JP2005029009A - 鉄道用伝送レベル監視装置およびctc装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝送回線や伝送装置の稼動を停止しなくても伝送レベルを監視することができるようにする。
【解決手段】鉄道用の伝送回線30に接続されるとそれを介して電文の伝送を行う伝送回路72と、その接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路73と、電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定プログラム74aと、レベル検出回路73で得た一連の検出値に基づいて電文レベルを算出するとともに電文が自局向けのとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定プログラム74cと、付設先CTC駅装置40のアドレスを保持する自局アドレス設定部74bと、外部出力用の出力部75とを設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道用の伝送システムに好適な鉄道用伝送レベル監視装置に関する。
鉄道用伝送システムの典型例としてCTC装置(列車集中制御装置)が挙げられる。
詳しくは、電文の伝送レベルを監視するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道の列車運行管理システムでは(図5参照)、線区単位でCTC装置すなわち列車集中制御装置を設置し、その情報伝送機能を基礎として、ダイヤ管理等を行う情報処理系(EDP)や、自動進路制御等を行う進路制御系(PRC)が構築されている(例えば非特許文献1の第2頁〜第5頁を参照)。CTC装置(列車集中制御装置)は、CTCセンタに設置されたCTC中央装置と、各駅に分散して設置された多数のCTC駅装置と、CTCセンタと各駅とに亘って敷設されCTC中央装置とCTC駅装置とを情報伝送可能に繋ぐ通信ケーブル(伝送線、伝送回線)とを含むシステムである(例えば非特許文献1の第11頁〜第15頁を参照、特に第15頁の図2−7を参照)。
【0003】
CTC装置の上位に位置する情報処理系や進路制御系のコンピュータと表示制御盤とシステム監視装置は、LAN(Local Area Network)等からなる中央ループを介して、CTC中央装置と通信可能に接続されている(例えば非特許文献1の第3頁の図1−3を参照)。一方、CTC装置の下位に位置する信号機や電気転てつ機は、連動装置を介して、該当する駅のCTC駅装置と間接的に接続され、動作制御を受けるようになっている。軌道回路も連動装置を介してCTC駅装置と接続されており、駅等への列車の進入状況もCTC装置で把握できるようになっている(例えば非特許文献1の第11頁の図2−2や第35頁の図2−30を参照)。このようなCTC装置には1形から6形まで各種の伝送方式が規格化されているが(例えば非特許文献1の第8頁の表2−1を参照)、在来線では6形が主流なので、以下、6形を具体例にして、説明を進める。
【0004】
6形のCTC装置10は(図6(a)参照)、その伝送方式に対応しているCTC中央装置20と、同じ伝送方式に対応している通信ケーブル30と、各駅に分散して設置された複数・多数のCTC駅装置40とを具えている。通信ケーブル30には、より対線からなる伝送線が一つだけ含まれていることが多いが、複数含まれることもある。また、各CTC駅装置40には、通信ケーブル30を接続するためのコネクタ41と、通信ケーブル30を介してCTC中央装置20と通信するため同じ伝送方式に対応しているバイフェーズ伝送回路42と、外部の連動装置50に対するインターフェイス部である入出力ユニット45と、CTC中央装置20から通信ケーブル30とコネクタ41とバイフェーズ伝送回路42を介して指令を受けその指令に基づき入出力ユニット45を介して連動装置50に対する制御を行う論理回路43とが設けられている。
【0005】
論理回路43は、マイクロプロセッサ(MPU)が利用できるようになった時期に上記の伝送方式が規定されたので、マイクロプロセッサシステムを主体にしたデジタル回路で構成され、プログラムを記憶保持するROM(Read Only Memory)44を有することで、プログラム組込可能なものとなっており、そのプログラムにて上記の標準機能すなわち指令受信や制御を実行するようになっている。バイフェーズ伝送回路42は、送受信データをバイフェーズ符号でコード化して2400ボーで送受するものである(例えば非特許文献1の第24頁〜第25頁を参照)。
連動装置50には継電連動装置や電子連動装置があるが、連動装置50は入出力ユニット45を介して受けた制御信号等に従って信号機や電気転てつ機の動作制御を行うようになっている。
【0006】
このようなCTC装置10において鉄道用伝送回線をなす通信ケーブル30を介して伝送される電文は(図6(b)参照)、宛先アドレスや発信元アドレスを含んだヘッダー部分と、動作指令などのコマンドや連絡情報などのデータ等を含んだボディ部分と、図示しないCRC等の冗長部分とからなる可変長のものである。本明細書では、電文が伝送されているときの信号レベル・伝送レベルを電文レベルと呼び、電文が伝送されていないときの電圧レベル・伝送レベルをノイズレベルと呼ぶ。鉄道用伝送回線の規格に則って(図6(c)参照)、伝送装置であるCTC中央装置20やCTC駅装置40による伝送は時分割で行われるため、電文の送受信の間には、電文伝送波形の無い時間すなわち休止期間が存在する。また、何れかの伝送装置20,40が送信した電文は通信ケーブル30に接続された総ての伝送装置20,40に届くので、自装置(自局)向けばかりか自装置とは関係の無い他の伝送装置(他局)宛ての電文も受信することとなる。
