JP2008094140A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライ及びウエット時の操縦安定性を従来と同レベルに維持しながら摩耗寿命を向上することが可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ回転方向Rが一方向に指定された空気入りタイヤである。トレッド面1のトレッドセンターラインXL両側の左右の領域1A,1Bに、トレッドセンター側の起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら、所定の曲率でタイヤ反回転方向に凸状となる曲線状にトレッド接地端Eを超えて延在する左右の主傾斜溝2が、左右の領域1A,1Bでタイヤ周方向TCにずらして所定のピッチで配置されている。左右の主傾斜溝2のタイヤ回転方向R側には、起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら延在する副傾斜溝3が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、方向性パターンを有する空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ドライ性能とウエット性能を維持しながら耐摩耗性を改善するようにした空気入りタイヤに関する。
従来、主として競技に使用することを目的とした公道走行可能な空気入りタイヤとして、図8に示すように、タイヤ回転方向をRとすると、トレッド外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら延びる第1傾斜部21と、この第1傾斜部21の内端からトレッド外側に向けてタイヤ回転方向Rに傾斜しながら延びる第2傾斜部22と、この第2傾斜部22の外端からトレッド外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら延びる第3傾斜部23とを有する屈曲溝24をトレッド面25の左右にタイヤ周方向に沿って交互に配置した空気入りタイヤがある(例えば、特許文献1参照)。
上記空気入りタイヤは、屈曲溝24により排水性を確保してウェット路面での操縦安定性を高めることができる一方、交互に配置した屈曲溝24によりトレッドセンター部にジグザグ状のリブ26を形成し、そのリブ26によりタイヤ周方向及び斜め方向の剛性を確保してドライ路面での操縦安定性を向上するようにしている。しかしながら、屈曲溝24の各屈曲部に隣接するリブ部に部分的な損傷や偏摩耗が発生し、それが成長して屈曲溝24で囲まれたリブ部分27の摩耗が早く進み、摩耗寿命が短いという問題があった。
特開2001−294020号公報
本発明は、ドライ及びウエット時の操縦安定性を従来と同レベルに維持しながら摩耗寿命を向上することが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、タイヤ回転方向が一方向に指定された空気入りタイヤであって、トレッド面のトレッドセンターライン両側の左右の領域に、トレッドセンター側の起点Aからタイヤ反回転方向に向けて延在すると共に所定の曲率でトレッドセンター側に凸となる曲線状に傾斜しながら同じ領域にあるトレッド接地端を超えて延在する左右の主傾斜溝を左右の領域でタイヤ周方向にずらして所定のピッチで配置する一方、該左右の主傾斜溝のタイヤ回転方向側に起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら延在する副傾斜溝を配置したことを特徴とする。
本発明の他の空気入りタイヤは、タイヤ回転方向が一方向に指定された空気入りタイヤであって、トレッド面のトレッドセンターライン両側の左右の領域に、トレッドセンター側の起点Aからタイヤ反回転方向に向けて延在すると共に所定の曲率でトレッドセンター側に凸となる曲線状に傾斜しながら同じ領域にあるトレッド接地端を超えて延在する左右の主傾斜溝を左右の領域でタイヤ周方向にずらして所定のピッチで配置する一方、該左右の主傾斜溝のタイヤ回転方向側に起点Aからトレッド幅方向外側に離間する位置からトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら少なくともトレッド接地端まで延在する副傾斜溝を配置したことを特徴とする。
上述した本発明によれば、主傾斜溝と副傾斜溝により、トレッドセンター部にタイヤ周方向にジグザグ状に延びる主リブ部とその主リブ部をタイヤ反回転方向側の左右から支える副リブ部が形成されるので、タイヤ周方向及び斜め方向のトレッド剛性を従来と同様に確保し、ドライ時の操縦安定性を従来と同レベルに維持することが可能になる。
