JP2008103776A - ダイシング方法およびマイクロマシンデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】能動素子の信頼性を損なうことなく製造することができ、かつ作業性を向上させることができるダイシング方法および能動素子の信頼性が維持されたマイクロマシンデバイスを提供すること。
【解決手段】まず、基板2上に複数の能動素子3が設置されたウエハー1に対し、保護部材4を接合し、能動素子3を非接触で覆う。保護部材4は、板状部材5と、該板状部材5と基板2との間に所定の間隙を形成するためのスペーサ6とで構成されており、全体として水不透過性を有している。ウエハー1を保護部材4とともに切断(ダイシング)して複数に分割する。この切断は、高速で回転する回転刃10を用いて流水を供給しつつ行なわれる。切断位置は、スペーサ6の存在する部位である。また、基板2およびスペーサ6は、切断され、板状部材5は、その厚さ方向の一部を残して切断される。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイシング方法、特に、能動素子が設置されたウエハーを切断するダイシング方法およびこの方法により製造されたマイクロマシンデバイスに関するものである。
半導体チップの製造は、半導体ウエハー上に所定パターンの集積回路を形成し、これを切断して複数に分割することにより行なわれる。このウエハーの切断をダイシングと言う。
半導体ウエハーのダイシングにおいては、例えば、ダイヤモンドソーと呼ばれる高速で回転するダイヤモンド付きの回転刃を用いて行なわれるが、切断の際の摩擦熱による温度上昇を防止し、切り屑を迅速に除去するために、流水を供給しながら切断を行なうことが一般的である。
ところで、近年、微小サイズの能動素子を備えるマイクロデバイス(マイクロマシンデバイス)の開発が盛んに行なわれている。微小サイズの能動素子としては、例えば、アクチュエータ、ミラー、光スイッチング素子、圧電素子等が挙げられる。
このようなマイクロデバイスにおいても、量産性を考慮して、ウエハー上に所定パターンで複数の能動素子を形成し、ダイシングによりこのウエハーを切断して複数に分割することにより製造することが提案されている。
しかしながら、現在のところ、マイクロデバイスの製造に適したダイシング方法については、開発されておらず、前記半導体ウエハーのダイシング方法を応用することが考えられるが、この場合には、次のような欠点がある。
ダイシングの際に供給される流水により能動素子が化学的または物理的にダメージを受けるおそれがあり、また、流水とともに移動するウエハーの切り屑(微小な粒子状)によっても、ダメージを受けたり、汚染、目詰まり等を生じたりするおそれがある。そして、能動素子がダメージを受けたり汚染したりすると、能動素子の作動の信頼性が低下する。
なお、ダイシングの他の方法として、ウエハーにダイヤモンドペンなどで罫書き線を入れ、その線に沿って衝撃を与えることにより分割(割断)する、ブレーキングと呼ばれる方法もあるが、ダイシングに比べて割断の際の衝撃が大きく、能動素子が破損するおそれがあり、また、割断の際の破片などにより能動素子が汚染、損傷するおそれもあり、結局、このブレーキングは、マイクロデバイスの製造には適さない。
本発明の目的は、能動素子の信頼性を損なうことなく製造することができ、かつ作業性を向上させることができるダイシング方法および能動素子の信頼性が維持されたマイクロマシンデバイスを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 基板上に複数の能動素子が設置されたウエハーに対し、前記能動素子を覆う保護部材を前記能動素子に実質的に接触しないように設ける第1の工程と、
前記ウエハーを切断して複数に分割する第2の工程とを有し、
前記保護部材は、板状の部分と、前記板状の部分と前記基板との間に間隙を形成するためのスペーサとを備え、
前記第2の工程における切断は、前記ウエハーの前記スペーサの存在する部位において、前記基板および前記スペーサを切断し、前記板状の部分の一部を残すか、または、前記板状の部分および前記スペーサを切断し、前記基板の一部を残すようにして行なわれることを特徴とするダイシング方法。
(2) 前記第1の工程において、前記能動素子を収納する閉鎖空間が形成される上記(1)に記載のダイシング方法。
(3) 前記第2の工程において、前記閉鎖空間が保持されるように切断を行なう上記(2)に記載のダイシング方法。
(4) 前記第2の工程において、流水を供給しつつ行なう上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のダイシング方法。
(5) 前記スペーサは、隣接する能動素子同士を仕切るように設置されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のダイシング方法。
