JP2008094457A - 錠剤容器の中栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、ねじ式のキャップ付きの容器にも適用可能であり、容器を倒立、正立させるだけで、所定数の錠剤を確実に外部に取り出す。
【解決手段】キャップ付きの容器の口部に装着する中栓本体と、中栓本体の下面側に付設し、容器の姿勢に従って上下に揺動する揺動部材とを備えてなり、中栓本体は、錠剤を収納可能な収納部を上面に開口するとともに、容器内の錠剤を収納部に順次ガイドするスロープを下面側に形成し、揺動部材は、容器を倒立させると、スロープを介して容器内の錠剤が収納部に進入することを許容し、容器を正立させると、収納部内の錠剤が容器内に脱落することを阻止する。
【選択図】図2

Description

この発明は、容器から所定数の錠剤を確実に取り出すことができる錠剤容器の中栓に関する。
容器に収納されている錠剤を所定数量だけ取り出すために、いわゆる計量形の錠剤容器が提案されている。
たとえば、排出口付きの中栓の上面に計量室を設け、回転操作可能な取出口付きの透明カバーによって計量室の上面を閉じるものが知られている(特許文献1)。透明カバーには、中栓の排出口を開閉する規制部が設けられている。そこで、このものは、中栓の排出口を開いて所定数の錠剤を計量室側に振り出し、透明カバーを回転させて中栓の排出口を閉じた上、透明カバーの取出口から錠剤を外部に取り出すことができる。
また、ヒンジ式のキャップ付きの容器の中栓に揺動体を付設し、キャップの開閉に連動して揺動体を揺動させる形式も知られている(特許文献2、3)。このものは、キャップを閉じて、容器を倒立させて正立させることにより、中栓上の計量皿に所定数の錠剤を自動的に量り取り、キャップを開いて、量り取られた錠剤を外部に取り出すことができる。
特開2005−88937号公報 特開平11−208702号公報 特開平11−208703号公報
かかる従来技術の前者によるときは、錠剤は、中栓の排出口を介して所定数を計量室に排出し、さらに透明カバーの取出口を介して外部に取り出す必要がある上、計量室内の錠剤の数を目で確認するものであるから、使用手順が煩雑であり、高齢者などの患者にとって必ずしも適切でないという問題があった。また、後者によるときは、揺動体をキャップに連動させるから、ヒンジ式のキャップ付きの容器にしか適用できない上、揺動体をキャップに連動させる連動機構が必要であり、全体構成が複雑になるという問題があった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、中栓本体と、容器の姿勢に従って自重により揺動する揺動部材とを組み合わせることによって、簡単な構成でありながら、ねじ式のキャップ付きの容器にも適用可能であり、容器を倒立、正立させるだけで、所定数の錠剤を確実に外部に取り出すことができる錠剤容器の中栓を提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、キャップ付きの容器の口部に装着する中栓本体と、中栓本体の下面側に付設し、容器の姿勢に従って上下に揺動する揺動部材とを備えてなり、中栓本体は、錠剤を収納可能な収納部を上面に開口するとともに、容器内の錠剤を収納部に順次ガイドするスロープを下面側に形成し、揺動部材は、容器を倒立させると、スロープを介して容器内の錠剤が収納部に進入することを許容し、容器を正立させると、収納部内の錠剤が容器内に脱落することを阻止することをその要旨とする。
なお、揺動部材は、容器を正立させると、収納部内の錠剤を押し上げることができる。
また、揺動部材は、左右一対の支持ピンと、支持ピンによる揺動中心の一方の側に形成する規制部と、他方の側に形成する円錐部、重り部とを有することができ、規制部、重り部は、それぞれ下向き山形断面の板状に形成し、円錐部は、下向きの笠状に形成することができる。
