JP2008095801A - 摺動部のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸部材と筒部材との円滑な移動を確保しつつ気体バネの圧力漏れを阻止することが可能な摺動部のシール構造を提供する。
【解決手段】筒部材1と該筒部材1内に移動自在に挿入される軸部材2との間に設けられ筒部材1の外方もしくは軸部材1と筒部材2との間に設けられる気体室をシールする摺動部のシール構造において、筒部材1と軸部材2との間に第1のシール部材3と第2のシール部材4とを直列に配置するとともに、該第1のシール部材3と第2のシール部材4との間に潤滑液体Lが封入されるチャンバ室5を設けてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、摺動部のシール構造に関する。
この種摺動部のシール構造は、たとえば、外周側に筒状の気体バネを備えた油圧緩衝器に見ることができる。このような油圧緩衝器を例として説明すれば、油圧緩衝器の外周部を気体バネの内壁とし、気体バネの外壁は、油圧緩衝器のシリンダに取付けたエアピストンと、油圧緩衝器のピストンロッドの先端に取付けたエアチャンバと、エアピストンとエアチャンバとを連結するダイヤフラムとで形成され、上記油圧緩衝器のシリンダとピストンロッドとの間に摺動部のシール構造が適用されている。
そして、具体的には、このような摺動部のシール構造としては、シリンダの内周側に固定された環状のロッドガイドの内周側あるいは環状のインサートメタルの内周側に一体化とされたオイルシールを備えており、このオイルシールによってピストンロッドとシリンダと一体化されるロッドガイドとの間の摺動部をシールするようにしている。
このような油圧緩衝器の外周で気体バネの内壁を形成する場合、油圧緩衝器のシリンダ内の圧力は大気圧に比較して高圧であり、気体バネ内の圧力に対しても大気圧ほどの差が無いことから、一般的には、油圧緩衝器における摺動部のシール構造は、気体バネを有していない油圧緩衝器のそれと同様の構成を採用するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003−42215号公報(図1)
油圧緩衝器の場合には、上述したように、ピストンロッドとシリンダとの間のシールには気体バネを備えていない油圧緩衝器と同様の一般的なシール構造を採用することができるのであるが、緩衝器が動作原理を異とする電磁緩衝器となる場合には、以下の点で問題がある。
ここで、電磁緩衝器は、たとえば、特開2005−140144号公報に見られるように、送り螺子機構等の直線運動を回転運動に変換する運動変換機構と、回転運動が伝達されるモータとを備えて構成され、この電磁緩衝器内に気体バネを形成する場合、気体バネの外壁は、モータ側に連結される中空な軸部材と、運動変換機構のうち直線運動を呈する直動部材となるボール螺子ナット側に連結される筒部材となり、この軸部材と筒部材との間の摺動部をシールすることになる。
なお、電磁緩衝器の外周に筒状の気体バネを形成する場合には、気体バネの内壁が、上記軸部材と筒部材ということになり、いずれにせよ、上記軸部材と筒部材との間をシールすることが必要となる。
このように、電磁緩衝器は、減衰力発生源をモータが出力するトルクとしていることから、気体バネを緩衝器内に設置する場合および緩衝器外に設置する場合のいずれかに関わらず、軸部材と筒部材との間に設けられるシールの一方側には気体バネ内の高圧が作用し、他方側には大気圧が作用することから、気体バネ内を密封状態に維持するためには、シールの緊迫力を大きくしておく必要がある。
加えて、電磁緩衝器の場合、内部に作動油等の液体を内包しておらず、かつ、軸部材あるいは筒部材の内方に運動変換機構を収納しているので軸部材と筒部材の直径が大きくなることから、このような電磁緩衝器の軸部材と筒部材との間をシールすると、摺動抵抗が大きく、電磁緩衝器の円滑な伸縮を著しく妨げることになる。
そこで、本発明は、上記の不具合を勘案して創案されたものであって、その目的とするところは、軸部材と筒部材との円滑な移動を確保しつつ気体バネの圧力漏れを阻止することが可能な摺動部のシール構造を提供することである。