(6) 前記スペーサの厚さは、前記能動素子の前記基板表面からの突出高さを超えるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のダイシング方法。
(7) 前記スペーサは、少なくとも前記基板側の面に粘着または接着力を有するものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のダイシング方法。
(8) 加熱またはエネルギー照射により前記粘着または接着力が消失または減少する上記(7)に記載のダイシング方法。
(9) 前記板状の部分は、可撓性を有する材料で構成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のダイシング方法。
(10) 前記板状の部分は、硬質の材料で構成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のダイシング方法。
(11) 前記板状の部分は、光透過性を有する材料で構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のダイシング方法。
(12) 前記保護部材は、水不透過性を有している上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のダイシング方法。
(13) 前記保護部材または前記基板に、前記第2の工程における切断の際の切断位置の目安となるマーカが設けられている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のダイシング方法。
(14) 上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のダイシング方法により得られたことを特徴とするマイクロマシンデバイス。
本発明によれば、ダイシングの際の流水や切り屑等との接触による能動素子の損傷、汚れ、腐食、動作不良等、さらには、その後における能動素子の損傷、汚れ、腐食等を防止し、能動素子の信頼性を保持することができる。
また、ダイシング後の工程においても、ウエハーおよび保護部材を一体として取り扱うことができ、作業性が向上する。
また、ダイシング後、加熱等の方法により保護部材の除去を容易かつ確実に行なうことができ、手間がかからない。
以下、本発明のダイシング方法およびマイクロマシンデバイスを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1、図2、図3および図4は、それぞれ、本発明のダイシング方法の工程を示す断面側面図、図5は、図2に示すウエハーおよび保護部材の底面図、図6は、基板とスペーサとの接合部を拡大して示す断面側面図である。
図1に示すように、ダイシングすべきウエハー1は、基板2と、基板2の片面側に所定の配置で設置された複数の能動素子(能動部)3とで構成されている。このウエハー1から、後述する本発明のマイクロマシンデバイス11が複数個得られる。
ウエハー1の基板2は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン等の半導体材料、各種樹脂材料、各種金属材料、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの等で構成されている。基板2の厚さは、特に限定されず、例えば0.1〜3mm程度とされる。
また、基板2は、単層で構成されたもののみならず、複数の層の積層体で構成されたものでもよい。
基板2の片面側(図示の構成では下面側)には、複数の能動素子3が所定の配置で設置(形成)されている。基板2上の能動素子3の配置としては、例えば、n行×m列に(n、mは、共に2以上の整数)配置されたものが挙げられる。
能動素子3としては、例えば、アクチュエータ、ミラー、光スイッチング素子、圧電素子、超音波振動素子、ヒータ、コイル、磁石、磁歪素子等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、能動素子3は、複数の機能を持つものでもよい。例えば、上記例示のもののうちの2以上を組み合わせたものでもよい。
能動素子3は、別部材を基板2に対し接合、固定したものでも、蒸着、スパッタリング等による成膜技術により形成したものでも、基板2の元板に対しエッチング等を施して一体的に形成したものでもよく、あるいはこれらを適宜組み合わせて得られたものでもよい。
能動素子3の大きさ(サイズ)は、特に限定されないが、通常、平面視で0.1〜900mm程度のものが好ましく、2〜100mm程度のものがより好ましい。
また、能動素子3の厚さも特に限定されないが、通常、能動素子3の最大厚さは、1〜500μm程度のものが好ましく、1〜100μm程度のものがより好ましい。
また、能動素子3の平面形状は、図示の例では、便宜上四角形として示されているが、これに限定されるものではない。
