JP2008103358A - パターン転写層を設けた有機el転写体、有機el被転写体および有機el素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、前記支持体上に形成された剥離層と、前記剥離層上に形成された有機EL転写層から少なくともなる有機EL転写体であって、前記有機EL転写層側の表面である転写表面が、接着性および/または濡れ性の違いによるパターンを形成しうるパターン転写層からなる。
【選択図】なし
Description
また、上記パターン転写層が光によって接着性が変化する接着性変化層であって、上記光による接着性変化層にパターン露光を行い、上記パターン転写層表面に接着性の違いによるパターンを形成する工程を有していてもよい。
さらに、上記パターン転写層が加熱によって接着性が変化する接着性変化層であって、上記熱による接着性変化層にパターン加熱を行い、上記パターン転写層表面に接着性の違いによるパターンを形成する工程を有していてもよい。
また、上記密着加熱にあたり、転写したい領域のみを部分加熱することにより、有機EL転写層の一部のみの転写を行ってもよい。
さらに、上記密着加熱にあたり、転写したい領域のみを部分密着することにより、有機EL転写層の一部のみの転写を行ってもよい。
上記パターン転写層が、光による濡れ性変化層または熱による接着性変化層である、有機EL被転写体。
上記パターン転写層が、接着性向上物質を含むものである、有機EL被転写体。
上記剥離層が、光熱変換物質を含有する、有機EL転写体。
上記正孔輸送層が、上記パターン転写層を兼ねるものである、有機EL被転写体。
上記正孔輸送層が、光触媒含有層であって上記パターン転写層を兼ねるものである、有機EL被転写体。
上記パターン転写層が光によって、接着性が変化する接着性変化層であって、上記光による接着性変化層にパターン露光を行い、上記パターン転写層表面に接着性の違いによるパターンを形成する工程を有する、有機EL素子の製造方法。
上記パターン転写層が加熱によって接着性が変化する接着性変化層であって、上記熱による接着性変化層にパターン加熱を行い、上記パターン転写層表面に接着性の違いによるパターンを形成する工程を有する、有機EL素子の製造方法。
上記有機EL被転写体の転写表面を形成する層が、接着性向上物質を含むものである、有機EL素子の製造方法。
上記密着加熱にあたり、転写したい領域のみを部分加熱することにより、有機EL転写層の一部のみの転写を行う、有機EL素子の製造方法。
上記密着加熱にあたり、転写したい領域のみを部分密着することにより、有機EL転写層の一部のみの転写を行う、有機EL素子の製造方法。
(支持体)
本発明において、有機EL転写体に用いられる支持体は、有機EL転写体に強度を付与する部材であり、転写後に被転写体から剥がされる部材である。
本発明の有機EL転写体に好ましくは設けることのできるプライマー層は、支持体と剥離層との間に設けることのできる層であり、支持体とも剥離層とも相性が良く、支持体上に剥離層がコーティングしやすい材料からなるものであればよい。このようなプライマー層は、例えば、剥離層形成時に、塗布均一性等の塗布性を向上させるなどの効果を有する。
本発明の有機EL転写体には、好ましくは剥離層を設けることができる。この剥離層としては、通常の転写に用いるものを用いることができる。例えば、有機EL層転写層が溶剤系の材料である場合には、有機EL転写体製造において剥離層上に有機EL層をコーティングするために、水溶性ポリマーから選ばれるものである材料とすることができる。このようなものとしては、具体的には例えばPVA(ポリビニルアルコール)を含むものが挙げられる。しかしながら、溶剤系のポリマーも可能である。
本発明の有機EL転写体には、有機発光材料を含む発光層を少なくとも有し、他に任意の層を有する転写可能な層(これらの層をまとめて有機EL転写層とよぶ)が設けられる。このような層としては、例えば好ましくは加熱によって溶融または軟化する有機発光材料からなる層が挙げられる。
本発明の有機EL転写体に用いられるパターン転写層は、接着性および/または濡れ性の違いによるパターンが形成しうる層または形成した層である。
(基体)
本発明において有機EL被転写体に用いられる基体は、有機EL被転写体に強度を付与する部材であり、製造後の有機EL素子においても、強度付与その他の機能を有する部材である。有機EL素子製造後の基体は、その上に電極やEL層が設けられるものであり、所望により透明材料からなることができるが、不透明材料であってもよい。本発明の方法において製造される有機EL素子では、基体は電極そのものであってもよいが、通常は強度を保持する基体の表面に電極が、直接または中間層を介して設けられる。
有機EL素子においては、電極が対向して設けられるが、本発明においてはそのうち一方の電極が有機EL被転写体に設けられる。他方の電極は、典型的には有機EL転写体を転写した後に形成されるが、有機EL転写体の側に予め形成することもできる。
本発明の有機EL被転写体に用いられるパターン転写層は、接着性および/または濡れ性の違いによるパターンが形成しうる層または形成した層である。
(光触媒含有層)
本発明において、パターン転写層として、好ましくは光触媒含有層を用いることができる。この光触媒含有層は、他の層の機能を兼備すること、例えば正孔輸送層などを兼ねることができる。
