JP2008102229A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示パネルと光学フィルタやシャーシ等の平面状部を有する部材とを気泡を生じさせること無く結合して、信頼性を向上せしめた表示装置を提供する
【解決手段】本発明に係る表示装置は、表示パネル(1)の前面と光学フィルタ (4)とを粘着層(3)を介して結合する。このとき、粘着層(3)と表示パネル(1)との間に親水膜(2)を設ける。これにより、表示パネル上に親水膜が形成されているため、結合層を構成する粘着剤または接着剤の濡れ性がよくなる。従って、光学フィルタを表示パネルに粘着層を介して貼り合せる際に、結合面に空気が入り込むことが抑制され、気泡発生が低減される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばプラズマディスプレイパネルや液晶表示パネル等の平面型の表示パネルを用いた表示装置に関する。
画面サイズが大きく、奥行きが薄い平面型表示パネルとしては、例えばプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下、「PDP」と省略)や液晶表示パネルが知られている。
これらの平面型表示パネルの前面には、所定の機能を有する光学部材が配置されている。例えばPDPの場合においては、例えば下記特許文献1に記載のように、耐衝撃層を備えた光学フィルタをPDPの前面(表示面)に結合層である粘着層を介して直接的に貼り付けることが行われている。尚、以下ではPDP表面に直接的に貼り付けるための光学フィルタを「直貼り用光学フィルタ」と呼ぶ。
また、PDPにおいては、例えば下記特許文献2に記載されているように、PDPの背面に金属製のシャーシを熱伝導性の高い粘着層により結合することにより、PDPの放熱を行うようにしている。
特開2002−23649号公報 特開平11−157011号公報
上記の直貼り用光学フィルタは、特許文献1に記載のように耐衝撃層を備えているためその厚さが厚くなり、可撓性が低くなる。
このような可撓性が低い光学フィルタは、例えば加圧ローラなどを用いてPDPの前面に貼り付けることが困難であるため、所定サイズに切断した後に貼り合わせる場合がある。しかしながら、上述のように、直貼り用光学フィルタは可撓性が低く板状であるため、当該光学フィルタをPDPに貼り付ける際に気泡が生じやすくなる。PDP表面と光学フィルタの貼り合わせのための結合層との間に気泡が残ると、結合の強度が低下するとともに、気泡が見えることにより画質劣化が生じる。上記特許文献1は、PDPと光学フィルタとの結合の際に生じる気泡については考慮されていない。
また、結合層を介してPDPの背面とシャーシとを結合する場合にも、例えばPDPと粘着層との間に気泡が生じる。この気泡があると、シャーシの保持力の低下とともに、PDPからシャーシへの熱伝導を良好におこなうことができない。特許文献2は、このようなPDP背面とシャーシとのを結合する際に生じる気泡については考慮されていない。またシャーシの結合の場合、PDP,シャーシはいずれも実質的に可撓性が無く、板状部材であるため、気泡の低減は光学フィルタの場合より一層困難である。
従って、PDP等の平面型の表示パネルを用いた表示装置においては、表示パネルと光学フィルタやシャーシ等の平面状部を有する部材との結合面における気泡を抑制することが、表示装置の信頼性を向上させるために重要である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、表示パネルと光学フィルタやシャーシ等の平面状部を有する部材とを良好に結合して信頼性を向上せしめた表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る表示装置は、表示パネルの前面または背面と光学フィルタやシャーシ等の平面状部を有する部材とを、親水膜と結合層を介して結合することを特徴とする。この親水膜を、無機酸化物粒子とバインダーとで構成し、その厚さを10〜2000nmとし、更に5〜200nmの大きさの空隙を有する構造としてもよい。
