JP2008109115A - 半導体チップ積層体及びその製造方法 - Google Patents

半導体チップ積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の半導体チップを積層してなる半導体チップ積層体であって、半導体チップに設けられた電気接続端子の接続不良が生じ難く、上層の半導体チップの傾きが抑制されている半導体チップ積層体、及び該半導体チップ積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】第1、第2の半導体チップ2、3が接着層4を介して積層されており、接着層4が、第1の半導体チップ2の上面2aと第2の半導体チップ3の下面3aとに接している粒子8を含む第1の層7と、第1の層7が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ粒子8を含まない第2の層9とからなり、第1の半導体チップ2に設けられた電気接続端子2bにバンプもしくはボンディングワイヤー6が接続されており、電気接続端子2bにバンプもしくはボンディングワイヤー6が接続されている部分が、粒子8を含まない第2の層9で覆われている、半導体チップ積層体1。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の半導体チップを積層してなる半導体チップ積層体であって、より詳細には、複数の半導体チップが接着層を介して積層されている半導体チップ積層体、及び該半導体チップ積層体の製造方法に関する。
電極を有する半導体チップの上面に、接着剤層を介して他の半導体チップが積層された半導体チップ積層体が広く知られている。
この種の半導体チップ積層体として、半導体チップ積層体の上面に設けられた電極がボンディングワイヤーに接続されており、該ボンディングワイヤーが接着剤層に埋め込まれた半導体チップ積層体が提案されている。
ボンディングワイヤーが接着剤層に埋め込まれた半導体チップ積層体の一例として、下記の特許文献1には、電極にワイヤーが接続されている第1の半導体チップの上面に、下面にシート状の粘着剤層が設けられた第2の半導体チップを粘着剤層側から積層した半導体装置が開示されている。特許文献1では、第1の半導体チップの上面に第2の半導体チップを積層する際に、粘着剤層にワイヤーを埋め込み、さらにワイヤーを埋め込んだ後に、粘着剤層を熱硬化させて半導体装置が構成されている。粘着剤層は均一な厚みを有するので、上層の第2の半導体チップの傾きを防ぐことができるとされている。
しかしながら、特許文献1では、厚みが均一なシート状の粘着剤層を用いたとしても、粘着剤層がワイヤーに十分に埋め込まれていないことがあり、それによってワイヤー部分の粘着剤層に浮きが生じ、上層の第2の半導体チップが傾くことがあった。
さらに、特許文献1では、加熱されたワイヤーに粘着剤層を接触させることにより粘着剤層を局部的に加熱し、ワイヤーの埋め込みが行われている。ところが、粘着剤層にワイヤーを埋め込む際の押圧や圧入速度によっては、粘着剤層が十分に加熱溶融せず、粘着剤層がワイヤーを押し倒したり、ワイヤー同士を接触させることがあり、ワイヤーの接続不良が生じることがあった。
他方、下記の特許文献2には、半導体チップ用の接着剤として、(A)熱硬化性樹脂組成物、および(B)熱硬化性樹脂組成物の硬化条件で溶融せず、接着剤硬化後の膜厚を実質的に規定する粒子径を有する硬質プラスチック微粒子を必須成分とする絶縁性接着剤が開示されている。特許文献2では、硬質プラスチック微粒子を含むことによって、接着層の厚みを均一にすることができるとされている。
特開2005−327789号公報 特開平11−189765号公報
上述したように、特許文献1の半導体装置では、粘着剤層がワイヤーに十分に埋め込まれていないことがあり、それによってワイヤー部分の粘着剤層に浮きが生じ、上層の第2の半導体チップが傾くことがあった。さらに、粘着剤層にワイヤーを埋め込む際の押圧や圧入速度によっては、粘着剤層が十分に加熱溶融せず、粘着剤層がワイヤーを押し倒したり、ワイヤー同士を接触させることがあり、ワイヤーの接続不良が生じることがあった。
他方、ボンディングワイヤーが接着剤層に埋め込まれた半導体チップ積層体を構成する際に、特許文献2に記載の絶縁性接着剤を用いて接着剤層を構成すれば、硬質プラスチック微粒子によって接着層の厚みを均一にすることができ、上層の半導体チップが傾くのを防ぐことができる。
しかしながら、特許文献2に記載の絶縁性接着剤を用いて接着剤層を構成した場合には、硬質プラスチック微粒子がワイヤーを押し倒したり、ワイヤー同士を接触させて、ワイヤーの接続不良が生じることがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、複数の半導体チップを積層してなる半導体チップ積層体であって、半導体チップに設けられた電気接続端子の接続不良が生じ難く、上層の半導体チップの傾きが抑制されている半導体チップ積層体、及び該半導体チップ積層体の製造方法を提供することにある。
第1の発明に係る半導体チップ積層体は、第1の半導体チップと、接着層を介して第1の半導体チップの上面に積層された第2の半導体チップとを備え、接着層が、第1の半導体チップの上面と第2の半導体チップの下面とに接している粒子を含む第1の層と、第1の層が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ粒子を含まない第2の層とからなり、第1の半導体チップの上面に電気接続端子が設けられており、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されており、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分が、粒子を含まない第2の層で覆われていることを特徴とする。
第2の発明に係る半導体チップ積層体は、第1の半導体チップと、接着層を介して第1の半導体チップの上面に積層された第2の半導体チップとを備え、接着層が、第1の半導体チップの上面と第2の半導体チップの下面とに接している粒子を含む第1の層と、第1の層が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ粒子を含まない第2の層とからなり、第1の半導体チップの上面に電気接続端子が設けられており、かつ第2の半導体チップの下面にバンプが設けられており、もしくは第2の半導体チップの下面に電気接続端子が設けられており、かつ第1の半導体チップの上面にバンプが設けられており、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子に、第2の半導体チップの下面又は第1の半導体チップの上面に設けられたバンプが接続されており、電気接続端子にバンプが接続されている部分及び/又はバンプが形成されている部分が、粒子を含まない第2の層で覆われていることを特徴とする。
本発明に係る半導体チップ積層体のある特定の局面では、粒子は、樹脂粒子をコアとし、樹脂粒子を被覆している金属層をシェアとするコアシェル構造の粒子である。
本発明に係る半導体チップ積層体の他の特定の局面では、粒子を含む第1の層は、板状のフィラーをさらに含んでいる。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法は、第1の発明の半導体チップ積層体の製造方法であって、電気接続端子が上面に設けられた第1の半導体チップと、第2の半導体チップとを用意する工程と、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子にボンディングワイヤーを接続する工程と、電気接続端子及びボンディングワイヤーが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップの上面に、粒子を含む第1の層を構成する第1の接着剤を塗布する工程と、第1の接着剤の塗布領域とは別の領域に、第2の層を構成する第2の接着剤を塗布する工程と、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップを積層する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る半導体チップ積層体の別の製造方法は、第2の発明の半導体チップ積層体の製造方法であって、電気接続端子又はバンプが上面に設けられた第1の半導体チップと、バンプ又は電気接続端子が下面に設けられた第2の半導体チップとを用意する工程と、電気接続端子及びバンプが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップの上面に、粒子を含む第1の層を構成する第1の接着剤を塗布する工程と、第1の接着剤の塗布領域とは別の領域に、第2の層を構成する第2の接着剤を塗布する工程と、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップを積層し、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子に、第2の半導体チップの下面又は第1の半導体チップの上面に設けられたバンプを接続する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法のある特定の局面では、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子が、第1の半導体チップ又は第2の半導体チップの縁部に設けられており、電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面に、第1の接着剤を塗布し、第1の接着剤の塗布領域よりも外側の第1の半導体チップの上面に、第2の接着剤を塗布している。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法の他の特定の局面では、電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面に、第2の接着剤を塗布している。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法の別の特定の局面では、平面視したときに、第2の接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、第2の接着剤を塗布している。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法のさらに別の特定の局面では、多角形の辺から内側に延びている凹部の縁の形状が円弧状である。
本発明に係る半導体チップ積層体の他の製造方法は、第1の発明の半導体チップ積層体の製造方法であって、電気接続端子が上面に設けられた第1の半導体チップと、第2の半導体チップとを用意する工程と、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子にボンディングワイヤーを接続する工程と、電気接続端子及びボンディングワイヤーが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップの上面に、接着層を形成するための接着剤を塗布する工程と、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップを積層する工程とを備え、接着剤として、硬化性化合物と、硬化剤と、CV値が10%以下の粒子とを含有し、かつ、E型粘度計を用いて接着剤の粘度を25℃で測定したときに、1rpmでの粘度が200Pa・s以下であり、10rpmでの粘度が100Pa・s以下であり、0.5rpmでの粘度が1rpmでの粘度の1.4〜3倍であり、1rpmでの粘度が10rpmでの粘度の2〜5倍である接着剤を用いて、平面視したときに、接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、接着剤を塗布することを特徴とする。
本発明に係る半導体チップ積層体のさらに他の製造方法は、第2の発明の半導体チップ積層体の製造方法であって、電気接続端子又はバンプが上面に設けられた第1の半導体チップと、バンプ又は電気接続端子が下面に設けられた第2の半導体チップとを用意する工程と、電気接続端子及びバンプが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップの上面に、接着層を形成するための接着剤を塗布する工程と、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップを積層し、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子に、第2の半導体チップの下面又は第1の半導体チップの上面に設けられたバンプを接続する工程とを備え、接着剤として、E型粘度計を用いて接着剤の粘度を25℃で測定したときに、1rpmでの粘度が200Pa・s以下であり、10rpmでの粘度が100Pa・s以下であり、0.5rpmでの粘度が1rpmでの粘度の1.4〜3倍であり、1rpmでの粘度が10rpmでの粘度の2〜5倍である接着剤を用いて、平面視したときに、接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、接着剤を塗布することを特徴とする。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法ある特定の局面では、凹部が設けられていないとした場合の多角形の面積をXとし、第1の半導体チップの上面の面積をYとしたときに、0.4Y<X<0.7Yを満たすように、接着剤が塗布される。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法の他の特定の局面では、接着剤が40〜120℃に加熱され、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップが積層される。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法のさらに他の特定の局面では、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子が、第1の半導体チップ又は第2の半導体チップの縁部に設けられており、電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面に、接着剤が塗布される。
