JP2008108985A - 半導体素子の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱的安定性の高い酸化物半導体薄膜層を有する半導体素子の製法を提供することを解決課題とする。
【解決手段】 基板上に、スパッタリング法により成膜された酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層を有する半導体素子の製法であって、前記スパッタリング法による前記酸化物半導体薄膜層の成膜において、酸素を含有したスパッタリングガスを用い、且つ、成膜時に前記基板にバイアス電力を印加することを特徴とする半導体素子の製法である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、半導体素子の製法に関し、より詳しくは、半導体素子の構成半導体が酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層である半導体素子の製法に関する。
酸化亜鉛等の酸化物が優れた半導体(活性層)の性質を示すことは古くから知られており、近年薄膜トランジスタ(以下、TFTと略すこともある)、発光デバイス、透明導電膜等の電子デバイス応用を目指し、これらの化合物を用いた半導体薄膜層の研究開発が活発化している。
例えば、酸化亜鉛や酸化マグネシウム亜鉛を半導体薄膜層として用いたTFTは、従来液晶ディスプレイに主に用いられているアモルファスシリコン(a−Si:H)を半導体薄膜層として用いたアモルファスシリコンTFTに比較して電子移動度が大きく、優れたTFT特性を有し、また、室温付近の低温でも多結晶薄膜が得られることで高い移動度が期待できる等の利点もあり、積極的な開発が進められている。
また、TFT等の構成半導体として酸化亜鉛を用いる場合、酸化亜鉛の成膜方法としては、例えば、マグネトロンスパッタリング法等のスパッタリング法が挙げられる。
また、スパッタリング法に用いるスパッタリングガスとしては、酸素(O)、アルゴン(Ar)等の不活性ガス、或いは不活性ガスと酸素(O)の混合ガスを挙げることができる。
中でも、酸素を含有したスパッタリングガス(酸素や、酸素と不活性ガスの混合ガス)を用いることで、TFTに適した高抵抗な酸化物半導体薄膜層を得ることができる。その理由は、スパッタリングガス中に酸素が存在することで、酸化亜鉛の酸化度が向上し、ドナーとなる過剰な亜鉛が減少するからである。酸化度が向上することにより、高抵抗な酸化亜鉛薄膜を得ることができることについては、下記特許文献1等にも記載されている。また、スパッタリング中の酸素分圧により、薄膜の抵抗率が制御できることについて、非特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1には、このように成膜された酸化物半導体薄膜層についての成膜直後の抵抗率に関する記載がされているのみであり、熱処理に伴う抵抗率の変化に関する記載は見られない。一般的に、酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体は熱的安定性が弱く、成膜時に高抵抗な酸化物半導体薄膜層を得たとしても、薄膜デバイスの製造工程での熱処理により、低抵抗化してしまうといった問題が生じる。
このような問題は、薄膜トランジスタに限ったものではなく、酸化物半導体薄膜層を用いたガスセンサーや表面波デバイス、ダイオードや光電変換素子等の他の半導体素子にも同様の問題が生じる。
特開2002−118273号公報 P. F. Carcia他3著,「Transparent ZnO thin-film transistor fabricated by rf magnetron sputtering」,Applied Physics Letters, 2003年2月17日 Vol.82.,p.1117-1119
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、熱的安定性の高い酸化物半導体薄膜層を有する半導体素子の製法を提供することを解決課題とする。
