図1は本発明の電子回路装置の一実施形態を示す構成図である。
本発明に係る電子回路装置1000は、例えば、画像入力機能(スキャン機能)、印刷機能(プリント機能)、ファクシミリ機能(FAX機能)、及び複製機能(コピー機能)を有する複合機等の画像形成装置で構成される。また、電子回路装置1000は、電子回路装置1000の故障を診断する故障診断機能を有している。
電子回路装置1000は、通信網100に接続している。電子回路装置1000は、FAX機能部1010、画像入力機能部1020、制御機能部1030、及び画像出力機能部1040で構成される。
通信網100は、例えば、LAN(Local Area Network )、WAN(Wide Area Network)、又は公衆回線網で構成されている。
FAX機能部1010、画像入力機能部1020、制御機能部1030、及び画像出力機能部1040の各機能は、電子回路装置1000が実行するソフトウェア制御により実現できる。
ここで図2を参照して、ソフトウェア制御を実行するための電子回路装置1000の構成について説明する。図2は、このソフトウェア制御を実現するための電子回路装置1000の一構成例を表す構成図である。
電子回路装置1000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算部1001、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の読み出し専用メモリであるROM1002(Read-Only Memory )、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)等の揮発性メモリ及びNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリで構成されるRAM1003(Random Access Memory)、並びにハードディスク等の外部記憶装置である外部記憶部1004で構成され、演算部1001、ROM1002、RAM1003、及び外部記憶部1004は互いにバス1005によって接続している。
ソフトウェア制御は、ROM1002に格納したプログラムを演算部1001が読み、読込んだプログラムに従って演算部1001が演算を行うことにより上記各部の機能を実現する。なお、RAM1003には、演算結果のデータが書き込まれ、特にNVRAMには、電源オフ時にバックアップが必要なデータが保存される。
ここで、図1に戻り、電子回路装置1000の構成について引き続き説明する。
FAX機能部1010は、通信網100及び制御機能部1030に接続している。FAX機能部1010は、制御機能部1030に制御されて、情報を通信網100を通じて、例えば、G3又はG4等の通信規格で送受信することでFAX機能を提供する。
FAX機能部1010は、FAX制御部1011及び通信部1012で構成される。FAX制御部1011は、通信部1012及びプリント制御部1031に接続している。また、FAX制御部1011は、通信部1012を介して通信網100に接続している。
FAX制御部1011は、後述する画像読取部1021で読取られた電子原稿を画像処理部1022及びプリント制御部1031を介して取得する。次に、FAX制御部1011は、取得した電子原稿を圧縮し、圧縮したデータを、例えば、G3又はG4等のプロトコルに従って送信するよう通信部1012を制御する。
また、FAX制御部1011は、同様に、データをG3又はG4等のプロトコルに従って受信するよう通信部1012を制御し、通信部1012が受信したデータを伸長する。尚、FAX制御部1011の伸長したデータは、プリント制御部1031を介して画像形成制御部1041に送信され、画像形成制御部1041が制御する画像形成部により出力画像として印刷出力される。
通信部1012は、例えば、FAXモデムで構成され、通信網100、FAX制御部1011、及びプリント制御部1031に接続している。通信部1012は、FAX制御部1011に制御されて、通信網100を介して、例えば、G3又はG4等の通信規格で情報を送受信する。
画像入力機能部1020は、制御機能部1030に接続している。画像入力機能部1020は、制御機能部1030に制御されて、例えば、複写対象又はFAX送信対象とする原稿を電子画像として制御機能部1030へ入力する機能(つまり、画像入力機能)を提供する。
画像入力機能部1020は、画像読取部1021、及び画像処理部1022で構成されている。画像読取部1021は、例えば、スキャナ等で構成され、画像処理部1022及びプリント制御部1031に接続している。画像読取部1021は、プリント制御部1031に制御されて、読取対象とするシート状の原稿から、その原稿上に描かれた画像を光学的に読み取って原稿情報を取得し、取得した原稿情報をディジタル化した電子情報(以下、単に電子原稿と言う)へ変換する。
画像読取部1021は、図示を省略するが、光源制御部、受光センサ部、及び画像信号補正処理部で構成されている。光源制御部は、原稿へ光を照射する光源ランプを制御する。
受光センサ部は、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ、又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサで構成され、光源制御部により制御された光源が照射した光であって、原稿に照射した光の反射光を受光する。次に、受光センサ部は、受光した反射光に基づいて電気信号を出力することで原稿情報をディジタル化する。
画像信号補正処理部は、受光センサ部の出力した信号を補正し、補正した信号を電子原稿として画像処理部1022へ送信する。
画像処理部1022は、画像読取部1021及びプリント制御部1031に接続しており、画像読取部1021から電子原稿を取得する。画像処理部1022は、取得した電子原稿を画像形成部の出力特性に合わせるための処理を行なう。尚、画像形成部は、画像形成制御部1041により制御されて出力画像を形成する。
具体的には、画像処理部1022の実行する処理は、色を補正する処理、絵と文字とを分離する処理、下地を除去する処理、若しくは拡大又は縮小出力を実現するための拡大又は縮小処理を含む。