そしてこのような構成によれば、表示パネル上に親水膜が形成されているため、結合層を構成する粘着剤または接着剤の濡れ性がよくなる。従って、平面状部を有する部材を表示パネルに結合層を介して貼り合せる際、結合面に空気が入り込むことが抑制され、気泡発生が低減される。また親水膜が空隙を有する場合、結合の際に空気が入り込み気泡が生じても、その気泡が当該空隙を介して外部に排出されるため、著しく気泡が低減される。
本発明によれば、表示パネルと平面状部を有する部材とを良好に結合することが可能となり、表示装置の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、全図において、共通な機能を有する要素には同一な符号を付して示し、一度述べた要素については、反復する説明を省略する。本発明は、互いに対向する基板間に固定画素を2次元状に配置した平面型の表示パネルを使用した表示装置に適用できる。
本発明は、本出願人が先に出願した特開2004−123996号公報,特開2005−249982号公報に記載の親水膜を平面型表示装置に適用したもので、平面型表示パネルに平面状部を有する部材(例えば光学フィルタなどの光学部材)を結合層により貼り合せる場合に、平面型表示パネルの貼り合せ面上に親水膜を形成することに特徴がある。親水膜を用いれば、結合層を構成する粘着剤や接着剤の濡れの進行が早く、高圧を用いなくとも貼り合せが可能となる。
前記平面状部を有する部材が、可撓性が低く折り曲げが難しい板状部材の場合、例えば加圧ロールを用いて貼り合せすることが困難である。このような場合に、本発明は好適に用いることができる。勿論、本発明は、これに限定されるものではなく、柔軟性を有するフィルム素材を貼り合せる場合にも適用できるものである。
なお、以下では、平面型の表示装置の例として、プラズマディスプレイ装置を用いるが、これに限定されるものではない。当然ながら、互いに対向する基板間に固定画素を2次元状に配置した表示パネルを用いて表示装置であれば、例えば液晶表示パネルを用いた表示装置にも同様に本発明を適用可能である。
図1は、本発明による第1の実施例を示すプラズマディスプレイ装置の模式断面図である。図2は、図1の拡大詳細図である。図2の(a)は本発明による親水膜の拡大図で、図2の(b)は親水膜中の空隙の説明図である。また、図3は、光学フィルタをPDPに貼り合せる場合において、光学フィルタとPDPとが完全に密着する前の様子を示す図である。
図1,図3に示すように、プラズマディスプレイ装置は、PDP1の表示面側に、平面状部を有する部材として、コントラスト向上,発光色調整や不要な電磁波輻射を低減する光学部材である光学フィルタ4が配置されている。
この光学フィルタ4として、例えば特許文献1に記載の光学フィルタを用いることができる。従って、本実施例における光学フィルタ4は、外部衝撃を吸収するためその厚さが厚くなり、可撓性に乏しく、折り曲げ角度θが30度程度以下のシートであるものとする。
ここで、従来と同様、図3に示すように、この光学フィルタ4を、結合層である粘着層3を介してPDP1に貼り合せるものとする。このとき、親水膜2がない場合、光学フィルタ4を図示しないローラ等の押圧手段で折り曲げ角度θ(例えば通常30度以下)で図紙面左から順次貼り合せる際、粘着層3の粘着剤(図示せず)の濡れの進行が遅く、空気を巻き込み易くなる。この場合、PDPと粘着層とに間に気泡(図示せず)が生じることになる。気泡が大きいとユーザに視認されやすくなり、PDP上の表示画像に気泡が重畳されたように見える。
