JP2008249486A - S波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地震のP波による検知に代えて、各地に配置されているS波検知の地震計を活用することにより、地震のS波での検知を行い、地震予測の精度を向上させる、S波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法を提供する。
【解決手段】 S波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、計測対象地域に配置されている地震のS波検知のための地震計1〜3からのリアルタイムで値が変わる指標を中央地震観測装置4で受信し、前記計測対象地域における地震動分布情報を編集し、この地震動分布情報に基づいて、前記中央地震観測装置4から前記計測対象地域における前記S波が到達していないが、すぐに前記S波が到達すると推定される危険な施設5,6への通報を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 S波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、計測対象地域に配置されている地震のS波検知のための地震計1〜3からのリアルタイムで値が変わる指標を中央地震観測装置4で受信し、前記計測対象地域における地震動分布情報を編集し、この地震動分布情報に基づいて、前記中央地震観測装置4から前記計測対象地域における前記S波が到達していないが、すぐに前記S波が到達すると推定される危険な施設5,6への通報を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、既に各地に配置されている地震計を有効活用することができるS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法に関するものである。
従来、地震のP波による地震警報システムがある。この地震警報システムは主に新幹線に用いられている。
また、同様の技術として、気象庁からの緊急地震速報がある。これは在来線や私鉄に向けて導入が進んでいる(下記特許文献1参照)。
さらに、海岸検知点より線路までの地震波の到来とその警報システムについて下記非特許文献1に述べられている。
特開2002−277557号公報
「地震動早期検知警報システム」,中村 豊,斉藤 明夫,鉄道技術研究資料,37−7,pp.325
しかしながら、地震のP波による地震警報システムは、初期コストが大きいため在来線などに導入しにくいという欠点がある。更に、地震のP波を検知した地震の予測には、精度の面でも問題がある。つまり、地震のP波を検知して予測しても、それが外れることがある。
また、気象庁からの緊急地震速報は、通信障害あるいは気象庁のシステムトラブルが発生した場合、情報を得ることができないといった問題が考えられる。
また、海岸検知点より線路までの地震波の到来については研究されているが、各地震計からの情報を中央地震観測装置で統括し、S波を用いて警報用として地震動分布推定を行うことは実現されていない。
本発明は、上記状況に鑑みて、地震のP波による検知に代えて、各地に配置されているS波検知の地震計を活用することにより、地震のS波での検知を行い、地震予測の精度を向上させるS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕S波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、計測対象地域に配置されている地震のS波検知のための地震計からのリアルタイムで値が変わる指標を中央地震観測装置で受信し、前記計測対象地域における地震動分布情報を編集し、この地震動分布情報に基づいて、前記中央地震観測装置から前記計測対象地域における前記S波が到達していないが、すぐに前記S波が到達すると推定される危険な施設への通報を行うことを特徴とする。
〔1〕S波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、計測対象地域に配置されている地震のS波検知のための地震計からのリアルタイムで値が変わる指標を中央地震観測装置で受信し、前記計測対象地域における地震動分布情報を編集し、この地震動分布情報に基づいて、前記中央地震観測装置から前記計測対象地域における前記S波が到達していないが、すぐに前記S波が到達すると推定される危険な施設への通報を行うことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載のS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、前記S波が到達すると推定される危険な施設が警報出力先である施設であることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載のS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、前記地震計から前記中央地震観測装置が受ける情報は、鉄道用標準電文によることを特徴とする。
本発明によれば、各地に配置されている従来のS波を用いた地震計からの情報を活用して、中央地震観測装置がリアルタイムに地震動分布を編集して、S波が到達していないが、すぐにS波が到達すると推定される危険な施設へ通報することができる。