制御機能部1030について説明する前に、画像出力機能部1024について説明する。
画像出力機能部1040は、制御機能部1030に接続している。画像出力機能部1040は、制御機能部1030に制御されて、画像入力機能部1020が入力した画像を印刷出力する機能(つまり、画像出力機能)を提供する。
画像出力機能部1040は、画像形成制御部1041及びアクチュエータ制御部1042で構成されている。
画像形成制御部1041は、プリント制御部1031及びアクチュエータ制御部1042に接続している。画像形成制御部1041は、アクチュエータ制御部1042を介して画像形成部を制御する。
具体的には、画像形成制御部1041は、電子写真プロセス及び用紙搬送に関する制御を行う。電子写真プロセスに関する制御とは、画像形成に係わるプロセスであって、例えば、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、及び定着プロセスを行う部材の駆動タイミングの制御、並びに画像形成に係わるプロセスで使用される各種センサが取得した情報に基づいたフィードバック制御を言う。
用紙搬送に関する制御とは、画像読取部1021の原稿、及び画像形成部の記録(印刷)用紙をを搬送する部品の動作に関する制御を言い、具体的には、例えば、モータ、ソレノイド、及びクラッチ等の各アクチュエータに関するタイミング制御、及び用紙詰まりの検出制御を言う。
ここで、図示は省略するが、画像形成部を構成する用紙搬送部は、複数のタイミングセンサを有する。タイミングセンサは、用紙搬送のタイミングに関する情報を収集する。画像形成制御部1041は、タイミングセンサによって収集したタイミング情報に基づいて用紙詰まりを検出して用紙搬送に関する制御を実行する。
アクチュエータ制御部1042は、画像形成制御部1041及び画像形成部を構成するアクチュエータに接続している。アクチュエータ制御部1042は、画像形成制御部1041により出力される各アクチュエータを制御する制御信号を、各アクチュエータ固有の制御信号に変換する。その後、アクチュエータ制御部1042は、変換した制御信号を用いて各アクチュエータを制御する。
制御機能部1030は、FAX機能部1010、画像入力機能部1020、及び画像出力機能部1040に接続してる。制御機能部1030は、FAX機能、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、及び故障診断機能を提供するために、FAX機能部1010、画像入力機能部1020、及び画像出力機能部1040を制御する機能を有する、。
制御機能部1030は、プリント制御部1031、記憶部1036、U/I制御部1037、入力部1038、及び表示部1039で構成される。
プリント制御部1031について説明する前に、記憶部1036、U/I制御部1037、入力部1038、及び表示部1039について説明する。
記憶部1036は、図2を用いて説明したROM1002、RAM1003、及び外部記憶部1004で構成され、プリント制御部1031に接続している。
ROM1002は、電子回路装置1000の有する故障診断機能を提供するために使用されるモデルを格納する。尚、ROM1002が記憶するモデルについては後述する。
また、ROM1002は、電子回路装置1000の有する各機能を提供するために演算部1001が実行するファームフェアを格納する。尚、電子回路装置1000の有する機能は、スキャン機能、プリント機能、FAX機能、コピー機能、データ転送機能、及び故障診断機能のみならず、待機機能、省電力機能、及び起動機能を含む。
RAM1003は、演算部1001がファームフェアを実行する際に使用するワーク領域を提供する。外部記憶部1004は、電子回路装置が機能を提供する際に使用される画像情報、特に、電子ソートされて複写、又はプリントされる、若しくはFAX送受信される電子原稿等の画像情報を記憶する。
また、外部記憶部1004は、電子回路装置1000の動作履歴、及び電子回路装置1000の内部の状態情報を記述するログ情報ファイルをも記憶する。特に、ログ情報ファイルは、起動時に記録されたブートログ情報、及び機能の提供時に記録された動作ログ情報、故障発生時の機能診断テストから抽出されたテストログ情報、又は検査結果を記録したファイルを含む。
U/I制御部1037は、プリント制御部1031、入力部1038、及び表示部1039に接続している。U/I制御部1037は、表示部1039の表示を制御し、入力部1038により入力された信号に基づいてプリント制御部1031へ各種命令を出力する。
入力部1038は、例えば、タッチパネル、キーボード、又はマウスで構成され、U/I制御部1037に接続している。入力部1038は、ユーザに操作され、故障により生じた不具合を識別する情報を入力する。尚、電子回路装置1000が不具合を認識し、かつ認識した不具合を識別する情報を生成した場合には、ユーザは不具合を識別する情報を入力する必要は無い。
尚、電子回路装置1000が認識できない不具合の具体例としては、電子回路装置1000がフリーズする等の誤動作、画像不良、及びジョブ処理不良等が挙げられる。
また、入力部1038は、スキャン機能、プリント機能、FAX機能、コピー機能、データ転送機能、故障診断機能、待機機能、及び省電力機能を選択し、選択した機能の提供を指示する信号を入力する。
更に、入力部1038は、ユーザに操作されて、不具合を引き起こした故障を診断するための操作のみを受け付ける状態(以下単に、故障診断モードと言う)に移行する命令を入力する。その後、入力部1038は、電子回路装置を構成する複数の部品で構成される部品群であって、第2の故障診断処理の対象とする物品群を選択する信号を入力する。尚、第2の故障診断処理については後述する。
表示部1039は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRT(Cathode Ray Tube)で構成され、U/I制御部1037に接続している。表示部1039は、U/I制御部1037に制御されて、各種の情報を表示する。尚、表示部1039が表示する情報については後述する。
