JP2008106922A - 等速自在継手のシャフト抜け止め構造 - Google Patents

等速自在継手のシャフト抜け止め構造 Download PDF

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Kisao Yamazaki
起佐雄 山崎
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Abstract

【課題】部品点数を減少させて、シャフトの内輪への組み付け作業の簡略化を図ることができ、しかもシャフト抜け防止の信頼性の向上を図ることが可能な等速自在継手のシャフト抜け止め構造を提供する。
【解決手段】等速自在継手の内側継手部材の挿入孔に挿入されて、この内側継手部材とスプライン結合されたシャフトの抜け止め構造である。内側継手部材の挿入孔の反シャフト挿入側に嵌合凹所を設ける。シャフト挿入端部に、内側継手部材の挿入孔への挿入にて塑性変形して前記嵌合凹所に嵌合する突起部を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機器に使用される等速自在継手におけるシャフト抜け止め構造に関するものである。
自動車や各種産業機械における動力の伝達に用いられる等速自在継手は、一般に、図5に示すように、内球面にトラック溝1が形成された外側継手部材としての外輪2と、外球面にトラック溝3が形成された内側継手部材としての内輪4と、前記外輪2のトラック溝1と内輪4のトラック溝3との間に介在してトルクを伝達する複数のボール5と、前記外輪2と内輪4との間に介在してボール5を保持するケージ6とを備える。
シャフト7が内輪4の挿入孔4aに挿入されて、この内輪4とスプライン結合される。そのため、シャフト7は抜け止め構造によって軸方向の抜けが防止される。
従来のシャフトの抜け止め構造は、シャフト7に周方向溝(環状溝)10を設け、この周方向溝10に、一部に切欠部を有する止め輪11(以下C型クリップと呼ぶ)を嵌入させたものが一般的である(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1に記載の抜け止め構造は、この図5に示すように、シャフト7の端部のスプライン12に前記周方向溝(クリップ溝)10を設け、この周方向溝10にC型クリップ11を嵌合させる。シャフト7が挿入される内輪5には、その内周面に反挿入側の端部に、クリップ溝10に対向する周方向溝13が設けられる。C型クリップ11をやや縮径状態にしてクリップ溝10に嵌合し、この状態でシャフト7を内輪4の挿入孔4aに挿入する。C型クリップ11の外周側が内輪5の周方向溝13に出会うことにより、C型クリップ11が拡径してその外周側が内輪4の周方向溝13に嵌合される。
また、特許文献2に記載の抜け止め構造は、内輪入り口側(シャフト挿入側)にクリップ溝を形成したものである。すなわち、図7に示すように、シャフト7に断面三角形状の凸部15を設けるとともに、内輪入り口側(シャフト挿入側)にクリップ溝16を形成し、シャフト7を挿入した状態で、このクリップ溝16にクリップ11が嵌合するようにしている。
実開平1−154316号公報 特開平8−68426号公報
C型クリップ11は、その外径を自由状態においてシャフト外径よりも大きくすると共に、C型クリップ11の内径をシャフト7の周方向溝10の底面径よりも大きくしている。そして、シャフト7を内輪4に組み付ける際には、前述のようにC型クリップ11を内輪4の挿入孔4aに挿入可能なように縮径させると共に、C型クリップ11の軸心をシャフト軸心に合わせる調芯を行なう必要があった。そこで、前記特許文献1に記載のものでは、図6に示すように、この調芯のためにシャフト7の周方向溝に弾性部材14を嵌合させていた。
このため、特許文献1のような従来のシャフト抜け構造では、C型クリップ11及び調芯のための弾性部材14を必要として、部品点数が多く、コスト高となっていた。しかも、スプライン12に周方向溝を設けているので、スプライン結合を安定させるため、スプライン全体の軸方向長さを大きくする必要があった。さらに、シャフト7を内輪4の挿入孔4aに挿入する際には、C型クリップ11を内輪4の挿入孔4aに挿入可能なように縮径させるので、シャフト7を内輪に組み付けた後に、C型クリップ11が確実に拡径しているか否かの確認作業が不可能であった。
