JP2008095532A - 内燃機関の噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保できる内燃機関の噴射制御装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関1に、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42を設ける。また、内燃機関1が有するECU60には、触媒暖機制御を行なう触媒暖機制御部66と、触媒暖機制御の終了後には所定条件になるまで筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なう触媒暖機復帰制御部67と、を設ける。これにより、触媒50の暖機終了後は、触媒暖機復帰制御を行なうことにより、触媒暖機制御終了後における空燃比の制御性の向上を図ることができ、より確実に触媒50の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒10内に供給することができる。この結果、触媒50の暖機終了後における触媒50による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の噴射制御装置に関するものである。特に、この発明は、ポート噴射と筒内噴射との双方により燃料を供給する内燃機関の噴射制御装置に関するものである。
従来の内燃機関には、内燃機関の運転性能の向上を図るために、燃料噴射弁を各気筒に直接設け、内燃機関の運転時に燃料噴射弁から燃料を噴射する際には、気筒内、或いは、燃焼室内に直接燃料を噴射しているものがある。このような筒内噴射式の内燃機関の場合、燃料が吸気通路内に噴射されないため、吸気通路壁面に付着する燃料を低減することができ、燃料噴射弁から噴射する燃料の量を必要最小限にすることができるので、燃費を低減することができる。また、燃料を燃焼室内に直接噴射することにより、加速途中など過渡運転状態において、実際に燃焼室内に供給された吸気量に応じて最適な量の燃料噴射を行なうことが可能になり、所望の運転状態を実現することができる。
また、内燃機関には、運転中の内燃機関から排出される排気ガスを浄化する浄化手段として三元触媒などの触媒が設けられている場合が多いが、このような触媒は、排気ガスを効率よく浄化できる温度が、所定の範囲内になっている。このため、内燃機関の始動時には触媒を早期に暖機させて、触媒の温度がこの温度範囲に入るように上昇させるのが好ましい。従って、従来の内燃機関では、触媒を早期に暖機させるため様々な手法が用いられているが、その一例として上記のような筒内噴射式の内燃機関の場合、点火時期を遅角させる方法が公知となっている。このように、点火時期を遅角させた場合、燃料の燃焼終了時期も遅くなるので、排気ガスの温度を高めることができ、この高温の排気ガスによって触媒を早期に暖機することができる。
しかし、点火時期を遅角させて燃料の燃焼終了時期を遅らせ、排気ガスの温度を高くした場合、吸気行程の初期においても気筒内に高温のガスが残留する虞がある。このため、吸気行程においてこの状態の気筒内に燃料を噴射すると、燃料も高温になって自発火する虞がある。このため、従来の筒内噴射式の内燃機関では、このような触媒暖機中の自発火を抑制しているものがある。例えば、特許文献1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関では、触媒暖機中は、点火時期のみでなく燃料の噴射時期も遅角している。これにより、吸気行程の初期には燃料は噴射されないため、吸気行程初期における燃料の自発火を抑制することができる。
特開平6−93902号公報
ここで、近年の内燃機関では、より適切に内燃機関の運転状態に応じた燃料の供給を可能にするため、上述したような筒内噴射と、燃料を吸気通路内に噴射するポート噴射とを併用しているものがある。このような内燃機関でも、内燃機関の始動時など触媒の温度が低い場合には、触媒を早期に暖機させる制御を行なうが、この触媒暖機中は、触媒の温度は低いため、排気ガスを効率よく浄化するのが困難なものとなっている。
このため、従来の内燃機関では、触媒暖機中は排気ガスに含まれる炭化水素(HC)などの不純物が、触媒を通過して大気に放出されることを抑制するために、燃料噴射弁から噴射する燃料の量を少なめにする。即ち、気筒内に供給する混合気の空気と燃料との混合比である空燃比を、空気の割合に対して燃料の割合を少なめにし、いわゆるリーン寄りの空燃比にする。これにより、内燃機関の燃焼行程で燃料を燃焼させた場合でも、排気ガスに含まれる不純物の量が減少するため、触媒の温度が低く、排気ガスを効率よく浄化できない状態においても、不純物が大気に放出されることを抑制することができる。
このように、触媒暖機中は空燃比をリーン寄りにするため、この状態の排気ガス中には、多くの酸素が含まれている。このため、触媒は多くの酸素を吸収し、貯蔵する酸素の量が増加するので、触媒が酸素を貯蔵できる能力であるOSC(Oxygen Storage Capacity)、即ち、酸素貯蔵能が低下する。従って、触媒が貯蔵した酸素を放出させるために、触媒の暖機終了後は排気ガス中の酸素の量が低減するように、燃料噴射弁から噴射する燃料の量を多めにして、気筒内に供給する混合気の空燃比をリッチ寄りにするのが好ましい。これにより、触媒による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
しかし、内燃機関の始動後に触媒暖機を行ない、触媒の温度が上昇した場合でも、内燃機関の温度は上昇していない場合があり、内燃機関の温度が上昇していない場合には、燃料噴射弁から燃料を噴射した際に、燃料が吸気通路壁面等に付着し易くなる。即ち、燃料噴射時におけるウェット分が多くなる。また、上記のような筒内噴射とポート噴射とを併用する内燃機関の場合には、内燃機関の運転中は、筒内噴射とポート噴射との噴き分け率を運転状況に応じて変化させるが、内燃機関の温度が上昇していない場合には、筒内噴射時におけるウェット分と、ポート噴射時におけるウェット分とにずれが生じる虞がある。このため、内燃機関の気筒内に供給する混合気を所望の空燃比で供給することが困難になる。
このような場合、内燃機関の気筒内に供給する混合気の空燃比がリーン過ぎる場合には、触媒が吸蔵している酸素を放出させるのが困難になり、この空燃比がリッチ過ぎる場合には、燃費が悪化したり、エミッションが悪化したりする虞がある。従って、内燃機関の温度が低い状態における、触媒による排気ガスの浄化性能を確保することは困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保できる内燃機関の噴射制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、内燃機関が有する気筒に供給する燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、前記気筒内に供給された前記燃料に点火可能な点火手段と、前記点火手段の点火時期を制御する点火時期制御手段と、前記内燃機関から排出される排気ガスを浄化可能な触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定温度以下の場合に、前記点火時期制御手段に対して前記点火手段の点火時期を遅角させる触媒暖機制御を行なう触媒暖機制御手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記複数の燃料噴射弁による燃料噴射の比率を変化させることができる燃料供給制御手段と、前記触媒暖機制御手段による前記触媒暖機制御の終了後には所定条件になるまで前記燃料供給制御手段に対して前記複数の燃料噴射弁による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なう触媒暖機復帰制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明では、触媒の温度が所定温度以下の場合には、点火時期を遅角させて触媒暖機制御を行ない、触媒を暖機している。また、この触媒暖機制御の終了後は、所定条件になるまで複数の燃料噴射弁による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なっている。内燃機関の温度が低い場合において複数の燃料噴射弁から燃料を噴射する場合には、噴射した燃料の量に対するウェット分の割合が、燃料噴射弁ごとに異なる虞がある。このため、このような場合に、燃料噴射弁の噴き分け率を変化させると、所望の空燃比の混合気を気筒内に供給するのが困難になる虞がある。これに対し、複数の燃料噴射弁による燃料噴射の比率を固定させた場合には、燃料の噴射量に対するウェット分の割合も一定であるため、より確実に所望の空燃比で混合気を気筒内に供給することができる。従って、触媒暖機制御終了後における空燃比の制御性の向上を図ることができ、より確実に触媒の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒内に供給することができる。この結果、触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