ここで、プリント制御部1031について説明する前に、図3を参照して、制御機能部1030を構成するハードウェア部品について説明する。図3は、制御機能部の一実施形態を示す構成図である。
制御機能部1030は、ハードウェア部品であるROM1002、RAM1003、外部記憶部1004、ファン1131、UI PWBA1137、タッチパネル1138、ディスプレイ1139、及びESS PWBA1231で構成される。
ROM1002、RAM1003、外部記憶部1004、ファン1131、UI PWBA1137、タッチパネル1138、ディスプレイ1139、及びESS PWBA1231は、それぞれ交換可能に電子回路装置1000に設置される部品である。
ROM1002、RAM1003、及び外部記憶部1004は、記憶部1036を構成する。ROM1002、RAM1003、及び外部記憶部1004は、ESS PWBA1231に接続している。
ファン1131、及びESS PWBA1231は、プリント制御部1031を構成する。ESS PWBA1231は、ファン1131、及びUI PWBA1137に接続している。ESS PWBA1231は、演算部1001を含む回路の中心部であるESS(Electric SubSystem)が配置された回路基盤(Printed Wiring Board Assy)である。
ESS PWBA1231は、ファン1131を制御してESS PWBA1231の加熱を抑制する。また、ESS PWBA1231は、UI PWBA1137を介してタッチパネル1138から各種情報及び信号を取得し、取得した情報及び信号に基づいて電子回路装置1000の有する機能を提供する。また、ESS PWBA1231は、UI PWBA1137を介してディスプレイ1139が表示する情報を制御する。
ファン1131は、ESS PWBA1231上に交換可能に設置され、ESS PWBA1231により制御されてESS PWBA1231に対して送風する。
UI PWBA1137は、U/I制御部1037を構成し、ESS PWBA1231、タッチパネル1138、及びディスプレイ1139に接続している。
UI PWBA1137は、ユーザインタフェース(User Interface)に関連した部品であるタッチパネル1138、及びディスプレイ1139との情報の入出力を制御する回路を配置した回路基盤である。
タッチパネル1138は、入力部1038を構成し、UI PWBA1137に接続している。タッチパネル1138は、ユーザに操作されて各種の情報及び信号をUI PWBA1137へ入力する。
液晶ディスプレイ1139は、表示部1039を構成し、UI PWBA1137に接続している。液晶ディスプレイ1139は、UI PWBA1137に制御されて、各種の情報を表示する。
尚、例えば、タッチパネル1138等の入力部1038を構成するハードウェア部品、及び例えば、液晶ディスプレイ1139等の表示部1039を構成するハードウェア部品を合わせてUI1238と呼ぶこととする。
ここで、制御機能部1030は、制御機能と言う同様の機能を達成するために使用される複数のハードウェア部品(つまり、ROM1002、RAM1003、外部記憶部1004、ファン1131、UI PWBA1137、タッチパネル1138、ディスプレイ1139、及びESS PWBA1231)で構成される部品群である。
同様に、図示及び説明を省略するが、FAX機能部1010はFAX機能、画像入力機能部1020は画像入力機能、画像出力機能部1040は画像出力機能と言う同様の機能を達成するために使用される複数のハードウェア部品で構成される部品群である。
プリント制御部1031は、FAX制御部1011、通信部1012、画像読取部1021、画像処理部1022、記憶部1036、画像形成制御部1041、及びU/I制御部1037に接続している。
プリント制御部1031は、記憶部1036に記憶されたファームウェアを実行することで、FAX制御部1011、通信部1012、画像読取部1021、及び画像形成制御部1041を制御して、故障診断機能等の電子回路装置1000の有する機能を提供する。
ここで、図4を参照してプリント制御部1031の構成を説明する。図4は、プリント制御部1031の一実施形態を表す機能ブロック図である。
プリント制御部1031は、第1の収集部1032、第1の算出部1033、第2の収集部1034、及び第2の算出部1035で構成されている。
第1の収集部1032は、記憶部1036、U/I制御部1037、及び第1の算出部1033に接続している。第1の収集部1032は、不具合が発生した際に、部品群であるFAX機能部1010、画像入力機能部1020、制御機能部1030、及び画像出力機能部1040から第1の診断情報を収集する。ここで、第1の診断情報とは、電子回路装置1000に不具合が発生した場合における各部品群の状態に関する情報を言う。
ここで、第1の診断情報についてより具体的に説明をする。第1の診断情報は、部品群に関する環境情報、部品群又は部品群が実行していたプログラムの機能診断結果を含む。
この診断情報は、電子回路装置1000の動作履歴、及び電子回路装置1000の内部の状態情報を記述するログ情報ファイルを解析して得られる。
また、第1の収集部1032は、入力部1038をユーザが操作して入力した不具合を識別する情報をU/I制御部1037から取得する。
また、第1の収集部1032は、接続する各部品群から電子回路装置1000が認識した不具合を識別する情報、及び不具合が発生した際に電子回路装置1000が機能を提供するために実行していた処理(以下単に、ジョブと言う)に関する情報をも収集する。
その後、第1の収集部1032は、収集した不具合を識別する情報、ジョブに関する情報、及び第1の診断情報(以下単に、第1の診断情報等と言う)を第1の算出部1033へ出力する。
第1の算出部1033は、第1の収集部1032、記憶部1036、及びU/I制御部1037に接続している。第1の算出部1033は、記憶部1036から第1のモデルを取得する。
ここで、図5を参照して第1のモデルについて説明する。図5は、第1のモデルの構成例を概念的に表す図である。
図5に示す、第1のモデルは、物品群に生じ得る故障の原因と部品群の状態と原因により引き起こされる不具合とを因果関係により関連付けてモデル化したモデルである。