第1の発明に係る半導体チップ積層体では、第1、第2の半導体チップが接着層を介して積層されており、該接着層が、第1の半導体チップの上面と第2の半導体チップの下面とに接している粒子を含む第1の層と、第1の層が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ粒子を含まない第2の層とからなり、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されており、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分が、粒子を含まない第2の層で覆われているので、粒子がワイヤーを押し倒したり、ワイヤー同士を接触させることがなく、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子の接続不良の発生を防ぐことができる。さらに、上層の第2の半導体チップの傾きを抑制することができる。
第2の発明に係る半導体チップ積層体では、第1、第2の半導体チップが接着層を介して積層されており、該接着層が、第1の半導体チップの上面と第2の半導体チップの下面とに接している粒子を含む第1の層と、第1の層が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ粒子を含まない第2の層とからなり、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子に、第2の半導体チップの下面又は第1の半導体チップの上面に設けられたバンプが接続されており、電気接続端子にバンプが接続されている部分及び/又はバンプが形成されている部分が、粒子を含まない第2の層で覆われているので、粒子がバンプと電気接続端子との接触を阻害することがなく、第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子の接続不良の発生を防ぐことができる。さらに、上層の第2の半導体チップの傾きを抑制することができる。
粒子が樹脂粒子をコアとし、樹脂粒子を被覆している金属層をシェアとするコアシェル構造の粒子である場合には、接着層の厚みを均一にすることができ、上層の第2の半導体チップの傾きをより一層抑制することができる。さらに、粒子を含む第1の層の放熱性が高められるので、半導体チップ積層体の熱による劣化を抑制することができる。
粒子を含む第1の層が板状のフィラーをさらに含む場合には、第1の層が高い放熱性を有するので、半導体チップ積層体の熱による劣化をより一層抑制することができる。
本発明に係る半導体チップ積層体の製造方法では、電気接続端子及びバンプもしくはボンディングワイヤーが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップの上面に、粒子を含む第1の層を構成する第1の接着剤を塗布しているので、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分を、粒子を含まない第2の層で覆うことができる。よって、第1の半導体チップの上面又は第1の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子の接続不良の発生を防ぐことができる。
第1の半導体チップの上面又は第2の半導体チップの下面に設けられた電気接続端子が、第1の半導体チップ又は第2の半導体チップの縁部に設けられており、電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面に、第1の接着剤を塗布し、
第1の接着剤の塗布領域よりも外側の第1の半導体チップの上面に、第2の接着剤に塗布する場合には、第2の半導体チップを積層する際に、粒子を含む第1の接着剤が電気接続端子及びバンプもしくはボンディングワイヤーに至るのを防止することができる。よって、粒子を含まない第2の層により、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分を容易に覆うことができる。
電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面に、第2の接着剤を塗布する場合には、第2の半導体チップを積層する際に、粒子を含む第1の接着剤が電気接続端子及びバンプもしくはボンディングワイヤーに至るのをより一層防止することができる。よって、粒子を含まない第2の層により、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分をより一層容易に覆うことができる。
平面視したときに、第2の接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、第2の接着剤を塗布する場合には、第1、第2の接着剤が所望の範囲に好適に広がり、接着層がチップ間の間隙を充分に埋めることができる。さらに、粒子を含む第1の接着剤が電気接続端子及びバンプもしくはボンディングワイヤーに至るのをより一層防止することができる。
多角形の辺から内側に延びている凹部の縁の形状が円弧状である場合には、第1、第2の接着剤が所望の範囲に好適に広がり、接着層がチップ間の間隙をより一層充分に埋めることができる。
本発明に係る半導体チップ積層体の他の製造方法によれば、電気接続端子及びバンプもしくはボンディングワイヤーが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップの上面に、上記特定の成分を含み、かつ上記特定の粘度を有する接着剤を上記特定の形状となるように塗布するので、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分を、粒子を含まない第2の層で覆うことができる。よって、第1の半導体チップの上面又は下面に設けられた電気接続端子の接続不良が生じ難い。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体を正面断面図で示す。
図1に示すように、半導体チップ積層体1は、第1の半導体チップ2の上面2aに、第2の半導体チップ3が積層された積層体からなる。第1の半導体チップ2と第2の半導体チップ3とは、接着層4を介して積層されている。半導体チップ積層体1は、基板5上に積層されている。
第1、第2の半導体チップ2、3は正方形の平面形状を有する。正方形の平面形状を有する半導体チップの大きさとしては、特に限定されないが、縦横長さ3〜20mm程度である。半導体チップの厚みとしては、特に限定されないが、例えば20〜400μm程度である。
なお、第1、第2の半導体チップ2、3は正方形の平面形状を有するが、第1、第2の半導体チップの形状は特に限定されず、第1、第2の半導体チップは長方形の平面形状を有していてもよい。長方形の平面形状を有する半導体チップの大きさとしては、特に限定されないが、例えば縦×横が9〜500mm程度である。
第1の半導体チップ2は上面2aに、複数の電気接続端子2bを有する。本実施形態では、図2に第1の半導体チップ2を平面図で示すように、電気接続端子2bは第1の半導体チップ2の縁部に4箇所設けられている。第1の半導体チップ2の上面2aに設けられた電気接続端子2bと、基板5上の電極パッド5aとは、ボンディングワイヤー6によって接続されている。半導体チップ積層体1では、電気接続端子2bは第1の半導体チップ2の縁部に4箇所設けられているが、電気接続端子の設置個数及び設置箇所は特に限定されず、適宜変更することができる。電気接続端子2bは、単一の端子から構成されていてもよく、また複数の端子から構成されていても良い。
上述のように、第1の半導体チップ2と第2の半導体チップ3とは、接着層4を介して積層されている。接着層4は、第1の半導体チップ2の上面2aと第2の半導体チップ3の下面3aとに接している複数の粒子8を含む第1の層7と、粒子8を含まない第2の層9とからなる。第2の層9は、第1の層7が設けられている領域とは別の領域に設けられている。粒子8は、第1の半導体チップ2と第2の半導体チップ3との間隔を規制している。
電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分の接着層4は、粒子8を含まない第2の層9とされている。具体的には、第1の半導体チップ2の上面2aの縁部に電気接続端子2bが設けられているが、該電気接続端子2bが設けられている領域に、粒子8を含まない第2の層9が位置している。また、粒子8を含まない第2の層9よりも内側の領域に、粒子8を含む第1の層7が位置している。
よって、電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分が、粒子8を含まない第2の層9で覆われているので、半導体チップ積層体1では、粒子8がワイヤーを押し倒したり、ワイヤー同士を接触させることが防止されている。よって、電気接続端子2bにおいてワイヤーの接続不良の発生が防がれている。
さらに、電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分を覆っている第2の層9が設けられている領域とは別の領域の接着層4が、第1の半導体チップ2の上面2aと、第2の半導体チップ3の下面3aとに接している複数の粒子8を含む第1の層7を含むので、第2の半導体チップ3の傾きが抑制されている。
次に、上述した半導体チップ積層体1を得ることができる本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を以下説明する。
先ず、電気接続端子2bを上面2aに有する第1の半導体チップ2を用意し、基板5上に積層する。次に、電気接続端子2bと、基板5上の電極パッド5aとを、ボンディングワイヤー6によって接続する。
なお、上記第1,第2の半導体チップ2,3に代えて、電気接続端子又はバンプが上面に設けられた第1の半導体チップと、バンプ又は電気接続端子が下面に設けられた第2の半導体チップを用いてもよい。この場合、第1の半導体チップの上面に第2の半導体チップを積層する際に、電気接続端子とバンプとが接続される。
次に、図3に、第1、第2の接着剤の塗布領域を略図的平面図で示すように、電気接続端子2b及びボンディングワイヤー6が配置された領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップ2の上面2aに、粒子8を含む第1の層7を構成する第1の接着剤7Aを塗布する。第1の接着剤7Aは、第2の半導体チップ3を積層した後に、電気接続端子2bに至らないように塗布される。また、第1の接着剤7Aが塗布される領域とは別の領域に、第1の半導体チップ2の上面2aに、粒子8を含まない第2の層9を構成する第2の接着剤9Aを塗布する。
ここでは、電気接続端子2bが設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップ2の上面2aに、粒子8を含む第1の接着剤7Aを塗布している。また、第1の接着剤7Aの塗布領域よりも外側であり、電気接続端子2bが設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップ2の上面2aに、第2の接着剤9Aを円環状に塗布している。第1の接着剤7Aと第2の接着剤9Aとは、互いに隣接するように塗布されている。
第1の接着剤と第2の接着剤とを塗布する順序は特に限定されず、第1の接着剤を第2の接着剤よりも先に塗布してもよく、第2の接着剤を第1の接着剤よりも先に塗布してもよい。また、電気接続端子2bを覆うように、第1の半導体チップ2の上面2aに、第2の接着剤9Aを塗布してもよい。
第1の接着剤7A及び第2の接着剤9Aを第1の半導体チップ2の上面2aに塗布した後に、第1の半導体チップ2の上面2aに、第1、第2の接着剤7A、9Aを押し広げつつ第2の半導体チップ3を積層し、接合する。
図4に、第1、第2の接着剤の塗布領域を略図的平面図で示すように、第2の半導体チップ3を積層した後には、押し拡げられた第2の接着剤9Aは、電気接続端子2bを覆っている。一方、押し拡げられた第1の接着剤7Aは、電気接続端子2bよりも内側に位置している。
このようにして、第1の接着剤7Aからなる第1の層7と第2の接着剤9Aからなる第2の層9とからなる接着層4を構成し、該接着層4を介して第1、第2の半導体チップ2、3が積層された半導体チップ積層体1を得ることができる。
なお、図8に示すように、第2の接着剤9Aの塗布に際して、平面視したときに、第2の接着剤9Aの塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部9bをコーナー部9aに至らないように設けた形状となるように、第2の接着剤9Aを塗布することが好ましい。なお、上記多角形としては、四角形の他に三角形、五角形などが挙げられるが、図8に示すように、四角形であることが好ましく、上記外周縁の形状が四角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、四角形の各辺において外側に開いた凹部9bをコーナー部9aに至らないように設けた形状となるように、第2の接着剤9Aを塗布することが好ましい。
