランジ71を有する梁部材7を双方のフランジ61、71間に跨って接合する、ティーフランジ2とティーウェブ3を有する接合金物1において、ティーフランジ2を板厚方向に二つの板部21、22に分離させる。
ティーフランジ2に、ボルト4が挿通する挿通孔2aが幅方向に複数列形成される場合には、ティーウェブ3寄りの挿通孔2aとティーフランジ2の端部寄りの挿通孔2aとの間までの区間においてティーフランジ2を二つの板部21、22に分離させる。
【選択図】図1

Description

本発明は鋼製の柱部材と梁部材を双方のフランジに跨って接合するための接合金物、及びそれを用いて柱部材と梁部材を接合した柱・梁接合部に関するものである。
近年、環境負荷の低減や二酸化炭素の低減策の一環として、建設業界においてもリユース工法の積極的な普及が望まれており、現場での作業により柱・梁の接合部を完成させた後、解体、または解体と再構築が可能であることが要請される。解体・再構築を前提とすれば、接合部の完成手段としては着脱自在な高力ボルトの使用が適切である。
一方、構造物が被震した後も構造部材を再使用可能にすることを目的とし、震度7クラスの地震に対しても構造物を弾性状態に保持する考えが検討されている。弾性保持のためには、部材の強度(降伏点)を従来の鋼材(普通強度鋼材)の2〜3倍程度にまで上げることが必要とされる(特許文献1〜3参照)。部材強度を上げた超高強度鋼材の使用により接合部の強度も向上するが、超高強度鋼材を高力ボルト接合するには、母材強度に匹敵するF20T級(2kN/mm)の引張強度を有する超強度高力ボルトの使用が不可欠になる。
但し、超強度高力ボルトの開発には4〜5年掛かることが見込まれているため、現行の技術で前記の弾性保持を目指すには高力ボルトの使用本数を増すことにより対応せざるを得ない。高力ボルトを用いた柱・梁の接合は柱部材と梁部材の双方に跨るT形断面の接合金物を使用したスプリットティー接合が一般的であるが、この接合金物において高力ボルトの使用本数を増しても、全高力ボルトが有効に効かない問題がある。
例えば図7−(a)、(b)に示すように柱部材と梁部材に超高強度鋼材のH形鋼を用いた接合部において、接合金物のティーフランジを柱部材のフランジに引張接合する高力ボルトの列がティーウェブの片側に付き、1列の場合には、各列の高力ボルトが均等に引張力に抵抗することができる。ティーウェブからの引張力の分力がティーウェブを挟んだ各ボルト列の位置に作用することによる。
しかしながら、梁部材からの引張力はそのフランジに接合されているティーウェブからティーフランジに作用するため、(c)、(d)に示すように高力ボルトを2列に配置したとき、ティーウェブ寄りの列の高力ボルトが多くの引張力を負担することになる。すなわち、ティーウェブから遠い列の高力ボルトが本来の強度を発揮しない事態が生じ、継手効率が低下する。
継手効率とは、接合に用いた全高力ボルトの合計耐力に対し、実際に発揮可能な耐力の比を言い、引張接合の場合、図7−(b)に示すように合計4本のボルトでも100%に達しないと言われている。(c)、(d)に示すように合計8本の場合には、前記のようにティーウェブ寄りの第1ボルト列に引張力が集中し、第2ボルト列が実質的に引張力を負担しないことになる。
図8−(a)にティーフランジとティーウェブを有する接合金物と高力ボルト(F14T級)を用いた接合部の典型例を示す。(a)は図7−(a)と同一の構造になっている。図8−(b)は部材強度を(a)の2倍に増加させた接合部の例を示す。
図8−(b)ではティーフランジとティーウェブのそれぞれを貫通するボルトの本数が(a)の2倍になるが、前記の通り、ティーウェブから遠い側であるティーフランジの2列目のボルトは実質的に効かないため、(a)の2倍の強度を持たせるには、更に余分なボルトを付加する必要がある。またティーウェブの長さが(a)の2倍になるため、ボルトの締め付け作業性が低下する。