第1のモデルは、第1の証拠情報ノードND1から5及び部品群状態ノードNG1から4で構成されるベイジアン・ネットワークモデルである。尚、ベイジアン・ネットワークモデルは、ノード間の定性的な依存関係である因果関係をグラフ構造によって表し、変数間の定量的な因果関係をその変数の間に定義される条件付き確率によって表すモデルである。
第1の証拠情報ノードND1から5は、部品群状態ノードNG1から4に関連付けられるフェイル情報、ブートログ情報、動作ログ情報、機能診断テスト等に基づく状態変数であり、第1の収集部1032が収集した第1の証拠情報を、第1の算出部が第1のモデルに入力することで定まる。
FAX機能部状態ノードNG1、画像入力機能部状態ノードNG3、制御機能部状態ノードNG2、及び画像入力機能部状態ノードNG3は、部品群状態ノードNGに含まれる。部品群状態ノードNGは、部品群の正常不良の状態を表す確率変数とする。
つまり、FAX機能部状態ノードNG1、画像入力機能部状態ノードNG3、制御機能部状態ノードNG2、及び画像入力機能部状態ノードNG3は、FAX機能部1010、画像入力機能部1020、制御機能部1030、及び画像入力機能部1020の正常不良の状態を表す確率変数とする。部品群の状態を表す確率変数のとり得る具体値は、例えば、「故障」又は「正常」である。
本実施例においては、第1の算出部1033が、このノードに対応した状態確率を計算して、部品群毎に故障の原因が生じている確率(以下単に、故障原因の発生確率と言う)を算出する。つまり、各ノードには、第1の算出部1033が故障原因の発生確率を算出するために用いる確率表を対応させる。
この確率表は、物品群に生じ得る故障の原因と部品群の状態と原因により引き起こされる不具合との因果関係の強さを定量的に表す確率をまとめた表である。
また、確率表は、第1のモデルがモデル化する対象とした部品群が初期状態において故障状態にある確率である事前故障確率を有し、事前故障確率は過去の故障発生時のデータや部品の平均故障間隔MTBF(Mean Time Between Failure)を用いて決定できる。
次に、ベイジアン・ネットワークである第1のモデルは、ノード間の定性的な依存関係である因果関係をグラフ構造によって表すために、「原因」と「結果」と言う因果関係を「原因」から「結果」へ向かう矢印で表すように結線される。
例えば、第1の証拠情報ノードND1及びND2と、FAX機能部状態ノードNG1との関係は、第1の証拠情報ノードND1及びND2の状態変数を「原因」として、FAX機能部状態ノードNG1の確率変数が具体値「異常」を取ることを「結果」とする定性的な因果関係を表す。
また、第1の証拠情報ノードND2と画像入力機能部状態ノードNG3との関係、第1の証拠情報ノードND3と制御機能部状態ノードNG2との関係、第1の証拠情報ノードND4と画像出力機能部状態ノードNG4との関係も同様であるので説明を省略する。
また、FAX機能部状態ノードNG1と画像出力機能部状態ノードNG4との関係は、FAX機能部状態ノードNG1の確率変数が具体値「異常」を取ることを「原因」として、画像出力機能部状態ノードNG4の確率変数が具体値「異常」を取ることを「結果」とする定性的な因果関係を表す。尚、制御機能部状態ノードNG2とFAX機能部状態ノードNG1、画像入力機能部状態ノードNG3、及び画像出力機能部状態ノードNG4との関係、画像入力機能部状態ノードNG3とFAX機能部状態ノードNG1及び画像出力機能部状態ノードNG4との関係も同様であるため、説明を省略する。
更に、画像出力機能部状態ノードNG4と第1の証拠情報ノードND5との関係は、画像出力機能部状態ノードNG4の確率変数が具体値「異常」を取ることを「原因」として、第1の証拠情報ノードND5の状態変数が、故障により引き起こされる不具合を示す具体値をとることを「結果」とする定性的な因果関係を表す。
具体例を挙げると、画像出力機能部状態ノードNG4と第1の証拠情報ノードND5との関係は、画像出力機能部状態ノードNG4が具体値「異常」を取ることを原因として、出力画像に線状の欠陥が現れると言う不具合(つまり、結果)が発生すると言う関係である。
ここで、図3に戻り、引き続き第1の算出部1033について引き続き説明する。
第1の算出部1033は、第1の収集部1032から第1の診断情報等を取得する。次に、第1の算出部1033は、取得した診断情報等に含まれる不具合を識別する情報、及びジョブに関する情報に基づいて、記憶部1036の記憶するモデルの中から第1の算出部1033が実行する故障診断に適した第1のモデルを選択する。
次に、第1の算出部1033は、第1の収集部1032から取得した第1の診断情報の一部又は全部を第1のモデルに入力し、第1の診断情報を入力されたモデルを解析することで、部品群に故障の原因が発生している確率を算出する。その後、第1の算出部1033は、算出した確率と、部品群を識別する情報(以下単に、物品群識別情報と言う)とを、第2の収集部1034へ出力する。
ここで、表1を参照して第1の算出部1033が算出した確率について説明する。表1は、第1の算出部1033が算出した確率を説明するための表である。
表1は、故障箇所カラム及び故障確率カラムを有している。故障箇所カラムは第1の算出部1033が故障診断の対象とした部品群を識別する情報を、故障確率カラムは第1の算出部1033が算出した部品群に故障の原因が発生している確率を同一行に関連付けて保持している。
画像入力機能部1020は51%の確率で、制御機能部1030は3%の確率で、FAX機能部1010は2%の確率で故障の原因が発生していると推定されることを、表1は表している。
ここで図3に戻り、プリント制御部1031の構成について、引き続き説明を行う。
第2の収集部1034は、記憶部1036、U/I制御部1037、及び第2の算出部1035に接続している。第2の収集部1034は、不具合が発生した際に、接続する各部から第2の診断情報を収集する。ここで、第2の診断情報とは、電子回路装置1000に不具合が発生した場合における各部品群を構成する部品の状態に関する情報を言う。
ここで、第2の診断情報についてより具体的に説明をする。第2の診断情報は、部品群を構成する部品に関する環境情報、部品又は部品が実行していたプログラムの機能診断結果を含む。
