JP4465489B2 - 緊急地震速報システム - Google Patents

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本発明は、地震発生時に、緊急地震速報を配信する受信端末装置から実測情報の地震観測情報を得て緊急地震速報の地震情報を補正し、地震未達地域の受信端末装置へ正確な緊急地震速報を配信する緊急地震速報システムに関し、更に詳しくは、通信ネットワークを輻輳させることなく、多数の受信端末装置から地震観測情報を得る緊急地震速報システムに関する。
地震の発生を予知することは極めて困難なため、地震発生直後に、多数の地震観測点で観測する地震P波の地震観測情報を基に、地震発生時刻、震源位置及び地震規模の地震情報を算出し、主振動である地震S波の未到達地域に、これらの地震情報から予測する到達予測時刻や強度を報知する緊急地震速報システムが提案されている(特許文献1)。
図5は、この従来の緊急地震速報システム100を示すブロック図であり、全国各地の地震観測地域に設置される多数の地震観測網101−1、101−2・・101−nから受信部102が地震波形を受信すると、解析部103はこれを解析して、地震の3要素(地震発生時刻、震源位置、地震規模)を算出し、震源位置からの距離、地震規模より有感半径Rを求める。
第1判定部104は、特定地での気象庁震度階Iが一定値以上となる地震規模Mか、震源位置からの距離が解析部103で求めた有感半径R以内にあるかなどで、地震情報を報知するか否かを判定する。また、予測演算部105は、震源位置からの距離Dと深さHと地震規模Mとから、特定地での標準強度Srを求めると共に、その特定地における地質構造、建物の構造などの相違から設定する増幅係数Aを求め、標準強度Srと増幅係数Aとから、特定地での地震S波の予測強度S、最大加速度、到達予測時刻Tなどの地震パラメーターを算定する。
第2判定部106では、予測演算部105で求めた地震S波の予測強度Sを、予め設定する下限強度Sminと比較判定し、下限強度Sminを越える予測強度Sが算定されると、報知部107は地震の発生と予測強度S及び到達予測時刻Tを周囲に報知する。
報知後に更に地震P波を検知すると、予測演算部106は、検知した地震P波の実測データを用いて、解析部103が解析した地震の3要素(地震発生時刻、震源位置、地震規模)を補正し、地震S波の予測強度Sや到達予測時刻Tの予測精度を高める。
この緊急地震速報システム100では、発生時刻や位置が不特定な地震を迅速に検出するために、多数の地震観測網101−nを全国にむらなく設置させる必要があるが、地震観測端末装置の設置や維持に多大な費用が発生するために、現時点で全国に1000カ所程度が設置されているにすぎず、その平均観測点間隔は約30kmとなっている。
そこで本出願人等は、緊急地震速報を受信する受信端末装置に簡易地震計を設けた一般家庭向けの受信端末装置を発明した(特願2006−276581号)。この受信端末装置によれば、各家庭において、気象庁が配信する緊急地震速報を、公的機関などの中継によらず直接受信して、迅速に地震に備えることが可能となるとともに、簡易地震計を備えるので、緊急地震速報が間に合わないような直下型の地震が発生した場合であっても、地震P波を検出し、地震S波の到達を報知できる。
この受信端末装置は、上記理由から各家庭に設置する価値が高く、広く普及されることが予測され、一方、個々の受信端末装置は、緊急地震速報を受信する為に速報配信装置側とインターネットなどの通信ネットワークで接続されているので、新たに通信接続環境を設けることなく、地震観測端末装置として利用することができ、多数の受信端末装置から全国的にむらなく設置される地震観測網を構築することができる。
多数の地域に分布する多くの地震観測端末装置から地震の実測情報が得られれば、地震S波の予測強度Sや到達予測時刻Tの予測精度をより高めることができるが、一方、地震が発生した際には、多数の受信端末装置が地震P波を検出し、同時に地震波形などの地震観測情報を、地震情報を解析する緊急地震速報システムの受信部へ送信しようとするので、通信ネットワークの輻輳が生じ、却って地震情報の解析が遅れ、緊急地震速報の配信が遅れるという重大な問題が生じる懸念がある。
このように、地震の発生時に多数の端末装置から地震観測情報の送信が集中することを防止する方法として、従来、検出した地震の震度に応じて、大きな震度を検出した地震監視端末装置からの地震発報を優先して監視センターへ送信する発明(特許文献2)や、地震センサーで計測した震度値Iが所定の基準値以上である場合に、防災情報センターへ送信する発明(特許文献3)が知られている。
特許第3755131号公報(明細書項目0007乃至0014、項目0028、図1) 特開平5−325079号公報(明細書項目0003、項目0006) 特開2006−331150号公報(明細書項目0030)
しかしながら、特許文献2、3に記載された方法は、いずれも地震観測端末装置自体が、他の端末装置が観測する震度と比較することなく、観測した震度から送信の優先度を決定するので、震度の大きさに応じてより多くの地震観測端末装置から地震観測情報が送信されることとなり、緊急地震速報の配信が必要な大きな地震ほど、地震観測情報の入手が遅れるという問題があった。
また、地震P波の観測時に地震観測情報を送信するとしても、地震P波の観測領域は、地震発生からの経過時間に応じて拡大し、地震観測情報を送信する地震観測端末装置も増加するので、検出震度のみで送信可否を判定する地震観測端末装置に対して、送信を制限することはできないものであった。
従って、簡易地震計を備えた受信端末装置を地震観測端末装置として利用し、全国的にむらなく配置される多数の受信端末装置からなる地震観測網を構築したとしても、地震の発生規模などの状況に応じて効果的に受信端末装置の送信を制限する手段がなく、通信ネットワークの輻輳が生じる恐れがあり、多数の受信端末装置から得る地震観測情報によって地震S波の予測強度Sや到達予測時刻Tの予測精度を高めることはできなかった。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、地震の発生規模、経過時間などに応じて地震観測情報を送信する受信端末装置数を制限し、通信ネットワークの輻輳を生じることなく、多数の受信端末装置から実測情報である地震観測情報を得る緊急地震速報システムを提供することを目的とする。
また、緊急地震速報を配信した受信端末装置から受信する地震観測情報を用いて、緊急地震速報に含まれる地震情報を補正し、補正した地震情報を含む緊急地震速報を再び受信端末装置へ配信し、受信端末装置での地震予測精度を高める緊急地震速報システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1の緊急地震速報システムは、地震発生時に、地震速報配信装置から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を含む緊急地震速報を、通信ネットワークを介して接続する複数の受信端末装置へ配信し、前記緊急地震速報を受信した受信端末装置が、地震情報から予測する前記受信端末装置の設置位置での予測強度と到達予測時刻を報知する緊急地震速報システムであって、各受信端末装置は、前記緊急地震速報を受信する受信部と、地震P波を検知可能な地震計と、地震計が検知した地震P波の観測時刻と観測位置を含む地震観測情報を通信ネットワークを介して地震速報配信装置へ送信する送信部と、受信端末装置毎に設定される地震速報配信装置への通知要件を記憶する通知要件記憶部と、送信部からの地震観測情報の送信を判定する送信判定部を備えるとともに、地震速報配信装置は、所定の通知要件を選択し、複数の受信端末装置から選択した通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報を、前記緊急地震速報に含めて配信する配信処理部と、複数の受信端末装置から受信した地震観測情報に基づいて、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析する地震解析処理部とを備え、各受信端末装置の送信判定部は、前記緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震P波を検知し、前記緊急地震速報に含まれる端末指定情報で選択した通知要件が、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、検知した地震P波に関する地震観測情報の送信を許可し地震観測情報を受信した地震速報配信装置は、端末指定情報で指定された受信端末装置群から受信する地震観測情報に基づいて、地震解析処理部が解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を地震情報とし、前記緊急地震速報に含めて複数の受信端末装置へ配信することを特徴とする。
