JP4869875B2 - コンデンサー用セパレーター - Google Patents

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Description

本発明は、低内部抵抗に優れかつ、コンデンサーの巻回時の引張に強いコンデンサー用セパレーターに関する。
近年、コンデンサーあるいは電池においては、容量が高く、内部抵抗が低いものが求められている。これらの特性を出すために、電極や電解液、また電極間を仕切るセパレーターの改良が日々行われている。
電極については、例えば、電気二重層コンデンサーの電極材料としては、高容量化のために、易黒鉛化材料を不融化及び炭化した後、水酸化カリウムなどのアルカリによる賦活によって比表面積を増大させた活性炭が提案されている。
またセパレーターとしては、従来溶剤紡糸セルロースを主体成分とする電解紙などが使用されている(特許文献1)。
特許文献1によれば、叩解可能な溶剤紡糸セルロース繊維の叩解原料を使用した緻密性とイオン透過性の双方を充足する新規なセパレーターを用いることによって、ショート不良の低減、内部抵抗の低減等の諸特性を高いレベルで改善すると共に、高体積エネルギー密度化を実現する電気二重層コンデンサを提供するとある。
一般的にコンデンサーの静電容量は、電極の表面積が大きく、電極間の距離(セパレーターの厚み)が近いほどよいとされ、また内部抵抗においてもセパレーターの厚みは薄いほうが良いとされているが、特許文献1によると、目付量を下げずに薄くするための手法として、熱ロールでのカレンダー加工を行うと、空隙率が低下することにより内部抵抗が悪化してしまったり、またセパレーターの厚さが35μm未満では機械的強度が低下して取扱が難しかったり、実際には35μm未満のセパレーターは作ることが出来なかった。
厚みの薄いセパレーターとしては、例えば、蓄電デバイス用セパレーター(特許文献2)がある。しかしながら、特許文献2記載の方法で作成されたセパレーターも上記特許文献1のものと同様機械的強度に問題があり、また主としてバクテリアセルロースを用いていることでの、製造コストの問題もある。
このため、従来と同等以上の引張強力を持ち、かつ従来以上に薄くかつ内部抵抗の低いセパレーターというものが求められていた。
特開2000−3834号公報 特開2006−49797号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、従来と同等以上の引張強力を有し、従来以上に薄く、かつ内部抵抗の低いコンデンサー用セパレーターを提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、セルロース系繊維織布又は不織布を高度に緻密化処理することで、厚み、空孔率、透気度および平均孔径を特定範囲にコントロールすることができ、その結果、厚みの薄い領域において、強度、内部抵抗に優れた効果を有するコンデンサー用セパレーターを見出し、本発明とした。
すなわち、上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)セルロース系繊維織布又は不織布から構成されたコンデンサー用セパレーターにおいて、該織布又は不織布の厚みが5〜35μm、空孔率が30〜55%、透気度が10sec/100cc以下、平均孔径が1.0〜10μm、引張強力が7.5〜40N/15mmであり、該セパレーターのインピーダンスが1.2Ω以下であることを特徴とするコンデンサー用セパレーター。
(2)セルロース系繊維が再生セルロース繊維であることを特徴とする上記(1)記載のコンデンサー用セパレーター。
(3)セルロース系繊維が長繊維であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のコンデンサー用セパレーター。
(4)セルロース系繊維の繊維径が1〜5μmであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコンデンサー用セパレーター。
(5)厚みが10〜20μmであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコンデンサー用セパレーター。
