JP2008094124A - サスペンションシステム - Google Patents
サスペンションシステム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008094124A JP2008094124A JP2006274472A JP2006274472A JP2008094124A JP 2008094124 A JP2008094124 A JP 2008094124A JP 2006274472 A JP2006274472 A JP 2006274472A JP 2006274472 A JP2006274472 A JP 2006274472A JP 2008094124 A JP2008094124 A JP 2008094124A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- state
- wheel
- vehicle
- change
- slip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Abstract
【解決手段】車両にサスペンションコントローラ30とスキッドコントローラ36とを設け、スキッドコントローラ36がアンチロック制御,ヨー運動適正化制御等のスリップ抑制制御を行う場合に「スリップ抑制フラグ」がONにされるようにする。また、サスペンションコントローラ30にホイールレート制御部320を設け、そのホイールレート制御部320により、スリップ抑制フラグがONである場合にホイールレートをSoftに固定し、変更を制限する処理を行う(S19,S20)。その結果、ホイールレートの切換が確実に制限され、スリップ抑制制御にホイールレートの切換による悪影響が及ぶことを防止することができる。
【選択図】 図4
Description
複数の車輪のうちの2以上のものの各々と車体との離間距離とそれらを離間させる向きの力である離間力との関係である離間力特性を変更する離間力特性変更部と、
車両の走行状態が不安定な状態である走行不安定状態を判定する走行不安定状態判定部を有してその走行不安定状態判定部によって前記走行不安定状態であると判定された場合に前記離間力特性の変更を制限する変更制限部と
を含むことを特徴とするサスペンションシステム。
サスペンションシステムは、車輪と車体とを上下方向に接近離間可能に連結し、離間力を発生させて車体を弾性的に支えるものである。車体を支持する力として作用する離間力は、気体やばね材等の弾性体によって発生させられる。その離間力の特性は、例えば、離間距離の変化(例えば、単位距離の変化)に対する離間力の変化の度合いである「ばね特性」や、静止時の車体を支持するための静止支持荷重を発生する離間距離である「基準離間距離」や、離間距離の変化速度を低減する「減衰力」等のうちの少なくとも1つによって規定されるようにすることができる。なお、基準離間距離は、静止時の車体の高さ、つまり、車高を示す値となる。
本項のサスペンションシステムは、例えば、ばね特性,車高,減衰力等のうちの少なくとも1つの離間力特性を変更することが可能にされている。なお、ばね特性が、離間距離の変化に対する離間力の変化の度合いが比較的大きいものである場合に、ばね定数が大きいと表現する。一方、離間力の変化の度合いが比較的小さい場合に、ばね定数が小さいと表現する。
本項の離間力特性変更部は、例えば、ばね特性を変更する装置,車高を調整する装置,減衰力を調整する装置等のうちの少なくとも1つと、それらのうちの少なくとも1つを制御する制御装置とを含むものとすることができる。離間力特性の変更は、例えば、運転者の指令に応じて行うことや、車両の運動状態(例えば、直進状態、旋回状態、加減速状態等)に応じて行うことができる。例えば、旋回時や加減速時等においてばね定数や減衰力を大きくして車体の姿勢変化(ロール,ピッチ等)を抑制するとともに、直進時においてばね定数や減衰力を小さくして乗り心地を向上させる(車体のヒーブ加速度を小さくする)ことができる。また、例えば、悪路走行時において車高を高くして走破性を高めるとともに、高速走行時において車高を低くして走行安定性を向上させることができる。
しかしながら、サスペンションシステムの離間力特性を変更すると、車体の重心位置,揺れ方(姿勢変化の量、速度、加速度),接地加重の変動の度合い等のうちの少なくとも1つが変化するため、状況によっては、離間力特性を変更することが好ましくない場合がある。すなわち、車両が走行不安定状態である場合には、離間力特性を変更することが好ましくない場合が多いのである。
走行不安定状態は、例えば、急激な旋回や低μ路(摩擦係数が低い路面)における旋回によってスピン傾向やドリフト傾向(過剰なオーバステアやアンダステア)が生じた状態、急激な加速や低μ路における加速によって駆動輪の車輪の空転傾向が生じた状態、急激な減速や低μ路における減速によって車輪のロック傾向が生じた状態等のうちの少なくとも1つの状態とすることができる。また、左右の車輪が接地する路面の摩擦係数(μ)が互いに異なる場合に加減速を行うと、車両がヨー方向に回転させられやすくなるが、その様な状態も走行不安定状態とすることができる。すなわち、走行不安定状態は、車輪と路面との間の摩擦力の不足によって生じやすいのである。なお、上記各状態には、各傾向が生じると予測される状態が含まれるものとすることができる。また、路面の摩擦係数が十分大きくとも、例えば、一般的なアスファルト路面程度であったとしても、旋回や加減速の激しさによって車輪と路面との間の摩擦力の不足が生じる。
また、走行不安定状態は、例えば、車両に加わる外乱に起因して生じる場合がある。例えば、横風によって車両の進路が左右方向(進行方向と直交する方向)に移動させられるような場合である。すなわち、車両に加わる外乱も車両の走行状態を不安定にする要因となり得るのである。なお、このような車両が左右方向に移動させられる状態を、車輪と路面との間の摩擦力が不足して、車輪が横滑りしている、あるいは横スリップが生じている状態と考えることもできる。すなわち、走行不安定状態は、例えば、車輪と路面との間の摩擦力の不足,車両に加わる外乱等の車両の走行状態を不安定にする要因によって車両の走行状態が不安定になる状態と考えることができる。
上述のような走行不安定状態において離間力特性が変更されると、走行不安定状態が助長される虞や、運転者に違和感を与える虞がある。また、後述するように、走行不安定状態を緩和する制御がなされている場合には、離間力特性を変更しない方が望ましい場合が多い。
なお、走行不安定状態は、例えば、旋回中や加減速中に発生しやすいのに対して、離間力特性の変更は、例えば、ばね特性であれば、旋回や加減速が開始された時点と終了した時点に行われる場合が多く、走行不安定状態において離間力特性が変更される可能性は低いと考えられる。しかしながら、離間力特性の変更が確実に制限されるわけではない。例えば、車速と操舵角とに基づいて旋回状態であるか否かを判定している場合には、車両がスピン(過剰なオーバステア)傾向にある状態で運転者がステアリングホイールを中立位置(操舵角が0)付近に戻した際に、旋回が終了したと誤った判定がなされ、ばね特性の変更指令がなされる虞がある。また、路面の摩擦係数(μ)が部分的に小さくなっている場合には、車両がどのような挙動を示すのか、あるいは、車体にどのような力が作用するのかを予測することが難しく、不必要な離間力特性の変更が行われる可能性がある。さらにまた、路面からの振動入力が大きい場合にばね定数を小さくする態様では、路面の凹凸部に突入することを確実に予測し、あるいは凹凸部を通過したことを確実に検出することが困難であり、走行不安定状態において、ばね特性が変更さる可能性がある。
すなわち、サスペンションシステムの離間力特性を変更する条件を設定するに当たって、例えば、車両がスピン傾向になる状態や車輪がロック傾向になる状態において予期せぬ離間力特性の変更がなされることを確実に回避し得る条件を設定することは難しく、走行不安定状態における離間力特性の変更を確実に制限することは困難なのである。それに対して、本項の変更制限部によれば、離間力特性変更部の通常の制御とは別個の判断によって、つまり、走行不安定状態であると判定されたか否かに基づいて離間力特性の変更を制限することで、確実に離間力特性の変更を制限することができるのである。その結果、走行不安定状態における離間力特性の変更による弊害を回避することができる。
したがって、本項の態様によれば、走行不安定状態における離間力特性の変更を確実に制限することができ、車両の安定性を向上させ得る。すなわち、本サスペンションシステムによれば、車両の実用性を向上させることができるのである。