図8−(c)の上段側にはティーウェブを並列させて形成した接合金物を示す。この場合、ティーウェブを梁部材フランジの両面に接触させ、2面せん断摩擦接合化することで、(b)と同等程度の耐力を確保しながらティーウェブを短くできるため、(b)よりティーウェブを貫通するボルトの本数が減り、締め付け作業性が高まる利点がある。但し、両ティーウェブ間に梁部材フランジを差し込むために、両ティーウェブ間にクリアランスを確保することが必要になるため、ボルトの締め付け時にはティーウェブと梁部材フランジ間にフィラープレート等を差し込むことも必要となり、総合的には締め付け作業性や施工性が低下する。
図8−(c)の下段側には上段側の接合金物をティーウェブに関して2分割させた形の接合金物を示す。この場合、分離している各接合金物を独立して柱部材と梁部材に接合することができるため、上段側の場合のフィラープレートが不要になり、上段側より締め付け作業性と施工性が向上する利点がある。但し、上段側の場合のティーフランジが分離することで、ティーフランジの曲げ剛性が低下し、ティーウェブからの引張力による変形が生じ易くなる結果、ティーウェブ寄りのボルトの負担が増す傾向が強まるため、継手効率は上段側の場合より低下する可能性がある。
このような継手効率低下の問題に対し、ティーフランジを貫通する全ボルトの内、ティーウェブ寄りの列のボルトを梁部材のウェブ寄りに配置し、ティーウェブから遠い列のボルトを梁部材のウェブから遠ざけて配置する接合部構造を出願人は先に提案している(特許文献4参照)。
特開2002−88440号公報(段落0001、0051) 特開2004−285369号公報(段落0016) 特開2006−118007号公報(段落0001、0006) 特開2006−63564号公報(請求項1、段落0019〜0024、図1、図2)
特許文献4ではティーウェブから遠い列のボルトを梁部材のウェブから遠ざけて配置することで、全ボルトに均等にティーウェブからの引張力が伝達されるようにしているが、ティーウェブからの引張力の分力は図7−(d)に示すように第1ボルト列(1段目のボルト)に作用する傾向があるため、第1ボルト列のボルトの負担が大きくなることに変わりない。
本発明は上記背景より、継手効率の低下を根本的に解決し得る接合金物とそれを用いた柱・梁接合部を提案するものである。
請求項1に記載の発明の柱・梁接合部用接合金物は、フランジを有する柱部材とフランジを有する梁部材を双方のフランジ間に跨って接合する、ティーフランジとティーウェブを有する接合金物であり、前記ティーフランジが板厚方向に二つの板部に分離していることを構成要件とする。ティーフランジはその幅方向にティーウェブの位置から、ティーフランジ端部に至る中途までの区間に亘ってスリットが形成されることにより柱部材側の板部と梁部材(ティーウェブ)側の板部に分離する。ティーウェブは梁部材側の板部に接続した形になる。
接合金物は鋼材であるから、1枚板のティーフランジにスリットを形成する場合、スリットは例えばティーフランジの長さ方向(接合金物の軸方向)に貫通する削孔を形成し、この削孔をティーフランジの幅方向に連続させることにより形成される。ここで、スリットを挟んで分離する板部の肉厚が小さくならないよう、スリットの幅(板部間の間隔)は小さい方がよい。またスリットの端部位置は応力の集中による亀裂等の発生を避けるために、曲面に形成されることが適切である。削孔によるスリットの形成が困難な場合には、二つの板部をスリット分の間隔を置いて組み合わせ、スリットの形成位置以外の区間を溶接することにより形成される。
ティーフランジが幅方向のティーウェブ寄りの区間において、柱部材側の板部と梁部材側の板部とに分離することで、各板部がそれぞれティーウェブからの引張力に抵抗することができる。このため、ティーフランジに形成される挿通孔の位置に合わせてスリットの区間を調整することで、図1−(a)に示すようにティーウェブから引張力が作用したときに、(b)に示すように幅方向端部寄りの挿通孔の位置に引張力の分力を作用させることが可能になる。