また、特許文献2に記載のシャフト抜け構造では、シャフト7の断面三角形状の凸部15の一方の(外側の)傾斜面15aと、これに対面(対向)するクリップ溝16の一方の傾斜壁16aとの間にクリップ11を介在させ、シャフト7の抜けを防止している。
このため、凸部15の傾斜面15aの傾斜角度α、クリップ溝16の傾斜壁16aの傾斜角度β、凸部15の高さ、及びクリップ溝16の深さを精度よく設定しなければ、シャフト7を挿入させにくく、かつシャフト7の抜けを防止できないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて、部品点数を減少させて、シャフトの内輪への組み付け作業の簡略化を図ることができ、しかもシャフト抜け防止の信頼性の向上を図ることが可能な等速自在継手のシャフト抜け止め構造を提供する。
本発明の等速自在継手のシャフト抜け止め構造は、等速自在継手の内側継手部材の挿入孔に挿入されて、この内側継手部材とスプライン結合されたシャフトの抜け止め構造において、内側継手部材の挿入孔の反シャフト挿入側に嵌合凹所を設けるとともに、シャフト挿入端部に、内側継手部材の挿入孔への挿入にて塑性変形して前記嵌合凹所に嵌合する突起部を設けたものである。
本発明の等速自在継手のシャフト抜け止め構造によれば、シャフトを内側継手部材の挿入孔に挿入すれば、シャフト挿入端部に設けられた突起部が塑性変形して内側継手部材の嵌合凹所に嵌合する。これによって、シャフトの内側継手部材の挿入孔からの抜けを防止できる。
また、前記嵌合凹所は周方向に沿って形成される周方向溝であるとともに、突起部が周方向に沿って形成される周方向凸部であっても、突起部が周方向に沿って所定ピッチで配設される小突起であってもよい。前記突起部は、シャフト挿入時にシャフト端面を受ける治具にガイドされて塑性変形することになる。
本発明は、シャフト挿入端部に設けられた突起部が塑性変形して内側継手部材の嵌合凹所に嵌合することによって、シャフトの抜けを防止できる。このため、従来必要としていたサークリップ溝加工が不要となって、生産性の向上を図るとともに、サークリップ(止め輪)を必要とせず、部品点数の減少を図ってコストの低減を達成できる。しかも、確実にシャフトの抜けを防止できる。
前記嵌合凹所は周方向に沿って形成される周方向溝であるとともに、突起部が周方向に沿って形成される周方向凸部であれば、周方向にわたって嵌合凹所に突起部が嵌合しており、シャフト抜け防止の信頼性の向上を図ることができる。また、突起部が周方向に沿って所定ピッチで配設される小突起であれば、塑性変形時に作用させる力(圧入力)を小さくでき、塑性変形作業の容易化を図ることができる。
突起部は、シャフト挿入時にシャフト端面を受ける治具にガイドされて塑性変形するようにすれば、組立性の向上を図ることができるとともに、塑性変形させた突起部を嵌合凹所に確実に嵌合させることができ、抜け防止の信頼性に優れた高品質のシャフト抜け止め構造となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に本発明に係るシャフト抜け止め構造を用いた等速自在継手を示す。この等速自在継手は、内周面に複数のトラック溝21を形成した外側継手部材としての外輪22と、外周面に複数のトラック溝23を形成した内側継手部材としての内輪24と、外輪22のトラック溝21と内輪24のトラック溝23とで協働して形成されるボールトラックに配される複数のボール25と、ボール25を収容するためのポケット26aを有する保持器(ケージ)26等から構成される。
また、内輪24の軸心孔(挿入孔)24aにシャフト27が嵌合される。この場合、シャフト27の先端側外周には、スプライン28が形成され、内輪24の挿入孔24aの内周面には、スプライン29が形成されている。シャフト27のスプライン28と内輪24のスプライン29とを嵌合させることにより、内輪24とシャフト27とがトルク伝達可能に結合する。
