JP2008098291A - コンデンサー用セパレーター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロース系繊維織布又は不織布から構成されたコンデンサー用セパレーターにおいて、前記織布又は不織布を構成する繊維の少なくとも一部が、繊維径が1〜15μmの長繊維であり、かつ該織布又は不織布の嵩密度が0.35〜1.2g/cm3とすること。
【選択図】 なし
Description
(1)セルロース系繊維織布又は不織布から構成されたコンデンサー用セパレーターにおいて、前記織布又は不織布を構成する繊維の少なくとも一部が、繊維径が1〜15μmの長繊維であり、かつ該織布又は不織布の嵩密度が0.35〜1.2g/cm3であることを特徴とするコンデンサー用セパレーター。
(2)前記織布又は不織布の水抽出物量が50mg/m2未満、脱落繊維数が5000個/m2未満であることを特徴とする(1)記載のコンデンサー用セパレーター。
(3)前記織布又は不織布の平均孔径が0.3〜20μmであることを特徴とする(1)または(2)記載のコンデンサー用セパレーター。
(4)前記織布又は不織布の厚みが10〜100μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のコンデンサー用セパレーター。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のセパレーターを用いたコンデンサー。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載のセパレーターを用いた電池。
本発明におけるセルロース系繊維織布又は不織布は、構成する繊維の少なくとも一部に繊維径が1〜15μmの長繊維を用いていることを特徴とするが、該繊維径は好ましくは1〜8μm、更に好ましくは1〜5μmである。繊維径が15μmを超えるとセパレーターの緻密性が悪くなり、コンデンサーの内部短絡、自己放電の原因となってしまう。繊維径が1μm未満の繊維は一般的な前記製造法では作ることが困難になる。
本発明における嵩密度とは、不織布内の空隙を含めた体積で不織布の重量を除した値を言う。
本発明における平均孔径とはJIS K−3832(バブルポイント法)における平均孔径を言う。
本発明において、織布又は不織布の厚みは10〜100μmであるが、好ましくは10〜50μmであり、より好ましくは10〜30μmである。厚みが100μmを超えると、特にコンデンサーの場合は静電容量の低下原因となる。一方、10μm未満では、電極間同士のショートの可能性が高まってしまう。
このため、前記嵩密度、厚み、平均孔径を得るため、必要に応じてセルロース系繊維織布又は不織布を複数枚積層させたり、カレンダーなどでプレスさせたりすることができる。
また本発明のセパレーターにおいて、本発明の目的を損なわない限りセパレーターに更に追加的に付与することができる各種の機能付加を任意に行うことができる。
(1)水抽出物
純水300mlに25cm×25cmのサンプルを入れ、常温で16時間静置。16時間浸漬後、繊維状異物の除去のため、黒色濾紙(商品名ADVANTEC NO131)で濾過しガラス製容器に入れる。ガラス容器を蒸発乾固させえられた固形物の重量を測定する(単位はmg/m2)。
(2)脱落繊維数
純水300mlに25cm×25cmのサンプルを入れ2分間静置。サンプルを取り出した残りの液を黒色濾紙(ADVANTEC NO131)で濾過。濾過後の濾紙を恒温室(20℃、65%RH)に12時間入れて乾燥した後、ビデオマイクロスコープにて大きさ100μm以上の脱落繊維数の個数を測定する(単位は個/m2)。
(3)平均孔径
JIS K−3832(バブルポイント法)による平均孔径を測定する(単位はμm)。
(4)目付
0.05m2以上の面積の不織布を105℃で一定重量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置してその重量を測定し、不織布(m2)当たりの重量(g)を求める(単位はg/m2)。
(5)厚み
JIS−L1096準拠の厚み試験にて荷重を1.96kPaとして測定する(単位はμm)。
(6)嵩密度
上記目付、厚みより算出する(単位はg/cm3)。
(7)インピーダンス
