JP2008105968A - アミド化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の酸化防止性能を有し、より耐変色性に優れたアミド化合物を提供すること。
【解決手段】式(1)
Figure 2008105968

(式中、nは0〜2の整数を表す。)で示される化合物、該化合物からなる熱可塑性樹脂用酸化防止剤、該化合物を含有する熱可塑性樹脂組成物、及び該化合物を熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂の酸化防止方法である。該化合物は2−アミノ−4’−ブロモビフェニルと対応する酸クロライドとの反応により製造され、2−アミノ−4’−ブロモビフェニルは4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルを還元することにより得られ、これは、パラジウム化合物存在下、2−ヨード−1−ニトロベンゼンと4−ブロモフェニルボロン酸とを反応させることにより製造される。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂の酸化防止性能を有するアミド化合物に関する。また本発明は、該アミド化合物の製造方法及びその中間体として好適に用いられる4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルの製造方法に関係しており、更に、該アミド化合物からなる熱可塑性樹脂用酸化防止剤、該アミド化合物を含有する熱可塑性樹脂組成物、及び該アミド化合物を熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂の酸化防止方法にも関係している。
ある種のフェノール系アミド化合物は、熱可塑性樹脂の酸化防止剤として知られている。例えば、米国特許第3677965号明細書(特許文献1)及び米国特許第3763166号明細書には、アルキルヒドロキシフェニルポリアミド類が上記酸化防止剤として記載されている。
米国特許第3677965号明細書 米国特許第3763166号明細書
しかしながら、上記アルキルヒドロキシフェニルポリアミド類を含有する熱可塑性樹脂組成物は、空気中の窒素酸化物(NOx)等によって変色しやすく、耐変色性の点で必ずしも満足できるものではなかった。
そこで、本発明の目的は、熱可塑性樹脂の酸化防止性能を有し、より耐変色性に優れたアミド化合物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、該化合物の製造方法及びその中間体として好適に用いられる4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルの製造方法を提供することにあり、更に、該化合物からなる熱可塑性樹脂用酸化防止剤、該化合物を含有する熱可塑性樹脂組成物、及び該化合物を熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂の酸化防止方法も提供することにある。
本発明者は鋭意研究を行った結果、式(1)
Figure 2008105968
(式中、nは0〜2の整数を表す。)
で示される化合物が、熱可塑性樹脂の酸化を良好に防止し、かつ、優れた耐変色性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式(1)
Figure 2008105968
(式中、nは0〜2の整数を表す。)
で示される化合物を提供するものである。
また、本発明は、2−アミノ−4’−ブロモビフェニルと式(2)
Figure 2008105968
(式中、nは前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物とを塩基存在下で反応させる上記式(1)で示される化合物の製造方法を提供するものであり、
加えて、その中間体の好適な製造方法として、パラジウム化合物存在下、2−ヨード−1−ニトロベンゼンと4−ブロモフェニルボロン酸とを反応させることを特徴とする4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルの製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、上記式(1)で示される化合物からなる熱可塑性樹脂用酸化防止剤、
熱可塑性樹脂及び上記式(1)で示される化合物を含有する熱可塑性樹脂組成物、及び
上記式(1)で示される化合物を熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂の酸化防止方法を提供するものである。
上記式(1)で示される化合物は、優れた耐変色性で、熱可塑性樹脂の酸化を良好に防止することができる。また、本発明によれば、該化合物を効率的に製造することができる。
本発明の化合物は、式(1)
Figure 2008105968
(式中、nは0〜2の整数を表す。)で示される化合物である〔以下、アミド化合物(1)ということがある〕。中でも、nが0である、N−[2−(4−ブロモフェニル)−フェニル]−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンズアミドがより優れた酸化防止性能、耐変色性を有する。
アミド化合物(1)は、下記の経路で製造することができる。
Figure 2008105968
まず、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルの製造方法について説明する。4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルは、2−ヨード−1−ニトロベンゼンと4−ブロモフェニルボロン酸とをパラジウム化合物存在下で反応させることで製造することができる。