しかしながら本実施例では、PDP1の貼り合せ面と粘着層3との間に親水膜2が設けられている(すなわちPDP1の面上に親水膜2を設けている)ため、図3に示すように、光学フィルタ4を図紙面左から順次貼り合せる際、粘着層3の粘着剤(図示せず)の濡れの進行が早くなる。これにともない、光学フィルタ4とPDP1とを結合する際に両者の結合面に空気が入り込みことが低減され、結合面に生じる気泡が低減されることになる。
本実施例の親水膜2の厚さは、10〜2000nmとしている。膜厚の下限は、親水膜2を構成する後述する無機酸化物微粒子の下限粒子径で定まる。また、上限の膜厚は親水膜2の強度で定まる。2000nmを越えると、PDP1に対する密着性や透光性(透明性)が十分でなくなり、親水膜2のひび割れなどの不良が発生する懸念が生じる。
この親水膜2は、基本的に、少なくとも、親水材料の無機酸化物微粒子、およびバインダーと溶媒を混合した塗料(以下、「親水塗料」と称する)をPDP1に塗布加熱して製膜する。そして、製膜された親水膜2は、図2(a)に示すように、無機酸化物微粒子21と、図示しないバインダーとから形成されている。
以下、親水塗料を構成する無機酸化物微粒子,バインダーおよび溶媒について、順に説明する。
無機酸化物微粒子21としては、親水材料である酸化ケイ素,酸化アルミニウムなどの無色あるいは白色の微粒子が用いられる。本実施例では、親水膜2が表示パネル(PDP)の前面側に形成されるので、光学的に透明な酸化ケイ素微粒子を用いる。しかしながら、酸化ケイ素微粒子は様々な形状のものがある。ここでは、親水膜2中に後述する空隙を形成するために、特に、鎖状の酸化ケイ素微粒子とする。
酸化ケイ素微粒子は球形の場合、膜に入射した可視光(波長としては380〜760nm)が散乱しないよう平均粒子径は190nm以下が望ましい。これ以上になると入射した光が散乱するため膜が濁って見え、表示装置への適用に不具合を生じる場合がある。この理由から、鎖状の酸化ケイ素微粒子を用いる本実施例でも、その太さ(鎖状の延伸方向に対して垂直な断面における太さ)を190nm以下にすることが望ましい。なお、無機粒子の粒子径は小さいほど透明性が向上する。そのため、望ましくは平均粒子径(ここでは鎖状の酸化ケイ素微粒子の太さ)は100nm以下が好適である。また本実施例では、酸化ケイ素微粒子の大きさの下限は入手可能なサイズの関係で10nm程度であるが、膜中に良好に分散するのであればこれより小さくても問題は無い。
用いる酸化ケイ素微粒子としては、鎖状のコロイダルシリカが好適である。鎖状のコロイダルシリカとしては例えば日産化学製オルガノシリカゾル、スノーテックス等が挙げられる。これら微粒子は、表面に水酸基を多数有しているため親水性が高い。またこれらを部材として形成した層は親水性であると同時に極めて電気的な抵抗が低い。具体的には、その抵抗値は1×1010〜10×1010Ω程度である。この値は、平面型表示パネルの基材であるガラスの1万分の1〜百万分の1と非常に小さい。そのため、鎖状のコロイダルシリカを用いて製膜した親水膜は、帯電し難く、チリ等の埃が付着しにくい。
バインダー(図示せず)としては、透明性(透光性)の高い無機系の高分子材料、ここでは、加水分解性残基を有するケイ素化合物(一般名はシリカゾル)を用いる。シリカゾルは、アルコール系の溶媒に可溶の状態である。これを加熱することにより、酸化ケイ素(バインダー)に変化する。形成された酸化ケイ素は、透明性が高いため、透光性が高く、平面型表示装置(平面型表示パネル)に用いるのに好適である。
図示しない溶媒としては、無機酸化物微粒子としての酸化ケイ素微粒子とバインダーとしてのケイ素化合物を良好に分散できるアルコール系溶媒が好適である。具体的には、エタノール,IPA(イソプロピルアルコール)などを用いる。
以上述べた親水塗料を、PDP1の表示面側のガラス基板上に塗布し、所定の温度(例えば、溶媒にIPAを用いた場合には約60℃)で乾燥させると、親水膜2が形成される。