緊急地震速報を受信する前に地震P波を検知した受信端末装置は、地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震P波を検知することとなるので、地震P波を検知した全ての受信端末装置から地震速報配信装置へ地震P波に関する地震観測情報が送信される。緊急地震速報を地震P波の到達地域はわずかな範囲であるので、通知要件記憶部に記憶されている通知要件にかかわらず、全ての受信端末装置から地震観測情報を送信させても、通信ネットワークの輻輳は発生せず、既存の地震観測網より早期に地震観測情報を得て、緊急地震速報を配信できる。
緊急地震速報を配信した後の地震P波の到達地域は、地震発生からの経過時間に応じて増加するので、地震P波を検知する受信端末装置も増加する。緊急地震速報には、複数の受信端末装置から選択した通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報が含まれ、地震P波に関する地震観測情報は、端末指定情報により指定される受信端末装置群からのみ送信されるので、通信ネットワークが輻輳することなく、通知要件により指定される受信端末装置群から効果的に地震P波に関する地震観測情報が得られる。地震速報配信装置は、受信した地震P波に関する地震観測情報に基づいて地震解析処理部が解析した地震情報を、緊急地震速報に含めて再び配信するので、実測情報に基づきより精度の高い地震情報を各受信端末装置へ配信できる。
緊急地震速報の地震情報に示される地震以外の他の地震が発生した場合には、緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震P波を検知するので、通知要件記憶部に記憶されている通知要件にかかわらず、地震速報配信装置へ地震P波に関する地震観測情報が送信される。他の地震が発生した直後は、その地震P波の到達地域はわずかな範囲であるので、、地震P波を検出した全ての受信端末装置から地震観測情報を送信させても、通信ネットワークの輻輳は発生せず、地震速報配信装置において、他の地震についても地震情報を解析して緊急地震速報に含めて配信できる。
請求項2の緊急地震速報システムは、受信端末装置毎に設定される通知要件が、受信端末装置が設置される地域の受信端末装置の設置密度、受信端末装置の地震計の精度、受信端末装置の設置位置の少なくともいずれかのパラメータにより設定されることを特徴とする。
受信端末装置が設置される地域の設置密度により通知要件を設定することにより、設置密度が高い地域に設置される受信端末装置からの送信を制限することができる。受信端末装置の地震計の精度により通知要件を設定することにより、地震計の精度が低い受信端末装置からの送信を制限することができる。受信端末装置の設置位置により通知要件を設定することにより、設置位置に起因して高いノイズが発生する受信端末装置から順に送信を制限することができる。
請求項3の緊急地震速報システムは、地震S波の振動周波数を検知可能な地震計を備え、地震S波の振動周波数を含むS波観測情報の送信を求める受信端末装置に、通知要件としてS波通知要件を設定し、各受信端末装置の送信判定部は、緊急地震速報を受信した場合に、緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震S波を検知し、緊急地震速報に含まれる端末指定情報で選択したS波通知要件が、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、地震P波に関する地震観測情報を送信した後、地震S波の振動周波数を含むS波観測情報の送信を許可することを特徴とする。
S波通知要件が通知要件記憶部に記憶され、S波通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報が含まれた緊急地震速報を受信した受信端末装置は、緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震S波を検知したときは、地震S波の振動周波数を含むS波観測情報を地震速報配信装置へ送信する。地震速報配信装置は、地震S波の未到達地域に対して、緊急地震速報へS波観測情報から解析した地震情報を含めて配信することができる。
請求項4の緊急地震速報システムは、受信端末装置が、地震P波と地震S波の波形を検知する地震計と、地震P波と地震S波の波形を記憶する波形記憶部を更に備え、受信端末装置の送信部は、地震速報配信装置からの送信要求に応じて、波形記憶部から地震P波若しくは地震S波の波形を読み出し、地震速報配信装置へ送信することを特徴とする。
受信端末装置が検知した地震P波と地震S波の波形は、通信ネットワークのトラフィック量が少ない時期を選び、地震速報配信装置からの送信要求によって受信できる。各受信端末装置が検知した地震P波若しくは地震S波の波形を比較することにより、特定地域の地殻による地震波への影響、特定の受信端末装置の地震計の精度などを解析できる。
請求項5の緊急地震速報システムは、通知要件が、段階的に受信端末装置群を構成する受信端末装置数が減少若しくは増加する通知ランクであり、地震速報配信装置の配信処理部は、緊急地震速報に含まれる地震情報の地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離の増加に応じて、端末指定情報で指定される受信端末装置群の受信端末装置数が減少する通知ランクを、端末指定情報で選択することを特徴とする。
地震P波を検知する受信端末装置は、地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離の増加に従って増加するので、通知ランクで端末指定情報で指定される受信端末装置群の受信端末装置数を減少させることにより、地震観測情報を送信する受信端末装置の数は、一定に保たれ、通信ネットワークのトラフィック量は増加しない。
請求項6の緊急地震速報システムは、受信端末装置が、地震P波と地震S波の波形を検知する地震計と、地震P波と地震S波の波形を記憶する波形記憶部を更に備え、受信端末装置の送信部は、地震速報配信装置からの送信要求に応じて、波形記憶部から地震P波若しくは地震S波の波形を読み出し、地震速報配信装置へ送信し、地震速報配信装置は、複数の受信端末装置から受信する地震P波と地震S波の波形を比較し、受信端末装置に設定される通知ランクを修正することを特徴とする。
各受信端末装置から送信される地震P波若しくは地震S波の波形を比較することにより、受信端末装置間の相対的地震観測精度を判別することができ、相対的な地震観測精度を基に通知ランクを修正できる。