上記した目的を達成するため、筒部材と該筒部材内に移動自在に挿入される軸部材との間に設けられ筒部材の外方もしくは軸部材と筒部材との間に設けられる気体室をシールする摺動部のシール構造において、筒部材と軸部材との間に第1のシール部材と第2のシール部材とを直列に配置するとともに、該第1のシール部材と第2のシール部材との間に潤滑液体が封入されるチャンバ室を設けてなることを特徴とする。
この摺動部のシール構造によれば、第1のシール部材および第2のシール部材の緊迫力を一つのシール部材でシールする場合に比較して小さく設定しても気体室の気体の漏洩を防止することが可能であることに加えて、チャンバ室内の潤滑液体による潤滑効果によって、筒部材と軸部材との円滑な移動を確保しつつ気体室内の圧力漏れを阻止することが可能となるのである。
そして、筒部材と軸部材との円滑な移動を確保しつつ気体室内の圧力漏れを阻止することが可能となるので、筒部材および軸部材の直径が大径となることが不可避な摺動部のシール部位に適する。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における摺動部のシール構造の縦断面図である。図2は、一実施の形態における摺動部のシール構造が適用された電磁緩衝器の縦断面図である。
図1に示すように、一実施の形態における摺動部のシール構造Sは、筒部材1と、該筒部材1内に移動自在に挿入される軸部材2との間に設けられており、筒部材1と軸部材2との間に直列に設けた第1のシール部材3と第2のシール部材4と、該第1のシール部材3と第2のシール部材4との間に設けたチャンバ室5とを備えて構成されている。
他方、この摺動部のシール構造Sが適用される電磁緩衝器Dは、図2に示すように、直線運動を回転運動に変換する運動変換機構Hと、該運動変換機構Hにより変換された回転運動が伝達されるモータMとを備えて構成され、さらに、この電磁緩衝器Dの外周側にはモータMと運動変換機構Hの直線運動を呈する直動部材であるボール螺子ナット10との間に介装される気体室としての気体バネAが設けられている。
以下、詳しく説明すると、運動変換機構Hは、この実施の形態においては、回転運動を呈する回転部材としての螺子軸11と、螺子軸11に回転自在に螺合され直線運動を呈する直動部材としてのボール螺子ナット10とを備えて送り螺子機構を構成している。
そして、上記螺子軸11は、モータMのロータRに連結されており、モータMのロータRの駆動により螺子軸11を回転駆動させることによってボール螺子ナット10を直線運動させることができるとともに、逆に、ボール螺子ナット10を外部からの力で直線運動させることによって螺子軸11を回転運動させモータMのロータRを外力で強制的に駆動することができる。
したがって、この電磁緩衝器Dにあっては、モータMに電力供給することによってモータMが発生するトルクで螺子軸11を回転駆動させてボール螺子ナット10を図2中上下方向へ直線運動させることが可能でありアクチュエータとして機能することが可能であるとともに、ボール螺子ナット10が外力によって強制的に直線運動させられるとモータMのロータRが回転運動を呈し、モータMは誘導起電力に起因するロータRの回転運動を抑制するトルクを発生するので、ボール螺子ナット10の直線運動を抑制するように機能する。すなわち、この場合には、モータMが外部入力される運動エネルギを回生して電気エネルギに変換することによって発生する回生トルクで上記直線運動側の部材の直線運動を抑制するのである。
つまり、この電磁緩衝器Dは、モータMに積極的にトルクを発生させることによってボール螺子ナット10に推力を与えることができ、また、ボール螺子ナット10が外力によって強制的に直線運動させられる場合には、モータMが発生する回生トルクでボール螺子ナット10の直線運動を抑制することができる。
したがって、この電磁緩衝器Dにあっては、単に、螺子軸1の直線運動を抑制する減衰力を発生するばかりではなく、アクチュエータとしても機能することから、この電磁緩衝器Dが車両の車体と車軸との間に介装されて使用される場合には、たとえば、車両の車体の姿勢制御も同時に行うことができ、これにより、アクティブサスペンションとして機能することができる。