本実施例では、鎖状の酸化ケイ素微粒子21を用いているので、図2(a)から明らかなように、親水膜2中では、酸化ケイ素微粒子21が鎖状に繋がり、該鎖状の酸化ケイ素微粒子21が複数連結して空隙22が多数形成されている。ここでいう鎖状とは、球状や粒子などの単位微粒子が複数個繋がった鎖のような形状を意味する。図2(b)は、空隙の構成をわかりやすく模式的に示したものである。この例では、空隙22は、酸化ケイ素微粒子21が鎖状に繋がった鎖状酸化ケイ素粒子21aと、鎖状酸化ケイ素粒子21bと、鎖状酸化ケイ素粒子21cとが連結して囲まれて形成されている。空隙22の形状は不定形であるが、その大きさは5〜200nmとなる。なお、空隙の大きさとは、それぞれの空隙の断面において最も長く取れる距離である。
親水膜2中に占める空隙の割合が大きくなると、親水膜2の強度(ここでは硬度)が弱くなる。そこで、空隙増加による親水膜の密度について評価を行った。ここで、バインダーのみで親水膜を所定膜厚に形成したときの酸化ケイ素密度(屈折率1.56,鉛筆硬度6H)を基準(100%)とするものとする。このとき、酸化ケイ素微粒子が鎖状でない場合、取り得る密度(鎖状でない場合の最高密度)は、六方最密充填構造の場合が最も高くなり、74%(屈折率1.4,鉛筆硬度6H)となる。
親水膜中の空隙が増加すると密度が低下するので、当然、鉛筆硬度および屈折率も低下する。すなわち、鉛筆硬度および屈折率でほぼ親水膜の強度をほぼ判断できることになる。これに着目して、鎖状酸化ケイ素微粒子とバインダーとの配合比を変えて試作した膜厚120μmの親水膜サンプルを評価した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2008102229
表1から明らかなように、酸化ケイ素微粒子とバインダーとで形成された酸化ケイ素密度が密度55%のときの親水膜(項番3)では屈折率1.31,鉛筆硬度2Hで、密度50%のときの親水膜(項番4)では屈折率1.28,鉛筆硬度Hであった。更に鎖状酸化ケイ素微粒子の配合量を大きくすると、急激に鉛筆硬度が低下し、強度が劣化した。例えば、密度45%のときの親水膜(項番5)では、屈折率1.25,鉛筆硬度4Bであった。このことから、酸化ケイ素微粒子とバインダーとで形成された酸化ケイ素密度(相対密度)は、50%以上とする必要があり、好ましくは55%以上とするのがよい。
次に、空隙22の機能について説明する。上記したように、本実施例による親水膜2は、空隙22を有している。従って、図3に示すように、光学フィルタ4を、親水膜2が形成されたPDP1に粘着層3を介して図紙面左から図示しない押圧手段で順次貼り合せる際、PDP1と粘着層3とに間に空気が巻き込まれて気泡(図示せず)が生じる場合がある。しかしながら、その気泡が空隙22に移動し、押圧手段の進行にともない、空隙22にある気泡が更に隣接する空隙22に次々に移動していく。このような過程を経て、結果として、PDP1と粘着層3とに間に空気が巻き込まれても、該空気(気泡)は空隙22を介して外気中に排出されることになる。
図4は、本実施例による親水膜の効果の一例を示している。図4において、サンプル401,402は、2枚のガラス板を粘着層により張り合わせたものである。サンプル401は従来技術によるもの(すなわち親水膜を用いないもの)であり、サンプル402は、ガラス板に本実施例による親水膜を備えている。サンプル402の親水膜は屈折率1.32,膜厚150μmである。図4から明らかなように、従来技術のサンプル401では、大きな多数の気泡があるのが見てとれる。一方、本実施例によるサンプル402では、大きな気泡が著しく低減されていることが確認できる。
