JP2008105243A - 帳票及びその製法方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装容器等の被着体に取着した後に一部を分離させる配送伝票等の多層の帳票、及びその製造方法に関し、意図せずに帳票分離部の剥がれを防止する。
【解決手段】台紙13に台紙スリット28によって台紙側分離部27が形成されて当該台紙分離部27の領域以外の領域に剥離剤層31が設けられ、一方、上紙12(23)に上紙スリット25によって帳票分離部24が形成されて剥離可能再貼付不可層33が設けられ、台紙13側の剥離剤層31を含む全面となり、上紙12(23)側の剥離可能再貼付不可層33を含む全面となる当該台紙13と当該上紙12(23)との間に粘着剤で形成される粘着剤層32が設けられる構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、包装容器等の被着体に取着した後に一部を分離させる配送伝票等の多層の帳票、及びその製造方法に関する。
近年、配送伝票等の帳票が種々出現しており、特に被着体に取着し、配送後にその一部の受領票を分離させて持ち帰るための帳票においては、当該被着体に取着されているときには剥がれ難く、分離させる際には容易に剥がれることが望まれる。
従来、包装容器等の被着体に取着し、後にその一部を分離させるための帳票として、以下の特許文献で提案されているものがある。
特開2005−132012号公報 特開2005−131874号公報
そこで、図8に、従来の帳票の構造の説明図を示す。図8(A)は特許文献1で提案されている構造の帳票の断面構成図、図8(B)は上記特許文献2で提案されている構造の帳票の断面構成図である。図8(A)において、帳票101は、上紙102と台紙103との間に剥離剤層104及び粘着剤層105が介在され、台紙103には当該台紙103が粘着剤層106を表出させるために当該台紙103を剥離させたときに上紙102側に所定領域の台紙残部105を残すためのスリット108が形成され、また、上紙102には後に所定領域の帳票分離部107を分離させる切取ミシン線109が形成される。この切取ミシン線109の領域は上記スリット108で形成される台紙残部105の領域より小とされ、当該帳票分離部107と台紙残部105との間には粘着剤層106が非塗布とされる。当該部分に粘着剤層106を非塗布とさせることで、後に帳票分離部107が容易に分離されるものである。
また、図8(B)に示す帳票111は、台紙103の全面に剥離剤層104が形成される以外は、図8(A)の帳票101と同様であり、切取ミシン線109の領域が上記スリット108で形成される台紙残部105の領域より小とされることや、当該帳票分離部107と台紙残部105との間には粘着剤層106が非塗布とされることは同様である。
上記図8(A)、(B)に示す帳票101,111は、共に、台紙103が剥離剤層104によって粘着剤層106より剥離されると、上紙102側に台紙残部105がスリット108によって残存し、その状態で表出された粘着剤層106によって被着体に取着され、後に帳票分離部107が切取ミシン線109で切り取られて分離されるものである。
しかしながら、図8(A)、(B)に示す帳票101,111は、共に、後に分離される帳票分離部107が台紙103(特に台紙残部105)とは間の空間によって関わりがなく、上紙102と切取ミシン線109によって形成されているに過ぎず、取扱中に意図せずに切取ミシン線109で帳票分離部107が剥がれてしまう場合がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、意図せずに帳票分離部の剥がれを防止する帳票及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、被着体に取着した後に一部の帳票分離部を分離させる多層の帳票であって、所定部分に、前記帳票分離部より大となる領域を台紙分離部とするための台紙スリットが形成される台紙と、前記台紙と重ね合わされたときに前記台紙スリットで形成される前記台紙分離部の領域内に相当し、当該台紙分離部の領域より小の領域で前記帳票分離部を形成するために上紙スリットが形成される上紙と、前記台紙と前記上紙との間に設けられ、当該台紙側の前記台紙分離部となる領域以外の部分領域に形成される剥離剤層と、前記台紙と前記上紙との間に設けられ、当該上紙側の前記帳票分離部となる領域部分に、剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材で形成される剥離可能再貼付不可層と、前記台紙側の前記剥離剤層を含む全面となり、前記上紙側の前記剥離可能再貼付不可層を含む全面となる当該台紙と当該上紙との間に粘着剤で形成される粘着剤層と、を有する構成とする。
