JP2008106673A - メカニカルシール付き流体ポンプ - Google Patents

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Takayoshi Nakada
高義 中田
Atsushi Chiba
淳 千葉
Junya Yamamoto
淳也 山本
Shinya Yoshimura
進哉 吉村
Koji Kametaka
康二 亀高
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Toyota Motor Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Eagle Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】流体加圧用のインペラを有して外部の動力源により回転駆動されるシャフトが偏心して回転する状態に維持されるようなメカニカルシール付き流体ポンプとして、その軸封部に設けられるメカニカルシールとしてのシール性能の低下を抑制する。
【解決手段】この流体ポンプ(ウォータポンプ)は、冷却水加圧用のインペラ4を有してエンジン出力軸により回転駆動されるシャフト2を備えるとともに、シャフト2と共に回転する回転側支持部材61に支持されたメーティングリング63とケーシング1に固定された固定側支持部材64に傾動可能に支持されたシールリング167との追従した面接触を通じて軸封部をシールするメカニカルシール6を備える。シールリング167の内周面には、固定側支持部材64の先端側外周部との対向部に、当該内周面に代わって該内周面に対する固定側支持部材64の先端側外周部の機械的干渉を受ける環状の突条167Aを設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばエンジンの冷却水の循環に用いられるウォータポンプ等、軸封部にメカニカルシールが用いられたメカニカルシール付き流体ポンプに関する。
従来、このようなメカニカルシール付き流体ポンプとしては、例えば特許文献1に見られるような車載エンジンのウォータポンプがある。図3に、この特許文献1に記載のポンプも含め、こうしたメカニカルシール付きポンプとして従来一般に採用されているポンプの構造を断面図として示す。また図4に、この流体ポンプを図3のA方向から見た正面構造を併せて示す。
まずは図3に示されるように、この流体ポンプは、ケーシング1、並びにこのケーシング1内に回転可能に支持されたシャフト2、そしてこのシャフト2の基端に取り付けられたプーリ3、さらには同シャフト2の先端に取り付けられたインペラ4を基本的に備えて構成されている。なお、上記ケーシング1の内周面の一部にはボールベアリング5が設けられており、上記シャフト2はこのボールベアリング5によって回転可能に軸支されている。
また、図4に示されるように、上記インペラ4は、上記ケーシング1の内部に形成された渦室14内に収容されている。そして、エンジン出力軸などの外部の動力源の駆動力が上記プーリ3を通じてシャフト2に伝達され、この駆動力によってシャフト2が回転することにより、同シャフト2と共にインペラ4が回転して渦室14内に周方向の圧力流が形成される。その結果、当該ポンプの正面方向にあたる吸入ポート14A(図3参照)を通じて渦室14に吸入されたエンジン冷却水等の流体は、この渦室14内で加圧されつつ吐出ポート14Bから吐出されて外部の流体通路に供給されるようになる。
一方、この流体ポンプには、先の図3に示されるように、上記シャフト2を軸支するボールベアリング5とインペラ4との間に、上記ケーシング1の内周面とシャフト2との間の隙間をシールして、流体がインペラ4側からボールベアリング5側へ浸入することを防止するためのメカニカルシール6が設けられている。このメカニカルシール6は、その全体が円筒状をなしており、大きくは、上記シャフト2の外周面に圧入嵌合されるステンレス鋼からなる回転側支持部材61、及び上記ケーシング1の内壁に圧入嵌合される同じくステンレス鋼からなる固定側支持部材64を備える構成となっている。そしてこのうち、上記回転側支持部材61には、その一部をなすフランジ61Aに固定された緩衝ゴム62を介して例えばセラミックスからなる回転側シール部材としてのメーティングリング63が設けられており、このメーティングリング63が軸封部としての一端を担っている。また、上記固定側支持部材64には、上記シャフト2の軸方向及び径方向に所定の自由度を持って例えばカーボンからなる固定側シール部材としてのシールリング67を支持するためのパッキン65及びスプリング66が設けられている。この固定側支持部材64は、その先端部64A、正確には先端側外周部とケーシング1の内壁との間に形成されて上記パッキン65、上記スプリング66及び上記シールリング67を収容する収容部64Bと、同収容部64Bの基端側から延設されて上記ケーシングの内壁に内嵌されるフランジ部64Cとを有する構成となっている。そして、上記スプリング66による付勢力によって上記シールリング67が上記メーティングリング63に押圧されつつ、その押圧力が上記緩衝ゴム62によって受け止められることで、シールリング67とメーティングリング63とによる軸封、すなわちケーシング1の内周面とシャフト2との間のシーリングが図られるようになっている。