請求項7の緊急地震速報システムは、地震発生時に、地震速報配信装置から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を含む緊急地震速報を、通信ネットワークを介して接続する複数の受信端末装置へ配信し、前記緊急地震速報を受信した受信端末装置が、地震情報から予測する前記受信端末装置の設置位置での予測強度と到達予測時刻を報知する緊急地震速報システムであって、各受信端末装置は、前記緊急地震速報を受信する受信部と、地震S波を検知可能な地震計と、地震計が検知した地震S波の観測時刻と観測位置を含む地震観測情報を通信ネットワークを介して地震速報配信装置へ送信する送信部と、受信端末装置毎に設定される地震速報配信装置への通知要件を記憶する通知要件記憶部と、送信部からの地震観測情報の送信を判定する送信判定部を備えるとともに、地震速報配信装置は、所定の通知要件を選択し、複数の受信端末装置から選択した通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報を、前記緊急地震速報に含めて配信する配信処理部と、複数の受信端末装置から受信した地震観測情報に基づいて、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析する地震解析処理部とを備え、各受信端末装置の送信判定部は、前記緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震S波を検知し、前記緊急地震速報に含まれる端末指定情報で選択した通知要件が、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、検知した地震S波に関する地震観測情報の送信を許可し地震観測情報を受信した地震速報配信装置は、端末指定情報で指定された受信端末装置群から受信する地震観測情報に基づいて、地震解析処理部が解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を地震情報とし、前記緊急地震速報に含めて複数の受信端末装置へ配信することを特徴とする。
緊急地震速報を受信する前に地震S波を検知した受信端末装置は、地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震S波を検知することとなるので、地震S波を検知した全ての受信端末装置から地震速報配信装置へ地震S波に関する地震観測情報が送信される。緊急地震速報を地震S波の到達地域はわずかな範囲であるので、通知要件記憶部に記憶されている通知要件にかかわらず、全ての受信端末装置から地震観測情報を送信させても、通信ネットワークの輻輳は発生せず、既存の地震観測網より早期に地震観測情報を得て、緊急地震速報を配信できる。
緊急地震速報を配信した後の地震S波の到達地域は、地震発生からの経過時間に応じて増加するので、地震S波を検知した受信端末装置も増加する。緊急地震速報には、複数の受信端末装置から選択した通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報が含まれ、地震S波に関する地震観測情報は、端末指定情報により指定される受信端末装置群からのみ送信されるので、通信ネットワークが輻輳することなく、通知要件により指定される受信端末装置群から効果的に地震P波に関する地震観測情報が得られる。地震速報配信装置は、受信した地震S波に関する地震観測情報に基づいて地震解析処理部が解析した地震情報を、緊急地震速報に含めて再び配信するので、実測情報に基づきより精度の高い地震情報を各受信端末装置へ配信できる。
緊急地震速報の地震情報に示される地震以外の他の地震が発生した場合には、緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震S波を検知するので、通知要件記憶部に記憶されている通知要件にかかわらず、地震速報配信装置へ地震S波に関する地震観測情報が送信される。他の地震が発生した直後は、その地震S波の到達地域はわずかな範囲であるので、通知要件記憶部に記憶されている通知要件にかかわらず、受信端末装置から地震観測情報を送信させても、通信ネットワークの輻輳は発生せず、地震速報配信装置において、他の地震についても地震情報を解析して緊急地震速報に含めて配信できる。
請求項8の緊急地震速報システムは地震発生時に、地震速報配信装置から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を含む緊急地震速報を、通信ネットワークを介して接続する複数の受信端末装置へ配信し、前記緊急地震速報を受信した受信端末装置が、地震情報から予測する前記受信端末装置の設置位置での予測強度と到達予測時刻を報知する緊急地震速報システムであって、各受信端末装置は、前記緊急地震速報を受信する受信部と、地震P波を検知可能な地震計と、地震計が検知した地震P波の観測時刻と観測位置を含む地震観測情報を通信ネットワークを介して地震速報配信装置へ送信する送信部と、段階的に受信端末装置数が増加、若しくは減少する通知ランクのいずれかから、受信端末装置毎に設定される通知ランクを記憶する通知要件記憶部と、送信部からの地震観測情報の送信を判定する送信判定部を備えるとともに、地震速報配信装置は、複数の受信端末装置から受信した地震観測情報に基づいて、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析する地震解析処理部を備え、各受信端末装置の送信判定部は、前記緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報の地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離、又は前記緊急地震速報に含まれる地震情報の精度から、地震観測情報の送信が許可される受信端末装置の通知ランクを求め、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震P波を検知し、前記緊急地震速報から求めた通知ランクが、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、検知した地震P波に関する地震観測情報の送信を許可し地震観測情報を受信した地震速報配信装置は、前記緊急地震速報から求めた通知ランクで特定された受信端末装置群から受信する地震観測情報に基づいて、地震解析処理部が解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を地震情報とし、前記緊急地震速報に含めて複数の受信端末装置へ配信することを特徴とする。
緊急地震速報を受信する前に地震P波を検知した受信端末装置は、地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震P波を検知することとなるので、地震P波を検知した全ての受信端末装置から地震速報配信装置へ地震P波に関する地震観測情報が送信される。緊急地震速報を地震P波の到達地域はわずかな範囲であるので、通知要件記憶部に記憶されている通知ランクにかかわらず、全ての受信端末装置から地震観測情報を送信させても、通信ネットワークの輻輳は発生せず、既存の地震観測網より早期に地震観測情報を得て、緊急地震速報を配信できる。
緊急地震速報を配信した後の地震P波の到達地域は、地震発生からの経過時間に応じて増加するので、地震P波を検知する受信端末装置も増加する。緊急地震速報を受信した受信端末装置は、緊急地震速報に含まれる地震情報の地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離、又は緊急地震速報に含まれる地震情報の精度から、地震観測情報の送信が許可される受信端末装置の通知ランクを求めることができ、地震P波に関する地震観測情報は、この送信が許可される通知ランクが設定された受信端末装置からのみ送信されるので、通信ネットワークが輻輳することなく、地震情報の地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離、又は緊急地震速報に含まれる地震情報の精度に応じて特定の受信端末装置から効果的に地震P波に関する地震観測情報が得られる。地震速報配信装置は、受信した地震P波に関する地震観測情報に基づいて地震解析処理部が解析した地震情報を、緊急地震速報に含めて再び配信するので、実測情報に基づきより精度の高い地震情報を各受信端末装置へ配信できる。