また、図8では、第1の接着剤7Aは第2の接着剤9Aと同様の形状に塗布されており、平面視したときに、第1の接着剤7Aの塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部7bをコーナー部7aに至らないように設けた形状となるように、第1の接着剤7Aが塗布されている。第1の接着剤の塗布領域の外周縁の形状としては特に限定されないが、第2の接着剤と異なる形状であってもよいが、第2の接着剤と同じ形状であることが好ましい。なお、上記外周縁の形状は点描または線描で全体として上記形状を有していればよい。
第1、第2の接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、上記特定の形状となるように第1、第2の接着剤を塗布することにより、第2のチップを積層した場合に、接着層によりチップ間の間隙を充分に埋めることができ、好ましい。
図8では、多角形の辺から内側に延びている上記凹部7b、9bの縁の形状は円弧状とされているが、上記凹部の縁の形状としては特に限定されず、角形の形状でもよい。接着層がチップ間の間隙をより一層充分に埋めることができるので、上記凹部の縁の形状は円弧状であることが好ましく、楕円弧状であることがより好ましい。
上記多角形の辺の長さに対して、凹部の開いている部分の長さ、すなわち辺の切り欠いている部分の長さは、30〜99%であることが好ましい。30%未満であると、第2の半導体チップを積層する際に接着剤が押圧により広がり過ぎる場合があり、接着剤を上記特定の形状に塗布した効果が充分に得られない場合がある。また、99%を超えると、第2の半導体チップを積層する際の押圧によって接着剤が所望の形状に広がらず、信頼性にかける場合がある。
上記接着層4を構成する第1、第2の接着剤7A、9Aとしては、特に限定されないが、樹脂を含む樹脂材料を用いることができる。第1の接着剤と第2の接着剤とに用いられる樹脂材料は同一であってもよく、異なっていてもよい。
接着層4は樹脂材料を用いて構成されており、樹脂材料の175℃における弾性率は50MPa〜1GPaの範囲にあることが好ましい。樹脂材料の弾性率が50MPa未満であると、流動性が高すぎて、樹脂材料が広がりすぎることがあり、1GPaを超えると、流動性が低すぎて、樹脂材料が十分に広がらないことがある。また、樹脂材料の弾性率が50MPa〜1GPaの範囲にあると、接着層と半導体チップとの密着性が高められ、上層の第2の半導体チップの傾きをより一層抑制することができる。
上記樹脂としては、特に限定されないが、硬化性化合物を挙げることができる。第1、第2の接着剤として、硬化性化合物と硬化剤とを含む樹脂材料を好ましく用いることができる。
上記硬化性化合物としては、特に限定されず、付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合反応により硬化する化合物を用いることができる。具体的には、例えばユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性化合物を用いることができる。なかでも、支持層と基板もしくは半導体チップとの接合信頼性及び接合強度が高められることから、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましく、イミド骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましい。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及び、これらの水添加物等が挙げられる。なかでも、耐熱性が高められることから、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば大日本インキ化学工業社製のHP−4032、HP−4032D、HP−4700、HP−4701等が挙げられる。上記フルオレン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばナガセケムテックス社製のEX−1010、EX−1011、EX−1012、EX−1020、EX−1030、EX−1040、EX−1050、EX−1051、EX−1060等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂又はフルオレン型エポキシ樹脂としては、軟化点が60℃以下のものが好ましく用いられる。軟化点が60℃以下のものを用いることにより、粘度を下げるために樹脂材料中に希釈剤等の液状成分を多く配合しなくてもよくなり、硬化時及び硬化後に揮発成分の含有量を少なくすることができる。上記ナフタレン型エポキシ樹脂又はフルオレン型エポキシ樹脂として、軟化点が40℃以下のものがより好ましく用いられ、軟化点が20℃以下のものが更に好ましく用いられる。上記市販品のなかでは、HP−4032、HP−4032D、EX−1020が好ましく用いられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂及び/又はフルオレン型エポキシ樹脂を用いる場合、その配合量としては、樹脂材料100重量%中、40重量%以上であることが好ましい。ナフタレン型エポキシ樹脂及び/又はフルオレン型エポキシ樹脂が40重量%未満であると、耐熱性に劣ることがある。ナフタレン型エポキシ樹脂及び/又はフルオレン型エポキシ樹脂のより好ましい下限は60重量%、また、好ましい上限は90重量%である。
上記エポキシ樹脂としては、NBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を有するゴム変性エポキシ樹脂、可撓性エポキシ化合物等のエポキシ化合物が好ましく用いられる。これらのエポキシ化合物を用いた場合には、硬化後の柔軟性を高めることができる。
上記硬化性化合物の吸湿率の好ましい下限は1.1%、好ましい上限は1.5%である。吸湿率が1.1〜1.5%の範囲にある硬化性化合物としては、例えばナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記硬化剤としては特に限定されず、硬化性化合物と併せて、従来公知の硬化剤を適宜選択して用いることができる。硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合に好ましく用いられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化剤の配合量としては特に限定されないが、硬化性化合物の官能基と当量反応する硬化剤を用いる場合、硬化性化合物の官能基量に対して90〜110当量であることが好ましい。また、触媒として機能する硬化剤を用いる場合、硬化性化合物100重量部に対して、硬化剤の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部である。
硬化速度や硬化物の物性等を調整することができるため、樹脂材料は、硬化性化合物と硬化剤とに加えて硬化促進剤を含有してもよい。
上記硬化促進剤としては、特に限定されず、例えばイミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤が挙げられる。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等を調整するために反応系を制御しやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく用いられる。これらの硬化促進剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性基を保護したもの(四国化学工業社製、商品名「2MA−OK」)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量としては特に限定されず、硬化性化合物100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の融点は、120℃以上であることが好ましい。融点が120℃以上であると、樹脂材料を加熱した際にゲル化するのを抑制することができる。硬化剤及び硬化促進剤のうちいずれか一方は、粉体であることが好ましい。
融点が120℃以上である上記硬化剤としては、例えば、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フェラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、TD−2090等のフェノールノボラック樹脂、KH−6021等のビスフェノールAノボラック樹脂、KA−1165等のオルソクレゾールノボラック樹脂、EH−3636AS、EH−3842、EH−3780、EH−4339S、EH−4346S(以上、旭電化工業社製)等のジシアンジアミドが挙げられる。また、融点が120℃以上の材質で被覆されたマイクロカプセル型硬化剤も好適に用いることができる。
融点が120℃以上である上記硬化促進剤としては、例えば、2MZ,2MZ−P、2PZ,2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MA−OK、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT,VT−OK、MAVT、MAVT−OK(以上、四国化成工業社製)等が挙げられる。特に、130℃までは安定であり、かつ135〜200℃で活性化する硬化促進剤が好ましい。上述したもののなかでは、2MA−OK、2MAOK−PWが好ましい。これらの硬化促進剤を用いた場合、貯蔵安定性が高められ、熱に対する安定性及び速硬化性の両立が可能となる。
上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用い、かつ、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用する場合、硬化剤の配合量はエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。硬化剤の配合量が理論的に必要な当量を超えると、硬化後に水分によって塩素イオンが溶出しやすくなることがある。即ち、硬化剤が過剰であると、例えば、樹脂材料の硬化物から熱水で溶出成分を抽出した際に、抽出水のpHが4〜5程度となるため、エポキシ樹脂から多量の塩素イオンが溶出することがある。従って、樹脂材料の硬化物1gを、100℃の純水10gで2時間浸した後の純水のpHが6〜8であることが好ましく、pHが6.5〜7.5であることがより好ましい。
粘度を低くすることができるため、樹脂材料は、希釈剤を含有してもよい。希釈剤としては、エポキシ基を有するものが好ましく、1分子中のエポキシ基数の好ましい下限は2、好ましい上限は4である。エポキシ基数が2未満であると、硬化後に耐熱性に劣ることがあり、エポキシ基数が4を超えると、硬化によるひずみが発生したり、未硬化のエポキシ基が残存したりすることがあり、接合強度の低下、繰り返しの熱応力による接合不良が発生することがある。エポキシ基数の好ましい上限は3である。
また、上記希釈剤として、芳香環及び/又はジシクロペンタジエン構造を有する化合物が好ましく用いられる。
上記希釈剤は、120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量が1%以下であることが好ましい。重量減少量が1%を超えると、硬化中や硬化後に未反応物が揮発してしまい、半導体チップ積層体の生産性に劣ったり、半導体チップ等に悪影響を与えることがある。
また、上記希釈剤は、硬化性化合物よりも硬化開始温度が低く、硬化速度が大きいものが好ましく用いられる。
上記希釈剤の配合量としては、樹脂材料100重量%に対して、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は20重量%である。希釈剤の配合量が1〜20重量%の範囲外であると、樹脂材料の粘度を十分に低減することができないことがある。
樹脂材料は、上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することが好ましい。高分子化合物を含有することにより、熱によってひずみが生じる際の接合信頼性を高めることができる。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物としては、例えばアミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する高分子化合物が挙げられ、上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合に好ましく用いられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子化合物が好ましい。エポキシ基を有する高分子化合物を用いることで、樹脂材料の硬化物は優れた可撓性を発現し、接着層と半導体チップとの接合信頼性を高めることができる。
