JP2008111018A - 難燃性ポリエステル共重合体及び難燃性ポリエステル繊維 - Google Patents

難燃性ポリエステル共重合体及び難燃性ポリエステル繊維 Download PDF

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東義 鈴木
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Abstract

【課題】接炎時の耐ドリップ性が改善されると共に自己消火性も兼ね備え、かつ良好な物性や耐熱性を有する難燃性ポリエステル繊維などを与える難燃性ポリエステル共重合体及び該共重合体からからなる難燃性繊維を提供する。
【解決手段】特定の有機リン化合物をリン原子含有量として0.3〜1.5重量%及びナフタレン基又はジフェニレン基含有のジカルボン酸化合物をポリエステルの全酸成分に対し0.05〜0.5モル%共重合したポリエステル共重合体であって、融点225℃以上の共重合体とすることにより、耐ドリップ性の優れた難燃性ポリエステルが得られ、該共重合ポリエステルからLOI値が27以上の難燃性ポリエステル繊維を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性ポリエステル共重合体及び難燃性ポリエステル繊維に関するものである。さらに詳細には、耐溶融滴下性(耐ドリップ性)と自己消火性に優れた難燃性ポリエステル共重合体及び該共重合体からなる難燃性ポリエステル繊維に関するものである。
近年、各種有機高分子材料に対して難燃性の付与が要求され、種々の技術が開発されている。ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに、繊維、フィルム、樹脂として広く用いられているが、燃焼性が「可燃性」に分類され、空気中で燃焼する。このため従来からポリエステルの難燃性を高める方法が種々開発されている。例えばポリエチレンテレフタレートを主とするポリエステル繊維ついて説明すると、その難燃性を高める方法として(1)後加工法、(2)ブレンド法、(3)共重合法の3つの方法が知られている。
上記(1)の後加工法は、糸や織編物で処理する方法であり、ハロゲン系難燃剤を浴中法又はパディング法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法(特許文献1参照)や、地球環境保全に対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない難燃加工技術としてリン系難燃剤を浴中法又はパディング法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法(特許文献2参照)が提案されている。上記(2)のブレンド法は、難燃剤をポリエステルの製造段階もしくは紡糸段階でポリマーに練り込む方法であるが、この方法は技術的に種々の困難性があり、実用化された例は少ない。上記(3)の共重合法としては、リンを含む共重合性のモノマー(難燃剤)をポリエステルの製造段階で反応系に添加してポリエステルにランダムに共重合する方法が実用化されており、このようなモノマーとしてはカルボキシホスフィン酸系化合物(特許文献3参照)やホスファフェナンスレン系化合物(特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、上記した方法はいずれもリン化合物の特徴である自己消火性とリン化合物による溶融粘度低下に基づく溶融ドリップ促進効果により繊維が溶融滴下して火源から除かれる作用効果によるドリップ促進型の難燃性付与方法であり、溶融を阻害する混紡繊維製品への適用が難しいことや、皮膚に付着すると火傷の危険性があり、しかもドリップによる二次延焼火災の危険性があるという問題があった。
このような背景から、接炎時の耐ドリップ性が改善されると共に自己消火性も兼ね備えた難燃性ポリエステル繊維が望まれていた。
特開昭62−57985号公報 特開2001−11775号公報 特公昭53−13479号公報 特公昭55−41610号公報
本発明は、上記背景に鑑みなされたもので、その目的は、接炎時の耐ドリップ性が改善されると共に自己消火性も兼ね備えた難燃性ポリエステル繊維などの成形体を与えることのできる新規な難燃性ポリエステル共重合体及び該共重合体からなる難燃性ポリエステル繊維を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ホスファフェナンスレン系化合物を共重合したポリエステルに着目して種々検討した結果、該ホスファフェナンスレン系化合物の特定量を共重合すると共にナフタレンジカルボン酸又はジフェニレンジカルボン酸の特定量を共重合したポリエステル共重合体においては、融点が特定条件を満足した場合に、耐ドリップ性が著しく改善されると同時に優れた難燃性を付与できること見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を繰り返した結果完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の難燃性ポリエステル共重合体及び該共重合体化からなる難燃性繊維に係るものである。
1.下記一般式(1)で表わされる有機リン化合物がポリエステル共重合体中のリン原子の含有量として0.3〜1.5重量%及び下記一般式(2)で表わされるジカルボン酸化合物がポリエステル共重合体を構成する全酸成分に対して0.5〜5.0モル%となる量共重合された、225℃以上の融点を有するポリエステル共重合体であることを特徴とする難燃性ポリエステル共重合体。
Figure 2008111018
Figure 2008111018
2.窒素雰囲気下において室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの600℃到達時点における加熱残分量が15重量%以上、かつ空気雰囲気下において室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの減量開始温度が405℃以上である、上記1記載の難燃性ポリエステル共重合体。