なお、運動変換機構Hは、上記した以外にも、ラックアンドピニオン、ウォームギア等の機構で構成されてもよい。
また、モータMのロータRに連結する回転部材をボール螺子ナット10とし、螺子軸11を直動部材とするようにしても、上記と同様に、電磁緩衝器Dとして機能することが可能である。
さらに、気体バネAは、図2に示すように、ボール螺子ナット10を保持する連携筒12の下端に連結される筒部材1と、モータMのケーシングに連結されるとともに螺子軸11およびボール螺子ナット10の外方を覆うとともに上記筒部材1内に移動自在に挿入される中空な軸部材2と、モータMに連結されるエアチャンバ13と、上記筒部材1の外周側部に基端が結合され該筒部材1を覆うように設けられた略中空円錐状のエアピストン14と、エアチャンバ13の図2中下端とエアピストン14の図2中上端とに固定されるダイヤフラム15とで構成されており、この場合、気体バネAにおける内壁は、上記筒部材1と軸部材2とで形成されている。
なお、上述してきたところから明らかなように、本書では、連結という場合、部材同士が直接的に連結する場合に限らず部材同士が別部材を介して連結される場合をも含む。
螺子軸11は、上記した軸部材2の上端内周に設けた軸受16によって回転自在に保持されて軸部材2内に収容されており、モータMが図示しない車両の車体側部材に連結されることによって車体側部材に連結されるようになっている。対して、ボール螺子ナット10は、下端が筒部材2に連結される連携筒12によって保持され、筒部材1の下端に設けたアイEを介して車両の車軸側部材に連結されるようになっている。
つづき、筒部材1と軸部材2との間をシールするシール構造Sについて説明すると、このシール構造Sは、筒部材1の図1および図2中上端開口部1aに取付けられて内周側に軸部材2が挿通される筒状のシールケース6における内周部に具現化されている。
シールケース6は、図1に示すように、筒部材1の上記開口部1aに嵌着された筒状のケース本体7と、ケース本体7の内周にチャンバ室5を画成する区画部材8と、ケース本体7の図2中上端を閉塞し区画部材8との間に第1のシール部材3が収容される収容部を形成するキャップ9とで構成されている。
ケース本体7は、有底筒状に形成され、底部7aには軸部材2の挿通を可能とするよう孔7bが設けられるとともに、底部7aの外周が筒部材1の開口部1aの内周に圧入等されて嵌着される。さらに、底部7aの内周側には、第2のシール部材4の収容が可能なように凹部7cが形成され、この第2のシール部材4は、凹部7cの図1中上端側に設けたスナップリング20によって凹部7c内からの脱落が防止されている。
また、ケース本体7の底部7aから立ち上がる筒部7dの図1中上端には、環状の区画部材8が嵌合されており、この区画部材8は、その軸方向となる図1中上下方向の長さが筒部7dの図1中上下方向長さより短く設定されるとともに、上端の外周に設けたフランジ8aが筒部7dの上端に当接して、区画部材8のケース本体7の内方へ移動が規制されている。
そして、このケース本体7の内周側には、区画部材8の図1中下端と、ケース本体7における筒部7dと底部7aと、シールケース6内に挿通される軸部材2とで仕切られたチャンバ室5が形成されている。
また、区画部材8の内周には、軸部材2の外周に摺接する軸受8bが設けられており、シールケース6が取付けられる筒部材1と軸部材2の軸がぶれることが無いようになっている。なお、区画部材8の外周には、環状溝8cが形成されており、この環状溝8c内に収容されるOリング8dをケース本体7の筒部7dの内周に圧縮状態で当接させて区画部材8とケース本体7との間がシールされている。
さらに、区画部材8の上端側には、凹部8eが設けられており、この凹部8e内には第1のシール部材3が収容されている。
そして、キャップ9は、筒部9aと、頂部9bとを備えており、頂部9bには、軸部材2の挿通を許容する孔9cが設けられるとともに、筒部9aの内周に設けた螺子部9dをケース本体7の筒部7dの上端外周に設けた螺子部7eに螺合することで、ケース本体7に一体とされる。