本項の変更制限部が離間力特性の変更を制限する態様は、例えば、一切の離間力特性の変更を禁止する態様、車両の運動に悪影響を及ぼしやすい条件等の特定の条件を満たす離間力特性の変更を禁止するとともに、その他の離間力特性の変更を許容する態様等とすることができる。車両の運動に悪影響を及ぼしやすい条件は、例えば、ばね特性や車高の大きな変化を伴う変更等が挙げられる。本項の変更制限部は、例えば、サスペンションシステム以外の走行システム、例えば、制動装置等を制御する装置に配設されていてもよい。また、本項の変更制限部を、離間力特性変更部に含まれるものとすることもできる。
サスペンションシステムは、例えば、いわゆるエアサスペンション装置を含むものとすることができる。その場合には、エアサスペンション装置のエアを収容するエアチャンバに充填するエアの量を変化させて車高やばね特性を変更することや、エアチャンバにサブチャンバなどを連通させてエアの収容容積を変化させることによってばね特性を変更することができる。また、例えば、後述するように液体を収容したシリンダに複数のアキュムレータが接続されたものとすることができる。その場合には、シリンダに連通するアキュムレータの数を変更することによってばね特性を変更することができる。
(2)前記離間力特性変更部が、前記離間力特性としてのばね特性と、前記離間力特性としての車両静止時における車体と車輪との離間距離である基準離間距離との少なくとも一方を変更するものである(1)項に記載のサスペンションシステム。
本項の態様は、ばね特性と基準離間距離(車高)との少なくとも一方が変更される。なお、ばね特性と車高との一方を変更すると他方が変化する場合があり、ばね特性と車高との一方の変更を制限することによって他方の変更をも制限することになる場合がある。
(3)前記走行不安定状態判定部が、路面に対する車輪のスリップの度合いが設定された許容範囲の範囲外である場合に、前記走行不安定状態であると判断するものである(1)項または(2)項に記載のサスペンションシステム。
本項の走行不安定状態判定部は、車輪がスリップする度合いに基づいて走行不安定状態であるか否かを判定するものである。本項の態様において、路面に対する車輪のスリップには、回転軸線方向の滑り(以後、「横スリップ」と称する)と、回転方向の滑り(以後、「縦スリップ」と称する)との少なくとも一方が含まれるものとする。
横スリップの度合いは、例えば、車両のヨー運動速度であるヨーレート(車両の重心点を通る鉛直軸(Z軸)回りの回転速度)に基づいて推測することができる。具体的には例えば、ヨーレートセンサ等によって検出された検出ヨーレートと、操舵角および車速に基づいて決定される目標ヨーレートとの偏差が小さいときは横スリップの度合いが小さく、偏差が大きいときは横スリップの度合いが大きいと推測できる。つまり、上記偏差に基づいて車輪の横スリップの度合いを推測することができるのである。
例えば、上記偏差が偏差しきい値を超える場合に、車輪の横スリップの度合いが横スリップ上限値(正の値)以上、あるいは下限値(負の値)以下となる場合に走行不安定状態であると判定されるようにすることができる。具体的には、オーバステアやアンダステアを許容し得る限界付近の状態における上記偏差の値を上限値あるいは下限値とすれば、上記偏差が上限値等を超えた場合にオーバステアやアンダステアが過剰である、つまり、走行不安定状態であると判定されるようにすることができる。この場合には、上記偏差の上限値と下限値とによって横スリップの度合の許容範囲が設定されている。また、例えば、後述する重心点横スリップ角の大きさと横スリップ角の変化率との少なくとも一方に基づいて、車輪の横スリップの度合いが許容範囲内であるか否かが判定されるようにすることもできる。
縦スリップの度合いは、例えば、車体速度と車輪速度との偏差に基づいて取得される縦スリップ量とすることができる。なお、車体速度は、車体と路面との相対移動速度(つまり、「車速」である)、車輪速度は、車輪の回転速度に基づいて推測される車輪の移動速度である。この場合には、縦スリップ量の上限値と下限値とによって縦スリップの度合いの許容範囲を設定することができる。また、例えば、縦スリップの度合いを車輪の回転加速度とすることもできる。つまり、制動時のロック傾向や駆動時の空転(ホイールスピン)傾向が生じた場合には、縦スリップ量や車輪の回転加速度の絶対値が大きくなる。この場合には、回転加速度の上限値と下限値とによって縦スリップの度合いの許容範囲を設定することができる。以上の説明のように、車輪の縦スリップ量と車輪加速度との少なくとも一方に基づいて、車輪の縦スリップの度合いが縦スリップの許容範囲外であるか否かが判定されるようにすることができる。
(4)前記車両が、前記走行不安定状態を緩和する走行不安定状態緩和装置を備え、
前記走行不安定状態判定部が、前記走行不安定状態緩和装置による制御が行われる場合に、前記走行不安定状態であると判断するものである(1)項または(2)項に記載のサスペンションシステム。
本項の走行不安定状態緩和装置は、走行不安定状態緩和制御を行い、例えば、車両の制動装置によって各車輪に付与される制動力を制御することで走行不安定状態を緩和するものである。また、駆動装置に指令を行うことで駆動力を制御することや、走行システムに操舵装置が含まれる場合に操舵装置に指令を行うことで転舵角を制御することができるように構成することも可能である。
走行不安定状態緩和制御は、通常、離間力特性が変更されることを前提にしていないため、走行不安定状態を緩和している最中に離間力特性が変更されると、走行不安定状態を効果的に緩和できない虞や走行不安定状態を助長する虞がある。それは、例えば、離間力特性の変更によって車体の揺れ方や車輪の接地性(例えば、接地荷重変動等)等が変化して、車輪と路面との間の摩擦力の変動の仕方が変化することが一因であると推察される。
すなわち、走行不安定状態緩和制御が行われている場合に離間力特性の変更を制限することにより、走行不安定状態の緩和が妨げられることを回避することができるのである。また、本項の態様において、走行不安定状態判定部は、走行不安定状態であるか否かを判定する必要が無く、走行不安定状態緩和制御が行われているか否かを判定するだけで、離間力特性の変更を制限すべき適切なタイミングを取得することができ、簡便である。
(5)前記走行不安定状態緩和装置が、少なくとも車両に設けられた制動装置を制御することによって前記走行不安定状態を緩和するものである(4)項に記載のサスペンションシステム。
本項の走行不安定状態緩和装置は、制動装置を制御することにより、例えば、後述するヨー運動適正化制御や、アンチロック制御等を行うことができる。
(6)前記走行不安定状態緩和装置が、路面に対する車輪のスリップを抑制することによって走行不安定状態を緩和するスリップ抑制制御部を含む(4)項または(5)項に記載のサスペンションシステム。
本項の態様において、「車輪のスリップ」の内容は、前記(3)項の態様のもの(縦スリップ、横スリップ等)と同様である。走行不安定状態は、多くの場合、車輪(詳しくは、タイヤ)がグリップを失うことに起因するため、スリップを抑制することで走行不安定状態を緩和することができる。
(7)前記スリップ抑制制御部が、車両のヨー運動を適正化するヨー運動適正化部と、制動時の車輪のスリップを抑制するアンチロック制御部と、加速時の車輪のスリップを抑制するトラクション制御部とのうちの少なくとも1つを含む(6)項に記載のサスペンションシステム。
ヨー運動適正化部は、制動装置に指令を行うことによって旋回時のスピン傾向やドリフト傾向の発生を抑制するものであり、車両の移動方向に対する車両の向きを適切にする制御を行うものである。なお、制動装置だけでなく、駆動装置,操舵装置等にも指令を行うものとすることができる。また、ヨー運動適正化部は、旋回時に限らず、直進時にもヨー運動を適正化し得るものとすることができる。
アンチロック制御部は、制動装置に指令を行うことによって制動時のロック傾向を抑制するものである。また、トラクション制御部は、制動装置(あるいは、制動装置および駆動装置)に指令を行うことによって加速時の空転傾向を抑制するものである。
(8)前記変更制限部が、前記走行不安定状態判定部によって前記走行不安定状態であると判定された場合に、前記離間力特性を設定された特性に変更する指令を行う変更制限時変更指令部を含む(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のサスペンションシステム。
走行不安定状態において、離間力特性が設定された特性になっていることが望ましい場合があり、そのような場合に好適である。例えば、ばね特性,車高の少なくとも一方を、標準的な硬さ,高さ(例えば、定常直進状態に適した離間力特性)にすることや、ばね定数を比較的小さくしたり、車高を低くしたりすること等ができる。本項の態様において、例えば、運転者によって入力装置が操作されて目標となる離間力特性が選択されている場合や、離間力特性変更部によって目標離間力特性が決定されている場合であっても、それらとは無関係に離間力特性を標準的な値等に変更することができる。