以上のようなウエハー1に対し、本発明では、まず、保護部材4を設置(接合)する。図1に示すように、保護部材4は、主に、保護部材4の本体に相当する板状の部分(板状部材5)と、該板状部材5と基板2との間に所定の間隙を形成するためのスペーサ(隔壁部材)6とで構成されている。このような保護部材4を設けることにより、能動素子3が後のダイシングの際に供給される流水や切り屑、その他のゴミ、埃等と接触せず、能動素子3が保護される。その結果、能動素子3の損傷、汚損、動作不良等が防止され、その信頼性が維持される。
このようなことから、この保護部材4は、水不透過性を有しているのが好ましい。ここで、保護部材4に必要とされる「水不透過性」とは、ダイシングの際に流水が供給されたとき、その水が保護部材4を透過して閉鎖空間8内に浸入することがない程度のものを言う。
また、さらに高いレベルの水不透過性(水蒸気不透過性)を有している場合には、後工程や、運搬時、保管時等において高湿環境に遭遇した場合でも、閉鎖空間8内への水蒸気の浸入が防止され、水成分の付着や腐食等による能動素子3の信頼性の低下を防止することができる。
ウエハー1上の各能動素子3は、このような保護部材4により覆われるが、保護部材4は、能動素子3に実質的に接触しないように設けられる。具体的には、保護部材4と基板2とで各能動素子3をそれぞれ収納する閉鎖空間8が形成され、この閉鎖空間8内に能動素子3が非接触で収納された状態となる。
板状部材5の構成材料は、特に限定されず、例えば可撓性を有する材料で構成することができる。このような材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料が挙げられる。このような可撓性を有する材料で構成され板状部材(樹脂シート)5を用いる場合には、保護部材4の設置作業や、ダイシング後の離脱および廃棄を容易に行なうことができ、また、製造コストも安価であるという利点がある。
また、板状部材5は、硬質の材料で構成することもできる。このような材料としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、サファイアガラス、ソーダガラス等の各種ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂等の各種硬質樹脂、アルミナ、シリカ等の各種セラミックス、アルミニウム、ステンレス鋼等の各種金属材料が挙げられるが、その中でも特に、光透過性を有する材料として、各種ガラス、各種硬質樹脂が好ましく、さらには、切断の容易性を考慮して、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスがより好ましい。
また、板状部材5は、硬質の材料で構成されたものと、可撓性を有する材料で構成されたものを積層した積層体であってもよい。例えば、ガラスまたは硬質樹脂の板と、ポリエステルとをウエハー1側からこの順に積層した積層体を用いることができる。
板状部材5が、前述したような硬質材料で構成されている場合またはその一部が硬質材料で構成されている場合には、板状部材5が補強部材としての機能も発揮するので、ダイシングの際やその後の工程等において、基板2の変形を防止することができ、デバイスの信頼性の維持および生産性の向上に寄与する。
このような板状部材5は、光透過性を有する材料、すなわち、透明または半透明な材料で構成されているのが好ましい。これにより、保護部材4を設置後も、閉鎖空間8内の能動素子3等を視認することができる。このような光透過性を有する材料としては、各種ガラスや、軟質または硬質の各種樹脂材料が挙げられる。また、このような材料は、前述の水不透過性をも有している。
板状部材5の厚さは、特に限定されないが、保護機能を十分に発揮し得る強度と切断の容易性の両立を考慮して、通常、0.01〜5.0mm程度が好ましく、0.1〜1.0mm程度がより好ましい。
図5に示すように、スペーサ6は、例えば平面視で格子状に設けられており、隣接する能動素子3同士を仕切るように配置されている。この場合、スペーサ6も、能動素子3に実質的に接触しないように設けられる。すなわち、スペーサ6により囲まれる閉鎖空間8の縦×横の寸法は、そこに収納される能動素子3の縦×横の寸法に対し十分に大きい値とされる。
また、スペーサ6の厚さTは、能動素子3の基板表面21からの突出高さ(=能動素子3の最大厚さ)を超えるものである。これにより、能動素子3と板状部材5との非接触状態が保持される。具体的には、スペーサ6の厚さTは、能動素子3の最大厚さの1.03〜8.5倍程度が好ましく、1.1〜3.0倍程度がより好ましい。
また、スペーサ6の幅は、特に限定されないが、0.1〜10mm程度が好ましく、1〜5mm程度がより好ましい。スペーサ6の幅がある程度確保されていれば、後述するダイシングにおいて、切断を容易、確実に行なうことができ、また、閉鎖空間8への水分の浸入もより確実に防止することができる。
スペーサ6の構成材料(基材の構成材料)は、特に限定されず、各種樹脂材料(プラスチック)、紙、布、不織布、金属等が挙げられるが、特に樹脂材料が好ましい。この樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル(強接着性基材)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン(低接着性基材)が挙げられる。