また、本発明の地震計測は、リアルタイムで指標(合成加速度など)を出力・送信するという、従来の地震計測の仕組みをベースにしているため、特段の改善は必要としない。S波による情報を収集する中央地震観測装置のみ追加することで本機能が実現できるため、費用対効果が大きく、それによってもたらされる効果は著大である。
本発明のS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法は、計測対象地域に配置されている地震のS波検知のための地震計からのリアルタイムで値が変わる指標を中央地震観測装置で受信し、前記計測対象地域における地震動分布情報を編集し、この地震動分布情報に基づいて、前記中央地震観測装置から前記計測対象地域における前記S波が到達していないが、すぐに前記S波が到達すると推定される危険な施設への通報を行う。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示すS波を用いたリアルタイム地震動分布推定の説明図、図2はそのS波を用いたリアルタイム地震動分布推定のための中央地震観測装置の概略構成図である。
この図において、1は第1の地震計、2は第2の地震計、3は第3の地震計、4は中央地震観測装置、5は鉄道路線、6は鉄道施設(例えば、鉄道車両への給電を行う変電所)である。
また、図2において、中央地震観測装置4は、アンテナ11、無線送受信装置12、中央処理装置13、記憶装置14、電源15を備えている。特に、記憶装置14には、中央地震観測装置4から通報を行うか否かを判断するための情報である計測対象地域の地盤や地形などの情報を記憶させておく。
この図において、地震計1〜3ではリアルタイムで値が変わる指標(例えば合成加速度やSI値)をそれぞれの計測対象地域で検出することができ、これらの指標が伝送できる鉄道用標準電文(例えば、鉄道総合研究所規定標準電文)によって中央地震観測装置4にそれぞれ送信できるように構成されている。
例えば、第1の地震計1では加速度250galで震度6、第2の地震計2では加速度3galで震度0.9、第3の地震計3では加速度0galで震度0と検出される。
このように、地震計1〜3ではリアルタイムで値が変わる指標(例えば合成加速度やSI値)をそれぞれ検出することができ、中央地震観測装置4では計測対象地域に配置されている地震計からそのリアルタイムで値が変わる指標を収集することができる。
したがって、中央地震観測装置4では、地震計が設置されている計測対象地域における地震動の揺れの大きさの分布情報を編集することができる。
そこで、その地震動の揺れの大きさの分布情報から推定して、S波が到達していないが、すぐにS波が到達すると推定される危険な施設、例えば鉄道路線5が敷設されており、鉄道施設6や、高速道路の管理事務所などに対して、早めに中央地震観測装置4から警報を送信し、防災に役立てようとするものである。
特に、中央地震観測装置4には、計測対象地域の地盤や地形などを中央地震観測装置4内の記憶装置に記憶させておくことにより、通報を行うべきか否かの判断に資することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明のS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法は、間もなく到来する地震動情報を警報すべき施設に的確に通信できるリアルタイム地震動分布推定方法として利用可能である。
1 第1の地震計
2 第2の地震計
3 第3の地震計
4 中央地震観測装置
5 鉄道路線
6 鉄道施設
11 アンテナ
12 無線送受信装置
13 中央処理装置
14 記憶装置
15 電源
2 第2の地震計
3 第3の地震計
4 中央地震観測装置
5 鉄道路線
6 鉄道施設
11 アンテナ
12 無線送受信装置
13 中央処理装置
14 記憶装置
15 電源
Claims (3)
- 計測対象地域に配置されている地震のS波検知のための地震計からのリアルタイムで値が変わる指標を中央地震観測装置で受信し、前記計測対象地域における地震動分布情報を編集し、該地震動分布情報に基づいて、前記中央地震観測装置から前記計測対象地域における前記S波が到達していないが、すぐに前記S波が到達すると推定される危険な施設への通報を行うことを特徴とするS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法。
- 請求項1記載のS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、前記S波が到達すると推定される危険な施設が警報出力先である施設であることを特徴とするS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法。
- 請求項1記載のS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法において、前記地震計から前記中央地震観測装置が受ける情報は、鉄道用標準電文によることを特徴とするS波を用いたリアルタイム地震動分布推定方法。
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