この第2の診断情報は、第1の診断情報と同様に、電子回路装置1000の動作履歴、及び電子回路装置1000の内部の状態情報を記述するログ情報ファイルを解析して得られる。
また、第2の収集部1034は、第1の収集部1032と同様に、入力部1038をユーザが操作して入力した不具合を識別する情報をU/I制御部1037から取得し、電子回路装置1000が認識した不具合を識別する情報、及び不具合が発生した際に電子回路装置1000が実行していたジョブに関する情報をも収集する。
その後、第2の収集部1034は、収集した不具合を識別する情報、ジョブに関する情報、及び第2の診断情報(以下単に、第2の診断情報等と言う)を第2の算出部1035へ出力する。
第2の算出部1035は、第2の収集部1034、記憶部1036、及びU/I制御部1037に接続している。第2の算出部1035は、記憶部1036から第2のモデルを取得する。
ここで、図6を参照して第2のモデルについて説明する。図6は、第2のモデルの構成例を概念的に表す図である。
図6に示す、第2のモデルは、第1のモデルがモデル化の対象とした物品群である制御機能部1030を構成する物品についてモデル化したモデルである。
この第2のモデルは、制御機能部1030を構成する物品に生じ得る故障の原因と部品の状態と原因により引き起こされる不具合とを因果関係により関連付けてモデル化したモデルである。
第2のモデルは、第2の証拠情報ノード及び部品状態ノードNPで構成されるベイジアン・ネットワークモデルである。尚、図6においては、説明の便宜のために、第2の証拠情報ノードを図示していない。
第2の証拠情報ノードは、制御機能部1030を構成する物品に関連付けられるフェイル情報、ブートログ情報、動作ログ情報、機能診断テスト等に基づく状態変数であり、第2の収集部1034が収集した第2の証拠情報を、第2の算出部が第2のモデルに入力することで定まる。
図6に示すESS PWBA状態ノードNP01、RAM接続部状態ノードNP02、ROM 接続部状態ノードNP03、HDD 接続部状態ノードNP04、UI PWBA 接続部状態ノードNP05、FAN接続部状態ノードNP06、RAM状態ノードNP07、ROM状態ノードNP08、HDD状態ノードNP09、UI PWBA状態ノードNP10、FAN状態ノードNP11、UI 接続部状態ノードNP12、及びUI状態ノードNP13は、部品状態ノードNPに含まれる。
ESS PWBA状態ノードNP01、RAM状態ノードNP07、ROM状態ノードNP08、HDD状態ノードNP09、UI PWBA状態ノードNP10、FAN状態ノードNP11、及びUI状態ノードNP13は、ESS PWBA1231、RAM1003、ROM1002、HDD1003、UI PWBA1137、ファン1131、及びUI1238の正常不良の状態を表す確率変数とする。部品の状態を表す確率変数が取り得る具体値は、例えば、「故障」又は「正常」である。
また、RAM接続部状態ノードNP02、ROM 接続部状態ノードNP03、HDD 接続部状態ノードNP04、UI PWBA 接続部状態ノードNP05、FAN接続部状態ノードNP06、UI 接続部状態ノードNP12は、RAM1003とESS PWBA1231との接続部、ROM1002とESS PWBA1231との接続部、HDD1004とESS PWBA1231との接続部、UI PWBA1137とESS PWBA1231との接続部、ファン1131とESS PWBA1231との接続部、及びUI1238とUI PWBA1137との接続部の正常不良の状態を表す確率変数とする。部品間の接続部の状態を表す確率変数が取り得る具体値は、例えば、「故障」又は「正常」である。
つまり、部品状態ノードNPは、部品、及び部品間の接続部分の状態が正常、又は不良であるかを表す確率変数とする。部品、及び部品間の接続部分の状態を表す確率変数のとり得る具体値は、例えば、「故障」又は「正常」である。
本実施例においては、第2の算出部1035が、このノードに対応した状態確率を計算して、部品毎に故障の原因が生じている確率(以下単に、故障原因の発生確率と言う)を算出する。つまり、第1のモデルと同様に、各ノードには、第2の算出部1035が故障原因の発生確率を算出するために用いる確率表を対応させる。また、確率表は、第1のモデルと同様に、第2のモデルがモデル化する対象とした部品が初期状態において故障状態にある確率である事前故障確率を有する。
部品状態ノードNP間の関係、及び部品状態ノードNPと第2の証拠情報ノードとの関係については、第1のモデルにおける部品群状態ノードNG間の関係、及び部品群状態ノードNGと第2の証拠情報ノードNDとの関係と同様であるので説明を省略する。
ここで、図3に戻り、引き続き第2の算出部1035について引き続き説明する。第2の算出部1035は、第2の収集部1034から第2の診断情報等を取得する。次に、第2の算出部1035は、取得した診断情報等に含まれる不具合を識別する情報、及びジョブに関する情報に基づいて、記憶部1036の記憶するモデルの中から第2の算出部1035が実行する故障診断に適した第2のモデルを取得する。
次に、第2の算出部1035は、第2の収集部1034から取得した第2の診断情報の一部又は全部、及び第1の算出部1033が算出した確率を第2のモデルに入力し、第2の診断情報を入力されたモデルを解析することで、部品群を構成する部品に故障の原因が発生している確率を算出する。
ここで、プリント制御部1031が、故障診断機能を提供する際に実行する故障診断処理について説明する。故障診断処理は、第1の故障診断処理と第2の故障診断処理とで構成される。
よって、図7を参照して、第1の故障診断処理について説明する。図7は、プリント制御部が実行する第1の故障診断処理の一例を説明するためのフローチャートである。
プリント制御部1031は、電子回路装置1000を使用する使用者が入力部1038を操作して入力した故障診断モードへの移行を命じる命令を取得する(ステップST001)。