上記エポキシ基を有する高分子化合物としては、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含む高分子化合物を得ることができ、硬化物の機械的強度や耐熱性が高められるため、エポキシ基含有アクリル樹脂が好適に用いられる。これらのエポキシ基を有する高分子化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、高分子化合物の重量平均分子量の好ましい下限は1万である。重量平均分子量が1万未満であると、硬化物の可撓性が十分に高められないことがある。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、エポキシ当量の好ましい下限が200、好ましい上限が1000である。エポキシ当量が200未満であると、可撓性が充分に高められないことがあり、逆に1000を超えると、樹脂材料の硬化物の機械的強度や耐熱性に劣ることがある。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量としては、硬化性化合物100重量部に対し、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部である。高分子化合物が1重量部未満であると、熱ひずみに対する信頼性が十分に得られないことがあり、20重量部を超えると、耐熱性が低下することがある。
適度なチキソトロピー性を発現するために、樹脂材料は、チキソトロピー付与剤を含有することが好ましい。チキソトロピー付与剤としては特に限定されず、例えば、金属微粒子、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミニウム等の無機微粒子等を用いることができる。なかでも、ヒュームドシリカが好ましい。
上記チキソトロピー付与剤として、必要に応じて表面処理を行ったものを用いることができ、特に表面に疎水基を有する粒子を用いることが好ましい。具体的には、例えば表面を疎水化したヒュームドシリカ等が好ましく用いられる。
上記チキソトロピー付与剤として、粒子状のものを用いる場合、平均粒子径の好ましい上限は1μmである。粒子径が1μmを超えると、適度なチキソトロピー性を発現できないことがある。
上記チキソトロピー付与剤の配合量としては特に限定されないが、樹脂材料100重量%中、好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は20重量%である。特に、表面処理を行った粒子以外のチキソトロピー付与剤を用いる場合に、チキソトロピー付与剤が0.5〜20重量%の範囲で配合されていることが好ましい。チキソトロピー付与剤が0.5重量%未満であると、適度なチキソトロピー性が得られず、20重量%を超えると、支持層と基板もしくは半導体チップとの接合信頼性が低下することがある。チキソトロピー付与剤の配合量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は10重量%である。
第1の接着剤7Aは粒子8を含む。第1の接着剤7Aに含まれる粒子8は、第1の半導体チップ2の上面2aと第2の半導体チップ3の下面3aとに接触される。第1の接着剤7Aに含まれる上記粒子8としては、特に限定されないが、樹脂からなる樹脂粒子が好ましく用いられる。
上記樹脂粒子を構成する樹脂としては特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等が挙げられる。
上記樹脂粒子を構成する樹脂として、粒子の硬さと回復率を調整しやすく、耐熱性を高めることができるため、架橋樹脂を用いることが好ましい。
上記架橋樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、ベンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂が挙げられる。なかでも、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン系共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体が好ましい。これらの架橋樹脂を用いると、耐熱性が高められる。
上記粒子の形状としては、球状が好ましい。また、粒子の短径に対する粒子の長径の比(粒子の短径/粒子の長径)、すなわちアスペクト比の好ましい上限は1.1である。アスペクト比を1.1以下とすることで、半導体チップの傾きをより一層抑制することができる。なお、アスペクト比が1に近いほど、粒子は真球の形状を有する。
第1の接着剤100重量%中、上記粒子の配合量の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は5重量%である。粒子が0.01重量%未満であると、粒子によって半導体チップの間隔を一定にすることができないことがあり、5重量%を超えると、接着剤としての接着性能が低下することがある。
上記粒子の粒子径のCV値は、10%以下であることが好ましい。CV値が10%を超えると、粒子径のばらつきが大きく、半導体チップの間隔を一定にすることができないことがあり、第1、第2の半導体チップの間隔を規制する機能を十分に果たせないことがある。CV値は、6%以下であることがより好ましく、4%以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書においてCV値とは、下記式(1)により求められる値のことである。
粒子径のCV値(%)=(ρ2/Dn2)×100 (1)
上述した式(1)中、ρ2は粒子径の標準偏差を表し、Dn2は数平均粒子径を表す。
上記粒子の平均粒子径としては、所望とする半導体チップの間隔によって適切な粒子径を選択することができ、特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は200μmである。粒子径が5μm未満であると、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子の接続が困難なことがあり、200μmを超えると、半導体チップの間隔が必要以上に大きくなることがある。平均粒子径のより好ましい下限は9μm、好ましい上限は50μmである。
上記粒子の粒子径分布の標準偏差は、粒子の平均粒子径の10%以下であることが好ましい。標準偏差が10%以下であると、半導体チップの傾きをより一層抑制することができる。
上記粒子では、下記式(2)で表されるK値の好ましい下限が980N/mm、好ましい上限が4900N/mmである。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2 (2)
上述した式(2)中、F、Sはそれぞれ粒子を10%圧縮変形させたときの荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)を表し、Rは粒子の半径(mm)を表す。
上記K値は、以下の測定方法により測定することができる。
平滑表面を有する鋼板の上に粒子を散布した後、その中から1個の粒子を選び、微小圧縮試験機を用い、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面で微粒子を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。そして、得られた圧縮変位−荷重の関係から10%圧縮変形にさせたときの荷重値と圧縮変位とをそれぞれ求め、得られた測定結果からK値を算出する。
上記粒子を20℃で10%圧縮変形させた状態から解放した時の圧縮回復率の好ましい下限は20%である。圧縮回復率が20%以上であると、粒子が圧縮変形された状態から、粒子の形状が十分に回復するので、半導体チップの間隔を一定に保つことができる。
上記圧縮回復率は、以下の測定方法により測定することができる。
上記K値の測定の場合と同様の手法によって、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出し、反転荷重値まで圧縮した後、荷重を減らしていき、その際の荷重と圧縮変位との関係を測定する。得られた測定結果から圧縮回復率を算出する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。
上記粒子を含む第1の接着剤の粘度(23℃)は、10〜500Pa・sの範囲であることが好ましい。一方、第2の接着剤の粘度は、1〜200Pa・sの範囲であることが好ましい。後述のように、バンプ接続された半導体チップ積層体を形成する際に、アンダーフィル材と同様の使用方法で第2の層を形成する場合には、第2の接着剤の粘度は、100Pa・s以下であることが好ましく、10Pa・s以下であることがさらに好ましい。この粘度範囲にある第1、第2の接着剤を用いることで、接着層を構成する際に、第1、第2の接着剤が適度な流動性を有する。粒子を含む第1の接着剤が電気接続端子及びバンプもしくはボンディングワイヤーに至るのをより一層防止することができるので、粒子を含む第1の接着剤の粘度は、粒子を含有しない第2の接着剤の粘度よりも高いことが好ましい。
なお、第1の接着剤はフィルムであっても良く、その際、ボンディング時の温度で流動性が発現することが好ましい。
第1の接着剤は、板状のフィラーをさらに含むことが好ましく、第1の層が板状のフィラーをさらに含むことが好ましい。板状のフィラーを含む第1の層は、高い放熱性を有するので、半導体チップ積層体の熱による劣化をより一層抑制することができる。
上記板状のフィラーとしては、特に限定されないが、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属や、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム等からなるものを挙げることができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を以下説明する。
先ず、電気接続端子2bを上面2aに有する第1の半導体チップ2を用意し、該第1の半導体チップ2を基板5上に積層する。しかる後、電気接続端子2bと、基板5上の電極パッド5aとを、ボンディングワイヤー6により接続する。
なお、上記第1,第2の半導体チップ2,3に代えて、電気接続端子又はバンプが上面に設けられた第1の半導体チップと、バンプ又は電気接続端子が下面に設けられた第2の半導体チップを用いてもよい。この場合、第1の半導体チップの上面に第2の半導体チップを積層する際に、電気接続端子とバンプとが接続される。
次に、図9に、接着剤の塗布領域を略図的平面図で示すように、電気接続端子2b及びボンディングワイヤー6(図示せず)が配置された領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップ2の上面2aに、粒子8を含む第1の層7と、粒子を含まない第2の層9とからなる接着層4を形成するための接着剤51を塗布する。接着剤51は硬化性化合物と、硬化剤と、CV値が10%以下の粒子8とを含む。
図9では、2種類の接着剤を用いることなく、1種類の接着剤51のみが用いられている。電気接続端子2bが設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップ2の上面2aに、接着剤51が塗布されている。平面視したときに、接着剤51の塗布領域の外周縁の形状が、四角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、四角形の各辺において外側に開いた凹部51bをコーナー部51aに至らないように設けた形状となるように、接着剤51が塗布されている。
さらに、平面視したときに、凹部51bが設けられていないとした場合の四角形の面積をXとし、第1の半導体チップ2の上面2aの面積をYとしたときに、0.4Y<X<0.7Yを満たすように、接着剤51が塗布されている。上記四角形の面積Xは、図9の破線Aで囲まれている領域である。上記四角形の面積Xが、0.4Y以下であると、粒子8を含まない接着剤51成分が電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分まで充分に押し拡げられないことがある。0.7Y以上であると、接着剤51に含まれている粒子8が電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分まで至り易くなる。
上記接着剤51としては、E型粘度計を用いて接着剤51の粘度を25℃で測定したときに、1rpmでの粘度(以下粘度η1ともいう)が200Pa・s以下であり、10rpmでの粘度(以下粘度η10ともいう)が100Pa・s以下であり、0.5rpmでの粘度(以下粘度η0.5ともいう)が1rpmでの粘度の1.4〜3倍であり、1rpmでの粘度が10rpmでの粘度の2〜5倍である接着剤が用いられる。
第1の半導体チップ2の上面2aに、接着剤51を塗布した後に、図10(a),(b)に示すように、接着剤51を押し拡げるように、第1の半導体チップ2の上面2aに、第2の半導体チップ3を押圧しつつ積層する。
接着剤51が押し拡げられるにつれて、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔が次第に狭くなる。第2の半導体チップ3を押圧していくと、第2の半導体チップ3を押圧していても、第2の半導体チップ3の押し込みすなわち移動が一旦止まる現象がおこる。図11(a),(b)に示す移動が一旦止まった状態においては、粒子8の周囲に、粒子8を除く接着剤51成分が存在しており、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔は粒子8の粒子径よりも大きい。このような移動が一旦止まる現象が生じるのは、低速回転での接着剤51の粘度が上記特定の数値以下であること、並びに高速回転での接着剤51の粘度と低速回転での接着剤51の粘度との比が上記特定の範囲にあることに起因すると推察される。