また、この発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、前記複数の燃料噴射弁のうち一部の前記燃料噴射弁は、前記気筒内に直接燃料を噴射する筒内燃料噴射弁となっており、前記触媒暖機復帰制御手段は、前記触媒暖機復帰制御時に、前記筒内燃料噴射弁による燃料噴射の時期を前記触媒暖機制御時における時期と同じ時期にすることを特徴とする。
この発明では、触媒暖機制御の終了後、即ち触媒暖機復帰制御時における筒内燃料噴射弁による燃料噴射の時期を、触媒暖機制御時における燃料噴射時期と同じ時期にしているので、筒内燃料噴射弁が燃料を噴射した場合のウェット分を、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時とで同程度にすることができる。これにより、触媒暖機復帰制御時において燃料噴射量の制御をする際に、触媒暖機制御中からのウェット分の変化を考慮する必要がないので、より容易に所望の空燃比で混合気を気筒内に供給することができる。この結果、より確実に触媒の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒内に供給することができ、触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
また、この発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、前記触媒暖機復帰制御手段は、前記内燃機関運転中における前記内燃機関の回転数が所定の回転数以下の場合に、前記筒内燃料噴射弁による燃料噴射の時期を、前記触媒暖機制御時と前記触媒暖機制御の終了後とで同じ時期にすることを特徴とする。
この発明では、内燃機関の回転数が所定の回転数以下の場合に、触媒暖機制御時における筒内燃料噴射弁の燃料噴射の時期と、触媒暖機復帰制御時における筒内燃料噴射弁の燃料噴射の時期とを同じ時期にしている。このため、より正確に双方の時期を合わせることができるので、より確実に、筒内燃料噴射弁が燃料を噴射した場合のウェット分を、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時、つまり触媒暖機制御後とで同程度にすることができる。これにより、より確実に所望の空燃比で混合気を気筒内に供給することができる。この結果、より確実に触媒の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒内に供給することができ、触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
また、この発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、前記点火時期制御手段は、前記点火手段の点火時期を、前記筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射時期よりも後にすることを特徴とする。
この発明では、点火手段の点火時期を、筒内燃料噴射弁による燃料の噴射時期よりも後にしているので、筒内燃料噴射弁による燃料の噴射と点火手段の点火とが重なることを抑制することができる。これにより、筒内燃料噴射弁による燃料の噴射中に点火手段が点火することに起因する燃焼悪化を抑制することができる。この結果、内燃機関運転時の運転性能の向上を図ると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
また、この発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、前記点火時期制御手段は、前記内燃機関運転中における前記内燃機関の回転数が所定の回転数以下の場合に、前記点火手段の点火時期を、前記筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射時期よりも後にすることを特徴とする。
この発明では、内燃機関の回転数が所定の回転数以下の場合に、点火手段の点火時期を、筒内燃料噴射弁による燃料の噴射時期よりも後にしている。このため、より確実に、点火手段の点火時期を筒内燃料噴射弁の燃料噴射時期よりも後にすることができる。この結果、より確実に内燃機関運転時の運転性能の向上を図ると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
また、この発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、前記触媒暖機復帰制御手段が、前記触媒暖機復帰制御を終了させる前記所定条件は、前記内燃機関の始動時から所定時間が経過した場合、前記触媒暖機制御の終了からの経過時間が所定時間を経過した場合、前記内燃機関の始動時からの積算吸入空気量が所定の量以上になった場合、前記内燃機関を循環して前記内燃機関を冷却する冷却水の水温が所定以上の温度になった場合、前記燃料噴射弁が噴射した前記燃料が通る部分の壁面に当該燃料が付着する量である燃料付着量が所定以下の量になった場合、のうちの少なくとも1つ以上の条件を含んでいることを特徴とする。
この発明では、触媒暖機復帰制御を終了させる所定条件として、これらの条件で判定することにより、内燃機関の暖機が終了したことを判定することができ、燃料噴射の比率を固定するのは、内燃機関の暖機運転中のみとすることができる。これにより、内燃機関の暖機が終了した場合には、運転状態に応じた燃料噴射の比率で複数の燃料噴射弁から燃料を噴射するので、運転状態に適した空燃比、及び噴射タイミングで燃料を気筒内に供給することができる。この結果、触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保しつつ、より確実に内燃機関運転時の運転性能を確保することができる。
本発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、触媒の暖機終了後における触媒による排気ガスの浄化性能を確保できる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る内燃機関の噴射制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の噴射制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す内燃機関1には、本発明の実施例1に係る噴射制御装置5が備えられており、この内燃機関1は、複数の気筒10を有している。各気筒10は、内部に燃焼室15が形成されたシリンダヘッド11及びシリンダブロック12を有している。また、シリンダブロック12におけるシリンダヘッド11側の反対側には、クランクケース13が位置している。このうち、シリンダブロック12の内部には、気筒10内を往復運動可能に設けられたピストン20が内設されており、当該内燃機関1の運転時におけるピストン20の下死点方向には、クランク軸であるクランクシャフト22が設けられている。このクランクシャフト22は、クランクケース13内に設けられており、ピストン20の往復運動の方向と直交する方向に回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転可能に形成されている。このように設けられるピストン20とクランクシャフト22とは、コネクティングロッド21によって接続されている。これにより、クランクシャフト22はピストン20の往復運動に伴って回転運動が可能になっている。
また、シリンダブロック12には、運転時の内燃機関1を循環して内燃機関1を冷却する冷却水が通る冷却水路16が形成されている。さらに、シリンダブロック12には、冷却水路16を流れる冷却水の温度を検出可能な水温センサ56が設けられている。また、シリンダヘッド11は、シリンダブロック12の、当該シリンダブロック12におけるピストン20が上死点に向かう方向側の端部に、ガスケット(図示省略)を介して固定されている。また、シリンダヘッド11には、気筒10内に供給された燃料に点火可能な点火手段である点火プラグ45と、吸気バルブ31及び排気バルブ32が設けられている。また、これらの点火プラグ45、吸気バルブ31及び排気バルブ32は、複数形成される気筒10のそれぞれの気筒10に設けられている。また、燃焼室15には吸気通路25と排気通路26とが接続されており、吸気バルブ31は、吸気通路25側に設けられており、排気バルブ32は、排気通路26側に設けられている。