請求項2の発明では、前記剥離可能再貼付不可層は、異種の樹脂剤による2層で形成され、前記帳票分離部の分離時に当該異種樹脂剤層が当接界面で剥離される構成である。
請求項3の発明では、台紙と上紙とが重ね合わされ、被着体に取着した後に一部の帳票分離部を分離させる多層の帳票の製造方法であって、前記台紙上の、所定部分以外の領域に剥離剤を塗布して剥離剤層を形成する工程と、前記台紙の前記剥離剤層を含む全面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する工程と、前記粘着剤層上であり、前記台紙上の前記剥離剤が塗布されなかった領域内に相当し、当該剥離剤が塗布されなかった領域より小の領域に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層を形成する工程と、前記粘着剤層上及び前記剥離可能再貼付不可層上に前記上紙を重ね合わせる工程と、前記台紙上の前記剥離剤が塗布されなかった領域部分に相当する領域部分に台紙スリットを形成して台紙分離部とさせると共に、前記上紙の前記形成された剥離可能再貼付不可層に相当する領域部分に上紙スリットを形成して帳票分離部とさせる工程と、を含む構成とする。
請求項4の発明では、台紙と上紙とが重ね合わされ、被着体に取着した後に一部の帳票分離部を分離させる多層の帳票の製造方法であって、前記上紙の所定部分に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層を形成する工程と、前記剥離可能再貼付不可層を含む前記上紙上の全面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する工程と、前記粘着剤層上であり、前記上紙上に形成された剥離可能再貼付不可層に相当する領域より一回り大の領域以外の領域部分に剥離剤を塗布して剥離剤層を形成する工程と、前記剥離剤層上に前記台紙を重ね合わせる工程と、前記台紙上の前記剥離剤が塗布されなかった領域部分に相当する領域部分に台紙スリットを形成して台紙分離部とさせると共に、前記上紙の前記形成された剥離可能再貼付不可層に相当する領域部分に上紙スリットを形成して前記帳票分離部とさせる工程と、を含む構成とする。
請求項5の発明では、請求項3又は4記載の帳票の製造方法であって、前記剥離可能再貼付不可層の形成は、前記帳票分離部を分離させるときに当該層内で剥離させるための1層であり、又は、前記帳票分離部を分離させるときに同種部材の当接界面で剥離させるための2層であり、又は、前記帳票分離部を分離させるときに異種樹脂剤の当接界面で剥離させるための2層である構成である。
請求項1、2の発明によれば、台紙に台紙スリットによって台紙側分離部が形成されて当該台紙分離部の領域以外の領域に剥離剤層が設けられ、一方、上紙に上紙スリットによって帳票分離部が形成されて剥離可能再貼付不可層が設けられ、台紙側の剥離剤層を含む全面となり、上紙側の剥離可能再貼付不可層を含む全面となる当該台紙と当該上紙との間に粘着剤層が設けられることにより、帳票分離部が粘着剤層と接着される剥離可能再貼付不可層に取着されることから、上紙に対してミシン線によらずスリットで形成しても、取扱い段階での意図しない帳票分離部の剥がれを防止することができるものである。
請求項3〜5の発明によれば、粘着剤層が、台紙側の剥離剤層を含み、又は、上紙側の剥離可能再貼付不可層を含む全面に形成させる工程が含まれることにより、粘着剤層と接着される剥離可能再貼付不可層に取着される帳票分離部に対して、当該粘着剤層を部分塗布によらず全面塗布させることから粘着剤塗布工程を簡易に行うことができるものである。
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る帳票の構成図を示す。図1(A)は帳票の表面の平面図、図1(B)は帳票の裏面の平面図、図1(C)は図1(A)のA−A断面図である。なお、図1(C)の断面図は構成を説明するために寸法を無視してある。