また、後述するように、サスペンション装置のうちの離間力特性を変更する部分が、電力の供給によって作動するソレノイド等を含む電磁作動器(後述の例では電磁弁)を含む場合に、それら電磁作動器に電力の供給を停止した場合の離間力特性を設定された特性とすることができる。つまり、ソレノイド等への電力の供給を停止することで離間力特性を変更する態様とすることができる。その場合には、複数の車輪に対応する複数の電磁作動器の一部が断線等の故障によって電力の供給を受けない状態と同様の離間力特性となっていた場合には、離間力特性の変更によって、複数の車輪に対応する全ての部分の離間力特性を設定された特性にすることができ、フェールセーフ性が向上する。
なお、変更制限条件が満たされると同時に変更指令がなされるようにする等、速やかに変更指令がなされることが望ましい。
(9)前記変更制限部が、前記走行不安定状態緩和装置による制御が行われる際に、前記離間力特性を前記走行不安定状態緩和装置において想定されている特性に変更する指令を行う変更制限時変更指令部を含む(4)項ないし(7)項のいずれかに記載のサスペンションシステム。
本項の態様は、前項の態様の一例である。なお、本項の走行不安定状態緩和装置において想定されている特性は、前項の設定された特性に相当する。
本項の態様は、例えば、走行不安定状態緩和装置が、特定の離間力特性である場合に効果的に走行不安定状態を緩和しやすくされている場合や、複数の車輪についての離間力特性が統一されていることが想定されている場合等に好適である。離間力特性が統一されているのは、例えば、全てのばね定数の大きさが、大、中、小のいずれかに統一されている場合等である。また、前述のように、電磁作動器が非通電状態にされた場合の離間力特性を、走行不安定状態緩和装置において想定されている特性とすることでこともできる。
なお、変更指令は、走行不安定状態緩和制御が行われたことが判明すると同時等、判明後速やかに行われることが望ましい。そうすることによって、制動装置等が走行不安定状態緩和制御されて作動するのとほぼ同時期に離間力特性を変更することができ、走行不安定状態の緩和を妨げる可能性を小さくすることができる。
(10)前記離間力特性変更部が、車両の運動状態を示す状態量である運動状態量に基づいて離間力特性を変更する制御を行う運動状態量依拠制御部を含む(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のサスペンションシステム。
本項の態様とは異なるが、例えば、車両に離間力特性の目標値や変更を入力する入力装置を設け、運転者の入力に応じて離間力特性を変更することもできる。それに対して、本項の態様は、車両の運動状態量に基づいて適切な離間力特性に変更することができる。例えば、運動状態量の一種である車体の横加速度に基づけば、旋回状態においてばね定数を大きくして車体のロールを抑制し、直進状態でばね定数を小さくして乗り心地を向上させることができる。また、横加速度が比較的大きい場合には、旋回外輪側の車高を高くすることと旋回内輪側の車高を低くすることとの少なくとも一方によっても車体のロールを抑制することができる。また、例えば、運動状態量の一種である車体の上下加速度に基づけば、例えば、悪路走行状態においてばね定数を小さくするとともに車高を高くする一方、一般路においてばね定数を大きくするとともに車高を低くすることができる。その他、後の実施例において詳述する。なお、運動状態量として、前後,左右,上下方向の移動速度および加速度、ヨー方向の回転速度(いわゆるヨーレート)および回転加速度、姿勢変化(ロール,ピッチ,ヒーブ)の量,速度および加速度、操舵の量および速度、車輪の回転速度及び回転加速度、ストロークの量,速度および加速度(基準離間距離を基準とした場合の車輪と車体との接近離間の量,速度および加速度)、車体のスリップ角およびそれの変化率等の検出値あるいは推定値のうちの少なくとも1つを採用することができる。また、これらの状態量のうちの複数のものに基づいて離間力特性を変更することができる。
しかしながら、走行不安定状態では、車両の運動状態が変化し易いこと、車両の運動状態を正確に把握することが難しいこと等に起因して、不要な、あるいは、誤った離間力特性の変更がなされる虞がある。すなわち、本項の態様は、走行不安定状態において、変更制限部によって離間力特性の変更が制限されることが望ましい態様、あるいは、変更が制限される必要性の高い態様といえる。
(11)前記運動状態量依拠制御部が、前記運動状態量に基づいて車体の姿勢変化が設定範囲内になるか否かを判定するとともに、車体の姿勢変化が設定範囲外になると判定された場合に、設定範囲内になると判定された場合の前記離間力特性で走行するよりも車体の姿勢変化が小さくなる前記離間力特性に変更する制御を行うものである(10)項に記載のサスペンションシステム。
車体の姿勢変化が設定範囲内になると判定される場合は、例えば、一般的な道路を低中速(例えば、時速50km以下)で定常直進走行するような場合(低中速で緩やかに旋回する場合や緩やかな加減速を行う場合も含まれる)等とすることができる。その様な場合には、車体の姿勢変化(ヒーブ、ロール、ピッチ)が比較的小さいため、例えば、ばね定数を比較的小さくして乗り心地を向上させることができる。
一方、車体の姿勢変化が設定範囲外になると判定される場合は、例えば、相当程度の旋回や加減速を行う場合、高速走行(例えば、時速70km以上)する場合等である。その様な場合は、車体の姿勢変化が大きくなり易いため、ばね定数を比較的大きくして(ばねを硬くして)姿勢変化を抑制することが望ましい。上記以外に、例えば、路面の凸部を乗り越える場合、悪路を走行する場合等には、車体の姿勢変化が設定範囲外になると判定される。この場合には、ばね定数が大きいと凸部を乗り越える際に車体に伝わる振動が大きくなるため、離間力特性を比較的小さくして振動ができるだけ良好に吸収されるようにして、車体の上昇加速度を低減して姿勢変化を抑制することが望ましい。なお、車体に伝わる振動を減少させることは、乗り心地を向上させると考えることもできる。
(12)前記離間力特性変更部が、予め設定された複数段階の前記離間力特性の候補特性のうちの1つを選択することによって前記離間力特性を変更するものである(1)項ないし(11)項のいずれかに記載のサスペンションシステム。
本項の態様において、複数段階の候補特性の段階数が少ない場合(2段階,3段階等)は、離間力特性の変更が車両の走行状態に与える影響が大きいため、変更制限部によって制限されるのに適した態様である。
(13)当該サスペンションシステムが、前記複数の車輪のうちの2以上のものの各々に対応して設けられて流体を収容するとともに自身と対応する車輪である対応輪と車体との接近離間に応じて容積が変化させられて前記対応輪と車体とを離間させる離間力を発生させる2以上の流体作動器を含み、
前記離間力特性変更部が、
前記2以上の流体作動器の各々と連通させられて流体を加圧した状態で蓄える1以上ずつの加圧流体収容器と、
前記2以上の流体作動器の各々と前記1以上ずつの加圧流体収容器の各々との連通を個別に許容・遮断する2以上の連通切換器と、
それら2以上の連通切換器を制御することにより、前記1以上ずつの加圧流体収容器のうちの前記2以上の流体作動器の各々との連通が許容されるものの個数を増減させて前記離間力特性を変更する離間力特性制御部と
を含む(1)項ないし(12)項のいずれかに記載のサスペンションシステム。
本項の態様では、各流体作動器毎に1以上の加圧流体収容器(例えば、アキュムレータ)が連通させられており、各流体作動器と1以上の加圧流体収容器の各々との連通を個別に許容するか遮断するかを切り換えるだけで、迅速に離間力特性を変更することができる。特に、離間力特性のうちのばね特性の変更が容易である。なお、流体作動器は複数の車輪のうちの2以上とされているが、例えば、4つの車輪のうちの前方の2つの車輪に対応する2つの流体作動器を設けることができる。その場合には、前方の2つの車輪に対応する部分の離間力特性(この場合は、ばね特性が好適である)が変更可能にされ、後方の2つの車輪のばね定数が変更不能にされるように構成することができる。また、2以上の流体作動器を複数の車輪と同数にすることができ、すなわち、複数の流体作動器を複数の車輪の各々に対応して設けることができる。