以上述べたように、本実施例によれば、PDP1上に親水膜2が形成されているため、光学フィルタ4を粘着層3を介して貼り合せる際、粘着層を構成する粘着剤または接着剤の濡れ性がよくなり、空気が入り込みづらくなる。このため、光学フィルタ4と粘着層3との間の気泡発生が低減される。また、親水膜2は電気抵抗が小さいので帯電し難く、塵埃が付着しにくい。従って、貼り合せ時、光学フィルタ4と粘着層3との間への塵埃の入り込みも低減されるという効果もある。また、親水膜2は空隙22を有しているので、PDP1と光学フィルタ4と貼り合せる際に、光学フィルタ4と粘着層3との間に空気が入り込んだ場合でも、気泡が空隙22を介して逃げ、著しく気泡が低減されることになる。
次に、PDPと、平面状部を有する部材として、PDPからの熱を放熱するシャーシとを貼り合せる粘着層側に親水膜を適用した例を、本発明の第2実施例として図5を用いて説明する。なお、図5において、図1,2と共通な機能を有する要素には同一な符号を付して示し、一度述べた要素については、反復する説明を省略する。
図5は、本発明による第2の実施例を示すPDPとシャーシとの貼り合せ構造の模式断面図である。
図5に示すように、PDP1の背面側ガラス基板上に親水膜2が形成されている。その上に粘着層5が設けられており、金属製(例えばアルミ)のシャーシ6が粘着層5を介してPDP1を保持する構成とされている。
PDP1およびシャーシ6ともに、硬い板状部材であり、結合層である粘着層5を介して貼り合せる場合、気泡が生じやすい。そこで、本実施例では、PDP1とシャーシ6との貼り合せ面の一方、すなわちPDP1と粘着層5との間、もしくはシャーシ6と結合層5との間のいずれか一方に親水膜2設けた。本実施例では、PDP1の背面側に空隙を有する親水膜2を備えている。
予めシャーシ6上に粘着層5を装着してその上からPDP1を貼り合せる際、親水膜2は粘着層5の濡れ性を良くするので、粘着層5とPDP1との間に空気が入り込むことが低減され、気泡の発生が抑制される。また、気泡が生じても親水膜2中にある空隙を介して気泡が外気中に逃げるので、著しく気泡が低減される。
実施例1では、親水材料として酸化ケイ素微粒子を用いたが、本実施例では、光学的に透明とする必要がないので、白色の酸化アルミニウム微粒子を用いてもよい。親水材料として酸化アルミニウム微粒子を用いると、熱伝導率が高いので、酸化ケイ素微粒子よりもPDP1で生じた熱を効率よくシャーシに伝導することができる。
なお酸化アルミニウムの代わりにアルミナゾルを用いると熱伝導性の改善と共に透明性も向上する。アルミナゾルとしては日産化学製アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520が挙げられる。
尚、上述した実施例1及び2では、親水膜2をPDP1側に設けたが、光学フィルム4またはシャーシ6側に設けてもよい。つまり、実施例1の場合は、光学フィルム4と粘着層5とを親水膜2を介して結合するとともに、この粘着層5とPDP1の前面とを結合する。当然、光学フィルム4と粘着層5との間、及びPDP1の前面と粘着層5と間の両方に親水膜2を設けることも可能であろう。また実施例2の場合は、シャーシ6と粘着層5とを親水膜2を介して結合するとともに、この粘着層5とPDP1の背面とを結合する。更に、シャーシ6と粘着層5との間、及びPDP1の背面と粘着層5と間の両方に親水膜2を設けることも可能であろう。
上述の実施例1及び2では、表示パネルとしてPDPを用いた表示装置について説明したが、先に述べたように液晶表示パネルを用いた表示装置にも適用できる。本実施形態に係る親水膜を用いた平面状部を有する部材の液晶表示パネル(LCD)への結合に係る実施例を第3実施例として図6を参照しつつ説明する。
図6において、液晶表示パネルであるLCDモジュール7の前面(表示面)側には、ガラス板もしくは樹脂板などで構成された前面板8が配置されており、このガラスの表面(観察側)には、外光の反射を抑制するための反射防止フィルムARが貼り付けられている。そして、この反射防止フィルムARを含む前面板8は、粘着層5を介してLCDモジュール7の前面と結合されている。ここで、前面板8と粘着層8との間には、実施例1で述べたものと同様な構成を有する親水膜2が設けられている。
