JP2004017769A - 懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアスプリングの無圧時の車高を一層下げることができる、特に車高調整式として用いられる懸架装置を提供することを目的とする。
【解決手段】緩衝装置2と、コイルスプリング3と、エアスプリング4とを、備えている。コイルスプリング3とエアスプリング4とを直列的に配設する。緩衝装置2のロッド2aがエアスプリング4を貫通して、緩衝装置2が車体側Bと車軸側とを連結する。エアスプリング4の内部に、バネ定数の小さい別の内蔵コイルスプリング5を、配設する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の懸架装置に係り、特に車高調整式の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コイルスプリングとエアスプリングを直列的に配設し、エアスプリング内部にエアを出し入れすることで車高を調整する懸架装置を、本発明者は既に提案している(特願平11−169653号等)。この従来の懸架装置では、ダンパー(緩衝装置)にコイルスプリングの位置を変更可能な一般的なネジ式車両調整ダンパーを使用することで、無圧時の車高の調整が可能となっている。
【0003】
即ち、図9(A)のジャッキアップした状態、及び、図9(B)の車を地上に降ろした状態───以下1G状態と呼ぶ───に示すように、コイルスプリング44とエアスプリング45を直列的に配設し、ダンパー(緩衝装置)46に受け皿47を螺進退にて昇降位置決め可能に外嵌し、コイルスプリング44の下端を受持する構造のものであった。この図9(A)と(B)に示すような構造の懸架装置では、コイルスプリング44にプリロード(予圧)を加えておくことによって、無圧時(図9(B)の状態)の車高を高く設定することができる。
【0004】
他方、コイルスプリング44にプリロードが掛かっていない状態が、車高が最も低い状態である。それ以上に受け皿47を下げた位置にすれば、一層車高を下げ得るが、ジャッキアップした状態(図9(A)の状態)で、コイルスプリング44の下端又は上端に間隙(ガタ)を発生し、法令違反の問題があり、車両走行安全上も問題を生ずる。なお、図9(A)では、ジャッキアップした状態でコイルスプリング44に間隙(ガタ)が無い限界の状態を示し、これ以上、受け皿47を下方に移動すると、コイルスプリング44の下端又は上端に間隙(ガタ)を発生する。
【0005】
図9(B)に示す1G状態に於て、車重によりコイルスプリング44が縮んだ量(寸法m)だけ車高が下がる。ここで、更に車高を下げたい場合、図9(C)に示す如く、前記コイルスプリング44を、バネ定数(バネレート)の小さなスプリング44aに交換する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9(C)を図9(B)に比較すれば明らかなように、バネ定数(バネレート)が小さなコイルスプリング44aに交換したことによって、寸法n分だけ一層、車高が下がる。
【0007】
しかし、このようにバネ定数が小さなコイルスプリング44aでは、走行中に、コイルスプリング44aが、線間密着───コイル線材相互の間隙が零となってコイル線材相互が圧接───して、乗り心地や操縦安定性が悪化する。
【0008】
そこで、本発明者は図8に示すような別の方法について検討した。即ち、図8の比較例に示すように、図9と同様のコイルスプリング44を主スプリングとして、このバネ定数(5〜12kg/mm)よりも非常に小さいバネ定数(1〜3kg/mm)のコイルスプリング48を副スプリングとして(上方又は下方に)直列的に介装する方法について、検討した。図8(A)はジャッキアップした状態を示し、図8(B)は1G状態を示すが、バネ定数の小さい副コイルスプリング48は主コイルスプリング44の上方に介装し、副コイルスプリング48の上方にエアスプリング45が無圧状態である場合を示す。
【0009】