【0007】
このような鉄道用伝送回線に係る伝送レベルを確認するには、全システムの稼動を停止した状態で、又は対象CTC装置を稼動システムから切り離して動作を停止させた状態で、該当する伝送回線におけるノイズレベルを測定していた。また、その状態で、所定のテスト信号を伝送させて、電文レベルを測定していた。これにより、伝送回線の伝送性能が検査され、適正であると判断されれば、それに接続されている各伝送装置が稼動を開始する。CTC中央装置20もCTC駅装置40も、電文送信を規定の出力レベルで正常な通信ケーブル30に対して行えば、規定の入力レベルで電文を受信することができるようになっている。ちなみに、6形で規定されている出力レベルは0.77V以上であり、同じく入力レベルは0.034V以上である。
【0008】
【非特許文献1】
「鉄道技術者のための電気概論 信号シリーズ6 CTC・PRC 三版」(社)日本鉄道電気技術協会、平成8年2月20日、p.1−73
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、鉄道用伝送回線の伝送レベル確認が、従来手法では、稼動停止状態で行うようになっているため、列車を営業運転しているような時間帯には、実施したくても実施できなかった。このため、電文の送受信に不調をきたしたときには、電文の受信等に不具合のあるCTC駅装置等の伝送装置が先ず疑われて、疑わしい伝送装置を次々に交換するといった対策がとられ、不具合の原因が伝送回線に有った場合には、原因の発見も障害の除去も、多大な徒労の後、大きく遅れて行われる。
【0010】
しかしながら、CTC装置等は列車の円滑な運行に大きな役割を果たしているで、交換可能な伝送装置の不具合に限らず、伝送回線の不具合も、迅速に見つけださなければならない。また、鉄道分野では伝送回線と伝送装置とで担当部隊が異なるのが通例なので、不具合が何れに有るのかを早期に切り分けることが重要である。そこで、伝送回線や伝送装置の稼動を停止しなくても伝送レベルを監視することができるような手段を講じることが課題となる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、接続個所の伝送レベルを監視する鉄道用伝送レベル監視装置を実現することを目的とする。また、本発明は、通信ケーブルに接続されたCTC中央装置やCTC駅装置がそれぞれの接続部位における伝送レベルを監視することができるCTC装置を実現することも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第5の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0012】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置は、出願当初の請求項1に記載の如く、鉄道用の伝送回線に接続されるとそれを介して電文の伝送を行う伝送回路と、その接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路と、前記電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定手段と、前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいて前記電文に係る電文レベルを算出するとともに前記電文が自局向けのとき常に又は更なる追加条件も満たしたとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定手段とを備えたものである。
【0013】
このような第1の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置にあっては、接続部位での伝送レベルが随時検出されるとともに、電文の伝送があるとそのときの一連の伝送レベルが一の電文レベルに纏められて、電文が自局向けのとき等には電文レベルが出力される。
これにより、伝送回線も伝送装置も稼動を継続したままで伝送装置がどのような入力レベルで電文を受信したかを確認できるようになる。このように通常動作状態で電文レベルの監視を行うことができるため、停止することができない伝送装置でも常時監視することができる。規定の入力レベル以上で電文を受信することができたか否かを確認できるようになるばかりか、電文レベルが規定の入力レベル以上であってもその近くまで低下していることも確認できるようになるので、予防保全を容易に行うことができる。
したがって、この発明によれば、接続個所の電文レベルを監視する鉄道用伝送レベル監視装置を実現することができる。