また、外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜する主傾斜溝と副傾斜溝は、ウェット路面走行時に路面上の水をトレッド幅方向外側へ弾き飛ばすように機能するため、ウエット路面での旋回時や直進時において従来と同様の高い排水性を得ることができ、従ってウエット時の操縦安定性を確保することができる。
しかも、部分的な損傷や偏摩耗が発生し易い、主傾斜溝と副傾斜溝に挟まれたリブ部分の角部の数を減らすことができるので、リブ部分における損傷や偏摩耗の成長を抑えてリブ部分における摩耗の進行を抑制することができる。従って、摩耗寿命の改善が可能になる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤの一実施形態のトレッドパターンを示し、タイヤ回転方向が矢印Rで示す一方向に指定されている。トレッド面1のトレッドセンターラインCL両側の左右の領域1A,1Bには、トレッドセンターラインCL近傍のトレッドセンター側の起点Aからタイヤ反回転方向に向けて延在すると共に所定の曲率でタイヤ反回転方向側(トレッドセンター側)に凸となる曲線状に傾斜しながら同じ領域1A,1Bにあるトレッド接地端Eを超えて延在する左右の主傾斜溝2が、タイヤ周方向TCに所定のピッチで配置されている。
図示する例では、各主傾斜溝2は、起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向側に傾斜しながら延在し、トレッドセンターラインCLから次第に離間しながら、所定の曲率でトレッド接地端Eを超えてトレッド端1Xまで延在している。左右の主傾斜溝2は、左右の領域1A,1Bでタイヤ周方向TCに半ピッチだけずらしてタイヤ周方向TCに交互に配置してある。
左右の各主傾斜溝2のタイヤ回転方向R側には、起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら延在する副傾斜溝3が配置されている。各副傾斜溝3は、トレッド接地端Eよりトレッド幅方向内側の位置まで延在し、トレッド接地端Eには連通していない。
トレッド面1には、これら主傾斜溝2と副傾斜溝3により、トレッドセンター部にタイヤ周方向TCに2点鎖線で示すジグザグ状に延在する1本の主リブ部4と、主リブ部4から左右にタイヤ反回転方向側に向けて傾斜して延在し、主リブ部4をタイヤ反回転方向側から支える副リブ部5からなるリブ7が形成されている。
副傾斜溝3は、図1では所定の曲率でタイヤ回転方向R側(トレッド幅方向外側)に凸状の円弧からなる曲線状に形成されているが、図2に示すように、所定の曲率でタイヤ反回転方向側(トレッドセンター側)に凸状の円弧からなる曲線状に形成してもよく、また図3に示すように直線状に形成してもよい。好ましくは、主傾斜溝2と副傾斜溝3に挟まれたリブ部分6の剛性を高めてリブ部分6の損傷や摩耗をより抑制するため、図1に示すようにするのがよい。
上記主傾斜溝2は、図4,5に示すような形状にしてもよい。即ち、起点Aからトレッド幅方向内側(トレッドセンター側)に向けてタイヤ反回転方向側に大きく傾斜しながら所定の曲率で曲線状に延在した後(トレッドセンターラインCLまでは届かない)、トレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向側に傾斜しながらトレッド接地端Eを超えてトレッド端1Xまで所定の曲率で曲線状に延在している。トレッド接地端Eからトレッド端1Xまでの溝部2nは、溝幅を本体部分より狭くしてある。この図4,5の主傾斜溝2は、起点Aを図1に示す主傾斜溝2よりトレッドセンターラインCLから離間させ、これにより主リブ部4の剛性を高くし、ドライ時の操縦安定性を高めている。
図3,5に示すように、主傾斜溝2とトレッド接地端Eとの交点をB、起点Aと副傾斜溝3の外側端部3xとを通る直線S’2とトレッド接地端Eとの交点をD’とすると、同じ主傾斜溝2において起点Aと交点Bとを結ぶ直線S1のタイヤ周方向TCに対する傾斜角度α1と、直線S’2のタイヤ周方向TCに対する傾斜角度α’2との関係がα’2>α1になっている。
上記主傾斜溝2及び副傾斜溝3の溝幅は9.0mm〜13.0mm、溝深さは5mm〜6.5mm、トレッド面1の溝面積比率は25%〜30%、主傾斜溝2を所定のピッチで1周にわたって配置した時のピッチ数としては14ピッチ〜18ピッチの範囲にすることができる。
上述した空気入りタイヤによれば、主傾斜溝2と副傾斜溝3により、トレッドセンター部にタイヤ周方向TCにジグザグ状に延びる主リブ部4とその主リブ部4をタイヤ反回転方向側の左右から支える副リブ部5が形成されるので、従来と同様のタイヤ周方向及び斜め方向のトレッド剛性を確保し、従来と同レベルのドライ路面での操縦安定性を得ることができる。
