JP2008110335A - 積層パネルの表層材剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯材の両面に薄い鉄板、アルミニウム板、樹脂板などを積層したパネルの残材や廃材から表層材を効率よく剥離する装置を提供することにより、従来廃棄物として焼却されていた積層パネルの残材ないし廃材のリサイクルを可能にする。
【解決手段】細長い矩形状のテーブルと、このテーブルの長手一方端に配置した上下のカッタと、テーブル上の積層パネルを上記カッタに向けて押動するプッシュバーと、このプッシュバーを前記カッタに向けて移動させる移動駆動装置とを設ける。テーブルの端部両側に下方に付勢された軸受ブロック34を設けて、押えローラ6を軸支するローラ軸36の偏心軸端46を軸支し、この軸受ブロックに上カッタ7を取付ける。偏心軸端46を回動させることにより、上カッタの刃先辺と押えローラとの高さ関係を剥離する表層材の厚さに応じて調整する。
【選択図】図6
【解決手段】細長い矩形状のテーブルと、このテーブルの長手一方端に配置した上下のカッタと、テーブル上の積層パネルを上記カッタに向けて押動するプッシュバーと、このプッシュバーを前記カッタに向けて移動させる移動駆動装置とを設ける。テーブルの端部両側に下方に付勢された軸受ブロック34を設けて、押えローラ6を軸支するローラ軸36の偏心軸端46を軸支し、この軸受ブロックに上カッタ7を取付ける。偏心軸端46を回動させることにより、上カッタの刃先辺と押えローラとの高さ関係を剥離する表層材の厚さに応じて調整する。
【選択図】図6
Description
この発明は、板状の木材又は発泡樹脂の芯材の両面に薄い鉄板、アルミニウム板、樹脂板などを積層した積層パネル、特にその残材や廃材の表層材を芯材から剥離する装置に関するものである。
厚さ12〜20mmの木材や発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂の板材の両面に、表面側には厚さ0.1〜1mmの樹脂板又は鉄板を貼着し、裏面側には厚さ0.1〜0.5mmの鉄板又はアルミニウム板を貼着した積層パネルが、冷凍庫車の外壁及び後部扉、間仕切り壁などに使用されている。この積層パネルは、パネルメーカーが製造した所定寸法のものを適宜切断して使用するが、このとき、切り残った残材が出る。残材の寸法は、通常幅40〜250mmで、長さが1500mm程度である。
この積層パネルの残材は、手作業で芯材から表層材を剥離してリサイクルされる場合も一部にはあるが、殆どは産業廃棄物としてそのまま焼却処分されている。焼却処分では、表層材として使用されていた鉄板は焼け残ってリサイクル可能であるが、アルミニウム板は溶けて灰と混じって塊状となり、埋立処分するしかないのが現状である。
資源の枯渇や地球温暖化などの環境破壊を軽減し、産業廃棄物の量を減らすためには、リサイクルによる残材や廃材の再利用を図ることが必要である。複合材をリサイクルするためには、複合されている材料を分離して回収することが必要であり、積層パネルの残材においては、表層材を芯材から剥離することが必要である。この剥離作業は、一部にはペンチなどを使って手作業で行われているが、非常に効率が悪く、腕力も必要で、大量の残材を処理することは到底不可能である。
また、これらの残材は、冷凍庫車のボディを製造している車体メーカや建築現場などの比較的中小規模の企業現場で発生する。このような中小の企業においては、産業廃棄物の処分に要する多額の費用が企業経営を圧迫しているという現状がある。
この発明は、簡便な装置で安価に積層パネルの表層材を効率よく剥離することができる装置を提供することにより、従来廃棄物として焼却されていた積層パネルの残材ないし廃材のリサイクルを可能にすることを課題としている。