図6に示すように、スペーサ6と基板2との間には、基板2に対し粘着または接着力を有する粘・接着層7が介挿される。この粘・接着層7は、予めスペーサ6の表面に接合(形成)されているものを用いるのが好ましい。
粘・接着層7としては、加熱またはエネルギー照射(以下、加熱で代表する)により粘着または接着力が消失または減少する性質を有するものが好ましい。これにより、ダイシング後、基板2から保護部材4を容易に剥離、除去することができるからである。
加熱により粘着または接着力が消失または減少する性質を有する粘・接着層7としては、熱膨張性粘・接着層(熱膨張性粘着層)が挙げられる。以下、これについて詳述する。
熱膨張性粘・接着層は、少なくとも、粘着性(接着性)を付与するための粘着剤(接着剤)と、熱膨張性を付与するための発泡剤、特に熱膨張性微小球(マイクロカプセル)とを含んでいる。そのため、任意なとき(特にダイシング終了後)に熱膨張性粘・接着層を加熱して、熱膨張性微小球を発泡および/または膨張処理することにより、熱膨張性粘・接着層と被着体(基板2)との接着面積を減少させて、スペーサ6を容易に剥離することができる。
熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球が挙げられる。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。
加熱処理により粘・接着層7の接着力を効率よく低下させるため、体積膨張率が4倍以上、好ましくは6.5倍以上、より好ましくは10倍以上となるまで破裂しない適度の強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。
熱膨張性微小球の配合量は、熱膨張性粘・接着層の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜決定することができるが、一般には、熱膨張性粘・接着層を形成するベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜150重量部、好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは25〜100重量部とされる。
熱膨張性微小球の粒径としては、熱膨張性粘・接着層の厚さなどに応じて適宜選択することができる。熱膨張性微小球としては、熱膨張性粘・接着層の厚さよりも粒径が大きいものが、熱膨張性微小球の全体積に対して、好ましくは0.1〜3体積%、より好ましくは0.2〜2体積%含まれている。
熱膨張性微小球の平均粒子径は特に限定されないが、0.4〜70μm程度が好ましく、1〜30μm程度がより好ましい。
熱膨張性粘・接着層において、粘着剤(接着剤)としては、加熱時に熱膨張性微小球の発泡および/または膨張を可及的に拘束しないようなものが好ましい。このような粘着剤(接着剤)として、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリープ特性改良型粘着剤等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。粘着剤(接着剤)は、粘・接着性成分(ベースポリマー)の他に、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート、アルキルエーテル化メラミン化合物など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
粘・接着層7は、例えば、必要に応じ溶媒を用いて粘着剤および熱膨張性微小球を含むコーティング液を調製し、スペーサ6の表面(または基板2の表面)に塗布する方式、適当な剥離紙などを用意し、その上に前記コーティング液を塗布して粘・接着層7を形成し、これをスペーサ6の表面(または基板2の表面)に転写(移着)する方法などで形成することができる。なお、粘・接着層7は、単層に限らず、複数の層の積層体であってもよい。
粘・接着層7の厚さは、特に限定されないが、2〜300μm程度が好ましく、10〜120μm程度がより好ましい。この厚さが過大であると、加熱処理後の剥離時に凝集破壊が生じて粘着剤が被着体に残存し、被着体が汚染されやすくなる。一方、粘着剤の厚さが過小では、加熱処理による熱膨張性粘・接着層の変形度が小さく、接着力が円滑に低下しにくくなったり、添加する熱膨張性微小球の粒径を過度に小さくする必要が生じる。
以上のような粘・接着層7は、加熱前の優れた接着性を有し、特に、被着体(基板2等)の材質や表面の特性にかかわらず優れた接着性を有し、その一方で加熱後の優れた剥離性を発現することができる。
なお、上記では、粘・接着層7として、加熱により粘着または接着力が消失または減少する性質を有するものについて説明したが、本発明はこれに限らず、その他例えば紫外線、電子線、放射線、赤外線等のエネルギーの照射により粘着または接着力が消失または減少するものでもよい。例えば、粘・接着層7中に紫外線硬化剤等が添加されており、紫外線等のエネルギー照射により粘・接着層7が硬化して粘着または接着力が消失または減少するものが挙げられる。