3.上記1又は2に記載の難燃性ポリエステル共重合体から実質的になる、LOI値(限界酸素指数)が27以上である難燃性ポリエステル繊維。
である。
本発明によれば、燃焼時にドリップを抑制する難燃性の高いポリエステル共重合体が提供される。該共重合体は、繊維、フィルム、樹脂などの成形体にしたときに耐ドリップ型の優れた難燃性の成形体とすることができる。特に、本発明のポリエステル共重合体を溶融紡糸して製造したポリエステル繊維は、従来のドリップ型難燃性ポリエステル繊維とは異なり、耐ドリップ型の難燃性を呈するため、着炎部分のドリップが抑制される。このため、着炎物や溶融物による火傷や延焼の危険性を防ぐことができるので、カーテン、インテリア、椅子張りなどのホーム・リビングテキスタイル用途、衣料用途、産業用途などで好適に用いることができる。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸を主たる二官能性カルボン酸成分とし、エチレングルコール、ブチレングリコール、トリメテレングリコールなどの炭素数2〜4のアルキレングリコールを主たるグリコール成分とするポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルを主たる対象とする。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成される。例えばポリエチレンテレフタレートの場合、通常テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる第一段階の反応と、第一段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第二段階の反応によって製造される。
本発明の難燃性ポリエステル共重合体においては、上記ポリエステルに、第1の必須共重合成分として下記一般式(1)で表わされるホスファフェナンスレン系の有機リン化合物が共重合されていることが必要である。
Figure 2008111018
上記一般式(1)中、Rは1価のエステル形成性官能基であり、R、Rは互いに同一の又は相異なる基であって、それぞれ1価の炭素原子数1〜10の炭化水素基及びRと同一の基より選ばれ、Aは2価もしくは3価の有機残基を示す。n1は1又は2であり、n2、n3はそれぞれ0〜4の整数を表わす。
かかる有機リン化合物の好ましい具体例としては、下記式(a)〜(c)で表わされる化合物があげられる。
Figure 2008111018
上記の第1必須共重合成分である有機リン化合物の共重合量は、該ポリエステル共重合体中のリン原子の含有量として0.3〜1.5重量%の範囲であることが必要であり、好ましくは0.5〜1.0重量%の範囲、より好ましくは0.6〜0.9重量%の範囲である。この有機リン化合物の共重合量があまりに少ないと得られるポリエステル共重合体の自己消火性が不充分なものになる。一方、有機リン化合物の共重合量が多すぎると耐ドリップ性が不足するようになる。
本発明の難燃性ポリエステル共重合体には、さらに、上記有機リン化合物の他に下記一般式(2)で表わされる特定の芳香族ジカルボン酸化合物が第2の必須共重合成分として共重合されている必要がある。
Figure 2008111018
上記一般式(2)中、Bは上記の如きナフタレン基又はジフェニレン基を示し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、1価の低級アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基)又はフェニル基である。これらのR4及びR5は同一でも異なっていれもよい。なかでも、R4及びR5としては水素原子又はメチル基が特に好ましい。かかるジカルボン酸の好ましい具体例としては、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸及びそれらのジメチルエステルをあげることができ、なかでも分子構造的に対称性を有する2,6−ナフタレンジカルボン酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルが特に好ましい。
さらに、他のジカルボン酸の具体例としてはジフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニル−2,5’−ジカルボン酸、ジフェニル−2,6’−ジカルボン酸、ジフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニル−3,5’−ジカルボン酸、ジフェニル−3,6’−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニル−4,5’−ジカルボン酸、ジフェニル−4,6’−ジカルボン酸及びそれらのジメチルエステルをあげることができ、なかでもジフェニル−4,4’−ジカルボン酸又はジフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルが特に好ましい。
かかるジカルボン酸化合物は1種のみを単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記のジカルボン酸化合物の共重合量はポリエステル共重合体を構成する全酸成分に対して0.5〜5.0モル%の範囲であることが必要であり、なかでも1.0〜4.0モル%の範囲が好ましい。なお、上記のジカルボン酸を2種以上併用する場合は、その合計のモル%がこの範囲内となるようにしなければならない。このジカルボン酸化合物の共重合量があまりに少ないと得られるポリエステル共重合体の耐ドリップ性が不足するようになる。一方、このジカルボン酸化合物の共重合量が多すぎると得られるポリエステル共重合体の自己消火性が不充分なものになる。