図1(A)〜(C)に示す帳票11は、ここでは配達伝票として説明する。帳票11は、上紙12と台紙13とが重ね合わされる多層のものであって、上紙12は、例えば第1帳票21と第2帳票23とが切取線(ミシン線)22で切り取り自在とされている。上紙12としては、104.7g/m2(四六判90kg連量)以下の感熱紙、上質紙、コート紙、ノーカーボン紙、インクジェット用紙、合成紙、フィルム等が採用できる。また、重ね合わされる台紙13は、上紙12の第1帳票21と対応する第1台紙13Aと第2帳票23と対応する第2台紙13Bとが上記切取線22と一体とされる切取線26で切り取り自在とされている。台紙13としては、同様に、104.7g/m2(四六判90kg連量)以下の感熱紙、上質紙、コート紙、ノーカーボン紙、インクジェット用紙、合成紙、フィルム等が採用できる。
上記上紙12の第1帳票としては、上記上紙12及び台紙13は、ここでは共に紙類として説明するが、配達伝票とする場合として上紙12は紙類が好ましく、台紙13は紙類に限らずフィルム等であってもよい。配達伝票として、例えば、第1帳票21(第2台紙13B)が送り状となり、第2帳票23(第2台紙13B)の後述の帳票分離部24(台紙分離部27)が受領票とされる。本発明の帳票11は、上紙12の第2帳票23及び台紙13Bの構成が対象となる。
構成上、上記上紙12(第2帳票23)は、台紙13(第2台紙13B)と重ね合わされたときに台紙スリット28で形成される台紙分離部27の領域内に相当し、当該台紙分離部27の領域より小の領域で帳票分離部24とするための上紙スリット25が形成される。また、第2台紙13Bには、帳票分離部24より大となる領域を台紙分離部27とするための台紙スリット28が形成される。すなわち、上紙12と台紙13とが重ね合わされたときに、台紙分離部27の領域内に一回り小の帳票分離部24が形成されることとなる。
構成上、台紙13(第2台紙13B)と上紙12(第2帳票23)との間に、当該台紙13側の台紙分離部27となる領域以外の部分領域に剥離剤で形成される剥離剤層31が設けられる。当該剥離剤としては、例えばエポキシ変性シリコーン若しくはシリコーンアクリレートを、例えば30〜80パーセント配合した紫外線硬化樹脂が使用される。一方、台紙13(第2台紙13B)と上紙12(第2帳票23)との間に、当該上紙12側の帳票分離部24となる領域部分に、剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材で形成される剥離可能再貼付不可層33が1層で設けられる。当該剥離可能再貼付不可層33を構成する剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材としては、一例として剥離可能は感圧接着剤が使用される。当該剥離可能感圧接着剤としては、例えば、1種類以上のシリコーンアクリレートを5〜13パーセント配合した紫外線硬化樹脂が使用される。
そして、構成上、台紙13(第2台紙13B)と上紙12(第2帳票23)との間であって、台紙13側の前記剥離剤層31を含む全面となり、上紙12側の剥離可能再貼付不可層33を含む全面に粘着剤で形成される粘着剤層32が設けられる。当該粘着剤としては、例えばアクリル系エマルジョン粘着剤若しくは合成ゴム系ホットメルトの剥離不可の強接着剤が使用される。ここでは、粘着剤層32は、台紙13(第2台紙13B)の台紙分離部27上にも粘着剤が塗布されたものとしている。
すなわち、後述するが、第2帳票23の帳票分離部24は剥離可能再貼付不可層33の一方面に取着され、当該剥離可能再貼付不可層33の他方面が粘着剤層32に強接着されていることから、帳票分離部24を分離するときには剥離可能再貼付不可層33は、その層内で剥離される。
ここで、図2に図1の帳票の使用形態の説明図を示すと共に、図3に図2の使用形態における帳票の断面説明図を示す。図2(A)において、まず、配達伝票としての帳票11は、送り状となる第1帳票21と第1台紙13Aとは粘着剤層32により剥離不可の状態で接着されており、第2帳票23の剥離可能再貼付不可層33以外の部分は粘着剤層32により剥離不可の状態で接着されている(図3(A))。