なお、本項の態様において、流体を気体や液体を含むものとすることができる。例えば、流体を気体とした場合は、いわゆるエアサスペンション装置にサブチャンバ(加圧流体収容器)を連通させたもの、といった態様にすることができる。また、例えば、流体を液体とした場合は、例えば、流体作動器を、車体と車輪との接近離間に応じて容積が変化させられる作動液収容作動部と、その作動液収容作動部と連通する加圧流体収容部(例えば、アキュムレータ)とを含むものとすることができる。液体はほとんど弾性を有しないが、加圧流体収容部に液体を加圧した状態で蓄えることによって、流体作動器を、車体と車輪との接近離間に応じて容積が変化させられて車体と車輪とを離間させる向きの力である離間力を発生させるものとすることができる。
(14)前記2以上の連通切換器の各々が、前記2以上の流体作動器の各々に対応して設けられて通電の有無によって前記2以上の流体作動器の各々と前記1以上ずつの加圧流体収容器の各々との連通を許容する状態と遮断する状態とが切り換わる1以上ずつの電磁弁を含み、
前記変更制限部が、前記走行不安定状態判定部によって前記走行不安定状態であると判定された場合に、前記1以上ずつの電磁弁の各々に通電されない状態にすべく前記離間力特性を変更する指令を行う作動解除型変更指令部を含む(13)項に記載のサスペンションシステム。
本項の態様は、連通切換器が、電磁作動器たる電磁弁を含むものである。その電磁弁を、例えば、常閉型または常開型の電磁弁とすることができる。また、本項の態様が、複数の電磁弁を含む場合に、全てを常閉型または常開型の電磁弁とすることや、一部のものを常閉型の電磁弁にして他のものを常開型の電磁弁にすることができる。なお、電磁弁は、2ポート形に限られず、3ポート以上の形式とすることができる。
本項の作動解除型変更指令部は、前記変更制限時変更指令部の一態様であり、前記1以上ずつの電磁弁の各々を非通電状態にする変更指令が、離間力特性を設定された特性、あるいは、走行不安定状態緩和装置において想定されている特性に変更すべき旨の変更指令に相当する。
本項の態様は、1以上の電磁弁への電力供給を停止することによって離間力特性を設定された特性に変更することができる。そのため、例えば、前述のように、複数の車輪の各々に対応する連通切換器の一部が故障して、それの電磁弁が非通電状態になっていたとしても、走行不安定状態であると判定された場合に、他の連通切換器の電磁弁を非通電状態にすることによって、複数の車輪の離間力特性を設定された特性にすることができ、フェールセーフ性に優れている。また、複数の車輪のうちの一部の車輪について離間力特性が変更可能にされ、他の車輪について離間力特性が変更不能にされている場合において、連通切換器の電磁弁を非通電状態にした場合に、複数の車輪のうちの上記一部の車輪の離間力特性が他の車輪の離間力特性とバランスする特性となるようにすることができる。その場合には、走行不安定状態であると判定された場合に、全ての車輪についての離間力特性が統一されるようにすることができる。
(15)当該サスペンションシステムが、車両が有する複数の車輪の各々に対応して設けられて流体を収容するとともに自身と対応する車輪である対応輪と車体との接近離間に応じて容積が変化させられて前記対応輪と車体とを離間させる離間力を発生させる複数の流体作動器を含み、
前記離間力特性変更部が、前記複数の流体作動器の各々に個別に流体を供給し、前記複数の流体作動器の各々から個別に流体を排出させる流体給排装置を含む(1)項ないし(14)項のいずれかに記載のサスペンションシステム。
本項の離間力特性変更部は、車高を変更する装置として流体給排装置を含むものである。なお、本項の態様が、前記(13)項に掛かる場合には、サスペンションシステムが前記2以上の流体作動器として複数の流体作動器を含むものとすることができる。
また、車両には、サスペンション装置14、操舵装置16、駆動装置18、制動装置20の各々を制御する車両運動コントロール装置25(正確には、上記各種の装置の各々に指令(制御指令)を行う)が設けられている。その車両運動コントロール装置25は、サスペンションコントローラ30、ステアリングコントローラ32、エンジンコントローラ34、スキッドコントローラ36を含む。また、車両運動コントロール装置25は、コントローラ・エリア・ネットワーク通信システム38(以後、「CAN」と略称する)を備えており、そのCAN38によって上記各種のコントローラが情報やデータを互いに授受可能に接続されている。また、そのCAN38には後述する各種のセンサ(操舵角センサ、加速度センサ等)が接続されており、上記各種のコントローラは各種のセンサの検出値を受信することができるようにされている。なお、この図において、各種のコントローラと、各種のセンサや走行システムの各種の装置との接続については、図が煩雑になることを避けるため、一部を例示的に示し、その他を省略するものとする。
車輪12は、ホイールの外周にタイヤ50が装着されて構成されている。4つの車輪12のうち、前方の2つの車輪12は、概ね上下方向の軸線回りに回転可能に支持されており、転舵輪とされている。また、後方の2つの車輪12は、駆動トルクが付与される駆動輪とされている。なお、本実施例において、車両の前方左側,前方右側,後方左側,後方右側に対応する構成部品であることを、その部品の符号の後にそれぞれFL,FR,RL,RRの記号を付して表す場合がある。例えば、前方左側の車輪は車輪12FLとなる。
駆動装置18には、動力源たるエンジン60と、エンジン60が発生させる駆動力を車輪12に伝える動力伝達部62とが設けられている。
車体40には、車体40の4つの車輪12の各々に対応する部分の上下加速度を検出する加速度センサ63(Gz)、車体40の前後加速度、横加速度を検出する加速度センサ64(Gxy)、車体40のヨーレートを検出するヨーレートセンサ66(γ)が設けられ、それらはCAN38に接続されている。
制動装置20には、図2に示すように、運転者がブレーキペダル48を踏み込む操作に応じて作動液(ブレーキ液)を加圧する、つまり、運転者の制動操作を作動液の圧力に変換する制動操作−液圧変換部68と、各車輪12毎に設けられたディスクブレーキ70と、制動操作−液圧変換部68の液圧に応じて各ディスクブレーキ70に供給する作動液の液圧を制御する液圧制御装置たるブレーキアクチュエータ72とが設けられている。ディスクブレーキ70は、車輪12とともに回転するディスクプレートと、車体30の一部に保持されてディスクプレートを挟む2つのディスクパッドと、2つのディスクパッドをディスクプレートに押し付けるホイールシリンダ76とを備えている。
マスタシリンダ装置80は、ブレーキペダル48に加えられた踏力によって作動液(ブレーキ液)を加圧するマスタシリンダ82を備えている。マスタシリンダ82は、本実施例において、2つの加圧室84a,bを備えており、それら加圧室84a,bは、それぞれ液通路86a,bによって、左前輪12FL,右前輪12FRの回転をそれぞれ制動するブレーキのホイールシリンダ76FL,76FRと接続されている。また、マスタシリンダ装置80には、作動液が大気圧で蓄えられるリザーバ90が設けられており、そのリザーバ90からマスタシリンダ82の加圧室84a,bの各々に作動液が供給される。なお、ブレーキペダル48が踏込まれた際には、リザーバ90と加圧室84a,bとの連通が遮断されるとともに、加圧室84a,bにおいて加圧された作動液がホイールシリンダ76FL,76FRに供給される。さらに、マスタシリンダ82の一方の加圧室84aには、電磁開閉弁92を介してストロークシミュレータ94が接続されている。
図3に示すサスペンション装置は、前後左右輪12FL,FR,RL,RRの各々を保持する車輪保持装置144FL,FR,RL,RRと、それら車輪保持装置144の各々と車体40との間に設けられた作動液収容作動部としての懸架シリンダ150FL,FR,RL,RRとを含んでいる。各懸架シリンダ150は各サスペンションスプリング152と並列に設けられている。各懸架シリンダ150は作動液により作動させられる。以下、懸架シリンダ150等に車輪位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付して使用する場合がある。
ピストン156には、そのピストン156により仕切られた2つの液室160,162を連通させる連通路164が設けられ、連通路164には絞り166が設けられている。絞り166により、ピストン156のハウジング154に対する相対移動速度(絞り166を流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。つまり、懸架シリンダ150はショックアブソーバとしての機能を有している。
本実施例においては、アキュムレータ182の方がアキュムレータ184よりばね定数が大きいものとされており、以下、アキュムレータ182を高圧アキュムレータと称し、アキュムレータ184を低圧アキュムレータと称する。ホイールレート切換弁186は常開の電磁開閉弁である。