ここで、スリットによって板厚方向に分離した二つの板部のそれぞれにおいてボルトがティーウェブからの引張力に抵抗するよう、ティーフランジの幅方向に配列する複数列のボルトの内、ティーウェブ寄りのボルト、もしくはナットは柱部材側の板部に係止する。またティーウェブから遠い側のボルト、もしくはナットはティーフランジの表面に係止する(請求項5)。
ティーフランジの二つの板部の内、梁部材側の板部の幅方向中央部にティーウェブが接続するため、梁部材側の板部は図1−(b)に示すようにティーウェブからの引張力により湾曲しようとする。このとき、幅方向の剛性が急激に増大する、梁部材側の板部と柱部材側の板部が接続した(つながった)箇所に引張力の分力が作用しようとする。
このことから、ボルトが挿通するティーフランジの挿通孔がティーフランジの幅方向に複数列、例えば2列配列する場合に、ティーウェブ寄りの挿通孔と端部寄りの挿通孔との間で、二つの板部が接続していれば、2列のボルトの中間位置に引張力の分力が作用するため、両列のボルトに均等に引張力を負担させることが可能になる。
図1−(b)に示すようにティーウェブからの引張力によりティーフランジの内、梁部材側の板部が曲げ変形しようとし、曲げ変形がティーフランジの幅方向両側寄りに及んでいくに従い、柱部材側の板部に係止しているボルトと、ティーフランジ表面に係止しているボルトが引張力に抵抗する。ボルトがティーフランジの幅方向に2列の場合、引張力の分力はティーウェブ寄りのボルトとティーウェブから遠い側のボルトの中間に作用するため、この分力の両側に位置するボルトが均等に引張力を負担することになる。
以上のことから、請求項2に記載のようにティーフランジにボルトが挿通する挿通孔がティーフランジの幅方向に複数列形成される場合には、ティーフランジがティーウェブの位置から、ティーウェブ寄りの挿通孔とティーフランジの端部寄りの挿通孔との間までの区間において板厚方向に二つの板部に分離していることが適切である。
この場合、挿通孔が二列の場合を示す図1−(b)のように引張力の分力が二列のボルトの中間に作用するため、分力を二列のボルトが均等に負担することになり、ティーウェブ寄りのボルトの負担が相対的に大きくなる事態が回避され、継手効率が向上する。継手効率の向上はティーフランジの分離によって可能になるため、挿通孔は三列以上、形成される場合もあるが、分力が全ボルトに均等に分担される効果は二列の場合が最も高いと言える。
接合金物は請求項3に記載のようにティーフランジとティーウェブにおいて対称に、接合金物構成材に2分割されることもある。この場合、各接合金物構成材がティーウェブとティーフランジを有するL形の形状をすることから、図3に示すように2個で対になることにより各接合金物構成材のティーウェブが梁部材のフランジを上下から挟み込むため、梁部材フランジとは2面せん断摩擦接合されることになる。この結果、図1においてティーウェブを梁部材フランジに接合しているボルトの本数を削減(半減)することが可能になり、接合金物の小型化と施工性の向上を図ることが可能になる。
請求項3ではティーフランジが接合金物構成材単位に分離することで、分離しない場合よりティーフランジ、すなわち梁部材側の板部の曲げ剛性が低下するため、ティーウェブからの引張力により梁部材側の板部に変形が生じ易くなることが想定される。しかしながら、ティーフランジを柱部材に接合する複数列のボルトが柱部材側の板部と、ティーフランジに分散して係止していることで、梁部材側の板部の変形に関係なく各列のボルトが引張力に対して均等に抵抗することができるため、継手効率の低下は回避される。