【0014】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置は、上記の第1の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置をCTC駅装置に内蔵したものであり、具体的には、出願当初の請求項2に記載の如く、鉄道用の伝送回線に接続されるとそれを介して電文の伝送を行う伝送回路と、その接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路と、外部の連動装置に対するインターフェイス部と、前記電文にて指令を受けて前記インターフェイス部を介して制御処理を行うCTC駅装置の標準機能プログラムと前記電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定プログラムと前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいて前記電文に係る電文レベルを算出するとともに前記電文が自局向けのとき常に又は更なる追加条件も満たしたとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定プログラムとが組み込まれた論理回路とを備えたものである。
【0015】
このような第2の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置すなわちCTC駅装置にあっては、接続個所の伝送レベルを監視する機能がCTC駅装置に付加されるが、その際に、伝送回路が共用される。電文の宛先を検知する手段も共用できる。これにより、少ない追加部材で伝送レベル監視の機能をCTC駅装置に持たせることが可能となる。
したがって、この発明によれば、接続個所の電文レベルを監視するCTC駅装置を安価に実現することができる。
【0016】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置は、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の第1,第2の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置であって、電文伝送の終了後に来る休止期間に前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいてノイズレベルを算出するノイズレベル算定手段を備えたものである。
【0017】
このような第3の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置にあっては、電文伝送の終了を契機にしてその後の休止期間が検知され、その休止期間における一連の伝送レベルが測定されて一のノイズレベル値に纏められるので、電文伝送の終了後に休止期間が来るという鉄道用の伝送規格に基づいてノイズレベルが的確に算定される。
したがって、この発明によれば、接続個所の電文レベルもノイズレベルも的確に監視しうる鉄道用伝送レベル監視装置を実現することができる。
【0018】
[第4の解決手段]
第4の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置は、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の第1〜第3の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置であって、前記電文が自局から他局への送信電文であるときには前記電文レベルを自局レベル記憶値として記憶保持する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であるときには前記電文レベルについて不足か否かの判定を行う手段と、それが不足のとき前記電文の発信元にレベル要求の別電文を送信する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求のものであるときには前記自局レベル記憶値を返信するレベル通知手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求に対する返信であるときにはその返信値を出力の対象とするレベル転記手段と備えたものである。
【0019】
このような第4の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置にあっては、他局からのレベル要求に備えて自局からの電文の出力レベルが保持される一方、受信電文の入力レベルが不足のときには発信元にレベル要求が出され、それに応じて発信元が出力レベルを返信して来たときにはその返信値が出力される。
これにより、受信側の伝送装置のところに居ながらにして、そこでの電文入力レベルばかりか、その電文が発信されたときの出力レベルまでも、確認することが可能となる。
したがって、この発明によれば、電文レベルを監視して送受の伝送装置とその間の伝送回線との何れに不具合が有るかを一個所で容易に判断しうる鉄道用伝送レベル監視装置を実現することができる。
【0020】
[第5の解決手段]
第5の解決手段のCTC装置(列車集中制御装置)は、上記の第1〜第4の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置を組み込んだものであり、特に第4の解決手段の鉄道用伝送レベル監視装置は複数台が組み込まれている。