本発明の好適態様においては、光の照射によって近傍の物質(バインダーなど)に化学変化を起こすことが可能な光触媒を用いて、光照射を受けた部分に濡れ性の違いによるパターンを形成する。光触媒による作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって光触媒に生成したキャリアが、バインダーなどの化学構造を直接変化させ、あるいは酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によってバインダーなどの化学構造を変化させることにより、表面の濡れ性が変化すると考えられる。
本発明の好適態様に用いられる光触媒材料としては、例えば光半導体として知られている酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化すず(SnO2)・チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)・酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉄(Fe2O3)のような金属酸化物を挙げることができるが、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定であり、毒性もなく、入手も容易である点で有利である。
本発明の好適態様の光触媒含有層に用いることのできるバインダーは、好ましくは主骨格が前記光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであり、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、あるいは(2)撥水性や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH3)3
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH3)3
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2Si(OCH3)3
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si(OCH3)3
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3
CF3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4Si(OCH3)3
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4Si(OCH3)3
CF3(CF2)3CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)9CH2CH2SiCH3(OCH3)2
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2SiCH3(OCH3)2
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2SiCH3(OCH3)2
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2SiCH3(OCH3)2
CF3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH2CH3)3
CF3(CF2)7SO2N(C2H5)C2H4CH2Si(OCH3)3
−(Si(R1)(R2)O)n−
ただし、nは2以上の整数、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であることができる。好ましくは全体の40モル%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルであることができる。また、R1および/またはR2がメチル基であるものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、好ましくはメチル基が60モル%以上であり、鎖末端または側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基などの反応性基を有する。
本発明の好適態様に用いられる光触媒含有層には、未露光部の濡れ性を低下させるため界面活性剤を含有させることができる。この界面活性剤は光触媒により分解除去されるものであれば限定されないが、具体的には、好ましくは例えば日本サーファクタント工業製:NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系の界面活性剤、デュポン社製:ZONYL FSN、FSO、旭硝子製:サーフロンS−141、145、大日本インキ製:メガファックF−141、144、ネオス製:フタージェントF−200、F251、ダイキン工業製:ユニダインDS−401、402、スリーエム製:フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができる。また、カチオン系、アニオン系、両性界面活性剤を用いることもできる。
