JP2008196307A - 内燃機関の始動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】停止時における膨張行程気筒の筒内圧が所定圧以上であるときに、この膨張行程気筒に燃料を噴射し点火することで、圧縮空気の供給や逆転作動等により膨張行程気筒内を加圧することなく、内燃機関の始動を可能にする(S18、S20)。
【選択図】図2
Description
ダイレクトスタート装置には、空気供給式及び逆転加圧式の2種類の方式が開発されている。空気供給式のダイレクトスタート装置では、エンジン停止時における膨張行程気筒に圧縮空気を供給して燃料を燃焼させることで、エンジンを正転方向に始動させる。
また、請求項3の発明では、請求項1または2において、内燃機関の筒内を加圧する筒内加圧手段を更に備え、筒内圧検出手段により推定した膨張行程気筒の筒内圧が前記所定圧未満であるときに、筒内加圧手段により膨張行程気筒内を前記所定圧以上に加圧した後に、膨張行程気筒内に燃料を供給し点火することで内燃機関を始動させることを特徴とする。
また、請求項5の発明では、請求項3において、筒内加圧手段は、内燃機関の停止時における圧縮行程気筒で燃料を燃焼させ内燃機関を一旦逆転作動させて膨張行程気筒内を圧縮することで、膨張行程気筒内を加圧することを特徴とする。
また、請求項7の発明では、請求項1〜5のいずれかにおいて、筒内圧検出手段は、内燃機関の停止直前に回転方向が変化した回数に基づいて筒内圧を推定することを特徴とする。
請求項2の内燃機関の始動装置によれば、膨張行程気筒内に燃料を供給し点火することによる内燃機関の始動の可否が、ピストン停止位置検出手段により検出されたピストン停止位置に基づいて判定されるので、このピストン停止位置に応じて所定圧を限界値に設定することができ、この始動方法による始動機会を増加させることができる。
請求項4の内燃機関の始動装置によれば、膨張行程気筒内に圧縮空気を供給することで膨張行程気筒内を加圧するので、膨張行程気筒の筒内圧が所定値未満であっても、スタータを用いることなく容易な構成で始動を可能にすることができる。
請求項6の内燃機関の始動装置によれば、内燃機関の停止からの経過時間に基づいて筒内圧を推定するので、筒内圧をセンサ等により検出する必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の内燃機関の始動装置を備えた内燃機関の概略構成図が示されている。
本実施形態のエンジン(内燃機関)1は、4つの気筒がクランク角180°毎に等間隔で爆発する筒内噴射型の4サイクル直列4気筒型エンジンである。図1には、そのうちの1つの気筒についての縦断面が示されている。なお、他の気筒についても同様の構成をしているものとして図示及び説明を省略する。
ピストン10はコンロッド11を介してクランクシャフト20に連結されている。そして、クランクシャフト20の一端部にはフライホイール22が設けられている。
そして、点火プラグ3、エアアシストインジェクタ5、クランク角センサ24、カム角センサ26及び筒内圧センサ28等の各種装置や各種センサ類はECU(電子コントロールユニット:制御手段)30と電気的に接続されており、ECU30は各種センサ類からの各情報に基づき各種装置を作動制御する。
更に、本実施形態のエンジン1には、スタータを使用せずにエンジンを始動するダイレクトスタート装置として空気供給式始動装置が備えられている。
図2は、本発明の第1の実施形態においてECU30が実行するエンジン1の始動制御手順を示すフローチャートである。以下、同フローチャートに沿って、本実施形態におけるエンジン1の始動制御を説明する。
先ずステップS10では、カム角センサ26からカム角θbを入力し、このカム角θbに基づいて膨張行程にある気筒(膨張行程気筒)を判別する。そして、ステップS12に進む。
ステップS18では、ステップS16において検出された筒内圧Pcが必要筒内圧Pcobj以上であるか否かを判別する。筒内圧Pcが必要筒内圧Pcobj以上である場合は、ステップS18に進む。
一方、ステップS18において、筒内圧Pcが必要筒内圧Pcobj未満であると判定された場合は、ステップS22に進む。
次に、本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態に対する相違点のみ説明する。第2の実施形態ではダイレクトスタート装置として、逆転加圧式始動装置を備えている。
一方、ステップS18において、筒内圧Pcが必要筒内圧Pcobj未満であると判定された場合は、上記の逆転加圧式始動装置を用いてエンジンを始動させる。
なお、本実施形態では、筒内圧Pcを筒内圧センサ28により検出しているが、これに限定されるものではなく、例えばエンジン1が停止してからの経過時間に基づいて推定してもよい。詳しくは、図4に示すようなマップを用いて、エンジン1が停止してからの経過時間に対応した筒内圧Pcを読み出せばよい。図4に示すように、エンジン1が停止してからの経過時間が大きくなるにしたがって、筒内圧Pcは低下する。また、筒内圧Pcを、クランク角センサ24から検出したクランク角θaにより、エンジン停止直前でのクランク挙動あるいは逆転回数から推定してもよい。一般的に、クランク挙動の大きいあるいは逆転回数の大きい場合は、筒内圧が大きくなる傾向にあり、実験等によりあらかじめ確認してマップとして記憶し、これを用いて筒内圧Pcを求めればよい。
3 点火プラグ
5 エアアシストインジェクタ
24 クランク角センサ
28 筒内圧センサ
30 ECU
Claims (7)
- 内燃機関の筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
前記内燃機関の筒内に臨んで設けられた点火プラグと、
前記内燃機関の筒内圧を検出または推定する筒内圧検出手段と、を備え、
前記筒内圧検出手段により検出または推定した前記内燃機関の停止時における膨張行程気筒の筒内圧が所定圧以上であるときに、停止状態の前記内燃機関の膨張行程気筒内に前記燃料噴射弁により燃料を供給し前記点火プラグにより点火することで前記内燃機関を始動させることを特徴とする内燃機関の始動装置。 - 前記内燃機関のピストン停止位置を検出するピストン停止位置検出手段を更に備え、
前記所定圧は、前記ピストン停止位置検出手段により検出された前記膨張行程気筒のピストン停止位置に基づいて推定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動装置。 - 前記内燃機関の筒内を加圧する筒内加圧手段を更に備え、
前記筒内圧検出手段により推定した前記膨張行程気筒の筒内圧が前記所定圧未満であるときに、前記筒内加圧手段により前記膨張行程気筒内を前記所定圧以上に加圧した後に、前記膨張行程気筒内に燃料を供給し点火することで内燃機関を始動させることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の始動装置。 - 前記筒内加圧手段は、前記膨張行程気筒内に圧縮空気を供給することで、前記膨張行程気筒内を加圧することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の始動装置。
- 前記筒内加圧手段は、前記内燃機関の停止時における圧縮行程気筒で燃料を燃焼させ前記内燃機関を一旦逆転作動させて前記膨張行程気筒内を圧縮することで、前記膨張行程気筒内を加圧することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の始動装置。
- 前記筒内圧検出手段は、前記内燃機関の停止からの経過時間に基づいて前記筒内圧を推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
- 前記筒内圧検出手段は、前記内燃機関の停止直前に回転方向が変化した回数に基づいて前記筒内圧を推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
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