請求項1に係る発明は、基板上に、スパッタリング法により成膜された酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層を有する半導体素子の製法であって、前記スパッタリング法による前記酸化物半導体薄膜層の成膜において、酸素を含有したスパッタリングガスを用い、且つ、成膜時に前記基板にバイアス電力を印加することを特徴とする半導体素子の製法に関する。
請求項2に係る発明は、前記スパッタリングガスが、不活性ガスと酸素の混合ガスであることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製法に関する。
請求項3に係る発明は、前記半導体素子が薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体素子の製法に関する。
請求項1に係る発明によれば、スパッタリング法による酸化物半導体薄膜層の成膜において、酸素を含有したスパッタリングガスを用い、且つ、成膜時に基板にバイアス電力を印加することにより、熱的安定性に優れた酸化物半導体薄膜層を得ることができる。そのため、半導体素子の製造工程における熱処理等による酸化物半導体薄膜層の低抵抗化を防ぐことができる。
請求項2に係る発明によれば、スパッタリングガスが、不活性ガスと酸素の混合ガスであることにより、スパッタ率を上げて、成膜速度を向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、半導体素子が薄膜トランジスタであることにより、製造工程の熱処理による、酸化物半導体薄膜層の低抵抗化を防ぐことができるため、リーク電流の抑制された薄膜トランジスタを得ることができる。
本発明に係る半導体素子のうち、薄膜トランジスタについて、その実施例を図1に基づいて以下に説明する。
なお、本発明に係る半導体素子は本実施例の構造によって、何ら限定されるものではない。本実施例は薄膜トランジスタであるが、本発明には、ガスセンサー等の各種センサーや、表面デバイス、ダイオード、光電変換素子等の他の半導体素子も当然含まれる。また、本実施例に係るTFTは、トップゲート型構造であるが、ボトムゲート型構造のTFTも当然含まれるし、トップゲート型のその他の構造も当然含まれる。
本発明の実施例に係る薄膜トランジスタ100は、基板1、一対のソース・ドレイン電極2、酸化物半導体薄膜層3、第一ゲート絶縁膜4、コンタクト部5a、一対のソース・ドレイン外部電極2a、第二ゲート絶縁膜6、ゲート電極7、表示電極8を有しており、図1に示すように、これら各構成を積層して形成される。
薄膜トランジスタ100は、図1に示す通り、ガラス(SiOとAlを主成分とする無アルカリガラス)からなる基板1上に形成される。
基板1の材料は、ガラスに限定されず、プラスチックや金属箔に絶縁体をコーティングしたもの等、絶縁体であれば使用可能である。
基板1上には、一対のソース・ドレイン電極2が積層されている。この一対のソース・ドレイン電極2は、基板1上面に間隙を有して配置されている。
一対のソース・ドレイン電極2は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、n+ZnO等の導電性酸化物、金属、若しくは導電性酸化物により少なくとも一部を被覆された金属により形成される。
酸化物半導体薄膜層3は、基板1と一対のソース・ドレイン電極2上に形成されている。
酸化物半導体薄膜層3は、一対のソース・ドレイン電極2の電極間にチャネルを形成するように配置されており、酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体から形成されている。ここで、酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体とは、真性の酸化亜鉛の他、Li、Na、N、C等のp型ドーパントおよびB、Al、Ga、In等のn型ドーパントがドーピングされた酸化亜鉛およびMg、Be等がドーピングされた酸化亜鉛を含む。