具体的には、出願当初の請求項5に記載の如く、CTCセンタに設置されたCTC中央装置と、駅毎に設置された多数のCTC駅装置と、これらを電文伝送可能に接続している通信ケーブルとを備えたCTC装置において、前記CTC中央装置および前記CTC駅装置のうち何れか複数のもの各々に、前記通信ケーブルとの接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路と、前記通信ケーブルを介して伝送された電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定手段と、前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいて前記電文に係る電文レベルを算出するとともに前記電文が自局向けのとき常に又は更なる追加条件も満たしたとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定手段と、電文伝送の終了後に来る休止期間に前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいてノイズレベルを算出するノイズレベル算定手段と、前記電文が自局から他局への送信電文であるときには前記電文レベルを自局レベル記憶値として記憶保持する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であるときには前記電文レベルについて不足か否かの判定を行う手段と、それが不足のとき前記電文の発信元にレベル要求の別電文を送信する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求のものであるときには前記自局レベル記憶値を返信するレベル通知手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求に対する返信であるときにはその返信値を出力の対象とするレベル転記手段とが具備されている、というものである。
【0021】
このような第5の解決手段のCTC装置にあっては、列車を運行しながらCTC中央装置やCTC駅装置の接続個所の電文レベルもノイズレベルも的確に監視することができるうえ、受信電文の入力レベルが不足しているときには電文発信元の出力レベルも受信側で出力されるので、CTC中央装置やCTC駅装置のうち送受信を行った一組の装置とその間の伝送回線との何れに不具合が有るかを一個所で容易に判断することまで可能となる。
これにより、遠く離れたセンタや駅を行き来したり、複数人が分散して連絡しながら共同で作業を行わなくても、容易かつ的確に、CTC中央装置が不調なのか、何処のCTC駅装置が不調なのか、それとも通信ケーブルに不具合があるのか、判断することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第3実施例により説明する。
図1に示した第1実施例は、上述した第1の解決手段を具現化したものであり、図2に示した第2実施例は、上述した第2,第3の解決手段を具現化したものであり、図3,図4に示した第3実施例は、上述した第4,第5の解決手段を具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
【0023】
【第1実施例】
本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1(a)は、CTC装置(列車集中制御装置)のブロック図、図1(b)は、電文レベル算定のフローチャート、図1(c)は、レベル測定対象電文の波形例である。
【0024】
このCTC装置60が既述した従来のCTC装置10と相違するのは、伝送レベルを監視したいCTC駅装置40のところに鉄道用伝送レベル監視装置70が設置されている点である。
鉄道用伝送レベル監視装置70は(図1(a)参照)、中継コネクタ71とバイフェーズ伝送回路72と伝送レベル検出回路73と論理回路74と出力部75とを備えており、CTC駅装置40とは別体に纏められている。
【0025】
中継コネクタ71は、通信ケーブル30とCTC駅装置40との接続個所への挿抜が簡単に行えるよう、CTC駅装置40のコネクタ41の相方コネクタと、コネクタ41と同形のコネクタと、両者の接続線から分岐した分岐線とを具えており、介挿状態では、通信ケーブル30とCTC駅装置40との間で信号を双方向に通過させるとともに、その通過信号を分岐線経由でバイフェーズ伝送回路72と伝送レベル検出回路73へ送り込むようになっている。
【0026】
バイフェーズ伝送回路72は、既述したバイフェーズ伝送回路42と同じで良いが、この例では送信を行わないので受信に必要な回路部分が有れば足りる。
伝送レベル検出回路73は、中継コネクタ71を利用して通信ケーブル30に接続された部位での伝送レベルを随時検出するために、ボーレート2400の信号に係る包絡線波形を得る検波回路またはローパスフィルタと、それを一定周期で例えば13μs毎にサンプリングしてデジタル化するA/D変換器とを具えている。
【0027】
論理回路74は、論理回路43同様、マイクロプロセッサを主体としたデジタル回路であり、バイフェーズ伝送回路72で受信した電文を受け取ってその電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定プログラム74aと、伝送レベル検出回路73で次々サンプリングして得られたデジタル値すなわち一連のレベル検出値に基づいて受信電文に係る電文レベルを算出するとともにその電文が自局向けのとき算出結果の電文レベル値を出力部75に送出する電文レベル算定プログラム74cとがインストールされている。電文宛先の確認に用いる自局アドレスとして、付設先のCTC駅装置40のアドレスが必要なので、その設定と保持を可能とする自局アドレス設定部74bも設けられている。これは、多値のDIPスイッチや、書き換え可能な不揮発性メモリ等で、具体化される。
【0028】