この帳票11は、送り状となる第1帳票21(第1台紙13A)が切取線22(26)で切り離され(図3(B))、第2帳票23(第2台紙13B)は、第2台紙13Bが台紙スリット28で分離されている台紙分離部27を残存させて剥離剤層31により粘着剤層32より剥離される(図3(C))。そして、残りの台紙分離部27を含む第2帳票23が粘着剤層32により包装容器等の被着体41に貼付される。
そして、図2(B)に示すように、被着体41に貼付された第2帳票23(台紙分離部27を含む)から、上紙スリット25で分離されている押印後の受領票となる帳票分離部24が分離される。帳票分離部24を分離する際には、図3(D)に示すように、剥離可能再貼付不可層33の一方面が帳票分離部24に取着されており、他方面が粘着剤層32に強接着されていることから、層内剥離面34で剥離されることとなって、当該帳票分離部24が分離されるものである。
すなわち、分離した帳票分離部(受領票)24には剥離可能再貼付不可層33の厚さ方向の一部の剥離可能再貼付不可層33Bが再貼付できない状態で残存し、被着体41側の第2帳票23(第2台紙13B)側では、粘着剤層32上に残りの剥離可能再貼付不可層33Aが再貼付できない状態で残存する。換言すれば、粘着剤層32が表出されないことから触れても粘着感はない。
このように、帳票分離部24が粘着剤層31と接着される剥離可能再貼付不可層33に取着されることから、取扱い段階での意図しない帳票分離部24の剥がれを防止することができるものである。一方で、帳票分離部(受領証)24を、上紙12(第2帳票23)に対してミシン線によらず上紙スリット25で形成することで、容易に分離させることができ、また、分離後にミシン線のようなバリができずに滑らかにすることができるものである。
次に、図4に、図1の帳票の製造説明図を示す。図4(A)は帳票の製造方法を実現する帳票製造装置の概念図、図4(B)はその製造フローチャートである。図4(A)において、帳票製造装置50Aは、上記台紙13が例えば切取ミシン線で連続されたロール状(必ずしもロール状でなくとも、ジグザグ折り状でもよい)の連続状台紙51が所定の搬送手段(ニップ搬送又はキャラクタ搬送)により搬送されるもので、当該搬送経路上に順次剥離剤塗布部52、粘着剤塗布部53及び剥離可能再貼付不可剤塗布部54が配置される。
一方、上記上紙12が例えば切取ミシン線で連続されたロール状(必ずしもロール状でなくとも、ジグザグ折り状でもよい)の連続状上紙55が所定の搬送手段(ニップ搬送又はキャラクタ搬送)により搬送されるもので、当該搬送経路上に印刷部56が配置される。当該印刷部56は、後述するように、書式や、送り状に関する情報、受領証に関する情報等を印刷するもので、インクジェットプリンタ、レーザビームプリンタ、感熱プリンタ、インパクトプリンタ又はノンインパクトプリンタ等である。なお、印刷は、この製造段階でなくとも、単一の帳票11とされた後に行ってもよく、当該単一の帳票11の平坦化が向上されていることから、多量に積み重ねた状態から印刷する場合に上記プリンタが特に有効である。このことは、後述の図5(A)においても同様である。そして、搬送される連続状台紙51と搬送される連続状上紙55とを重ね合わせる重合部(例えば重ね合わせロール)57が配置され、重ね合わせ後の搬送経路上にスリット形成部58、断裁部59が配置されるものである。
そこで、帳票製造装置50Aは、図4(B)に示すように、まず、連続状台紙51に対して、当該連続状台紙51における第2台紙13Bとなる部分の上記台紙分離部27となる領域以外の領域部分に剥離剤塗布部52により剥離剤が塗布され、乾燥されて剥離剤層31が形成される(ステップ(S)1)。続いて、剥離剤層31上であって、連続状台紙51の全面、すなわち剥離剤層31を含む連続状台紙51(台紙13)上の全面に粘着剤塗布部53により粘着剤が塗布され、粘着剤層32が形成される(S2)。
そして、粘着剤層32上であり、連続状台紙51上の剥離剤が塗布されなかった領域内に相当し、当該剥離剤が塗布されなかった領域より小の領域(上紙12の帳票分離部24)に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層としての、例えば上記剥離可能感圧接着剤が剥離可能再貼付不可剤塗布部54により塗布されて剥離可能再貼付不可層33が形成される(S3)。