酸化物半導体薄膜層3は、スパッタリング法により成膜される。スパッタリング法とは、真空中にスパッタリングガスを導入しながら基板とターゲット間に電力を印加してプラズマを発生させることで、イオン化したスパッタリングガスをターゲットに衝突させて、はじき飛ばされたターゲット物質を基板上に成膜させる方法である。
このとき、スパッタリング法におけるスパッタリングガスには、酸素、若しくは酸素とアルゴン等の不活性ガスの混合ガスが用いられる。加えて、酸化物半導体薄膜層3の成膜時には、基板側にバイアス電力が印加される。バイアス電力とは、通常接地電位に保持される基板の電位を制御するために用いられるものであり、高周波電力もしくは直流電圧が印加される。高周波電力を印加した場合、基板はプラズマに対して負の電位に自己バイアスされる。直流電圧を印加する場合、負もしくは正の電位を印加する。基板の電位を制御することで基板に衝突するイオン化した粒子のエネルギーを制御することができ、薄膜の微細構造を制御することができる。
バイアス電力を印加することにより、熱的安定性に優れた酸化物半導体薄膜層を得ることができる。酸化物半導体薄膜層3の成膜方法については後に詳述する。
なお、この酸化物半導体薄膜層3の厚みは、特に限定されないが、例えば25〜200nmに形成され、好ましくは、30〜100nmに形成される。
第一ゲート絶縁膜4は、酸化物半導体薄膜層3の上側表面のみを被覆するように形成されている。この第一ゲート絶縁膜4は、ゲート絶縁膜の一部として設けられ、酸化物半導体薄膜層3を製造工程でのレジスト剥離液から保護する保護膜としての役割をも果たすものである。第一ゲート絶縁膜4の厚みは、特に限定されないが、例えば、20〜100nm、好ましくは約50nmに形成される。
第二ゲート絶縁膜6は、一対のソース・ドレイン電極2、酸化物半導体薄膜層3側面及び第一ゲート絶縁膜4の表面全面を被覆するように積層されている。このように、第二ゲート絶縁膜6が積層されることにより、酸化物半導体薄膜層3表面を第一ゲート絶縁膜4にて、側面を第二ゲート絶縁膜6にて完全に被覆することができる。
第二ゲート絶縁膜6の厚みは、例えば、200〜400nmに形成され、好ましくは、約300nmに形成される。
第一ゲート絶縁膜4及び第二ゲート絶縁膜6は、酸化珪素(SiOx)膜、酸窒化珪素(SiON)膜、窒化珪素(SiNx)膜あるいは窒化珪素(SiNx)に酸素もしくは酸素を構成元素に含む化合物を用いて酸素をドーピングした膜により形成される。
第一ゲート絶縁膜4及び第二ゲート絶縁膜6は、例えばプラズマ化学気相成長法により形成される。このとき、プラズマ化学気相成長法による成膜は酸化物半導体薄膜層の還元もしくは酸化亜鉛の成分の脱離が生じない基板温度で実施することが望ましい。
一対のソース・ドレイン外部電極2aはそれぞれ対応するソース・ドレイン電極2とコンタクト部5aを介して接続される。
ゲート電極7は、第二ゲート絶縁膜6上に形成されている。このゲート電極7は、薄膜トランジスタに印加するゲート電圧により酸化物半導体薄膜層3中の電子密度を制御する役割を果たすものである。
ゲート電極7はCr、Tiに例示される金属膜からなる。
表示電極8は、液晶ディスプレイに用いる液晶に薄膜トランジスタを介して電圧を印加するために形成される。この電極は可視光に対する高い透過率が要求されるため、インジウムスズ酸化物(ITO)等を用いた酸化物導電性薄膜が形成される。なお、図1では、省略されているが、画素電極8は第二ゲート絶縁膜6上をゲート電極7と逆方向に延出されている。
本発明の実施例に係る薄膜トランジスタ(TFT)の製造方法について、図2及び図3に基づいて以下に説明する。
まず、基板1上全面にマグネトロンスパッタリング法等により、ITO、Ti、Cr等の低抵抗金属酸化物、若しくは金属薄膜を例えば100nmの厚みで形成した後、図2(1)に示される如く、この薄膜にフォトリソグラフィー法を用いて一対のソース・ドレイン電極2を形成する。