かかる発明の構成によるときは、中栓本体の上面に開口する収納部は、錠剤をたとえば1錠または2錠ずつ水平に収納することができ、中栓本体の下面側に形成するスロープは、容器内の錠剤を収納部に順次ガイドする。そこで、キャップを閉じて容器を倒立させると、容器内の錠剤は、スロープを介して収納部に進入するから、その後、容器を正立させてキャップを開けば、収納部内の錠剤を外部に取り出すことができる。容器を正立させると、揺動部材は、自重によって下向きに揺動し、収納部内の錠剤の脱落を阻止して収納部内に正しく保持することができるからである。なお、錠剤は、平面視円形であって、スロープは、錠剤を周方向に回転させながら整列させ、収納部に順次ガイドして進入させるものとする。ただし、収納部は、錠剤の最大径に適合する円形孔または錠剤の2錠を水平に並べて収納し得る長孔として形成し、中栓本体の周縁部において1個または2個を並べて開口する。また、錠剤をガイドするスロープは、各収納部ごとに設けることが好ましい。
揺動部材は、収納部内の錠剤を押し上げることにより、容器を傾けるだけで、収納部内の錠剤を容易に外部に取り出すことができる。
揺動部材は、左右一対の支持ピンによる揺動中心の一方の側に規制部を形成し、他方の側に円錐部、重り部を形成することにより、揺動中心の両側の重量を極端にアンバランスにして、容器を倒立、正立させることにより確実に上下に揺動させることができる。また、規制部、重り部を下向き山形断面の板状にし、円錐部を下向きの笠状にすると、容器を倒立させることにより、容器内の錠剤を一層確実にスロープに導くことができる。
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
錠剤容器の中栓は、容器30の口部31に装着する中栓本体10の下面側に揺動部材20を付設してなる(図1、図2)。
容器30は、錠剤T、T…を収納する錠剤容器である。中栓本体10は、容器30の広口の口部31に圧入するようにして装着されており、口部31の外周には、雄ねじ32が形成されている。また、口部31には、雄ねじ32に適合する雌ねじ33a付きのねじ式のキャップ33が装着されている。
中栓本体10は、上面の周縁部に錠剤Tの収納部11、11を並べて開口する天板12付きの円筒部材である。天板12の周囲には、不完全な円形の溝13が形成されており、溝13の底面13aは、収納部11、11の外周に接する部分が天板12の上面と同一高さとなって最も高く、収納部11、11の反対側が最も低い平面となり、中間が傾斜面に形成されている。また、中栓本体10の上端には、容器30の口部31の上端面と同径の外フランジ14が形成されている。各収納部11は、平面視円形の錠剤Tの最大外径に適合する円形孔であり、錠剤Tを水平にして1錠ずつ収納することができる。
中栓本体10の円筒部分は、容器30の口部31に圧入し易いように、中間部において小径に絞り、下端部においてテーパ状に仕上げられている(図3(A))。ただし、図3(A)は、図2相当の中栓本体10、揺動部材20の組立断面図であり、図3(B)は、中栓本体10の下面図である。また、図3(C)、(D)は、それぞれ同図(B)のX−X線矢視相当断面図、Y−Y線矢視相当拡大断面図である。
中栓本体10の下面側には、上面側の溝13の底面13aの傾斜面部分に対応するようにして、各収納部11に向かう円弧状のスロープ15、15が対称形に形成されている。なお、各スロープ15の幅aは、錠剤Tの最大径より小さいものとする。
各収納部11は、中栓本体10の円筒部分の内面に形成する突出部11aと、突出部11aに対面する垂下壁11bとの間に形成されており、収納部11、11の間には、突出部11a、垂下壁11bを連結するようにして、突出部11aに向けて下端を斜めに切り上げる仕切壁11cが垂設されている。各収納部11は、周方向の一部が突出部11a、垂下壁11bに掛かり、突出部11a、垂下壁11bの下端に到達しない位置で終端させるとともに、突出部11a側が垂下壁11b側より深く形成されている。また、各収納部11は、突出部11a、垂下壁11bの間の下側と、スロープ15側の周側部とが完全に開放されている。