上記のホスファフェナンスレン系の有機リン化合物及びジカルボン酸化合物の所定量をポリエステルに共重合するには、前述したポリエステルの合成が完了するまでの任意の段階、例えば第1段階の反応開始前、反応中、反応終了後、第2段階の反応中等の任意の段階でそれぞれを添加し、添加後重縮合反応を完結すればよい。
本発明の難燃性ポリエステル共重合体には、必要に応じて、任意の添加剤、例えば着色防止剤、耐熱剤、艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含まれていてもよい。
このようにして製造される難燃性ポリエテステル共重合体の融点は225℃以上であることが必要であり、融点は230〜250℃であることが好ましい。この共重合体の融点が225℃未満の場合には充分な耐ドリップ型の難燃性が得られない。本発明の難燃性ポリエステル共重合体の融点を225℃以上にするためには、上記した有機リン化合物及びジカルボン酸化合物のそれぞれの共重合量を、前記した範囲内において適宜調整すること及び難燃性ポリエステル共重合体の合成反応において反応条件や触媒条件を制御して副生するジエチレングリコールの量を調整することによって達成される。
本発明の難燃性ポリエステル共重合体は、TGA熱重量測定装置を用いた分析において窒素雰囲気下において室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの600℃到達時点における加熱残分量が15重量%以上(好ましくは、16〜30重量%)、かつ空気雰囲気下において室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの減量開始温度が405℃以上(好ましくは408〜420℃)であることが、耐ドリップ型の難燃性を得る上で好ましい。
このようにして得られた難燃性ポリエステル共重合体を成形するには、格別の方法を採用する必要はなく、通常のポリエステルの溶融成形法が任意に採用される。例えば繊維になす場合、紡出する繊維は中空部を有しない中実繊維であっても、中空部を有する中空繊維であってもよい。また紡出する繊維の横断面における外形や中空部の形状は、円形であっても異形であってもよい。製糸方法としては、500〜2500m/分の速度で溶融紡糸し、延伸・熱処理する方法、1500〜5000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸・仮撚加工を同時に又は続いて行う方法、5000m/分以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法等の製糸条件を任意に採用すればよい。
このようにして難燃性ポリエステル共重合体から溶融紡糸法によって製造された好ましい難燃性ポリエステル繊維は、LOI値(限界酸素指数)が27以上、特に27〜34の範囲内であるという特徴を有する。
本発明の難燃性ポリエステル共重合体は、フィルムやシート等の成形体にすることもでき、その際任意の成形条件を採用することができる。例えば、製膜後一方向のみに張力をかけて異方性を持たせる方法、同時に又は任意の順序で二方向に延伸する方法、二段以上の多段延伸する方法等任意の条件が採用される。
本発明によれば、燃焼時にドリップを抑制する難燃性の高いポリエステル共重合体が提供され、これを繊維、フィルム、樹脂などの成形体になしたときに耐ドリップ型の優れた難燃性の成形体を得ることができる。特に、本発明のポリエステル共重合体を溶融紡糸して製造したポリエステル繊維は、従来のドリップ型難燃性ポリエステル繊維とは異なり耐ドリップ型の難燃性を呈するため、着炎部分のドリップが抑制される。このため、着炎物や溶融物による火傷や延焼の危険性を防ぐことができるので、カーテン、インテリア、椅子張りなどのホーム・リビングテキスタイル用途、衣料用途、産業用途などで好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の部及び%は、特に断らない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
(1)融点
示差走査熱量計(TA Instruments社製 DSC2200 Differential Scanning Calorimeter)を用いて、20℃/分の昇温速度で280℃まで昇温した試料を0℃に冷却した試験管中で急冷し、非晶状態にした試料をさらに20℃/分の昇温速度で昇温し、JISK7121に準じて融解ピーク温度を測定して融点とした。
(2)600℃到達時点における加熱残分量:
TGA熱重量測定装置(メトラートレド社製 熱重量測定装置TGA851e)を用いた分析において、試料を窒素雰囲気下で室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの600℃到達時点における加熱残分量を、室温における測定開始時の試料重量に対する値で表示した。
(3)減量開始温度:
TGA熱重量測定装置(メトラートレド社製 熱重量測定装置TGA851e)を用い、乾燥ポリマー試料を空気雰囲気下で室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの試料の熱重量曲線を測定し、JISK−7120に従って減量開始温度を求めた。
(4)ポリマー試験小片の燃焼試験:
幅5mm、厚さ2mm、長さ5cmのポリマー試験小片を垂直に把持し、着火器具(岩谷産業製ガスマッチプロII)の炎を長さ30mmに調節して、試験小片の下端の中央部分に10秒間接炎し、試験小片に着火した。消炎すれば更に10秒間接炎して試験小片の燃焼状況を観察した燃焼状況は下記の表1に示す耐ドリップ性及び難燃性の評価基準に基づいて判定した。耐ドリップ性及び難燃性とも、評点が高いほど優れていることを示す。
Figure 2008111018
(5)糸強度:
オリエンテック社製テンシロンRTC−1210A型を用いた引張試験を行い、その強伸度曲線から求めた(糸長20cm、引張速度20cm/分)。
(6)繊維布帛のLOI値(限界酸素指数):