光触媒含有層の形成方法は特に限定されないが、例えば光触媒を含んだ塗布液を、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート、スピンコートなどの方法により基材に塗布して形成することができる。
光触媒を作用させるための照射光線は、光触媒を励起することができれば限定されない。このようなものとしては紫外線、可視光線、赤外線の他、これらの光線よりもさらに短波長または長波長の電磁波、放射線であることができる。
本発明においては、パターン転写層として好ましくは熱による接着性変化層または(紫外線などの)光による接着性変化層を用いることができる。
熱により接着性を変化させる材料のうち、熱を加えることで接着性が大きくなる材料は、有機EL素子の転写工程から一般に好ましい。
紫外線などの光により接着性を変化させる材料では、光が照射された部位の接着性が上昇する材料も低下する材料も用いることができるが、低下させる材料が、有機EL素子の転写工程から一般に好ましい。
本発明においては、好ましくは有機EL転写体または被転写体の最上層の少なくとも一層に、接着性向上物質を混入することによって転写温度を低下させることができ、有機EL素子の発光特性、素子寿命を熱により劣化させることなく、有機EL素子を作成できる。
ポリエステルのエマルジョン:(東洋紡(株) バイロナールシリーズ)
アイオノマーのエマルジョン:(三井化学(株) ケミパールシリーズ)
エチレンと酢酸ビニル共重合体のエマルジョン:(中央理化工業(株) アクアテックスシリーズ)
溶剤系の材料
エチレンと酢酸ビニル共重合体系材料:(三井デュポン(株)ポリケミカルEVA150、EVA250)
アクリルポリオール系材料:(綜研化学(株)U230−T、SU−28)
このような接着性向上物質を添加して形成した転写体の最上層や被転写体の最上層を組み合わせることにより転写温度を低下できる。特に高分子の有機EL材料を用いる場合、有機EL材料はTg以上の温度を加えることで発光特性、素子寿命が劣化、ゴム弾性領域以上で更に劣化することがあるので、有機EL材料のゴム弾性領域以下で転写できるような組み合わせを選ぶことが好ましい、さらに有機EL材料のTg以下で転写できるように選択することがより好ましい。
(用いる有機EL転写体と被転写体)
本発明の有機EL素子の製造方法においては、(1)本発明の有機EL転写体と本発明外の有機EL被転写体との組み合わせ、(2)本発明外の有機EL転写体と本発明の有機EL被転写体との組み合わせ、(3)本発明の有機EL転写体と本発明の有機EL被転写体との組み合わせのいずれかの組み合わせを用いた工程が採用される。
本発明に用いられるパターン転写層が、光触媒含有層である場合には、シャドーマスクやフォトマスクを用いて、所望のパターンに光を照射することにより、照射部の濡れ性が向上し、その部位への高精細なパターン転写層の形成が容易となる。
本発明においては好ましくは、パターン加熱、例えば、レーザー等の光と光熱変化層の組み合わせによるパターン加熱により、光照射部位が加熱され、その部位のみ接着性が向上して、加熱部位への高精細なパターン転写層の形成が容易になる。
本発明の有機EL素子の製造にあたっては、好ましくは転写時に密着加熱を行う。この密着加熱にあたっては、全体を密着したうえで転写したい領域のみを部分的に加熱する方法、全体を加熱したうえで転写したい領域のみを部分的に密着する方法、転写したい領域のみを部分的に密着しかつ加熱する方法、全体を加熱密着させる方法のいずれの方法を採用することもできる。
本発明においては、具体的には例えば以下のような転写を行うことができる。
転写体 :支持体/プライマー層/剥離層兼光熱変換層/発光層
真空引き出来るよう吸着穴のついた治具に被転写体を置き、その上に吸着穴で転写体を吸着させることで、被転写体と転写体とを密着加圧する。その後プログラムで制御されたレーザー光を、転写したい部位のみに照射する。この照射により、剥離層兼光熱変換層に熱が発生し、その下にある発光層、またその下に密着されている、熱による接着性変化層兼正孔輸送層が加熱され、特に熱による接着性変化層の接着性が熱により接着性が増し、レーザー光が照射された部位のみ発光層が接着性変化層兼正孔輸送層に転写される。
転写体 :支持体/プライマー層/剥離層兼光熱変換層/発光層
真空引き出来るよう吸着穴のついた治具に被転写体を置き、その上に吸着穴で転写体を吸着させることで、被転写体と転写体とを密着加圧する。開口マスクを用いて、発光層形成領域外に紫外線を照射させ、その部位の接着性を低下させる。それからプログラムで制御されたレーザー光を、転写したい部位のみに照射する。この照射により、剥離層兼光熱変換層が加熱され、レーザー光が照射された部位のみ発光層が接着性変化層兼正孔輸送層に転写される。
転写体 :支持体/プライマー層/剥離層/発光層
上記2と同様に転写を行う。
転写体 :支持体/プライマー層/剥離層兼光熱変換層/発光層
被転写体に開口マスクなどで、転写形成したい領域のみに紫外線を照射する。このとき紫外線照射部は濡れ性が高まり、被照射部は濡れ性が低いままである。
転写体 :支持体/プライマー層/剥離層/発光層
被転写体に開口マスクなどで、転写形成したい領域のみに紫外線を照射する。このとき紫外線照射部は濡れ性が高まり、被照射部は濡れ性が低いままである。
本発明の有機EL素子の製造方法においては、R、G、Bの3色の有機EL転写層をそれぞれ有する3種類の有機EL転写体を被転写体に転写することによりフルカラー有機EL素子を製造することができる。