上記課題を解決したこの発明の積層パネルの表層材剥離装置は、芯材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブル1と、このテーブルの長手一方端の両側に配置されて同期昇降自在かつ下方に付勢して設けられた軸受ブロック34と、この軸受ブロックに自由回転可能に軸支されて前記テーブルの上方に幅方向に装架された押えローラ6と、前記軸受ブロック34から反テーブル側に伸びる昇降腕44に装着された上カッタ7と、前記テーブルの上面より前記表層材の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて前記上カッタの下方に配置された下カッタ8と、前記上カッタと下カッタの間を通過する高さで前記テーブルの幅方向に装架されたプッシュバー2と、このプッシュバーを前記テーブルの上面の長手方向に沿って前記上下のカッタに向けて移動させる移動駆動装置3、21とを備えている。
押えローラ6は、積層パネル5がテーブル1から浮上がるのを防止している。押えローラ6は、処理される積層パネル5の厚さに応じて昇降し、この昇降に従って軸受ブロック34及び上カッタ7の刃先辺も昇降する。プッシュバー2は、テーブルの上面15との間に当該上面から下カッタ8の刃先までの高さを超える寸法の間隔を隔てて、当該テーブル1の短辺と平行に装架する。
本願の請求項1の発明に係る積層パネルの表層材剥離装置は、上記構造の積層パネルの表層材剥離装置において、前記テーブル1が、そのテーブル面をオペレータ側が低くなる方向に幅方向に傾斜させて設けられ、当該テーブルの長手方向所定位置の幅方向オペレータ側に設けられて前記プッシュバー2が当該テーブルとその上に載置された積層パネルとの間に進入したことを検出したときに当該プッシュバーの前進方向の移動を停止させるセンサ66、69を備えていることを特徴とするものである。
プッシュバー2がテーブル1とその上に載置された積層パネルとの間に進入する現象は、長手方向に曲り(そり)のある積層パネルをその中凸側の面を下にしてテーブル1に載置したときに発生する。オペーレータがそりのある積層パネルを載置するときにその中凸側の面が上になるように注意して作業を行えばよいが、この種の装置は積層パネルの廃材や残材を持ち込んだ多数の作業者によって運転される可能性があるので、そのような装置には、プッシュバー2が積層パネルの下に進入したことを検出するセンサ66、69を設けることが必要である。
テーブル面をオペレータ側が低くなる方向に幅方向に傾斜させて設けることにより、その上に載置される積層パネルは、その幅寸法の大小にかかわらず、テーブル1のオペレータ側の側縁に添って移動してゆく。センサ66、69を当該テーブルのオペレータ側に配置することにより、テーブル上の積層パネルの幅寸法の大小にかかわらず、プッシュバー2が積層パネルの下に潜り込んだことを検出することができるようになる。また、センサ66、69がテーブル上への積層パネルの載置作業の邪魔になるのを避けることができる。
前記センサは、テーブル上への積層パネルの載置に支障が生じないように、テーブル1の上方に配置される。好ましいセンサとしてプッシュバー2を光学的に検出するセンサ66を挙げることができる。このセンサは、テーブル1の上方に配置されて所定のタイミングでその設置位置を通過するプッシュバー2を検出する。ブッシュバー2がテーブル1に載置した積層パネルの下に進入すると、検出用の光が積層パネルに遮られてプッシュバーが検出できなくなる。プッシュバー2が前進してセンサ66の下を通過するタイミングでセンサ66からプッシュバー検出信号が出力されなかったとき、制御器から移動駆動装置3、21に停止信号ないしプッシュバー2の原点位置への復帰信号を出力させる。
プッシュバー2が積層パネルの下に進入して前進を続けると、積層パネルの先端が押えローラ5で押えられている関係上、プッシュバー2の前進に伴って積層パネルの後部が持上げられる。従って、テーブル1の上方に積層パネルの後端部を検出する近接センサやリミットスイッチを設けることにより、プッシュバー2がテーブル1と積層パネルとの間に進入したことを検出することができる。