シリンダヘッド11に設けられる吸気バルブ31及び排気バルブ32は、吸気バルブ31や排気バルブ32における燃焼室15側の反対側に設けられたカム35によって往復運動が可能になっている。詳しくは、このカム35は、クランクシャフト22の回転に連動して回転するカムシャフト36に設けられており、カムシャフト36の回転に伴い、カム35も回動する。また、吸気バルブ31及び排気バルブ32にはバルブスプリング37が設けられており、これらの吸気バルブ31及び排気バルブ32は、バルブスプリング37によってカム35に押し付けられているため、カム35が回動することにより、往復運動が可能になっている。
このうち、吸気バルブ31は、往復運動をすることにより、吸気通路25と燃焼室15とを連通または遮断するように設けられており、排気バルブ32は、往復運動をすることにより、排気通路26と燃焼室15とを連通または遮断するように設けられている。また、点火プラグ45は、吸気バルブ31と排気バルブ32との間に設けられており、さらに、高電圧をかけた際に放電する点火部46を有し、この点火部46が燃焼室15内に位置するように設けられている。
当該内燃機関1には、気筒10に供給する燃料を噴射する複数の燃料噴射弁が設けられている。この複数の燃料噴射弁のうち、一部の燃料噴射弁は、気筒10内に直接燃料を噴射する筒内燃料噴射弁である筒内噴射インジェクタ41となっており、また、他の一部の燃料噴射弁は、吸気通路25内に燃料を噴射する吸気通路内燃料噴射弁であるポート噴射インジェクタ42となっている。このうち、筒内噴射インジェクタ41はシリンダヘッド11に設けられており、気筒10内に直接燃料を噴射可能に設けられている。また、ポート噴射インジェクタ42は、吸気通路25に設けられており、吸気通路25内に燃料を噴射することにより、気筒10内に燃料を供給可能に設けられている。
また、吸気通路25には、当該吸気通路25内を流れる空気の流れ方向において、ポート噴射インジェクタ42が設けられている位置の上流側に、吸気通路25内を開閉可能なスロットルバルブ48が設けられている。吸気通路25内を流れる空気の流量は、このスロットルバルブ48の開度を調整することにより、調整可能になっている。
また、排気通路26には、内燃機関1から排出される排気ガスを浄化可能な浄化手段である触媒50が内設されている。なお、この触媒50は、炭化水素(HC)と、一酸化炭素(CO)と、窒素酸化物(NOx)との3物質を酸化・還元反応によって同時に除去する、いわゆる三元触媒となっている。また、排気通路26には、この触媒50の温度である床温を検出可能な床温センサ57が設けられている。
また、シリンダヘッド11に設けられる点火プラグ45は、当該点火プラグ45が有する点火部46の放電を制御する点火回路55に接続されている。この点火回路55、水温センサ56、床温センサ57、さらに、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42は、当該内燃機関1を搭載する車両(図示省略)の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)60に接続されており、ECU60によって制御可能に設けられている。
ECU60には、処理部61、記憶部71及び入出力部72が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU60に接続されている水温センサ56、床温センサ57、点火回路55、筒内噴射インジェクタ41、ポート噴射インジェクタ42は、入出力部72に接続されており、入出力部72は、これらの水温センサ56等との間で信号の入出力を行なう。また、記憶部71には、本発明に係る内燃機関1の噴射制御装置5を制御するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部71は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
また、処理部61は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されており、少なくとも点火プラグ45の点火時期を制御する点火時期制御手段である点火時期制御部62と、触媒50の温度を取得する触媒温度取得手段である床温取得部63と、冷却水の温度を取得する水温取得部64と、内燃機関1の運転状態に応じて筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を変化させことができる燃料供給制御手段である燃料供給制御部65と、床温取得部63で取得した床温が所定温度以下の場合に、点火時期制御部62に対して点火プラグ45の点火時期を遅角させる触媒暖機制御を行なう触媒暖機制御手段である触媒暖機制御部66と、触媒暖機制御部66による触媒暖機制御の終了後には所定条件になるまで燃料供給制御部65に対して筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なう触媒暖機復帰制御手段である触媒暖機復帰制御部67と、触媒暖機復帰制御の処理を行なうかの判定をする触媒暖機復帰制御判定部68と、水温取得部64で取得した水温が所定の温度未満であるかの判定をする水温判定部69と、を有している。
当該内燃機関1の噴射制御装置5が有する筒内噴射インジェクタ41やポート噴射インジェクタ42などの制御は、水温センサ56など車両の各部に設けられたセンサによる検出結果に基づいて、処理部61が前記コンピュータプログラムを当該処理部61に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じて筒内噴射インジェクタ41などを作動させることにより制御する。その際に処理部61は、適宜記憶部71へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このように内燃機関1の噴射制御装置5を制御する場合には、前記コンピュータプログラムの代わりに、ECU60とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
この実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。前記内燃機関1の運転中は、ピストン20がシリンダブロック12内で往復運動を繰り返すことにより、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程を1つのサイクルとしてこのサイクルを繰り返す。ピストン20の往復運動は、コネクティングロッド21によってクランクシャフト22に伝達され、コネクティングロッド21とクランクシャフト22との作用により往復運動が回転運動に変換され、クランクシャフト22が回転する。クランクシャフト22が回転すると、この回転に連動してカムシャフト36が回転し、カムシャフト36の回転に伴ってカム35が回動する。これにより吸気バルブ31や排気バルブ32は往復運動をし、吸気通路25や排気通路26と燃焼室15、或いは吸気通路25や排気通路26と気筒10内との連通と遮断とを繰り返す。
内燃機関1の運転時には、このように吸気バルブ31や排気バルブ32が往復運動して吸気通路25や排気通路26と燃焼室15との連通と遮断とを繰り返すことにより、吸排気を行ない、上記の4つの行程を繰り返す。各行程の概略は、吸気行程では筒内噴射インジェクタ41やポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射することにより気筒10内に燃料を供給する。このうち、ポート噴射インジェクタ42は、ポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射することにより、吸気通路25内で燃料と空気との混合気を生成し、吸気バルブ31の開弁時に、この混合気を気筒10内に吸気させることにより、気筒10内に燃料を供給する。また、筒内噴射インジェクタ41は、吸気バルブ31の開弁時に気筒10内に吸気された空気、または混合気に対して燃料を噴射することにより、気筒10内に直接燃料を供給する。圧縮行程では、吸気バルブ31も排気バルブ32も閉弁し、この状態でピストン20が上死点方向に移動することにより、気筒10内の混合気を圧縮する。