一方、搬送される連続状上紙55は、書式や、送り状に関する情報、受領証に関する情報等を印刷部56により印刷される(S4)。そして、重合部57で連続状台紙51と連続状上紙55とが粘着剤層32及び剥離可能再貼付不可層33の一方面で重ね合わせ接着が行われる(S5)。続いて、スリット形成部58において、連続状台紙51上の剥離剤が塗布されなかった領域部分に台紙スリット28を形成して台紙分離部27とさせると共に、連続状台紙51上に形成された剥離可能再貼付不可層33に相当する領域部分に上紙スリット25を形成して帳票分離部24とさせる(S6)。その後、断裁部53によって、単一の帳票11に断裁されるものである(S7)。
このように、粘着剤層32と接着される剥離可能再貼付不可層32に取着される帳票分離部24に対して、連続状台紙51上に剥離剤層31を含んで全面に粘着剤層32を形成させることができ、粘着剤塗布工程を簡易に行うことができるものである。すなわち、粘着剤は粘性を有して部分的な粘着剤層を塗布することが難しく、本発明によれば粘着剤の部分塗布によらず全面塗布によって、帳票分離部24の意図しない剥がれを防止した上記帳票11を作製することができるものである。また、連続状台紙51と連続状上紙55とを重ね合わせる際に、粘着剤層32によって接着されることから、特に加圧することを要しないものである。
次に、図5に、図1の帳票の他の製造説明図を示す。図5(A)は帳票の製造方法を実現する帳票製造装置の概念図、図5(B)はその製造フローチャート、図5(C)は当該帳票製造装置で作製される帳票の概念断面図である。図5(A)において、帳票製造装置50Bは、上記同様の連続状台紙51が搬送される搬送経路上に剥離剤塗布部52が配置される。
一方、上記同様の連続状上紙55が搬送される搬送経路上であって、当該連続状上紙55の上面側に印刷部56が配置され、当該連続状上紙55の下面側に順次剥離可能再貼付不可剤塗布部54及び粘着剤塗布部53が配置される。そして、上記同様に、搬送される連続状台紙51と搬送される連続状上紙55とを重ね合わせる重合部57が配置され、重ね合わせ後の搬送経路上にスリット形成部58、断裁部59が配置されるものである。
そこで、帳票製造装置50Bは、図5(B)に示すように、まず、連続状台紙51に対して、当該連続状台紙51における第2台紙13Bとなる部分の上記台紙分離部27となる領域以外の領域部分に剥離剤塗布部52により剥離剤が塗布され、乾燥されて剥離剤層31が形成される(S11)。すなわち、剥離剤層31は、連続状上紙55上に形成されるべき剥離可能再貼付不可層32に相当する領域よりこれを含む一回り大の領域以外の領域部分に剥離剤が剥離剤塗布部53によって塗布されることで形成されるものである。
一方、搬送される連続状上紙55は、送り状に関する情報や、受領証に関する情報等を印刷部56により印刷される(S12)。続いて、連続状上紙55の下面側であって、上記帳票分離部24に相当する部分に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層としての、例えば上記剥離可能感圧接着剤が剥離可能再貼付不可剤塗布部54により塗布されて剥離可能再貼付不可層33が形成される(S13)。また、剥離可能再貼付不可層33を含む連続状上紙55の下面側全面に粘着剤塗布部53により粘着剤が塗布され、粘着剤層32が形成される(S14)。なお、本実施形態では、剥離剤層31を連続状台紙51側に形成する場合を示したが、連続状上紙55側の下面に形成した粘着剤層32上に剥離剤層31を形成させることとしてもよい。
そして、重合部57において、連続状台紙51を連続状上紙55の下面側で粘着剤層32及び剥離剤層31により重ね合わせ接着が行われる(S15)。続いて、スリット形成部58において、連続状台紙51上の剥離剤が位置されない領域部分に台紙スリット28を形成して台紙分離部27とさせると共に、連続状台紙51上に形成された剥離可能再貼付不可層33に相当する領域部分に上紙スリット25を形成して帳票分離部24とさせる(S16)。その後、断裁部53によって、単一の帳票11に断裁されるものである(S17)。
この帳票11が図5(C)に示される。すなわち、当該帳票11は台紙分離部27の剥離剤層31が形成されない領域には、何も形成されないこととなるが、重ね合わせ時に粘着剤層32で接着される場合もある。
