JP2008100976A - 新規亜リン酸エステルの酸化方法 - Google Patents

新規亜リン酸エステルの酸化方法 Download PDF

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光雄 関根
Hisao Saneyoshi
尚郎 実吉
Kenichi Miyata
健一 宮田
Koji Kiyoo
康志 清尾
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Abstract

【課題】ホスホロアミダイト法によるオリゴDNA、RNAの合成において、縮合、酸化、キャピング、脱保護の全工程を無水条件下で行える製造方法の提供。
【解決手段】亜リン酸エステルをリン酸エステルに酸化する工程において、酸化剤として1,1−ジヒドロペルオキシシクロアルカンを用いる。該方法は、従来法における脱水操作が不用になり、合成の最終収率を高めることが可能である。また、上記酸化剤は、有機溶媒への溶解性に優れ、爆発性、毒性がなく、安価であるという利点をもつ。
【選択図】なし

Description

本発明は無水条件下,亜リン酸エステルをリン酸エステルに酸化する方法に関するもので,有機合成の属する分野,および他の分野において要求されている亜リン酸エステルからリン酸エステルへの酸化反応に供するものである。ことに,DNAおよびRNA化学合成において多用されているホスホロアミダイト法に供するものである。
2003年,ヒトゲノム計画の達成が宣言され,遺伝子と疾病の関係解明,遺伝子情報発現の人為的な制御などが今後の重要な研究課題として挙げられている。これらの研究を進める上で,PCRのプライマー,DNAプローブ,アンチセンスDNAなどとして用いることができる塩基配列が明確で,高純度のオリゴDNAを効率よく入手することが極めて重要である。塩基配列が明確で,高純度のオリゴDNAの入手法としては化学合成による手法が用いられている。DNAは塩基を有するデオキシリボースがリン酸ジエステル結合を介して高分子状に重合したもので,その合成にはインターヌクレオチド結合形成反応が必須であり,その形成方法によりリン酸トリエステル法,ホスホロアミダイト法,ホスホネート法などに分類される。近年,高い活性を有する3価のリン酸誘導体をインターヌクレオチド結合形成反応に利用するホスホロアミダイト法が広く用いられている。このホスホロアミダイト法は反応の確かさと迅速さを併せ持ち,固相合成へも応用されている。市販されているDNA自動合成機はホスホロアミダイト法を採用しており,この方法は,多方面で実用的な,そして確実な方法としてオリゴDNA合成に多用されている。一般的なホスホロアミダイト法による固相オリゴDNA合成は下記反応式に従って行われる。
Figure 2008100976
Figure 2008100976
(式中,B,B,Bはそれぞれ保護された核酸塩基で,同一であっても異なっていても
Figure 2008100976
ビーズ,樹脂などの担体を表し,DMTrはジメトキシトリチル基を表す)オリゴDNAの合成は上記反応式に示すように,まずテトラゾールの存在下,5′−位の水酸基がフリーで樹脂に担持させたヌクレオシド誘導体1と過剰量のホスホロアミダイト試薬2を縮合させ,縮合生成物3を得る。ホスホロアミダイト試薬2を過剰量使用することで,収率は100%に近づくが,未反応のヌクレオシド誘導体1が残ることが避けられない。そのため,5′−位の水酸基をアセチル化し(キャッピング),未反応の1が後の縮合反応に影響を与えないようにする。縮合生成物3の亜リン酸トリエステル結合はヨウ素−ピリジン水溶液で酸化し,リン酸トリエステル誘導体4に酸化する。4の5′−位のジメトキシトリチル基を脱保護し,以後,縮合,酸化,キャッピング,脱保護を目的のDNA鎖長に達するまで繰り返し,樹脂から切り出し,すべての保護基を外してオリゴDNA7が得られる。
以上のようにホスホロアミダイト法はインターヌクレオチド結合形成反応に3価の亜リン酸誘導体を利用するため,5価のリン酸エステルに酸化する必要がある。酸化剤としてヨウ素−ピリジン水溶液を用いる方法が広く用いられている。しかしながら,ヨウ素−ピリジン水溶液による酸化法ではアミノ基の保護基として多用されているジメチルアミノメチレン基をシアノ基に変換してしまうことが報告されている[B.Mullah,A.Andrus,Tetrahedron Lett.,36,4373(1995)]。また,縮合反応は水の存在により阻害される。次の縮合反応までに酸化反応の工程で使用した水を除く必要があるが,完全な除去は困難である。
そのため,無水条件下で3価の亜リン酸エステルを5価のリン酸エステルへ酸化する方法が活発に研究され,数多くの優れた成功例が報告されている。例えば,Hayakawaらは2つヌクレオシドが結合した亜リン酸エステル誘導体をTMSトリフラート,トリエチルアミンの存在下,ジクロロメタン溶媒中,ビス(トリメチルシリル)ペルオキシドで酸化し,高収率でリン酸エステル誘導体を得ている。また,t−ブチルヒドロペルオキシドを酸化剤として用い,良好な結果を報告している[Y.Hayakawa,M.Uchiyama,R.Noyori,Tetrahedron Lett.,27,4191(1986)]。さらに,Hayakawaらはビス(トリメチルシリル)ペルオキシドでの酸化法を固相ホスホロアミダイト法に応用し,6量体のDNAオリゴマーを合成している[Y.Hayakawa,M.Uchiyama,R.Noyori,Tetrahedron Lett.,27,4195(1986)]。Bajwaらはジクロロメタン溶媒中,ヌクレオシドの環状亜リン酸エステルを四酸化二窒素で酸化し,ほぼ定量的に5価のリン酸エステルに変換している[G.S.Bajwa,W.G.Bentrude,Tetrahedro Lett.,1978,421]。Manoharanらはアセトニトリル溶媒中,10−(カンファースルホニル)オキサジリジンを酸化剤として用いる方法を報告している[M.Manoharan.Y.Lu,M.D.Casper,G.Just,Org.Lett.,2,243(2000)]。