反応に用いられる2−ヨード−1−ニトロベンゼンの使用量は、4−ブロモフェニルボロン酸1モルに対して通常0.8〜1.2モル、好ましくは0.95〜1.04モルである。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の0価のパラジウム化合物や、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、アリルパラジウム(II)クロリド2量体、シクロペンタジエニルアリルパラジウム(II)、水酸化パラジウム等の2価のパラジウム化合物が挙げられる。また、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。尚、該パラジウム化合物は、反応中、溶解していても、何らかの担体に担持されていてもよい。
パラジウム化合物の使用量は、4−ブロモフェニルボロン酸1モルに対して、通常0.00001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.05モルである。
反応は塩基存在下で行うことが好ましい。かかる塩基としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムのようなアルカリ金属酢酸塩、リン酸ナトリウムのようなアルカリ金属リン酸塩等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。また、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、アルカリ金属炭酸塩がより好ましく採用される。
上記塩基を用いる場合、その使用量は、4−ブロモフェニルボロン酸1モルに対して通常0.5〜5.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルである。
また、ホスフィン類やイミン類の存在下で反応を行うこともできる。中でも、トリアリールホスフィン類の存在下で行うのが好ましく、さらには、トリフェニルホスフィンの存在下で行うのがより好ましい。
上記ホスフィン類やイミン類を用いる場合、その使用量は、パラジウム化合物1モルに対して通常0.5〜5.0モル、好ましくは1.0〜2.2モルである。
反応には、通常、溶媒が用いられる。かかる溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル、アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、ジクロロエタンのような塩素化脂肪族炭化水素、モノクロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素、水等が挙げられる。また、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
上記溶媒の使用量は、4−ブロモフェニルボロン酸に対して、通常0.1重量倍〜50重量倍、好ましくは0.5重量倍〜20重量倍である。
2−ヨード−1−ニトロベンゼン、4−ブロモフェニルボロン酸、パラジウム化合物及び溶媒の混合処方は、適宜選択することができる。また、上記塩基を用いる場合も、その混合処方については特に制限はない。
更に、上記ホスフィン類やイミン類を用いる場合も、その混合処方は適宜選択することができ、例えば、かかるホスフィン類やイミン類を、あらかじめパラジウム化合物と混合した後に、他の化合物と混合してもよいし、パラジウム化合物が存在する反応系中に加えてもよい。
反応は、通常、0〜150℃で行われる。また、反応は、常圧下、減圧下及び加圧下のいずれかで行うことができる。
反応の経過は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル等で追跡することができる。
反応の後処理は公知の方法で行うことができる。例えば、反応液に有機溶媒や水を加え、洗浄し、その後油水分離して無機塩や触媒を除去した後に、得られた油層から有機溶媒を留去することで、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルを得ることができる。かくして得られた4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルは、そのまま次の反応に用いることもでき、またその他用途に用いることもできるが、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等によりさらに精製してもよい。
次に、2−アミノ−4’−ブロモビフェニルの製造方法について説明する。
2−アミノ−4’−ブロモビフェニルは、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルを公知の方法で、例えば、亜鉛を用いて水中で還元反応を行うことで製造できる。使用される4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルは、公知の方法で製造されたものであってもよく、上述した方法により製造されたものであってもよい。本発明においては、上述した方法により製造された4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルを使用するのが好ましい。
水の使用量については、特に制限はなく、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルに対して通常1〜50重量倍である。
還元反応で用いられる亜鉛として、例えば、金属亜鉛を挙げることができる。形状は、粉末状、粒状等、種々の形態のものが使用でき、中でも粉末状が好ましい。亜鉛の使用量については、特に制限はなく、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニル1モルに対して通常1〜20モルである。