各スロープ15と天板12との間には、円弧状の仕切リブ15aが垂設されており、天板12と平行な仕切リブ15aの下端は、スロープ15に向けて斜めに形成されている。仕切リブ15a、15aの各収納部11側の先端には、揺動部材20用の支柱16が下向きに立設されている。支柱16、16の下端部には、下向きに開口する係止溝16a、16aが互いに対向して形成されており、垂下壁11bは、支柱16、16の間に垂設されている。
揺動部材20は、規制部21、円錐部22、重り部23を直線状に連結して構成されている(図3(A)、図4)。なお、規制部21の基部には、左右一対の支持ピン24、24が互いに逆方向に突設されている。
規制部21、重り部23は、それぞれ下向き山形断面の板状に形成されており、規制部21、重り部23の先端は、それぞれ直線状、円弧状に形成されている。また、円錐部22は、下向きの笠状に形成されている。そこで、揺動部材20は、左右の支持ピン24、24を中栓本体10の係止溝16a、16aに押し込むようにして係止させることにより、中栓本体10の下面側に揺動自在に付設することができ、支持ピン24、24は、揺動部材20の揺動中心Cとなっている。なお、各係止溝16aは、支持ピン24を弾発的に係止し得るように、入口部分が狭く、支持ピン24に適合する円形部分を奥部に有する変形溝となっている(図3(D))。
揺動部材20は、支持ピン24、24による揺動中心Cの一方の側に規制部21を形成し(図4)、他方の側に円錐部22、重り部23を形成することにより、揺動中心Cの両側の重量が極端にアンバランスとなっている。そこで、揺動部材20は、容器30を正立させると、中栓本体10の下側に斜めに垂下し(図3(A)の実線)、容器30を倒立させると、中栓本体10上に折り畳むようにして揺動する(同図の二点鎖線)。すなわち、揺動部材20は、容器30の姿勢に従って、自重により上下に揺動することができる。なお、揺動部材20の全体形状は、中栓本体10の下面のうち、突出部11a、スロープ15、15、仕切リブ15a、15aを除くほぼ全面を覆うように設定されている(図3(B)の二点鎖線)。
かかる錠剤容器の中栓の使用方法は、次のとおりである。
容器30に錠剤T、T…を収納し(図2)、キャップ33を装着して容器30を倒立させると(図5(A))、揺動部材20は、中栓本体10の下面上に折り畳むようにして揺動する。ただし、このとき、揺動部材20は、重り部23の先端縁が中栓本体10の溝13の底面13aの上面に当接して停止し、規制部21が仕切壁11cから十分に離れ、各スロープ15を介して錠剤Tが対応する収納部11に進入することを許容している。
そこで、容器30内の錠剤T、T…は、円錐部22の両側に露出する各スロープ15上を周方向に回転しながら整列し(図5(B))、対応する収納部11に順次ガイドされて、先頭の1錠だけが収納部11に収納される。各スロープ15の幅aは、錠剤Tの最大径より小さく、収納部11は、錠剤Tの1錠のみを収納し得るからである。なお、錠剤Tは、収納部11に進入する際に、収納部11側に突出する突出部11aに接触して倒れ、収納部11内において、キャップ33上に水平に収納される。また、容器30は、倒立させた後、水平方向に軽く振ることにより、錠剤Tを各収納部11に一層確実に収納することができる。
つづいて、容器30を正立させると(図6)、揺動部材20は、下方に斜めに揺動し、規制部21の先端が仕切壁11cの下端に当接して停止する。このとき、収納部11内の錠剤Tは、規制部21の先端を介して軽く押し上げられるとともに、規制部21を介して容器30内に脱落することを阻止されており、収納部11内に正しく保持される。そこで、キャップ33を外し、収納部11、11が下側となるように容器30を傾けると(図7)、収納部11、11内の錠剤T、Tだけを外部に正しく取り出すことができる。また、このとき、揺動部材20の規制部21は、容器30内の錠剤Tが収納部11に進入することを阻止しているため、余分の錠剤Tが外部に排出されるおそれがない。