作動液給排装置200は、高圧源202、低圧源としてのリザーバ204、個別制御弁装置206等を含む。高圧源202は、ポンプ210とそのポンプ210を駆動する電動モータ212とを備えたポンプ装置214、蓄圧用アキュムレータ216等を含む。ポンプ装置214,蓄圧用アキュムレータ216等は共通制御通路220に設けられ、ポンプ装置214と蓄圧用アキュムレータ216とは互いに接続されている。ポンプ210によってリザーバ204の作動液が汲み上げられて吐出され、蓄圧用アキュムレータ216において加圧した状態で蓄えられたり、懸架シリンダ150FR、FL、RR、RLに供給されたりする。本実施例において、ポンプ210はギヤポンプである。
共通制御通路220には、ポンプ装置214の吐出液圧や、アキュムレータ液圧を検出する液圧源液圧センサ224、逆止弁226および消音用アキュムレータ228が設けられている。また、共通制御通路220ポンプ装置214の高圧側とリザーバ204とを接続する流出通路230が設けられ、その流出通路230にはポンプ装置214の吐出液圧によって閉状態にされる常開の流出制御弁232が設けられている。
各個別制御弁240、左右連通弁244,248は、常閉の電磁開閉弁であり、左右連通弁244,248の閉状態において各個別制御弁240を個別に制御することにより、各車輪12を保持する各車輪保持装置144とそれに対応する車体40の部分(各懸架シリンダ150に対応する部分)との間の基準となる離間距離である基準離間距離(つまり、車両静止時の離間距離)である車高が独立に制御される。
ホイールレート切換弁186が連通状態とされた場合には、液室160に2つのアキュムレータ182,184が連通させられて、ホイールレートが小さい状態(Soft)とされ、ホイールレート切換弁186が遮断状態とされた場合には、液室160から低圧アキュムレータ184が遮断されて高圧アキュムレータ182のみが連通させられるため、ホイールレートが大きい状態(Hard)とされる。
すなわち、本実施例において、懸架シリンダ150(作動液収容作動部)と高圧アキュムレータ182(加圧流体収容部)とを含んで前記「流体作動器」が構成されている。さらに、低圧アキュムレータ184が前記「加圧流体収容器」として機能している。なお、本実施例は、4つの流体作動器の各々に1つずつの加圧流体収容器が接続された態様である。また、常閉型の電磁弁たるホイールレート切換弁186を含んで前記「連通切換器」が構成されている。そして、低圧アキュムレータ184とホイールレート切換弁186とを含んでホイールレート切換装置(ばね特性変更装置の一種)が構成されている。
また、懸架シリンダ150の各々の減衰特性の制御が各可変絞り196の制御により行われる。可変絞り196により個別制御通路180の流路面積が小さくされた場合には、減衰力が大きくなり、流路面積が大きくされた場合には減衰力が小さくなる。
左前輪12FLについて車高を大きくする場合には、ポンプ装置214が作動させられるとともに蓄圧制御弁222が連通状態とされ、かつ、個別制御弁240FLが連通状態とされる。ポンプ装置214の作動により流出制御弁232が閉状態に切り換えられるため、ポンプ装置214から吐出された作動液が懸架シリンダ150FLに供給され、車高が大きくなる。懸架シリンダ150FLには、蓄圧用アキュムレータ216からも作動液が供給される。左前輪12FLについて、実際の車高が目標値に達すると、個別制御弁240FLが遮断状態とされ、ポンプ装置214の作動が停止させられる。
車高を小さくする場合は、個別制御弁240FLが連通状態とされる。ポンプ装置214は停止状態にあるため、流出制御弁232は連通状態にある。懸架シリンダ150FLからリザーバ204に作動液が流出させられて、実際の車高が目標値に達すると、個別制御弁240FLが遮断状態とされる。他の車輪12FR,RL,RRについて車高を増減する場合も同様である。
各種のコントローラ30〜36は、いずれも、コンピュータおよび入出力部を含む制御部と電磁弁等を作動させる駆動回路とを含む(図示省略)。コンピュータは、CPU,ROM,RAMおよびそれらを接続するバスを含み、入出力部は、CAN38を介して他のコントローラやセンサと指令やデータの送受信や、操舵角センサ56、加速度センサ63,64、ヨーレートセンサ66等の各種センサの検出値の取得等を行うCAN通信部を含む。また、CAN38に接続される各種センサもCAN通信部を備えている。
スキッドCU36は、通常時は、制動操作に応じた制動トルクをディスクブレーキ70に発生させるべくブレーキACT72に指令を行い、車輪12のスリップの度合いが許容範囲外になる場合には、車輪12のスリップを抑制すべくスリップ抑制制御を行うものである。スキッドCU36の入出力部には、前記マスタシリンダ圧センサ104、ホイールシリンダ圧センサ106、車輪速センサ140、ブレーキペダル48が操作されていることを検出するブレーキセンサ260等、各種センサ等が入力側に接続され、前記各増圧弁120および各減圧弁122等のソレノイド等が出力側に接続されている。
図2において、スキッドCU36の各種の機能部、スリップ状態判定部300、通常制動制御部302、アンチロック制御部304、トラクション制御部306、ヨー運動適正化部308を示す。これらの機能は、スキッドCU36のコンピュータにより、上記各種のルーチンが実行されることによって発揮される。また、これら各種の機能部により、ブレーキACT72に制御指令が行われることによってブレーキACT72が作動し、各ホイールシリンダ76の液圧が制御される。
制動時において、4つの車輪12のうちの少なくとも1つが、車輪加速度が加速度下限値(負の値)以下である場合と、縦スリップ量が縦スリップ下限値(負の値)以下である場合との少なくとも一方の場合には、ロック傾向が生じており縦スリップ状態であると判定される。加速時において、2つの駆動輪のうちの少なくとも1つが、車輪加速度が加速度上限値以上である場合と、縦スリップ量が縦スリップ上限値以上である場合との少なくとも一方の場合には、空転傾向が生じており縦スリップ状態であると判定される。
目標ヨーレートから検出ヨーレートを減じた偏差であるヨーレート偏差(スリップの度合いの一例である)が、設定された許容範囲外の値になる場合は横スリップ状態であると判定される。具体的には、ヨーレート偏差が、偏差下限値以下である場合はスピン傾向の横スリップ状態、偏差上限値以上である場合はドリフト傾向の横スリップ状態であると判定される。
なお、スピン傾向の横スリップ状態を、車両のスリップ角とスリップ角の変化率との少なくとも一方に基づいて判定することもできる。車両のスリップ角およびそれの変化率(それぞれスリップの度合いの一例である)は、横加速度センサ64によって検出された検出横加速度,車速および検出ヨーレートとに基づいて取得される(例えば、スリップ角の変化率=検出横加速度/車速−検出ヨーレート)。
また、スキッドCU36は、スリップ状態判定部300の判定結果、つまり、ロック傾向,空転傾向,スピン傾向等が生じているか否に基づいて、ブレーキACT72に指令を行う制御部を選択するようにされている。各制御部の処理について、以下に説明する。
このような制御によって各ホイールシリンダ76の液圧が制御され、各車輪12に運転者の制動操作に応じた制動トルクが付与されることとなる。
トラクション制御部306は、空転傾向の縦スリップ状態であると判定された場合に指令を行い、トラクション制御を行うものである。トラクション制御は、空転傾向であると判定された車輪12のホイール液圧を増加させて制動トルクを付与することによって駆動トルクを低減し、空転傾向を抑制する。また、空転傾向が抑制されるとホイール液圧を減少させて車輪12に付与する制動トルクを低減する。また、トラクション制御では、空転の程度に応じてエンジン60の駆動出力を低下させるべく、エンジンCU34にCAN38を介して指令が送信される。その指令を受けたエンジンCU34が駆動出力を低下させることにより、空転傾向が抑制される。なお、空転傾向が抑制された場合には、駆動出力を増加させるべく、エンジンCU34に指令を送信する。このトラクション制御によって、加速時の駆動輪(本実施例において、後方側の車輪12)の空転が抑制されて車輪12の縦スリップ量が適度な大きさになり、駆動ロスが抑えられて効率よく車両が加速される。すなわち、この制御によって、駆動時の走行不安定状態が緩和されるのである。