緊急地震速報の地震情報に示される地震以外の他の地震が発生した場合には、緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震P波を検知するので、通知要件記憶部に記憶されている通知ランクにかかわらず、地震速報配信装置へ地震P波に関する地震観測情報が送信される。他の地震が発生した直後は、その地震P波の到達地域はわずかな範囲であるので、地震P波を検出した全ての受信端末装置から地震観測情報を送信させても、通信ネットワークの輻輳は発生せず、地震速報配信装置において、他の地震についても地震情報を解析して緊急地震速報に含めて配信できる。
請求項1、請求項7及び請求項8の発明によれば、地震観測網となる受信端末装置を全国むらなく設置しても、地震の発生規模などの状況に応じた特定の受信端末装置からのみ地震観測情報を送信させるので、通信ネットワークの輻輳を生じることなく、地震解析処理部において効果的に地震観測情報を得ることができ、地震S波の未到達地域に対して、迅速に、正確な地震情報を配信できる。
また、受信端末装置からの送信集中による通信ネットワークの輻輳を生じることなく、多数の受信端末装置を全国むらなく設置できるので、震源位置がいずれの場所であっても、その近傍に設置された複数の受信端末装置が送信する地震観測情報によって、より早期に地震情報を含む緊急地震速報を配信することができる。
請求項2の発明によれば、地域毎の受信端末装置の設置密度が異なっていても、地震観測情報の送信を許可する受信端末装置は、より広域な領域で均一密度に分散配置することができ、設置密度の高い地域から近似する地震観測情報が重複して送信されない。また、地震計の精度が高い受信端末装置の送信を優先させることができ、実測精度の高い地震観測情報のみから地震情報を解析できる。また、設置位置に起因する生活ノイズが低い受信端末装置の送信を優先させたり、震源位置が海底である場合に、沿岸に設置された受信端末装置からの送信を優先させることができ、実測精度の高い地震観測情報のみから地震情報を解析できる。
請求項3の発明によれば、地震S波の地震S波の未到達地域において、設置位置の固有振動周波数が地震S波の振動周波数に共振する可能性のある受信端末装置に対して、地震S波による震度が拡大する恐れがある警報を発することができる。
請求項4の発明によれば、全国むらなく配置される受信端末装置による地震観測網によって、広域で地殻による地震波への影響、特定の受信端末装置の地震計の精度などを詳細に解析できる。
請求項5の発明によれば、地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離により、効果的に地震観測情報を送信する受信端末装置を制限できる。
請求項6の発明によれば、地震P波若しくは地震S波の波形を比較して得られる受信端末装置間の相対的地震観測精度によって、精度の高い受信端末装置を優先的に地震観測情報を送信する受信端末装置とすることができる。
請求項8の発明によれば、更に、地震観測情報を送する受信端末装置を特定する通知ランクを、地震速報配信装置側で選択せず、各受信端末装置側で求めるので、地震速報配信装置からより迅速に緊急地震速報を配信することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る緊急地震速報システム1の構成を、図1を用いて説明する。図1は、緊急地震速報システム1全体の構成を示すブロック図であり、緊急地震速報を配信する地震速報配信装置30に、通信ネットワークであるインターネット2を介して多数の受信端末装置3、3・・が接続されている。
受信端末装置3は、建物の比較的後述する生活ノイズを受けにくい位置で、建物の居住者に警告を伝達できる場所に設置されるもので、設置位置の振動を検出する簡易型地震計4を内蔵し、これにより地震観測点としても機能する。地震計4は、設置位置での振動による互いに直交する3軸方向の加速度を検出する3軸加速度計4aと、3軸加速度計4aで検出したアナログ検出値をそれぞれクロック信号に同期させたデジタル値として出力するA/Dコンバータ4bと、デジタル値の加速度検出値を加速度計デバイスドライバ5へ出力するパラレルインターフェース4cとから構成される。
加速度計デバイスドライバ5から出力される3軸方向の各加速度検出値は、500Hzの周期で新たに入力される加速度検出値に書き換えられるリングバッファ6に一時記憶される。3軸方向の各加速度検出値を連続させた加速度波形は、同方向の変位と同一波形で変化するので、これを各方向の地震波形を含む変位波形とみなし、電気的ノイズフィルタ7と生活ノイズフィルタ8を通過させて、ノイズを除去した地震波形を地震波形解析部9に出力する。
電気的ノイズフィルタ7は、地震による震動とは考えられない振動周波数や振動波形を電気的ノイズと推定して地震波形解析部9へ出力される変位波形から除くもので、例えば、A/Dコンバータ4bによって加速度検出値に重畳する量子化ノイズなどを除き、後段の生活ノイズフィルタ8へ出力する。
生活ノイズフィルタ8は、設置位置付近での冷蔵庫などの振動、車両の走行、エレベータの昇降、工事作業などによる振動のノイズを変位波形から除くもので、繰り返して発生する特有の振動周波数、振動波形などから生活ノイズと判定し、変位波形から生活ノイズを取り除いて地震波形解析部9に出力する。
地震波形解析部9は、生活ノイズフィルタ8から入力される変位波形の振動周波数や振動波形から、その変位波形が地震波形であると判定すると、その地震波形を地震波形記録部10へ記憶すると共に、地震波形の種類、振幅、検出時刻等の地震波形の特徴を観測情報として送信判定部11へ出力する。送信判定部11は、地震波形解析部9から出力される観測情報を含む地震観測情報を送信するか否かを、検出した地震波形の種類、検出時刻などから判定するが、その判定の詳細は後述する。送信判定部11は、送信許可と判定すると、インターネット2を介して地震観測情報を地震速報配信装置30の地震解析処理部31へ送信する。
各受信端末装置3には、表1に示す設置ポイント配分表に従ってポイントを集計した設置ポイントと、表2に示す通知ランク(LV)配分表を基に、受信端末装置3毎に通知ランク(LV)が設定され、設定された通知ランク(LV)は、端末個別情報記録部12に記憶される。通知ランク(LV)は、その受信端末装置3から地震観測情報を送信するか否かを判定する通知要件となるものであるが、ここでは、通知ランク(LV)の他、地震S波の地震観測情報の送信を求める受信端末装置3に対して、所定のコード(例えばS)が通知要件として設定される。端末個別情報記録部12には、これらの通知要件の他、受信端末装置3の設置位置の固有の振動数、揺れ増幅度Aなどが記憶される。
Figure 0004465489
表1の設置ポイント配分表は、建物の構造、建物の総回数など6項目で、それぞれ地震観測精度が悪化する要因について設置ポイントが高くなるように設定されている。例えば、国道沿いの14階建て鉄筋コンクリート構造の建物であって、10階エレベータ付近の部屋の床上に設置され、地震計4の精度が比較的高い0.1galである受信端末装置3の設置ポイントは、表1中の下線で示すポイントの合計の510ポイントとなる。
Figure 0004465489
表2の通知ランク(LV)配分表は、設置する受信端末装置3の周囲の他の受信端末装置3の設置密度によって、その通知ランク(LV)を設定するもので、周囲に複数の受信端末装置3が設置されている場合には、その地域内の全ての受信端末装置3を設置ポイント順にソートし、設置ポイントが低い受信端末装置3から高い受信端末装置3の順に、低いレベルから高いレベルの通知ランク(LV)を設定する。また、ソート順に設定される通知ランク(LV)は、設置密度が低い地域より高い地域で、高いレベルの通知ランクが設定されるようになっていて、これにより、近傍に複数の受信端末装置3、3・・が設置されている場合に、低い通知ランク(LV)を選択することにより、地震観測精度が高い受信端末装置3から優先して地震観測情報を送信する受信端末装置群を指定できる。例えば、設置ポイントが510ポイントである受信端末装置3の周囲5km以内に地域に、その受信端末装置3を含み4台の受信端末装置3が設置され、510ポイントの設置ポイントは4台の受信端末装置3の2番目に低い値であったとすると、表2からLV2の通知ランクが設定される。