第2の半導体チップ3の移動が一旦止まった状態においては、接着剤51は、電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分よりも内側に位置している。このとき、粒子8を含む接着剤51と粒子8を含まない接着剤51とが分離していないことが好ましく、粒子8を含む接着剤51が粒子8ごと均一に押し拡げられていることが好ましい。また、粒子8と第1,第2の半導体チップ2,3との間に1〜10μmの厚みの粒子8を除く接着剤51成分が存在することが好ましい。
第2の半導体チップ3の移動が一旦止まった状態から、第2の半導体チップ3をさらに押圧していくと、粒子8と第1,第2の半導体チップ2,3との間に存在していた接着剤51成分が次第に押し拡げられる。図12(a),(b)に示すように、粒子を含まない接着剤51成分は、第1,第2の半導体チップ2,3の外周縁近傍に至り、電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分に至る。第1,第2の半導体チップ2,3の間隔は、粒子8の粒子径と略同等となる。
このようにして、電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分よりも内側に、粒子8を含む接着剤51からなる第1の層が形成されており、かつ電気接続端子2bにボンディングワイヤー6が接続されている部分は粒子8を含まない接着剤51からなる第2の層9で覆われている半導体チップ積層体が得られる。
1種類の接着剤51のみを用いる場合には、接着剤51の塗布領域の外周縁の形状は、平面視したときに、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部51bがコーナー部51aに至らないように設けられた形状とされる。また、1種類の接着剤51を用いる場合には、平面視したときに、凹部51bが設けられていないとした場合の多角形の面積をXとし、第1の半導体チップ2の上面2aの面積をYとしたときに、0.4Y<X<0.7Yを満たすように、接着剤51が塗布されることが好ましい。
上記多角形としては特に限定されず、第1の半導体チップ2の形状や、該第1の半導体チップ2の上面2aに設けられた電気接続端子2bが配置されている形状等により適宜変更することができる。上記多角形としては、四角形の他に、三角形、五角形などが挙げられる。図9に示すように、上記多角形としては四角形が好ましく、上記外周縁の形状が四角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、四角形の各辺において外側に開いた凹部51bがコーナー部51aに至らないように設けられた形状となるように、接着剤51を塗布することが好ましい。
図9では、多角形の辺から内側に延びている凹部51bの縁の形状は円弧状とされている。すなわち、凹部51bは半円形の形状を有する。凹部51bは半円形の形状であるが、該凹部の形状は、三角形や四角形であってもよい。
上記多角形の辺の長さに対して、凹部51bの開いている部分の長さ、すなわち辺の切り欠いている部分の長さは、30〜99%であることが好ましい。30%未満であると、第2の半導体チップ3を積層する際に接着剤51が押圧により広がり過ぎる場合があり、接着剤51を上記特定の形状に塗布した効果が充分に得られない場合がある。また、99%を超えると、第2の半導体チップ3を積層する際の押圧によって接着剤51が所望の形状に広がらず、信頼性が低下する場合がある。
図13に、接着剤51の塗布領域の外周縁の形状の他の例を略図的平面図で示す。図13では、多角形の各辺において設けられた凹部51bの形状は、逆三角形の形状とされている。凹部51bには、凹部51bの内壁面から該凹部51bの開口に向かって突出した突出部51cが設けられている。突出部51cは、凹部51bの最深部に位置する逆三角形の頂点から、凹部51bの開口に向かって延ばされており、かつ該開口に至らないように設けられている。
このように、多角形の辺から内側に延びている凹部51bには、凹部51bの内壁面から該凹部51bの開口側に向かって突出した突出部が設けられていてもよい。突出部は、凹部51bの開口に至らないように設けられていることが好ましい。突出部は、凹部51bの最深部に設けられていることが好ましい。
上記接着剤51としては、粘度が上記特定の範囲にある接着剤が用いられる。接着剤51の粘度が上記特定の範囲にあることにより、接着剤51を所望とする形状に容易に塗布することができる。また、第1の半導体チップ2の上面2aに第2の半導体チップ3を積層するまで、塗布された接着剤51の形状が充分に保持され得る。さらに、第2の半導体チップ3の位置合わせを行った後に、第1の半導体チップ2の上面2aに第2の半導体チップ3を押圧しつつ積層することで、余剰の接着剤が押し拡げられ、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔を粒子8の粒子径と実質的に等しくすることができる。
接着剤51の粘度η1は、200Pa・s以下である。200Pa・sを超えると、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔が小さい半導体チップ積層体の製造の際に、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔を粒子8の粒子径まで縮めることが困難なことがあり、また粒子8を含まない接着剤51成分が、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分まで充分に押し拡げられないことがある。接着剤51の粘度η1の好ましい上限は、150Pa・sである。
接着剤51の粘度η1の好ましい下限は、50Pa・sである。50Pa・s未満であると、接着剤51に含まれている粒子8が、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分に至り易くなる。
接着剤51の粘度η10は、100Pa・s以下である。100Pa・sを超えると、接着剤51を所望とする形状に塗布することが困難となる。粘度η10の好ましい上限は、75Pa・sである。
接着剤51の粘度η10の好ましい下限は、5Pa・sである。5Pa・s未満であると、粒子8を含む接着剤51が、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分に至り易くなる。
接着剤51の粘度η0.5は、接着剤51の粘度η1の1.4〜3倍である。1.4倍未満であると、第2の半導体チップ3を積層するまで、塗布された接着剤51の形状を保持することが困難となる。3倍を超えると、第2の半導体チップ3を押圧しつつ積層しても、余剰の接着剤51が充分に押し拡げられず、粒子8を含まない接着剤51成分が、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分まで押し拡げられにくくなる。
接着剤51の粘度η1は、接着剤51の粘度η10の2〜5倍である。2倍未満であると、第2の半導体チップ3を積層するまで、塗布された接着剤51の形状を保持することが困難となる。5倍を超えると、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔が小さい半導体チップ積層体を製造する際に、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔を粒子8の粒子径まで縮めることが困難なことがある。粘度η1は、粘度η10の3倍以下が好ましい。
第1,第2の半導体チップ2,3は、室温(25℃)よりも高い温度で接合されてよい。接着剤51が加熱され、第1の半導体チップ2の上面2aに、第2の半導体チップ3が積層されてもよい。E型粘度計を用いて接合温度における接着剤51の粘度を測定したときに、接着剤51の10rpmでの粘度は、10Pa・s以下であることが好ましい。10Pa・sを超えると、第2の半導体チップ3を押圧しつつ積層しても、余剰の接着剤が充分に押し拡げられず、粒子8を含まない接着剤51成分が、電気接続端子にバンプもしくはボンディングワイヤーが接続されている部分まで押し拡げられにくくなる。接合温度における接着剤51の10rpmでの粘度の好ましい上限は、1Pa・sである。
第1,第2の半導体チップ2,3を加熱し、接合する際には、接合温度すなわち接着剤51の加熱温度は、40〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。接着剤51を所望の範囲に押し拡げることができる。
上記接着剤51は、硬化性化合物と、硬化剤と、CV値が10%以下の粒子8とを含む。
上記接着剤51に含まれる硬化性化合物としては特に限定されないが、上述した第1,第2の接着剤7A,9Aに配合される硬化性化合物を用いることができる。接着剤51に含まれる硬化性化合物としては、繰り返し単位中に芳香環を有する10量体以下の分子構造を持ち、25℃で結晶性固体であるエポキシ化合物(以下エポキシ化合物(A)という)が好ましい。接着剤51がエポキシ化合物(A)を含有する場合には、接着剤51の粘度を容易に上記特定の範囲とすることができ、第1,第2の半導体チップ2,3の接合温度での粘度特性をより一層高めることができる。
上記エポキシ化合物(A)は、繰り返し単位中に芳香環を有する10量体以下の分子構造を有する。このようなエポキシ化合物(A)は、極めて結晶性が高く、25℃で結晶性固体であるとともに、25℃よりも高い温度領域において粘度が急激に低下するという性質を有する。これは、エポキシ化合物(A)は、25℃では結晶性固体であるが、10量体以下と低分子量であるため、25℃を超えて加熱されると結晶構造が破壊されることによると考えられる。よって、50〜80℃の温度領域においてE型粘度計で測定された該エポキシ化合物(A)の粘度は低い。エポキシ化合物(A)の50〜80℃の温度領域における粘度の好ましい上限は、1Pa・sである。
エポキシ化合物(A)は10量体以下である。10量体を超えると、50〜80℃の温度領域における粘度が高くなり、第1,第2の半導体チップ2,3を接合したときに、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔を粒子8の粒子径と実質的に等しい距離にすることが困難となる。よって、第1,第2の半導体チップ2,3の間隔にばらつきが生じることがある。エポキシ化合物(A)は3量体以下であることが好ましい。
なお、上記エポキシ化合物(A)の50〜80℃の温度領域における粘度は、好ましくは1Pa・s以下であるが、該粘度とされる温度領域を50〜80℃としたのは、通常の半導体チップなどの電子部品の積層体の製造工程において、電子部品を加熱加圧する際の温度条件を考慮したものである。また、エポキシ化合物(A)は25℃で結晶性固体であるが、結晶性固体である温度を25℃としたのは、電子部品の接合を行うための接着剤の塗布は、通常室温で行われることを考慮したものである。
上記エポキシ化合物(A)としては特に限定されず、例えば、フェノール型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、フルオレン型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、レゾルシノール型エポキシ等が挙げられる。このようなエポキシ化合物(A)の市販品としては、例えば、EX−201(長瀬産業社製)、YSLV−80XY(東都化成社製)等が挙げられる。接着剤51は、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂又はレゾルシノール型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂又はレゾルシノール型エポキシ樹脂の軟化点は60℃以下が好ましい。軟化点が60℃以下である場合には、粘度挙動を容易に調整することができ、接着剤51の粘度を容易に上記特定の範囲とすることができる。上記ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂又はレゾルシノール型エポキシ樹脂の軟化点は40℃以下が好ましく、25℃以下がさらに好ましい。市販品としては、HP−4032、HP−4032D(大日本インキ化学工業社製)、EX−1020、EX−201(ナガセケムテックス社製)が好ましい。
接着剤51が硬化性化合物として上記ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂又はレゾルシノール型エポキシ樹脂を含む場合には、硬化性化合物100重量%中の上記ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂又はレゾルシノール型エポキシ樹脂の好ましい下限は40重量%である。40重量%未満であると、接着剤51の耐熱性が低下することがある。より好ましい下限は60重量%であり、好ましい上限は90重量%である。
接着剤51の粘度を上記特定の範囲に調整するために、接着剤51には、希釈剤をさらに添加してもよい。希釈剤としては、反応性希釈剤が好ましい。
接着剤51は、上記反応性希釈剤として、エポキシ化合物(以下希釈剤としてのエポキシ化合物をエポキシ化合物(B)という)を含んでいてもよい。接着剤51がエポキシ化合物(B)を含む場合には、粘度を容易に調整することができ、また、接着剤51のガラス転移温度を調整することもできる。