以上の操作を繰り返せば、容器30内の錠剤T、T…を2個ずつ取り出すことができる。また、所定数の錠剤T、T…を取り出したら、キャップ33を再装着して保管すればよい。
他の実施の形態
中栓本体10の天板12の下部には、乾燥剤Dを装着することができる(図2の二点鎖線)。乾燥剤Dは、容器30内を乾燥させ、過大な湿気による錠剤T、T…の劣化を防止する。なお、天板12は、溝13によって囲まれる部分をたとえば溝13の底面13aの最も低い部分の位置にまで掘り下げることができ、乾燥剤Dは、天板12上の掘り下げた部分に装着することも可能である。
また、中栓本体10は、収納部11、11を1個のみとして、錠剤Tを1錠ずつ外部に取り出すようにしてもよい。あるいは、各収納部11は、2錠ずつの錠剤T、Tを水平に並べて収納し得る長孔に形成してもよく(図8)、長孔の収納部11を1個だけ形成してもよい。また、1錠の錠剤Tを収納する円形孔の収納部11と、2錠の錠剤T、Tを収納する長孔の収納部11とを並べて配置してもよい。なお、長孔の収納部11は、中間部を滑らかにくびれさせてひょうたん形に形成してもよく、中栓本体10の外周に沿って円弧状に湾曲させてもよい。
さらに、収納部11の個数、形状に拘らず、固定ピン17aを介して天板12上に薄板状の回転羽根17を装着し(図9)、回転羽根17を回転させて各収納部11を全面的または部分的に開閉することにより、必要に応じて錠剤Tを1〜4錠の所定数ずつ外部に取り出すことができる。ただし、図9において、回転羽根17の回転限界は、天板12の上面に設けるストッパ用の段差17bを介して規定されており、段差17bは、回転羽根17の左右の回転方向に設けるものとする。
以上の説明において、中栓本体10、揺動部材20は、それぞれプラスチック材料により一体成形することが好ましい。また、キャップ33は、ねじ式に代えて、容器30と一体のヒンジ式であってもよい。
使用状態を示す全体斜視図 図1の中央縦断面図 全体構成説明図 全体構成分解斜視図 使用手順説明図(1) 使用手順説明図(2) 使用手順説明図(3) 他の実施の形態を示す要部斜視図(1) 他の実施の形態を示す要部斜視図(2)
符号の説明
T…錠剤
C…揺動中心
10…中栓本体
11…収納部
15…スロープ
20…揺動部材
21…規制部
22…円錐部
23…重り部
24…支持ピン
30…容器
31…口部
33…キャップ

特許出願人 伸晃化学株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

Claims (4)

  1. キャップ付きの容器の口部に装着する中栓本体と、該中栓本体の下面側に付設し、容器の姿勢に従って上下に揺動する揺動部材とを備えてなり、前記中栓本体は、錠剤を収納可能な収納部を上面に開口するとともに、容器内の錠剤を前記収納部に順次ガイドするスロープを下面側に形成し、前記揺動部材は、容器を倒立させると、前記スロープを介して容器内の錠剤が前記収納部に進入することを許容し、容器を正立させると、前記収納部内の錠剤が容器内に脱落することを阻止することを特徴とする錠剤容器の中栓。
  2. 前記揺動部材は、容器を正立させると、前記収納部内の錠剤を押し上げることを特徴とする請求項1記載の錠剤容器の中栓。
  3. 前記揺動部材は、左右一対の支持ピンと、該支持ピンによる揺動中心の一方の側に形成する規制部と、他方の側に形成する円錐部、重り部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の錠剤容器の中栓。
  4. 前記規制部、重り部は、それぞれ下向き山形断面の板状に形成し、前記円錐部は、下向きの笠状に形成することを特徴とする請求項3記載の錠剤容器の中栓。
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