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の接合金物は請求項4に記載のようにティーフランジにおいて柱部材のフランジに重なってボルト接合され、ティーウェブにおいて梁部材のフランジに重なってボルト接合されることにより柱部材と梁部材を接合し、柱・梁接合部を完成させる。ボルトがティーフランジの幅方向に複数列配列する場合には、前記の通り、複数列のボルトの内、ティーウェブ寄りのボルト、もしくはナットがスリットによって分離した柱部材側の板部に係止し、ティーウェブから遠い側のボルト、もしくはナットがティーフランジの表面に係止する。
ティーフランジとティーウェブを有する接合金物のティーフランジが板厚方向に二つの板部に分離しているため、ティーウェブからの引張力に対し、分離している柱部材側の板部と梁部材側の板部のそれぞれにおいて引張力に抵抗することができる。この結果、幅方向に複数列の挿通孔が形成される場合に、複数列の中間位置に引張力の分力を作用させることができるため、全ボルトに均等に引張力を負担させることができ、継手効率を向上させることが可能である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1はティーフランジ2とティーウェブ3を有し、ティーフランジ2が板厚方向に二つの板部21、22に分離している柱・梁接合部用接合金物(以下、接合金物と言う)1を用いた柱・梁接合部の例を示す。接合金物1はフランジ61を有する柱部材6とフランジ71を有する梁部材7を双方のフランジ61、71間に跨って接合する。図1は従来例を示す図8−(a)におけるいずれか一方の接合金物を含む部分を示している。
ティーフランジ2は接合金物1の幅方向にスリット2bが連続的に形成されることにより柱部材6側の板部21と梁部材7側の板部22に分離する。図1に示す接合金物1の単体を図4−(a)に示す。図4では接合金物1のティーウェブ3における挿通孔を省略している。
本発明では主に高強度鋼材の梁部材7と柱部材6を対象とするが、普通強度鋼材である場合も含む。高強度鋼材は現行の構造用鋼材(普通強度鋼材)の引張強度400N/mmの約2倍程度の800N/mm前後程度以上の引張強度を有する鋼材であり、1500N/mm前後程度までの引張強度を有する超高強度鋼材を含む。
図1−(a)はティーフランジ2を挿通するボルト4用の挿通孔2aがティーフランジ2の幅方向に二列配列する形式の接合金物1を示すが、挿通孔2aは三列以上、配列する場合もある。挿通孔2aが二列の場合、スリット2bはティーウェブ3の位置から、ティーウェブ3寄りの挿通孔2aとティーフランジ2端部寄りの挿通孔2aとの間までの区間に亘って形成され、この区間においてティーフランジ2が二つの板部21、22に分離する。二つの板部21、22の板厚は基本的に同一であるが、ティーウェブ3寄りの挿通孔2aとティーフランジ2端部寄りの挿通孔2aを挿通するボルト4が均等に引張力の分力を負担できるよう、調整されることもある。
具体的には図2に示すようにティーフランジ2の、ティーウェブ3を挟んだ一方側において上下に並列する挿通孔2a、2aの中間から、他方側の並列する挿通孔2a、2aの中間までの区間に亘ってスリット2bが形成される。
スリット2bは例えば図5−(a)に示すようにティーフランジ2の長さ方向(接合金物1の軸方向)に極細のドリル8で削孔を形成し、(b)、(c)に示すように削孔からワイヤカッター9を用いてティーフランジ2の幅方向に切削することにより形成される。この場合、(d)に示すようにスリット2bの幅は全長に亘って一定になるように整えられ、スリット2bの端部は応力の集中を回避するために、曲面状に加工される。
スリット2bを有するティーフランジ2はこの他、二つの板部21、22をスリット2b分の間隔を置いて組み合わせ、スリット2bの形成位置以外の区間を溶接することによっても形成される。
図5は予めスリット2bと挿通孔2aが形成されたティーフランジ2と、挿通孔が形成されたティーウェブ3を互いに溶接することにより接合金物1を製作する場合を示す。接合金物1はこの他、T形鋼を材軸に直交する面で切断した後、ティーフランジ2にスリット2bと挿通孔2aを、ティーウェブ3に挿通孔をそれぞれ形成することによっても製作される。