しかしながら,Hayakawaらが酸化剤として用いたビス(トリメチルシリル)ペルオキシド,t−ブチルヒドロペルオキシドは爆発性を有していることが知られている。その使用には細心の注意を払う必要があり,これらの酸化剤を用いる方法は満足の行く酸化法とは言い難い。Bajwaらの用いた四酸化二窒素は強い毒性を有する気体であり,利用し難い酸化剤である。四酸化二窒素での酸化法は到底満足の行く酸化法ではない。Manoharanらが用いた10−(カンファースルホニル)オキサジリジンは,爆発性,毒性に関する報告がなく,比較的安全な酸化剤であるが,極めて高価である。10−(カンファースルホニル)オキサジリジンを酸化剤として用いる方法は経済性の面で到底満足の行くものではない。
無水条件下,爆発性,毒性がなく,しかも安価である酸化剤を利用して3価の亜リン酸エステルを5価のリン酸エステルに酸化する方法が強く求められている。
そこで発明者らは鋭意研究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。即ち,本発明は1,1−ジヒドロペルオキシシクロアルカンを酸化剤とし,無水条件下で3価の亜リン酸エステルを5価のリン酸エステルに酸化するものである。
本発明に用いる酸化剤は1,1−ジヒドロペルオキシシクロアルカンで,炭素数の違いにより,また置換基の有無により数多く存在するが,最も好ましい例としては1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンである。代表例として1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンを取り上げ,本発明の有用性を明らかにする。1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンは,シクロドデカノンを過酸化水素で酸化することで極めて容易に得られる。非吸湿性の白色の結晶でエーテル−ヘキサンの混合溶媒から再結晶が可能で,高純度品が容易に得られる。出発物質であるシクロドデカノンは抗マラリヤ剤を合成するための原料として量産されており,入手の容易な安価な化合物である。また,1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンの爆発性,毒性は報告されていない。したがって,1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンは爆発性,毒性のない安価な酸化剤といえる。
1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンはTHFに易溶,DNA自動合成機で用いられているジクロロメタンにも可溶である。また,ジクロロメタン−酢酸エチル(9:1)には極めて高濃度で溶解し,酸化剤として機能する。
本発明を用いることで,ホスホロアミダイト法によるオリゴDNAの合成において,縮合,酸化,キャピング,脱保護の全工程を無水条件下で行える。このことは極めて重要である。従来法のように酸化の工程で水を使用する場合,次回の縮合工程までに水分を除かなければならず,また極微量混在した場合は縮合反応の収率の低下を招く。オリゴDNAの合成はオリゴマーの数マイナス1回の縮合反応を行う。そのため,1回の縮合反応の収率の低下が僅かであってもオリゴDNAの最終収率に大きく影響する。オリゴRNAの合成に関しても同様である。本発明の特有の効果として,ホスホロアミダイト法によるオリゴDNA,RNA合成が効率よく行えることが挙げられる。また,本発明の特有の効果はホスホロアミダイト法によるオリゴDNA,RNA合成のみならず,水に不安定な官能基を有する3価の亜リン酸エステルを5価のリン酸エステルに酸化する場合においても特有の効果を発揮する。
以下に本発明の好ましい実施例を記載するが,これは例示であり,これに限定されるものでないことは当業者には明らかである。
実施例1オリゴDNA(GACTGACTGACT)の合成
ABI社DNA自動合成機model392を用いて12量体オリゴDNA(GACTGACTGACT)の合成を行った。ヨウ素−ピリンジン水溶液に代え,ジクロロメタン−酢酸エチル(9:1v/v)の混合溶媒に1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンが0.1Mとなるように調製した溶液を用い,ポスホロアミダイト試薬は市販されているPACアミダイトを用いた。DNA自動合成プログラムは自動合成機に組み込まれている1マイクロモルスケールを用いた。ただし,酸化時間のみを15秒から90秒へと延長し,鎖伸長反応を行った。縮合,酸化,キャッピング,脱保護のサイクルを11回繰り返し,目的の12量体を固相担体に担持した形で得た。この12量体が担持している固相担体に28%アンモニア水溶液を加え,固相担体からの切り出しとすべての保護基を除去し,12量体オリゴDNA(GACTGACTGACT)を得た。得られた12量体オリゴDNA(GACTGACTGACT)を精製した後,MALDI−TOF−MSにて質量分析を行った。その結果を以下に示す。
12量体オリゴDNA(GACTGACTGACT)[C117149457011(M+H)]の質量;理論値:3644.66,実測値:3648.19
実施例2オリゴDNA(TCTCCATCTGAGGCCGAAAGGCCGTAT)の合成
実施例1と同様にABI社DNA自動合成機model392を用いて30量体オリゴDNA(TCTCCATCTGAGGCCGAAAGGCCGTAT)の合成を行った。縮合,酸化,キャッピング,脱保護のサイクルを29回繰り返し,目的の30量体を固相担体に担持した形で得た。この30量体が担持している固相担体に28%アンモニア水溶液を加え,固相担体からの切り出しとすべての保護基を除去し,30量体オリゴDNAを得た。得られた30量体オリゴDNAを精製した後,MALDI−TOF−MSにて質量分析を行った。その結果を以下に示す。
30量体オリゴDNA(TCTCCATCTGAGGCCGAAAGGCCGTAT)[C29236911517329(M+H)]の質量;理論値:9203.57,実測値:9205.32