エチレングリコール90部、安息香酸アンモニウム10部にて作成した電解液に、直径40mmにサンプリングした不織布を浸漬させた後、減圧下で1時間脱気を行う。脱気後のサンプルを白金電極(白金黒付けした直径20mmの円板形状のもの)の間に挿入し、12cNの荷重を電極間にかけ電極及びセパレーターを固定した。次にこの挿入に伴う増加した電極間の電気抵抗をセパレーターの電気抵抗とし、20℃、100kHzの周波数でLCRメータを用いて測定する(単位はΩ)。
(8)微粉末(電極脱落物質)バリア率
粒径分布0.1〜10μmのカーボンブラック(CB)粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)を蒸留水中に分散させて懸濁液を調製、セパレーターをフィルターと考え、懸濁液を濾過した際の濾過前後のカーボンブラックの量をパーティカルカウンターにて測定し、下式により電極より脱落した電極物質のバリア率とした(単位は%)。
{1−(濾過後のCB個数/濾過前のCB個数)}×100 (1)
平均繊維径4μm、平均目付15.0g/m2の再生セルロース連続長繊維不織布を作成した。作成した不織布を上部,下部いずれのロールもステンレス(SUS329)製のカレンダー加工機にて、表1記載の目付、厚み、嵩密度になるようにカレンダー処理を行いセパレーターを作成した。上記セパレーターの評価結果を表1に示したが、水抽出物、脱落繊維の少ない、平均孔径の小さな、インピーダンスの極めて低い、微粉末のバリア率の高いセパレーターが得られた。
実施例1において、平均目付15.0g/m2の再生セルロース連続長繊維不織布を3枚用いたこと以外は実施例1と同条件にてセパレーターを作成した。上記セパレーターの評価結果を表1に示したが、水抽出物、脱落繊維の少ない、平均孔径の極めて小さな、インピーダンスの低い、微粉末のバリア率の極めて高いセパレーターが得られた。
実施例1において、平均繊維径20μmの再生セルロース連続長繊維不織布を用いたこと以外は実施例1と同条件にてセパレーターを作成した。上記セパレーターの評価結果を表1に示したが、水抽出物、脱落繊維の少ない、セパレーターが得られたが、平均孔径が大きく、微粉末のバリア率は悪く、また電極同士がショートしてしまった。
実施例1においてカレンダー処理を行わなかったこと以外は実施例1と同条件にてセパレーターを作成した。上記セパレーターの評価結果を表1に示したが、水抽出物、脱落繊維の少ない、セパレーターが得られたが、平均孔径が大きく、微粉末のバリア率は悪く、また電極同士がショートしてしまった。
溶剤紡糸セルロース繊維(レンチング社製:商品名リヨセル)を叩解の程度をJIS P8121に規定するCSF(カナダ標準形口水度、Canadian Standard Freeness)の値で50ccまで叩解した叩解原料100重量%を、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1%溶液含中に入れ、十分均一に繊維を分散させスラリーを作成した。その後抄紙機で抄紙して、平均繊維径1μm、平均目付15.0g/m2、厚さ40μmのセパレーターを作成した。評価結果を表1に示したが、平均孔径の極めて小さな微粉末のバリア率の極めて高いセパレーターが得られたが、水抽出物、脱落繊維が多いために、インピーダンスは高くなってしまった。
Claims (6)
- セルロース系繊維織布又は不織布から構成されたコンデンサー用セパレーターにおいて、前記織布又は不織布を構成する繊維の少なくとも一部が、繊維径が1〜15μmの長繊維であり、かつ該織布又は不織布の嵩密度が0.35〜1.2g/cm3であることを特徴とするコンデンサー用セパレーター。
- 前記織布又は不織布の水抽出物量が50mg/m2未満、脱落繊維数が5000個/m2未満であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサー用セパレーター。
- 前記織布又は不織布の平均孔径が0.3〜20μmであることを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサー用セパレーター。
- 前記織布又は不織布の厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサー用セパレーター。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のセパレーターを用いたコンデンサー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のセパレーターを用いた電池。
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