JP2008096628A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶媒に溶解した樹脂組成物またはモノマー組成物などのトナー用原料を水系媒体中に分散させる工程において、攪拌翼の配置および運転条件を適正化し、剪断力を大きくした撹拌翼を用いた場合にも攪拌槽内の循環流を良好なものとすることにより、粒度分布のシャープなトナー粒子を得る方法を提供する。
【解決手段】トナー用原料を水系媒体中に分散させる工程において、複数の攪拌翼の配置と運転条件を適正化することによって、撹拌翼によって生ずる吐出流量と剪断力のバランスを最適なものとすることにより、粒度分布のシャープなトナー粒子を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法に用いる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
トナー粒子の製造方法として、有機溶媒に溶解した樹脂組成物を水系媒体中に分散させた後、水系媒体中において有機溶媒を除去することによりトナー粒子を得る溶解懸濁法がある。
また、モノマーを重合する段階で着色剤、及び電荷制御剤をポリマー粒子中に包含させトナー粒子とする重合法がある。たとえば懸濁重合法では、モノマー、着色剤、離型剤及び重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤およびその他の添加剤を均一に溶解または分散せしめてモノマー組成物を調製し、これをトナー用原料とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な攪拌機を用いて水系媒体中に分散させ、モノマーの重合反応を行わせて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。懸濁液は必要であれば酸またはアルカリで処理してトナー粒子の表面から分散安定剤を取り除いた後、固液分離工程で水系媒体を分離して、トナー粒子を得る。さらなる含水率の低減が必要な場合には、既知の乾燥手段によりトナー粒子から水分の除去を行う。
機械的粉砕法によらないこれらの方法によって得られるトナー粒子は球形で表面が均一である。そのため流動性及び転写性が良好で、多数回の連続現像を行っても良好な現像特性を示し、トナーへのストレスが少なく、そして感光体へのフィルミングの発生が少ない。また、得られるトナー粒子の粒度分布はシャープであり、たとえ分級工程が必要な場合でも、希望する粒径を有するトナー粒子の歩留まりが高い。
溶解懸濁法や懸濁重合法におけるトナー用原料を水系媒体中に分散させる工程は、通常、攪拌翼を備えた竪型撹拌槽で行なわれる。このとき、水系媒体中に分散されたトナー用原料の液滴径の分布がそのまま得られるトナー粒子の粒度分布に反映される。したがって、いかにトナー用原料の液滴径分布をシャープにするかが重要となってくる。液滴径分布に影響を与える要因には、液滴の粘度、界面張力、ゼータ電位の如き物性的な要因の他に、撹拌翼に係る装置的な要因が考えられる。撹拌翼に投下されたエネルギーは、主に剪断作用と吐出作用に用いられる。剪断作用と吐出作用の割合は撹拌翼の種類によって異なるが、一般に剪断の大きい撹拌翼は吐出が小さく、逆に吐出の大きい撹拌翼は剪断が小さい。また、剪断に優れた撹拌翼の方がシャープな粒度分布が得られるとされているが、剪断力を大きくしすぎた撹拌翼では必然的に吐出が小さく、撹拌槽内の循環流が十分ではなくなるため、槽内の混合状態が不均一となりやすく、その結果、粒度分布はシャープではなくなる。したがってシャープな粒度分布を得るためには、剪断力の大きい撹拌翼を使用しつつ攪拌槽内全体の流動状態を良好に保つ工夫が求められる。
例えば特許文献1には、2基の高剪断力撹拌装置を有する撹拌槽内でトナー用原料を水系媒体中に分散させる方法が開示されている。この方法によれば、造粒の効率が向上するとあるが、これによる撹拌槽全体の流動状態に対する効果ついては言及がなく、全体の流動状態をよくするためにはアンカー翼と組み合わせる方法が紹介されている。
しかしながら、種類の異なる撹拌翼を組み合わせる場合、特にアンカー翼の投影面積の大きいものの場合には、それを設置することによって流動性を妨げることもありうる。したがって、アンカー翼のような補助的な撹拌手段を用いずに剪断作用と槽全体の循環作用を両立させることが好ましい。
特公平8−20757号公報
本発明は、有機溶媒に溶解した樹脂組成物やモノマー組成物の如きトナー用原料を水系媒体中に分散させる工程を有するトナーの製造方法において、剪断力が大きく吐出が小さい撹拌翼を用いた場合にも、撹拌槽全体の流動状態を良好にすることにより、シャープな粒度分布を持つトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは分散に用いる攪拌翼の配置および運転条件を適正化し、剪断力を大きくした撹拌翼を用いた場合にも攪拌槽内の循環流を良好なものとすることにより、粒度分布のシャープなトナー粒子が得られることを見出した。
本発明は、撹拌手段が設置された攪拌槽内において、水系媒体中にトナー用原料を投入し、撹拌手段を用いて撹拌することによってトナー用原料を水系媒体中に分散させて分散液を得る工程を含む製造方法により製造されたトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、撹拌手段が複数の撹拌翼を有し、各々の撹拌翼が異なる駆動軸により駆動され、各々の撹拌翼の撹拌に要する動力P(kW)と下記式により求められる各々の撹拌翼から単位時間に吐出される分散液の吐出量Q(m/s)、吐出量Qの総和Qt