Claims (2)

  1. 無水条件下,亜リン酸エステルをリン酸エステルに酸化する際,酸化剤として1,1−ジヒドロペルオキシシクロアルカンを用いることを特徴とする新規亜リン酸エステルの酸化方法。
  2. 亜リン酸エステルが下記構造式
    Figure 2008100976
    (式中,Rはジメトキシトリチル基,メトキシトリチル基,トリチル基,t−ブチルジメチルシリル基,レブリノイル基,フルオレニルメトキシカルボニル基などのごとき水酸基の保護基から選択され,Rは2−シアノエトキシ基,アルコキシ基,ジアルキルアミノ基,ハロゲンなどから選択され,Rはリンカーを介した樹脂,あるいは水酸基の保護基から選択され,Rはt−ブチルジメチルシリルオキシ基,アシルオキシ基,アルコキシ基,トリアルキルシリルオキシ基,あるいは水素から選択され,B,Bはそれぞれ塩基部位が保護された核酸塩基で同一であっても異なっていてもよく,nは以上の1以上の整数から選択される)で示され,1,1−ジヒドロペルオキシシクロアルカンが1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンで,リン酸エステルが下記構造式
    Figure 2008100976
    (式中,R,R,R,R,B,B,nは前記と同じ)で示される請求項1記載の亜リン酸エステルの酸化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014077292A1 (ja) 2012-11-14 2014-05-22 武田薬品工業株式会社 核酸の液相合成方法

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