上記エポキシ化合物(B)としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、脂肪族環状骨格を有する10量体以下のエポキシ化合物等が挙げられる。
さらに、上記エポキシ化合物(B)としては、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ、シクロヘキサン型エポキシ等が挙げられる。市販品としては、例えば、EP−4088S(アデカ社製)、HP−7200(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
接着剤51が上記エポキシ化合物(B)を含む場合には、該エポキシ化合物(B)の配合割合としては、硬化性化合物100重量部に対して、エポキシ化合物(B)の好ましい下限は10重量部であり、好ましい上限は30重量部である。10重量部未満であると、エポキシ化合物(B)を添加した効果が充分に得られないことがあり、30重量部を超えると、接着剤51の粘度特性を充分に高められないことがある。エポキシ化合物(B)のより好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は30重量部である。
上記エポキシ化合物(B)は、10量体以下であることが好ましい。10量体を超えると、接着剤51の粘度が高くなり、塗布性が低下することがある。上記エポキシ化合物(B)は5量体以下であることが好ましい。
接着剤51がエポキシ化合物(A)とエポキシ化合物(B)とを含む場合には、エポキシ化合物(A)100重量部に対して、エポキシ化合物(B)の配合割合は50〜200重量部が好ましい。接着剤51がエポキシ化合物(A)及びエポキシ化合物(B)をこの範囲で含む場合には、接着剤51の粘度を容易に上記範囲にすることができ、粘度特性を高めることができる。
接着剤51には、非反応性希釈剤を添加してもよい。接着剤51が非反応性希釈剤を含む場合には、該非反応性希釈剤の配合割合としては、接着剤100重量%に対して、非反応性希釈剤の好ましい下限は1重量%であり、好ましい上限は20重量%である。1重量%未満であると、非反応性希釈剤を添加した効果が充分に得られないことがあり、20重量%を超えると、接着剤51の硬化物にボイドが生じることがある。
上記希釈剤の120℃での重量減少率量及び150℃での重量減少量の好ましい上限は1%である。1%を超えると、接着剤51の硬化中や硬化後に未反応物が揮発してしまい、生産性が低下したり、得られた半導体チップ積層体において希釈剤が悪影響を及ぼすことがある。
上記接着剤51に含まれる硬化剤としては特に限定されないが、上述した第1,第2の接着剤7A,9Aに含まれる硬化剤を用いることができる。
上記接着剤51に含まれる硬化剤としては、常温(25℃)で固体の粒子であり、かつ多官能の酸無水物硬化剤が好ましい。該酸無水物硬化剤は、上述した第1,第の接着剤7A,9Aの硬化剤としても用いることができる。
接着剤51が上記酸無水物硬化剤を含む場合には、第1,第2の半導体チップ2,3の接合の際の加熱で硬化剤が溶融し、接着剤51の粘度が低下する。よって、接着剤51の粘度特性を高めることができる。また、上記酸無水物硬化剤は、多官能であるので、硬化後の耐熱性が高められる。
3官能の上記酸無水物硬化剤としては、例えば、酸無水物無水トリメリット酸等が挙げられる。4官能の上記酸無水物硬化剤としては、例えば無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等が挙げられる。
上記酸無水物硬化剤の融点の好ましい下限は80℃である。上記酸無水物硬化剤の粒子径の好ましい下限は0.1μmであり、好ましい上限は10μmである。
上記接着剤51に含まれるCV値が10%以下の粒子8としては特に限定されないが、上述した第1の接着剤7Aに含まれる粒子8であって、CV値が10%以下のものを用いることができる。
接着剤51の粘度を上記特定の範囲に制御し、粘度特性を高めるために、接着剤51は上述したチキソトロピー付与剤をさらに含んでいてもよい。さらに、接着剤51は上述した硬化促進剤、硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物あるいは板状フィラーを含んでいてもよい。
図5に、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体を正面断面図で示す。
図5に示す半導体チップ積層体21では、接着層の構成が異なること以外は、半導体チップ積層体1と同様に構成されている。半導体チップ積層体1と同様に構成されているところは同一の符号を付してその説明を省略する。
半導体チップ積層体21では、第1の半導体チップ2の上面2aに、接着層22を介して第2の半導体チップ4が積層されている。接着層22は、第1の半導体チップ2の上面2aと第2の半導体チップ3の下面3aとに接している複数の粒子24を含む第1の層23と、粒子23を含まない第2の層25とからなる。第2の層25は、第1の層23が設けられている領域とは別の領域に設けられている。
粒子24は、樹脂粒子24aを金属層24bで被覆した粒子、すなわち樹脂粒子24aをコアとし、樹脂粒子24aを被覆している金属層24bをシェアとするコアシェル構造を有する。
半導体チップ積層体21では、粒子24により、第1の半導体チップ2と第2の半導体チップ3との間隔が規制されており、第2の半導体チップ3が傾くことが防がれている。このように、第1の層に含まれる粒子は、樹脂粒子をコアとし、金属層をシェルとするコアシェル構造を有する粒子であってもよい。このコアシェル構造を有する粒子を用いると、半導体チップの傾きをより一層抑制することができ、また第1の層の放熱性が高められるので、半導体チップ積層体の熱による劣化を抑制することができる。
上記コアシェル構造を有する粒子の樹脂粒子としては、上述した樹脂粒子を用いることができる。
上記コアシェル構造を有する粒子の金属層の材料としては、特に限定されないが、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等を挙げることができる。なかでも、放熱性に優れているので、金、銀、アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種からなる金属層を有する粒子が好ましく用いられる。
図6に、本発明の別の実施形態に係る半導体チップ積層体を正面断面図で示す。
図6に示す半導体チップ積層体31では、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子が、ワイヤーボンディングに代えてバンプ接続されていること以外は、半導体チップ積層体1と同様に構成されている。半導体チップ積層体1と同様に構成されているところは同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示す半導体チップ積層体31では、第1の半導体チップ2の上面2aに、接着層4を介して第2の半導体チップ32が積層されている。第2の半導体チップ32の下面32aには、バンプ32bが設けられている。
第1の半導体チップ2の上面2aに設けられた電気接続端子2bに、第2の半導体チップ32の下面32aに設けられたバンプ32bが接続されている。バンプ接続を行う場合には、例えば第1の接着剤7A及び第2の接着剤9Aを第1の半導体チップ2の上面2aに塗布した後に、第1の半導体チップ2の上面2aに設けられた電気接続端子2bと、第2の半導体チップ32の下面32aに設けられたバンプ32bとの接続が行われる。
半導体チップ積層体31では、電気接続端子2bにバンプ32bが接続されている部分及びバンプ32bが形成されている部分が、粒子8を含まない第2の層9で覆われているので、粒子8が電気接続端子2bとバンプ32bとの接触を阻害することがない。よって、電気接続端子2bとバンプ32bとの接続不良の発生が防がれている。
なお、図7に上述した半導体チップ31の変形例としての半導体チップ積層体41を示すように、第1の半導体チップ2の上面2aに電気接続端子に代えてバンプ42が設けられており、第2の半導体チップ32の下面32aに、バンプに変えて電気接続端子43が設けられていてもよい。
上記半導体チップ積層体31、41のようにバンプと電気接続端子にて電気的接続を取る場合には、上述のようにして、すなわち図3、図8を用いて説明したようにして、第1の半導体チップ2の上面2aに第1、第2の接着剤7A、9Aを塗布し、第1の半導体チップに第2の半導体チップを積層してもよい。
さらに、上記半導体チップ積層体31のようにバンプ32bと電気接続端子2bにて電気的接続を取る場合には、下記のようにして、半導体チップ積層体31を製造することもできる。なお、上記半導体チップ積層体41も同様に、下記のようにして製造され得る。
先ず、電気接続端子2bが上面2aに設けられた第1の半導体チップ2と、バンプ32bが下面32aに設けられた第2の半導体チップ32とを用意する。
次に、電気接続端子及びバンプが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において第1の半導体チップ2の上面2aに、粒子8を含む第1の層8を構成する第1の接着剤7Aを塗布する。第1の接着剤7Aは、第2の半導体チップ3が積層された後に、電気接続端子2bに至らないように塗布される。第1の接着剤7Aの塗布量としては、第1、第2の半導体チップ2、32間の電気接続端子2b及びバンプ32bが形成されている部分よりも内側の内部空間の体積よりも少ない体積量であることが好ましい。
次に、第1の半導体チップ2の上面2aに、第2の半導体チップ32を積層する。
その後、第1の接着剤7Aの塗布領域とは別の領域に、第2の接着剤9Aを塗布する。具体的には、第1の接着剤7Aの塗布領域よりも外側であり、電気接続端子2bを覆うように第2の接着剤9Aを塗布する。すなわち、第1、第2の半導体チップ2、32間の周辺部に第2の接着剤9Aを塗布し、いわゆるアンダーフィル材と同様の方法により、第1、第2の半導体チップ2、32間の周辺部に上記第2の接着剤9Aを充填する。
このように、アンダーフィル材と同様の方法により第2の接着剤9Aを充填する場合には、第2の接着剤9Aは低粘度であることが好ましく、粘度は100Pa・s以下であることが好ましく、10Pa・s以下であることがさらに好ましい。
以下に本発明の実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
2種類の接着剤を用いて半導体チップ積層体を構成した。半導体チップ積層体を構成するのに、以下のものを用意した。
(基板)
基板(FR4ガラスエポキシ、厚み0.21mm)
(半導体チップ)
(1)半導体ウェハの作製
8inchベアウェハ上に、SiO膜(500nm)、Ti膜(70nm)、Al膜(1μm)をこの順で積層した。i線レジストを用いたフォトリソ、およびウェットエッチングにより、チップ周辺部に100μm角のAlパッドを155μmピッチで形成した。その上に、SiN膜(500nm)を積層し、Alパッド上のSiN膜を、80μm角で開口したウェハを作製した。Alパッドは、1対ずつ電気的に導通させた。
また、チップ中央部に幅20μm、配線長1cmとなるつづら折れ配線TEGを作製し、チップ周辺部のAlパッドに接続した。
(2)半導体チップ1の作製
上記(1)で得られた半導体ウェハを、100μm厚にバックグラインドした後、ダイアタッチフィルム付きダイシングテープを用いて、8.6×8.6mmの大きさにダイシングを行い、個片化し、半導体チップ1を得た。
(3)半導体チップ2の作製
上記(1)で得られたウェハのAlパッド上に、60μm径のAuスタッドバンプを形成した。このウェハを100μm厚にバックグラインドした後、ダイシングテープを用いて、8.6×8.6mmの大きさにダイシングを行い、個片化し、半導体チップ2を得た。
(接着剤)
(1)第1の接着剤としての接着剤1〜4の作製
下記表1に示すスペーサー粒子を除く各材料を下記表1に示す割合(単位は重量部)で配合し、ホモディスパーを用いて攪拌混合して、接着組成物を作製した。得られた接着組成物に、スペーサー粒子を下記表1に示す割合で配合し、更にホモディスパーを用いて攪拌混合することにより接着剤1〜4を作製した。
(2)第2の接着剤としての接着剤5の作製
下記表1に示す割合(単位は重量部)で配合し、ホモディスパーを用いて攪拌混合して、接着剤5を作製した。
得られた接着剤1〜5の23℃における粘度を測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2008109115
上記表1においては、以下の材料を用いた。
1.エポキシ樹脂
樹脂1:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP−7200HH、大日本インキ化学工業社製)
樹脂2:ナフタレン型エポキシ樹脂(HP−4032D、大日本インキ化学工業社製)
2.エポキシ基を有する高分子化合物
樹脂3:エポキシ基含有アクリル樹脂(ブレンマーCP−30、ジャパンエポキシレジン社製)
3.ゴム変性エポキシ樹脂
樹脂4:CTBN変性エポキシ樹脂(EPR−4023、ADEKA社製)
4.硬化剤
硬化剤1:酸無水物(YH−307、ジャパンエポキシレジン社製)
5.硬化促進剤
硬化促進剤1:イミダゾール化合物(2MA−OK、四国化成工業社製)
6.接着性付与剤
接着付与剤1:イミダゾールシランカップリング剤(SP−1000、日鉱マテリアル社製)
7.チキソトロピー付与剤
添加剤1:ヒュームドシリカ(AEROSIL R202S、日本アエロジル社製)
8.スペーサー粒子