電文レベル算定プログラム74cの内容を詳述すると(図1(b)参照)、電文の受信開始から1ms経過するの待ち、その後は、伝送レベル検出回路73のサンプリングの度に、伝送レベル検出回路73からレベル検出値を入力して、それをメモリに蓄積するとともに、測定時間を一周期分だけ増やして更新する。これを受信終了まで繰り返して、その後、蓄積したレベル検出値から最後の1ms分は除外して、残りのレベル検出値から平均レベルを算出して電文レベル算定値(算出結果)とする。そして、その電文の宛先が自局向けであったか否かの判定結果をアドレス判定プログラム74aから受け取って、自局向けのときは上記の電文レベル算定値を出力部75に送出するようになっている。その際、アドレス判定プログラム74aから発信元アドレスも受け取れたら、それも一緒に送出するようにすると良い。他局向けのときは出力しないようになっている。
【0029】
なお、電文レベル算定値の出力は、自局向けを総て出力しても良いが、更なる追加条件を課してそれも満たすときに行うようにしても良い。例えば、規定の入力レベルに達しないときだけ、又は規定の入力レベルに近い所定の閾値に達しないときだけ、出力するようにしても良い。
出力部75は、外部出力のためのインターフェイス回路であり、図示は割愛したが、ディスプレイ等の表示器や、データロガー等の記憶機器、レコーダ等の記録機器、プリンタ等の印刷機器、アラームブザー等の音響機器など、何れか又は幾つか適宜の出力装置が接続されている。
【0030】
この第1実施例の鉄道用伝送レベル監視装置70およびCTC装置60について、その使用態様及び動作を説明する。
【0031】
先ず、伝送レベルを監視したいCTC駅装置40のところに鉄道用伝送レベル監視装置70を設置する。その作業は、CTC装置60が一時停止しても不都合の無い夜間等に、監視対象CTC駅装置40のコネクタ41を通信ケーブル30から一旦外してそこに中継コネクタ71を挟み込んで接続しなおす等のことで、容易に行える。中継コネクタ71は介挿先の接続部位で信号を通過させるので、鉄道用伝送レベル監視装置70の設置がCTC駅装置40や通信ケーブル30の機能を損なうことは無く、CTC装置60は列車集中制御のため鉄道用伝送レベル監視装置70付設前と同様に動作する。
【0032】
そして、伝送回線をなす通信ケーブル30に電文が送出されると、それは監視対象CTC駅装置40に伝送されるとともに、同時かつ同レベルで、鉄道用伝送レベル監視装置70にも伝送される。そして(図1(c)参照)、受信した電文波形のうち両端1ms分ずつを除いた中間の電文レベル測定時間Taにおける伝送レベルが平均化され、一つの電文レベル算定値に纏められる。これにより、的確な電文レベルが安定して得られる。
【0033】
さらに、その電文が自局向けのときには、少なくとも自局向けであって規定の入力レベルに達していないときには、出力部75に接続された出力装置に電文レベルが出力される。こうして、CTC装置60の稼動中にも随所で電文レベルの監視が行われ、不要な電文レベル算定値(算出結果)は捨てる精選処理も行われる。そのため、出力部75経由の出力があればそれに基づいて速やかに伝送障害を発見したり予測したり更には対策を施すことができる。
【0034】
【第2実施例】
本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置の第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図2(a)は、CTC駅装置のブロック図、図2(b)は、ノイズレベル算定のフローチャート、図2(c)は、レベル測定対象の交信電文の波形例である。
【0035】
このCTC駅装置80が上述したCTC駅装置40と相違するのは、上述した鉄道用伝送レベル監視装置70が組み込まれて一体化している点である。
具体的には(図2(a)参照)、CTC駅装置40に設けられていたコネクタ41とバイフェーズ伝送回路42と入出力ユニット45に加えて、鉄道用伝送レベル監視装置70に設けられていた伝送レベル検出回路73と出力部75も、一の筐体に内蔵されている。バイフェーズ伝送回路72は追加されず、伝送レベル検出回路73はバイフェーズ伝送回路42がコネクタ41を介して通信ケーブル30に接続される部位での伝送レベルを随時検出するようになっている。
【0036】
論理回路43は、伝送レベル検出回路73や出力部75にも接続されて、論理回路81になっているが、基本的には同じマイクロプロセッサ主体のデジタル回路で構成されている。論理回路81には、上述した電文レベル算定プログラム74cに加えて、ノイズレベル算定プログラム81bも、インストールされている。ROM44も既存の標準機能プログラムが一部拡張されてROM81aになっている。具体的には、電文受信時に標準の処理を行うのに加えて、アドレス判定プログラム74aの処理もついでに行うように改造されている。
【0037】
電文レベル算定プログラム74cは上述したのと同じなので、ノイズレベル算定プログラム81bを詳述すると(図2(b)参照)、これは、電文伝送の終了後に来る休止期間に伝送レベル検出回路73で得た一連の検出値に基づいてノイズレベルを算出するものであるが、そのため具体的には、電文伝送の完了によって休止期間の開始を検知すると、1msほど経過するの待ち、その後は、伝送レベル検出回路73のサンプリングの度に、伝送レベル検出回路73からレベル検出値を入力して、それをメモリに蓄積する。これをノイズレベル測定時間Tbが経過するまで繰り返し、その後、蓄積したレベル検出値から平均レベル若しくは最大レベルを算出してノイズレベル算定値とする。ノイズレベル測定時間Tbは5msである。そして、そのノイズレベル算定値が正常か異常かを判定して、異常のときは例えばノイズレベル算定値が0.01Vを超えたときはノイズレベル算定値を出力部75に送出するようになっている。