JIS L 1091 E−3号(ガラス繊維ミシン縫い)に従って測定した。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル3.90部(テレフタル酸ジメチルに対して3.0モル%)、エチレングリコール63部、酢酸マンガン4水塩0.039部(全酸成分に対して0.03モル%)及び整色剤として酢酸コバルト4水塩0.004部(全酸成分に対して0.003モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸トリメチル0.027部(全酸成分に対して0.036モル%)を加えた。次いで10分後に三酸化アンチモン0.042部(全酸成分に対して0.027モル%)を添加し、同時に過剰のエチレングリコールを追出しながら240℃まで昇温した後重合缶に移した。
重合缶に上記式(a)で示される有機リン化合物の63%エチレングリコール溶液15.4部(テレフタル酸ジメチルに対してリン原子として0.69%、ポリエステル共重合体中のリン原子として0.62%)を添加した後、1時間かけて760Torrから1Torrまで減圧し、同時に1時間30分かけて240℃から280℃まで昇温した。さらに、1Torr以下の減圧下、重合温度280℃で2時間重合を行った。その後、得られたポリマー(ポリエステル共重合体)を常法に従ってチップ化した。
このチップをDSC融点測定、TGA熱重量測定及び燃焼試験に供した。その結果は後掲の表1に示す通りであった。
また、このチップを常法に従って乾燥後、孔径0.3mmの円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して285℃で溶融紡糸した。次いで、得られた未延伸糸を、最終的に得られる延伸糸の伸度が30%になるような延伸倍率にて84℃の加熱ローラーと180℃のプレートヒーターを用いて延伸熱処理を行い、繊度84デシテックス/24フィラメント、強度4.2cN/dtexの延伸糸を得た。得られた延伸糸を用いて常法に従って筒編地を製編し、精練、プリセットを施した後、LOI値(限界酸素指数)を測定した。その結果は後掲の表2に示す通りであった。
[実施例2〜5及び比較例1〜3]
実施例1において使用した2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの使用量を表1記載の量とする以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果は後掲の表2に示す通りであった。
[実施例6〜7及び比較例4〜6]
実施例1において使用した上記式(a)で示される有機リン化合物及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの使用量をそれぞれ表1記載の量とする以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果は後掲の表2に示す通りであった。
[実施例8]
実施例1において使用した上記式(a)で示される有機リン化合物に代えて上記式(b)で示される有機リン化合物を使用する以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果は後掲の表2に示す通りであった。
[実施例9]
実施例1において使用した上記式(a)で示される有機リン化合物に代えて上記式(c)で示される有機リン化合物を使用する以外は実施例1と同様に行った。結果を後掲の表2に示す通りであった。
[実施例10〜12]
実施例1において使用した2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルに代えてジフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルを表1記載の量使用する以外は実施例1と同様に行った。結果は表2に示す通りであった。
Figure 2008111018
本発明によれば、燃焼時にドリップを抑制する難燃性の高いポリエステル共重合体が提供され、該共重合体から、繊維、フィルム、樹脂などの成形体になした時に耐ドリップ型の優れた難燃性の成形体を得ることができる。特に、本発明のポリエステル共重合体を溶融紡糸して製造したポリエステル繊維は、従来のドリップ型難燃性ポリエステル繊維とは異なり、耐ドリップ型の難燃性を呈するため、着炎部分のドリップが抑制される。このため、着炎物や溶融物による火傷や延焼の危険性を防ぐことができるので、カーテン、インテリア、椅子張りなどのホーム・リビングテキスタイル用途、衣料用途、産業用途などで好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表わされる有機リン化合物がポリエステル共重合体中のリン原子の含有量として0.3〜1.5重量%及び下記一般式(2)で表わされるジカルボン酸化合物がポリエステル共重合体を構成する全酸成分に対して0.5〜5.0モル%となる量共重合された、225℃以上の融点を有するポリエステル共重合体であることを特徴とする難燃性ポリエステル共重合体。
    Figure 2008111018
    Figure 2008111018
  2. 窒素雰囲気下において室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの600℃到達時点における加熱残分量が15重量%以上であり、かつ空気雰囲気下において室温から10℃/分の昇温速度で加熱したときの減量開始温度が405℃以上であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリエステル共重合体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の難燃性ポリエステル共重合体から実質的になり、かつ、LOI値(限界酸素指数)が27以上であることを特徴とする難燃性ポリエステル繊維。
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