また、外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜する主傾斜溝2及び副傾斜溝3は、走行時において路面上の水をトレッド幅方向外側へ弾き飛ばすように機能するため、ウエット路面での旋回時や直進時において高い排水性を発揮することができるので、従来と同レベルのウエット時の操縦安定性を確保することができる。
しかも、部分的な損傷や偏摩耗が発生し易い、主傾斜溝2と副傾斜溝3に挟まれたリブ部分6の角部6aを1か所にし、従来よりその数を減らすことができるので、損傷や偏摩耗の成長を抑制し、リブ部分6の摩耗の進行を抑えて摩耗寿命を長くすることができる。
上述した空気入りタイヤにおいて、図3,5に示すように、トレッドセンターから起点Aまでの距離(タイヤ軸に平行に測定した距離)WAとしては、トレッド接地幅の半幅Wの25%以下(0〜25%)にするのがよい。距離WAがトレッド接地幅の半幅Wの25%を超えると排水性の確保が難しくなる。好ましくは、距離WAを10〜20%にするのがよい。
起点Aから交点Bまでのタイヤ周方向長さLABとしては、トレッド接地幅の半幅Wに対して1.20W〜1.60Wにするのがよい。タイヤ周方向長さLABが1.20Wより短いと、特に直進時の排水性が悪化する。逆にタイヤ周方向長さLABが1.60Wより長いと、主傾斜溝2の曲率半径等を好ましい範囲に設定した際に、トレッドセンター付近の主傾斜溝2の溝部分がタイヤ周方向に長くなり、それによりその溝部分に隣接するトレッドセンター側のリブ部分において、剛性が低下してコーナリング時に変形し易くなるので、摩耗(損傷)が発生し易くなる。また、操縦安定性の低下を招く。好ましくは、タイヤ周方向長さLABを1.30W〜1.40Wにするのがよい。
主傾斜溝2においてトレッドセンターからトレッド接地幅の半幅WのW/2となる位置Cと起点Aとの間のタイヤ周方向長さLACとしては、トレッド接地幅の半幅Wに対して0.90W〜1.20Wの範囲にするのがよい。タイヤ周方向長さLACが0.90W未満であると、リブ部分6のトレッドセンター側での剛性が低下して摩耗(損傷)が発生し易くなる。また、直進時の排水性も低下し易くなる。逆にタイヤ周方向長さLACが1.20Wを超えると、主傾斜溝2の曲率半径等を好ましい範囲に設定した際に、トレッドセンター付近の主傾斜溝2の溝部分がタイヤ周方向に長くなり、それによりその溝部分に隣接するトレッドセンター側のリブ部分において、剛性が低下してコーナリング時に変形し易くなるので、摩耗(損傷)が発生し易くなる。また、操縦安定性の低下を招く。好ましくは、タイヤ周方向長さLACを1.00〜1.10Wにするのがよい。
副傾斜溝3のタイヤ周方向両側に隣接する2本の主傾斜溝2,2とトレッド接地端Eとの交点B,B間のタイヤ周方向長さをLBBとすると、タイヤ回転方向R側に位置する一方の主傾斜溝2Mの交点Bから交点D’までのタイヤ周方向長さLBD' を0.45LBB〜0.85LBBの範囲にするのがよい。タイヤ周方向長さLBD' が0.45LBB未満であると、副傾斜溝3が隣接する主傾斜溝2に近接するため、副傾斜溝3と隣接する主傾斜溝2との間のリブ部分の剛性が低下し、それにより偏摩耗の発生と操縦安定性の低下を招き易くなる。逆にタイヤ周方向長さLBD' が0.85LBBを超えると、主傾斜溝2と副傾斜溝3に挟まれたリブ部分6の剛性が低下し、それにより偏摩耗の発生と操縦安定性の低下を招き易くなる。好ましくは、タイヤ周方向長さLBD' を0.5LBB〜0.6LBBにするのがよい。
図1〜3に示すように、主傾斜溝2を起点Aから直接トレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向側に傾斜しながら延在する場合、曲率半径120mm以上の1つの円弧、或いは曲率半径120mm以上複数の円弧を連接して構成するのがよい。曲率半径が120mm未満の円弧から構成すると、コーナリング時において、主傾斜溝2に隣接するリブ部分で破損や偏摩耗が発生し易くなる。曲率半径の最大値は、操縦安定性及び耐摩耗性の点から300mm以下にするのがよい。好ましくは、曲率半径を160〜240mmにするのがよい。
図4,5に示すように、主傾斜溝2を起点Aからタイヤ反回転方向側に傾斜しながら、トレッド幅方向内側に向けて延在した後トレッド幅方向外側に向けて延在する場合には、主傾斜溝2を複数の円弧を組み合わせた曲線状に形成するのがよい。その組み合わせとしては、主傾斜溝2のトレッド幅方向内側に延在する溝部(起点Aからトレッド幅方向内側に延在した後トレッド幅方向外側に起点Aと同じトレッド幅方向位置よりトレッドセンターラインCL側の位置まで延在する部分の溝部)2Aを曲率半径60mm以上の円弧状に形成し、溝部2Aからタイヤ幅方向外側に延在する溝部2Bを曲率半径120mm以上の少なくとも1つの円弧からなる曲線状に形成するのがよい。