また、図示されていないが、スペーサ6と板状部材5との間に、前記粘・接着層7と同様の粘・接着層が設けられていてもよい。
以上のようなウエハー1に対する保護部材4の設置工程(マスキング工程)が完了したら、ウエハー1を保護部材4とともに切断(ダイシング)して複数に分割する(図3参照)。この場合、原則として、得られるマイクロマシンデバイス11の1個単位となるように分割するが、複数個単位となるように分割してもよい。この場合、さらに後工程で、分割することもある。
この切断(ダイシング)は、例えば高速で回転する回転刃10を備えたダイシングソーを用いで行なわれる。回転刃10の刃部には、ダイヤモンドが設けられている。また、この切断は、切断部位に好ましくは流水(図示せず)を供給しながら行なう。これにより、切断の際の摩擦熱による温度上昇を防止し、切り屑を迅速に排除することができる。なお、流水は、純水、蒸留水、RO水、水道水等を用いることができるが、これに限らず、例えば、研磨剤(研磨粒)、切削オイル等のオイル類等の種々の添加物が含まれていてもよい。また、流水には、デバイスの静電破壊を防止するために、COなどを加えて水の比抵抗を下げることも可能である。
このような切断は、切断後も各閉鎖空間8が保持されるように、すなわち閉鎖空間8の閉鎖性が損なわれないように行なわれるのが好ましい。すなわち、図示の構成では、スペーサ6の存在する部位を切断する。好ましくは、スペーサ6の幅方向の中央部をスペーサ6の長手方向に沿って切断する。ダイシング後も閉鎖空間8が保持されることにより、ゴミの浸入等が防止され、後工程や製品保管時においても引き続き能動素子3が保護される。
また、切断(溝入れを含む概念)は、基板2および保護部材4を完全に分離するように行なってもよいが、図3に示すように、基板2側から切断を行い、保護部材4の一部(板状部材5の一部)を残すようにして、すなわち板状部材5が完全に分離されず、厚さ方向の一部がつながった状態となるように行なうのが好ましい。あるいは、図4に示すように、板状部材5側から切断を行い、基板2の一部を残すようにして、すなわち基板2が完全に分離されず、厚さ方向の一部がつながった状態となるように行なうのが好ましい。これにより、ダイシング後の工程においても、ウエハー1および保護部材4を一体として取り扱うことができ、作業性が向上する。
そして、必要時に、板状部材5または基板2のつながった部分を割断などにより分離する。これにより、個々のマイクロマシンデバイス11が得られる。なお、この分離作業は、後述する保護部材4の除去作業の前、後のいずれでもよい。
本発明では、保護部材4のいずれかの箇所に、切断(ダイシング)の際の切断位置の目安となるマーカ9が設けられていてもよい。これにより、容易に切断位置を把握することができ、誤った位置での切断を防止すること、あるいは、誤った位置での切断を行なってしまった場合にそのことを容易に知ることができ、信頼性の向上に寄与する。
図5に示す例では、マーカ9は、切断すべき線(切断線)とほぼ同じパターンで形成されている。すなわち、マーカ9は、縦方向、横方向共に、スペーサ6の幅方向のほぼ中央をスペーサ6の長手方向に沿って伸びる線状(図示では実線であるが、点線、鎖線等いずれも可)に形成され、全体として格子状に形成されている。なお、マーカ9のパターンは、これに限定されないことは言うまでもない。
このようなマーカ9の、保護部材4の厚さ方向における形成箇所は、特に限定されず、例えば、板状部材5の図6中下面、内部、上面、スペーサ6の図6中下面、内部、上面、粘・接着層7の図6中下面、内部、上面等、いかなる部位でもよい。前述したように、保護部材4の全部または一部が光透過性を有する材料で構成されている場合、このようなマーカ9の形成箇所によらず、マーカ9を視認することができ、好ましい。
また、マーカ9は、例えば、マーカとなる材料の塗布、噴射(インクジェット方式を含む)、印刷、転写、顔料の添加、溝の形成、レーザ光照射、ドライエッチング、ウエットエッチングのようなエッチング等、いかなる方法で形成されたものでもよい。
また、マーカ9は、保護部材4に予め形成されていても、保護部材4のウエハー1への設置後でかつダイシング前に形成してもよい。
なお、このようなマーカ9は、基板2側に設けられていてもよく、この場合でも同様の作用・効果を発揮する。例えば、基板2の基板表面21にマーカ9が形成され、保護部材4が光透過性を有する材料で構成されている場合でも、保護部材4を介してマーカ9を視認することができる。また、基板2の基板表面21と反対側の面に同様のマーカが形成されていてもよい。
前記ダイシング工程の後、必要時に、保護部材4の除去を行なう。保護部材4の除去は、保護部材4を所定の条件で加熱することにより行なわれる。これにより、基板2とスペーサ6とを接合していた粘・接着層7の粘・接着性が減少または消失し、保護部材4を基板2から容易に剥離することができる。なお、この保護部材4の除去は、個々のマイクロマシンデバイス11に分離(部分的に接続された部分の割断)される前、後のいずれに行なってもよい。