なお、このキャップ9とケース本体7の筒部7dの上端との間に区画部材8のフランジ8aが挟み込まれることによって、区画部材8は、ケース本体7に固定されることになる。
次に、第1のシール部材3は、環状とされ、高圧側をシールするように気体バネAに臨む位置、本実施の形態では、キャップ9と区画部材8との間に収容されており、気体バネA側となる図1中上方側に軸部材2の外周に摺接するダストシール部3aを備えるとともに、チャンバ室5側となる図1中下方側に軸部材2の外周に摺接して気体バネA内の気体漏れを防止するメインシール部3bと、メインシール部3bを軸部材2側に向けて緊迫するリング3cとを備え、その外周側は区画部材8の凹部8eの側面に当接させてある。なお、第1のシール部材3にあっては、全体の変形を防止して良好なシール性を維持させるため心金3dを内部に備えている。
第2のシール部材4は、チャンバ室5に臨むケース本体7の凹部7c内に収容されており、環状に形成されて凹部4aを境に軸部材2の外周に摺接する内周シール部4bと、内周シール部4bを軸部材2側に向けて緊迫するリング4cと、ケース本体7の凹部7cの側面に当接する外周シール部4dとを備えて、略Uパッキン形状に形成され、凹部4aをチャンバ室5側に向けてチャンバ室5側の圧力を凹部4aで受けることができるようになっている。なお、この第2のシール部材4にあっても、全体の変形を防止して良好なシール性を維持させるため心金4eを内部に備えている。
そして、チャンバ室5内には、上記第1のシール部材3と軸部材2の外周との間および第2のシール部材4と軸部材2の外周との間の摺動摩擦の低減を図るため油等の潤滑液体Lが封入されるとともに、高圧の気体Gを封入してあり、このチャンバ室5内の圧力は、気体バネA内の圧力より低いが大気圧より高くなるようになっている。なお、チャンバ室5内に封入される潤滑液体Lは油以外にも第1のシール部材3と軸部材2の外周との間および第2のシール部材4と軸部材2の外周との間の摺動摩擦の低減を実現できるものを使用することができる。
なお、上記したシールケース6は、筒部材1とは別体となっているが、シールケース6と同様の構成を筒部材1の内周側に直接的に設けるようにしてもよい。
このように構成されたシール構造Sにあっては、気体バネA側に臨む第1のシール部材3の背面側となるチャンバ室5内の圧力は大気圧より高く設定されているので、一つのシール部材で気体バネA内と外方との間をシールする構造に比較して、メインシール部3bの締め代を必要以上に大きくするなどして緊迫力を高く設定する必要が無く、さらに、第1のシール部材3は、気体バネA内の圧力とチャンバ室5内の圧力の圧力差に応じた耐圧性能を備えていればよいので、特殊なシール部材を採用する必要が無く、一般的な油圧緩衝器に使用されているシール部材を流用することができるため、第1のシール部材3は安価となる。
さらに、緊迫力を一つのシール部材でシールする場合より小さくすることが可能であるから、第1のシール部材3と軸部材2との間の摺動抵抗を小さくしておくことが可能で、このようにしても、気体バネA内の気体の漏洩を防止することが可能である。
また、第2のシール部材4にあっても、チャンバ室5は、第2のシール部材4の背面側となる大気圧より高く設定されているので、一つのシール部材で気体バネA内と外方との間をシールする構造に比較して、第2のシール部材4における内周シール部4bの締め代を必要以上に大きくするなどして緊迫力を高く設定する必要が無く、さらに、第2のシール部材4は、チャンバ室5内の圧力と大気圧との圧力差に応じた耐圧性能を備えていればよいので、特殊なシール部材を採用する必要が無く、一般的な油圧緩衝器に使用されているシール部材を流用することができるため、第2のシール部材4も安価となる。
さらに、緊迫力を一つのシール部材でシールする場合より小さくすることが可能であるから、第2のシール部材4と軸部材2との間の摺動抵抗を小さくしておくことが可能で、このようにしても、チャンバ室5を介しての気体バネA内の気体の漏洩を防止することが可能である。