溝部2Aの曲率半径を60mm以上にする理由は、コーナリング時において、摩耗(損傷)を抑えつつ、ドライ時の操縦安定性とウェット性能(排水性)を向上させるためである。溝部2Bの曲率半径を120mm以上にする理由は、上記した主傾斜溝2の曲率半径を120mmにする場合と同様である。溝部2Aの曲率半径の上限値としては、ドライ時の操縦安定性とウェット性能(排水性)の点から120mm以下にするのがよい。溝部2Bの曲率半径の上限値及び好ましい範囲は、図1〜3に示す主傾斜溝2と同様に、上限値を300mm以下、好ましい曲率半径の範囲を160〜240mmにすることができる。
図4,5に示す例では、溝部2Bを2つの円弧を組み合わせた円弧状に形成し、合計3つの円弧を組み合わせた構成にしている。溝部2Aの円弧の曲率半径をR1、溝部2Aに続く溝部2Bの部分2Baの円弧の曲率半径をR2、部分2Baに続く部分2Bbの円弧の曲率半径をR3とすると、R1<R2<R3の関係になっている。
図6,7は、本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示し、上述した副傾斜溝3が起点Aからトレッド幅方向外側に離間する位置からトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら少なくともトレッド接地端Eまで延在している。図5の副傾斜溝3は、所定の曲率でタイヤ反回転方向側に凸状の円弧からなる曲線状に形成したものであり、図6の副傾斜溝3は直線状に延設したものであるが、図1に示すように、所定の曲率でタイヤ回転方向R側に凸状の円弧からなる曲線状に形成するようにしてもよい。
各副傾斜溝3は、主傾斜溝2に連通していないが、図7に示すように、延在する方向に沿ってトレッドセンター側に延長した仮想延長部3yが起点Aと交差するように配置されている。副傾斜溝3とトレッド接地端Eとの交点をDとすると、同じ主傾斜溝2の起点Aと交点Bとを結ぶ直線S1のタイヤ周方向に対する傾斜角度α1と、起点Aとその起点Aを有する主傾斜溝2のタイヤ回転方向R側に隣接する副傾斜溝3の交点Dを結ぶ直線S2のタイヤ周方向に対する傾斜角度α2との関係がα2>α1になっている。
他の構成は上述した実施形態と同様であり、同一構成要素には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。このような方向性パターンをトレッド面1に形成しても、上記と同様にドライ及びウエット時の操縦安定性を従来と同レベルに維持しながら摩耗寿命を向上することができる。
タイヤ回転方向R側に位置する一方の主傾斜溝2Mの交点Bから副傾斜溝3の交点Dまでのタイヤ周方向長さLBDは、上記タイヤ周方向長さLBD' と同様にすることができる。また、トレッドセンターから起点Aまでの距離(タイヤ軸に平行に測定した距離)WA、起点Aから交点Bまでのタイヤ周方向長さLAB、主傾斜溝2におけるトレッドセンターからトレッド接地幅の半幅WのW/2となる位置Cと起点Aとの間のタイヤ周方向長さLACも、上記と同様にすることができる。
本発明において、上記した起点A、交点B、位置C、交点Dは、傾斜溝2,3の中心線上の位置である。また、トレッド接地幅とは、JATMA設計断面幅の75%として定義される接地幅であり、トレッド接地端Eとは、その接地幅における接地端で、トレッドセンターからトレッド幅方向外側にJATMA設計断面幅の75%の1/2の位置である。
また、起点Aと副傾斜溝3の外側端部3xとを通る直線S’2とは、以下のように規定する。即ち、同じ溝幅GWで延在する副傾斜溝3の外側端部3xにおいて、図3に示すように、溝幅GWが減少しない場合には、溝中心線上における外側端部3xの端xと起点Aとを通る直線である。外側端部3xにおいて溝幅GWが図1,2,4,5に示すように減少する場合には、減少を開始する位置P(溝中心上)と起点Aとを通る直線である。
本発明は、特に主傾斜溝2及び副傾斜溝3の溝深を6mm以下(5mm〜6mm)、溝面積比率を25%〜30%にした、主として競技に使用することを目的とした公道走行可能な空気入りタイヤに好ましく用いることができるが、それに限定されず、他の乗用車用空気入りタイヤなどであってもよい。
タイヤサイズを235/45R17 93Wで共通にし、図1に示すトレッドパターンを有する本発明タイヤ1(実施例1)、図6に示すトレッドパターンを有する本発明タイヤ2(実施例2)、図4に示すトレッドパターンを有する本発明タイヤ3(実施例3)、及び図7に示す屈曲溝を配置したトレッドパターンを有する従来タイヤ(従来例)を試験タイヤとしてそれぞれ作製した。