このような帳票製造装置50Bにおける製造方法によっても、上記同様に、粘着剤の部分塗布によらず全面塗布によって、粘着剤塗布工程を簡易に行うことができ、帳票分離部24の意図しない剥がれを防止した上記帳票11を作製することができると共に、連続状台紙51と連続状上紙55とを重ね合わせる際に、粘着剤層32によって接着されることから、特に加圧することを要しないものである。
次に、図6に、本発明に係る帳票の構造における第1変形例の説明図を示す。図6(A)は帳票の概念断面図、図6(B)は図6(A)の帳票の作製フローチャートである。図6(A)に示す帳票11は、同種部材で2層形態の剥離可能再貼付不可層33A,33Bとしたもので、他の構成は図1と同様である。また、図6(B)の作成方法は、図4(A)の帳票作製装置50Aの構成と同様であるが、剥離可能再貼付不可剤塗布部54は2層の剥離可能再貼付不可剤を塗布する構成である。なお、図5(A)に示す帳票作製装置50Bにおいても作製することができるものであり、ここでは説明を省略する。
すなわち、剥離可能再貼付不可層33A,33Bは、上記帳票分離部24を分離させるときに同種部材の当接界面で剥離させるための2層としたもので、剥離可能再貼付不可層33Aの部材としては、例えば1種類以上のシリコーンアクリレートを5〜13パーセント配合した紫外線硬化樹脂が使用され、剥離可能再貼付不可層33Bの部材としては、例えばウレタンアクリルートを3〜20パーセント(更に好ましくは5〜15パーセント)配合した紫外線硬化樹脂が使用される。本実施形態では、当該剥離可能再貼付不可層を第1樹脂剤層33A及び第2樹脂剤層33Bとして説明する。
そこで、図6(B)において、連続状台紙51に対して、当該連続状台紙51における第2台紙13Bとなる部分の上記台紙分離部27となる領域以外の領域部分に剥離剤塗布部52により剥離剤が塗布され、乾燥されて剥離剤層31が形成される(S21)。続いて、剥離剤層31上であって、連続状台紙51の全面、すなわち剥離剤層31を含む連続状台紙51(台紙13)上の全面に粘着剤塗布部53により粘着剤が塗布され、粘着剤層32が形成される(S22)。
そして、粘着剤層32上であり、連続状台紙51上の剥離剤が塗布されなかった領域内に相当し、当該剥離剤が塗布されなかった領域より小の領域(上紙12の帳票分離部24)に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層としての、例えばニス剤が第1樹脂剤として剥離可能再貼付不可剤塗布部により塗布されて乾燥されることで1層目の剥離可能再貼付不可層(第1樹脂剤層)33Aが形成される(S23)。この1層目の乾燥された剥離可能再貼付不可層33A上に、再度、例えばニス剤が第2樹脂剤として剥離可能再貼付不可剤塗布部54により塗布されることで2層目の剥離可能再貼付不可層(第2樹脂剤層)33Bが形成される(S24)
一方、搬送される連続状上紙55は、送り状に関する情報や、受領証に関する情報等を印刷部56により印刷される(S25)。そして、重合部57で連続状台紙51と連続状上紙55とが粘着剤層32及び剥離可能再貼付不可層33の一方面で重ね合わせ接着が行われる(S26)。続いて、スリット形成部58において、連続状台紙51上の剥離剤が塗布されなかった領域部分に台紙スリット28を形成して台紙分離部27とさせると共に、連続状台紙51上に形成された剥離可能再貼付不可層33に相当する領域部分に上紙スリット25を形成して帳票分離部24とさせる(S27)。その後、断裁部53によって、単一の帳票11に断裁されるものである(S28)。
このような帳票11は、最終的に帳票分離部24を分離させる際には、各剥離可能再貼付不可層33A,33Bの当接面で界面剥離されるもので、分離した帳票分離部(受領票)24には2層目の剥離可能再貼付不可層33Bが再貼付できない状態で残存し、被着体41側の第2帳票23(第2台紙13B)側では、粘着剤層32上に1層目の剥離可能再貼付不可層33Aが再貼付できない状態で残存する。換言すれば、粘着剤層32が表出されないことから触れても粘着感はない。
このように、同種部材で剥離可能再貼付不可層33A,33Bを2層とする場合であっても、上記同様に、取扱い段階での意図しない帳票分離部24の剥がれを防止することができるものである。