本発明の方法により製造される有機EL素子は、例えば電極と、電極上に形成された有機EL層と、前記有機EL層上に形成された別の電極から少なくともなることができる。有機EL層は、発光層単層でもよいが、さらにバッファー層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合せて、多層構造にすることが好ましい。また、ブラックマトリクスなど、画素間に遮光層を設けることもできる。
(被転写体の作製)
イソプロピルアルコール3重量部とアナターゼ型チタニアゾル2重量部を混合し、90℃で10分間撹拌した後、フルオロアルコキシラン、0.42重量部を更に混合し、90℃で10分間撹拌し、さらにイソプロピルアルコールで2.5倍に希釈した溶液を得た。この溶液をITO電極付き基板上に2500rpmでスピンコートを行い正孔輸送層を兼ねる光触媒含有層を形成し、被転写体を得た。
PETフィルムに、プライマー層としてCAN OHPプライマー(ザ・インクテック(株)製)をワイヤーバーで塗布、90℃で1分間乾燥後、剥離層としてTMRS04クリアー液(ザ・インクテック(株)製)を同じくワイヤーバーで塗布、90℃で1分間乾燥させた。その後有機EL発光層形成溶液であるポリフルオレンをキシレンで溶解した溶液(固形分2重量%)をスピンコートにより塗布し、90℃で1時間乾燥し転写体を得た。有機EL発光層の膜厚は80nmのものが得られた。
被転写体の被転写面と転写体の転写面を重ね密着させ、230℃に加熱した熱プレスで圧着転写し、被転写、転写体を冷却してから剥離した。剥離すると、マスクパターン露光により紫外線が照射された部分(親水性となった部分)のみ転写された。
(被転写体の作製)
BAYER(株)製のBaytron−P CH8000を、UV洗浄を行ったITO電極付きの基板に、3000rpmでスピンコートして正孔輸送層として機能する80nmの膜を形成し被転写体を作成した。
PETフィルムに、プライマー層としてCAN OHPプライマー(ザ・インクテック(株)製)をワイヤーバーで塗布、90℃で1時間乾燥後、剥離層としてTMRS04クリアー液(ザ・インクテック(株)製)を同じくワイヤーバーで塗布、90℃で1分間乾燥させた。その後有機EL発光層形成溶液であるポリフルオレンをキシレンで溶解した溶液(固形分2重量%)を10000重量部に対して、アクリル系共重合樹脂(アクリル酸−n−ブチルとアクリル酸の共重合体、重量平均分子量30万)100重量部、デナコールEX−313(ナガセケムテックス(株)製)30重量部、コロネート2507(日本ポリウレタン工業(株)製)1重量部を混合した溶液を作製し、転写体フィルム上にスピンコートにより塗布し、70℃(コロネート2507のブロック化が外れる温度より低い温度である)で1時間乾燥して転写体を得た。有機EL発光層の膜厚は80nmのものが得られた。
被転写体の被転写面と転写体の転写面を重ね密着させ、その上に金属製の開口マスクを置き、マスク上から熱プレスで圧着加熱を10分間行い、開口マスクの凸部との接触部分を加熱した。転写体に用いたコロネート2507は130℃以上でブロック化が外れて接着性が向上することから、加熱温度は150℃とした。
(被転写体の作製)
BAYER(株)製のBaytron−P CH8000を、UV洗浄を行ったITO電極付きの基板に、3000rpmでスピンコートして正孔輸送層として機能する80nmの膜を形成し被転写体を作成した。
PETフィルムに、プライマー層としてCAN OHPプライマー(ザ・インクテック(株)製)をワイヤーバーで塗布、90℃で1時間乾燥後、剥離層としてTMRS04クリアー液(ザ・インクテック(株)製)を同じくワイヤーバーで塗布、90℃で1分間乾燥させた。その後有機EL発光層形成溶液であるポリフルオレンをキシレンで溶解した溶液(固形分2重量%)を10000重量部に対して、アクリル系共重合樹脂(アクリル酸−n−ブチルとアクリル酸の共重合体、重量平均分子量30万)100重量部、U−6HA(新中村化学工業(株)製)40重量部、イルガキュア(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)0.5重量部を混合した溶液を作製し、転写体フイルム上にスピンコートにより塗布し、130℃で1時間乾燥して転写体を得た。有機EL発光層の膜厚は80nm
のものが得られた。
被転写体の被転写面と被転写体の被転写面と転写体の転写面を重ね密着させ、転写体の転写面を重ね密着させ、その上から熱プレスで全面に圧着加熱を150℃で1分間行った。
Claims (17)
- 支持体と、前記支持体上に形成された剥離層と、前記剥離層上に形成された有機EL転写層から少なくともなる有機EL転写体であって、
前記有機EL転写層側の表面である転写表面が、接着性および/または濡れ性の違いによるパターンを形成しうるパターン転写層からなり、
前記パターン転写層が、接着性向上物質を含み、前記接着性向上物質が、前記有機EL転写層に用いられる有機EL材料のガラス転移温度(Tg)よりも低いTgを発現するものであることを特徴とする、有機EL転写体。 - 前記パターン転写層が、光触媒含有層、光による接着性変化層または熱による接着性変化層である、請求項1に記載の有機EL転写体。
- 前記有機EL転写層が、前記パターン転写層を兼ねるものである、請求項1または請求項2に記載の有機EL転写体。