(m/s)および分散液の体積V(m)が下記関係式
1.20≦P/Q
5.00≦Qt/V
Q=12nd
(式中、nは撹拌翼の回転数(1/s)を示し、dは撹拌翼の翼径(m)を示す)
を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明によれば、有機溶媒に溶解した樹脂組成物またはモノマー組成物を水系分散媒中に分散させて分散液を得る工程を含む製造方法により製造されたトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、粒度分布が極めてシャープで分級工程時の損失を最小限にすることが可能なトナー粒子及びトナーの新たな製造方法を提供することができる。
本発明は、トナー用原料を水系分散媒中に分散させることによって微粒子を生成する、溶解懸濁法や懸濁重合を利用したトナー粒子製造法に適用できる。
懸濁重合は、水系分散媒に分散させたモノマーの油滴内で重合を進行させて重合体微粒子を得る方法である。油滴の合一を防ぐためには分散安定剤を用いる。重合開始剤はモノマーに可溶性のものが用いられる。溶解懸濁法は、樹脂を含み構成される樹脂組成物を有機溶媒中に溶解させたものを水系分散媒中に分散させ、その後有機溶媒を除去することによって、樹脂微粒子を得る方法である。
以下に、懸濁重合法による本発明のトナーの製造方法について説明する。
[トナー用原料分散液調製工程]
(トナー用原料調製工程)トナー用原料として、モノマーおよび着色剤を含み構成されるモノマー組成物を調製する。また、トナー用原料には、後述する生成したトナー粒子の分級工程で分別された粒子を添加することもできる。分別された粒子はそのまま添加しても良いが、混練機で混練して結着樹脂を低分子量化してから添加しても良い。
溶解懸濁法では、トナー用原料として、着色剤および樹脂を含み構成される樹脂組成物を調製する。このとき、上記樹脂が、液状で或いは有機溶媒に溶解または膨潤した状態でトナー用原料中に存在していることが好ましい。
(水系媒体調製工程及びトナー用原料分散工程)
分散安定剤を含む水系分散媒を調製し、高剪断力を有する攪拌機を設置した竪型撹拌槽に投入し、ここにトナー用原料を添加し、撹拌することにより分散させ、トナー用原料分散液とする。トナー用原料の分散液滴径の分布は、得られるトナー粒子の粒径分布にそのまま反映されるので、トナー用原料の分散液滴径を均一にすることが重要になってくる。
分散液滴径を均一にするためには、分散液中に含まれる液滴一つ一つに充分な剪断力を加える必要がある。しかし、より大きな剪断力を加えようとして剪断力に優れた撹拌翼を選択した場合、一般に剪断に優れた撹拌翼は相反して吐出には劣るため、撹拌翼の吐出による撹拌槽全体の流動状態が低下してしまい結果的に粒度分布がシャープではなくなってしまう。
本発明者が鋭意検討した結果、各々が異なる駆動軸によって駆動される撹拌翼が複数設置され、かつ各々の撹拌翼の所要動力P、各々の撹拌翼から単位時間に吐出される吐出量Q(m/s)、Qの総和Qt(m/s)および分散液の体積V(m)が1.20≦P
/Q、且つ5.00≦Qt/Vの関係を満たすことが好ましいことが見出された。P/Q
のより好ましい範囲は1.20≦P/Q≦10.00である。P/Qが1.20より小さい場合には分散液滴に十分な剪断力が加わらないため、得られるトナーの粒度分布がシャープにならなくなる。P/Qが10.00より大きくなるような条件では、必要なQを得る
ためにPを非常に大きくしなければならないため現実的ではない。また、Qt/Vのより好ましい範囲は5.00≦Qt/V≦20.00である。Qt/Vが5.00より小さい場
合には各撹拌翼からの吐出の総和が分散液の体積に対して小さくなるため、撹拌槽内全体の循環流量が小さくなり、分散液の撹拌翼による剪断の履歴に不均一が生じるためやはり得られるトナーの粒度分布がシャープにならなくなる。Qt/Vが20.00より大きく
なる条件では、必要な吐出量Qを得るために剪断力が小さくなってしまうため、やはり得られるトナーの粒度分布がシャープにならなくなる。
Pは攪拌機を駆動する際の電力値を実測で求め、Qは下式より求める。
Q=12nd
(ここにnは撹拌翼の回転数(1/s)、dは撹拌翼の径(m)を示す)
前述の撹拌翼は同一の攪拌槽内に複数個設置する。各々の撹拌翼は任意の配置を取り得るが、、複数の撹拌翼が撹拌槽の水平断面の重心に対して対称の位置に配置された場合、各々の撹拌翼からの吐出の合成流が撹拌槽内で大きな供廻りとなる可能性がある。そのため、全体の混合の観点からは、複数の撹拌翼が撹拌槽の水平断面の重心に対して対称の位置にないことが好ましい。
上記と同様の観点から、撹拌槽内に設置される撹拌翼の少なくとも一つの翼径を他と異なるものとすることが好ましい。翼径を異なるものとすると、異なるフローパターンの合成流となるために、乱流状態となり供廻りが起こりにくくなるものと考えられる。
撹拌翼の径dとそれが設置された撹拌槽の内径Dの比d/Dの値は任意の値をとりうるが、通常は0.05≦d/D≦0.35の範囲であることが好ましい。d/Dが0.05より小さいと撹拌槽全体の循環状態を良好にするためには撹拌翼の設置個数を多くする必要がある。またd/Dが0.35より大きいと撹拌翼から噴出する流体の流れと容器内壁との衝突力が大きくなり、噴出を妨げ全体的な循環状態が低下するためやはり好ましくない。
前述の撹拌翼の最外端の周速は35m/s以下であることが好ましい。周速が35m/sより大きい場合には翼端近傍でキャビテーションが発生しやすくなり、液に撹拌のエネルギーが伝達されにくくなる。また、エロージョンがおこり、撹拌翼の激しい磨耗が発生
する。
本発明の目的には高剪断力を有する攪拌機が好適に用いられる。高剪断力を有する攪拌機としてはウルトラタラックス(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。このうち図1および図2に示すクレアミックスのように、高速で回転するロータとそれを取り囲む複数のスリットを設けたスクリーンによって生じる剪断力によって分散を行なうものであるほうが、より好適に用いることができる。
以上の工程により得られたトナー用原料分散液を引き続き以下の重合工程に導入することにより重合体微粒子分散液を得る。本発明における重合工程には温度調節可能な一般的な攪拌槽を用いることができる。
[重合工程]
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。攪拌槽に用いられる攪拌翼はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌翼または撹拌手段としては以下のものが挙げられる。パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼、アンカー翼のごとき一般的な撹拌翼、フルゾーン(神
鋼パンテック社製)、ツインスター(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド(住友重機社製)、スーパーミックス(佐竹化学機械工業社製)、Hi-Fミキサー(綜研化学社製)。
[精製工程]
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
未反応のモノマーや副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水性分散媒を蒸留により留去してもよい。蒸留は常圧もしくは減圧下で行うことができる。重合体微粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体微粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体微粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体微粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
上述の各工程に用いられる装置を構成する各部材の材質としてはステンレス鋼、ガラス、FRP、セラミックの如く通常使用されるものを用いることができる。また、これらの表面は電解研磨、テフロン(登録商標)コーティング、又はグラスライニングの処理が施されていてもよい。
本発明の製造方法により得られるトナーは、前述した重合法により得られるトナー粒子のみからなるものであってもよいし、必要に応じて他の添加剤をトナー粒子に外添して得られるものであってもよい。また、上記トナー粒子とキャリアとを混合して二成分トナーとしたものであってもよい。
[モノマー]
本発明のトナーに好適に用いられるモノマーとしては、ラジカル重合が可能なビニル系
モノマーが用いられる。該ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマーまたは多官能性モノマーを使用することが出来る。単官能性モノマーとしては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系モノマー類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性モノマーとしては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性モノマーを単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性モノマーと多官能性モノマーを組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
[着色剤]
本発明で用いられる着色剤としては、以下のものが挙げられる。カーボンブラック;C
.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6の如き染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGの如き顔料。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下にモノマーを重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体をモノマー組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
これらの着色剤はモノマー100質量部に対して1〜20質量部使用するのがよい。
[離型剤]
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスはモノマー100質量部に対して1〜40質量部、より好ましくは4〜30質量部含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。 第2の離型剤としては炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
[荷電制御剤]
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモ
ニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤はモノマー100質量部に対して0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのがよい。
[重合開始剤]
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1〜6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1〜6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的にはモノマー100質量部に対し0.5〜20質量部が添加される。
[架橋剤]
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
[分散媒体]
分散媒体は各種重合法に使用される公知のものを用いることができ、使用するモノマーや重合法などによって適宜選択され、特に限定されない。なお、懸濁重合においては水系媒体が用いられる。
[分散安定剤]
トナー用原料を水系媒体中に良好に分散させるための分散安定剤として、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、チタニア。有機系化合物としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。分散安定剤はモノマー100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散安定剤は市販のものをそのまま用いても良いが、上記の無機化合物を用いる場合、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中撹拌下にて無機化合物を生成させることもできる。例えばリン酸三カルシウムの場合、十分な撹拌下のリン酸ナトリウム水溶液中に塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合法に好適な分散安定剤を得ることができる。このとき、塩化カルシウム水溶液の投入方法は特に限定されないが、可能な限り素早く均一な混合状態が得られるような条件で行なわれることが好ましい。スケールが大きい装置の場合には均一に混合するための時間が伸びるため、例えば塩化カルシウム水溶液の投入部分にスプレーノズル、シャワーノズル、多孔性の円管を用いて拡散しながら投入するような工夫をしてもよい。
[極性樹脂]
懸濁重合のように水系媒体を用いる重合法の場合には、トナー用原料に極性樹脂を添加することにより離型剤の内包化の促進を図ることができる。水系媒体に懸濁したトナー用原料中に極性樹脂が存在した場合、水に対する親和性の違いから極性樹脂が水系媒体とトナー用原料の界面付近に移行しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好になる。
このような極性樹脂としては、トナー表面に偏在しシェルを形成した際に極性樹脂自身のもつ流動性が期待できることから、特に飽和または不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合したものを用いることができる。酸成分単量体としては以下のものが挙げられる。テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸。アルコール成分単量体としては以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンの如きアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール。
[外添剤]
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
さらに、本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用できる。
[磁性材料]
トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.5
μm程度のものがよい。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
上記磁性体のトナー中への含有量は、モノマー又は結着樹脂100質量部に対して約20〜200質量部、特に好ましくはモノマー又は結着樹脂100質量部に対して40〜150質量部がよい。
また、上記磁性体の79.6kA/m印加時の磁気特性が、磁化(σ79.6)50〜200Am2/kg、残留磁化(σr)2〜20Am2/kgのものが好ましい。
磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
[疎水化剤]
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明のトナー粒子は、X線光電子分光分析により測定されるトナー粒子の表面に存在
する炭素原子の含有量(A)に対する鉄原子の含有量(B)の比(B/A)が0.001未満であることが好ましい。B/Aが0.001未満であるとは、酸化鉄がトナー粒子表面に殆ど露出していないことを意味する。このようなトナーにおいては、磁性体の吸湿の影響が実質的に無いために帯電の環境安定性に優れ、また帯電部材や転写部材によりトナーが静電荷像担持体表面に圧接されるような画像形成方法においても、静電荷像担持体表面を削ることは殆ど無く、長期にわたり静電荷像担持体の削れやトナー融着を低減させることが可能となる。さらに、酸化鉄に処理された低軟化点物質の表面露出も殆どなくなるので、トナー担持体や静電荷像担持体が低軟化点物質により汚染され、画像欠陥が引き起こされることもなくなるので好ましい。B/Aが0.001以上である場合には、磁性体の吸湿により特に高温高湿環境下におけるカブリや耐久による画像濃度の低下が生じやすくなる。さらに、静電荷像担持体が露出された磁性体により削れ易くなる。
静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着や転写残余トナー量を低減するには、トナー粒子の帯電性が十分で且つ均一であることが必要である。さらに、高画質化の観点から微小粒径のトナーを用いる場合は、トナー粒子の付着力が増大するため、トナー粒子の形状も静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着に大きな影響を及ぼす。すなわち、トナー粒子が球形に近く、形状が揃っているほど粒子の付着面積が減少し、静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着や転写残余トナー量が低減され、高画質及び耐久安定性が達成される。
本発明に係るトナー粒子は帯電性が十分であり、且つ上述した如くトナー粒子の付着力が低減されていることにより、静電荷像担持体から紙等の転写材へのトナーの転写効率も大きく改善される。これは、微小ドット画像の再現性と共に高解像性を達成するための重要なトナー性能と言える。
さらに、トナー粒子が球形に近く、形状が揃っていると、トナーと定着器との接触面積も一様になるため、本発明のトナー粒子表面近傍に存在する磁性体に処理された低軟化点物質も安定して染み出すことができる。そのため、高いプロセススピードにおいても安定した定着性を発揮することが可能になる。
従って、本発明のトナーにおいては、トナー粒子の平均円形度が0.960以上であることが好ましく、これによって高画質や高安定性、低温定着性が達成される。
本発明により製造されるトナーは、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電する方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を
混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには直接金属化合物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用することが可能である。
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準の50%平均粒径として測定する。
これらキャリアの平均粒径は10〜100μm、より好ましくは20〜50μmであることが望ましい。
二成分現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2質量%〜15質量%、好ましくは4質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こりやすい。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
実施例中においては以下の各測定方法を用いた。
(1)トナー粒子の重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)、個数標準偏差 及び粒度
分布の測定
トナー粒子の重量平均粒径及び粒度分布は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した。具体的な測定手順は、該測定装置の操作マニュアルに記載されているが、以下の通りである。
1質量%塩化ナトリウム水溶液約100ml中に界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を約1ml加え、さらに測定試料を約5mg加えた。この溶液を、超音波分散機で約3分間分散処理を行ったのち、上記コールターマルチサイザー(コールター社製)により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出し、重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)、個数平均粒径(D1)、個数標準偏差を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
(2)変動係数の計算
トナー粒子の粒度分布のシャープさは下記式(i)で計算される変動係数により評価した。なお、式中の個数標準偏差および個数平均粒径はコールターマルチサイザーの測定値を使用した。
式(i) 変動係数=個数標準偏差/個数平均粒径×100
(3)トナー粒子表面に存在する炭素原子の含有量(A)に対する鉄原子の含有量(B)の比(B/A)
本発明におけるトナー表面に存在する炭素原子の含有量(A)に対する鉄原子の含有量(B)の比(B/A)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
本発明では、ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社(Physical Electronics
Industries,Inc.)製 1600S型
X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα(400W)
分光領域800μmφ
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(原子%)を算出した。尚、上記測定は、該測定装置の操作マニュアルに従って実施した。
(4)トナー粒子の平均円形度及び円形度標準偏差
本発明における平均円形度及び円形度標準偏差は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて粒子を測定し、下式を用いて算出する。「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出した後、算出された円形度に応じて粒子を円形度0.40〜1.00を0.01ごとに等分割したクラスに振り分ける。各クラスに振り分けられた測定粒子数と、各クラスの分割の中心値から、平均円形度及び円形度標準偏差を算出する。
Figure 2008096628
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 2008096628
また、円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数をmとすると次式から算出される。
Figure 2008096628
具体的な測定手順は、シスメックス社製発行のFPIA−2100型の操作マニュアル等に記載されているが、以下の通りである。すなわち、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意する。その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、さらに測定試料を0.02g加え、均一に分散させて、測定用の分散液とする。該分散は、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用いて、2分間処理することで行うことができる。該分散処理を行う際に、分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
該測定用の分散液のトナー粒子濃度を、約3000個/μlとなるように分散液濃度を再調整した後、トナー粒子1000個以上について、前記フロー式粒子像測定装置を用いてトナー円形度を測定する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールする。さらに、一定時間ごとに、好ましくは2時間ごとに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。測定により得られたデータから円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求める。
(5)画質評価
得られたトナー粒子に対して、BET法で測定した比表面積が120m2/gである疎
水性シリカ微粉体を1.0質量%となるよう外添し一成分系現像剤を得た。この現像剤を変動のない環境下において、レーザービームプリンター(LASER JET4300、ヒューレットパッカード社製)を用いて連続通紙による10000枚の画出し耐久試験を行い、目視にて画像濃度の変動やムラ等を評価した。
<実施例1>
以下の手順により重合体微粒子からなるトナー粒子を製造した。
[トナー用原料分散液調製工程]
(トナー用原料調製工程)
スチレン単量体 72.0質量部
n−ブチルアクリレート単量体 28.0質量部
n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング処理マグネタイト 90.0質量部
(体積平均粒径=0.24μm、磁化(σ79.6)=70.2Am2/kg、
残留磁化(σr)=3.3Am2/kg)
飽和ポリエステル樹脂 5.0質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とイソフタル酸との
重縮合物;Mn=11,000、Mw/Mn=2.4、
酸価=30mgKOH/g、Tg=72℃)
負荷電制御剤 1.5質量部
(モノアゾ鉄錯体、T−77(保土ヶ谷化学工業社製))
ポリエチレンワックス 10.0質量部
(DSCにおける最大吸熱ピーク65℃、吸熱ピークの半値幅17℃)
上記の成分のうちポリエチレンワックス以外を温度調節可能でディスクタービン翼とアンカー翼をそれぞれ1基ずつ備えた攪拌槽に投入し、常温下ディスクタービン翼を回転数
3000回転/分およびアンカー翼を60回転/分で30分間攪拌を行った後、これを60℃まで昇温してからポリエチレンワックスを投入しさらに45分間攪拌継続してトナー用原料としてのモノマー組成物とした。
(水系媒体調製工程)
水 97.8質量部
Na3PO4 1.2質量部
10%塩酸水溶液 0.3質量部
上記の成分を別の温度調節可能な攪拌槽に投入し、60℃まで昇温しながらNaPOが完全に溶解するまで攪拌した。
これにCaCl0.7質量部を水5質量部に溶解したものを添加し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて回転数83.3(1/s)で60度に保ったまま30分間撹拌を行うことによってCa(POの微粒子の水懸濁液である水系媒体を得た。
(トナー用原料分散工程)
図3に示すように撹拌翼1としてロータ径が0.11mであるクレアミックス(エム・テクニック社製)および撹拌翼2としてロータ径が0.09mであるクレアミックス(エ
ム・テクニック社製)を備えた攪拌槽中にモノマー組成物と水系媒体を質量比で1:2となるように投入し、撹拌翼1を58.3(1/s)、撹拌翼2を66.7(1/s)の回転数で攪拌を行い、攪拌開始1分後に重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート7.0部を投入してさらに9分間攪拌を継続することによりモノマー組成物分散液を得た。モノマー組成物分散液の体積Vは0.2(m3)であった。このとき撹拌翼1および撹拌翼2
のPはそれぞれ3.52(kW)および1.92(kW)、Qはそれぞれ0.93(m3
s)および0.58(m3/s)、P/Qはそれぞれ3.78および3.31、Qtは0
.93+0.58=1.51(m3/s)であるのでQt/Vは7.55であった。
[重合工程]
上述の工程により得られたモノマー組成物分散液を攪拌槽に導入し、液温を73℃に昇温し攪拌しながら4時間重合を行って重合体微粒子分散液を得た。
[精製工程]
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
得られた重合体微粒子分散液に塩酸を添加して攪拌し、重合体微粒子を覆ったCa(POの微粒子を溶解した後に、加圧ろ過器で脱液し、これに水を投入して再び分散液とした後に、前述の加圧ろ過器で再度脱液した。この操作を、Ca(POが十分に除去されるまで繰り返し行った後に、最終的に固液分離した重合体微粒子を、公知の乾燥手段によって十分に乾燥してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の粒度分布を測定したところ、重量平均粒径(D4)は7.8μm、個数変動係数は22.2であり粒度分布はきわめてシャープであった。また、トナー粒
子表面に存在する炭素原子の含有量Aに対する鉄原子の含有量Bの比B/Aは0.0003、平均円形度は0.970であった。
(分級工程)
得られたトナー粒子を風力分級機で分級し、極僅かに存在する所望の粒径範囲から外れた粒子を所定外粒子として取り除いた。
[画質評価]
上述のようにトナー粒子に疎水性シリカを外添し、一成分系現像剤として画質評価を行ったところ、終始画像濃度に変動もムラもなく、鮮明な画像が安定して得られた。
<比較例1>
トナー用原料分散工程において、撹拌翼1および撹拌翼2としてロータ径がそれぞれ0.13mおよび0.12mであるクレアミックスを用い、回転数をそれぞれ26.7(1
/s)および28.3(1/s)とすることにより、Pがそれぞれ0.77および0.62、Qがそれぞれ0.70および0.59、P/Qがそれぞれ1.10および1.05、Qtが1.29、Vが0.2であることからQt/Vが6.45であった以外は、実施例1
と同様の方法によりトナー粒子の製造を行った。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は7.4μmで、個数変動係数は24.2であり微粉側に尾を引くブロードな粒度分布であった。また、トナー粒子表面に存在する炭素原子の含有量Aに対する鉄原子の含有量Bの比B/Aは0.0004、平均円形度は0.968であった。
このトナー粒子を用いて実施例1と同様に画質評価を行ったところ、初期から白い筋や濃度ムラの発生が見られた。
<比較例2>
トナー用原料分散工程において、撹拌翼1および撹拌翼2としてロータ径がそれぞれ0.10mおよび0.08mであるクレアミックスを用い、回転数をそれぞれ50.0(1
/s)および58.3回(1/s)とすることにより、Pがそれぞれ1.38および0.72、Qがそれぞれ0.60および0.36、P/Qがそれぞれ2.30および2.00、Qtが0.96、Vが0.2であることからQt/Vが4.80とした以外は、実施例1
と同様の方法によりトナー粒子の製造を行った。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は8.0μmで、個数変動係数は23.9であり微粗粉共に若干尾を引くブロードな粒度分布であった。また、トナー粒子表面に存在する炭素原子の含有量Aに対する鉄原子の含有量Bの比B/Aは0.0003、平均円形度は0.969であった。このトナー粒子を用いて実施例1と同様に画質評価を行ったところ、比較的早い時期から白い筋や濃度ムラの発生が見られた。
<比較例3>
トナー用原料分散工程において、撹拌翼をロータ径が0.09mのクレアミックス1基のみとし、回転数を83.3(1/s)とすることにより、Pが3.76、Q(=Qt)が0.73、P/Qが5.15、Vが0.2であるのでQt/Vが3.65であった以外は、実施例1と同様の方法によりトナー粒子の製造を行った。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は8.1μmで、個数変動係数は24.0であり微粗粉共に若干尾を引くブロードな粒度分布であった。また、トナー粒子表面に存在する炭素原子の含有量Aに対する鉄原子の含有量Bの比B/Aは0.0004、平均円形度は0.968であった。
このトナー粒子を用いて実施例1と同様に画質評価を行ったところ、早い時期から白い筋や濃度ムラの発生が見られた。
<実施例2>
トナー用原料分散工程において、2基の撹拌翼(クレアミックス)を図5のように配置した以外は、実施例1と同様の方法によりトナー粒子の製造を行った。P、Q、Qt、P/QおよびQt/Vはすべて実施例1と同じであった。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は7.9μmで、個数変動係数は23.2でありわずかにブロードな粒度分布であった。また、トナー粒子表面に存在する炭素原子の含有量Aに対する鉄原子の含有量Bの比B/Aは0.0003、平均円形度は0.970であった。
このトナー粒子を用いて実施例1と同様に画質評価を行ったところ、約8000枚まで画像濃度に変動もムラもなく、鮮明な画像が安定して得られた。
<実施例3>
トナー用原料分散工程において、図4のように2基の撹拌翼(クレアミックス)のロー
タ径をともに0.09m、回転数を66.7(1/s)とすることにより、Pがそれぞれ1.92、Qがそれぞれ0.58、P/Qが3.31、Qtが1.16、Vが0.2であ
ることからQt/Vが5.80であった以外は、実施例1と同様の方法によりトナー粒子
の製造を行った。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は7.9μmで、個数変動
係数は22.9でありわずかにブロードな粒度分布であった。また、トナー粒子表面に存
在する炭素原子の含有量Aに対する鉄原子の含有量Bの比B/Aは0.0004、平均円形度は0.971であった。
このトナー粒子を用いて実施例1と同様に画質評価を行ったところ、約9000枚まで画像濃度に変動もムラもなく、鮮明な画像が安定して得られた。
本発明のトナー用原料分散液を調製する工程に用いられる高剪断力を有する攪拌機の一例を示す断面図である。 図1符号2に示すスクリーンの外形図である。 本発明のトナー用原料分散液を調製する工程に用いられる撹拌槽の水平断面に対して撹拌翼の配置の一例を示す模式図である。 本発明のトナー用原料分散液を調製する工程に用いられる撹拌槽の水平断面に対して撹拌翼の配置の他の一例を示す模式図である。 本発明のトナー用原料分散液を調製する工程に用いられる撹拌槽の水平断面に対して撹拌翼の配置の他の一例を示す模式図である。
符号の説明
1: ロータ
2: スクリーン
3: スリット
4、8、12: 撹拌槽胴部
5、9、13: 撹拌槽中心
6、10、14: 撹拌翼1
7、11、15: 撹拌翼2

Claims (8)

  1. 撹拌手段が設置された攪拌槽内において、水系媒体中にトナー用原料を投入し、撹拌手段を用いて撹拌することによってトナー用原料を水系媒体中に分散させて分散液を得る工程を含む製造方法により製造されたトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、撹拌手段が複数の撹拌翼を有し、各々の撹拌翼が異なる駆動軸により駆動され、各々の撹拌翼の撹拌に要する動力P(kW)と下記式により求められる各々の撹拌翼から単位時間に吐出される分散液の吐出量Q(m/s)、吐出量Qの総和Qt(m/s)および分散液の体積V(m)が下記関係式
    1.20≦P/Q
    5.00≦Qt/V
    Q=12nd
    (式中、nは撹拌翼の回転数(1/s)を示し、dは撹拌翼の翼径(m)を示す)
    を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 撹拌翼の少なくとも一つの翼径が他と異なることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 複数の撹拌翼の各々の配置が撹拌槽の水平断面の重心に対して対称の位置にないことを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. トナー用原料が着色剤およびモノマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. トナー用原料が着色剤および樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 樹脂が、液状で或いは有機溶媒に溶解または膨潤した状態でトナー用原料中に存在していることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 撹拌手段の少なくとも一つが撹拌翼としてロータを有し、ロータを取り囲む複数のスリットを有するスクリーンとから構成され、ロータとスクリーンによって生じる剪断力によってトナー用原料を分散させるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 着色剤が磁性粉体であり、得られるトナー粒子のX線光電子分光分析により測定されるトナー粒子の表面に存在する炭素原子の含有量(A)に対する鉄原子の含有量(B)の比(B/A)が0.001未満であり、かつ平均円形度が0.960以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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