)上記(1)〜()のいずれかに記載のセパレーターを用いたコンデンサー。
本発明によれば、セルロース系繊維織布又は不織布を高度に緻密化処理することで、厚み、空孔率、透気度および平均孔径を特定範囲にコントロールすることができる。その結果、セルロース系繊維織布又は不織布において、厚みが5〜35μmという、極めて薄層において、実用強度を有し、インピーダンスが1.2Ω以下の優れた内部抵抗の低いセパレーターを提供することができる。
以下に本発明を詳説する。
本発明におけるセルロース系繊維とは、麻、綿等の天然セルロース繊維、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース繊維、精製セルロース繊維などであるが、好ましくは、繊維内の不純物が少ない再生セルロース繊維、精製セルロース繊維であり、更に好ましくは再生セルロース繊維である。また、繊維の形態は短繊維、長繊維いずれも用いることが出来るが、好ましくは長繊維、更に好ましくは連続長繊維である。
本発明のセルロース系繊維とは、主としてセルロース系繊維からなる。セルロース系繊維100%であってもよく、コンデンサーに組み込まれた際、温度変化による熱安定性や形態、電気化学的な安全性が損なわれない程度に、例えば、ポリエステル等の合成繊維を混用しても良い。この場合には、本発明における、織布又は不織布中において、セルロース系繊維の含有量は50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは75重量%以上である。
セルロース系繊維織布又は不織布の、繊維の密度、組織は繊維間の緻密性が高いものであれば、特に限定されないが、例えば織布の場合は、密度は、カバーファクターが1500〜2500であることがより好ましい。ここでいうカバーファクターは経緯とも繊度(dtex)の平方根に密度(本/インチ)を掛け合わせ、経と緯の和で求めることができる。また組織は平織りの他、綾組織、朱子組織等任意の組織を用いることができる。
また、使用する織機も特に制限は無く、ウォータージェットルーム織機やエアージェットルーム織機、レピア織機を使用することができる。製織後の織物は常法に従って精錬、リラックス、プレセットすればよい。
本発明のセルロース系繊維織布又は不織布の構造は特に限定されないが、少なくとも片側表面において、セルロース繊維が面積率で50%以上で存在することが好ましい。更に好ましくは75%以上である。ここでいう面積率とは表面に存在するセルロース系繊維の面積比率であり、例えば合成繊維と複合されている場合、セルロース系繊維が染色され、合成繊維が染色されない染料で構造体を染色し、表面積に対する染色部分の面積を画像解析等することによって求めることができる。両側表面のセルロース系繊維面積率が50%未満であると、電解液と電極とを十分に接触させることが出来ず十分なコンデンサー性能を得にくい。また必要に応じて例えば、両面が主にセルロース系繊維で中央部が主に合成繊維で構成された3層構造の構造体であってもよい。
本発明のセルロース系繊維が不織布の場合、その製造方法も特に限定されない。不織布の場合は、例えば、湿式法、抄紙法、乾式法で作られたものでもよく、これらが複合されたものでもよい。織布又は不織布を複合する方法も特に限定されないが、好ましくは電解液へ溶出するようなバインダーを用いない、高圧流体による複合やエンボス等による圧着が良い。
本発明のセルロース系繊維不織布の製造方法について一例を紹介する。本発明の好ましい態様は、再生セルロース連続長繊維不織布であるが、例えば旭化成せんい株式会社製のキュプラ不織布「ベンリーゼ(登録商標)」がこれに相当する。
キュプラ不織布の製造方法は、異物を除去し、重合度を調整したコットンリンターを銅アンモニウム溶液に溶解させた原液を細孔(原液吐出孔)を有した紡糸口金(紡口)から押し出し、水と共に漏斗内を落下させ、脱アンモニアさせることにより原液を凝固させつつ、延伸を行い、ネット上へ振り落としウエブ形成させる。この際、ネットを進行させながら進行方向と垂直方向へ振動させることにより、ネットへ振り落とされる繊維はSinカーブを描くことになる。紡糸時の延伸は100〜500倍が可能であり、紡糸漏斗の形状と、その中を流下させる紡糸水量を変えることにより、延伸倍率の調整が任意に可能である。延伸倍率を変えることにより、単繊度や不織布の強度を変えることが可能である。