インターネット2に接続する受信判定部13は、地震速報配信装置30の速報配信処理部32から各受信端末装置3に向けて配信される緊急地震速報を受信し、受信した緊急地震速報に含まれる地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報と、自らの設置位置と震源位置との距離から、地震P波の到達予測時刻、地震S波の到達予測時刻、地震S波による標準予測強度、及び端末個別情報記憶部12に設置位置固有の揺れ増幅度Aが記憶されている場合には、標準予測強度に揺れ増幅度Aを乗じた予測強度を算定する。また、緊急地震速報に含まれる端末指定情報の通知ランク、コードなどの通知要件を、算定した地震P波の到達予測時刻、地震S波の到達予測時刻とともに、送信判定部11へ出力する。
受信判定部13で算定した地震S波の到達予測時刻と、地震S波の標準予測強度若しくは予測強度は、地震警告処理部14へ出力され、標準予測強度若しくは予測強度が所定の震度以上である場合には、これらの標準予測強度若しくは予測強度と、地震S波が到達するまでの時間が、スピーカー15から音声で出力され、地震警告が発せられる。
受信端末装置3には、更にインターネット2を介して地震速報配信装置30の個別波形解析処理部33に接続する個別情報補正部16が備えられている。個別情報補正部16は、地震速報配信装置30と各受信端末装置3、3・・間のインターネット2のトラフィック量が少ない時間帯を利用して、地震速報配信装置30の個別波形解析処理部33から配信される地震波形送信要求に応じて、地震波形記憶部10に記憶されている地震P波若しくは地震S波の地震波形を読み出し、個別波形解析処理部33へ送信する。また、個別波形解析処理部33から後述する補正した通知ランクや揺れ増幅度Aを受信した場合には、端末個別情報記録部12に記憶されている通知ランクや揺れ増幅度Aを、これらの補正したデータに書き換える。
地震速報配信装置30は、地震解析処理部31と速報配信処理部32と個別波形解析処理部33を備えている。地震解析処理部31は、多数の受信端末装置3、3・・から送信される地震観測情報を受信し、各受信端末装置3の設置位置と、各受信端末装置3が観測した地震波の種類、振幅(地震強度)、検出時刻から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析し、解析結果を地震情報として速報配信処理部32へ出力する。また、速報配信処理部32へ出力する前に、速報配信処理部32から既に緊急地震速報に含まれる地震情報が入力されている場合には、その地震情報の地震発生時刻、震源位置及び地震規模を各受信端末装置3、3・・の地震観測情報から解析した地震情報で補正し、補正した地震発生時刻、震源位置及び地震規模の地震情報を速報配信処理部32へ出力する。
速報配信処理部32は、地震観測網を有する気象庁40若しくはその他の外部機関と専用通信回線などの通信ネットワークで接続し、地震発生時にこれらの機関から緊急地震速報を受信すると、緊急地震速報に含まれる地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を、地震解析処理部31へ出力すると共に、インターネット2を介して接続する全ての受信端末装置3、3・・へ緊急地震速報に含めて配信する。
また、速報配信処理部32が、気象庁40若しくはその他の外部機関から緊急地震速報を受信するか否かにかかわらず、地震解析処理部31から解析した地震情報を入力した場合には、その解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を緊急地震速報に含めて全ての受信端末装置3、3・・へ配信する。従って、気象庁40若しくはその他の外部機関が緊急地震速報を送信する前に、多数の受信端末装置3、3・・から受信した地震観測情報に基づいて地震解析処理部31が地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を解析すると、その解析した地震情報を含む緊急地震速報が、いち早く全ての受信端末装置3、3・・に配信される。また、既に緊急地震速報が配信されている場合には、多数の受信端末装置3、3・・の実測情報に基づいて補正した、より正確な地震発生時刻、震源位置及び地震規模の地震情報が全ての受信端末装置3、3・・に再配信される。
速報配信処理部32から、全ての受信端末装置3、3・・へ配信される緊急地震速報には、上記地震情報の他、地震観測情報の送信を求める受信端末装置群を指定する端末指定情報が含まれている。本実施の形態では、特定の通知ランクを端末指定情報で選択して、その通知ランク(LV)を満たす通知ランクが設定された受信端末装置3を、地震観測情報の送信を求める受信端末装置群として指定する。更に地震S波の地震観測情報の送信を求める場合には、端末指定情報に、コードSを付加する。例えば、端末指定情報でLV2以下の通知ランクを選択すると、表2からLV1若しくはLV2が設定された受信端末装置3が端末指定情報によって指定される。
速報配信処理部32から緊急地震速報の配信を受けた受信端末装置3の受信判定部13は、前述したように、緊急地震速報に含まれる端末指定情報と、緊急地震速報の地震情報から予測した地震P波の到達予測時刻、地震S波の到達予測時刻を、送信判定部11へ出力する。
送信判定部11は、受信判定部13から入力された地震P波の到達予測時刻を含む例えば前後2秒の時間帯のP波予測時間以外に、地震波形解析部9から地震P波の検出情報が入力されると、無条件で、地震波形解析部9から入力される地震P波の検出時刻、地震P波の立ち上がり時加速度、及び地震P波の振幅の観測情報と、自らの受信端末装置3の設置位置情報を、初期地震観測情報として地震速報配信装置30へ送信する。これにより、気象庁40若しくはその他の外部機関が緊急地震速報を送信する前に、受信端末装置3、3・・からなる地震観測網が地震を検知した場合に、より早く地震情報を解析でき、また、緊急地震速報に表される震源位置と別の位置に地震が発生した場合であっても、その地震の地震情報を解析できる。
また、P波予測時間内に地震波形解析部9から地震P波の検出情報が入力されると、送信判定部11は、端末指定情報の通知ランクと、端末個別情報記録部12から読み出す通知ランク、すなわちその受信端末装置3に設定された通知ランクを比較し、端末指定情報の通知ランクを満たす通知ランクが設定されている場合に、地震波形解析部9から入力される地震P波の検出時刻、地震P波観測震度、地震P波の周波数別加速度情報、及び地震P波の単位時間別加速度情報の観測情報と、自らの受信端末装置3の設置位置情報を、P波地震観測情報として地震速報配信装置30へ送信する。前述の初期地震観測情報は、伝達に緊急性が求められ、必要最小限の情報であるのに対し、ここで送信するP波地震観測情報は、より精度の高い地震情報を得る目的で使用されることから、より詳細な情報が含まれる。
一方、P波予測時間内に地震P波を検出したとの観測情報が地震波形解析部9から入力され、端末個別情報記録部12から読み出す通知ランクが、端末指定情報の通知ランクを満たさない場合には、地震P波を検出しても地震観測情報を送信しない。これにより、多数の受信端末装置3、3・・からの地震観測情報の送信が集中せず、地震情報を効果的に補正する目的で選択される限られた受信端末装置群からの地震観測情報のみが、インターネット2のトラフィック量増加による遅延なく、地震速報配信装置30へ送信される。
更に、速報配信処理部32から入力された地震S波の到達予測時刻を含む例えば前後2秒の時間帯のS波予測時間に、地震S波を検出したとの観測情報が地震波形解析部9から入力され、端末個別情報記録部12からコードSが読み出され、緊急地震速報の端末指定情報にコードSが含まれている場合には、地震波形解析部9から入力される地震S波の検出時刻、地震S波観測震度、地震S波の周波数別加速度情報、及び地震S波の単位時間別加速度情報の観測情報と、自らの受信端末装置3の設置位置情報を、S波地震観測情報として地震速報配信装置30へ送信する。地震速報配信装置30では、これにより、地震S波の震度、長周期振動や増幅状況を把握することができ、地震S波の未到達地域に設置された受信端末装置3に対して緊急地震速報を配信し、地震S波に関するより正確な地震情報を伝達できる。特に、設置位置の固有振動周波数が、地震S波の振動周波数に対して共振する可能性のある受信端末装置3に対して、予め地震S波の震度が拡大する恐れがあることを伝達できる。