本願の請求項4の発明に係る積層パネルの表層材剥離装置は、芯材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する平面が細長い矩形状のテーブル1と、このテーブルの長手一方端の両側に配置されて同期昇降自在かつ下方に付勢して設けられた軸受ブロック34と、両端の偏心軸端46をこの軸受ブロック34に回動可能に軸支してテーブル1の上方に幅方向に装架されたローラ軸36と、このローラ軸に自由回転可能に軸支された押えローラ6と、前記軸受ブロック34から反テーブル側に一体に伸びる昇降腕44と、この昇降腕に固定された上カッタ7と、前記テーブルの上面より前記表層材の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて前記上カッタ7の下方に配置した下カッタ8と、前記偏心軸端44を回動させるハンドルないしレバー45と、前記上カッタ7と下カッタ8の間を通過する高さで前記テーブル1の幅方向に装架されたプッシュバー2と、このプッシュバーを前記テーブル1の上面の長手方向に沿って前記上下のカッタ7、8に向けて移動させる移動駆動装置3、21とを備えている。
ハンドルないしレバー45を操作してローラ軸36をその偏心軸端46回りに回動させることにより、上カッタ7の刃先辺を押えローラ6の下端より積層パネル5の表層材62の厚さを越える低さに位置させる。プッシュバー2は、テーブルの上面15から上カッタ7の刃先辺より低い高さでテーブル1の幅方向に装架する。
カッタ7、8は、刃先角が15°〜30°のものが好ましい。上下のカッタ7、8は、それらの背面が向き合うようにして、かつ、背面相互の間隔が反刃先辺側において若干広くなる方向に角度をつけて配置するのが好ましい。これにより、カッタ7、8で表層材62を剥離した後の芯材61が上下のカッタ7、8の間を円滑に通過して排出されるようになる。
カッタ7、8は、その刃先辺をプッシュバー2の移動方向と直交する方向に対して若干傾斜させて配置するのが好ましい。これにより、プッシュバー2に押された積層パネル5の端部に対するカッタ7、8の食い付きが良くなる。また、下記実施例に示すように、テーブル1の幅方向を水平面に対して30〜60°傾斜させ、上下のカッタ7、8の反テーブル側に当該カッタで剥離された表層材62を案内するガイド板64を設けることにより、剥離された表層材62の回収作業の作業性が改善される。
この発明により、従来産業廃棄物として焼却処分されていた積層パネルの残材から再利用可能な鉄板、アルミニウム板、樹脂板などを経済的に分離回収することが可能になり、これらの分離回収した材料を再利用することにより、資源の有効利用を図ることができ、産業廃棄物の減量及び環境破壊の低減を図ることが可能になる。
また、この発明の構造を採用することにより、上カッタの刃先辺の高さを剥離する表層材の厚さに応じて調整する作業が容易になる。また、その調整を可能にするための機構も簡単なので、装置コストを上昇させることなく表層材の厚さが異なる積層パネルを処理することができる装置が得られる。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。図1は以下に説明する表層材剥離装置の要部を概念的に示した斜視図で、1はテーブル、2はこのテーブルの長手方向(図1のL方向)に走行するプッシュバー、3はこのプッシュバーを走行させるためのチェーン、4はその駆動スプロケット、6は想像線で示したワーク(積層パネルの残材)5をテーブル面に押圧する押えローラ、7及び8は表層材剥離用のカッタである。
テーブル1は、図2に示すように、オペレータ側(図2の右側)が低くなる方向に45°傾斜させた状態で架台11上にブラケット12で固定されている。以下の説明及び図面では、傾斜しているテーブル1の面直角方向(図1、2のY方向)を上下方向、テーブル面と平行で前記長手方向と直交する方向を幅方向(図1、2のW方向)として説明する。