不織布のウェブ形成において、繊維配列の均一性を得る上で、ネットへ振り落とされる繊維配列を、Sinカーブの位相を層単位で、3〜10段階で均等に変え、3〜10層の積層ウェブとすることで、極めて均一な繊維配列を有するセルロース系不織布を得ることができる。この様な均一な繊維配列を有する多層構造不織布は、繊維間隙が均一で、不織布としての平均孔径が揃っており、このような均一な孔径を有する不織布を緻密化すれば、薄く、緻密でしかも均一な孔径を有する不織布が得られる。
また、紡糸水量や温度を変化させることに原液内に微量残留する低分子量セルロース、いわゆるヘミセルロースをコントロールすることも可能である。また、ネットの進行速度、振動幅を制御することにより、繊維配列方向を制御し、不織布としての強度や伸度等をコントロールすることが可能である。
紡糸漏斗の形状としては、矩形型が好ましく、流下させる紡糸漏斗の長さは100〜400mm、流下出口のスリット幅は2〜5mmが好ましい。本発明に用いる紡口の原液吐出孔の直径は0.1〜0.5mmが好ましく、形状は丸型が好ましい。また、不織布の均一性を確保する意味から、ウエブを積層して不織布化することが好ましく、その積層枚数は3〜10枚が好ましい。積層後のウエブを例えば特許第787914号公報、特許第877579号公報に記載の方法により、ウエブ状態でセルロースを再生させたり、精練したりした後、高圧水流により繊維交絡させ不織布を製造する。この際に意匠性を付与するために不織布に穴や凹凸をつけたりすることが高圧水流の条件や不織布の下及び/又は上に配置されるネットの柄によって可能となる。得られた不織布は乾燥、巻き取り品として得ることができる。紡糸から巻き取りまでが一連の工程で成されるため繊維が切断されずに連続的に繋がっているので連続長繊維不織布という。
本発明のセパレーターは、セルロース系繊維を用い、セパレーターの厚みと空孔率を高度にコントロールした結果、従来と同等の引張強力を持ち、かつ一定の透気度を持ち、従来以上に薄いが内部抵抗が低いという点を特徴とする。
本発明における厚みとは、JIS−L1096準拠の厚み試験にて荷重を1.96kPaとして測定した際の厚みを言う。本発明において、セパレーターの厚みは5〜35μmであることを特徴とするが、好ましくは10〜20μmである。厚みが、35μmを超えてしまうと、本発明のセパレーターの場合、従来のセパレーターよりも空孔率を低下させるため、内部抵抗が大きくなり好ましくない。また、厚みが5μmより薄いと、仮に本発明の構成要件の範囲に空孔率と透気度をコントロールしたとしても機械的強度が極端に悪くなり、取り扱い性が悪く、繊維の長手方向にテンションがかかるプロセス(例えばコンデンサーを巻回して製造する場合)において、容易に破れが発生してしまうため好ましくない。
本発明における空孔率とは、下式(1)に示されるセパレーターの空隙(空気層)の割合をいう。

空孔率(%)= [{厚み−(目付/ρ)}/厚み]×100・・・・式(1)
(ρは繊維の密度であり、セルロース繊維においては、ρ=1.5である。)

本発明のセルロース系繊維織布又は不織布において、空孔率は30〜60%であることを特徴とし、好ましくは35〜55%である。空孔率は、式(1)で示される通り、厚みと目付けから算出される特性であり、織布又は不織布における空気層の割合を示す。その値が30%未満になると、仮に本発明の構成要件の範囲に厚みと透気度をコントロールしたとしても電解液の含浸が極端に悪くなり、結果内部抵抗が高くなってしまう。空孔率が70%を超えると、本発明の厚みのセパレーターの場合、構造があまりに疎になってしまうため、機械的強度が極端に悪くなり、好ましくない。