内輪24の反挿入側(シャフト27が内輪24に挿入される入り口30側と反対側の開口部側)の内周面(内径面)に周方向溝31aからなる嵌合凹所31が形成され、シャフト挿入端部(内輪24に挿入する側の端部)に嵌合凹所31に嵌合される周方向凸部からなる突起部32が設けられ、これらでもって本発明に係るシャフト抜け止め構造を構成することになる。なお、嵌合凹所31は、この実施形態では、その断面形状が矩形状とされている。
この突起部32は、嵌合凹所31に嵌合される前は、図2に示すように、短円筒形状体33であって、シャフト27の内輪24の挿入孔24aに挿入(圧入)することによって、塑性変形して、嵌合凹所31に嵌合する。なお、シャフト27の端縁部(内輪24に挿入する側の端縁部)にテーパ部45が設けられ、このテーパ部45の先細端縁部から前記短円筒形状体33が突出される。
内輪24にシャフト7を挿入する場合、図2に示す治具35を使用する。治具35は円盤体からなる大径本体部36と、この大径本体部36の内輪側の端面37から突設される小径突出部38とからなり、小径突出部38の外周側に面取り部39が形成されている。
この治具35にて内輪24を受けることができ、この状態では、小径突出部38が内輪24の反シャフト挿入側開口部に嵌合する。小径突出部38の外径寸法Aと内輪24の反シャフト挿入側開口部の内径寸法Bとを同一とするとともに、大径本体部36の端面37から面取り部39までの寸法Cと、内輪24の反シャフト挿入側端面34から嵌合凹所31までの寸法Dとを同一に設定する。
これによって、内輪24の反シャフト挿入側端面34と、治具35に端面37とが当接するとともに、内輪24の嵌合凹所31より挿入側端面34までの範囲の内周面が治具35の小径突出部38の外周面に当接する。そして、嵌合凹所31の反シャフト挿入側端と、小径突出部38の面取り部39の本体部側端とが一致して、テーパ部39が塑性変形する際のガイド面40となる。
次にこの治具35を使用したシャフト27の内輪24への挿入方法を説明する。まず、図2に示すように、この治具35にて内輪24を受けた状態とする。すなわち、嵌合凹所31の反シャフト挿入側端と、小径突出部38の面取り部39の本体部側端とが一致している状態とする。
そして、この状態で、内輪24に対してシャフト27を図2の矢印方向に沿って内輪24の挿入孔24aに挿入(圧入)して行く。この際、短円筒形状体33の先端縁が小径突出部38の面取り部39であるガイド面40に当接する。この当接した状態からさらにシャフト27を図2の矢印方向に圧入して行けば、短円筒形状体33の先端縁が、反シャフト挿入側に向かって拡径しているガイド面40に沿って拡径しつつ嵌合凹所31に嵌入されるように塑性変形する。
図3に示すように、シャフト27の端面41が治具35の小径突出部38の端面42に当接するまで、シャフト27を圧入することによって、塑性変形した短円筒形状体33が嵌合凹所31に嵌合した状態となって、周方向凸部32aからなる突起部32が形成される。このように、嵌合凹所31に突起部32を嵌合した状態となれば、シャフト27の抜けが防止される。
本発明では、シャフト挿入端部に設けられた突起部32が塑性変形して内側継手部材の嵌合凹所31に嵌合することによって、シャフト27の抜けを防止できる。このため、従来必要としていたサークリップ溝加工が不要となって、生産性の向上を図るとともに、サークリップ(止め輪)を必要とせず、部品点数の減少を図ってコストの低減を達成できる。しかも、確実にシャフト27の抜けを防止できる。
前記嵌合凹所31は周方向に沿って形成される周方向溝31aであるとともに、突起部が周方向に沿って形成される周方向凸部32aであれば、周方向にわたって嵌合凹所31に突起部32が嵌合しており、シャフト抜け防止の信頼性の向上を図ることができる。
突起部32は、シャフト挿入時にシャフト端面41を受ける治具35にガイドされて塑性変形するようにすれば、組立性の向上を図ることができるとともに、塑性変形させた突起部32を嵌合凹所31に確実に嵌合させることができ、抜け防止の信頼性に優れた高品質のシャフト抜け止め構造となる。