テーブル1は、図2に明示されているように、溝形鋼13の両側(幅方向の両側。以下同じ。)のフランジに角パイプ14を固定した構造で、溝形鋼13の底面によって形成されるテーブル上面15は、角パイプ14の上面より上方に位置している。テーブル1は、角パイプ14の外側(幅方向の外側。以下同じ。)側面に取り付けたブラケット12により架台11に固定されている。
テーブル1の両側の角パイプ14の長手両端には、図3に示すように、それぞれ駆動スプロケット4と従動スプロケット16とが配置されている。カッタ7、8を配置した側のスプロケットが駆動スプロケットで、両側の駆動スプロケット4は、幅方向の一本のスプロケット軸17の両側に固定されて同期駆動されている。駆動スプロケット4は、架台11に取り付けたモータ21(図4)により、チェーン3及びトルクリミッタ22を介して図1の矢印a方向に回転駆動される。トルクリミッタ22は、プッシュバー2に過負荷がかかったとき、チェーン3の駆動を停止させるための安全装置である。
駆動スプロケット4と従動スプロケット16との間に装架されたチェーン3は、角パイプ14の上下面に近接して走行している。チェーン3はガイドローラ付きのチェーンで、角パイプ14の上面には、このガイドローラを案内するレール23と押えレール24とが固定されている。レール23は、角パイプ14の上面に突出する長手方向の細い板材であり、押えレール24は、チェーン3の外側を囲むように屈曲された断面C形のテーブル長手方向に細長い板材である。チェーン3のガイドローラは、周溝を有するローラで、レール23及び押えレール24の長手方向の辺がその周溝に嵌まり込んだ状態でガイドローラを案内することにより、チェーン3の上下及び幅方向の振れを防止している。
角パイプ14の下側を通過するチェーン3の戻り側(緩み側となる。)は、角パイプ14の下面に固定したC形断面の板材からなる下レール25のみで案内されており、チェーン3が緩み側で垂れ下がるのを防止している。
チェーン3の全長の半分の間隔を置いた2箇所に、チェーンの長手方向から見てL字形をした羽根26を備えたチェーンリンクが取り付けられており、帯板状のプッシュバー2が、その両側端を当該羽根に固定されて、テーブル1の上面から僅かに離隔した状態で、幅方向に装架されている。プッシュバー2は、チェーン3の周長の半分長さの間隔で2本設けられており、チェーン3の周回により、2本のプッシュバー2が交互にテーブル上面を走行して、テーブル上面に載置されたワークを順次カッタ7、8に向けて押し動かす。
プッシュバー2は、駆動スプロケット4側を通過するとき、上下のカッタ7、8の間を通過することとなる。プッシュバー2とカッタ7、8の衝突を避けるために、プッシュバー2は高さ方向の位置を正確に案内することが必要である。この案内は、レール23と押えレール24でチェーン3の高さを規制することで実現できる。図の例では、溝形鋼13の側面に固定した長手方向に細長い板材からなる下ガイド27と、前述した押えレール24の背面に固定した下向きコの字形断面の長手方向に細長い上ガイド28の辺を、プッシュバー2の両側端部の上下面に滑り接触させて、プッシュバー2の高さ方向の案内を更に確実なものにしている。
図3〜6に詳細を示すように、テーブル1のワーク送り方向下流側(カッタ7、8を設けた側。以下、単に「下流側」と言い、その反対側を「上流側」と言う。)の端部には、テーブル1の上面を幅方向に跨ぐように低い横断フレーム31がその両側下部を角パイプ14の外側面に固定して装着されている。この横断フレームは、その両側の角の内側の部分に下流側に伸びる固定腕32を備えている。この固定腕の下流側端部内側には、上下方向のガイド溝33が形成されている。このガイド溝には、下流側に伸びる昇降腕44を一体に備えた軸受ブロック34が上下摺動自在に嵌挿されている。軸受ブロック34のガイド溝33に嵌まり込んでいる部分のすぐ内側の上流側を向く面に、上下方向のラック35が設けられている。