次に、図7に、本発明に係る帳票の構造における第2変形例の説明図を示す。図7(A)は帳票の概念断面図、図7(B)は図7(A)の帳票の作製フローチャートである。図7(A)に示す帳票11は、異種樹脂剤で2層形態の剥離可能再貼付不可層33C,33Bとしたもので、他の構成は図1と同様である。また、図7(B)の作成方法は、図4(A)の帳票作製装置50Aの構成と同様であるが、剥離可能再貼付不可剤塗布部54は1層の剥離可能再貼付不可剤を塗布する構成であり、その次段に印刷部を配置する構成である。なお、図5(A)に示す帳票作製装置50Bにおいても剥離可能再貼付不可層剤塗布部54の次段に印刷部を配置して作製することができることは同様である。
すなわち、剥離可能再貼付不可層33C,33Bは、上記帳票分離部24を分離させるときに異種樹脂剤の当接界面で剥離させるための2層としたもので、当該剥離可能再貼付不可層を第1樹脂剤層33Cとして所定情報の印刷による印刷インキ層であり、第2樹脂剤層33Bとして上記同様のニス剤層として説明する。
そこで、図7(B)において、連続状台紙51に対して、当該連続状台紙51における第2台紙13Bとなる部分の上記台紙分離部27となる領域以外の領域部分に剥離剤塗布部52により剥離剤が塗布され、乾燥されて剥離剤層31が形成される(S31)。続いて、剥離剤層31上であって、連続状台紙51の全面、すなわち剥離剤層31を含む連続状台紙51(台紙13)上の全面に粘着剤塗布部53により粘着剤が塗布され、粘着剤層32が形成される(S32)。
そして、粘着剤層32上であり、連続状台紙51上の剥離剤が塗布されなかった領域内に相当し、当該剥離剤が塗布されなかった領域より小の領域(上紙12の帳票分離部24)に所定情報を印刷することで印刷インキ(第1樹脂剤)による1層目の第1樹脂剤層33Cが剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材として形成される(S33)。この1層目の第1樹脂剤層33C上に、再度、例えばニス剤が第2樹脂剤として剥離可能再貼付不可剤塗布部により塗布されることで2層目の剥離可能再貼付不可層(第2樹脂剤層)33Bが形成される(S34)
一方、搬送される連続状上紙55は、送り状に関する情報や、受領証に関する情報等を印刷部56により印刷される(S35)。そして、重合部57で連続状台紙51と連続状上紙55とが粘着剤層32及び剥離可能再貼付不可層(第2樹脂剤層)33Bの一方面で重ね合わせ接着が行われる(S36)。続いて、スリット形成部58において、連続状台紙51上の剥離剤が塗布されなかった領域部分に台紙スリット28を形成して台紙分離部27とさせると共に、連続状台紙51上に形成された剥離可能再貼付不可層(第1樹脂剤層33C、第2樹脂剤層33B)に相当する領域部分に上紙スリット25を形成して帳票分離部24とさせる(S37)。その後、断裁部53によって、単一の帳票11に断裁されるものである(S38)。
このような帳票11は、最終的に帳票分離部24を分離させる際には、各剥離可能再貼付不可層33C,33Bの当接面で界面剥離されるもので、分離した帳票分離部(受領票)24には2層目の剥離可能再貼付不可層(第2樹脂剤層)33Bが再貼付できない状態で残存し、被着体41側の第2帳票23(第2台紙13B)側では、粘着剤層32上に1層目の剥離可能再貼付不可層(第1樹脂剤層)33Cが再貼付できない状態で残存する。この剥離可能再貼付不可層(第1樹脂剤層)33Cは、所定の情報であり、帳票分離部24を分離したときに当該情報を表示させることができるものである。
このように、異種樹脂剤で剥離可能再貼付不可層33C,33Bを2層とする場合であっても、上記同様に、取扱い段階での意図しない帳票分離部24の剥がれを防止することができるものである。
本発明の帳票は、包装容器等の被着体に貼付した帳票より一部を分離させて使用される場合に適する。
本発明に係る帳票の構成図である。 図1の帳票の使用形態の説明図である。 図2の使用形態における帳票の断面説明図である。 図1の帳票の製造説明図である。 図1の帳票の他の製造説明図である。 本発明に係る帳票の構造における第1変形例の説明図である。 本発明に係る帳票の構造における第2変形例の説明図である。 従来の帳票の構造の説明図である。
符号の説明
11 帳票
12 上紙
13 台紙
13A 第1台紙