また、燃焼行程では、点火回路55によって点火プラグ45に高電圧の電流を印加し、点火プラグ45の点火部46にアーク放電を発生させることにより、圧縮した混合気が点火する。これにより、圧縮した混合気中の燃料が燃焼するので、燃焼時の圧力によりピストン20が下死点方向に移動し、ピストン20の移動に伴って、コネクティングロッド21を介してピストン20に接続されたクランクシャフト22が回動する。また、排気行程では、吸気バルブ31は閉弁し、排気バルブ32は開弁した状態でピストン20が上死点方向に移動することにより、燃料の燃焼後の排気ガスが気筒10内から排気通路26の方向に流れ、気筒10内から排気される。排気通路26の方向に排気された排気ガスは、排気通路26に設けられる触媒50を通過する。その際に、排気ガスは、触媒50の酸化・還元反応によって炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物が除去され、触媒50により浄化される。
このように、内燃機関1の運転中に内燃機関1から排出される排気ガスは、排気通路26を通って触媒50によって浄化されるが、この触媒50は、排気ガスを効率よく浄化できる温度が、所定の温度範囲内となっている。このため、冷間時における内燃機関1の始動直後など触媒50の温度が低い場合には、排気ガスを効率よく浄化するのが困難なものとなるため、触媒50の温度が所定の温度より低い場合には、触媒暖機制御を行なう。つまり、触媒50の温度である床温が、触媒50が活性化する温度以下の場合には、触媒暖機制御を行なう。
この触媒暖機制御は、ECU60の処理部61が有する触媒暖機制御部66で行なう。触媒暖機制御部66では、床温センサ57で検出し、ECU60の処理部61が有する床温取得部63で取得した床温が、触媒50が活性化する温度以下の場合に、触媒暖機制御部66は触媒暖機制御を行なう。この触媒暖機制御は、触媒暖機制御部66が、ECU60の処理部61が有する点火時期制御部62に対して、点火プラグ45の点火時期を遅角させる制御信号を送信することによって行なう。触媒暖機制御部66から制御信号を受けた点火時期制御部62は、点火回路55を制御して、点火プラグ45の点火時期を遅角させる。
さらに、触媒暖機制御部66は、ECU60の処理部61が有する燃料供給制御部65に対して、筒内噴射インジェクタ41が圧縮行程で燃料噴射するように制御信号を送信する。これにより、筒内噴射インジェクタ41は、内燃機関の圧縮行程で燃料を噴射する。これらのように、点火プラグ45の点火時期を遅角させ、筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射の時期を圧縮行程にすることにより、気筒10内に供給された燃料は、燃焼開始時期が内燃機関1の通常運転時よりも遅くなるため、排気行程で排気通路26に排出される排気ガスは、高温の排気ガスになる。このため、この高温の排気ガスが排気通路26に設けられた触媒50を通過することにより、触媒50の温度は上昇する。
また、触媒暖機制御部66は、触媒暖機制御時には燃料供給制御部65に対して、気筒10内に供給する混合気の空燃比が、内燃機関1の通常運転時の空燃比よりも、空気の割合に対して燃料の割合が少なくなるように、筒内噴射インジェクタ41やポート噴射インジェクタ42から噴射する燃料の量を制御する。つまり、触媒暖機制御部66は、触媒暖機制御時には、内燃機関1の通常運転時の空燃比よりもリーン寄りの空燃比になるように、燃料供給制御部65に対して筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42を制御させる。これにより、未燃焼の炭化水素など、排気ガス中の不純物の量が低減する。このため、温度が低く、未活性の触媒50に排気ガスが通ることにより、不純物が大気に放出される事を抑制できる。また、この場合、リーン寄りの排気ガス、即ち酸素の含有量が多い排気ガスが触媒50を通過するので、触媒50は多くの酸素を吸収し、触媒の酸素貯蔵能は低下する。
このように、触媒暖機制御を行ない、床温が所定の温度、つまり、触媒50が活性化し、排気ガスを効率よく浄化できる温度に達した場合には、触媒暖機制御部66は、触媒暖機制御を終了する。触媒暖機制御部66が触媒暖機制御を終了した後、内燃機関1の暖機が終了していない場合には、触媒暖機復帰制御を行なう。この内燃機関1の暖機が終了をしているかの判断は、運転中の内燃機関1を冷却する冷却水の水温によって判断する。このため、この判断をする際には、まず、冷却水の水温を取得する。この冷却水の水温の取得は、水温センサ56で検出した水温を、ECU60の処理部61が有する水温取得部64で取得することにより行なう。さらに、この水温取得部64で取得した水温が所定の温度未満であるかを水温判定部69で判定し、水温が所定の温度未満の場合には、内燃機関1の暖機は終了していないものと判断され、触媒暖機復帰制御を行なう。
この触媒暖機復帰制御は、ECU60の処理部61が有する触媒暖機復帰制御部67によって行なう。触媒暖機復帰制御を行なう際には、触媒暖機復帰制御部67は燃料供給制御部65に対して、筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42とから噴射する燃料の比率を固定させる。また、触媒暖機復帰制御部67は、触媒暖機復帰制御時には、触媒暖機制御時よりも気筒10内に供給する混合気の空燃比がリッチ寄りになるように、燃料供給制御部65に対して筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42を制御させる。これにより、触媒暖機復帰制御時には、リッチ寄りの排気ガス、即ち酸素の含有量が少ない排気ガスが、触媒50を通過する。これにより触媒50は、貯蔵している酸素を排気ガスに放出できるので、触媒暖機制御時に低下した触媒50の酸素貯蔵能は、このようにリッチ寄りの排気ガスを通過させることにより回復する。
さらに、触媒暖機復帰制御部67は、触媒暖機復帰制御時には、点火時期制御部62に対して、点火プラグ45の点火時期を触媒暖機制御時よりも進角させる制御信号を送信する。これにより、触媒暖機復帰制御時の点火プラグ45の点火時期は、触媒暖機制御時の点火プラグ45の点火時期よりも進角する。即ち、触媒暖機復帰制御部67は、触媒暖機復帰制御時には点火プラグ45の点火時期を、内燃機関1の暖機に適した点火時期にする。
図2は、本発明の実施例1に係る内燃機関の噴射制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5の制御方法、即ち、当該噴射制御装置5の処理手順について説明する。また、以下の説明では、触媒暖機制御後における処理手順について説明する。さらに、内燃機関1の運転時において触媒暖機制御後は、所定時間ごとに下記に説明する処理手順を実行し、以下の処理手順を繰り返す。
この実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5の、触媒暖機制御終了後における処理手順では、まず、触媒暖機復帰制御がONになっているかを判定する(ステップST101)。この判定は、ECU60の処理部61が有する触媒暖機復帰制御判定部68で行ない、ECU60の処理部61が有する触媒暖機復帰制御部67が触媒暖機復帰制御を行なっているかを判定する。この判定により、触媒暖機復帰制御部67は触媒暖機復帰制御を行なっていないと触媒暖機復帰制御判定部68が判定した場合には、後述するステップST105に向かう。
触媒暖機復帰制御判定部68による判定で、触媒暖機復帰制御部67は触媒暖機復帰制御を行なっていると判定した場合には、次に、冷却水の水温を取得する(ステップST102)。この冷却水の水温は、水温センサ56が検出した水温が、ECU60の処理部61が有する水温取得部64に電気信号によって伝達され、水温取得部64で取得する。
次に、水温取得部64で取得した水温が、所定の温度Tw未満であるかを判定する(ステップST103)。この判定は、水温取得部64で取得した水温が、ECU60の処理部61が有する水温判定部69に伝達され、この水温が所定の温度Tw未満であるかを水温判定部69で判定する。なお、この判定に用いられる所定の温度Twは、内燃機関1の暖機運転が終了したかの基準になる温度であり、水温がTw以上の場合には内燃機関1は暖まり、暖機運転は終了したと判定される。このため、水温取得部64で取得した水温がTw以上の場合には、内燃機関1は暖機運転が完了したと判定され、後述するステップST105に向かう。