【0038】
この場合、CTC駅装置40を修理や保守などの適宜タイミングで交換して代わりにCTC駅装置80を通信ケーブル30に接続しておく。これにより、無理なく監視部位を増やすことができる。CTC駅装置80を設置しても、CTC駅装置の標準機能は維持されているので、列車集中制御のための通常動作は、CTC駅装置40が設置されていたときと同じく正常に行われる。
また、追加部分によって、上述した鉄道用伝送レベル監視装置70付設時と同様、伝送レベルの監視も行われる。すなわち、伝送回線をなす通信ケーブル30に電文が送出されると、通信ケーブル30との接続部位におけるCTC駅装置80での電文レベルが算定され、必要であればその算定値が出力される。これは上述したように電文レベル算定プログラム74cの実行によって行われる。
【0039】
さらに、ノイズレベル算定プログラム81bの実行によって、ノイズレベルの算定も行われる。すなわち、電文伝送後の休止期間に入って、伝送回線の状態が落ち着いた時点から、ノイズレベル測定時間Tbを掛けて、伝送レベルが測定され、それが一つのノイズレベル算定値に纏められる。これにより、ノイズレベルも的確かつ安定に得られる。そして、その値が異常なときは、出力部75に接続された出力装置にノイズレベルが出力される。こうして、CTC装置の稼動中にも随所で電文レベルの監視ばかりかノイズレベルの監視も行われる(図2(c)参照)。そのため、出力部75経由の出力があればそれに基づいて速やかに伝送障害を発見したり予測したり更には対策を施すことができる。
【0040】
【第3実施例】
本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置の第3実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図3(a)は、CTC駅装置のブロック図、図3(b)は、電文レベル判定のフローチャート、図4(a)は、CTC装置(列車集中制御装置)のブロック図である。
【0041】
このCTC駅装置90が上述したCTC駅装置80と相違するのは、論理回路81及びROM81aが機能拡張されて論理回路91及びROM91aになっている点である。
機能拡張は(図3(a)参照)、プログラムの追加インストールとメモリの追加割付で実現されており、具体的には、自局レベル記憶領域91cがメモリに確保されるとともに、レベル通知プログラムとレベル転記プログラムと電文レベル判定プログラム91bが追加されている。
【0042】
電文レベル判定プログラム91bは(図3(b)の右側部分を参照)、標準機能プログラムで処理した電文のアドレスや電文レベル算定プログラム74cで算出した電文レベルを監視していて、電文の伝送が有ったとき、その電文が自局から他局への送信電文であるときには、そのときの電文レベルを自局レベル記憶値として自局レベル記憶領域91cに記憶し、さらに、その電文レベルが規定の出力レベルに達していないような異常時にはその電文レベル値をアラームと共に出力部75に送出するようになっている。
【0043】
また、電文レベル判定プログラム91bは(図3(b)の左側部分を参照)、電文が他局から自局宛てで而もその受信電文にレベル不足等の異常があったときには、具体的には電文レベルが規定の入力レベルや所定の閾値に達していないときには、アラーム出力に加えて、レベル要求の電文送信も行う。この電文は、レベル要求ために追加規定された専用電文であり、先の受信電文とは別に作って、受信電文の発信元に宛てて送信する。その際、標準機能プログラムの送信サブルーチンを利用する等のことで、列車集中制御の通常の伝送動作を妨げたりしないようになっている。
【0044】
レベル通知プログラムは、そのようなレベル要求の電文が他局から自局宛てに届いたときに実行されるよう、標準機能プログラムを拡張する態様で、インストールされている。そして、実行時には、自局レベル記憶領域91cに記憶保持されている自局レベル記憶値を読み出して、これを含ませたレベル通知電文を作成し、この電文を要求元の他局へ返信するようになっている。
レベル転記プログラムは、そのようなレベル通知電文が他局から自局宛てに届いたときに実行されるよう、やはり標準機能プログラムを拡張する態様で、インストールされている。そして、実行時には、レベル通知電文を自局の出したレベル要求に対する返信であることを確認して、そのレベル通知電文に含まれている返信値を返信局のアドレスと共に出力部75に送出するようになっている。
【0045】
CTC装置100は(図4(a)参照)、通信ケーブル30を介してCTC中央装置20と多数のCTC駅装置40とが電文伝送可能に接続されていたCTC装置10の状態から、一部のCTC駅装置40に鉄道用伝送レベル監視装置70が付設されてCTC装置60の状態となり、さらに、一部のCTC駅装置40がCTC駅装置80で置換され、一部のCTC駅装置40がCTC駅装置90で置換されたものである。鉄道用伝送レベル監視装置70や,CTC駅装置40,80はゼロも含めて何台でも良いが、CTC駅装置90は2台以上が導入されているものとする。
【0046】
このような第3実施例の鉄道用伝送レベル監視装置70,CTC駅装置80,90,及びCTC装置100について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図4(b),(c)は何れも交信例のダイヤグラムであり、そのうち(b)は、CTC駅装置90同士の交信例、(c)は、CTC駅装置90と他装置40,70,80との交信例である。