尚、塩化アンモニウムのような無機塩の存在下で還元反応を行うこともできる。かかる無機塩を使用する場合、その使用量については、特に制限はなく、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニル1モルに対して通常1〜20モルである。
還元反応は、通常0〜100℃、好ましくは50〜100℃で行うことができる。また、還元反応は、常圧下、減圧下及び加圧下のいずれかで行うことができる。
4−ブロモ−2’−ニトロビフェニル、亜鉛及び水の混合処方は、適宜選択することができる。また、上記無機塩を用いる場合も、その混合処方については特に制限はない。
還元反応の経過は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル等で追跡することができる。
還元反応の後処理は公知の方法で行うことができる。例えば、ろ過によって未反応の亜鉛を除去した後に、有機溶媒で抽出する方法等が挙げられる。かくして得られた2−アミノ−4’−ブロモビフェニルは、そのまま次の反応に用いてもよいし、酸析や蒸留等によりでさらに精製してもよい。
次に、アミド化合物(1)の製造方法について説明する。アミド化合物(1)は、2−アミノ−4’−ブロモビフェニルと式(2)
Figure 2008105968
(式中、nは前記と同じ意味を表す。)で示される化合物〔以下、酸塩化物(2)ということがある。〕とを塩基存在下で反応させることにより製造することができる。
使用される2−アミノ−4’−ブロモビフェニルは、公知の方法で製造されたものであってもよく、上述した方法により製造されたものであってもよい。本発明においては、上述した方法により製造された2−アミノ−4’−ブロモビフェニルを使用するのが好ましい。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンのような有機塩基等を挙げることができる。
塩基の使用量には、特に制限はないが、2−アミノ−4’−ブロモビフェニル1モルに対して、通常1〜5モルである。
尚、使用される酸塩化物(2)は、公知の方法に準じて得ることができ、例えば、対応するカルボン酸と塩化チオニル等の塩素化剤とを、トリエチルアミン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンのような有機塩基等の塩基存在下で反応させて得ることができる。
酸塩化物(2)の使用量は、2−アミノ−4’−ブロモビフェニル1モルに対して、通常0.8〜1.5モル、好ましくは0.95〜1.05モルである。
反応には、通常、溶媒が用いられる。かかる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、ジクロロエタンのような塩素化脂肪族炭化水素、モノクロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素等が挙げられる。また、溶媒として、トリエチルアミン、ピリジンのような有機塩基を用いることもできる。必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
溶媒の使用量には、特に制限はないが、2−アミノ−4’−ブロモビフェニルに対して通常1〜50重量倍である。
反応は、通常0〜100℃で行うことができる。また、反応は、常圧下、減圧下及び加圧下のいずれかで行うことができる。
2−アミノ−4’−ブロモビフェニル、酸塩化物(2)、塩基及び溶媒の混合処方は、適宜選択することができる。
反応の経過は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル等で追跡することができる。
反応終了後は、常法によって後処理がなされる。例えば、反応液に、水と塩基又は酸を加えて洗浄し、油水分離後、該油層から溶媒を留去することで、アミド化合物(1)を得ることができる。得られたアミド化合物(1)は、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等によりでさらに精製してもよい。
かくして得られたアミド化合物(1)は、熱可塑性樹脂の酸化防止剤として用いることができる。本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HD−PE)、低密度ポリエチレン(LD−PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、エチレン/アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA樹脂)、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂の如きポリオレフィン系樹脂、
ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合体(ACS樹脂)、スチレン/ブタジエン共重合体の如きポリスチレン系樹脂等が挙げられ、
また、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/メチルメタクリレート(MMA)共重合体等が挙げられる。また、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
これらの樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、EEA樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂の如きポリオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、スチレン/ブタジエン共重合樹脂の如きポリスチレン系樹脂等が好ましく、より好ましくはポリオレフィン系樹脂、さらにより好ましくはポリプロピレンが採用される。