図8(A)に於ける副コイルスプリング48のバネ長さαが、図8(B)に於てはバネ長さβまで短縮されて、完全に線間密着し、車高は、m+(α−β)だけ下がるので、好都合である。
【0010】
しかしながら、新たに次のような問題点が生ずることが、判明した。つまり、副コイルスプリング48を介装するには、主コイルスプリング44の長さを短くするか、又は、受け皿47の位置を下方に移す必要があるが、コイルスプリングのみの一般的な懸架装置に比べてエアスプリング45を併用しているこのような構造の場合、エアスプリング45の厚み(高さ寸法)だけで既に主コイルスプリング44を短縮しているので、さらに主コイルスプリング44を短くするとスプリングとしての機能を十分に発揮できなくなる虞があり、また、受け皿47を下げ過ぎるとタイヤやボディと干渉するといった問題が生ずる。さらに、図8(B)に示したように、1G状態での副コイルスプリング48は線間密着しているといえども、そのバネ長さβ分だけ、車高が高くなるので、そのバネ長さβを考慮して設計することは至難である、という問題も生ずる。
【0011】
本発明は、上述の問題点を解決して、エアスプリングの無圧時に於て、主コイルスプリング44を極端に短くすることなく、車高を低く設定することが可能な懸架装置を提供することを、目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、緩衝装置とコイルスプリングとエアスプリングとを備え、上記コイルスプリングと上記エアスプリングとを直列的に配設し、上記緩衝装置のロッドが該エアスプリングを貫通して、該緩衝装置が車体側と車軸側とを連結した懸架装置に於て、上記エアスプリングの内部に上記コイルスプリングとは別の内蔵コイルスプリングを配設した。
【0013】
また、緩衝装置とコイルスプリングとエアスプリングとを備え、上記コイルスプリングと上記エアスプリングとを直列的に配設し、上記緩衝装置のロッドが該エアスプリングを貫通して、該緩衝装置が車体側と車軸側とを連結した懸架装置に於て、上記エアスプリングの内圧を上記緩衝装置のロッドの貫通摺接部にて密封し、かつ、上記エアスプリングの内部に上記コイルスプリングとは別の内蔵コイルスプリングを配設し、該エアスプリングにエアを出し入れすることで車高を調整するよう構成した。
【0014】
また、上記コイルスプリングのバネ定数よりも、エアスプリング内の内蔵コイルスプリングのバネ定数を、小さく設定した。
また、上記エアスプリングのエアを抜いた無圧状態で、上記内蔵コイルスプリングは線間密着して、上記コイルスプリングの力を車体側又は車軸側に直接的に伝達するように構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳説する。
【0016】
図1〜図5は本発明に係る自動車の車輪懸架装置の実施の一形態を示したものであり、この懸架装置Aは、緩衝装置(ダンパー)2とコイルスプリング3とエアスプリング4とを備え、コイルスプリング3の上部に、直列的にエアスプリング4を配設している。そして、緩衝装置2のロッド2aがエアスプリング4を貫通して、緩衝装置2が、車体側Bと車軸側Sとを連結している。つまり、本懸架装置Aは、自動車の車体側Bと車軸側Sとの間に装着される。ここで、「直列的」とは、上記エアスプリング4が(図3に示した)加圧状態に於て、車体側Bと車軸側Sの間の力の伝達が、一方のみを介して伝達されることが無く、必ず両者を介して伝達されるような配置を言う。
【0017】
そして、図1と図2と図3に示す如く、エアスプリング4の内部には、上記コイルスプリング3とは別の内蔵コイルスプリング5が配設されている。さらに、外側のコイルスプリング3のバネ定数(バネレート)を例えば5〜12kg/mmとし、内側の内蔵コイルスプリング5のバネ定数(バネレート)を例えば1〜3kg/mmと十分小さく設定する。いわば前者が主コイルバネで、後者が副コイルバネである。
【0018】