押えローラ6は、その中心を貫通するローラ軸36に自由回転可能に軸支されている。ローラ軸36は、両端に同一半径方向に同一量偏心した偏心軸端46を備えている。この偏心軸端46は、軸受ブロック34の軸受孔48を自由回転可能に貫通し固定腕32に設けた上下方向の長穴40に挿通されている。偏心軸端46の上下動端は、偏心軸端46が長穴40の上下端に衝突することにより規定されている。
固定腕の長孔40を貫通した偏心軸端46の一方には、レバー45が取付けられており、このレバーに隣接して、目盛り板47が軸受ブロック34に固定して設けられている。目盛り板47には、積層残材の表層材62の厚さに対応するレバー位置が目盛られている。目盛りに合わせてレバー45を回動すると、ローラ軸36が偏心軸端46回りに回動して、押えローラ6と軸受ブロック34との高さ関係が変化する。
固定腕32のガイド溝33より上流側の位置には、幅方向の軸受孔37が設けられ、この軸受孔に両側端を軸支されて同期シャフト38が装架されている。同期シャフト38の両側端部には、前記ラック35と噛合するセグメント歯車(扇状の歯車)39が固定されている。セグメント歯車39の同期シャフト38への固定構造は、すり割り付きの孔に同期シャフトを通してボルトですり割りを狭める方向に締め付けて固定する構造である。この同期構造により、両側の軸受ブロック34が、従って押えローラ6の両側端が同期昇降する。
同期シャフト38の中央部には、上流側に伸びるブラケット41が固定されており、このブラケットと横断フレーム31の上方に設けたばね受け42との間に引張りばね43が装架されている。この引張りばね43がセグメント歯車39を、従ってこれに噛合している軸受ブロック34に両側端を支持された押えローラ6を、下方に付勢して、押えローラ6の下を通過するワークをテーブル面に押し付けている。
軸受ブロック34から下流側に伸びる昇降腕44の下面には、上カッタ7の両端が固定されている。前述したレバー45は、押えローラ6の下端と軸受ブロック34との高さ関係を調整するので、当該レバーにより、押えローラで押えられる積層パネルの上面と上カッタ7の刃先との高さ関係を、積層パネル上面の表層材62の厚さに応じて調整することができる。調整した高さ関係は、適宜な固定構造、例えば、偏心軸端46が軸受ブロック34の軸受孔48を貫通している部分に鞍キー49を設けてねじ50で偏心軸端46の周面に押さえつけるなどの構造で固定する。
下カッタ8は、テーブル1の下流端に幅方向に軸支された支持軸51に固定されて下流側に伸びる下カッタ取付腕52の下流端部上面に固定されている。下カッタ取付腕52のの下流端部には、下方に伸びる二股腕53が固定されている。この二股腕の下端は、テーブル側面に基端を軸支54されて水平に伸びるねじ杆55に螺合された2個のナット56、56で挟着して連結されている。ナット56、56を螺進退させることにより、テーブル上面と下カッタ8の刃先との高さ関係を、積層残材下面の表層材の厚さに合わせて調整することができる。
積層パネルの表層材の厚さは、一般的には0.1〜0.5mmであるが、1mmを越えるものもある。上記の構造によれば、この表層材の厚さに応じて上下のカッタ7、8の刃先の高さを微調整できる。特に上述した上カッタの高さ調整構造では、上カッタ7が平行に昇降して高さ調整されるので、高さ調整に伴ってワークに対する刃先の角度が変わったり、刃先辺を斜めにしたカッタを用いたときに高さ調整に伴ってカッタの幅方向両端で高さに差が出たりするのを防止できる。
なお、カッタ7、8の刃先高さの調整は、それほど正確に行う必要はない。芯材が木材の積層パネルは、最初にカッタの刃先が食い込んだ後は、刃先の傾斜面の楔作用によって表層材がカッタの刃先に当るより前に引き剥がされており、芯材がポリウレタンのものでも、カッタの刃先に当るか当らないかの間に芯材と表層材とが剥離している。従ってカッタの刃先の微小な高さ誤差は、あまり問題にはならない。
表層材を剥離する積層パネル5は、図7に示すように、木材ないし発泡樹脂の芯材61の両面に薄い表層材62を貼り付けた構造である。表層材62は、鉄、アルミニウム又は樹枝のシートで、その厚さは0.1〜0.5mmが一般的である。全体の厚さは12〜18mm程度のものが多い。