地震速報配信装置30の個別波形解析処理部33は、地震が発生していない等インターネット2のトラフィック量が少ない任意の時間帯に、特定の受信端末装置3に対して地震波形送信要求を送信し、その地震波形記憶部10に記憶されている地震P波若しくは地震S波の地震波形を得る。個別波形解析処理部33では、震源位置の周囲の多数の受信端末装置3が検出した地震P波若しくは地震S波の地震波形やその検出時刻を比較することにより、その地域の地殻構造による地震波の伝播速度や減衰の影響を解析することができ、後日、その近傍で別の地震が発生した際の地震波到達予測時間や予測震度の解析に役立てることができる。また、特定の受信端末装置3が検出した地震P波若しくは地震S波の波形を、その周囲の多数の受信端末装置3が検出した地震波形と比較することにより、その設置位置固有の振動数や揺れ増幅度Aを知ることができ、これらの情報を基にその受信端末装置3について設定した通知ランクや揺れ増幅度Aを補正することができる。補正した通知ランクや揺れ増幅度Aは、前述したように、その受信端末装置3の個別情報補正部16に送信され、端末個別情報記録部12に記憶されているデータが、補正した通知ランクや揺れ増幅度Aに書き換えられる。
以下、本実施の形態に係る緊急地震速報システム1により、地震発生後に緊急地震速報を配信する状態を、図1乃至図4を用いて説明する。図2は、地震発生時t0からの地震速報配信装置30と各受信端末装置3間の応答を示すシーケンス図、図3は、緊急地震速報を配信した時点の地震P波の波面と、受信端末装置3の設置位置との関係を示す説明図、図4は、地震P波と地震S波の伝播状態を示す説明図である。
図4に示すように、実質的に地震の被害を発生させる地震S波が約4.7km/sで進むのに対し、地震P波は、ほぼその倍の約7km/sで進む。従って、図3に示す震源位置xで時刻t0に地震が発生したとすると、その直後に、周囲に設置されているA領域の受信端末装置A1、A2が始めに地震P波を検出する。この地震P波観測時が、地震速報配信装置30が緊急地震速報を配信する前であるとすれば、受信端末装置A1、A2の各送信判定部11は、地震P波の検出時刻、地震P波の立ち上がり時加速度、及び地震P波の振幅の観測情報と、自らの受信端末装置A1、A2の設置位置情報を、P波地震観測情報(初期地震観測情報)として地震速報配信装置30へ送信する(図2参照)。
地震速報配信装置30の地震解析処理部31は、受信端末装置A1、A2から受信したP波地震観測情報をもとに、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析し、これらの解析情報を地震情報として速報配信処理部32へ出力する。地震速報配信装置30に既に気象庁40等の外部機関からこの地震に関する緊急地震速報が配信され、地震解析処理部31が解析した地震情報を速報配信処理部32へ出力する前に、速報配信処理部32から緊急地震速報に含まれる地震情報が入力されている場合には、その地震情報を受信端末装置A1、A2のP波地震観測情報を用いて補正し、補正した地震発生時刻、震源位置及び地震規模の地震情報を速報配信処理部32へ出力する。
速報配信処理部32は、地震解析処理部31から地震情報が入力された場合には、その地震情報を、入力されていない場合には、気象庁40等の外部機関から配信された緊急地震速報に含まれる地震情報を、端末指定情報とともに第1緊急地震速報に含めて時刻t1に全ての受信端末装置3、3・・・へ配信する。図2に示すように、この第1緊急地震速報に含めて送信される端末指定情報では、LV2以下(LV1とLV2)の通知ランクの通知要件が選択され、通知ランクのLV1、LV2が通知要件として設定された受信端末装置3から地震観測情報を求めるものとなる。
第1緊急地震速報は、インターネット2を介して接続する全ての受信端末装置3、3・・に配信されるので、各受信端末装置3では、緊急地震速報に含まれる地震情報と震源位置との距離から算定した地震S波の到達予測時刻と、地震S波の標準予測強度若しくは予測強度が所定の震度以上である場合に、これらの標準予測強度若しくは予測強度と、地震S波が到達するまでの時間の地震警告がスピーカー15から発せられる。
図3において、第1緊急地震速報が配信された時刻t1での地震P波の波面をPt1とすると、時刻t1以降、Pt1の波面より離れたB領域に設置された受信端末装置Bから順に、震源位置xからの距離に応じて地震P波を検出する。B領域に設置された受信端末装置Bは、第1緊急地震速報を基に受信判定部13が算定した地震P波の到達予測時刻を含むP波予測時間内にこの地震P波を検出することとなるので、送信判定部11は、更に第1緊急地震速報に含まれる端末指定情報の通知ランク(LV1、LV2)のいずれかに端末個別情報記録部12から読み出す通知ランクが一致した場合に、実観測情報であるP波地震観測情報を地震速報配信装置30へ送信する。つまり、通知ランクとしてLV1若しくはLV2が設定された図中下線を付した受信端末装置BL1、BL2のみが、地震P波を検出する毎に、地震P波時刻、地震P波観測震度、地震P波の周波数別加速度情報、及び地震P波の単位時間別加速度情報の観測情報と、自らの受信端末装置BL1、BL2の設置位置情報をP波地震観測情報として地震速報配信装置30へ送信する。
地震速報配信装置30の地震解析処理部31は、受信端末装置BL1、BL2から受信したP波地震観測情報をもとに、第1緊急地震速報で配信した地震発生時刻、震源位置及び地震規模の地震情報を更に正確な値となるように補正する。また、震源位置xから特定方向に設置された受信端末装置B群から受信したP波地震観測情報の地震P波の検出時刻が、その設置位置での地震P波の予測到達時刻から共通して遅れ、若しくは共通して早まる場合には、図3の矢印で示すように、地殻の影響により同方向の地震P波の伝播速度が異なると推測されるので、同方向の伝播速度情報を補正した地震情報に含めて、地震速報配信装置30へ出力する。
速報配信処理部32は、地震解析処理部31から入力された地震情報を、端末指定情報とともに第2緊急地震速報に含めて時刻t2に全ての受信端末装置3、3・・・へ配信する。図2に示すように、この第2緊急地震速報に含めて送信される端末指定情報では、通知ランク(LV1)とコードSが通知要件として選択され、通知ランクのLV1若しくはコードSが通知要件として設定された受信端末装置3からの地震観測情報が求められる。また、第2緊急地震速報には、第2緊急地震速報に含まれる地震情報と端末指定情報が、第1緊急地震速報の地震情報と端末指定情報の更新情報であることを表す更新フラッグが含まれいる。尚、同一の地震について同一の地震IDを付与し、地震情報を更新する毎に同一の地震IDについての通知連番を更新させて、更新フラッグに代えてもよい。
第2緊急地震速報を受信した全ての受信端末装置3、3・・は、更新フラッグが含まれていることから第1緊急地震速報の端末指定情報を、新たに受信した端末指定情報、すなわち通知ランク(LV1)とコードSが通知要件として選択された端末指定情報に更新し、第2緊急地震速報に含まれる地震情報と震源位置との距離から再び地震S波の到達予測時刻と、地震S波の標準予測強度若しくは予測強度を算定し、同様の地震警告処理を行う。
第2緊急地震速報が配信された時刻t2での地震P波の波面をPt2とすると、遅れて伝播する地震S波は、波面Pt2の内側のB領域を進み、時刻t2以降、B領域に設置された受信端末装置Bが、震源位置xからの距離に応じて順次地震S波を検出する。B領域に設置された受信端末装置Bは、第2緊急地震速報を基に受信判定部13が算定した地震S波の到達予測時刻を含むS波予測時間内にこの地震S波を検出することとなるので、コードSが設定された受信端末装置Bが、S波地震観測情報を、地震速報配信装置30へ送信する。