【0047】
この場合、CTC中央装置20及び何れのCTC駅装置40,80,90でも通信ケーブル30を介して電文が送受され、列車集中制御のための通常動作が継続して行われる。また、鉄道用伝送レベル監視装置70を付設されたCTC駅装置40と、鉄道用伝送レベル監視装置70相当機能を付加されたCTC駅装置80と、更なる拡張機能を付加されたCTC駅装置90では、上述した電文レベルの監視が行われる。さらに、CTC駅装置80,90では、上述したノイズレベルの監視も行われる。
【0048】
そして(図4(b)参照)、或るCTC駅装置90で、他のCTC駅装置90から受信した例えば列車情報の電文に、レベル不足の異常が検知されると、その異常レベルで電文を受信したCTC駅装置90でアラームや電文レベルが出力されるとともに、当該CTC駅装置90から、その電文の発信元である他のCTC駅装置90へ、レベル要求の電文が送られる。そして、そのレベル要求が他のCTC駅装置90に届くと、他のCTC駅装置90で先の電文送信時に記憶保持されていた自局レベル記憶値がレベル通知の電文に含められ、この電文が他のCTC駅装置90から当該CTC駅装置90に返信される。これを当該CTC駅装置90が受信すると、そこで返信値が出力される。こうして、CTC駅装置90同士の送受信であれば、受信側の駅に居ながらにして、そこの入力レベルばかりか、離れている他の駅での出力レベルも、確認することができる。
【0049】
一方(図4(c)参照)、或るCTC駅装置90で、他のCTC駅装置40,80から受信した例えば列車情報の電文に、レベル不足の異常が検知されると、その異常レベルで電文を受信したCTC駅装置90でアラームや電文レベルが出力されるとともに、当該CTC駅装置90から、その電文の発信元である他のCTC駅装置90へ、レベル要求の電文が送られる。ここまでは上述したのと同じであるが、発信元の装置の機能が異なるので、そのレベル要求が他のCTC駅装置40,80や鉄道用伝送レベル監視装置70に届いても、返信は無い。返信が無ければ、CTC駅装置90は、その電文に関しては、それ以上の処理を行うことが無いので、CTC駅装置80と同様に機能する。こうして、CTC駅装置90は、CTC駅装置80,40や鉄道用伝送レベル監視装置70と混在して設置されていても、何ら不都合なく、伝送レベル監視の役目を果たす。列車集中制御のための通常動作に関しても、CTC装置100はCTC装置10,60と同じく動作する。
【0050】
【その他】
なお、上記の各実施例では、ノイズレベルの監視機能や発信元へのレベル要求機能がCTC駅装置80やCTC駅装置90に付加されていたが、これらの機能は、鉄道用伝送レベル監視装置70に付加しても良い。
また、上記の各実施例で挙げた1ms等の数値例は、一例にすぎないので、実用化に際して適宜変更しても良い。
さらに、上記の各実施例においてプログラムで具現化されていた各手段は、その一部または全部の機能をワイヤードロジック等で具現することも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の鉄道用伝送レベル監視装置にあっては、電文の受信と電文レベルの算定とを行って自局向け電文の電文レベルが出力されるようにしたことにより、稼動を停止しなくても接続個所の電文レベルを監視しうる鉄道用伝送レベル監視装置を実現することができたという有利な効果が有る。また、接続個所の電文レベルを監視するCTC駅装置を安価に実現することができる。さらに、ノイズレベルも的確に監視することができる。また、発信元の出力レベルまで出力されるようにもしたことにより、電文レベルを監視して送受の伝送装置とその間の伝送回線との何れに不具合が有るかを一個所で容易に判断することができる。
【0052】
また、本発明のCTC装置(列車集中制御装置)にあっては、列車運行中でも電文レベル・ノイズレベルを的確に監視することができるうえ、受信電文の入力レベルが不足しているときには、センタや駅の一個所で容易かつ的確に、CTC中央装置とCTC駅装置と通信ケーブルの何れに不具合があるのかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置の第1実施例について、(a)がCTC装置(列車集中制御装置)のブロック図、(b)が電文レベル算定のフローチャート、(c)がレベル測定対象電文の波形例である。
【図2】本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置の第2実施例について、(a)がCTC駅装置のブロック図、(b)がノイズレベル算定のフローチャート、(c)がレベル測定対象の交信電文の波形例である。
【図3】本発明の鉄道用伝送レベル監視装置およびCTC装置の第3実施例について、(a)がCTC駅装置のブロック図、(b)が電文レベル判定のフローチャートである。
【図4】(a)がCTC装置のブロック図、(b)及び(c)が交信例のダイヤグラムである。
【図5】列車運行管理システムの概要ブロック図である。
【図6】(a)がCTC装置のブロック図、(b)が一電文の波形例、(c)が交信電文の波形例である。
【符号の説明】
10…CTC装置(列車集中制御装置)、
20…CTC中央装置、
30…通信ケーブル(伝送線、伝送回線)、
40…CTC駅装置、
41…コネクタ、42…バイフェーズ伝送回路、