13B 第2台紙
21 第1帳票
23 第2帳票
24 帳票分離部
25 上紙スリット
27 台紙分離部
28 台紙スリット
31 剥離剤層
32 粘着剤層
33 剥離可能再貼付不可層
50 帳票製造装置
33 剥離可能再貼付不可層
50 帳票製造装置

Claims (5)

  1. 被着体に取着した後に一部の帳票分離部を分離させる多層の帳票であって、
    所定部分に、前記帳票分離部より大となる領域を台紙分離部とするための台紙スリットが形成される台紙と、
    前記台紙と重ね合わされたときに前記台紙スリットで形成される前記台紙分離部の領域内に相当し、当該台紙分離部の領域より小の領域で前記帳票分離部を形成するために上紙スリットが形成される上紙と、
    前記台紙と前記上紙との間に設けられ、当該台紙側の前記台紙分離部となる領域以外の部分領域に形成される剥離剤層と、
    前記台紙と前記上紙との間に設けられ、当該上紙側の前記帳票分離部となる領域部分に、剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材で形成される剥離可能再貼付不可層と、
    前記台紙側の前記剥離剤層を含む全面となり、前記上紙側の前記剥離可能再貼付不可層を含む全面となる当該台紙と当該上紙との間に粘着剤で形成される粘着剤層と、
    を有することを特徴とする帳票。
  2. 請求項1記載の帳票であって、前記剥離可能再貼付不可層は、異種の樹脂剤による2層で形成され、前記帳票分離部の分離時に当該異種樹脂剤層が当接界面で剥離されることを特徴とする帳票。
  3. 台紙と上紙とが重ね合わされ、被着体に取着した後に一部の帳票分離部を分離させる多層の帳票の製造方法であって、
    前記台紙上の、所定部分以外の領域に剥離剤を塗布して剥離剤層を形成する工程と、
    前記台紙の前記剥離剤層を含む全面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する工程と、
    前記粘着剤層上であり、前記台紙上の前記剥離剤が塗布されなかった領域内に相当し、当該剥離剤が塗布されなかった領域より小の領域に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層を形成する工程と、
    前記粘着剤層上及び前記剥離可能再貼付不可層上に前記上紙を重ね合わせる工程と、
    前記台紙上の前記剥離剤が塗布されなかった領域部分に相当する領域部分に台紙スリットを形成して台紙分離部とさせると共に、前記上紙の前記形成された剥離可能再貼付不可層に相当する領域部分に上紙スリットを形成して帳票分離部とさせる工程と、
    を含むことを特徴とする帳票の製造方法。
  4. 台紙と上紙とが重ね合わされ、被着体に取着した後に一部の帳票分離部を分離させる多層の帳票の製造方法であって、
    前記上紙の所定部分に剥離可能で剥離後の再貼付を不可とする部材を塗布して剥離可能再貼付不可層を形成する工程と、
    前記剥離可能再貼付不可層を含む前記上紙上の全面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する工程と、
    前記粘着剤層上であり、前記上紙上に形成された剥離可能再貼付不可層に相当する領域より一回り大の領域以外の領域部分に剥離剤を塗布して剥離剤層を形成する工程と、
    前記剥離剤層上に前記台紙を重ね合わせる工程と、
    前記台紙上の前記剥離剤が塗布されなかった領域部分に相当する領域部分に台紙スリットを形成して台紙分離部とさせると共に、前記上紙の前記形成された剥離可能再貼付不可層に相当する領域部分に上紙スリットを形成して前記帳票分離部とさせる工程と、
    を含むことを特徴とする帳票の製造方法。
  5. 請求項3又は4記載の帳票の製造方法であって、前記剥離可能再貼付不可層の形成は、前記帳票分離部を分離させるときに当該層内で剥離させるための1層であり、又は、前記帳票分離部を分離させるときに同種部材の当接界面で剥離させるための2層であり、又は、前記帳票分離部を分離させるときに異種樹脂剤の当接界面で剥離させるための2層であることを特徴とする帳票の製造方法。
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