- 前記剥離層が、光熱変換物質を含有する、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の有機EL転写体。
- 基体と、前記基体上に形成された電極から少なくともなる有機EL被転写体であって、
前記電極側の表面である転写表面が、接着性および/または濡れ性の違いによるパターンを形成しうるパターン転写層からなり、
前記パターン転写層が、接着性向上物質を含み、前記接着性向上物質が、当該有機EL被転写体に転写される有機EL転写層に用いられる有機EL材料のガラス転移温度(Tg)よりも低いTgを発現するものであることを特徴とする、有機EL被転写体。 - 前記パターン転写層が、光触媒含有層、光による接着性変化層または熱による接着性変化層である、請求項5に記載の有機EL被転写体。
- 前記パターン転写層が、前記正孔輸送層を兼ねるものである、請求項5または請求項6に記載の有機EL被転写体。
- 支持体と前記支持体上に形成された剥離層と前記剥離層上に形成された有機EL転写層から少なくともなり、前記有機EL転写層側の表面である転写表面が接着性および/または濡れ性の違いによるパターンを形成しうるパターン転写層からなる有機EL転写体の転写表面と、少なくとも基体と前記基体上に形成された電極を有する有機EL被転写体の電極形成面と、を密着加熱して、前記有機EL転写層とパターン転写層を前記有機EL被転写体に転写する工程を有する有機EL素子の製造方法であって、
前記パターン転写層および前記有機EL被転写体の転写表面を形成する層の少なくともいずれか一方が、接着性向上物質を含み、
前記接着性向上物質が、当該有機EL素子に用いられる有機EL材料のガラス転移温度(Tg)よりも低いTgを発現するものであることを特徴とする、有機EL素子の製造方法。 - 支持体と前記支持体上に形成された剥離層と前記剥離層上に形成された有機EL転写層から少なくともなる有機EL転写体の転写表面と、少なくとも基体と前記基体上に形成された電極を有し、前記電極側の表面である転写表面が接着性および/または濡れ性の違いによるパターンを形成しうるパターン転写層からなる有機EL被転写体の転写表面と、を密着加熱して、前記有機EL転写層を前記有機EL被転写体に転写する工程を有する有機EL素子の製造方法であって、
前記有機EL転写層および前記パターン転写層の少なくともいずれか一方が、接着性向上物質を含み、
前記接着性向上物質が、当該有機EL素子に用いられる有機EL材料のガラス転移温度(Tg)よりも低いTgを発現するものであることを特徴とする、有機EL素子の製造方法。 - 前記パターン転写層が光触媒含有層であって、前記光触媒含有層にパターン露光を行い、前記パターン転写層表面に濡れ性の違いによるパターンを形成する工程を有する、請求項8または請求項9に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記パターン転写層が光によって接着性が変化する接着性変化層であって、前記光による接着性変化層にパターン露光を行い、前記パターン転写層表面に接着性の違いによるパターンを形成する工程を有する、請求項8または請求項9に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記パターン転写層が加熱によって接着性が変化する接着性変化層であって、前記熱による接着性変化層にパターン加熱を行い、前記パターン転写層表面に接着性の違いによるパターンを形成する工程を有する、請求項8または請求項9に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記有機EL転写層が、加熱によって溶融または軟化する有機発光材料からなる、請求項8から請求項12までのいずれかの請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記密着加熱にあたり、全面密着加熱しつつ、有機EL転写層の一部のみの転写を行う、請求項8から請求項13までのいずれかの請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記密着加熱にあたり、転写したい領域のみを部分加熱することにより、有機EL転写層の一部のみの転写を行う、請求項8から請求項13までのいずれかの請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
- 前記密着加熱にあたり、転写したい領域のみを部分密着することにより、有機EL転写層の一部のみの転写を行う、請求項8から請求項13までのいずれかの請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
- 請求項8から請求項16までのいずれかの請求項に記載の有機EL素子の製造方法であって、R、G、Bのそれぞれの色に発光する有機発光材料を有機EL転写層とした3種類の有機EL転写体を、前記1つの被転写体に転写する工程を有する、フルカラー表示の有機EL素子の製造方法。
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- 2008-01-15 JP JP2008005607A patent/JP4502224B2/ja not_active Expired - Fee Related
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