さらに具体的に説明すれば、図1と図5に示すように、緩衝装置2のストラット本体2bの下部は車軸側S───車軸自体又はリンク若しくは取付具───に取付けられ、かつ、緩衝装置2のロッド2aの上部は、一中心点O廻りに首振り可能でかつ軸心L廻りに回転自在な軸受機構Cを介して、車体側Bに連結される。このように、ストラットアッパーマウントに於て一中心点Oを支点に振れると共にスラスト荷重を受けて軸心L廻りに回転可能な軸受機構Cが用いられている。
【0019】
この軸受機構Cとしては、防振ゴム部41と、その軸心孔部42に嵌着された(スラスト荷重を受けても回転可能な)ボールベアリング又はスラストベアリング等の回転軸受部43とから、構成されている。さらに具体的には、車体側Bの取付板部7の取付孔部7aを下方から閉じるように当接する板部材41aと、この板部材41aの中央膨出部の下面に一体的に付設されたゴム材41bで、防振ゴム部41が、構成されている。この板部材41aには雄ネジ部9…が予め上方突出状に設けられていて、取付板部7の孔部に、この雄ネジ部9を挿入して、ナット10にて螺着することで、上記防振ゴム部41を、車体側Bへ固着している。
【0020】
防振ゴム部41のゴム材41bに、回転軸受部43が嵌着され、スペーサ部材26等を介して、ナット27にて、ロッド2aの上端と回転軸受部43とは、連結される。
特に、防振ゴム部41の板部材41aの外周縁及びラジアル方向中間部位は、エアスプリング4の上壁部材16上面との間に、(従来のラバーブッシュにおける)スラスト部材又は弾性部材等の介装材が、省略されており、従って、軸受部43の中心点Oを支点(中心)として、軸受機構Cが首振り(揺動)が行い得る。
【0021】
コイルスプリング3は、緩衝装置(ダンパー)2の中間部位を包囲するように配設される。ストラット本体2bに外鍔状に突設された受け鍔部14に、コイルスプリング3の下端が当接乃至取付けられ、かつ、コイルスプリング3の上端は、エアスプリング4の下壁部材15に当接乃至取付けられる。また、図6に示した他の実施の形態に於ては、図1と比較して、同一符号は同一の構成である。主として相違する点は軸受機構Cに関してであり、この軸受機構Cとしては、図6ではピローボールジョイント13を用いた場合を例示する。つまり、車体側Bの取付板部7の取付孔部7aを下方から閉じるように当接する取付片8には雄ネジ部9…が上方へ予め突設されており、取付板部7に形成した孔部へこの雄ネジ部9を挿入して上方からナット10にて螺着して、取付片8を固着する。
【0022】
この取付片8が、ピローボールジョイント13の雌部材(外殻体)11に外鍔状に固着されていると共に、ロッド2aの上端には雄側球面体12が固着され、ロッド2aの軸心Lは、ピローボールジョイント13の中心点O廻りに首振り自在である。このように軸受機構Cが球面軸受の場合を図6では示している。
【0023】
以下、図1〜図5、及び、図6について、合わせて説明する。前記エアスプリング4は、上壁部材16と上記下壁部材15と、両者間に介設された弾性膜17とを、備えている。即ち、ビア樽型等の(ゴム製の)弾性膜17の上開口部・下開口部を、各々、上壁部材16・下壁部材15にて、塞ぐように挟んで、組立てられている。
【0024】
上壁部材16は、図例では、小径孔部18と大径孔部19から成る段付孔20を軸心に有する円盤型であり、かつ、段付孔20の大径孔部19には、シール材21としてエアーパッキン21aとダストシール21bが使用され、各々を嵌込む凹溝22,22が形成されている。また、上壁部材16は、上記段付孔20を有する円筒部23と、この円筒部23の上半部から突出状に連設されたフランジ部24と、を備え、円筒部23がフランジ部24から下方へ突出している部位は、弾性膜17の上開口部17aに挿入され、弾性膜17の上方折曲片部17bの上面はフランジ部24に当接し、取付部材6aにてフランジ部24に固着されている。
【0025】