本発明における透気度とは、JIS−P8117(ガーレー試験機法)における透気度を言う。 本発明において、透気度は10sec/100cc以下であることを特徴とする。好ましくは、0.1〜7sec/100ccであり、更に好ましくは0.1〜5sec/100ccである。透気度が10sec/100ccを超えると、本発明の厚み、空孔率のセパレーターは、緻密過ぎてイオンの移動が阻害される為、結果、内部抵抗増加の原因となり好ましくない。また、0.1sec/100cc未満では、本発明の厚み、空孔率のセパレーターの場合には、構造が疎になってしまうため、前述と同様に繊維の長手方向にテンションがかかるプロセスにおいて、容易に破れが発生してしまうため、好ましくない。
本発明における平均孔径とは、JIS K−3832(バブルポイント法)における平均孔径を言う。本発明においては、平均孔径が0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜5μm、特に好ましくは0.5〜3μmである。
平均孔径が10μmを超えてしまうと、本発明のセパレーターは厚みが薄いため電極同士の接触によるショートの可能性が高まるので好ましくない。平均孔径が0.1μm未満であると、セパレーターがフィルムライクになってしまうために、今度は電解液の通液性つまりはイオンの移動が阻害されてしまい、結果内部抵抗の増加の原因となるために好ましくない。
空孔率は30〜60%であり、平均孔径が1.0〜10μmであると、薄層で緻密化されたシートにおいても、電解液のイオンの移動はスムーズであり、内部抵抗も小さくできる。空孔率と平均孔径は相乗効果を有し、空孔率が小さい範囲では、平均孔径は大きい範囲が好ましく、空孔率が大きい範囲では、平均孔径は小さい範囲が好ましい。
本発明における引張強力とは、JIS−L1096における引張強力を言う。本発明においては、引張強力が7.5〜40N/15mmであることが好ましく、より好ましくは10〜40N/15mmである。引張強力が7.5N/15mm未満であると、前述の繊維の長手方向にテンションがかかるプロセスにおいて、容易に破れが発生してしまうため、好ましくない。
本発明のセパレーターは、目的の厚み、空孔率、透気度等を達成させることが出来ればそのコントロール方法は特に限定されるわけではないが、均一な厚みと性能を見出す為の緻密化加工には、好ましくは、カレンダーロールによるプレス加工が好ましい。
カレンダー加工において、プレス圧力は用いる織布又は不織布の目付に合わせて適宜条件を決めればよい。例えば、目付14g/mのセルロース系連続長繊維不織布(ベンリーゼ)の場合は、ロール圧力を100〜1000kNの間で適宜設定することにより本発明の空孔率と厚みを得ることが出来る。
また、カレンダー加工においては目的に応じてロールの種類、加熱の有無、加工速度等を適宜用いることが出来るが、本発明においては金属製のロールを用いて、熱を加えずに加工を行う方が、加工後に熱による繊維の劣化が皆無という点で、より好ましい。
また本発明のセパレーターは、前述のカレンダー加工にあわせて素材を2枚以上積層させることでも目的とする性能を得ることが出来る。その際の積層枚数は、目的に応じて適宜決めればよい。
本発明のセルロース系繊維の繊維径は特に限定するものではないが、緻密なセパレーターを作成すると言う点では、1〜15μmであることが好ましく、更に好ましくは1〜5μmである。繊維径が15μmを超えるとセパレーターにした際のセパレーターの緻密性が悪くなり、その結果、本発明の平均孔径が得にくくなる。また、繊維径が1μm未満になると、今度は緻密過ぎる為に、結果本発明の透気度が得られにくくなる為好ましくない。
また目的の繊維径を得るために、叩解によるフィブリル化などの繊維径をコントロールする処理は適宜行うことが出来る。
本発明において用いるセルロール系織布又は不織布の目付は、特に限定するものではないが、5〜25g/mが好ましい。より好ましくは5〜18g/mであり、更に好ましくは5〜16g/mである。上記範囲を超える目付を使用すると、本発明の厚みに仕上げた際に、セパレーターのインピーダンスを著しく悪化させてしまう場合がある。また仮に5g/m未満の目付のセパレーターは、コンデンサー製造時の張力に耐えられない場合がある。
本発明におけるセパレーターは、特にコンデンサー用のセパレーターとして好適に用いることが出来る。より好ましくは電気二重層コンデンサー、電解コンデンサー用のセパレーターである。