水温判定部69による判定で、水温取得部64が取得した水温がTw未満であると判定した場合には、ポート噴射インジェクタ42による燃料噴射であるポート噴射と、筒内噴射インジェクタ41による燃料噴射である筒内噴射との噴き分け率を固定する(ステップST104)。つまり、水温判定部69による判定で、水温取得部64が取得した水温がTw未満であると判定した場合には、触媒暖機復帰制御部67から燃料供給制御部65に対して、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なう。換言すると、触媒暖機復帰制御部67は、燃料供給制御部65に制御信号を送信することにより燃料供給制御部65を介して、ポート噴射インジェクタ42から噴射する燃料の量と筒内噴射インジェクタ41から噴射する燃料の量とを合わせた量に対する、ポート噴射インジェクタ42からの燃料噴射量と、筒内噴射インジェクタ41からの燃料噴射量との比率を一定にする。
この筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率は、例えば、5:5で固定するなど、所定の比率で固定してもよく、または、触媒暖機制御時における比率と同じ比率で固定してもよい。触媒暖機復帰制御部67が行なう触媒暖機復帰制御では、このように筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させた状態で、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42から噴射する燃料の量、即ち、気筒10内に供給する燃料の量を制御する。また、触媒暖機復帰制御では、触媒暖機復帰制御部67によって筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させた状態で、気筒10内に供給する混合気の空燃比を、触媒暖機制御時の空燃比よりもリッチ寄りにする。
触媒暖機終了後で、内燃機関1の暖機が終了していない場合には、このように触媒暖機復帰制御部によって触媒暖機復帰制御を行ない、この処理手順を抜け出る。その後、所定時間経過後に、再びこの処理手順に戻って、ステップST101で、触媒暖機復帰制御がONになっているかを判定する。
また、上記触媒暖機復帰制御判定部68による判定で(ステップST101)、触媒暖機復帰制御がONになっていないと判定された場合、または、水温判定部69による判定で(ステップST103)、水温取得部64が取得した水温がTw以上であると判定された場合には、ポート噴射と筒内噴射との噴き分け率を成り行きにする(ステップST105)。つまり、触媒暖機復帰制御判定部68による判定で、触媒暖機復帰制御部67は触媒暖機復帰制御を行なっていないと判定した場合、または、水温判定部69による判定で、水温取得部64が取得した水温がTw以上であると判定した場合には、燃料供給制御部65は、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を成り行きにする。即ち、燃料供給制御部65は、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料の噴き分け率を、内燃機関1の運転状態に適した比率にし、この状態で内燃機関1を運転させる。
詳しくは、例えば内燃機関1の回転数と負荷率に対する筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42との燃料の噴き分け率を、予めマップ(図示省略)化してECU60の記憶部71に記憶させてもよい。この場合、内燃機関1の運転時に、内燃機関1の回転数と負荷率とを検出して、記憶部71に記憶されたこのマップを参照することにより、筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42との燃料の噴き分け率を決定し、この噴き分け率で燃料を噴射する。
これらのように、燃料供給制御部65は、水温取得部64が取得した水温がTw未満の場合には、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させ、水温がTw以上になった場合に、この燃料噴射の比率を成り行きにする。換言すると、触媒暖機制御部66による触媒暖機制御の終了後には、触媒暖機復帰制御部67は所定の条件になるまで、即ち、水温取得部64で取得した水温がTw以上になるまで、燃料供給制御部65に対して筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させる。
また、ポート噴射と筒内噴射との噴き分け率を成り行きにした後は、この処理手順を抜け出て、その後、所定時間経過後に、再びこの処理手順に戻って、ステップST101で、触媒暖機復帰制御がONになっているかを判定する。
以上の内燃機関1の噴射制御装置5は、触媒50の温度である床温が、所定温度以下、つまり、触媒50が活性化する温度以下の場合には、点火時期を遅角させて触媒暖機制御を行ない、触媒50を暖機している。また、この触媒暖機制御の終了後は、冷却水の水温がTw以上になるまで、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なっている。内燃機関1の温度が低い場合において筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射する場合には、噴射した燃料の量に対するウェット分の割合が、筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42とで異なる虞がある。このため、このような場合に、筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42との噴き分け率を変化させると、所望の空燃比の混合気を気筒10内に供給するのが困難になる虞がある。
これに対し、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させた場合には、燃料の噴射量に対するウェット分の割合も一定であるため、より確実に所望の空燃比で混合気を気筒10内に供給することができる。従って、触媒暖機制御終了後における空燃比の制御性の向上を図ることができ、より確実に触媒50の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒10内に供給することができる。この結果、触媒50の暖機終了後における触媒50による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
また、触媒暖機制御中は、気筒10内に供給する混合気の空燃比がリーン寄りになるように筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射することにより、未活性状態の触媒50が排気ガス中の不純物を浄化できずに、不純物が大気に放出されるのを抑制できる。また、触媒暖機の終了後、触媒暖機復帰制御中に、気筒10内に供給する混合気の空燃比がリッチ寄りになるように筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射することにより、触媒暖機中に低下した触媒50の酸素貯蔵能を回復させることができる。これらの結果、より確実に、触媒50の暖機終了後における触媒50による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80は、実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5と略同様の構成であるが、触媒暖機復帰制御を行なう際に、燃料の噴射時期や点火時期を規定している点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図3は、本発明の実施例2に係る内燃機関の噴射制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。同図に示す内燃機関1の噴射制御装置80は、実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5と同様に、シリンダヘッド11には筒内噴射インジェクタ41が設けられており、吸気通路25にはポート噴射インジェクタ42が設けられている。また、クランクシャフト22の近傍には、クランクシャフト22の回転角度位置であるクランク角を検出するクランク角検出センサ81が設けられている。詳しくは、このクランク角は、クランクシャフト22の回転軸を中心とした場合におけるコネクティングロッド21が接続されている部分の回転角度位置となっている。