ティーフランジ2の幅方向に配列する複数列のボルト4の内、ティーウェブ3寄りのボルト4、もしくはナット5はスリット2bによって分離した柱部材6側の板部21に係止し、ティーウェブ3から遠い側のボルト4、もしくはナット5はティーフランジ2の表面に係止する。上下に配列する複数列のボルト4がティーウェブ3からの距離に応じ、柱部材6側の板部21とティーフランジ2の表面に係止することで、各列のボルト4がそれぞれティーウェブ3からの引張力を分担することになる。
ティーウェブ3寄りのボルト4、もしくはナット5を柱部材6側の板部21に係止させるために、梁部材7側の板部22の、柱部材6側の板部21に係止するボルト4等が納まる部分には図2に示すように貫通孔22aが形成される。ティーウェブ3寄りのボルト4が挿通する挿通孔2aは柱部材6側の板部21に形成され、この板部21の挿通孔2aに板部22の貫通孔22aが連続する。このボルト4は挿通孔2aを挿通し、貫通孔22aにボルト4の頭部、もしくはナット5が納まる。ナット5の緊結によりティーフランジ2の柱部材6側の板部21が柱部材6のフランジ61に接合される。
挿通孔2aが二列の場合、スリット2bの端部は図2に示すようにティーウェブ3寄りの挿通孔2aからティーウェブ3から遠い側の挿通孔2aまでの間に位置することから、ティーウェブ3から遠い側の挿通孔2aはスリット2bに面しないため、ティーフランジ2全体を貫通する。挿通孔2aが三列以上、形成される場合にも、スリット2bの端部が上下に隣接する挿通孔2a、2aの中間に位置するようにスリット2bの区間が調整される。
ティーウェブ3寄りの挿通孔2aとティーウェブ3から遠い側の挿通孔2aの長さ(深さ)が相違することに伴い、それぞれを挿通するボルト4の長さが相違し、各ボルト4の引張強度に差が生じ得る。このため、図面では各列のボルト4の長さをほぼ等しくするために、ティーウェブ3から遠い側の挿通孔2aの梁部材7側(ティーウェブ3側)に凹部(座ぐり)22bを形成している。各列のボルト4の長さの相違が許容される場合には、必ずしも凹部22bを形成する必要はない。
図3は図1に示す接合金物1をティーフランジ2とティーウェブ3において線対称に、接合金物構成材1A、1Aに2分割した形の接合金物1の使用例を示す。この場合、各接合金物構成材1Aがティーフランジ2とティーウェブ3を有することから、2個で一組になる。2個の接合金物構成材1A、1Aが一組になることで、ティーウェブ3、3が梁部材7のフランジ71を上下から挟み込み、ボルト4による摩擦接合が2面せん断摩擦接合になるため、図1に示す接合金物1のティーウェブ3を短くできる利点がある。図3に示す接合金物1の単体を図4−(b)に示す。
図1、図3の例ではティーフランジ2の幅方向両側が2枚の板部21、22の板厚の和分の厚さを有するため、板部21、22より剛性が大きい。このことから、各(b)に示すようにティーウェブ3からの引張力により梁部材7側の板部22が変形しようとするときに、ティーフランジ2の幅方向端部位置に、ティーフランジ2が柱部材6のフランジ61を押すてこ反力が生じようとする。このてこ反力によりティーフランジ2を貫通している、特にティーウェブ3から遠い側のボルト4の引張抵抗力が損なわれることがある。
そこで、図6ではティーフランジ2の幅方向端部寄りの部分の板厚を、いずれかの板部21、22の板厚に揃えることにより、ティーフランジ2端部の剛性を抑え、てこ反力の発生を抑制している。図6−(a)は図1に示す接合金物1においてティーフランジ2の端部の板厚を低減した場合、(b)は図3に示す接合金物1においてティーフランジ2の端部の板厚を低減した場合である。
図6に示す接合金物1は図1、図3に示す接合金物1において、凹部22bの深さに揃え、凹部22bから幅方向端部までの間の鋼材を除去した形に相当するため、凹部22bは形成されていないが、形成されることもある。