ヨー運動適正化部308は、横スリップ状態であると判定された場合に指令を行い、ヨー運動適正化制御を行うものである。ヨー運動適正化制御は、VSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)とも称され、スピン傾向(過剰なオーバステア)である場合に、前方側の旋回外輪のホイール液圧を増加させてスピンとは逆向きのヨーモーメントを発生させ、スピン傾向を抑制する。また、ドリフト傾向(過剰なアンダステア)である場合に、前後の旋回内輪および前方の旋回外輪のホイール液圧を増加させてドリフト傾向を抑制する。このヨー運動制御によって、旋回時のスピンやコースアウトが抑制され、安定した旋回が実現される。すなわち、この制御によって、旋回時の走行不安定状態が緩和されるのである。
アンチロック制御部304は、例えば、運転者が制動操作を解除した場合、全ての車輪12の縦スリップ量がほぼ0となる状態が設定時間継続した場合等のアンチロック制御終了条件が満たされた場合に制御指令を終了する。トラクション制御部306は、例えば、駆動輪の縦スリップ量がほぼ0となる状態で車速の変化率がしきい変化率以下となった場合や、駆動輪の縦スリップ量がほぼ0となる状態が設定時間継続した場合等のトラクション制御終了条件が満たされた場合に制御指令を終了する。ヨー運動適正化部308は、概ね直進状態、つまり、制御横加速度(後述する)がしきい加速度以下の状態が設定時間継続した場合や、旋回状態であってもヨー運動適正化制御なしに目標ヨーレートと検出ヨーレートとの偏差がしきい偏差以下の状態が設定時間継続した場合等のヨー運動適正化終了条件が満たされた場合に制御指令を終了する。
サスペンションCU30の入出力部には、ホイールレート切換弁186、可変絞り196のコイル、作動液給排装置200が図示しない駆動回路を介して接続されている。また、入出力部には、液圧源液圧センサ224,前後左右の各輪毎に設けられて車高をそれぞれ検出する車高センサ250等のセンサがそれぞれ接続されている。
サスペンションCU30は、各種の機能部として、ホイールレート制御部320、車高制御部322、減衰力制御部324を備えている。それらの機能は、サスペンションCU30のROMに記憶された各種のプログラム、メインルーチン,ホイールレート制御ルーチン,車高制御ルーチン,減衰力制御ルーチン等が、サスペンションCU30のコンピュータによって実行されることで発揮される。なお、コンピュータにおいては、上記メインルーチン,その他のサブルーチン等が予め定められた設定時間毎に繰り返し実行される。
S12では、比較的大きな凹凸を有する路面を走行する状態である悪路走行状態であるか否かが判断される。具体的には、加速度センサ64によって検出された上下方向の加速度である検出上下加速度(運動状態量)が設定強度以上になる場合と、個別通路22の液圧P(運動状態量)が設定圧以上である場合との少なくとも一方の場合に悪路走行状態であると判定される。すなわち、悪路走行状態は、車両の運動状態のうち、車体40の振動が激しくなると判断される状態である。なお、液圧Pは、車輪12と車体40との離間距離が小さくなると大きくなり、ストローク量が大きいことを示す。悪路走行状態において、ホイールレートがHard(大きい値)であると車体40の上下方向の揺れ(ヒーブ方向の揺れ)が激しくなり、姿勢変化,接地性,乗り心地等の観点から好ましくない。したがって、悪路走行状態であると判定された場合には、S13〜S16の処理がスキップされ、ホイールレートがSoftにされて(S17)車体40の揺れが緩和される。一方、悪路走行状態ではないと判定された場合には、S13以下の処理が実行される。
S14では、車両が加速状態、減速状態であるか否かが判断される。加速状態は、加速度センサ64によって検出された前後方向の加速度である検出前後加速度(運動状態量)と、CAN38を介してエンジンCU34から取得されたアクセル開度,変速比および車速等に基づいて算出された推定前後加速度(運動状態量)とに基づいて決定された制御前後加速度が、しきい前後加速度以上である場合には加速状態であると判定される。なお、エンジンCU34は動力伝達部62の変速機の制御を行っており、変速比を把握している。減速状態は、加速度センサ64によって検出された前後方向の減速度である検出前後減速度と、制動操作の強度(操作速度、マスタシリンダ圧等)および車速等に基づいて算出された推定前後減速度とに基づいて決定された制御前後減速度が、しきい前後減速度(負の値)以下である場合には制動状態であると判定される。
S15では、高速走行をしている状態であるか否かが判断される。具体的には、設定時間前から現時点までの車速の平均的な値(運動状態量)が設定速度(例えば、時速70km)以上である場合に高速走行状態であると判定される。
スリップ抑制フラグがONの場合には、つまり、スリップ抑制制御がなされている場合には、上記S12〜S18において目標ホイールレートがどのように決定されたかに拘わらず、S20において目標ホイールレートがSoft(小さい値)にされる(Softにする意義については後述する)。そのため、S12〜S18の処理に基づくホイールレートの切換ができなくなる。すなわち、ホイールレートの切換(ばね定数の変更)が禁止される。
一方、スリップ抑制フラグがOFFである場合、つまり、スリップ抑制制御がなされていない場合には、S20の処理がスキップされ、上記S13〜S18の処理において決定された目標ホイールレートが維持される。
S21の判定では、上記S13〜S18の処理または上記S19,S20の処理において決定された目標ホイールレート(「目標レート」と略称する場合がある)が、現在のホイールレートである現レートと異なるか否かが判定される。目標レートと現レートとが異なる場合には、S22において切換指令がなされ、ホイールレートが切り換えられる。目標レートと現レートとが等しい場合やホイールレートが決定されなかった場合(S16においてNOと判定された場合)には切換指令はなされず、本ルーチンの1回の実行が終了する。切換指令がなされない場合には、現在のホイールレートが維持される。
一方、スリップ抑制フラグがONの場合には、目標レートが上記S19,S20の処理によって決定されたSoftにされる。すなわち、S19,S20の処理の存在により、単にホイールレートの切換が禁止されるだけでなく、スリップ抑制制御が開始されたのと同時期に、ホイールレートが設定された特性(Soft)に変更されるのである。
また、設定された特性がSoftにされているのは、本実施例において、ホイールレート切換弁186が、非通電状態においてホイールレートをSoftにする常開型の電磁弁とされていることが一因である。つまり、4つの車輪12のいずれかに対応するホイールレート切換弁186が故障して開状態になり、ホイールレートがSoftに固定されていたとしても、スリップ抑制制御が行われる際に他のホイールレートもSoftにすることによって、4つの車輪12についてホイールレートを全てSoftに揃えることができ、スリップ抑制制御を効果的に行うことができる。なお、ホイールレート切換弁186が常閉弁とされている場合には、S19,S20と同様の処理により、スリップ抑制フラグがONになると同時期にホイールレートをHardに切り換える指令がなされるようにすることができる。つまり、ホイールレート切換弁186を非通電状態にすべく切換指令を行うようにされるのである。
以上のように、本実施例において、走行不安定状態たるスリップ状態においてホイールレートがSoftとされることが好ましいのである。
また、本実施例において、走行不安定状態緩和制御たるスリップ抑制制御が行われた際にホイールレートがスリップ抑制制御に適した値(Soft)に切り換えられるようにされている。すなわち、本実施例において、ホイールレート制御部320のうち、S20の処理を行う部分が、前記「変更制限時変更指令部」として機能している。さらにまた、本実施例において、ホイールレート切換弁186が非通電状態(開状態)にされてホイールレートがSoftに切り換えられており、変更制限時変更指令部が前記「作動解除型変更指令部」の態様にされている。
なお、図5の例において、ホイールレートの切換を制限する場合に2つの意味合いが生じる。第一に、ホイールレート切換弁186が非通電状態である場合に切換が禁止されることは、ホイールレート切換弁186の作動が禁止される(通電されない)ことによってホイールレートの切換が禁止された状態となる。第二に、ホイールレート切換弁186が通電状態である場合に切換が禁止されることは、ホイールレート切換弁186の作動が保持される(通電が継続される)ことによってホイールレートの切換が禁止された状態となる。
すなわち、ホイールレートの切換を制限する態様には、一切の切換を禁止する態様だけでなく、設定された条件の切換を許容し、その他の切換を禁止する態様も含まれるのである。なお、本実施例において、S12の判定とS23の判定とが同じ条件で行われるようにされているが、異なる条件で行うことができる。