本発明タイヤ1,2において、主傾斜溝は曲率半径が160mmの1つの円弧からなる曲線状に形成され、距離WAはトレッド接地幅の半幅Wの14%、タイヤ周方向長さLABは1.4W、タイヤ周方向長さLACは1.0Wである。また、本発明タイヤ1のタイヤ周方向長さLBD' は0.80LBB、本発明タイヤ2のタイヤ周方向長さLBDは0.50LBBである。
本発明タイヤ3において、主傾斜溝は曲率半径が80(R1)mm、120(R2)mm、200(R3)mmの3つの円弧を組み合わせた曲線状に形成され、距離WAはトレッド接地幅の半幅Wの14%、タイヤ周方向長さLABは1.4W、タイヤ周方向長さLACは1.08W、タイヤ周方向長さLBD' は0.67LBBである。
本発明タイヤ1,2,3において、主傾斜溝及び副傾斜溝の溝幅は11mm、溝深さは5mmであり、溝面積比率は25%である。
これら各試験タイヤをリムサイズ17×9JJのリムに装着し、排気量2000ccの四輪駆動車(1名乗車)に装着し、フォームアップ後のタイヤ空気圧を220kPaにして、以下に示す試験方法により、ドライ時及びウェット時の操縦安定性と走行タイム、トレッドパターン損傷、及び摩耗寿命の評価試験をそれぞれ行ったところ、表1に示す結果を得た。
ドライ時の操縦安定性
ドライ路サーキットコースにおいて、テストドライバーによるフィーリング試験を実施し、その評価結果を従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れている。
ドライ時の走行タイム
ドライ時の操縦安定性の評価試験中に指定した区間走行に要する時間を測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど走行タイムが短いことを示す。
ウェット時の操縦安定性
ウェット路テストコースにおいて、テストドライバーによるフィーリング試験を実施し、その評価結果を従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れている。
ウェット時の走行タイム
ウェット時の操縦安定性の評価試験中に指定した区間走行に要する時間を測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど走行タイムが短いことを示す。
トレッドパターン損傷
上記ドライ時の操縦安定性を評価した後、主リブ部が延在するトレッド面のセンター部、主傾斜溝に隣接するリブの部分(主傾斜溝脇部)、主傾斜溝と副傾斜溝に挟まれたリブ部分、及びショルダー部でリブの損傷程度を5段階評価した。この評価点が大きいほど損傷が少ないことを意味する。
摩耗寿命
上記ドライ時の操縦安定性を評価した後、トレッド面の摩耗量を測定し、その評価結果を従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど摩耗寿命が優れている。
Figure 2008094140
表1から、本発明タイヤは、ドライ時及びウェット時の操縦安定性を従来と同等以上に維持しながら、摩耗寿命を改善できることがわかる。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示すトレッド面の部分展開図である。 図1の空気入りタイヤにおいて、他の態様を示すトレッド面の部分展開図である。 図1の空気入りタイヤにおいて、更に他の態様を示すトレッド面の要部拡大図である。 図1の空気入りタイヤにおいて、更に他の態様を示すトレッド面の要部拡大図である。 図4の部分拡大図である。 本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示すトレッド面の部分展開図である。 図6の空気入りタイヤにおいて、他の態様を示すトレッド面の要部拡大図である。 従来タイヤのトレッド面の部分展開図である。
符号の説明
1 トレッド面
1A,1B 領域
2,2M 主傾斜溝
3 副傾斜溝
3x,3y 仮想延長部
4 主リブ部
5 副リブ部
6 リブ部分
CL トレッドセンターライン
E トレッド接地端
R タイヤ回転方向
TC タイヤ周方向

Claims (14)

  1. タイヤ回転方向が一方向に指定された空気入りタイヤであって、トレッド面のトレッドセンターライン両側の左右の領域に、トレッドセンター側の起点Aからタイヤ反回転方向に向けて延在すると共に所定の曲率でトレッドセンター側に凸となる曲線状に傾斜しながら同じ領域にあるトレッド接地端を超えて延在する左右の主傾斜溝を左右の領域でタイヤ周方向にずらして所定のピッチで配置する一方、該左右の主傾斜溝のタイヤ回転方向側に起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら延在する副傾斜溝を配置した空気入りタイヤ。