図2(2)に示される如く、基板1および一対のソース・ドレイン電極2上の全面に酸化物半導体薄膜層3として酸化亜鉛を主成分とする半導体薄膜、好適には真性酸化亜鉛(ZnO)を例えば30〜100nm程度の膜厚でスパッタリング法にて形成する。
図4は、スパッタリング法による成膜の説明図であり、スパッタリング装置200の概略構成図を示している。
スパッタリング装置200は、真空処理室16内に、ターゲット13(本実施例では、例えば、酸化亜鉛焼結体等)及び基板支持台14を有している。そして、真空処理室16内にスパッタリングガスを導入しながらターゲット13に、マッチングボックス12aを介して電源12により高電力を印加し、スパッタリングガスをイオン化する。そして、イオン化されたスパッタリングガスをターゲット13に衝突させることにより、はじき飛ばされたターゲット物質(本実施例における酸化亜鉛)が、基板支持台14上の基板1に成膜される。なお、真空処置室16は、ロータリーポンプ17及びターボ分子ポンプ18により真空引きされる。また、基板支持台14には、基板1を所望の温度にするためのヒーターが内蔵されていている。
本実施例では、スパッタリング法におけるスパッタリングガスに、酸素が含有されたガスを用いる。さらに、図4で示す如く、酸化物半導体薄膜層3成膜時に基板1に対してもマッチングボックス11aを介して電源11によりバイアス電力を印加する。
この時、基板の電位はバイアス電力により、負に帯電し、正の電荷を有するイオンの運動エネルギーが増大する。具体的には基板に入射する電離した酸素(O、O )の運動エネルギーが増大する。つまり、スパッタリングガス中に酸素を含有することで、バイアス電力を印加することにより、酸素イオンが基板1側へと加速される。それにより、基板1上に成膜される酸化物半導体薄膜層3の酸化度を向上させることができる。その結果、熱的安定性に優れた酸化物半導体薄膜層3を得ることができる。
また、スパッタリングガスとしては、酸素に不活性ガスを混合した混合ガスを用いてもよい。不活性ガスを用いることにより、スパッタ率を向上させることができる。そのため、高い成膜速度を実現することができる。
不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)等の希ガスが挙げられるが、アルゴン(Ar)は、他の希ガスに比して世の中に多く存在し、安価であるため、入手が容易であり、TFTを安価に製造することができるので好ましい。
なお、不活性ガスも、酸素イオン同様、正の電荷を有するので(例えばAr)、バイアス電力により、イオンの運動エネルギーが増大し、基板1側へ加速される。
また、スパッタリングの成膜時に基板にバイアス電力を印加することで酸化亜鉛を主成分とする半導体薄膜層の配向性を制御することもできる。
半導体薄膜層に酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜を成膜する際、一般的なスパッタリング法を用いると(002)方向に優先配向した薄膜が得られることが知られており、X線回折による評価を行うと、(002)以外の配向に起因する回折ピークが得られないのが一般的である。これに対し、バイアス電力を印加することで、(002)配向以外の配向、より詳しくは、(100)配向と(101)配向が生じる。このような酸化物半導体薄膜層は、構成成分である酸化亜鉛が微結晶化、或いは非結晶化しているため、微細加工性に優れた酸化物半導体薄膜層3となる。また、表面平滑性にも優れているため、酸化物半導体薄膜層3上のゲート絶縁膜の薄膜化が実現でき、電流駆動能力の優れた薄膜トランジスタとなる。
なお、(002)配向、(100)配向、(101)配向とは、ミラー指数で示した配向性であり、これを六方晶用指数で示すと下記表1のようになる。
Figure 2008108985
また、スパッタリング法としてはマグネトロンスパッタリング法が好ましい。マグネトロンスパッタリング法を用いることで、熱的安定性に優れた酸化物半導体薄膜層を低電力で成膜することができ、さらに、成膜速度も向上させることができるからである。
酸化物半導体薄膜層3成膜後、図2(3)に示される如く、酸化物半導体薄膜層3上に低抵抗化されない手法および条件で第一ゲート絶縁膜4を形成する。