上壁部材16には、図1、図6に於て2点鎖線にて示したエアー流路25が貫設されていて、弾性膜17の内部と、外側(大気側)の図示省略のエアー配管とを、連通連結する。この上壁部材16は、スペーサ部材26を介して、回転軸受部43(図1参照)又は球面体12(図4参照)に軸心方向の力を伝達するように、設けられてる。言い換えると、段付孔20の段付面と、上方のナット27によって、上壁部材16はスペーサ部材26と回転軸受部43(図1参照)又は球面体12(図4参照)と共に、締付けられて、ロッド2aに固着されている。このように、エアスプリング4の上壁部材16はロッド2aに固定される。
【0026】
これに対して、下壁部材15はロッド2aに対して、その軸心Lに沿って往復動自在である。この下壁部材15は、ロッド2aに往復動自在に直接に摺接する偏心防止用ガイド部材30を嵌着する上方孔部28と、シール材29としてエアーパッキン29aとダストシール29bが使用されて各々を嵌め込む凹溝31,31を有する下方孔部32と、段付部51を介して形成された下方大径孔部52と、から成る軸心孔33を有する円盤型である。
【0027】
34はC型止め輪を示し、偏心防止用ガイド部材30としては、例えば、低摩擦・耐摩耗性のプラスチック又は金属から成る滑り軸受けが好適であって、この滑り軸受けを、段付き部35に当接するまで上方孔部28に上方から嵌入して、C型止め輪34にて抜け止めする。
【0028】
また、下壁部材15は、上記上方孔部28と下方孔部32を有する小円筒部36aと、中間段差壁部36bと、この中間段差壁部36bの外周縁から下方へ連設されて弾性膜17の下開口部17cが嵌着される大円筒部36cと、この大円筒部36cの下部から連設されたフランジ部37と、フランジ部37の下面から下方へ突設された円環状突条部38と、から成る。
【0029】
弾性膜17の下開口部17cに大円筒部36cが挿入されると共に、弾性膜17の折曲片部17dはフランジ部37の上面に当接し、取付部材6bにてフランジ部37に固着されている。このように弾性膜17はその上下に取付用折曲片部17b,17dを有し、各々、取付部材6a,6bによって、上壁部材16,下壁部材15に固着され、かつ、折曲片部17b,17dの弾性的圧縮(圧着)によって、密封状態に保持される。
【0030】
また、突条部38は、外部のコイルスプリング3の上端を嵌着状に受持する。このように、下壁部材15は外部のコイルスプリング3の弾発力を直接に受ける。また、この下壁部材15の下方に、ロッド2aに外嵌状にバンプラバー39が外嵌状に取付けられている。
【0031】
そして、(副スプリングとしての)内蔵コイルスプリング5は、下壁部材15の小円筒部36aに外嵌(遊嵌)状に配設され、その内蔵コイルスプリング5の下端5aは、中間段差壁部36bの上面に接触し、上端5bは上壁部材16の円筒部23の下面に対応する。エアスプリング4の(エアを抜いた)無圧状態では、図2及び図1と図6に示すように、内蔵コイルスプリング5の上端5bは上壁部材16の円筒部23の下面に圧接状態で接触し、かつ下端5aは中間段差壁部36bに圧接状態で接触して、全体としてこの内蔵コイルスプリング5は線間密着して、外部のコイルスプリング3の力を車体側B(又は車軸側S)に直接的に伝達する。
【0032】
この図2及び図1と図6に示したようなエアスプリング4の無圧状態から、しだいに圧力を高めてゆけば、下壁部材15がそのエア圧力にて弾発的に押し下げられ───エアスプリング4が膨張し───内蔵コイルスプリング5はしだいに伸長していって、ついには、図3に示した(最大)加圧状態では、内蔵コイルスプリング5の上端5bが円筒部23の下面から遊離する。なお、所望によっては、接触を続けても良いが、極めてその弾発力は微小な状態となっている。
【0033】
既述のように、シール材21とシール材29を設けることにより、エアスプリング4の内圧を、ロッド2aの貫通摺接部───大径孔部19と軸心孔33───にて、密封する。そして、エアスプリング4にエアを、エアー流路25を介して出し入れすることで、弾性膜17を伸長縮小(膨張縮小)させて、車高を調整可能となっている。また、無圧状態で、内蔵コイルスプリング5が線間密着させるため、上壁部材16の円筒部23の下面と、下壁部材15の小円筒部36aの上面との間に、間隙部Gを形成するように、構成している。