43…論理回路、44…ROM、45…入出力ユニット、
50…連動装置、
60…CTC装置(列車集中制御装置)、
70…鉄道用伝送レベル監視装置、
71…中継コネクタ、72…バイフェーズ伝送回路、
73…伝送レベル検出回路、74…論理回路、
74a…アドレス判定プログラム、
74b…自局アドレス設定部、
74c…電文レベル算定プログラム、75…出力部、
80…CTC駅装置(鉄道用伝送レベル監視装置)、
81…論理回路、81a…ROM、
81b…ノイズレベル算定プログラム、
90…CTC駅装置(鉄道用伝送レベル監視装置)、
91…論理回路、91a…ROM、
91b…電文レベル判定プログラム、
91c…自局レベル記憶領域、
100…CTC装置(列車集中制御装置)

Claims (5)

  1. 鉄道用の伝送回線に接続されるとそれを介して電文の伝送を行う伝送回路と、その接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路と、前記電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定手段と、前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいて前記電文に係る電文レベルを算出するとともに前記電文が自局向けのとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定手段とを備えている鉄道用伝送レベル監視装置。
  2. 鉄道用の伝送回線に接続されるとそれを介して電文の伝送を行う伝送回路と、その接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路と、外部の連動装置に対するインターフェイス部と、前記電文にて指令を受けて前記インターフェイス部を介して制御処理を行うCTC駅装置の標準機能プログラムと前記電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定プログラムと前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいて前記電文に係る電文レベルを算出するとともに前記電文が自局向けのとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定プログラムとが組み込まれた論理回路とを備えている鉄道用伝送レベル監視装置。
  3. 電文伝送の終了後に来る休止期間に前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいてノイズレベルを算出するノイズレベル算定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された鉄道用伝送レベル監視装置。
  4. 前記電文が自局から他局への送信電文であるときには前記電文レベルを自局レベル記憶値として記憶保持する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であるときには前記電文レベルについて不足か否かの判定を行う手段と、それが不足のとき前記電文の発信元にレベル要求の別電文を送信する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求のものであるときには前記自局レベル記憶値を返信するレベル通知手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求に対する返信であるときにはその返信値を出力の対象とするレベル転記手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された鉄道用伝送レベル監視装置。
  5. CTCセンタに設置されたCTC中央装置と、駅毎に設置された多数のCTC駅装置と、これらを電文伝送可能に接続している通信ケーブルとを備えたCTC装置において、前記CTC中央装置および前記CTC駅装置のうち何れか複数のもの各々に、前記通信ケーブルとの接続部位での伝送レベルを随時検出するレベル検出回路と、前記通信ケーブルを介して伝送された電文の宛先が自局か否かを判定するアドレス判定手段と、前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいて前記電文に係る電文レベルを算出するとともに前記電文が自局向けのとき算出結果を出力の対象とする電文レベル算定手段と、電文伝送の終了後に来る休止期間に前記レベル検出回路で得た一連の検出値に基づいてノイズレベルを算出するノイズレベル算定手段と、前記電文が自局から他局への送信電文であるときには前記電文レベルを自局レベル記憶値として記憶保持する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であるときには前記電文レベルについて不足か否かの判定を行う手段と、それが不足のとき前記電文の発信元にレベル要求の別電文を送信する手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求のものであるときには前記自局レベル記憶値を返信するレベル通知手段と、前記電文が他局から自局への受信電文であってレベル要求に対する返信であるときにはその返信値を出力の対象とするレベル転記手段とを具備していることを特徴とするCTC装置。
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