これにより、LCDモジュール7に、可撓性が無いもしくは低い前面板8を結合する場合に、この結合面に空気が入り込むことを防止し、当該結合面における気泡の発生を抑制することができる。この前面板8は、ガラス板もしくは樹脂板などで構成されたものでなくてもよく、上述のように加圧ローラ等の押圧手段でLCDモジュール7への貼り付けが困難な可撓性が低い平面状部材であれば同様に適用できる。
また本実施例では、LCDモジュール7側ではなく、平面状部材である前面板8側に親水膜2を設けているが、実施例1及び2のように、表示パネル側、すなわちLCDモジュール7側に親水膜2を設けてもよい。更に、LCDモジュール7側及び前面板8側の両方に(つまり粘着層5をサンドウィッチするように)親水膜2を設けてもよい。
本発明による第1実施例を示すプラズマディスプレイ装置の模式断面図。 図1の拡大詳細図。 光学フィルタをPDPに貼り合せる場合において、光学フィルタとPDPとが完全に密着する前の様子を示す図。 実施例1による親水膜の効果の一例を示す図。 本発明による第2実施例を示すプラズマディスプレイ装置の模式断面図。 本発明による第3実施例を示す液晶表示装置の模式断面図。
符号の説明
1…PDP、2…親水膜、3…粘着層、4…光学フィルタ、5…粘着層、6…シャーシ、21…酸化ケイ素微粒子、22…空隙、401,402…サンプル。

Claims (13)

  1. 表示装置において、
    表示パネルと、
    該表示パネルの前面または背面と結合層を介して結合される平面状部を有する部材と、を備え、前記表示パネルの前面もしくは背面と前記結合層との間に親水膜を設けたことを特徴とする表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置において、前記平面状部を有する部材は、前記表示パネルの前面に結合される光学部材であることを特徴とする表示装置。
  3. 請求項2に記載の表示装置において、前記光学部材は、光学フィルタを含むことを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1に記載の表示装置において、前記平面状部を有する部材は、前記表示パネルの背面と結合されるシャーシであることを特徴とする表示装置。
  5. 表示装置において、
    互いに対向する基板間に固定画素を2次元状に配置した表示パネルと、
    平面状部を有する部材と、を備え、
    前記基板の少なくともいずれか一方の表面に、結合層と親水膜とを介して前記平面状部を有する部材が結合されていることを特徴とする表示装置。
  6. 請求項5に記載の表示装置において、前記親水膜の内部に空隙を設けたことを特徴とする平面型表示装置。
  7. 請求項6に記載の表示装置において、前記空隙の大きさが5〜200nmであることを特徴とする表示装置。
  8. 請求項5に記載の表示装置において、前記親水膜の厚さが10〜2000nmであることを特徴とする表示装置。
  9. 請求項5に記載の表示装置において、前記親水膜は、無機酸化物粒子とバインダーとを有して構成されることを特徴とする表示装置。
  10. 請求項9に記載の表示装置において、前記無機酸化物粒子が酸化ケイ素、或いは酸化アルミニウムであることを特徴とする表示装置。
  11. 請求項9に記載の表示装置において、前記バインダーがケイ素化合物であることを特徴とする表示装置。
  12. 請求項10に記載の表示装置において、前記酸化ケイ素粒子が鎖状の酸化ケイ素粒子であることを特徴とする表示装置。
  13. 請求項10に記載の表示装置において、前記酸化ケイ素微粒子と前記バインダーとで形成された酸化ケイ素密度が50%以上であることを特徴とする表示装置。
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