第一ゲート絶縁膜4の形成方法の一例として、プラズマ化学気相成長法でSiNxを20〜50nm厚で成膜する方法が挙げられる。
本実施例では、酸化物半導体薄膜層3が熱的安定性に優れているため、第一ゲート絶縁膜4成膜時の熱履歴により酸化物半導体薄膜層3が低抵抗化することを防ぐことができる。
そして、第一ゲート絶縁膜4上に、パターニングされたフォトレジストを形成し、このフォトレジストをマスクとして、第一ゲート絶縁膜4をSF等のガスを用いてドライエッチングし、次いで0.2%HNO溶液にて酸化物半導体薄膜層3に対しウェットエッチングを行う。
図2(4)は酸化物半導体薄膜層3のウェットエッチング後にフォトレジストを除去した断面図を示しており、酸化物半導体薄膜層3と同一形状の第一ゲート絶縁膜4を有するTFT活性層領域が形成されている。第一ゲート絶縁膜4は、酸化物半導体薄膜層3との界面形成に加えて、活性領域をパターン形成する時の酸化物半導体薄膜層を保護する役目も同時に果たしている。即ち、活性層パターニング後のフォトレジストを剥離する場合に使用するレジスト剥離液が酸化物半導体薄膜層3表面に接すると、薄膜表面や結晶粒界をエッチングで荒らしてしまうが、第一ゲート絶縁膜4が酸化物半導体薄膜層3表面に存在することで、フォトリソグラフィー工程におけるレジスト剥離液といった各種薬液に対する保護膜としての機能を果たし、酸化物半導体薄膜層3の表面あれを防ぐことができる。
次いで、図3を用いて、本実施例の薄膜トランジスタの製法の続きを説明する。
図3(1)に示す如く、TFT活性層領域のパターン形成後、第一ゲート絶縁膜4および一対のソース・ドレイン電極2を被覆するように、基板1、一対のソース・ドレイン電極2、酸化物半導体薄膜層3、及び第一ゲート絶縁膜4上全面に第二ゲート絶縁膜6を形成し、その後フォトリソグラフィー法を用いて、一対のソース・ドレイン電極2上にコンタクトホール5を開口する。この場合、第二ゲート絶縁膜6は第一ゲート絶縁膜4(界面制御型絶縁膜)と同様の条件で、プラズマ化学気相成長法を用いて形成することが望ましい。
最後に、図3(2)に示す如く、前記第二ゲート絶縁膜6上にCr、Tiといった金属膜からなるゲート電極7を形成し、ゲート電極7と同一材料にて一対のソース・ドレイン外部電極2aをコンタクト部5aを介してそれぞれに対応するソース・ドレイン電極2と接続するよう形成する。その後、インジウムスズ酸化物(ITO)等からなる表示電極8を形成することでTFTアレイが完成する。
(試験例)
以下、本発明に係る半導体素子の酸化物半導体薄膜層を評価するための試験例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。
図5は、マグネトロンスパッタリング法により基板上に成膜した酸化亜鉛薄膜のシート抵抗の熱処理温度依存性を示した図であり、真空中で2時間熱処理をした後のシート抵抗率を示している。なお、縦軸はシート抵抗率を、横軸はアニール温度を示す。なお、熱処理は一般的な横型電気炉を用いて実施しており、アニール温度とは、電気炉中の基板の温度を指し、電気炉のヒーターの温度から基板の温度を導くための校正曲線を予め作成し、当該校正曲線を用いて求めている。
図中a乃至cがスパッタリングガスとして、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガスを、Arを流量10sccm、Oを流量5sccm用いて成膜した酸化亜鉛薄膜、d乃至fがスパッタリングガスとして、Oを用いずに、Arを流量15sccm用いて成膜した酸化亜鉛薄膜である。また、a乃至cでは夫々、基板側にバイアス電力(高周波電力)が0W、5W、40W印加されており、d乃至fでは、バイアス電力が0W、5W、20W印加されている。
より詳しい条件としては、酸化亜鉛薄膜は、無加熱成膜により、膜厚100nmで成膜されている。また、ターゲットに印加される電力(図4中、電源12により印加される電力)は180W(電力密度2.3W/cm)であり、ターゲットと基板との距離は88mmである。