アミド化合物(1)は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部含有される。アミド化合物(1)の含有量が多すぎると、熱可塑性樹脂表面が粉を噴いたような状態(アミド化合物(1)のブリードアウト)になる恐れがあり、少なすぎると所望の耐酸化性能が得られにくくなる。
アミド化合物(1)を含有する熱可塑性樹脂組成物の調製方法としては、例えば、アミド化合物(1)を熱可塑性樹脂に配合する方法が挙げられる。かかる配合方法は、従来公知の方法を採用でき、例えば、(イ)アミド化合物(1)を適当な溶媒に溶解させてなる溶液を、重合反応終了後の重合物に加え、次いで溶媒を留去する方法、(ロ)粉末状の熱可塑性樹脂と粉末状のアミド化合物(1)とを混合し、該混合物を押出し機に供給した後、溶融押出しする方法、(ハ)熱可塑性樹脂とアミド化合物(1)とを、バンバリーミキサーや2本ロールのようなバッチ式混練機に供給した後、混練する方法、(ニ)予め高濃度にアミド化合物(1)を練り込んだ熱可塑性樹脂のマスターバッチペレットと熱可塑性樹脂のペレットとを、押出し機に供給し、該押出し機で溶融混練する方法等が挙げられる。
尚、熱可塑性樹脂の耐酸化性、耐着色性に悪影響を及ぼさない範囲で、公知の添加剤、例えば、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、光安定剤、脂肪族カルボン酸塩、ハイドロタルサイト、有機又は無機充填剤、難燃剤、滑剤、抗ブロッキング剤、有機又は無機顔料等を添加してもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
(4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルの合成)
窒素気流下、冷却管を備えた30mLフラスコに、2−ヨード−1−ニトロベンゼン0.5g、4−ブロモフェニルボロン酸0.41g、炭酸ナトリウム0.22g、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロリド0.000013g、トリフェニルホスフィン0.000028g、水1mL、及びトルエン2.5mLを加え、80℃で5時間、撹拌しながら保持した。得られた反応混合物にトルエンを加えて混合し、その後、油層と水層とに分離した。油層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルが0.54g含まれていた。2−ヨード−1−ニトロベンゼンに対する収率は94%であった。
(2−アミノ−4’−ブロモビフェニルの合成)
窒素気流下、冷却管を備えた500mLフラスコに、4−ブロモ−2’−ニトロビフェニル27.8g、亜鉛47.4g、塩化アンモニウム10.7g及び水300mLを加え、80℃で4時間、撹拌しながら保持した。得られた反応混合物をろ過して亜鉛を除去し、得られた溶液をトルエンで2回抽出した。油層を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで濃縮した。得られた油状化合物をガスクロマトグラフィーで分析すると、2−アミノ−4’−ブロモビフェニルが22.8g含まれていた。4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルに対する収率は92%であった。
〔N−[2−(4−ブロモフェニル)フェニル]−4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)ベンズアミドの合成〕
200mLフラスコに、4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)安息香酸2.5g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.02g及びヘキサン20mLを加えた。その混合物に塩化チオニル6.0gを滴下し、80℃で3時間保持した。その後、該反応混合物から溶媒及び未反応の塩化チオニルを除去した後、得られた濃縮物、トルエン80mL、2−アミノ−4’−ブロモビフェニル2.48g及びトリエチルアミン3.0gを混合し、常温で4時間撹拌した。該混合物に水を入れて分液し、油層を5%塩酸、7%炭酸ナトリウム水溶液で1回ずつ洗浄した。その後、油層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N−[2−(4−ブロモフェニル)フェニル]−4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)ベンズアミド〔式(1)において、n=0である化合物〕の白色固体を3.1g得た。2−アミノ−4’−ブロモビフェニルに対する収率は65%であった。
融点197〜202℃。
1H−NMR(200MHz、CDCl3):δ1.40ppm(18H、s);5.58ppm(1H、s);7.14−7.48ppm(8H、m);7.61−7.66ppm(2H、m);7.84ppm(1H、s)。
実施例2
〔N−[2−(4−ブロモフェニル)フェニル]−3−[4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)フェニル]プロピオン酸アミドの合成〕