なお、第2のシール部材4は、Uパッキン形状とされており、凹部4aでチャンバ室5の内圧を受けるようにしているので、仮に、気体バネA内の気体が、メインシール3bを通過してチャンバ室5内に漏洩することがあっても、その分チャンバ室5内の圧力が上昇するので、内周シール部4bがその圧力上昇分に見合って軸部材2側に押し付けられることによって、気体バネA内の気体の漏洩を確実に防止することができる。
また、上記したように、筒部材1は、ボール螺子ナット10に連結され、軸部材2は、モータMに連結するようになっているので、筒部材1と軸部材2は、電磁緩衝器Dの伸縮に伴って、図2中上下方向に相対移動することになるが、この筒部材1と軸部材2の相対移動に際し、軸部材2の外周にはチャンバ室5内の潤滑液体Lが塗布されることになるので、第1のシール部材3と軸部材2との間および第2のシール部材4と軸部材2との間に、潤滑液体Lの膜を介在させるようにすることができ、これによって、筒部材1と軸部材2の相対移動の際のシール部分における摺動抵抗を低減することができ、筒部材1と軸部材2の円滑な相対移動が保証され、本実施の形態においては、電磁緩衝器Dの円滑な伸縮が保証される。
さらに、長期間に渡って、筒部材1と軸部材2とが相対移動せず、仮に、第1のシール部材3と軸部材2との間および第2のシール部材4と軸部材2との間の潤滑液体Lの膜が途切れてしまった状態となっても、第1のシール部材3と第2のシール部材4との間に潤滑液体Lが封入されるチャンバ室5が設けられているので、筒部材1と軸部材2とがいずれの方向に相対移動しても、移動後は、必ず第1のシール部材3および第2のシール部材4のいずれか一方と軸部材2との間は潤滑液体Lの膜が形成されることになるので、第1のシール部材3と第2のシール部材4の両方の摺動抵抗が大きいままとなるような事態が回避され、筒部材1と軸部材2とが往復同時における第1のシール部材3と第2のシール部材4の両方と軸部材2との間に潤滑液体Lの膜を形成できる機会を増加させることができる。
なお、この実施の形態の場合、チャンバ室5の近傍に軸部材2をガイドする軸受8bを設けているので、軸受8bと軸部材2との間の潤滑をも同時に行うことが可能であり、このようにすることで、筒部材1と軸部材2の円滑な相対移動を確実なものとすることができる点で有利となる。
またさらには、チャンバ室5内には、潤滑液体Lの他に気体Gが封入されることになるから、筒部材1と軸部材2の伸縮の継続や雰囲気の温度変化によって密閉状態となるチャンバ室5内の潤滑液体Lの体積に変化が生じたとしても、この潤滑液体Lの体積変化は気体Gの容積変化によって補償されるので、チャンバ室5内の圧力が異常に高圧となってチャンバ室5内から潤滑液体Lが過剰に漏洩したり、チャンバ室5内の圧力が大気圧以下となってチャンバ室5内に気体バネA内の気体や大気圧側から気体を吸い込んでしまうといった事態が防止されるとともに、潤滑液体Lの温度上昇による体積膨張によってシールケース6、筒部材1あるいは軸部材2を変形させるような事態も防止されることになる。
したがって、この摺動部のシール構造Sにあっては、電磁緩衝器Dのように、筒部材1および軸部材2の直径が大径となることが不可避な摺動部のシール部位に適用されても、第1のシール部材3および第2のシール部材4の緊迫力を一つのシール部材でシールする場合に比較して小さく設定しても気体バネAの気体の漏洩を防止することが可能であることに加えて、チャンバ室5内の潤滑液体Lによる潤滑効果によって、筒部材1と軸部材2との円滑な移動を確保しつつ気体バネA等の気体室内の圧力漏れを阻止することが可能となるのである。
なお、第1のシール部材3および第2のシール部材4の構造や形状については、気体室としての気体バネA内の気体の漏洩を阻止し得る限りにおいて、変更することもちろん可能である。
また、上述したところでは、電磁緩衝器Dを例に説明しているが、内部に高圧な気体を封入している気体室を備えたエアダンパにおける筒部材たるシリンダと軸部材たるピストンロッドとの間の摺動部をシールする場合にも、この摺動部のシール構造Sを適用すれば、上記したところと同様の効果を得ることが可能である。