この保護部材4の除去工程における加熱条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減少性、基材や被着体の耐熱性や加熱方法等の条件により適宜設定することができる。
好ましい加熱条件は、温度80〜250℃で、1〜90秒間(ホットプレートなどを用いる場合)または5〜15分間(熱風乾燥機などを用いる場合)である。かかる加熱条件で、概ね、粘・接着層7中の熱膨張性微小球が膨張および/または発泡して当該粘・接着層7が膨張変形し、粘着力(接着力)が減少または消失する。
なお、この加熱における熱源は、前記ホットプレート、熱風乾燥機の他に、赤外線ランプや温水(熱水)を用いることもできる。
また、粘・接着層7が例えば紫外線、電子線、放射線等のエネルギーの照射により粘着力(接着力)が消失または減少するものの場合には、それに応じたエネルギーの照射を行い、前記と同様に保護部材4の除去を行なう。
なお、このような保護部材4の除去は、メーカー側が製造時または出荷時に行なっても、ユーザー側で行なってもよい。
以上、本発明のダイシング方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各工程の前後に任意の工程が付加されていてもよい。
本発明のダイシング方法の工程を示す断面側面図である。 本発明のダイシング方法の工程を示す断面側面図である。 本発明のダイシング方法の工程を示す断面側面図である。 本発明のダイシング方法の工程を示す断面側面図である。 図2に示すウエハーおよび保護部材の底面図である。 基板とスペーサとの接合部を拡大して示す断面側面図である。
符号の説明
1……ウエハー、2……基板、21……基板表面、3……能動素子、4……保護部材、5……板状部材、6……スペーサ、7……粘・接着層、8……閉鎖空間、9……マーカ(切断線)、10……回転刃、11……マイクロマシンデバイス

Claims (14)

  1. 基板上に複数の能動素子が設置されたウエハーに対し、前記能動素子を覆う保護部材を前記能動素子に実質的に接触しないように設ける第1の工程と、
    前記ウエハーを切断して複数に分割する第2の工程とを有し、
    前記保護部材は、板状の部分と、前記板状の部分と前記基板との間に間隙を形成するためのスペーサとを備え、
    前記第2の工程における切断は、前記ウエハーの前記スペーサの存在する部位において、前記基板および前記スペーサを切断し、前記板状の部分の一部を残すか、または、前記板状の部分および前記スペーサを切断し、前記基板の一部を残すようにして行なわれることを特徴とするダイシング方法。
  2. 前記第1の工程において、前記能動素子を収納する閉鎖空間が形成される請求項1に記載のダイシング方法。
  3. 前記第2の工程において、前記閉鎖空間が保持されるように切断を行なう請求項2に記載のダイシング方法。
  4. 前記第2の工程において、流水を供給しつつ行なう請求項1ないし3のいずれかに記載のダイシング方法。
  5. 前記スペーサは、隣接する能動素子同士を仕切るように設置されている請求項1ないし4のいずれかに記載のダイシング方法。
  6. 前記スペーサの厚さは、前記能動素子の前記基板表面からの突出高さを超えるものである請求項1ないし5のいずれかに記載のダイシング方法。
  7. 前記スペーサは、少なくとも前記基板側の面に粘着または接着力を有するものである請求項1ないし6のいずれかに記載のダイシング方法。
  8. 加熱またはエネルギー照射により前記粘着または接着力が消失または減少する請求項7に記載のダイシング方法。
  9. 前記板状の部分は、可撓性を有する材料で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のダイシング方法。
  10. 前記板状の部分は、硬質の材料で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のダイシング方法。
  11. 前記板状の部分は、光透過性を有する材料で構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載のダイシング方法。
  12. 前記保護部材は、水不透過性を有している請求項1ないし11のいずれかに記載のダイシング方法。
  13. 前記保護部材または前記基板に、前記第2の工程における切断の際の切断位置の目安となるマーカが設けられている請求項1ないし12のいずれかに記載のダイシング方法。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載のダイシング方法により得られたことを特徴とするマイクロマシンデバイス。
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