S31において、各種の検出値が取得される。なお、車速やストローク量等の検出値は、現時点からそれぞれの設定時間前までの平均的な値とされる。
なお、定常直進状態は、設定時間旋回や加減速が行われていない状態とされ、前出のホイールレート制御ルーチン(図4)におけるS13,S14,S16と同様な判定が行われる。なお、各種のしきい値や設定時間は異なるものとすることができる。
S33〜S38において、車速に基づいて走行状態が判定される。高速走行状態である場合(時速70km以上)には、車速に基づく車高の変更量Aが設定量「−Xa」にされ(S33,S34)、中速走行状態である場合(時速30km以上)には変更量Aが0にされ(S35,S36)、低速走行状態である場合(時速30km以上)には変更量Aが設定量「Xa」にされる(S37)。なお、高速、中速走行状態である場合には悪路判定が行われず、S38,S39の処理がスキップされて変更量Bが0にされる(S40)。
S38において、車体の検出上下加速度に基づいて悪路走行状態であるか否かが決定される。悪路走行状態である場合には検出上下加速度に基づく車高の変更量Bが設定量「Xb」にされ(S39)、悪路走行状態でない場合には変更量Bが0にされる(S40)。
S41において、各車輪12に対応する部分の各々の目標車高H1が決定される。具体的には、各車輪12に対応する部分の各静止標準車高Hsに、それぞれの上記各変更量A,Bが加算される。
本実施例において、車高制御部322のS42の処理を行う部分が、前記「変更制限部」として機能している。また、車高制御部322のS32〜S41,S43,S44の処理を行う部分を含んで、前記「運動状態量依拠制御部」のうちの目標車高を制御する部分が構成されているのである。
この減衰力制御部324による減衰力の変更は、スリップ抑制制御時に制限される。すなわち、図示を省略する減衰力制御ルーチンに、前記ホイールレート制御ルーチンのS19と同様の処理が設けられ、スリップ抑制制御が行われている際に、減衰力の変更が制限されるのである。また、前記S19,S20と同様の処理を設け、スリップ抑制フラグがONにされた際に、減衰力を設定された特性に変更する指令を行うようにすることもできる。
ステアリングCU32は、操舵角センサ66の検出値や操舵入力部に設けられた操舵トルクセンサの検出値に基づいて目標転舵角を決定し、転舵輪(前方の車輪12)の転舵角を目標転舵角にすべき旨の指令を行うことにより、転舵部54の動力源たる電動モータを作動させ、転舵輪の転舵角を制御する。
本実施例において、スキッドCU36が、スリップ抑制制御の一環としてステアリングCU32に行う指令や要求について説明をしていないが、指令等を行うようにすることができる。例えば、ヨー運動適正化部308によってスピン傾向やドリフト傾向の抑制のために転舵角を増減させる指令等がステアリングCU32に行われるようにすることができる。
この場合に、ステアリングホイール44の回転位置と関係なく車輪12を転舵することができれば運転者に違和感を与えにくくなることから、操舵装置16が、いわゆるVGRS装置を備えているか、いわゆるステアバイワイヤ型の操舵装置にされていることが望ましい。なお、VGRS(Variable Gear Ratio Steering)装置は、ステアリングホイール44と転舵部52との間の回転の伝達比を変化させる伝達比可変装置を備え、実際の転舵角を運転者が行った操舵操作よりも増加あるいは減少させることができるものである。また、ステアバイワイヤ式のステアリング装置は、ステアリングホイール等の操作部材に入力された操作力が転舵部に伝達されず、転舵部の動力源を制御することによって車輪の転舵を行うものである。
Claims (7)
- 車両の複数の車輪の各々と車体とを接近離間可能に連結するサスペンションシステムであって、
複数の車輪のうちの2以上のものの各々と車体との離間距離とそれらを離間させる向きの力である離間力との関係である離間力特性を変更する離間力特性変更部と、
車両の走行状態が不安定な状態である走行不安定状態を判定する走行不安定状態判定部を有してその走行不安定状態判定部によって前記走行不安定状態であると判定された場合に前記離間力特性の変更を制限する変更制限部と
を含むことを特徴とするサスペンションシステム。 - 前記走行不安定状態判定部が、路面に対する車輪のスリップの度合いが設定された許容範囲の範囲外である場合に、前記走行不安定状態であると判断するものである請求項1に記載のサスペンションシステム。
- 前記車両が、前記走行不安定状態を緩和する走行不安定状態緩和装置を備え、
前記走行不安定状態判定部が、前記走行不安定状態緩和装置による制御が行われる場合に、前記走行不安定状態であると判断するものである請求項1に記載のサスペンションシステム。 - 前記走行不安定状態緩和装置が、路面に対する車輪のスリップを抑制することによって走行不安定状態を緩和するスリップ抑制制御部を含む請求項3に記載のサスペンションシステム。
- 前記変更制限部が、前記走行不安定状態判定部によって前記走行不安定状態であると判定された場合に、前記離間力特性を設定された特性に変更する指令を行う変更制限時変更指令部を含む請求項1ないし4のいずれかに記載のサスペンションシステム。
- 前記離間力特性変更部が、車両の運動状態を示す状態量である運動状態量に基づいて車体の姿勢変化が設定範囲内になるか否かを判定するとともに、車体の姿勢変化が設定範囲外になると判定された場合に、設定範囲内になると判定された場合の前記離間力特性で走行するよりも車体の姿勢変化が小さくなる前記離間力特性に変更する制御を行う運動状態量依拠制御部を含む請求項1ないし5のいずれかに記載のサスペンションシステム。
- 当該サスペンションシステムが、前記複数の車輪のうちの2以上のものの各々に対応して設けられて流体を収容するとともに自身と対応する車輪である対応輪と車体との接近離間に応じて容積が変化させられて前記対応輪と車体とを離間させる離間力を発生させる2以上の流体作動器を含み、
前記離間力特性変更部が、
前記2以上の流体作動器の各々と連通させられて流体を加圧した状態で蓄える1以上ずつの加圧流体収容器と、
前記2以上の流体作動器の各々に対応して設けられて通電の有無によって前記2以上の流体作動器の各々と前記1以上ずつの加圧流体収容器の各々との連通を許容する状態と遮断する状態とが切り換わる1以上ずつの電磁弁を有する2以上の連通切換器と、
それら2以上の連通切換器を制御することにより、前記1以上ずつの加圧流体収容器のうちの前記2以上の流体作動器の各々との連通が許容されるものの個数を増減させて前記離間力特性を変更する離間力特性制御部と
を含み、
前記変更制限部が、前記走行不安定状態判定部によって前記走行不安定状態であると判定された場合に、前記1以上ずつの電磁弁の各々に通電されない状態にすべく前記離間力特性を変更する指令を行う作動解除型変更指令部を含む請求項1ないし6のいずれかに記載のサスペンションシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006274472A JP4844334B2 (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | サスペンションシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006274472A JP4844334B2 (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | サスペンションシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008094124A true JP2008094124A (ja) | 2008-04-24 |
JP4844334B2 JP4844334B2 (ja) | 2011-12-28 |
Family
ID=39377466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006274472A Expired - Fee Related JP4844334B2 (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | サスペンションシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4844334B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014128994A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Bridgestone Cycle Co | 電動補助自転車 |