次に、プリント制御部1031は、第1の診断情報を収集するよう第1の収集部1032に命令を出力する(ステップST002)。その後、プリント制御部1031は、第1の算出部1033が実行する故障診断に適した第1のモデルを選択するよう第1の収集部1032に命令を出力する(ステップST003)。
次に、プリント制御部1031は、選択した第1のモデルに第1の診断情報を入力し、入力した第1のモデルを解析するよう第1の算出部1033に命令を出力する(ステップST004)。
その後、プリント制御部1031は、故障診断の対象とした部品群の全てについてステップST007の判定を実行したか否かを判断する(ステップST005)。プリント制御部1031は、全ての部品群についてステップST007の判定を実行したと判断する場合にはステップST006の処理を、そうでない場合にはステップST011の処理を実行する。
ステップST005において、プリント制御部1031は、全ての部品群についてステップST007の判定を実行していないと判断した場合には、未判定の部品群の内の1つをステップST7の判定対象とする部品群(以下単に、判定対象部品群と言う)として選択する(ステップST006)。
次に、プリント制御部1031は、第1の算出部1033が算出した判定対象部品群の故障確率が所定の閾値を超えるか否かを判断する(ステップST007)。プリント制御部1031は、判定対象部品群の故障確率が所定の閾値を超えると判断する場合にはステップST008の処理を、そうでない場合にはステップST005に戻り上記処理を繰り返す。
尚、上記閾値は、常に固定の値である構成を採用できる。また、電子回路装置1000の使用者が、故障診断処理毎に指定した閾値である構成を採用できる。
ステップST007において、プリント制御部1031は、判定対象部品群の故障確率が所定の閾値を超えると判断する場合には、判定対象部品群に故障の原因が発生していると推定し、かつ判定対象部品群に関する第2の診断情報を収集するよう第2の収集部1034に命じる命令を出力する(ステップST008)。
ここで、表1を参照してステップST007及びST008の処理を説明する。尚、所定の閾値は50%であるとして説明する。
ステップST007において、判定対象部品群が画像入力機能部1020の場合には、プリント制御部1031は、第1の算出部1033が算出した確率51%が所定の閾値は50%を超えると判断する。
よって、ステップST008において、プリント制御部1031は、画像入力機能部1020に関する第2の診断情報を収集するよう第2の収集部1034に命令を出力する。
また、ステップST007において、判定対象部品群が制御機能部1030の場合には、プリント制御部1031は、第1の算出部1033が算出した確率3%が所定の閾値は50%を超えないと判断する。
よって、ステップST008において、プリント制御部1031は、制御機能部1030に関する第2の診断情報を収集するよう第2の収集部1034に命令を出力する。尚、判定対象部品群がFAX機能部1010の場合においても同様であるので説明を省略する。
次に、プリント制御部1031は、第2の算出部1035が実行する判定対象部品群の故障診断に適した第2のモデルを選択するよう第2の算出部1035に命じる命令を出力する(ステップST009)。
次に、プリント制御部1031は、選択した第2のモデルに第2の診断情報、及び第1の算出部1033が算出した確率を入力し、入力した第2のモデルを解析するよう第2の算出部1035に命令を出力する(ステップST010)。その後、プリント制御部1031は、ステップST005に戻り上記処理を繰り返す。
ステップST005において、プリント制御部1031は、全ての部品群についてステップST007の判定を実行したと判断した場合には、第1の結果表示画面を表示するよう表示部1039を制御する(ステップST011)。その後、プリント制御部1031は、第1の故障診断処理を終了する。
ここで、図8を参照して、第1の結果表示画面について説明する。図8は、第1の結果表示画面の一例について説明するための図である。
第1の結果表示画面FR1は、第1の結果表示行列MR1、スクロールバーSB、終了ボタンBTC、及び第2の結果表示ボタンBTD1及び2で構成される。
第1の結果表示行列MR1は、故障推定箇所カラム、故障確率カラム、及び備考カラムを有している。故障推定箇所カラムは故障の原因が発生しているか否かを表す確率を算出した部品群、部品、又はそれらを接続する部分を識別する情報を、故障確率カラムは算出した故障確率を、備考カラムは部品群、部品、又はそれらを接続する部分に関する備考、又は第2の結果表示ボタンBTDを同一行に表示することで関連付けて表示する。尚、本実施例では、部品群、部品、又はそれらを接続する部分を識別する情報は、部品群、部品、又はそれらを接続する部分の名称であるとする。
尚、第1の結果表示行列MR1は、故障確率カラムが表示する確率が大きい順に表示する。つまり、プリント制御部1031が故障推定箇所カラム、故障確率カラム、及び備考カラムに表示する情報を、故障確率カラムが表示する確率に基づいてソートした結果を、表示部1039はプリント制御部1031に制御されて表示する。
ここで、表1に示した例を挙げて説明すると、第1の結果表示行列MR1は、第1の算出部1033が算出した確率が所定の閾値50%を超えなかった部品群である制御機能部1030、及びFAX機能部1010については、部品群及び部品群を接続する部分を識別する情報と第1の算出部1033が算出した確率3%及び2%とをそれぞれ関連付けて第20行及び21に表示する。
また、第1の結果表示行列MR1は、第1の算出部1033が算出した確率が所定の閾値50%を超えた部品群である画像入力機能部1020については、画像入力機能部1020を構成する部品及び部品群を接続する部分を識別する情報と第2の算出部1035が算出した確率とをそれぞれ関連付けて第1行から19行に表示する。
ここで、画像入力機能部1020を構成する部品、及びそれらを接続する部分は、CCD PWBA、ランプ PWBA、及びCCD PWBA 接続部を含む。また、第2の算出部1035は、CCD PWBA、ランプ PWBA、及びCCD PWBA 接続部に故障の原因が生じている確率を30%、25%、及び10%と算出した。