【0034】
本発明は上述のように、車体側Bと車軸側Sとを、軸心Lに沿って配設した緩衝装置(ダンパー)2にて上下に連結し、かつ、エアスプリング4は、コイルスプリング3の上部に、緩衝装置2のロッド2aを包囲状に配設され、さらに、エアスプリング4の内部には、内蔵コイルスプリング5及び偏心防止用ガイド部材30が配設され、ストラット軸(ダンパー2)に、図5に矢印Fで示すような外力が作用して、それに伴って曲げモーメントが働いても、ロッド2aの軸心Lは、エアスプリング4の軸心に対して、偏心しない構造となっている。
【0035】
しかも、図1と図2と図6に示すように、エアスプリング4に内圧が無いとき───無圧状態───エアスプリング4の内部で、上壁部材16と下壁部材15とが相互に接触せず(間隙部Gを残し)、代わりに、バネ定数の小さい内蔵コイルスプリング5が線間密着状態として、車体荷重を受持ち、弾性膜17に荷重が掛からないように構成されている。このように、付加されたバネ定数の小さな内蔵コイルスプリング5は、エアスプリング4内に巧妙に内設されているので、懸架装置Aとしての全長寸法(高さ寸法)は、従来品とほとんど同一で済み、コンパクトであるという利点がある。しかも、外部のコイルスプリング3を短くする必要がなく、従来と同一の長さのもので済む利点もある。
【0036】
なお、図示省略するが、コンプレッサからエアタンク,電磁弁,配管等を介して、エアー流路25へ加圧エアが供給される。その操作は、運転席付近のスイッチにて、電磁弁を開閉させることにより、エアスプリング4への加圧エアの出し入れを行う。また、コンプレッサの電源は、バッテリ等を用いる。車両(自動車)の見栄えや走行性能を重視するユーザーの場合、通常、エアスプリング4に加圧エアを充填せず、車高が低い状態で走行し、段差等がある場合に、エアスプリング4に加圧エアを充填して車高を上昇させて、段差等を乗り越える等の使用方法がとられる。
【0037】
次に、図7(B)は図6を簡略化して示した本発明の説明図であり、1G状態を示し、また、図7(A)はジャッキアップした状態を簡略化して示した図である。この図7(A)(B)は、前述の図8(A)(B)の比較例に各々対応し、本発明の顕著な作用効果は、この図7と、比較例の図8と、従来例の図9とを、対比すれば以下の通り、明らかとなる。
【0038】
即ち、図7(A)に於ける内蔵コイルスプリング5のバネ長さαは、図7(B)に於てはバネ長さβまで短縮され、線間密着し、車高は、m+(α−β)だけ下がるので、好都合である。
しかも、このときコイルスプリング5はエアスプリング4に内蔵されているので、懸架装置Aとしての全長は同一寸法のままで済む(車高が高くなることを防ぎ得る)。従って、図8の比較例で述べた主コイルスプリング44の長さを短くする必要もなく、あるいは、受け皿47の位置を過度に下方へ移して、タイヤ等に干渉することもない。
【0039】
なお、本発明は上述の図示の実施の形態に限定されることなく設計変更自由であって、例えば、ロッド2aと車体側Bとをラバーブッシュ(防振ゴム)を介して連結し、かつ、ロッド2aと、エアスプリング4のロッド挿入孔部との間に、隙間を形成して、ロッド2aがエアスプリング4の軸心に対して、偏心できる構造としても良い。また、図1と図6と図7を、上下逆として、配設するも可能である。
【0040】
次に、ステップワゴンのフロント懸架用に図2と図3と図6に示した懸架装置Aを取付けて、本発明の実施例とする。このとき、外部のコイルスプリング3のバネ定数を8kg/mmのものを選び、また、内蔵コイルスプリング5のバネ定数を2kg/mmとした。
このように、エアスプリング4内に小さなバネ定数の内蔵コイルスプリング5を配設することで、外部のコイルスプリング3のバネ定数を変えずに、車高を30mmだけ低くすることができた。
【0041】