また、実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80は、実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5と同様にECU82を有しており、このECU82は処理部61と記憶部71と入出力部72とを有している。このうち、処理部61は、少なくとも、点火時期制御部62と、床温取得部63と、水温取得部64と、燃料供給制御部65と、触媒暖機制御部66と、触媒暖機復帰制御部67と、触媒暖機復帰制御判定部68と、水温判定部69と、を有している。さらに、ECU82の処理部61は、運転中の内燃機関1の回転数を取得する回転数取得部83と、回転数取得部83で取得した回転数が所定の回転数以下であるかを判定する回転数判定部84と、を有している。
この実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この内燃機関1の噴射制御装置80が備えられる内燃機関1の冷間始動時には、まず、ECU80の触媒暖機制御部66で触媒暖機制御を行なう。即ち、触媒暖機制御部66から点火時期制御部62に制御信号を送信し、点火回路55を介して点火プラグ45の点火時期を遅角すると共に、触媒暖機制御部66から燃料供給制御部65に制御信号を送信し、筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射時期を圧縮行程にする。これにより、触媒50には高温の排気ガスが流れるので、触媒50は温度が上昇し易くなる。
さらに、筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42とから燃料を噴射し、気筒10内に供給する混合気の空燃比をリーン寄りにする。これにより、排気ガス中に含まれる不純物を低減でき、未活性触媒50に排気ガスが通過することによって排気ガス中の不純物が大気に放出されることを抑制できる。
また、触媒50の温度が上昇して触媒暖機制御が終了した後、内燃機関1の暖機が終了していない場合には、触媒暖機復帰制御部67によって触媒暖機復帰制御を行なう。この内燃機関1の暖機が終了をしているかの判断は、運転中の内燃機関1を冷却する冷却水の水温によって判断する。さらに、本実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80では、触媒暖機復帰制御を行なうかの判断を、運転中の内燃機関1の回転数によっても行なう。このため、この判断をする際には、まず、運転中の内燃機関1の回転数を取得する。この内燃機関1の回転数の取得は、クランク角検出センサ81で検出したクランクシャフト22の角速度を、ECU82の処理部61が有する回転数取得部83で取得することにより行なう。さらに、この回転数取得部83で取得した回転数が所定の回転数以下であるかを回転数判定部84で判定し、回転数が所定の回転数以下の場合には、触媒暖機復帰制御を行なう。
この触媒暖機復帰制御は、ECU82の処理部61が有する触媒暖機復帰制御部67によって行なう。触媒暖機復帰制御を行なう際には、触媒暖機復帰制御部67は燃料供給制御部65に対して、筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42とから噴射する燃料の比率を固定させ、また、気筒10内に供給する混合気の空燃比をリッチ寄りにさせる。また、触媒暖機復帰制御部67は、ECU82の処理部61が有する燃料供給制御部65を制御し、筒内噴射インジェクタ41による燃料噴射の噴射時期を、内燃機関1の圧縮行程にさせる。さらに、触媒暖機復帰制御部67は、ECU82の処理部61が有する点火時期制御部62を制御し、点火プラグ45の点火時期を遅角側にする。
図4は、本発明の実施例2に係る内燃機関の噴射制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80の制御方法、即ち、当該噴射制御装置80の処理手順について説明する。また、以下の説明では、触媒暖機制御後における処理手順について説明する。さらに、内燃機関1の運転時において触媒暖機制御後は、所定時間ごとに下記に説明する処理手順を実行し、以下の処理手順を繰り返す。
この実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80の、触媒暖機制御終了後における処理手順では、まず、ECU82の触媒暖機復帰制御判定部68で、触媒暖機復帰制御がONになっているかを判定する(ステップST201)。この判定により、触媒暖機復帰制御部67は触媒暖機復帰制御を行なっていないと触媒暖機復帰制御判定部68が判定した場合には、後述するステップST209に向かう。
触媒暖機復帰制御判定部68による判定で、触媒暖機復帰制御部67は触媒暖機復帰制御を行なっていると判定した場合には、次に、水温センサ56による検出結果より、冷却水の水温をECU82の水温取得部64で取得する(ステップST202)。次に、水温取得部64で取得した水温が、所定の温度Tw未満であるかをECU82の水温判定部69で判定する(ステップST203)。このため、この判定により、水温取得部64で取得した水温がTw以上の場合には、内燃機関1は暖機運転が完了したと判定され、後述するステップST209に向かう。
水温判定部69による判定で、水温取得部64が取得した水温がTw未満であると判定した場合には、次に、運転中の内燃機関1の回転数を取得する(ステップST204)。詳しくは、クランク角検出センサ81で検出したクランクシャフト22のクランク角が、ECU82の処理部61が有する回転数取得部83に伝達され、伝達されたクランク角より所定時間におけるクランク角の変化を回転数取得部83で検出し、この変化よりクランクシャフト22の回転数を算出して取得する。
次に、回転数取得部83で取得した運転中の内燃機関1の回転数が、所定の回転数N以下であるかを判定する(ステップST205)。この判定は、回転数取得部83で取得した回転数が、ECU82の処理部61が有する回転数判定部84に伝達され、この回転数が所定の回転数N以下であるかを回転数判定部84で判定する。なお、この判定に用いられる所定の回転数Nは、ECU82が正確に制御を行なえるかの基準になる回転数であり、回転数がNを超える場合には、回転数が高過ぎるため、正確な触媒暖機復帰制御は困難なものと判定される。このため、回転数取得部83で取得した回転数がNよりも高い場合には、運転中の内燃機関1の回転数が高過ぎて、正確な触媒暖機復帰制御は困難なものと判定され、後述するステップST209に向かう。
回転数判定部84による判定で、回転数取得部83が取得した内燃機関1の回転数がN以下であると判定された場合には、ポート噴射と筒内噴射との噴き分け率を固定する(ステップST206)。つまり、回転数判定部84による判定で、回転数取得部83が取得した内燃機関1の回転数がN以下であると判定された場合には、触媒暖機復帰制御部67から燃料供給制御部65に対して、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なう。また、触媒暖機復帰制御では、触媒暖機復帰制御部67によって筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を固定させた状態で、気筒10内に供給する混合気の空燃比を、触媒暖機制御時の空燃比よりもリッチ寄りにする。
次に、触媒暖機復帰制御部67は、筒内噴射時期を圧縮行程にセットする(ステップST207)。詳しくは、触媒暖機復帰制御部67は、燃料供給制御部65に対して筒内噴射インジェクタ41が、内燃機関1の圧縮行程中に燃料噴射を行なうように制御する。ここで、筒内噴射インジェクタ41は、触媒暖機制御時においても、圧縮行程で燃料噴射をさせているが、この触媒暖機復帰制御部67における筒内噴射インジェクタ41による燃料噴射は、触媒暖機制御中における筒内噴射インジェクタ41による燃料噴射よりも、圧縮行程中における噴射時期が早くなっている。
次に、触媒暖機復帰制御部67は、点火時期を遅角側にセットする(ステップST208)。つまり、触媒暖機復帰制御部67は、点火時期制御部62に対して点火プラグ45の点火時期が遅角側になるように制御する。詳しくは、触媒暖機復帰制御部67は点火時期制御部62に対して制御信号を送信し、制御信号を受けた点火時期制御部62は、点火回路55を介して点火プラグ45の点火時期を、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射時期よりも後になるように制御をする。即ち、筒内噴射インジェクタ41の噴射時期が、圧縮行程になっており、内燃機関1の通常の噴射時期よりも遅角側になっているため、これに合わせて点火プラグ45の点火時期も遅角側にセットする。