本発明におけるセパレーターに含浸させることのできる電解液の種類については、セパレーターに対し悪影響を与えないものであれば特に制限はされないが、好ましくは1,4−ブタンジオール、グリセリン、ポリオキシアルキレンポリオール、フラン系、スルホラン系、カーボネート系、ラクトン系、イミダゾリジノン系、アルキレングリコール系を用いることが出来る。好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ラクトン系であり、更に好ましくはアルキレングリコール系(特にエチレングリコール、プロピレングリコール)、ラクトン系(特にγ−ブチロラクトン)である。
また、前記電解液には、溶質として無機酸、有機酸、無機酸塩、有機酸塩を、塩としてアンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩、アミジン系塩等を電解液のイオン移動性能向上のために付加することができる。
また本発明のセパレーターにおいて、本発明の目的を損なわない限りセパレーターに更に追加的に付与することが出来る各種の機能付加を任意に行うことが出来る。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また例中の処理物の評価は、下記のようにして行った。
(1)厚み
JIS−L1096準拠の厚み試験にて荷重を1.96kPaとして測定(単位はμm)。
(2)目付
0.05m以上の面積の不織布を105℃で一定重量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置してその重量を測定し、不織布(m)当たりの重量(g)を求めた(単位はg/m)。
(3)空孔率
前述の式(1)にて算出。
(4)透気度
JIS−P8117(ガーレー試験機法)にて測定(単位はsec/100cc)
(5)平均孔径
JIS K−3832(バブルポイント法)における平均孔径を測定(単位はμm)。
(6)引張強力
サンプルの巾を15mmとして、JIS−L1096における引張強力を測定(単位はN/15mm)
(7)インピーダンス
エチレングリコール90部、安息香酸アンモニウム10部にて作成した電解液に、直径40mmにサンプリングした不織布を浸漬させた後、減圧下で1時間脱気を行う。脱気後のサンプルを白金電極(白金黒付けした直径20mmの円板形状のもの)の間に挿入し、12cNの荷重を電極間にかけ電極及びセパレーターを固定した。次にこの挿入に伴う増加した電極間の電気抵抗をセパレーターの電気抵抗とし、20℃、100kHzの周波数でLCRメータを用いて測定した(単位はΩ)。
[実施例1]
平均繊維径5μm、平均目付15.0g/mの再生セルロース連続長繊維不織布(キュプラ不織布)を作成した。作成した不織布を上部,下部いずれのロールもステンレス(SUS329)製のカレンダー加工機にて、ロール圧1000kN、加工速度10m/min.20℃にてカレンダー処理を行い、セパレーターを作成した。上記セパレーターの評価結果を表1に示したが、厚みは16μmと極めて薄いが、透気度は大きく、引張強力も高く、実用強度を有し、インピーダンスの極めて低いセパレーターを得た。
[実施例2]
実施例1において、平均目付10.0g/mの再生セルロース系連続長繊維不織布を2枚作成し、作成した不織布を2枚積層させ、カレンダー処理を行ったこと以外は実施例1と同様に処理を行った。評価結果を表1に示したが、厚みは20μmと極めて薄いが、透気度が高く、引張強力の極めて高いインピーダンスの低いセパレーターを得た。
参考例3]
実施例1において、平均目付20.0g/mの不織布を用いロール圧を150kNにしたこと以外は実施例1と同様に処理を行なった。評価結果を表1に示したが、厚みは薄いが、透気度が高く、引張強力の高いインピーダンスの低いセパレーターを得た。
[実施例4]
溶剤紡糸セルロース繊維(レンチング社製:リヨセル)を叩解の程度をJIS P8121に規定するCSF(カナダ標準形口水度、Canadian Standard Freeness)の値で70ccまで叩解した叩解原料100重量%を、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1%溶液含中に入れ、十分均一に繊維を分散させスラリーを作成した。その後抄紙機で抄紙して、平均繊維径1μm、平均目付25.0g/m、厚さ120μmの不織布を作成した。次に作成した不織布を上部,下部いずれのロールもステンレス(SUS329)製のカレンダー加工機にて、ロール圧300kN、加工速度10m/min.20℃にてカレンダー処理を行いセパレーターを作成した。評価結果を表1に示したが、薄く、平均孔径の小さな、インピーダンスの低いセパレーターが得られた。