ところで、このような流体ポンプにおいては通常、外部の動力源の駆動力が上記プーリ3に伝達され、これによってシャフト2が回転する際、プーリ3に伝達されるベルト荷重Lbを通じて、あるいは上記渦室14内を流通する流体の圧力変化等を通じて、シャフト2が偏荷重を受けた状態で回転する。ただしこのような場合であれ、ケーシング1の内周面とシャフト2との間、すなわち軸封部に上記メカニカルシール6が設けられることにより、シャフト2と共に回転する上記メーティングリング63のシール面63Fに対して上記シールリング67のシール面67Fは常に追従するかたちで傾動する。そしてこれにより、こうした軸封部におけるシール性も維持されるようになる。
特開平9−79182号公報
このように、メカニカルシール付き流体ポンプにあっては、シャフト2が偏荷重を受けた状態で、すなわち極端には偏心した状態で回転することとなるが、上記メカニカルシール6の採用によって、シャフト2のこうした偏心に起因するシール性の悪化は抑えられるようになる。ただし、シャフト2、ひいてはメーティングリング63がこのように偏心して回転する状態が長時間にわたるなどして、その偏心の度合いが拡大されるようなことがあると、メーティングリング63のシール面63Fに追従して傾動する上記シールリング67の傾動幅も自ずと拡大されるようになる。そして、シールリング67の傾動幅がこうして拡大されるようになると、同シールリング67の内周面と上記固定側支持部材64の自由端となる先端部64Aとの間での接触・摺接といった機械的干渉が繰り返されるようになり、カーボン等からなるシールリング67にとっては、その内周面の局所的な摩耗も避けられない。さらに、シールリング67内周面のこうした局所的な摩耗は固定側支持部材64の先端部64Aのいわゆる引っかかり等を誘発することにもなりかねず、こうした引っかかりが生じるようになると、シールリング67の上記メーティングリング63に対する追従性自体が妨げられるようになる。そしてその結果、メーティングリング63のシール面63Fとシールリング67のシール面67Fとの接触状態が適正に保たれなくなり、上述したメカニカルシール6としてのシール性能の低下も避けられないものとなる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体加圧用のインペラを有して外部の動力源により回転駆動されるシャフトが偏心して回転する状態に維持されるような場合であれ、その軸封部に設けられるメカニカルシールとしてのシール性能の低下を抑制することのできるメカニカルシール付き流体ポンプを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、ケーシングに回転可能に軸支されつつ、流体加圧用のインペラを有して外部の動力源により回転駆動されるシャフトを備えるとともに、該シャフトのケーシングに対する軸封部に設けられるメカニカルシールとして、回転側のシール部材である円環状のメーティングリングを支持するフランジを有して前記シャフトに外嵌され、同シャフトと共に回転する円筒状の回転側支持部材と、固定側のシール部材である円筒状のシールリングを前記メーティングリング側に付勢しつつ、かつ傾動可能に、同シールリングをその内周面側から支持する収容部を有し、該収容部の基端側から延設されたフランジ部が前記ケーシングの内壁に内嵌される固定側支持部材とを備え、前記回転側支持部材と共に回転するメーティングリングのシール面に対する前記固定側支持部材の収容部に傾動可能に支持されたシールリングのシール面の追従した面接触を通じて前記軸封部がシールされるメカニカルシール付き流体ポンプとして、前記シールリングの内周面には、同シールリングの収容部にあたる前記固定側支持部材の先端側外周部との対向部に、当該内周面に代わって該内周面に対する前記固定側支持部材の先端側外周部の機械的干渉を受ける干渉補助手段が設けられる構造としている。
メカニカルシール付き流体ポンプとしてのこのような構造によれば、固定側支持部材の自由端となる先端部がシールリングの内周面との間で接触・摺接しようとする際には、同シールリングの内周面に代わって、上記干渉補助手段が上記機械的干渉をいわばダミーとして受けるようになる。これにより、シールリングの内周面の局所的な摩耗はもとより、こうした摩耗により固定側支持部材の先端部のいわゆる引っかかり等が誘発されることもなくなるため、メーティングリングに対するシールリングの追従性は好適に維持され、ひいてはメカニカルシールとしてのシール性能の低下も的確に抑制されるようになる。