触媒暖機終了後で、内燃機関1の暖機が終了していない場合には、このように触媒暖機復帰制御部67によって触媒暖機復帰制御を行ない、この処理手順を抜け出る。その後、所定時間経過後に、再びこの処理手順に戻って、ステップST201で、触媒暖機復帰制御がONになっているかを判定する。
また、上記触媒暖機復帰制御判定部68による判定で(ステップST201)、触媒暖機復帰制御がONになっていないと判定された場合、または、水温判定部69による判定で(ステップST203)、水温取得部64が取得した水温がTw以上であると判定された場合、または、回転数判定部84による判定で(ステップST205)、回転数取得部83が取得した内燃機関1の回転数がNよりも高いと判定された場合には、ポート噴射と筒内噴射との噴き分け率を成り行きにする(ステップST209)。つまり、触媒暖機復帰制御判定部68による判定で、触媒暖機復帰制御部67は触媒暖機復帰制御を行なっていないと判定した場合、または、水温判定部69による判定で、水温取得部64が取得した水温がTw以上であると判定した場合、または、回転数判定部84による判定で、回転数取得部83が取得した内燃機関1の回転数がNよりも高いと判定された場合には、燃料供給制御部65は、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料噴射の比率を成り行きにする。即ち、燃料供給制御部65は、筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42による燃料の噴き分け率を、内燃機関1の運転状態に適した比率にし、この状態で内燃機関1を運転させる。
次に、触媒暖機復帰制御部67は、筒内噴射時期を成り行きにする(ステップST210)。詳しくは、触媒暖機復帰制御部67は、燃料供給制御部65に対して筒内噴射インジェクタ41が、内燃機関1の運転状態に応じて成り行きで燃料噴射をするように制御する。つまり、触媒暖機復帰制御部67は、筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射の時期が、内燃機関1の運転状態に適した噴射時期になるように燃料供給制御部65を介して筒内噴射インジェクタ41を制御する。
次に、触媒暖機復帰制御部67は、点火時期を成り行きにする(ステップST211)。つまり、触媒暖機復帰制御部67は、点火時期制御部62に対して点火プラグ45の点火時期が、内燃機関1の運転状態に応じて成り行きになるように制御する。詳しくは、触媒暖機復帰制御部67は、内燃機関1の運転状態に応じて成り行きの点火時期になるように点火時期制御部62に対して制御信号を送信する。制御信号を受けた点火時期制御部62は、点火回路55を介して点火プラグ45の点火時期が、内燃機関1の運転状態に応じた成り行きの点火時期になるように制御する。
なお、これらの筒内噴射時期を成り行きにしたり(ステップST210)、点火時期を成り行きにしたり(ステップST211)する制御は、例えば、内燃機関1の回転数と負荷率に対する筒内噴射インジェクタ41とポート噴射インジェクタ42との燃料の噴き分け率を固定する場合(実施例1、ステップST105参照)と同様に、内燃機関1の回転数と負荷率に対する筒内噴射時期や点火時期を予めマップ(図示省略)化してECU82の記憶部71に記憶させてもよい。これにより、内燃機関1の回転数と負荷率とに適した筒内噴射時期や点火時期で内燃機関を運転させることができる。
また、ポート噴射と筒内噴射との噴き分け率、筒内噴射インジェクタ41の噴射時期、点火プラグ45の点火時期を、内燃機関1の運転状態に応じて成り行きにした後は、この処理手順を抜け出る。その後、所定時間経過後に、再びこの処理手順に戻って、ステップST201で、触媒暖機復帰制御がONになっているかを判定する。
以上の内燃機関1の噴射制御装置80は、触媒暖機制御の終了後、即ち触媒暖機復帰制御時における筒内噴射インジェクタ41による燃料噴射の時期を、内燃機関1の圧縮行程にしている。この筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射時期は、触媒暖機制御時も圧縮行程にしているので、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射時期は、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時とで同じ時期にしている。このように、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射時期を、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時とで同じ時期にしているので、筒内噴射インジェクタ41が燃料を噴射した場合のウェット分を、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時とで同程度にすることができる。これにより、触媒暖機復帰制御時において燃料噴射量の制御をする際に、触媒暖機制御中からのウェット分の変化を考慮する必要がないので、より容易に所望の空燃比で混合気を気筒10内に供給することができる。この結果、より確実に触媒50の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒10内に供給することができ、触媒50の暖機終了後における触媒50による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
また、内燃機関1の回転数が、ECU82が正確に制御を行なえるかの基準になる回転数N以下の場合に、触媒暖機制御時における筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射の時期と、触媒暖機復帰制御時における筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射の時期とを、共に圧縮行程にしている。つまり、内燃機関1の回転数がN以下の場合に、筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射の時期を、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時とで同じ時期にしている。このため、より正確に双方の時期を合わせることができるので、より確実に、筒内噴射インジェクタ41が燃料を噴射した場合のウェット分を、触媒暖機制御時と触媒暖機復帰制御時、つまり、触媒暖機制御中と触媒暖機制御後とで同程度にすることができる。これにより、より確実に所望の空燃比で混合気を気筒10内に供給することができる。この結果、より確実に触媒50の浄化性能を確保できる空燃比で混合気を気筒10内に供給することができ、触媒50の暖機終了後における触媒50による排気ガスの浄化性能を確保することができる。
また、点火プラグ45の点火時期を、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射時期よりも後にしているので、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射と点火プラグ45の点火とが重なることを抑制することができる。これにより、筒内噴射インジェクタ41から燃料を噴射している最中に点火プラグ45によって混合気に点火し、混合気の燃焼状態が悪くなることを抑制できる。即ち、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射中に点火プラグ45が点火することに起因する燃焼悪化を抑制することができる。この結果、内燃機関1運転時の運転性能の向上を図ると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
また、内燃機関1の回転数が、ECU82が正確に制御を行なえるかの基準になる回転数N以下の場合に、点火プラグ45の点火時期を、筒内噴射インジェクタ41による燃料の噴射時期よりも後にしている。このため、より確実に、点火プラグ45の点火時期を筒内噴射インジェクタ41の燃料噴射時期よりも後にすることができる。この結果、より確実に内燃機関1運転時の運転性能の向上を図ると共にエミッションの悪化を抑制することができる。