次に、図4は他の実施形態を示し、この場合、突起部32が周方向に沿って所定ピッチで配設される小突起32bである。この場合、小突起32bは周方向に沿って45度ピッチで8個設けられている。なお、塑性変形する前の小突起32bは扁平矩形体46である。
この場合であっても、内輪24に対してシャフト27を内輪24の挿入孔24aに挿入(圧入)して行くことによって、各扁平矩形体46の先端縁が小径突出部38の面取り部39であるガイド面40に当接する。この当接した状態からさらにシャフト27を圧入して行けば、各扁平矩形体46の先端縁が、反シャフト挿入側に向かって拡径しているガイド面40に沿って拡がりつつ嵌合凹所31に嵌入されるように塑性変形して、小突起32bからなる突出部32が形成される。
このため、図4に示すような突起部32が図4に示すような小突起32bであっても、前記図2等に示すものと同様の作用効果を奏する。特に、突起部32が周方向に沿って所定ピッチで配設される小突起32bであれば、塑性変形時に作用させる力(圧入力)を小さくでき、塑性変形作業の容易化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、複数個の小突起32bを設ける場合、シャフト27を内輪24に圧入した際に、塑性変形して嵌合凹所31に嵌合して、抜け止め機能を発揮できる範囲でその数、大きさ、配設ピッチ等を任意に変更できる。また、小突起32bを用いる場合、嵌合凹所31が周方向溝でなくて、各小突起32bに対応する位置に設けられる小凹所であってもよい。
また、突出部32としては、塑性変形させる必要があるので、硬化処理(熱処理)を施さないようにするのが好ましい。等速自在継手として、前記実施形態では、アンダーカットフリー型を例示しているが、他の固定式のツェッパー型等速自在継手であっても、さらには、トリポード型、クロスグルーブ型等の摺動式等速自在継手であってもよい。
本発明の実施形態のシャフト抜け止め構造を用いた等速自在継手の断面図である。 前記等速自在継手の内輪にシャフトを挿入する方法の説明図である。 前記等速自在継手の内輪にシャフトを挿入した後の説明図である。 本発明の他の実施形態のシャフト抜け止め構造に使用するシャフトを示し、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。 従来のシャフト抜け止め構造を用いた等速自在継手の断面図である。 従来の他のシャフト抜け止め構造の要部拡大断面図である。 従来の別のシャフト抜け止め構造の要部拡大断面図である。
符号の説明
24a 挿入孔
27 シャフト
31 嵌合凹所
32 突起部
35 治具
36 大径本体部
41 端面
46 小突起

Claims (4)

  1. 等速自在継手の内側継手部材の挿入孔に挿入されて、この内側継手部材とスプライン結合されたシャフトの抜け止め構造において、
    内側継手部材の挿入孔の反シャフト挿入側に嵌合凹所を設けるとともに、シャフト挿入端部に、内側継手部材の挿入孔への挿入にて塑性変形して前記嵌合凹所に嵌合する突起部を設けたことを特徴とする等速自在継手のシャフト抜け止め構造。
  2. 前記嵌合凹所は周方向に沿って形成される周方向溝であるとともに、突起部が周方向に沿って形成される周方向凸部であることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手のシャフト抜け止め構造。
  3. 突起部が周方向に沿って所定ピッチで配設される小突起であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の等速自在継手のシャフト抜け止め構造。
  4. 前記突起部は、シャフト挿入時にシャフト端面を受ける治具にガイドされて塑性変形することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の等速自在継手のシャフト抜け止め構造。
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