粒子1:樹脂粒子(ミクロパールSP、積水化学工業社製、平均粒子径:100μm、CV値=4%)
粒子2:金属被覆樹脂粒子(ミクロパールAu、積水化学工業社製、平均粒子径:100μm、CV値=4%)
粒子3:樹脂粒子(ミクロパールSP、積水化学工業社製、平均粒子径:45μm、CV値=4%)
9.銀フィラー
銀フィラー(TCG−1、徳力化学研究所社製)
(実施例1)
ダイボンダー(NECマシナリー製、BESTEM−D02)を用いて、第1の半導体チップとしての半導体チップ1を上記基板上に、Agペースト(エイブルボンド2025JH)を用いてダイボンディングした。しかる後、30分かけて昇温し、175℃で30分間硬化させた。
ワイヤーボンダー:UTC−1000(新川社製)を用い、Au線(田中電子製、4N)を用い、ボンディング温度:150℃、ボンディング荷重:0.3Nの条件で、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子にワイヤーボンディングを行った。
ワイヤーボンディングを行った後、第1の半導体チップの上面の中央部の5mm×5mmの領域に、電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面に、第1の接着剤としての上記接着剤1を5mm塗布した。
なお、平面視したときに、接着剤1の塗布領域の外周縁の形状は、図8に示すような形状であり、5mm×5mmの正方形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、正方形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状であった。なお、多角形の辺から内側に延びている凹部の縁の形状は楕円弧状であった。また、正方形の辺5mmの長さに対して、楕円弧状の凹部の開いている部分の長さ、すなわち辺の切り欠いている部分の長さは85%(4.25mm)であった。凹部最深部の深さは1mmであった。
さらに、第1の半導体チップの塗布領域よりも外側に、第1の半導体チップの上面の中央部の6mm×6mmの領域に、接着剤1と隣接するように、第2の接着剤としての上記接着剤5を5mm塗布した。平面視したときに、接着剤5の塗布領域の外周縁の形状は、接着剤1の塗布領域の外周縁の形状と同じであり、接着剤1、5の塗布領域の外周縁の大きさのみが異なっていた。
次に、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップとしての半導体チップ1をダイボンディングした。しかる後、接着剤1及び接着剤5を150℃で30分間硬化させ、半導体チップ積層体を得た。
得られた半導体チップ積層体では、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分が、粒子を含まない接着剤5からなる第2の層で覆われていた。
(実施例2)
第1の半導体チップの上面に塗布した接着剤1を、接着剤2に代えたこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
得られた半導体チップ積層体では、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分が、粒子を含まない接着剤5からなる第2の層で覆われていた。
(実施例3)
第1の半導体チップの上面に塗布した接着剤1を、接着剤3に代えたこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
得られた半導体チップ積層体では、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分が、粒子を含まない接着剤5からなる第2の層で覆われていた。
(実施例4)
ダイボンダー(NECマシナリー製、BESTEM−D02)を用いて、第1の半導体チップとしての半導体チップ1を上記基板上に、Agペースト(エイブルボンド2025JH)を用いてダイボンディングした。しかる後、30分かけて昇温し、175℃で30分間硬化させた。
次に、第1の半導体チップの上面に、実施例1の接着剤1の塗布と同様にして接着剤4を塗布し、さらに実施例1の接着剤5の塗布と同様にして接着剤5を塗布した。
次に、フリップチップボンダー:DB−100(澁谷工業社製)を用いて、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップとしての半導体チップ2をフリップチップボンディングした。しかる後、接着剤4及び接着剤5を150℃で30分間硬化させ、半導体チップ積層体を得た。
得られた半導体チップ積層体では、電気接続端子にバンプが接続されている部分及びバンプが形成されている部分が、粒子を含まない接着剤5からなる第2の層で覆われていた。
(実施例5)
第2の半導体チップを積層する前に接着剤5を塗布せずに、第2の半導体チップを積層した後に接着剤5を塗布したことを除いては、実施例4と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
すなわち、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップとしての半導体チップ2をフリップチップボンディングした後、第1、第2の半導体チップの外周部から、接着剤5を充填した。しかる後、接着剤4及び接着剤5を150℃で30分間硬化させ、半導体チップ積層体を得た。
得られた半導体チップ積層体では、電気接続端子にバンプが接続されている部分及びバンプが形成されている部分が、粒子を含まない接着剤5からなる第2の層で覆われていた。
(比較例1)
第1の半導体チップの上面に塗布した接着剤5を、接着剤1に代えたこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
(比較例2)
第1の半導体チップの上面に塗布した接着剤1を、接着剤5に代えたこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
(比較例3)
第1の半導体チップの上面に塗布した接着剤5を、接着剤4に代えたこと以外は実施例4と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
(比較例4)
第1の半導体チップの上面に塗布した接着剤4を、接着剤5に代えたこと以外は実施例4と同様にして、半導体チップ積層体を得た。
(半導体チップ積層体の評価)
(1)不良発生率
得られた半導体チップ積層体において、対となったAlパッドに接続されたワイヤー間もしくはバンプ間の抵抗を25箇所測定し、ショートおよび断線の発生している割合を求め、不良発生率とした。なお、ショート及び断線は、正常な抵抗値より、10%上変化した場合とした。結果を下記表2に示す。
Figure 2008109115
(2)熱伝導性の評価
実施例1〜3で得られた半導体チップ積層体を用いて、チップ中央部に作製したつづら折れ配線TEGに、実施例1で作製した半導体チップ積層体の表面温度が80℃になるように電圧を印加した。その際の実施例2、3で得られた半導体チップ積層体の表面温度はそれぞれ72℃、66℃であった。
次に、1種類の接着剤を用いて半導体チップ積層体を構成した。
先ず、実施例1〜5及び比較例1〜4で用いたものと同様の基板及び半導体チップ1を用意した。なお、半導体チップ1では、電気接続端子が形成されている領域と、該電気接続端子が形成されていない領域との面積比は1:9であった。電気接続端子が形成されている領域は半導体チップ1の上面の外周縁から200μmの領域であった。
また、以下の接着剤を用意した。
(接着剤)
下記の表3に示すスペーサー粒子を除く各材料を下記の表3に示す割合(単位は重量部)で配合し、ホモディスパーを用いて攪拌混合して、接着剤組成物を作製した。得られた接着剤組成物に、スペーサー粒子を下記の表3に示す割合で配合し、更にホモディスパーを用いて攪拌混合することにより接着剤を作製した。
下記の表3においては、以下の各材料を用いた。
1.エポキシ化合物(A)
フェノール型エポキシ(EX−201、長瀬産業社製、単量体、25℃で結晶固体、融点30〜60℃、50℃での粘度250mPa・s)
結晶性エポキシ樹脂(YSLV−80XY、東都化成社製、単量体、25℃で結晶固体、融点80℃、80℃での粘度1Pa・s)
2.エポキシ化合物(B)
ジシクロペンタジエン型エポキシ(EP−4088S、アデカ社製、単量体)
ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物(HP−7200、大日本インキ化学工業社製、5量体)
3.他のエポキシ化合物
ビスフェノールA型エポキシ化合物(EP828、ジャパンエポキシレジン社製、50℃での粘度2Pa・s)
ナフタレン型エポキシ化合物(HP−4032D、常温液状、大日本インキ化学工業社製、50℃での粘度5Pa・s)
ビスフェノールA型エポキシ化合物(EP−1001、ジャパンエポキシレジン社製、常温固体、80℃での粘度20Pa・s)
フェノール型エポキシ化合物(EX−141、ナガセ産業社製、常温液状、50℃での粘度7mPa・s)
NBR変性ビスA型エポキシ化合物(EPR−4030、アデカ社製、常温液状、50℃での粘度50Pa・s)
4.エポキシ基含有アクリル系高分子化合物(ポリマー)
エポキシ基含有アクリル樹脂(ブレンマーCP−30、ジャパンエポキシレジン社製)
5.硬化剤
酸無水物(YH−306、ジャパンエポキシレジン社製)
6.硬化促進剤
イミダゾール化合物(2MA−OK、四国化成工業社製)
7.増粘剤
増粘剤(R202、日本アエロジル社製)
8.接着性付与剤(シランカップリング剤)
イミダゾールシランカップリング剤(SP−1000、日鉱マテリアル社製)
9.スペーサー粒子
樹脂粒子(ミクロパールSP−260、積水化学工業社製、平均粒子径:60μm、CV値=4%)
(実施例6〜10及び比較例5〜7)
ダイボンダー(NECマシナリー製、BESTEM−D02)を用いて、第1の半導体チップとしての半導体チップ1を上記基板上に、Agペースト(エイブルボンド2025JH)を用いてダイボンディングした。しかる後、30分かけて昇温し、175℃で30分間硬化させた。
ワイヤーボンダー:UTC−1000(新川社製)を用い、Au線(田中電子製、4N)を用い、ボンディング温度:150℃、ボンディング荷重:0.3Nの条件で、第1の半導体チップの上面に設けられた電気接続端子に、ワイヤー高さが55μmとなるようにワイヤーボンディングを行った。
ワイヤーボンディングを行った後、電気接続端子が設けられている領域よりも内側の第1の半導体チップの上面において、第1の半導体チップの上面の中央部の6mm×6mmの領域に、下記の表3に示す組成の接着剤を4.5mm塗布した。
なお、平面視したときに、接着剤の塗布領域の外周縁の形状は、図13に示す形状であり、6mm×6mmの正方形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、正方形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状であった。なお、正方形の辺から内側に延びている凹部は逆三角形の形状であった。凹部には、凹部の内壁面から該凹部の開口に向かって突出した突出部が設けられていた。突出部は、凹部の最深部に位置している三角形の頂点から該凹部の開口に向かって延ばされており、かつ該開口に至らないように設けられていた。また、図13に示すように、上記正方形の辺6mmの長さL1に対して、凹部の開いている部分の長さすなわち各辺の切り欠いている部分の長さL2は4mmであった。凹部の最深部の深さL3は1.5mmであり、突出部における凹部の深さL4は0.8mmであった。
次に、第1の半導体チップの上面に、第2の半導体チップとしての半導体チップ1を60℃でダイボンディングした。第2の半導体チップを押圧していくにつれ、接着剤が押し拡げられたが、第1,第2の半導体チップの間隔が66μmであるときに、第2の半導体チップの押し込みすなわち移動が一旦停止した。第2の半導体チップをさらに押圧していくことにより、第1,第2の半導体チップの間隔は60μmとなった。
次に、接着剤を150℃で30分間硬化させ、半導体チップ積層体を得た。
(半導体チップ積層体の評価)
得られた半導体チップ積層体において、粒子を含む第1の層と、粒子を含まない第2の層とが形成されているか否かを評価した。
また、実施例1〜5及び比較例1〜4の不良発生率の評価と同様にして、得られた各6個の半導体チップ積層体においてワイヤーの接続不良の有無を評価した。さらに、得られた各6個の半導体チップ積層体において、それぞれ25個のワイヤーの接続不良の有無を評価した。ワイヤーの総数150個に対する接続不良の生じたワイヤーの数を下記の表3に示した。
また、上記半導体チップ積層体を、モールド樹脂で封止した後、−45℃から125℃の温度サイクルを1サイクルとする温度サイクル試験を1000回行った。温度サイクル試験前に接続不良のない任意に選定したワイヤー50個について、温度サイクル試験後のワイヤーの接続不良の有無を同様に評価し、接続不良率を求めた。
実施例6〜10で得られた半導体チップ積層体では、接着剤が、粒子を含む第1の層と粒子を含まない第2の層とに別れて、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分に粒子が至らずに、該接続部分は粒子を含まない接着剤からなる第2の層で覆われていた。
比較例7〜9で得られた半導体チップ積層体では、接着剤が第1,第2の層に充分に別れずに、電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分に粒子が至り、粒子に起因するワイヤーの変形がみられた。