また、上記請求項1に記載のメカニカルシール付き流体ポンプにおいて、請求項2に記載の発明では、前記干渉補助手段を、前記シールリングの内周面から前記固定側支持部材の先端側外周部に向けて突設された環状の突条とした。
このような構造によれば、干渉補助手段となる上記突条が、固定側支持部材の自由端となる先端部との間で全周にわたって上記機械的干渉を受けるようになり、同機械的干渉に起因するシールリングの内周面そのものの局所的な摩耗等は的確に回避されるようになる。
またこの場合、例えば請求項3に記載の発明によるように、前記環状の突条が、前記シールリングの筒方向に沿う断面が略半円形状を有し、その先端の曲率面が前記固定側支持部材の先端側外周部に対して当接されるものとすることで、干渉補助手段と固定側支持部材との間でのより円滑な干渉とともに、この当接部を通じたシールリングとしてのより円滑な傾動が促されることとなり、メーティングリングに対するシールリングの追従性をより高い状態に維持することができるようになる。
一方、上記請求項1に記載のメカニカルシール付き流体ポンプにおいて、請求項4に記載の発明では、前記干渉補助手段を、前記シールリングの内周面に設けられて前記固定側支持部材の先端側外周部と当接される潤滑性のリング部材によって形成されるものとした。
このような構造によれば、干渉補助手段となる上記潤滑性のリング部材を通じて、固定側支持部材の自由端となる先端部との間でのより円滑な機械的干渉が促されようになり、この場合もメーティングリングに対するシールリングの追従性を高い状態に維持することができるようになる。
またこの場合、例えば請求項5に記載の発明によるように、前記リング部材をポリアミド樹脂及びフッ素系樹脂のいずれかによって形成することが、上記潤滑性のリング部材としての機能を容易に、しかも的確に実現する上で有効である。
他方、請求項1〜5に記載のメカニカルシール付き流体ポンプにおいて、請求項6に記載の発明では、当該流体ポンプが、エンジンの出力軸に駆動連結されたプーリを介して前記シャフトが回転駆動されつつ、該シャフトに設けられたインペラを通じて同エンジンの冷却水を循環せしめるウォータポンプであるとした。
このようなウォータポンプにあっては、上記メカニカルシールとしてのシール性能が特に重要であり、しかも先の課題にて記載したシール性能に関する問題も特に顕著である。この点、上述したメカニカルシール付き流体ポンプをこうしたウォータポンプに適用することで、上記各種効果も最大限に活かされるようになり、ウォータポンプの軸封部に設けられるメカニカルシールとしてのシール性能も最大限に維持されるようになる。
<第1の実施の形態>
以下、この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプを車載エンジンのウォータポンプに具体化した第1の実施の形態について図1に基づき説明する。なお図1は、先の図3に対応する図として、この実施の形態にかかるウォータポンプの断面構造を示した断面図であって、特にメカニカルシールを中心に示した部分断面図である。また、この図1において、先の図3に示した従来のウォータポンプの各要素と基本的に同一の機能を有する要素については、便宜上、それぞれ同一の符号を付して示している。
この実施の形態では、以下に詳述するように、その内周面に環状の突条が設けられたシールリングを採用することで、固定側支持部材の自由端となる先端部がシールリングの内周面との間で接触・摺接しようとする際に、シールリングの内周面に代わって、同突条に、機械的干渉をいわばダミーとして受けさせるようにしている。
図1に示されるように、この実施の形態のウォータポンプも、ケーシング1、並びにこのケーシング1内に回転可能に支持されたシャフト2、そしてこのシャフト2の基端に取り付けられたプーリ(図3参照)、さらには同シャフト2の先端に取り付けられたインペラ4を基本的に備えて構成されている。そして、このウォータポンプにあっても、上記ケーシング1の内周面の一部にはボールベアリング(図3参照)が設けられており、上記シャフト2はこのボールベアリングによって回転可能に軸支されている。
また、上記インペラ4は、これも前述のように、上記ケーシング1の内部に形成された渦室14内に収容されている。そして、エンジン出力軸の駆動力が上記プーリを通じてシャフト2に伝達され、この駆動力によってシャフト2が回転することにより、同シャフト2と共にインペラ4が回転して渦室14内に周方向の圧力流が形成される。その結果、当該ポンプの正面方向にあたる吸入ポートを通じて渦室14に吸入されたエンジン冷却水は、この渦室14内で加圧されつつ吐出ポートから吐出されて外部の冷却水通路に供給されるようになる。