  2. 前記副傾斜溝はトレッド接地端よりトレッド幅方向内側の位置まで延在し、起点Aと前記副傾斜溝の外側端部とを通る直線とトレッド接地端との交点をD’、副傾斜溝のタイヤ周方向両側に隣接する2本の主傾斜溝とトレッド接地端の交点B,B間のタイヤ周方向長さをLBBとすると、タイヤ回転方向側に位置する主傾斜溝の交点Bから交点D’までのタイヤ周方向長さLBD' が0.45LBB〜0.85LBBである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 同じ主傾斜溝の起点Aと交点Bとを結ぶ直線のタイヤ周方向に対する傾斜角度α1と、起点Aと前記副傾斜溝の外側端部とを通る前記直線のタイヤ周方向に対する傾斜角度α’2との関係をα’2>α1にした請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ回転方向が一方向に指定された空気入りタイヤであって、トレッド面のトレッドセンターライン両側の左右の領域に、トレッドセンター側の起点Aからタイヤ反回転方向に向けて延在すると共に所定の曲率でトレッドセンター側に凸となる曲線状に傾斜しながら同じ領域にあるトレッド接地端を超えて延在する左右の主傾斜溝を左右の領域でタイヤ周方向にずらして所定のピッチで配置する一方、該左右の主傾斜溝のタイヤ回転方向側に起点Aからトレッド幅方向外側に離間する位置からトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向に傾斜しながら少なくともトレッド接地端まで延在する副傾斜溝を配置した空気入りタイヤ。
  5. 前記副傾斜溝を延在する方向に沿ってトレッドセンター側に延長した仮想延長部が起点Aと交差するように副傾斜溝を配置した請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記副傾斜溝とトレッド接地端との交点をD、該副傾斜溝のタイヤ周方向両側に隣接する2本の主傾斜溝とトレッド接地端の交点B,B間のタイヤ周方向長さをLBBとすると、タイヤ回転方向側に位置する主傾斜溝の交点Bから交点Dまでのタイヤ周方向長さLBDが0.45LBB〜0.85LBBである請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 同じ主傾斜溝の起点Aと交点Bとを結ぶ直線のタイヤ周方向に対する傾斜角度α1と、起点Aと該起点Aを有する主傾斜溝のタイヤ回転方向側に隣接する副傾斜溝の交点Dを結ぶ直線のタイヤ周方向に対する傾斜角度α2との関係をα2>α1にした請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. トレッドセンターから起点Aまでの距離WAが、トレッド接地幅の半幅Wの25%以下である請求項1乃至7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 起点Aから前記主傾斜溝とトレッド接地端の交点Bまでのタイヤ周方向長さLABが、トレッド接地幅の半幅Wに対して1.20W〜1.60Wである請求項1乃至8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記主傾斜溝においてトレッドセンターからトレッド接地幅の半幅WのW/2となる位置Cと起点Aとの間のタイヤ周方向長さLACが、トレッド接地幅の半幅Wに対して0.90W〜1.20Wである請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 各主傾斜溝が、起点Aからトレッド幅方向外側に向けてタイヤ反回転方向側に傾斜しながら延在する請求項1乃至10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記主傾斜溝を曲率半径120mm以上の少なくとも1つの円弧からなる曲線状に形成した請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 各主傾斜溝が、起点Aからタイヤ反回転方向側に傾斜しながら、トレッド幅方向内側に向けて延在した後トレッド幅方向外側に向けて延在する請求項1乃至10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記主傾斜溝を複数の円弧を組み合わせた曲線状に形成し、該主傾斜溝のトレッド幅方向内側に延在する溝部を曲率半径60mm以上の円弧状に形成し、該溝部からタイヤ幅方向外側に延在する溝部を曲率半径120mm以上の少なくとも1つの円弧からなる曲線状に形成した請求項13に記載の空気入りタイヤ。
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