Figure 2008109115
本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体の正面断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体に用いられる第1の半導体チップの平面図。 本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、第1の半導体チップの上面において第1、第2の接着剤の塗布領域を示す略図的平面図。 本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、第2の半導体チップを積層した後の第1、第2の接着剤の塗布領域を示す略図的平面図。 本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体の正面断面図。 本発明の別の実施形態に係る半導体チップ積層体の正面断面図。 本発明の別の実施形態に係る半導体チップ積層体の変形例を示す正面断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、第1の半導体チップの上面において第1、第2の接着剤の塗布領域の他の例を示す略図的平面図。 本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、第1の半導体チップの上面における接着剤の塗布領域を示す略図的平面図。 (a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、第1の半導体チップの上面に塗布された接着剤に、第2の半導体チップが接した直後の状態、及びその状態における接着剤の配置領域を略図的に示す正面断面図及び平面図。 (a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、第2の半導体チップの移動が一旦停止したときの状態、及びその状態における接着剤の配置領域を略図的に示す正面断面図及び平面図。 (a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係る半導体チップ積層体の製造方法を説明するための図であり、粒子を含まない接着剤が電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分に至った状態、及びその状態における接着剤の配置領域を略図的に示す正面断面図及び平面図。 第1の半導体チップの上面における接着剤の塗布領域の他の例を示す略図的平面図。
符号の説明
1…半導体チップ積層体
2…第1の半導体チップ
2a…上面
2b…電気接続端子
3…第2の半導体チップ
3a…下面
4…接着層
5…基板
6…ボンディングワイヤー
7…第1の層
7A…第1の接着剤
7a…コーナー部
7b…凹部
8…粒子
9…第2の層
9A…第2の接着剤
9a…コーナー部
9b…凹部
21…半導体チップ積層体
22…接着層
23…第1の層
24…粒子
24a…樹脂粒子
24b…金属層
25…第2の層
31…半導体チップ積層体
32…第2の半導体チップ
32a…下面
32b…バンプ
41…半導体チップ積層体
42…バンプ
43…電気接続端子
51…接着剤
51a…コーナー部
51b…凹部
51c…突出部

Claims (15)

  1. 第1の半導体チップと、接着層を介して前記第1の半導体チップの上面に積層された第2の半導体チップとを備え、
    前記接着層が、前記第1の半導体チップの上面と前記第2の半導体チップの下面とに接している粒子を含む第1の層と、前記第1の層が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ前記粒子を含まない第2の層とからなり、
    前記第1の半導体チップの上面に電気接続端子が設けられており、
    前記第1の半導体チップの上面に設けられた前記電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されており、前記電気接続端子にボンディングワイヤーが接続されている部分が、前記粒子を含まない第2の層で覆われていることを特徴とする、半導体チップ積層体。
  2. 第1の半導体チップと、接着層を介して前記第1の半導体チップの上面に積層された第2の半導体チップとを備え、
    前記接着層が、前記第1の半導体チップの上面と前記第2の半導体チップの下面とに接している粒子を含む第1の層と、前記第1の層が設けられている領域とは別の領域に設けられており、かつ前記粒子を含まない第2の層とからなり、
    前記第1の半導体チップの上面に電気接続端子が設けられており、かつ前記第2の半導体チップの下面にバンプが設けられており、もしくは前記第2の半導体チップの下面に電気接続端子が設けられており、かつ前記第1の半導体チップの上面にバンプが設けられており、
    前記第1の半導体チップの上面又は前記第2の半導体チップの下面に設けられた前記電気接続端子に、前記第2の半導体チップの下面又は前記第1の半導体チップの上面に設けられた前記バンプが接続されており、前記電気接続端子にバンプが接続されている部分及び/又はバンプが形成されている部分が、前記粒子を含まない第2の層で覆われていることを特徴とする、半導体チップ積層体。
  3. 前記粒子が樹脂粒子をコアとし、前記樹脂粒子を被覆している金属層をシェアとするコアシェル構造の粒子である、請求項1または2に記載の半導体チップ積層体。
  4. 前記粒子を含む第1の層が板状のフィラーをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体。
  5. 請求項1、3、4のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体の製造方法であって、
    電気接続端子が上面に設けられた第1の半導体チップと、第2の半導体チップとを用意する工程と、
    前記第1の半導体チップの上面に設けられた前記電気接続端子にボンディングワイヤーを接続する工程と、
    前記電気接続端子及びボンディングワイヤーが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において前記第1の半導体チップの上面に、前記粒子を含む第1の層を構成する第1の接着剤を塗布する工程と、
    前記第1の接着剤の塗布領域とは別の領域に、前記第2の層を構成する第2の接着剤を塗布する工程と、
    前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の半導体チップを積層する工程とを備えることを特徴とする、半導体チップ積層体の製造方法。
  6. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体の製造方法であって、
    電気接続端子又はバンプが上面に設けられた第1の半導体チップと、バンプ又は電気接続端子が下面に設けられた第2の半導体チップとを用意する工程と、
    前記電気接続端子及び前記バンプが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において前記第1の半導体チップの上面に、前記粒子を含む第1の層を構成する第1の接着剤を塗布する工程と、
    第1の接着剤の塗布領域とは別の領域に、前記第2の層を構成する第2の接着剤を塗布する工程と、
    前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の半導体チップを積層し、前記第1の半導体チップの上面又は前記第2の半導体チップの下面に設けられた前記電気接続端子に、前記第2の半導体チップの下面又は前記第1の半導体チップの上面に設けられた前記バンプを接続する工程とを備えることを特徴とする、半導体チップ積層体の製造方法。
  7. 前記第1の半導体チップの上面又は前記第2の半導体チップの下面に設けられた前記電気接続端子が、前記第1の半導体チップ又は前記第2の半導体チップの縁部に設けられており、
    前記電気接続端子が設けられている領域よりも内側の前記第1の半導体チップの上面に、前記第1の接着剤を塗布し、
    前記第1の接着剤の塗布領域よりも外側の前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の接着剤を塗布することを特徴とする、請求項5または6に記載の半導体チップ積層体の製造方法。
  8. 前記電気接続端子が設けられている領域よりも内側の前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の接着剤を塗布することを特徴とする、請求項7に記載の半導体チップ積層体の製造方法。
  9. 平面視したときに、前記第2の接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、前記第2の接着剤を塗布することを特徴とする、請求項7または8に記載の半導体チップ積層体の製造方法。
  10. 前記多角形の辺から内側に延びている前記凹部の縁の形状が円弧状である、請求項9に記載の半導体チップ積層体の製造方法。
  11. 請求項1、3、4のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体の製造方法であって、
    電気接続端子が上面に設けられた第1の半導体チップと、第2の半導体チップとを用意する工程と、
    前記第1の半導体チップの上面に設けられた前記電気接続端子にボンディングワイヤーを接続する工程と、
    前記電気接続端子及びボンディングワイヤーが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において前記第1の半導体チップの上面に、前記接着層を形成するための接着剤を塗布する工程と、
    前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の半導体チップを積層する工程とを備え、
    前記接着剤として、硬化性化合物と、硬化剤と、CV値が10%以下の粒子とを含有し、かつ、E型粘度計を用いて前記接着剤の粘度を25℃で測定したときに、1rpmでの粘度が200Pa・s以下であり、10rpmでの粘度が100Pa・s以下であり、0.5rpmでの粘度が1rpmでの粘度の1.4〜3倍であり、1rpmでの粘度が10rpmでの粘度の2〜5倍である接着剤を用いて、
    平面視したときに、前記接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、前記接着剤を塗布することを特徴とする、半導体チップ積層体の製造方法。
  12. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体の製造方法であって、
    電気接続端子又はバンプが上面に設けられた第1の半導体チップと、バンプ又は電気接続端子が下面に設けられた第2の半導体チップとを用意する工程と、
    前記電気接続端子及び前記バンプが配置される領域を除く少なくとも一部の領域において前記第1の半導体チップの上面に、前記接着層を形成するための接着剤を塗布する工程と、
    前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の半導体チップを積層し、前記第1の半導体チップの上面又は前記第2の半導体チップの下面に設けられた前記電気接続端子に、前記第2の半導体チップの下面又は前記第1の半導体チップの上面に設けられた前記バンプを接続する工程とを備え、
    前記接着剤として、硬化性化合物と、硬化剤と、CV値が10%以下の粒子とを含有し、かつ、E型粘度計を用いて前記接着剤の粘度を25℃で測定したときに、1rpmでの粘度が200Pa・s以下であり、10rpmでの粘度が100Pa・s以下であり、0.5rpmでの粘度が1rpmでの粘度の1.4〜3倍であり、1rpmでの粘度が10rpmでの粘度の2〜5倍である接着剤を用いて、
    平面視したときに、前記接着剤の塗布領域の外周縁の形状が、多角形の各辺の一部を切り欠いた形状であって、多角形の各辺において外側に開いた凹部をコーナー部に至らないように設けた形状となるように、前記接着剤を塗布することを特徴とすることを特徴とする、半導体チップ積層体の製造方法。
  13. 前記凹部が設けられていないとした場合の前記多角形の面積をXとし、前記第1の半導体チップの上面の面積をYとしたときに、0.4Y<X<0.7Yを満たすように、前記接着剤を塗布することを特徴とする、請求項11または12に記載の半導体チップ積層体の製造方法。
  14. 前記接着剤を40〜120℃に加熱し、前記第1の半導体チップの上面に、前記第2の半導体チップを積層する、請求項11〜13のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体の製造方法。
  15. 前記第1の半導体チップの上面又は前記第2の半導体チップの下面に設けられた前記電気接続端子が、前記第1の半導体チップ又は前記第2の半導体チップの縁部に設けられており、
    前記電気接続端子が設けられている領域よりも内側の前記第1の半導体チップの上面に、前記接着剤を塗布することを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の半導体チップ積層体の製造方法。

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