CCD PWBAは、受光センサであるCCD(Charge Coupled Devices)とCCDを制御する回路とを配置した回路基盤であり、ランプ PWBAは、原稿へ光を照射する光源であるランプとランプをを制御する回路とを搭載した回路基盤であり、CCD PWBA 接続部は、CCD PWBAと他の回路基盤とを接続する部分である。
第2の結果表示ボタンBTDは、第2の結果表示ボタンBTDが表示された行の故障推定箇所カラムに、部品群を識別する情報が表示されている場合に表示される。
第2の結果表示ボタンBTDは、電子回路装置1000の使用者が入力部1038を操作することで、第2の結果表示ボタンBTDと同一行に表示された情報で識別される部品群を選択する選択信号を入力し、選択した部品群について第2の故障診断処理を実行するよう命じる命令をプリント制御部1031に入力できることを表すボタン表示である。
スクロールバーSBは、第1の結果表示行列MR1に故障診断の対象とした全ての部品群、部品、及びそれらの接続部に関する情報を表示できない場合に表示される。
スクロールバーSBは、第1の結果表示行列MR1に表示されていない情報を表示することを命じるスクロール命令を入力できることを表す表示である。
尚、プリント制御部1031が、入力部1038が入力したスクロール命令を取得した場合には、第1の結果表示行列MR1に表示されていない情報を表示するよう表示部1039を制御する。
終了ボタンBTCは、第1の結果表示画面の表示を終了する命令を入力できることを表すボタン表示である。
次に、図9を参照して、第2の故障診断処理について説明する。図9は、プリント制御部が実行する第2の故障診断処理の一例を説明するためのフローチャートである。
先ず、プリント制御部1031は、電子回路装置1000を使用する使用者が入力部1038を操作して選択した部品群(以下単に、選択部品群と言う)を識別する情報を取得する(ステップST101)。
次に、プリント制御部1031は、選択部品群に関する第2の診断情報を収集するよう第2の収集部1034に命じる命令を出力する(ステップST102)。
次に、プリント制御部1031は、第2の算出部1035が実行する選択部品群の故障診断に適した第2のモデルを選択するよう第2の算出部1035に命じる命令を出力する(ステップST103)。
次に、プリント制御部1031は、第2のモデルに第2の診断情報、及び第1の算出部1033が算出した確率を入力し、入力した第2のモデルを解析するよう第2の算出部1035に命令を出力する(ステップST104)。
その後、プリント制御部1031は、第2の結果表示画面を表示するよう表示部1039を制御する(ステップST105)。その後、プリント制御部1031は、第2の故障診断処理を終了する。
ここで、図10を参照して、第2の結果表示画面について説明する。図10は、第2の結果表示画面の一例について説明するための図である。
第2の結果表示画面FR2は、第2の結果表示行列MR2、スクロールバーSB、及び終了ボタンBTCで構成される。
第2の結果表示行列MR2は、故障推定箇所カラム、故障確率カラム、及び備考カラムを有している。故障推定箇所カラムは故障の原因が発生している確率を算出した部品、又は部品間を接続する部分を識別する情報を、故障確率カラムは算出した故障確率を、備考カラムは部品、又は部品間を接続する部分に関する備考を同一行に表示することで関連付けて表示する。
尚、第2の結果表示行列MR2は、故障確率カラムが表示する確率が大きい順に表示する。つまり、プリント制御部1031が故障推定箇所カラム、故障確率カラム、及び備考カラムに表示する情報を、故障確率カラムが表示する確率に基づいてソートした結果を、表示部1039はプリント制御部1031に制御されて表示する。
図10に示した第2の結果表示画面FR2は、プリント制御部1031が制御機能部1030を選択部品群として第2の故障診断処理を実行した結果を表示する画面である。
よって、第2の結果表示行列MR2は、第2の算出部1035が算出した確率が高い順に、制御機能部1030を構成する部品及び部品間を接続する部分を識別する情報を表示する。
スクロールバーSBは、第2の結果表示行列MR2に表示されていない情報を表示することを命じるスクロール命令を入力できることを表す表示である。
尚、プリント制御部1031が、入力されたスクロール命令を取得した場合には、第2の結果表示行列MR2に表示されていない情報を表示するよう表示部1039を制御する。
終了ボタンBTCは、第2の結果表示画面の表示を終了する命令を入力できることを表すボタン表示である。
本実施例においては、第1の収集部1032が第1の収集手段に相当し、第1の算出部1033が第1の算出手段に相当し、第2の収集部1034が第2の収集手段に相当し、第2の算出部1035が第2の算出手段に相当する。
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施例においては、故障診断システムの実施形態について説明する。
図11は、第2の実施例における本発明の故障診断システムの一実施形態を示す構成図である。
本発明に係る故障診断システム10は、通信網100、故障診断装置2000、1又は複数の電子回路装置9000から900nで構成される。
通信網100は、実施例1で説明した通信網100と同様であるので説明を省略する。また、故障診断装置2000について説明する前に、電子回路装置9000から900nについて説明する。尚、電子回路装置9000から900nの構成はそれぞれほぼ同一の構成であるために電子回路装置9000についてのみ説明する。
電子回路装置9000は、通信網100を解して故障診断装置2000と通信可能に接続している。
ここで、図12を参照して、電子回路装置9000の構成について説明する。図12は、電子回路装置の一実施形態を示す構成図である。
実施例1で説明した電子回路装置1000と同様に、電子回路装置9000は、FAX機能提供部9010、画像入力機能部9020、制御機能部9030、及び画像出力機能部9040で構成される。
また、FAX機能提供部9010はFAX制御部9011、及び通信部9012で構成され、画像入力機能部9020は画像読取部9021及び画像処理部9022で構成され、制御機能部9030はプリント制御部9031、記憶部9036、U/I制御部9037、入力部9038、及び表示部9039で構成され、画像出力機能部9040は画像形成制御部9041、及びアクチュエータ制御部9042で構成される。