この発明の表層材剥離装置は、このような積層パネルの残材ないし廃材をテーブル1上に載せ、モータ21を駆動することによりプッシュバー2で当該残材ないし廃材をカッタ7、8に向けて押進させることにより、カッタ7、8の刃先を表層材62と芯材61との境目付近に食い込ませ、カッタの刃先の傾斜面の楔作用により、上下の表層材62、62を上下のカッタで剥離するものである。
図の装置では、テーブル上を走行するプッシュバー2により、テーブル1上に次々と送り込まれる積層パネルの残材を次々と押動して、表層材の剥離処理を連続的に行うことができる。図の装置では、周回移動するチェーンによりプッシュバー2を走行させているが、プッシュバー2をチェーン3の正逆駆動やシリンダにより往復移動させる構造とすることも勿論可能である。このときは、戻り移動時にプッシュバーを高速走行させることにより、処理速度を向上させるのが良い。
カッタ7、8の刃先が表層材62と芯材61との境目付近に食い込むと、その後はカッタ7、8の刃先の傾斜面の楔作用により、表層材62が芯材61から引き剥がされるようにして剥離される。剥離した表層材には芯材が薄い膜状に付着するが、鉄板やアルミニウム板からなる表層材のリサイクルには支障はない。
カッタ7、8で表層材を剥離する直前の位置で、テーブル1上の積層パネルの表面を加熱すると、表層材の剥離がより円滑に行われ、かつ表層材への芯材の付着量を少なくすることができる。図示の装置には、テーブル上の積層パネルの下面を加熱空気で加熱しようとするときに、テーブル下に設けた熱風発生装置から加熱空気をテーブル上の積層パネルの下面に吹付けることができるように、長穴群65を設けてある。積層パネル上面の加熱は、この長穴群65の上方に熱風発生装置ないし熱風ダクトを設けて、その熱風をテーブル上を移動する積層パネルの上面に吹付けてやればよい。
カッタ7、8は、刃先角が15°〜30°とするのが好ましく、図8に示すように背面を向き合うようにして上下のカッタ7、8を配置するのが好ましい。図9に示すように、カッタ背面を外向きにして装着してもよいが、カッタ7、8の刃先角を変更したとき、カッタ取付腕44、52も変更する必要が生ずる。
上下のカッタ7、8の互いに向き合う面は、下流側において面相互の間隔が若干広くなるように、少し傾斜させて設置する。これにより、表層材を剥離した後の芯材が上下のカッタ7、8の間を円滑に通り抜けるようになる。上下のカッタ7、8は、その刃先の辺をテーブル幅方向に対して平面視で若干斜めにして装着するのが好ましい。この構造により、積層パネルの芯材にカッタ7、8の刃先が食い付きやすくなる。前述したように、カッタ7、8の刃先がワークに一旦食い付いた後は、刃先の傾斜面の楔作用により表層材が剥離されるので、カッタ7、8の刃先は切れ味のよい鋭利なものにする必要はなく、カッタ7、8の刃先の耐久性もよい。
上カッタ7は、押えローラ6を軸支している軸受ブロック34と一体となって昇降する。従って、ワークの厚さに応じて上カッタ7が自動的に昇降して、刃先の高さが自動的に調整される。従って、ワークの厚さが変わったときに人手による装置の段取り変えは不要である。
図8に示すように、上下のカッタ7、8の刃先に近接して、剥離した表層材をカッタ7、8との間で案内するガイド板64、64を設けることにより、剥離した表層材がカールして機械に巻きつくのを防止できると共に、上記実施例で示すようにテーブル上面15をオペレータ側に30°〜60°傾斜させた装置では、上面の積層材が装置前方へ、芯材がテーブルの長手方向延長上に、裏面の表層材が装置の後方へと分離されて排出されるので、剥離した後の表層材や芯材をまとめるのに非常に便利である。