一方、このウォータポンプにあっても、同図1に示されるように、上記シャフト2を軸支するボールベアリングとインペラ4との間には、上記ケーシング1の内周面とシャフト2との間の隙間をシールして、冷却水がインペラ4側からボールベアリング側へ浸入することを防止するためのメカニカルシール6が設けられている。そして、このメカニカルシール6も、その全体が円筒状をなしており、大きくは、上記シャフト2の外周面に圧入嵌合されるステンレス鋼からなる回転側支持部材61、及び上記ケーシング1の内壁に圧入嵌合される同じくステンレス鋼からなる固定側支持部材64を備える構成となっている。このうち、上記回転側支持部材61には、その一部をなすフランジ61Aに固定された緩衝ゴム62を介して例えばセラミックスからなるメーティングリング63が設けられており、このメーティングリング63が軸封部としての一端を担っている。また、上記固定側支持部材64には、上記シャフト2の軸方向及び径方向に所定の自由度を持って例えばカーボンからなるシールリング167を支持するためのパッキン65及びスプリング66が設けられている。この固定側支持部材64は、その先端部64A、これも正確には先端側外周部とケーシング1の内壁との間に形成されて上記パッキン65、上記スプリング66及び上記シールリング167を収容する収容部64Bと、同収容部64Bの基端側から延設されて上記ケーシングの内壁に内嵌されるフランジ部64Cとを有する構成となっている。そして、上記スプリング66による付勢力によって上記シールリング167が上記メーティングリング63に押圧されつつ、その押圧力が上記緩衝ゴム62によって受け止められることで、シールリング167とメーティングリング63とによる軸封、すなわちケーシング1の内周面とシャフト2との間のシーリングが図られるようになっている。
また一方、この実施の形態のウォータポンプにおいて、上記シールリング167の内周面には、同図1からも明らかなように、環状の突条167Aが設けられている。この突条167Aは、シールリング167の内周面から固定側支持部材64の先端側外周部に向けて突設されるものであって、シールリング167の筒方向に沿う断面が略半円形状を有するとともに、その先端の曲率面が固定側支持部材64の先端側外周部に対して当接されている。このようなシールリング167の採用により、固定側支持部材64の自由端となる先端部64Aがシールリング167の内周面との間で接触・摺接しようとする際に、シールリング167の内周面に代わって、同突条167Aが、こうした機械的干渉をいわばダミーとして受けるようになる。
したがって、こうしたウォータポンプにおいて、エンジンの出力軸の駆動力が上記プーリに伝達され、これによってシャフト2が回転する際、前述同様、シャフト2が偏荷重を受けた状態で回転するような場合であれ、その軸封部におけるシール性能も高く維持されるようになる。すなわち、ケーシング1の内周面とシャフト2との間にこのような構造を有するメカニカルシール6が設けられることにより、シャフト2の偏心した状態での回転に起因してシールリング67が過度に傾動し、その内周面と固定側支持部材64の先端部64Aとの間で機械的干渉が生じようとする際には、上記突条167Aがこうした機械的干渉を受けるようになる。しかも、この突条167Aの先端の曲率面が固定側支持部材64の先端側外周部に対して当接されることから、同突条167Aと固定側支持部材64との間でのより円滑な干渉とともに、この当接部を通じたシールリングとしてのより円滑な傾動が促されるようにもなる。こうしたことから、シールリング167の内周面の局所的な摩耗はもとより、こうした摩耗により固定側支持部材64の先端部64Aのひっかかりが誘発されることもなくなる。そしてこれにより、シャフト2と共に回転する上記メーティングリング63のシール面63Fに対して上記シールリング67のシール面167Fも追従するかたちで傾動するようになり、上記軸封部におけるシール性の低下も確実に抑制されるようになる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるウォータポンプによれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)シールリング167として、その内周面から固定側支持部材64の先端側外周部に向けて突設された環状の突条167Aを有するものを採用した。これにより、固定側支持部材64の自由端となる先端部64Aがシールリング167の内周面との間で接触・摺接しようとする際には、同シールリング167の内周面に代わって、上記突条167Aが、固定側支持部材64の自由端となる先端部64Aとの間で全周にわたって上記機械的干渉をいわばダミーとして受けるようになる。すなわち、上記シールリング167の突条167Aが、こうした機械的干渉を受ける干渉補助手段として機能するようになる。これにより、シールリング167の内周面の局所的な摩耗はもとより、こうした摩耗により固定側支持部材64の先端部64Aのいわゆる引っかかり等が誘発されることもなくなる。このため、メーティングリング63に対するシールリング167の追従性が高く維持されるようになり、メカニカルシール6としてのシール性能の低下も確実に抑制されるようになる。