ほぼ同一時間帯の時刻t2以降、Pt2の波面より離れたC領域に設置された受信端末装置Cが、震源位置xからの距離に応じて順次地震P波を検出する。C領域に設置された受信端末装置Cは、第2緊急地震速報の地震情報から算定するP波予測時間内に地震P波を検出することとなるので、送信判定部11は、更に、端末個別情報記録部12から読み出す通知ランクが端末指定情報の通知ランク(LV1)である場合に、P波地震観測情報を地震速報配信装置30へ送信する。つまり、地震P波を検出する受信端末装置3の数は、平均して分布されているものとすれば、地震発生時刻からの経過時間の二乗に比例し増大するので、第2緊急地震速報を配信する時刻t2以降は、端末指定情報で選択する通知ランク(LV)を調整して、P波地震観測情報を送信する受信端末装置数を減少させ、インターネット2を介して地震速報配信装置30へ送信する送信量を一定とするものである。
B領域に設置された受信端末装置Bから送信される上述のS波地震観測情報と、C領域に設置された受信端末装置CL1から送信されるP波地震観測情報とは、時刻t2後のほぼ同一時間帯に地震速報配信装置30が受信するので、それぞれの地震観測情報から解析して補正した地震情報をまとめて速報配信処理部32へ出力し、速報配信処理部32から第3緊急地震速報に含めて時刻t3に配信する。しかしながら、S波地震観測情報に含まれる地震S波の振動周波数を、共振する可能性のある受信端末装置3に対して地震S波の到達前により早く伝達するために、S波地震観測情報を受信次第、個別に速報配信処理部32から緊急地震速報を配信しても良い。
この第3緊急地震速報では、更新フラッグを加えるだけで、端末指定情報を含めない。従って、第3緊急地震速報を受信した全ての受信端末装置3、3・・・は、実測情報からより正確な値に補正された地震情報を受信し、上述と同様の地震警告処理を行うだけで、Pt2の波面より外側に設置された受信端末装置3は、端末指定情報による地震観測情報の送信の判別は行わない。
また、上述の震源位置xとする地震以外に、断層の破壊などで断層に沿って震源位置が異なる地震が連続して発生したり、その付近で余震が発生する可能性がある。図4に示すように、各受信端末装置3の送信判定部11は、受信した緊急地震速報の地震情報を基に算定した地震P波の到達予測時刻を含むP波予測時間内若しくはS波予測時間内に、P波観測窓若しくはS波観測窓を開くが、緊急地震速報で通報する地震と異なる地震が発生した場合には、これらの時間外に地震波を検出する。本実施の形態では、P波予測時間外に地震P波を受信し、若しくはS波予測時間外に地震S波を受信したときは、その端末装置3に設定された通知要件にかかわらず、全ての受信端末装置3から、検出した地震波の地震観測情報が地震速報配信装置30へ送信される。従って、連鎖地震や余震についての地震情報も、もれなく地震解析処理部31において解析され、別の緊急地震速報として各受信端末装置3、3・・・へ配信される。
上述の実施の形態では、通知ランク(LV)とコードSを通知要件としたが、通知要件は、これら限らず種々のパラメータを用いることができ、例えば、海岸付近に設置された受信端末装置3に対して特有の通知要件を設定し、震源位置が海底である場合に配信される緊急地震速報の端末指定情報によっての通知要件を選択し、海岸付近の地震観測情報を優先して受信するようにすることもできる。
また、通知ランクは、地震観測情報の送信可否を決定するだけではなく、受信端末装置3に対して地震観測情報の送信を含む特定の動作をシーケンス制御する制御コードを通知要件としてもよく、緊急地震速報に含める端末指定情報でこの制御コードを選択し、同一の制御コードが通知要件として設定された受信端末装置3に対して、制御コードに規定する動作を実行させてもよい。
また、通知ランクの配分や、通知ランクや設置ポイントの配分、若しくは設置ポイントを配分する項目は、上述の表1、表2に記載の例に限らない。
また、上述の実施の形態では、地震観測情報を送する受信端末装置を特定する端末指定情報を、緊急地震速報に含めて地震速報配信装置から各受信端末装置へ配信したが、各受信端末装置側で、受信した緊急地震速報から得ることもできる。
例えば、受信端末装置が緊急地震速報を受信した場合に、緊急地震速報に含まれる地震情報の地震発生時刻から緊急地震速報を受信するまでの経過時間が10秒を経過している場合には、上述の端末指定情報に相当する通知ランクをLV3以下と、経過時間が20秒を経過している場合にはLV1とし、このようにして緊急地震速報の地震情報から求めた通知ランクに、自らの受信端末装置について設定された通知ランクが含まれれば、地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間外に地震P波を検知することを条件に、地震観測情報の送信する。この受信端末装置側で求める通知ランクは、地震情報の地震発生時刻からの経過時間の他、緊急地震速報に含まれる地震情報の震源位置と自らの受信端末装置の設置位置までの距離が長いほど地震観測情報を送信する受信端末装置数が減少する通知ランクであってもよく、更に、緊急地震速報に送信する地震情報の精度が含まれている場合には、地震情報の精度が高いほど地震観測情報を送信する受信端末装置数が減少する通知ランクであってもよい。
また、上述の実施の形態では、全ての受信端末装置3、3・・・について、それぞれ通知要件を設定したが、送信判定部11を備えていない緊急地震速報の受信専用の受信端末装置など、地震速報配信装置30に通信ネットワーク2で接続する受信端末装置には、通知要件を設定しない受信端末装置が含まれていてもよい。
また、地震速報配信装置30と各受信端末装置3、3・・・とは、インターネット網の他、LAN、専用回線など他の通信ネットワークで相互に接続されるものであってもよい。
更に、本発明では、各受信端末装置3、3・・・を地震発生を監視する地震観測網とすることができるので、必ずしも気象庁40等の外部機関から緊急地震速報を受信せずに、独自に各受信端末装置3、3・・・から送信される地震観測情報をもとに緊急地震速報を配信するものであってもよい。
本発明は、地震発生直後に地震観測網が検出する地震観測情報から地震発生時刻、震源位置及び地震規模の地震情報を算出し、主振動である地震S波の未到達地域に対して、これらの地震情報から予測する到達予測時刻や強度を報知する緊急地震速報システムに適している。
本発明の一実施の形態に係る緊急地震速報システム1全体の構成を示すブロック図である。 地震発生時t0からの地震速報配信装置30と各受信端末装置3間の応答を示すシーケンス図である。 緊急地震速報を配信した時点の地震P波の波面と、受信端末装置3の設置位置との関係を示す説明図である。 地震P波と地震S波の伝播状態を示す説明図である。である。 従来の緊急地震速報システム100を示すブロック図である。
符号の説明
1 緊急地震速報システム
2 インターネット(通信ネットワーク)
3 受信端末装置
4 地震計
11 送信判定部(送信部)
12 端末個別情報記憶部(通知要件記憶部)
13 受信判定部(受信部)
30 地震速報配信装置
31 地震解析処理部
32 速報配信処理部(配信処理部)
LV 通知ランク

Claims (8)

  1. 地震発生時に、地震速報配信装置から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を含む緊急地震速報を、通信ネットワークを介して接続する複数の受信端末装置へ配信し、前記緊急地震速報を受信した受信端末装置が、地震情報から予測する前記受信端末装置の設置位置での予測強度と到達予測時刻を報知する緊急地震速報システムであって、
    各受信端末装置は、前記緊急地震速報を受信する受信部と、地震P波を検知可能な地震計と、地震計が検知した地震P波の観測時刻と観測位置を含む地震観測情報を通信ネットワークを介して地震速報配信装置へ送信する送信部と、受信端末装置毎に設定される地震速報配信装置への通知要件を記憶する通知要件記憶部と、送信部からの地震観測情報の送信を判定する送信判定部を備えるとともに、
    地震速報配信装置は、所定の通知要件を選択し、複数の受信端末装置から選択した通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報を、前記緊急地震速報に含めて配信する配信処理部と、複数の受信端末装置から受信した地震観測情報に基づいて、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析する地震解析処理部とを備え、