[比較例1]
実施例3において、カレンダー加工を行わないことを除いては、実施例3と同様に処理を行い、厚さ40μmのセパレーターを作成した。評価結果を表1に示したが、平均孔径の小さな、セパレーターが得られたが、引張強力はコンデンサーの製造時の張力に耐えがたい低さであり、また膜厚が40μmあるために、インピーダンスは高いものになった。
[比較例2]
酢酸菌を標準的な条件であるHestrin−Schramm培地(HS培地)(「セルロースのこと典」セルロース学会編集,朝倉書店,2000年発行,p44)を用いて、果糖を炭素源とし、PH6、温度28℃で10日間、内径10cmのシャーレ内での静置培養を行った。得られた厚みが約1.8mmの半透明ゲル状物をオートクレーブ装置を用い、2重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸液させた状態で120℃で1時間の溶菌処理を行った。さらに得られたウェット状のゲルを水洗した後、再度、先と同じ条件でオートクレーブによる溶菌処理を行い、ウェット状のゲル状シートを得た。このゲルを4℃の冷水中に浸液させ2時間静置し、ゲルを濾紙に挟んで圧搾した。冷水への浸液および圧搾の工程を同じ条件でさらに5度繰り返し、圧搾したゲル状の静置培養膜を得た。得られたゲル状膜を金属製バットにウェットの状態で貼り付け、70℃の熱風乾燥機で3時間乾燥させて膜厚が24μmで空孔率が72.2%の半透明白色のシート状成形体であるセルロースセパレーターを得た。評価結果を表1に示したが、極めて薄く、平均孔径の極めて小さなセパレーターを得たが、引張強力はコンデンサーの製造時の張力に耐えられないほど低いものとなった。また透気度も悪いためにインピーダンスは高いものになった。
[比較例3]
実施例1において、平均目付10.0g/mの再生セルロース系連続長繊維不織布を3枚作成し、作成した不織布を3枚積層させ、カレンダー処理を行ったこと以外は実施例1と同様に処理を行った。評価結果を表1に示したが、厚みは30μmと薄いが、透気度が低く、引張強力は高いがインピーダンスの高いものになった。
Figure 0004869875
本発明によって、従来以上に薄くかつ内部抵抗の低いセパレーター、該セパレーターを用いたコンデンサー及び電池を提供することができる。

Claims (6)

  1. セルロース系繊維織布又は不織布から構成されたコンデンサー用セパレーターにおいて、該織布又は不織布の厚みが5〜35μm、空孔率が30〜55%、透気度が10sec/100cc以下、平均孔径が1.0〜10μm、引張強力が7.5〜40N/15mmであり、該セパレーターのインピーダンスが1.2Ω以下であることを特徴とするコンデンサー用セパレーター。
  2. セルロース系繊維が再生セルロース繊維であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサー用セパレーター。
  3. セルロース系繊維が長繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサー用セパレーター。
  4. セルロース系繊維の繊維径が1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサー用セパレーター。
  5. 厚みが10〜20μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサー用セパレーター。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のセパレーターを用いたコンデンサー。
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