(2)上記環状の突条167Aを、シールリング167の筒方向に沿う断面が略半円形状を有し、その先端の曲率面が固定側支持部材64の先端側外周部に対して当接するものとした。これにより、突条167Aと固定側支持部材64との間でより円滑な干渉とともに、この当接部を通じたシールリング167としてのより円滑な傾動が促されることとなり、メーティングリング63に対するシールリング167の追従性を高い状態に維持することができるようになる。
<第2の実施の形態>
次に、この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプの第2の実施の形態について、図2を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図2も、先の図3あるいは図1に対応する図として、この実施の形態にかかるウォータポンプの断面構造を示した断面図であって、特にメカニカルシールを中心に示した部分断面図である。また、同図2において、先の図3あるいは図1に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
図2に示されるように、この実施の形態のウォータポンプも、基本的には先の図1に示した第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、シールリング67の内周面に、潤滑性を有する材料として、フッ素系樹脂からなるリング部材268を設けるようにしている。すなわち、シャフト2が偏荷重を受けたとしても、このリング部材268を通じて、シールリング67の内周面と固定側支持部材64の自由端となる先端側外周部との間での円滑な機械的干渉を促すようにしている。
このように、この実施の形態においては、円筒状に形成されたリング部材268の外周面を上記シールリング67の内周面に当接させ、且つその内周面を上記固定側支持部材64の先端側外周部に当接させることにより、上記シャフト2が偏荷重を受けたとしても、その潤滑性を通じてそれらシールリング67の内周面と固定側支持部材64の先端側外周部との間での円滑な機械的干渉を促すようにしている。このため、このようなリング部材268によっても、シールリング67の内周面の局所的な摩耗はもとより、こうした摩耗により固定側支持部材64の先端側外周部のいわゆる引っかかり等が誘発されることもなくなり、メーティングリング63のシール面63Fに対するシールリング67のシール面67Fの良好な追従性が維持されるようになる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるウォータポンプによれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)シールリング67の内周面に、固定側支持部材の先端側外周部と当接する潤滑性のリング部材268が設けられる構造とした。これにより、同リング部材268を通じてシールリング67の内周面と固定側支持部材64の自由端となる先端側外周部との間での円滑な機械的干渉が促されるようになる。すなわち、上記リング部材268が、こうした機械的干渉を受ける干渉補助手段として機能するようになる。これにより、シールリング67の内周面の局所的な摩耗はもとより、こうした摩耗により固定側支持部材の先端部64Aのひっかかり等が誘発されることもなくなる。このため、メーティングリング63に対するシールリング67の追従性が高く維持されるようになり、メカニカルシール6としてのシール性能の低下も確実に抑制されるようになる。
(2)リング部材268がフッ素系樹脂によって形成されるものとした。これにより、上記潤滑性のリング部材268としての機能を容易に、しかも的確に実現することができるようになる。
<他の実施の形態>
なお、この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプは上記各実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、それら実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1の実施の形態のように、シールリング167の筒方向に沿う突条167Aの断面形状を略半円とし、その先端の曲率面を固定側支持部材64の先端側外周部に対して当接させる態様にて同シールリング167を設けることが、この当接部を通じたシールリング167としてのより円滑な傾動を促す上で望ましい。しかし、突条と固定側支持部材との間での円滑な干渉とともに、その当接部を通じたシールリングとしての円滑な傾動を図ることができる場合には、シールリングの筒方向に沿う突条の断面形状も特に限定されない。すなわち、このような条件が満たされる限り、シールリングの筒方向に沿う突条の断面形状も略半円形状に限らない任意の形状とすることができる。
・上記第2の実施の形態では、潤滑性材料としてフッ素系樹脂によって形成されるリング部材268について例示した。しかし、潤滑性を有するリング部材を形成するための材料はこれに限られない。他に例えば、フッ素系樹脂に近い潤滑性を有するポリアミド樹脂等の樹脂材料によってリング部材を形成するようにしてもよい。