さらに、上記したところでは、第1のシール部材3、第2のシール部材4およびチャンバ室5が軸部材2の外周に面するように構成してあるが、これとは逆に、第1のシール部材3、第2のシール部材4、チャンバ室5およびシールケース6が内周側と外周側と全く逆とした構成として第1のシール部材3、第2のシール部材4およびチャンバ室5が筒部材1の内周に面するよう構成しても、上記と同様の作用効果を得ることができ、この場合、内周側と外周側と逆に構成したシールケース6は、軸部材2側に設ければよい。なお、この場合にあっても、内周側と外周側と逆に構成したシールケース6を軸部材2とは別体とせずに同様の構成を軸部材2の外周側に直接的に設けるようにしてもよい。
さらには、上記電磁緩衝器Dの筒部材1と軸部材2とで作られる空間を気体バネAとするような場合には、つまり、筒部材1と軸部材2とで気体バネAの外壁を形成する場合には、上記シール構造Sを第1のシール部材3および第2のシール部材4の配置を図1に示す状態に対して天地逆とするとともに、第1のシール部材3および第2のシール部材4の向きを図1に示す状態に対して天地逆向きとすればよい。
そして、さらに、筒部材1をモータM側に取り付け、逆に、軸部材2を運動変換機構Hにおける直動部材となるボール螺子ナット10に連携筒12を介して連結するように構成してもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における摺動部のシール構造の縦断面図である。 一実施の形態における摺動部のシール構造が適用された電磁緩衝器の縦断面図である。
符号の説明
1 筒部材
1a 開口部
2 軸部材
3 第1のシール部材
3a ダストシール部
3b メインシール部
3c,4c リング
3d,4e 心金
4 第2のシール部材
4a,7c,8e 凹部
4b 内周シール部
4d 外周シール部
5 チャンバ室
6 シールケース
7 ケース本体
7a 底部
7b,9c 孔
7d,9a 筒部
7e,9d 螺子部
8 区画部材
8a フランジ
8b 軸受
8c 環状溝
8d Oリング
9 キャップ
9b 頂部
10 ボール螺子ナット
11 螺子軸
12 連携筒
13 エアチャンバ
14 エアピストン
15 ダイヤフラム
16 軸受
20 スナップリング
A 気体室としての気体バネ
D 電磁緩衝器
E アイ
G 気体
H 運動変換機構
M モータ
L 潤滑液体
R ロータ
S 摺動部のシール構造

Claims (4)

  1. 筒部材と該筒部材内に移動自在に挿入される軸部材との間に設けられ筒部材の外方もしくは軸部材と筒部材との間に設けられる気体室をシールする摺動部のシール構造において、筒部材と軸部材との間に第1のシール部材と第2のシール部材とを直列に配置するとともに、該第1のシール部材と第2のシール部材との間に潤滑液体が封入されるチャンバ室を設けてなることを特徴とする摺動部のシール構造。
  2. チャンバ室内には潤滑液体と高圧の気体が封入されることを特徴とする請求項1に記載の摺動部のシール構造。
  3. 直線相対運動を回転運動に変換する運動変換機構と上記回転運動が伝達されるロータを有するモータとを備えた緩衝器の外周側に配置される筒状の気体バネの内壁を、上記運動変換機構の直線運動を呈する直動部材とモータのうち一方に連結される筒部材と、上記運動変換機構の直線運動を呈する直動部材とモータのうち他方に連結される軸部材とで形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部のシール構造。
  4. 直線相対運動を回転運動に変換する運動変換機構と上記回転運動が伝達されるロータを有するモータとを備えた緩衝器内に設けられる気体バネの外壁を、上記運動変換機構の直線運動を呈する直動部材とモータのうち一方に連結される筒部材と、上記運動変換機構の直線運動を呈する直動部材とモータのうち他方に連結される軸部材とで形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部のシール構造。







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