200mLフラスコに、3−[4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)フェニル]プロピオン酸2.78g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.02g及びヘキサン20mLを加えた。その混合物に塩化チオニル6.0gを滴下し、80℃で3時間保持した。その後、該反応混合物から溶媒及び未反応の塩化チオニルを除去した後、得られた濃縮物、トルエン80mL、2−アミノ−4’−ブロモビフェニル2.48g及びトリエチルアミン3.0gを混合し、常温で4時間撹拌した。該混合物に水を入れて分液し、油層を5%塩酸、7%炭酸ナトリウム水溶液で1回ずつ洗浄した。その後、油層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N−[2−(4−ブロモフェニル)フェニル]−3−[4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)フェニル]プロピオン酸アミド〔式(1)において、n=2である化合物〕の白色固体を3.8g得た。2−アミノ−4’−ブロモビフェニルに対する収率は75%であった。
融点164〜166℃。
1H−NMR(200MHz、CDCl3):δ1.40ppm(18H、s);2.46ppm(2H、t、J=7.4Hz);2.89ppm(2H、t、J=7.4Hz);5.08ppm(1H、s);6.94−7.56ppm(10H、m)。
実施例3(ポリプロピレン樹脂組成物の調製1)
ポリプロピレン樹脂100重量部及びN−[2−(4−ブロモフェニル)フェニル]−4−ヒドロキシ−3,5−(ジ−t−ブチル)ベンズアミド〔アミド化合物(1)において、n=0である化合物。以下、化合物Aということがある。〕0.05重量部を混合し、該混合物を単軸30mmφの押出し機に供給した後、220℃で押出してペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を得た。次いで、射出成形機により射出成形し、ポリプロピレン樹脂組成物の試験片(40×60×1mm)を調製した。
実施例4(ポリプロピレン樹脂組成物の調製2)
上記化合物Aを0.2重量部とした以外は、実施例3と同様に、ポリプロピレン樹脂組成物の試験片を調製した。
比較例1(ポリプロピレン樹脂組成物の調製3)
ポリプロピレン樹脂100重量部及びN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガノックス1098。以下、化合物Bということがある。〕0.05重量部を混合し、該混合物を単軸30mmφの押出し機に供給した後、220℃で押出してペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を得た。次いで、射出成形機により射出成形し、ポリプロピレン樹脂組成物の試験片(40×60×1mm)を調製した。
比較例2(ポリプロピレン樹脂組成物の調製4)
上記化合物Bを0.2重量部とした以外は、比較例1と同様に、ポリプロピレン樹脂組成物の試験片を調製した。
比較例3(ポリプロピレン樹脂組成物の調製5)
上記化合物Aを添加しない以外は、実施例3と同様に、ポリプロピレン樹脂組成物の試験片を調製した。
以上の実施例3及び4、並びに、比較例1〜3で調製したポリプロピレン樹脂組成物を、以下の耐熱酸化防止性能試験及び耐NOx着色試験にて評価した。結果を表1に示す。
[耐熱酸化防止性能試験]
ポリプロピレン樹脂組成物の試験片を、ギヤーオーブンを用いて、空気雰囲気下、150℃で熱処理し、JIS K 7212(1977)に準拠して脆化ライフを測定した。試験開始から、目視により試験片面積の30%以上が変色(脆化)した時点までの時間を脆化ライフとした。
[耐NOx着色試験]
ポリプロピレン樹脂組成物の試験片を650ppmのNOxガス中に暴露し、色差計により、該試験片のYI(Yellowness Index)を測定した。
Figure 2008105968

Claims (11)

  1. 式(1)
    Figure 2008105968
    (式中、nは0〜2の整数を表す。)
    で示される化合物。
  2. 式(1)中、nが0である請求項1に記載の化合物。
  3. 2−アミノ−4’−ブロモビフェニルと式(2)
    Figure 2008105968
    (式中、nは前記と同じ意味を表す。)
    で示される化合物とを塩基存在下で反応させる請求項1に記載の化合物の製造方法。
  4. 4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルと亜鉛とを反応させ、得られた2−アミノ−4’−ブロモビフェニルを前記式(2)で示される化合物との反応に付す、請求項3に記載の方法。
  5. パラジウム化合物存在下、2−ヨード−1−ニトロベンゼンと4−ブロモフェニルボロン酸とを反応させることを特徴とする4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルの製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法により4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルを製造し、この4−ブロモ−2’−ニトロビフェニルを前記亜鉛との反応に付す、請求項4に記載の方法。
  7. 請求項1に記載の化合物からなる熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
  8. 熱可塑性樹脂及び請求項1に記載の化合物を含有する熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項8に記載の組成物。
  10. 請求項1に記載の化合物を熱可塑性樹脂に配合する熱可塑性樹脂の酸化防止方法。
  11. 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項10に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112876754A (zh) * 2021-01-21 2021-06-01 湖南工业大学 一种生物基抗氧剂改性橡胶及其制备方法

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