US8831819B2 (en) | 2011-04-14 | 2014-09-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Abnormality determination device and method of longitudinal acceleration sensor |
JP2017171185A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | アイシン精機株式会社 | 車高調整装置 |
WO2018056130A1 (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | Kyb株式会社 | サスペンション装置 |
KR20200096503A (ko) * | 2017-12-15 | 2020-08-12 | 가부시끼 가이샤 구보다 | 슬립 판정 시스템, 주행 경로 생성 시스템, 및 포장 작업차 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03217310A (ja) * | 1990-01-23 | 1991-09-25 | Mazda Motor Corp | 車両のサスペンション装置 |
JPH0459416A (ja) * | 1990-06-29 | 1992-02-26 | Mazda Motor Corp | 車両のサスペンション装置 |
JPH05221213A (ja) * | 1991-08-20 | 1993-08-31 | Tokico Ltd | サスペンション制御装置 |
-
2006
- 2006-10-05 JP JP2006274472A patent/JP4844334B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03217310A (ja) * | 1990-01-23 | 1991-09-25 | Mazda Motor Corp | 車両のサスペンション装置 |
JPH0459416A (ja) * | 1990-06-29 | 1992-02-26 | Mazda Motor Corp | 車両のサスペンション装置 |
JPH05221213A (ja) * | 1991-08-20 | 1993-08-31 | Tokico Ltd | サスペンション制御装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8831819B2 (en) | 2011-04-14 | 2014-09-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Abnormality determination device and method of longitudinal acceleration sensor |
JP2014128994A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Bridgestone Cycle Co | 電動補助自転車 |
JP2017171185A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | アイシン精機株式会社 | 車高調整装置 |
WO2018056130A1 (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | Kyb株式会社 | サスペンション装置 |
KR20200096503A (ko) * | 2017-12-15 | 2020-08-12 | 가부시끼 가이샤 구보다 | 슬립 판정 시스템, 주행 경로 생성 시스템, 및 포장 작업차 |
KR102599328B1 (ko) * | 2017-12-15 | 2023-11-08 | 가부시끼 가이샤 구보다 | 슬립 판정 시스템, 주행 경로 생성 시스템, 및 포장 작업차 |
US11895937B2 (en) | 2017-12-15 | 2024-02-13 | Kubota Corporation | Slip determination system, travel path generation system, and field work vehicle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4844334B2 (ja) | 2011-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7613557B2 (en) | Vehicle control system | |
US5762157A (en) | Vehicle attitude control apparatus wherein tire slip angle and wheel longitudinal force are controlled | |
US20060186728A1 (en) | Suspension apparatus | |
JPH02182521A (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP2006199146A (ja) | ブレーキ液圧制御装置 | |
JP5962906B2 (ja) | 車両の制動力制御装置 | |
JP4844334B2 (ja) | サスペンションシステム | |
JP7484667B2 (ja) | 制動制御装置 | |
JP2877084B2 (ja) | 制動力制御装置 | |
JP2000344078A (ja) | 制動装置 | |
JP2005059613A (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP2013129373A (ja) | 制動力制御装置 | |
JP4710486B2 (ja) | 車両の降坂路走行速度制御装置 | |
JP4678249B2 (ja) | 車両用ブレーキ装置 | |
JP2572860B2 (ja) | 車両の旋回挙動制御装置 | |
JP4604926B2 (ja) | 車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 | |
JP4650174B2 (ja) | 車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 | |
JP5018338B2 (ja) | 車両挙動制御装置 | |
KR20160142519A (ko) | 차량 자세제어장치 및 그 제어방법 | |
JP5446685B2 (ja) | 車両の運動制御装置 | |
JP6481388B2 (ja) | 車両の制動制御装置 | |
JP4518008B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JPH08238915A (ja) | 車体挙動制御装置 | |
JP5067001B2 (ja) | 車両用制動制御装置 | |
JP7103080B2 (ja) | 車両制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090724 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110419 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110421 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110617 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110712 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110824 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110913 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110926 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4844334 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |