JP2008096203A - 情報受信装置及びそれを使用する無地震計情報受信装置若しくはそれを用いた情報受信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】緊急地震速報を受信する機能を有する情報受信装置1において、情報受信装置1本体の内部に内部地震計2を備えたことを特徴とする。また、地震波と地震波以外のノイズとを分離する解析機能有するノイズ分離部2b,5を備えたことを特徴とする
【選択図】図1
Description
また、平成19年3月頃、気象庁により、緊急地震速報の一般への配信が行われる予定であり、これに伴って緊急地震速報の受信装置が開発されている。これらは、緊急地震速報や、別の防災情報等を受信する機能を有しているが、地震計は組み込まれていない。
現在の防災科学技術研究所、気象庁による地震観測網の平均的観測点間隔は、約30kmであるが、直下型地震に対応できるようにするためには、緊急地震速報のユーザが位置する地点より、震央に近い位置に地震計が設置されている必要がある。大きい地震の大部分は、5kmより深い所で発生することから、直下型地震に対応できるようにするには、地震観測点の間隔を5km程度にする必要がある。このためには、観測点を現在の数十倍に増やす必要があるが、コストの点で難しい。
また、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータを、他の地震データと比較して、前記情報受信装置が設置されている場所での増幅特性を推定する増幅特性推定部を備えたことを特徴とする。
また、前記増幅特性推定部は、推定した前記増幅特性の値を学習し、更新する増幅特性学習部を有することを特徴とする。
また、外部に情報を通知又は表示する外部通知部を備えたことを特徴とする。
また、前記内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力されない場合、前記内部地震計のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする。
また、前記内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力された場合、前記内部地震計のデータ及び前記緊急地震速報のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする。
また、前記情報受信装置の設置された周辺に設置された他の情報受信装置の内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力されない場合、前記他の情報受信装置の内部地震計のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の情報受信装置を用いた情報受信システムは、前記情報受信装置と、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータ、若しくは、前記内部地震計のデータ及び前記緊急地震速報のデータの両者を入力し解析するデータ解析装置と、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータ又は前記データ解析装置のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を有する無地震計情報受信装置を備えたことを特徴とする。
また、前記無地震計情報受信装置は、外部に情報を通知又は表示する外部通知部を備えたことを特徴とする。
一方、地震による揺れの強さは、地盤により大きく変わり、建物によっても変わる。従って、地盤や建物による揺れの増幅特性が正確に補正されるならば、揺れの予測が正確に行えるようになる。緊急地震速報を受信する機能を有する情報受信装置に内部地震計が組み込まれると、緊急地震速報により推定される揺れの予測値と、実際に観測される揺れとを比較することができ、その違いから、増幅特性を求めることができる。また、深井戸に設置された地震観測データと比較することによっても、増幅特性を推定することができる。
緊急地震速報を受信する機能を有する情報受信装置の内部に内部地震計を組み込む場合には、地震計を外部に設置し、その信号を同装置に接続させる場合に比べ、1)地震観測データを、有線や無線で、同装置に伝送する必要がない、2)地震計のカバーが必要ない、3)地震計を設置する費用が不要であり、設置費が大幅に低下する等の利点を有する。
一方、情報受信装置の内部に内部地震計が組み込まれている場合には、人工的なノイズとの干渉が考えられるが、地震波と、人工的ノイズが、周波数成分や、波形の形に大きな違いがあり、ソフト的に区別することが可能であり、また、地震の場合には、広い範囲で同時に揺れるが、人工的ノイズは特定の場所だけであることから、ネットワーク機能を用いて、観測データを比較することにより、ノイズと地震波とを区別することができる。
以上に示したように、本発明の情報受信装置のように緊急地震速報を受信する機能を有する装置に、低コストの地震計を設置することにより、直下型地震に対応でき、かつ高精度でコストを大幅に低下させることができる。
図1に示すように、緊急地震速報受信装置1は、緊急地震速報、あるいは、緊急地震速報とそれ以外の情報を受信する機能を有する装置であり、本体内部に、小型の地震計2が組み込まれた装置である。
次に、地震波と人工的ノイズとの分離について説明する。地震波とそれ以外の人工ノイズの分離方法としては、図2に示すように3つの方法がある。まず、図2(a)に示すように、地震計ノイズ分離部2bで緊急地震速報受信装置1の内部地震計2のデータAを周波数成分又は波形の違いを利用して分離する方法、図2(b)に示すように、外部データノイズ分離部5で、緊急地震速報受信装置1が設置されている地点の周辺に設置された複数の同様の緊急地震速報受信装置1による地震観測データBを利用し、ほぼ同じ時刻に、揺れが観測されているか、揺れが開始した時刻が、別の観測点のそれと調和的であるか等をチェックし、地震波とノイズとの判定を行う方法、又は、図2(c)に示すように、外部データノイズ分離部5で、緊急地震速報データCを利用し、緊急地震速報から想定される到着時刻と、観測された揺れの開始時刻とが調和的であるか、および、マグニチュードから想定される揺れが、観測と調和的であるかのチェックを行い、地震波とノイズとの判定を行う方法である。実際には、利用できる情報がさまざまな組み合わせで入力されるため、その組み合わせに応じて、各方法を組み合わせて利用し、ノイズ分離を行う。
次に、ノイズ分離されたデータは、揺れの強さ推定部6に入力される。揺れの強さ推定部6では、内部地震計2のデータA、他地点に設置された複数の緊急地震速報受信装置1の揺れデータB及び緊急地震速報データCを各々組み合わせて利用し、揺れの強さの推定情報を出力する。
増幅特性推定・学習部7は、増幅特性を自動的に補正する機能を持つ。防災科学技術研究所の高感度地震観測網(Hi-net)、基盤強震観測網 (KiK-net)の地震観測網は、100mより深い井戸に外部地震計10が設置されており、数10mまでの地盤の影響を無視することもできる。そこで、図3に示すように、この装置が設置されている近傍に位置するHi-net、あるいは、KiK-net観測点Gによる波形データのスペクトルと、緊急地震速報受信装置1の設置された観測点Hの波形データのスペクトルを比較し、増幅特性を推定する。Hi-net, KiK-netのデータが使えない場合には、緊急地震速報で推定される揺れの大きさと、この緊急地震速報受信装置で観測される揺れの大きさとを比較することにより行う。有感地震を経験するたびに増幅特性は学習、更新されるため、次の地震時には、更新された増幅特性を用いて揺れの推定が行われる。また、緊急地震速報で予測される揺れの大きさと、観測された揺れの大きさを比較して、推定することにより行われる場合もある。
まず、パターン1として、トリガ判定部4で、内部地震計2のデータAのみを入力とした場合(P1)には、入力データAは、内部地震計2のノイズ分離部2bでノイズの分離を実行され、外部データノイズ分離部5では処理されず、揺れの強さ推定部6に入力される。そして、図5に示すように、揺れの強さ推定部6で、P波とS波の揺れの平均的振幅比を考慮して、観測された大きなP波からこの装置が設置されている場所でのS波の揺れの大きさを推定し、その情報を外部に出力する。すなわち、直下型地震に対応する機能である。
次に、パターン2として、トリガ判定部4で、内部地震計2のデータAと緊急地震速報データCとを入力とした場合(P2)には、まず入力データAを内部地震計2のノイズ分離部2bでノイズ分離し、入力データBを外部データノイズ分離部5でノイズ分離する。そして、図6に示すように、揺れの強さ推定部6で、P波が観測された場合、緊急地震速報データCから震源距離を計算し、震源距離に依存したP波とS波の揺れの振幅比を考慮して、この装置が設置されている場所でのS波の揺れの大きさを推定し、その情報を外部に出力する。
次に、パターン3として、トリガ判定部4で、データセンター12を経由した他地点に設置された複数の緊急地震速報受信装置1の揺れデータBを入力とし、緊急地震速報データCを入力としない場合(P3)には、まず入力データBを外部データノイズ分離部5でノイズ分離する。そして、図7に示すように、周辺に置かれた他の同様の緊急地震速報受信装置1一台で、大きな揺れが検出された場合には、その地点での揺れの大きさと、その地点までの距離を考慮して、同様の緊急地震速報受信装置1が置かれている場所での揺れの大きさを推定し、その情報を外部に出力する。周辺に置かれた複数の同様の緊急地震速報受信装置1により、揺れが観測された場合には、揺れの分布を利用して、同様の緊急地震速報受信装置1が置かれている場所での揺れの大きさを推定し、その情報を外部に出力する。すなわち、直下型地震対応機能についてのものである。なお、この場合、内部地震計2のデータAは入力として判定されてもされなくてもよい。また、他地点に設置された複数の緊急地震速報受信装置1の揺れデータBは、データセンター12を経由せず、直接入力してもよい。
次に、パターン4として、トリガ判定部4で、データセンター12を経由した他地点に設置された複数の緊急地震速報受信装置1の揺れデータB及び緊急地震速報データCを入力とする場合(P4)には、まず入力データB及びCを外部データノイズ分離部5でノイズ分離する。そして、図8に示すように、この緊急地震速報受信装置1の周辺に置かれた同様の緊急地震速報受信装置1で、P波あるいはS波が観測された場合、緊急地震速報による揺れの推定値(距離減衰式を利用したもの)と観測値との残差の分布、あるいは観測値の分布を求め、それらの結果を利用して、同様の緊急地震速報受信装置1が設置されている場所での、緊急地震速報による揺れの強さの推定値を補正し、補正後の情報を外部に出力する。なお、この場合、内部地震計2のデータAは入力として判定されてもされなくてもよい。また、他地点に設置された複数の緊急地震速報受信装置1の揺れデータBは、データセンター12を経由せず、直接入力してもよい。
従来の内部地震計2を備えていない緊急地震速報受信装置は、震源の位置とマグニチュードに距離減衰式を適用して揺れの強さを推定している。地球内部は不均質で、表層の構造は、地域的に大きく変わっており、これらが、揺れの推定の大きな誤差要因になっている。
そこで、ユーザが位置する近傍での揺れの分布が測定され、それを利用できれば、地球内部の不均質性や、表層地盤構造の不均質性に起因する誤差を小さくすることができる。
ここでは、内部地震計2を備えていない無地震計緊急地震速報受信装置11が緊急地震速報のデータCが利用できる場合には、震源情報と、ユーザ近傍の揺れの強さ分布を、利用できない場合には、周辺の緊急地震速報受信装置1による揺れの強さ分布のみを利用して、揺れの大きさを推定する。そして、内部地震計2を備えていない無地震計緊急地震速報受信装置11は、揺れの強さに関する情報を外部に出力できるようにしてもよい。
一方、地震による揺れの強さは、地盤により大きく変わり、建物によっても変わる。従って、地盤や建物による揺れの増幅特性が正確に補正されるならば、揺れの予測が正確に行えるようになる。緊急地震速報を受信する機能を有する緊急地震速報受信装置1に内部地震計2が組み込まれると、緊急地震速報により推定される揺れの予測値と、実際に観測される揺れとを比較することができ、その違いから、増幅特性を求めることができる。また、深井戸に設置された地震観測データと比較することによっても、増幅特性を推定することができる。
緊急地震速報を受信する機能を有する緊急地震速報受信装置1の内部に内部地震計2を組み込む場合には、地震計を外部に設置し、その信号を同装置に接続させる場合に比べ、1)地震観測データを、有線や無線で、同装置に伝送する必要がない、2)地震計のカバーが必要ない、3)地震計を設置する費用が不要であり、設置費が大幅に低下する等の利点を有する。
一方、緊急地震速報受信装置1の内部に内部地震計2が組み込まれている場合には、人工的なノイズとの干渉が考えられるが、地震波と、人工的ノイズが、周波数成分や、波形の形に大きな違いがあり、ソフト的に区別することが可能であり、また、地震の場合には、広い範囲で同時に揺れるが、人工的ノイズは特定の場所だけであることから、ネットワーク機能を用いて、観測データを比較することにより、ノイズと地震波とを区別することができる。
以上に示したように、本実施形態の緊急地震速報受信装置1のように緊急地震速報を受信する機能を有する装置に、低コストの地震計を設置することにより、直下型地震に対応でき、かつ高精度でコストを大幅に低下させることができる。
Claims (15)
- 緊急地震速報を受信する機能を有する情報受信装置において、前記情報受信装置本体の内部に内部地震計を備えたことを特徴とする情報受信装置。
- 地震波と前記地震波以外のノイズとを分離する解析機能を有するノイズ分離部を備えたことを特徴とする請求項1に記載された情報受信装置。
- 前記ノイズ分離部は、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータを、周波数成分又は波形の違いを利用して、前記地震波と前記ノイズとに分離することを特徴とする請求項2に記載された情報受信装置。
- 前記ノイズ分離部は、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータを、別の地点に設置された複数の前記情報受信装置による地震観測データと比較して、前記地震波と前記ノイズとに分離することを特徴とする請求項2に記載された情報受信装置。
- 前記ノイズ分離部は、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータを、緊急地震速報データを利用して、前記地震波と前記ノイズとに分離することを特徴とする請求項2に記載された情報受信装置。
- 前記情報受信装置の前記内部地震計のデータを、他の地震データと比較して、前記情報受信装置が設置されている場所での増幅特性を推定する増幅特性推定部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された情報受信装置。
- 前記増幅特性推定部は、推定した前記増幅特性の値を学習し、更新する増幅特性学習部を有することを特徴とする請求項6に記載された情報受信装置。
- 外部に情報を通知又は表示する外部通知部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された情報受信装置。
- 前記内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力されない場合、前記内部地震計のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された情報受信装置。
- 前記内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力された場合、前記内部地震計のデータ及び前記緊急地震速報のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載された情報受信装置。
- 前記情報受信装置の設置された周辺に設置された他の情報受信装置の内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力されない場合、前記他の情報受信装置の内部地震計のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載された情報受信装置。
- 前記情報受信装置の設置された周辺に設置された他の情報受信装置の内部地震計で揺れを観測し、且つ、前記緊急地震速報のデータが入力された場合、前記他の情報受信装置の内部地震計のデータ及び前記緊急地震速報のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載された情報受信装置。
- 複数の地点に設置された前記情報受信装置の前記内部地震計のデータ又は前記情報受信装置の前記内部地震計のデータを解析した解析データ、若しくは、前記内部地震計のデータ及び前記解析データの両者から揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載された情報受信装置を使用する無地震計情報受信装置。
- 外部に情報を通知又は表示する外部通知部を備えたことを特徴とする請求項13に記載された無地震計情報受信装置。
- 前記情報受信装置と、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータ、若しくは、前記内部地震計のデータ及び前記緊急地震速報のデータの両者を入力し解析するデータ解析装置と、前記情報受信装置の前記内部地震計のデータ又は前記データ解析装置のデータから揺れの強さを推定する揺れの強さ推定部を有する無地震計情報受信装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載された情報受信装置を用いた情報受信システム。
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