なお、図1と図6に示した本発明の実施の形態によれば、偏心防止用ガイド部材30をエアスプリング4に内設したので、内蔵コイルスプリング5に不要な倒れる方向の外力が作用せず、姿勢が常に安定し、かつ、小円筒部36a近傍を小型化できる。さらに、ステアリングを切った状態等にあっても、緩衝装置2のロッド2aはエアスプリング4の孔部に対して、常時軸心が一致し、円滑に伸縮できる。かつ、シール材21, 29として、大きな張り代の特殊なものを必要とせず、安価かつ入手容易な汎用パッキンを適用可能となる。また、コイルスプリング3とエアスプリング4を直列的に配置したため、全体のバネ定数を小さくでき、地面等からの衝撃を和らげて乗り心地を向上できる。かつ、エアスプリング4の内圧を変えることで、(バネ定数を変化させて)様々な乗り心地を楽しみ得る。また、回転自在な軸受機構Cを付設したことによって、車体側Bの接合面に対してロッド軸心Lが直交状でない場合でも、ロッド軸心Lがエアスプリング4の(孔部の)軸心に対して偏心せず、一層、スムーズにエアスプリング4及び内蔵コイルスプリング5が伸長・短縮できる。
【0042】
偏心防止用ガイド部材30を図示のように介設したので、シール材21, 29として一般市販用のエアーパッキンやダストシール等を使用可能であり、かつ、密封性(シール性)も長期間安定して確保できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような著大な効果を奏する。即ち、エアスプリング4の無圧状態に於ける車高を、低く設定することができる。しかも、既に述べた特願平11−169653号等の従来の懸架装置と、外形や寸法が殆ど変わらないで、無圧状態での車高を有効に低くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す一部断面要部説明図である。
【図2】エアスプリングの無圧時を示す要部拡大断面図である。
【図3】エアスプリングの加圧時を示す要部拡大断面図である。
【図4】要部拡大説明図である。
【図5】使用方法の一例を示す説明図である。
【図6】他の実施の形態を示す一部断面要部説明図である。
【図7】本発明の作用説明のための簡略図である。
【図8】比較例を説明する簡略図である。
【図9】従来例を説明する簡略図である。
【符号の説明】
2 緩衝装置
2a ロッド
3 コイルスプリング
4 エアスプリング
5 内蔵コイルスプリング
15  下壁部材
16 上壁部材
21 シール材
29 シール材
B 車体側
S 車軸側

Claims (4)

  1. 緩衝装置2とコイルスプリング3とエアスプリング4とを備え、上記コイルスプリング3と上記エアスプリング4とを直列的に配設し、上記緩衝装置2のロッド2aが該エアスプリング4を貫通して、該緩衝装置2が車体側Bと車軸側Sとを連結した懸架装置に於て、上記エアスプリング4の内部に上記コイルスプリング3とは別の内蔵コイルスプリング5を配設したことを特徴とする懸架装置。
  2. 緩衝装置2とコイルスプリング3とエアスプリング4とを備え、上記コイルスプリング3と上記エアスプリング4とを直列的に配設し、上記緩衝装置2のロッド2aが該エアスプリング4を貫通して、該緩衝装置2が車体側Bと車軸側Sとを連結した懸架装置に於て、上記エアスプリング4の内圧を上記緩衝装置2のロッド2aの貫通摺接部にて密封し、かつ、上記エアスプリング4の内部に上記コイルスプリング3とは別の内蔵コイルスプリング5を配設し、該エアスプリング4にエアを出し入れすることで車高を調整するよう構成したことを特徴とする懸架装置。
  3. 上記コイルスプリングのバネ定数よりも、エアスプリング4内の内蔵コイルスプリング5のバネ定数を、小さく設定した請求項1又は2記載の懸架装置。
  4. 上記エアスプリング4のエアを抜いた無圧状態で、上記内蔵コイルスプリング5は線間密着して、上記コイルスプリング3の力を車体側B又は車軸側Sに直接的に伝達するように構成した請求項1,2又は3記載の懸架装置。
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