まず、スパッタリングガスに酸素を含む場合の酸化亜鉛薄膜a乃至cについて述べる。
酸化亜鉛薄膜aが示す如く、成膜直後の抵抗率は、スパッタリングガスに酸素を用いることで、高抵抗となっている。しかしながら、バイアス電力の印加を行わない状態で成膜した酸化亜鉛薄膜aは、熱処理を行うと、熱処理温度とともに徐々に抵抗率が減少し、低抵抗化が進んでいることを示している。
一方、バイアス電力を5W印加した酸化亜鉛薄膜bでは、250℃の熱処理でも抵抗の低下が見られず、バイアス電力を40W印加した酸化亜鉛薄膜cに至っては、300℃の熱処理でも抵抗の低下が見られない。
このように、図5のa乃至cを比較することで、酸素をスパッタリングガスに含む場合には、バイアス電力の増大によって、酸化亜鉛薄膜の熱的安定性が著しく向上していることが分かる。
次に、酸素を用いずに成膜した酸化亜鉛薄膜d乃至fについて述べる。
酸化亜鉛薄膜d乃至fを比較すると、バイアス電力を印加することで、抵抗率が減少することが分かる。例えば、バイアス電力20W印加した酸化亜鉛薄膜fでは、成膜初期から抵抗率が大きく減少し、熱処理を行うとさらに抵抗率の減少が見られている。
つまり、酸素を含有しない状態においては、バイアス電力を印加しても高抵抗な、熱的安定性に優れた酸化亜鉛は得られないことが分かる。
上記結果より、酸化亜鉛薄膜を成膜する際、スパッタリングガスとして、不活性ガスに酸素を混合することに加え、バイアス電力を印加することで熱的安定性が向上しているといえる。
このように、酸素を含有するスパッタリングガスを用いて、且つ、基板側にバイアス電力を印加することで成膜した酸化亜鉛薄膜を、例えば薄膜トランジスタの酸化物半導体薄膜層として用いた場合、製造工程による熱処理により、酸化物半導体薄膜層が高抵抗に維持できるため、リーク電流の抑制された薄膜トランジスタを得ることができる。
以上説明した如く、本発明に係る製法によって得られた半導体素子は、熱的安定性に優れた酸化物半導体薄膜層を有し、例えば、薄膜トランジスタやダイオード、光電変換素子等の半導体素子を用いた液晶ディスプレイ等の半導体装置に好適に利用可能である。
本発明における半導体素子のうち、薄膜トランジスタの実施例の形態を示す断面図である。 本発明における半導体素子のうち、薄膜トランジスタの実施例の製法の一形態を経時的に示す断面図であり、(1)基板上に一対のソース・ドレイン電極を形成した構造の断面図、(2)酸化物半導体薄膜層を成膜した構造の断面図、(3)第一ゲート絶縁膜を成膜した構造の断面図、(4)酸化物半導体薄膜及び第一ゲート絶縁膜をパターニングした構造の断面図よりなる。 本発明における半導体素子のうち、薄膜トランジスタの実施例の製法における図2の続きの一形態を経時的に示す断面図であり、(1)第二ゲート絶縁膜及びコンタクトホールを形成した構造の断面図、(2)ゲート電極、コンタクト部、ソース・ドレイン外部電極、表示電極を形成した構造の断面図よりなる。 スパッタリング法による成膜の説明図である。 マグネトロンスパッタリング法により成膜した酸化亜鉛薄膜のシート抵抗の熱処理温度依存性を示した図である。
符号の説明
1 基板
3 酸化物半導体薄膜層
100 薄膜トランジスタ

Claims (3)

  1. 基板上に、スパッタリング法により成膜された酸化亜鉛を主成分とする酸化物半導体薄膜層を有する半導体素子の製法であって、前記スパッタリング法による前記酸化物半導体薄膜層の成膜において、酸素を含有したスパッタリングガスを用い、且つ、成膜時に前記基板にバイアス電力を印加することを特徴とする半導体素子の製法。
  2. 前記スパッタリングガスが、不活性ガスと酸素の混合ガスであることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製法。
  3. 前記半導体素子が薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体素子の製法。
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