・上記各実施の形態では、この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプをエンジンの冷却水の循環に用いられるウォータポンプに適用した例について各々その具体構造を示した。確かにこのようなウォータポンプにあっては、上記メカニカルシールとしてのシール性能が特に重要であり、しかも先の課題にて記載したシール性能に関する問題も特に顕著である。この点、上述したメカニカルシール付き流体ポンプをこうしたウォータポンプに適用することで、上記各種効果も最大限に活かされるようになり、ウォータポンプの軸封部に設けられるメカニカルシールとしてのシール性能も最大限に維持されるようになる。しかし、この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプはこれに限られるものではない。他に例えば、オイル等、他の流体のエネルギ蓄積や移送を行うメカニカルシール付き流体ポンプにもこの発明は適用可能である。要は、シールリングの内周面のうち、同シールリングの収容部にあたる固定側支持部材の先端側外周部との対向部に、当該内周面に代わって該内周面に対する固定側支持部材の先端側外周部の機械的干渉を受ける干渉補助手段が設けられる構造のメカニカルシールを有するものであればよい。
この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプの第1の実施の形態についてその一部断面構造を示す断面図。 この発明にかかるメカニカルシール付き流体ポンプの第2の実施の形態についてその一部断面構造を示す断面図。 従来のメカニカルシール付き流体ポンプについてその全体の断面構造を示す断面図。 同メカニカルシール付き流体ポンプを図3のA方向から見た正面構造を示す正面図。
符号の説明
1…ケーシング、2…シャフト、3…プーリ、4…インペラ、5…ボールベアリング、6…メカニカルシール、61…回転側支持部材、61A…フランジ、62…緩衝ゴム、63…メーティングリング、63F…シール面、64…固定側支持部材、64A…先端部、64B…収容部、64C…フランジ部、65…パッキン、66…スプリング、67、167…シールリング、67F、167F…シール面、167A…突条、268…リング部材。

Claims (6)

  1. ケーシングに回転可能に軸支されつつ、流体加圧用のインペラを有して外部の動力源により回転駆動されるシャフトを備えるとともに、該シャフトのケーシングに対する軸封部に設けられるメカニカルシールとして、回転側のシール部材である円環状のメーティングリングを支持するフランジを有して前記シャフトに外嵌され、同シャフトと共に回転する円筒状の回転側支持部材と、固定側のシール部材である円筒状のシールリングを前記メーティングリング側に付勢しつつ、かつ傾動可能に、同シールリングをその内周面側から支持する収容部を有し、該収容部の基端側から延設されたフランジ部が前記ケーシングの内壁に内嵌される固定側支持部材とを備え、前記回転側支持部材と共に回転するメーティングリングのシール面に対する前記固定側支持部材の収容部に傾動可能に支持されたシールリングのシール面の追従した面接触を通じて前記軸封部がシールされるメカニカルシール付き流体ポンプにおいて、
    前記シールリングの内周面には、同シールリングの収容部にあたる前記固定側支持部材の先端側外周部との対向部に、当該内周面に代わって該内周面に対する前記固定側支持部材の先端側外周部の機械的干渉を受ける干渉補助手段が設けられてなる
    ことを特徴とするメカニカルシール付き流体ポンプ。
  2. 前記干渉補助手段が、前記シールリングの内周面から前記固定側支持部材の先端側外周部に向けて突設された環状の突条からなる
    請求項1に記載のメカニカルシール付き流体ポンプ。
  3. 前記環状の突条は、前記シールリングの筒方向に沿う断面が略半円形状を有してなり、その先端の曲率面が前記固定側支持部材の先端側外周部に対して当接されてなる
    請求項2に記載のメカニカルシール付き流体ポンプ。
  4. 前記干渉補助手段が、前記シールリングの内周面に設けられて前記固定側支持部材の先端側外周部と当接される潤滑性のリング部材からなる
    請求項1に記載のメカニカルシール付き流体ポンプ。
  5. 前記リング部材がポリアミド樹脂及びフッ素系樹脂のいずれかからなる
    請求項4に記載のメカニカルシール付き流体ポンプ。
  6. 当該流体ポンプは、エンジンの出力軸に駆動連結されたプーリを介して前記シャフトが回転駆動されつつ、該シャフトに設けられたインペラを通じて同エンジンの冷却水を循環せしめるウォータポンプである
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のメカニカルシール付き流体ポンプ。
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