    各受信端末装置の送信判定部は、前記緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震P波を検知し、前記緊急地震速報に含まれる端末指定情報で選択した通知要件が、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、検知した地震P波に関する地震観測情報の送信を許可し
    地震観測情報を受信した地震速報配信装置は、端末指定情報で指定された受信端末装置群から受信する地震観測情報に基づいて、地震解析処理部が解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を地震情報とし、前記緊急地震速報に含めて複数の受信端末装置へ配信することを特徴とする緊急地震速報システム。
  2. 受信端末装置毎に設定される通知要件は、受信端末装置が設置される地域の受信端末装置の設置密度、受信端末装置の地震計の精度、受信端末装置の設置位置の少なくともいずれかのパラメータにより設定されることを特徴とする請求項1に記載の緊急地震速報システム。
  3. 地震S波の振動周波数を検知可能な地震計を備え、地震S波の振動周波数を含むS波観測情報の送信を求める受信端末装置に、通知要件としてS波通知要件を設定し、
    各受信端末装置の送信判定部は、緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震S波を検知し、前記緊急地震速報に含まれる端末指定情報で選択したS波通知要件が、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、地震P波に関する地震観測情報を送信した後、地震S波の振動周波数を含むS波観測情報の送信を許可することを特徴とする請求項1又は2に記載の緊急地震速報システム。
  4. 受信端末装置は、地震P波と地震S波の波形を検知する地震計と、地震P波と地震S波の波形を記憶する波形記憶部を更に備え、
    受信端末装置の送信部は、地震速報配信装置からの送信要求に応じて、波形記憶部から地震P波若しくは地震S波の波形を読み出し、地震速報配信装置へ送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の緊急地震速報システム。
  5. 通知要件は、段階的に受信端末装置群を構成する受信端末装置数が減少若しくは増加する通知ランクであり、地震速報配信装置の配信処理部は、緊急地震速報に含まれる地震情報の地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離の増加に応じて、端末指定情報で指定される受信端末装置群の受信端末装置数が減少する通知ランクを、端末指定情報で選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の緊急地震速報システム。
  6. 受信端末装置は、地震P波と地震S波の波形を検知する地震計と、地震P波と地震S波の波形を記憶する波形記憶部を更に備え、
    受信端末装置の送信部は、地震速報配信装置からの送信要求に応じて、波形記憶部から地震P波若しくは地震S波の波形を読み出し、地震速報配信装置へ送信し、
    地震速報配信装置は、複数の受信端末装置から受信する地震P波と地震S波の波形を比較し、受信端末装置に設定される通知ランクを修正することを特徴とする請求項5に記載の緊急地震速報システム。
  7. 地震発生時に、地震速報配信装置から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を含む緊急地震速報を、通信ネットワークを介して接続する複数の受信端末装置へ配信し、前記緊急地震速報を受信した受信端末装置が、地震情報から予測する前記受信端末装置の設置位置での予測強度と到達予測時刻を報知する緊急地震速報システムであって、
    各受信端末装置は、前記緊急地震速報を受信する受信部と、地震S波を検知可能な地震計と、地震計が検知した地震S波の観測時刻と観測位置を含む地震観測情報を通信ネットワークを介して地震速報配信装置へ送信する送信部と、受信端末装置毎に設定される地震速報配信装置への通知要件を記憶する通知要件記憶部と、送信部からの地震観測情報の送信を判定する送信判定部を備えるとともに、
    地震速報配信装置は、所定の通知要件を選択し、複数の受信端末装置から選択した通知要件を満たす受信端末装置群を指定する端末指定情報を、前記緊急地震速報に含めて配信する配信処理部と、複数の受信端末装置から受信した地震観測情報に基づいて、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析する地震解析処理部とを備え、
    各受信端末装置の送信判定部は、前記緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震S波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震S波を検知し、前記緊急地震速報に含まれる端末指定情報で選択した通知要件が、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、検知した地震S波に関する地震観測情報の送信を許可し
    地震観測情報を受信した地震速報配信装置は、端末指定情報で指定された受信端末装置群から受信する地震観測情報に基づいて、地震解析処理部が解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を地震情報とし、前記緊急地震速報に含めて複数の受信端末装置へ配信することを特徴とする緊急地震速報システム。
  8. 地震発生時に、地震速報配信装置から、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を表す地震情報を含む緊急地震速報を、通信ネットワークを介して接続する複数の受信端末装置へ配信し、前記緊急地震速報を受信した受信端末装置が、地震情報から予測する前記受信端末装置の設置位置での予測強度と到達予測時刻を報知する緊急地震速報システムであって、
    各受信端末装置は、前記緊急地震速報を受信する受信部と、地震P波を検知可能な地震計と、地震計が検知した地震P波の観測時刻と観測位置を含む地震観測情報を通信ネットワークを介して地震速報配信装置へ送信する送信部と、段階的に受信端末装置数が増加、若しくは減少する通知ランクのいずれかから、受信端末装置毎に設定される通知ランクを記憶する通知要件記憶部と、送信部からの地震観測情報の送信を判定する送信判定部を備えるとともに、
    地震速報配信装置は、複数の受信端末装置から受信した地震観測情報に基づいて、地震発生時刻、震源位置及び地震規模を解析する地震解析処理部を備え、
    各受信端末装置の送信判定部は、
    前記緊急地震速報を受信した場合に、前記緊急地震速報に含まれる地震情報の地震発生時刻からの経過時間若しくは震源位置からの距離、又は前記緊急地震速報に含まれる地震情報の精度から、地震観測情報の送信が許可される受信端末装置の通知ランクを求め、前記緊急地震速報に含まれる地震情報から予測する地震P波の到達予測時刻を含む到達予測時間内に地震P波を検知し、前記緊急地震速報から求めた通知ランクが、通知要件記憶部に記憶されていることを条件に、検知した地震P波に関する地震観測情報の送信を許可し
    地震観測情報を受信した地震速報配信装置は、前記緊急地震速報から求めた通知ランクで特定された受信端末装置群から受信する地震観測情報に基づいて、地震解析処理部が解析した地震発生時刻、震源位置及び地震規模を地震情報とし、前記緊急地震速報に含めて複数の受信端末装置へ配信することを特徴とする緊急地震速報システム。
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