(a)は基本的な接合金物を用いて梁部材のフランジを柱部材のフランジに接合した様子を示した縦断面図、(b)は(a)の接合金物に梁部材のフランジから引張力が作用したときの様子を示した縦断面図、(c)は(a)に示す接合金物のティーウェブ側の面を示した立面図である。 図1−(a)のティーフランジ部分の拡大図である。 (a)は接合金物構成材に2分割された接合金物を用いて梁部材のフランジを柱部材のフランジに接合した様子を示した縦断面図、(b)は(a)の接合金物に梁部材のフランジから引張力が作用したときの様子を示した縦断面図、(c)は(a)に示す接合金物のティーウェブ側の面を示した立面図である。 (a)は図1に示す接合金物を示した斜視図、(b)は図3に示す接合金物を示した斜視図である。 (a)〜(d)はティーフランジへのスリットの形成手順例を示した斜視図である。 (a)はティーフランジの幅方向端部寄りの部分の板厚を抑えた、図1に示す接合金物の使用例を示した縦断面図、(b)は同じく図3に示す接合金物の使用例を示した縦断面図である。 (a)は従来の接合金物を用いた接合部を示した立面図、(b)は(a)の接合金物を示した側面図、(c)はボルトの本数を(a)の2倍にした接合金物を示した側面図、(d)は(c)の接合金物を用いた接合部における引張力とその分力の関係を示した立面図である。 (a)は従来の基本的な接合金物を用いた接合部を示した立面図、(b)は(a)に示す接合金物のティーフランジとティーウェブを接合するボルトの本数を2倍にした接合金物と接合部を示した立面図、(c)は(b)に示す接合金物のティーウェブを2列にした接合金物を示した立面図である。
符号の説明
1………接合金物
2………ティーフランジ
21……板部
22……板部
2a……挿通孔
2b……スリット
22a…貫通孔
22b…凹部
3………ティーウェブ
4………ボルト
5………ナット
1A……接合金物構成材
6………柱部材
61……フランジ
7………梁部材
71……フランジ
8………ドリル
9………ワイヤカッター

Claims (5)

  1. フランジを有する柱部材とフランジを有する梁部材を双方のフランジ間に跨って接合する、ティーフランジとティーウェブを有する接合金物であり、前記ティーフランジは板厚方向に二つの板部に分離していることを特徴とする柱・梁接合部用接合金物。
  2. 前記ティーフランジにボルトが挿通する挿通孔が前記ティーフランジの幅方向に複数列形成され、前記ティーフランジは前記ティーウェブの位置から、前記ティーウェブ寄りの挿通孔と前記ティーフランジの端部寄りの挿通孔との間までの区間において二つの板部に分離していることを特徴とする請求項1に記載の柱・梁接合部用接合金物。
  3. 前記ティーフランジと前記ティーウェブにおいて対称に、接合金物構成材に2分割されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の柱・梁接合部用接合金物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の柱・梁接合部用接合金物の前記ティーフランジが前記柱部材のフランジに重なってボルト接合され、前記ティーウェブが前記梁部材のフランジに重なってボルト接合されて前記柱部材と前記梁部材が接合されていることを特徴とする柱・梁接合部。
  5. 前記ティーフランジの幅方向に配列する複数列のボルトの内、前記ティーウェブ寄りのボルト、もしくはナットは前記柱部材側の板部に係止し、前記ティーウェブから遠い側のボルト、もしくはナットは前記ティーフランジの表面に係止していることを特徴とする請求項4に記載の柱・梁接合部。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103806542A (zh) * 2014-02-11 2014-05-21 同济大学 用于钢结构梁柱连接的铸钢模块化连接件以及连接节点
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