この発明の表層材剥離装置には、プッシュバー2がテーブル上に置いた積層パネルの下に潜り込んだときにそれを検出してプッシュバー2の前進を停止させる安全装置を設けておくのが好ましい。この安全装置としては、例えばテーブルの長手方向所定の位置でプッシュバー2の上面を検出する光電センサなどを設け、プッシュバーが当該所定の位置を通過するタイミングでセンサがプッシュバーを検出しなかったときに、プッシュバーを移動させるモータ21に停止信号又は所定回転数の逆転信号を与えるようにすればよい。また、他の手段として、テーブルの上方に積層パネルの板厚の数倍の間隔を隔ててリミットスイッチゃ近接センサを設け、このセンサが積層パネルを検出したときに、モータ21に停止指令や所定回転数の逆転指令を与える手段がある。
図10は、前者の構造の一例を示した図で、テーブル1の下側の側辺に近い位置にテーブル面から積層パネル6の厚さの数倍の距離を離して反射型光電センサ66をテーブル面に向けて設置している。一方、プッシュバー2には、その上面の光電センサ66の検出ビーム67の照射位置を通過する位置に、反射鏡68を設けている。前述したように、テーブル1は、幅方向に傾斜しているので、積層パネルは幅寸法の大小に関わらず、常にテーブル1の下側の縁に沿って案内される。もし、プッシュバー2がテーブル1上に載置した積層パネルの下に潜り込んだ状態で前進すると、光電センサ66はプッシュバー2を検出しないので、プッシュバー2が光電センサ66の設置位置を通過するタイミングで光電センサ66が反射鏡68からの反射光を受信しなかったときは、図示しない制御器がプッシュバー移動用のモータ21の回転を停止させ、更にプッシュバー2をテーブル後端へ移動させる。
光電センサ66の設置位置は、テーブル1の長さ中間位置が適当である。積層パネルの長さが短ければ、積層パネルに反りがあってもプッシュバー2が積層パネルの下に潜り込むことがない。プッシュバー2が光電センサ66の設置位置を通過するタイミングは、プッシュバー2のスタート位置(プッシュバーを往復動させる構造の場合)又はテーブル後端近くに設けた通過センサの位置(プッシュバーを周回させる構造の場合)をプッシュバーが通過した後の経過時間で設定できる。他の手段として、テーブル1の上側側縁の光電センサ66の設置位置と対応する位置に、プッシュバー2を検出するセンサ70を設け、このセンサがプッシュバーを検出したタイミングで光電センサ66の信号の有無を検出する手段を採用することもできる。
図10の光電センサ66の代わりに近接センサ69を設け、当該近接センサを光電センサの場合よりもテーブルの後端側の位置にかつ光電センサの場合よりもテーブル面からの離隔距離を大きくして、設けることにより、プッシュバー2の潜り込みを検出することもできる。プッシュバー2が積層パネルの下に潜り込んで前進すると、積層パネルの後縁側は、その前進に伴って持ち上げられるから、その持ち上げられた積層パネルの後端部分を近接センサ69で検出することにより、プッシュバー2の潜り込みを検出することができる。この場合は、プッシュバー2の通過タイミングを検出する必要はなく、近接センサ69が物体を検出した信号を発したときに、プッシュバーの移動用モータ21を停止させてやればよい。
1 テーブル
2 プッシュバー
3 チェーン
5 積層パネル
6 押えローラ
7 カッタ
8 カッタ
34 軸受ブロック
36 ローラ軸
44 昇降腕
45 レバー
46 偏心軸端
61 芯材
62 表層材
66 光電センサ
69 近接センサ
2 プッシュバー
3 チェーン
5 積層パネル
6 押えローラ
7 カッタ
8 カッタ
34 軸受ブロック
36 ローラ軸
44 昇降腕
45 レバー
46 偏心軸端
61 芯材
62 表層材
66 光電センサ
69 近接センサ
Claims (8)