電子回路装置9000の構成及び機能は、実施例1で説明した電子回路装置1000の構成及び機能とほぼ同一であるため、主に相違点について説明する。
電子回路装置9000は、故障診断機能を有しない。よって、プリント制御部9031の構成は、実施例1で示したプリント制御部1031の構成と異なる。
ここで、図13を参照して実施例2における電子回路装置が有するプリント制御部9031の構成について説明する。
プリント制御部9031は、第1の収集部9032及び第2の収集部9034で構成されている。
第1の収集部9032、及び第2の収集部9034は、U/I制御部9037及び記憶部9036のみならず通信部9012にも接続する。第1の収集部9032は、収集した第1の証拠情報等を通信部9012へ出力する。また、第2の収集部9034は、収集した第2の証拠情報等を通信部9012へ出力する。
通信部9012は、第1の収集部9032及び第2の収集部9034から取得した第1の証拠情報等及び第2の証拠情報等を取得し、プリント制御部9031に制御されて取得した第1の証拠情報等及び第2の証拠情報等を故障診断装置2000へ送信する。
記憶部9036を構成するROM1002は、実施例1で説明した記憶部1036と異なり、電子回路装置1000の有する故障診断機能を提供するために使用されるモデル及びファームウェアを格納しない。
次に、図14を参照して、故障診断装置2000の構成について説明する。図14は、実施例2における故障診断装置の一実施形態を示す構成図である。
故障診断装置2000は、通信部2012、故障診断制御部2031、記憶部2036、U/I制御部2037、入力部2038、及び表示部2039で構成されている。
故障診断制御部2031、及びU/I制御部2037の有する各機能は、故障診断装置2000が実行するソフトウェア制御により実現できる。尚、ソフトウェア制御を実行するための故障診断装置2000の構成は、実施例1で説明した電子回路装置1000の構成と同様であるので説明を省略する。
通信部2012は、通信網100及び故障診断制御部2031に接続している。通信部2012は、通信網100から電子回路装置9000が送信した第1の証拠情報及び第2の証拠情報を取得する。
故障診断制御部2031については説明する前に、記憶部2036、U/I制御部2037、入力部2038、及び表示部2039について説明する。
記憶部2036は故障診断制御部2031に接続し、U/I制御部2037は故障診断制御部2031、入力部2038、及び表示部2039に接続し、入力部2038はU/I制御部2037に接続し、表示部2039はU/I制御部2037に接続している。
記憶部2036、U/I制御部2037、入力部2038、表示部2039、及び通信部2012の構成及び機能は、実施例1で説明した電子回路装置1000の記憶部1036、U/I制御部1037、入力部1038、表示部1039、及び通信部1012とほぼ同様である。
しかし、記憶部2036を構成するROM1002が格納するファームフェアにより、故障診断装置2000が提供する機能は、スキャン機能、プリント機能、FAX機能、コピー機能を含まないが、故障診断機能を含む。
故障診断制御部2031は、通信部2012、記憶部2036、及びU/I制御部2037に接続している。故障診断制御部2031は、故障診断機能を提供する。
ここで、図15を参照して、故障診断制御部2031の構成について説明する。図15は、故障診断制御部2031の一実施形態を示す構成図である。
故障診断制御部2031は、第1の算出部2033、及び第2の算出部2035で構成される。
第1の算出部2033、及び第2の算出部2035は、U/I制御部2037及び記憶部2036のみならず通信部2012にも接続する。
また、第1の算出部2033は、通信部2012が受信した第1の証拠情報等を取得し、取得した第1の証拠情報等に基づいて記憶部2036が記憶するモデルから第1の算出部2033が実行する故障診断処理に適した第1のモデルを選択し、選択した第1のモデルに取得した第1の証拠情報の一部又は全部を入力し、入力した第1のモデルを解析することで、電子回路装置9000を構成する部品群に故障の原因が生じている確率を算出する。
また、第2の算出部2035は、通信部2012が受信した第2の証拠情報等を取得し、取得した第2の証拠情報等に基づいて記憶部2036が記憶するモデルから第2の算出部2035が実行する故障診断に適した第2のモデルを選択し、選択した第2のモデルに取得した第2の証拠情報の一部又は全部を入力し、入力した第2のモデルを解析することで、電子回路装置9000を構成する部品群を構成する部品に故障の原因が生じている確率を算出する。
また、故障診断制御部2031は、図7及び9で説明した第1の故障診断処理、及び第2の故障診断処理を実行し、第1の結果表示画面を及び第2の結果表示画面を故障診断装置2000の有する表示部2039、又は通信網100を介して接続する電子回路装置9000の有する表示部9039が表示するよう制御する。
本実施例においては、通信部2110が受信手段に相当し、第1の算出部2033が第1の算出手段に相当し、第2の算出部2035が第2の算出手段に相当し、通信部9012が送信手段に相当し、第1の収集部9032が第1の収集手段に相当し、第2の収集部9034が第2の収集手段に相当する。
電子回路装置1000は、機能的には、演算部1001がROM1002、RAM1003、外部記憶部1004の少なくともひとつに格納されたプログラムを実行することにより実現できる。また、このプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
上記実施形態では、外部記憶装置はハードディスク(Hard Disk)で構成されるとして説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)、MO(magneto-optic)、及び、フラッシュメモリ(flash memory)で構成される実施形式を採用できる。