図5は、本発明の実施例1に係る内燃機関の噴射制御装置の変形例が設けられた内燃機関の概略図である。なお、実施例1に係る内燃機関1の噴射制御装置5では、触媒暖機復帰制御部67が触媒暖機復帰制御を終了させる所定条件として、水温センサ56で検出し、ECU60の水温取得部64で取得した冷却水の水温が所定以上の温度になった場合に終了させているが、触媒暖機復帰制御を終了させる所定条件は、冷却水の水温以外でもよい。例えば、内燃機関1の始動時から所定時間が経過した場合、触媒暖機制御の終了からの経過時間が所定時間を経過した場合、内燃機関1の始動時からの積算吸入空気量が所定の量以上になった場合、燃料のウェット分、つまり、筒内噴射インジェクタ41やポート噴射インジェクタ42が噴射した燃料が通る部分の壁面、即ち、吸気通路25の内側の面や気筒10の内側の面に当該燃料が付着する量である燃料付着量が所定以下の量になった場合に触媒暖機復帰制御を終了させてもよい。
詳しくは、ECU90に、時間を算出するタイマ91を設け、内燃機関1運転中の経過時間を算出可能にする。これにより、内燃機関1の始動時からの経過時間をタイマ91で算出することができ、内燃機関1の始動時から所定時間が経過したことをタイマ91から算出した場合に、触媒暖機復帰制御を終了させてもよい。または、触媒暖機制御の終了時から所定時間が経過したことをタイマ91から算出した場合に、触媒暖機復帰制御を終了させてもよい。
または、吸気通路25に吸入空気量検出手段として、例えばスロットルバルブ48の上流側にエアフロメータ92を設け、さらに、ECU90に、エアフロメータ92が検出した吸入空気量を積算する吸入空気量積算手段である吸入空気量積算部93を設け、吸入空気量積算部93が積算した積算吸入空気量が所定の量以上になった場合に、触媒暖機復帰制御を終了させてもよい。
または、内燃機関1の運転中に筒内噴射インジェクタ41やポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射した場合に吸気通路25の内側の面や気筒10の内側の面に付着する燃料の燃料付着量を、内燃機関1の運転状態に応じて予めマップ化してECU90の記憶部71に記憶させておく。さらに、ECU90の処理部61には、このマップを参照して内燃機関1の運転状態における燃料付着量を取得する燃料付着量取得手段である燃料付着量取得部94を設ける。これにより、触媒暖機復帰制御中の燃料付着量を随時取得し、この燃料付着量が所定以下の量になった場合に、触媒暖機復帰制御を終了させてもよい。即ち、触媒暖機復帰制御部67が、触媒暖機復帰制御を終了させる所定条件は、少なくとも上述したうちの1つ以上の条件を含んでいればよい。
触媒暖機復帰制御を終了させる所定条件として、これらの条件で判定することにより、内燃機関1の暖機が終了したことを判定することができ、燃料噴射の比率を固定するのは、内燃機関1の暖機運転中のみとすることができる。これにより、内燃機関1の暖機が終了した場合には、運転状態に応じた燃料噴射の比率で筒内噴射インジェクタ41及びポート噴射インジェクタ42から燃料を噴射するので、運転状態に適した空燃比、及び噴射タイミングで燃料を気筒10内に供給することができる。この結果、触媒50の暖機終了後における触媒50による排気ガスの浄化性能を確保しつつ、より確実に内燃機関1運転時の運転性能を確保することができる。なお、触媒暖機復帰制御を終了させるこれらの所定条件は、実施例2に係る内燃機関1の噴射制御装置80に適用してもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関の噴射制御装置は、複数の燃料噴射弁を有する内燃機関に有用であり、特に、排気通路に触媒を備える内燃機関に適している。
本発明の実施例1に係る内燃機関の噴射制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。 本発明の実施例1に係る内燃機関の噴射制御装置の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例2に係る内燃機関の噴射制御装置が設けられた内燃機関の概略図である。 本発明の実施例2に係る内燃機関の噴射制御装置の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例1に係る内燃機関の噴射制御装置の変形例が設けられた内燃機関の概略図である。
符号の説明
1 内燃機関
5、80 噴射制御装置
10 気筒
11 シリンダヘッド
12 シリンダブロック
13 クランクケース
15 燃焼室
16 冷却水路
20 ピストン
21 コネクティングロッド
22 クランクシャフト
25 吸気通路
26 排気通路
31 吸気バルブ
32 排気バルブ
41 筒内噴射インジェクタ
42 ポート噴射インジェクタ
45 点火プラグ
50 触媒
55 点火回路
56 水温センサ
57 床温センサ
60、82、90 ECU
61 処理部
62 点火時期制御部
63 床温取得部
64 水温取得部
65 燃料供給制御部
66 触媒暖機制御部
67 触媒暖機復帰制御部
68 触媒暖機復帰制御判定部
69 水温判定部
71 記憶部
72 入出力部
81 クランク角検出センサ
83 回転数取得部
84 回転数判定部
91 タイマ
92 エアフロメータ
93 吸入空気量積算部
94 燃料付着量取得部

Claims (6)

  1. 内燃機関が有する気筒に供給する燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、
    前記気筒内に供給された前記燃料に点火可能な点火手段と、
    前記点火手段の点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    前記内燃機関から排出される排気ガスを浄化可能な触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
    前記触媒温度取得手段で取得した前記触媒の温度が所定温度以下の場合に、前記点火時期制御手段に対して前記点火手段の点火時期を遅角させる触媒暖機制御を行なう触媒暖機制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記複数の燃料噴射弁による燃料噴射の比率を変化させることができる燃料供給制御手段と、
    前記触媒暖機制御手段による前記触媒暖機制御の終了後には所定条件になるまで前記燃料供給制御手段に対して前記複数の燃料噴射弁による燃料噴射の比率を固定させる触媒暖機復帰制御を行なう触媒暖機復帰制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の噴射制御装置。
  2. 前記複数の燃料噴射弁のうち一部の前記燃料噴射弁は、前記気筒内に直接燃料を噴射する筒内燃料噴射弁となっており、
    前記触媒暖機復帰制御手段は、前記触媒暖機復帰制御時に、前記筒内燃料噴射弁による燃料噴射の時期を前記触媒暖機制御時における時期と同じ時期にすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の噴射制御装置。
  3. 前記触媒暖機復帰制御手段は、前記内燃機関運転中における前記内燃機関の回転数が所定の回転数以下の場合に、前記筒内燃料噴射弁による燃料噴射の時期を、前記触媒暖機制御時と前記触媒暖機制御の終了後とで同じ時期にすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の噴射制御装置。
  4. 前記点火時期制御手段は、前記点火手段の点火時期を、前記筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射時期よりも後にすることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の噴射制御装置。
  5. 前記点火時期制御手段は、前記内燃機関運転中における前記内燃機関の回転数が所定の回転数以下の場合に、前記点火手段の点火時期を、前記筒内燃料噴射弁による前記燃料の噴射時期よりも後にすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の噴射制御装置。
  6. 前記触媒暖機復帰制御手段が、前記触媒暖機復帰制御を終了させる前記所定条件は、前記内燃機関の始動時から所定時間が経過した場合、前記触媒暖機制御の終了からの経過時間が所定時間を経過した場合、前記内燃機関の始動時からの積算吸入空気量が所定の量以上になった場合、前記内燃機関を循環して前記内燃機関を冷却する冷却水の水温が所定以上の温度になった場合、前記燃料噴射弁が噴射した前記燃料が通る部分の壁面に当該燃料が付着する量である燃料付着量が所定以下の量になった場合、のうちの少なくとも1つ以上の条件を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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