- 芯材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブル(1)と、このテーブルの長手一方端の両側に配置されて同期昇降自在かつ下方に付勢して設けられた軸受ブロック(34)と、この軸受ブロックに自由回転可能に軸支されて前記テーブルの上方に幅方向に装架された押えローラ(6)と、前記軸受ブロック(34)から反テーブル側に伸びる昇降腕(44)に装着された上カッタ(7)と、前記テーブルの上面より前記表層材の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて前記上カッタの下方に配置した下カッタ(8)と、前記上カッタと下カッタの間を通過する高さで前記テーブルの幅方向に装架されたプッシュバー(2)と、このプッシュバーを前記テーブルの上面の長手方向に沿って前記上下のカッタに向けて移動させる移動駆動装置(3,21)とを備え、
前記テーブルが、そのテーブル面をオペレータ側が低くなる方向に幅方向に傾斜させて設けられ、当該テーブルの長手方向所定位置の幅方向オペレータ側に設けられて前記プッシュバーが当該テーブルとその上に載置された積層パネルとの間に進入したことを検出したときに当該プッシュバーの前進方向の移動を停止させるセンサ(66,69)を備えている、積層パネルの表層材剥離装置。 - 前記センサが、テーブルの上方に配置されてプッシュバー(2)を光学的に検出するセンサ(66)である、請求項1記載の積層パネルの表層材剥離装置。
- 前記センサが、テーブルの上方に配置されてテーブル面から跳ね上がった積層パネルを検出するセンサ(69)である、請求項1記載の積層パネルの表層材剥離装置。
- 芯材の表面に表層材を貼着した積層パネルを滑り移動可能に載置する細長い矩形状のテーブル(1)と、このテーブルの長手一方端の両側に配置されて同期昇降自在かつ下方に付勢して設けられた軸受ブロック(34)と、この軸受ブロックに自由回転可能に軸支されて前記テーブルの上方に幅方向に装架された押えローラ(6)と、前記軸受ブロック(34)から反テーブル側に伸びる昇降腕(44)に装着された上カッタ(7)と、前記テーブルの上面より前記表層材の厚さを越える高さに刃先辺を位置させて前記上カッタの下方に配置した下カッタ(8)と、前記上カッタと下カッタの間を通過する高さで前記テーブルの幅方向に装架されたプッシュバー(2)と、このプッシュバーを前記テーブルの上面の長手方向に沿って前記上下のカッタに向けて移動させる移動駆動装置(3,21)とを備え、
前記押えローラは、両端の偏心軸端(46)を前記軸受ブロックに回動可能に軸支したローラ軸(36)に自由回転可能に軸支され、
前記上カッタ(7)は、前記軸受ブロックと一体の前記昇降腕に固定して設けられ、前記ローラ軸の偏心軸端を回動させるハンドルないしレバー(45)を備えている、積層パネルの表層材剥離装置。 - 前記上下のカッタ(7,8)の刃先角が15°〜30°で、当該上下のカッタがそれらの背面が向き合うように配置されていることを特徴とする、請求項1又は4記載の積層パネルの表層材剥離装置。
- 背面相互の間隔が反刃先辺側において若干広くなる方向に角度をつけて前記上下のカッタ(7,8)が設置されていることを特徴とする、請求項5記載の積層パネルの表層材剥離装置。
- 前記上下のカッタ(7,8)の刃先辺が前記プッシュバーの移動方向と直交する方向に対して傾斜していることを特徴とする、請求項1又は4記載の積層パネルの表層材剥離装置。
- 前記テーブル(1)がオペレータ側が低くなる方向に幅方向に傾斜している請求項1又は4記載の積層パネルの表層材の剥離装置において、上下のカッタの反テーブル側に当該カッタで剥離された表層材を案内するガイド板(64)を備えていることを特徴とする、積層パネルの表層材剥離装置。
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CN116512479A (zh) * | 2023-05-04 | 2023-08-01 | 连云港富程塑料包装有限公司 | 一种再生塑料编织袋再造粒回收装置及回收方法 |
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2007
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