JP2000344078A - 制動装置 - Google Patents
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Abstract
後液圧制動トルクが理想配分線に従って配分される液圧
制動装置とを含む制動装置において、車両の操縦安定性
の低下を抑制しつつ、エネルギ効率の低下を抑制する。 【解決手段】前後回転速度差に応じた相対スリップの増
加勾配が大きい場合は小さい場合より回生制動トルクが
小さくされる。それによって、前後総制動トルク配分を
理想配分に近づることができ、操縦安定性の低下を抑制
することができる。また、回生制動トルクが相対スリッ
プの勾配に応じて抑制されるため、回生制動トルクが過
剰に抑制されることがなく、エネルギ効率の過剰の低下
を抑制することができる。
Description
えた制動装置に関するものであり、特に、回生制動トル
クの制御に関するものである。
が、特開平5─161213号公報に記載されている。
この公報に記載の制動装置においては、制動中に旋回状
態が予め定められた設定状態以上になった場合に、回生
優先モードから回生抑制モードに切り換えられる。回生
抑制モードに切り換えられると、制動力の前後配分が理
想配分に近づけられるため、車両の操縦安定性の低下を
抑制することができる。しかし、回生抑制モードにおい
ては、旋回の程度とは関係なく回生制動トルクが同様に
抑制されるため、旋回の程度によっては、回生制動トル
クが抑制され過ぎ、エネルギ効率が悪くなるという問題
があった。また、上述の制動装置においては、回生制動
装置に異常が生じた場合には、回生制動トルクが0にさ
れるようにされていた。
果】以上の事情を背景とする本発明の課題は、車両の操
縦安定性の低下を抑制しつつエネルギの有効利用を図る
ことであり、具体的には、回生制動トルクのきめ細かな
定量制御を行うことや、回生制動トルクの抑制制御をき
め細やかに行うこと等によって、回生制動トルクの過剰
な抑制を回避しつつ操縦安定性の低下を抑制することで
ある。この課題は、制動装置を下記各態様のものとする
ことよって解決される。各態様は、請求項と同様に、項
に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番
号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発
明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技
術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定
されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複
数の事項が記載されている場合、それら複数の事項は常
に一緒に採用しなければならないわけではなく、一部の
事項のみを採用することも可能である。 (1)車両の駆動輪に、電動モータの回生制動により回
生制動トルクを加える回生制動装置と、その回生制動装
置を制御することにより、前記回生制動トルクを制御す
る回生制動トルク制御装置とを含む制動装置であって、
前記回生制動トルク制御装置が、前記車両の前輪の回転
速度と後輪の回転速度との差である前後速度差の絶対値
の勾配に基づいて前記回生制動トルクを制御する速度差
勾配対応制御手段を含むことを特徴とする制動装置(請
求項1)。本項に記載の制動装置においては、回生制動
トルクが、前後速度差の絶対値の勾配に基づいて制御さ
れるため、前後速度差の絶対値自体に基づいて制御され
る場合に比較して、回生制動トルクの抑制遅れが小さく
て済み、操縦安定性の低下が早期に抑制される。その結
果、回生制動トルクが抑制され過ぎてエネルギ効率が悪
くなることを回避することができ、操縦安定性の低下を
良好に回避することができる。ただし、本発明において
も、前後速度差の絶対値自体をも制御に利用することが
排除されるわけではない。本発明によればさらに、ブレ
ーキ操作部材の操作量や操作変化量,ステアリングホイ
ールの操舵量,路面の摩擦係数μ等によらないで回生制
動トルクを制御できるため、これらを検出する装置を設
けることが不可欠ではなくなるという利点もある。ただ
し、本発明においてもこれら検出装置の併用が排除され
るわけではない。回生制動トルクは、前後速度差の絶対
値の勾配に応じて連続的に変化させられても、段階的に
変化させられてもよい。前後速度差は、前輪の回転数と
後輪の回転数との差を取得する速度差取得装置によって
取得されるが、本制動装置がアンチロック制御可能な制
動装置である場合には、前後速度差を、アンチロック制
御用の車輪回転速度検出装置によって検出できるため、
回生制動トルク制御専用の速度差取得装置を設ける必要
がなくなり、コストアップを回避することができる。な
お、回生制動トルクの制御は、結果として前後速度差の
勾配に基づいて制御したことになればよく、前後速度差
自体の勾配に基づいて回生制動トルクを制御することは
不可欠ではない。例えば、前後速度差に比例する量の勾
配に基づいて回生制動トルクを制御してもよいのであ
り、前後速度差を車体速度で割った値の勾配に基づく制
御がその一例である。また、前後速度差の勾配として
は、前後速度差の微分値や、単位時間当たりの変化量等
が該当する。 (2)当該制動装置が、前記車両の前輪と後輪とにそれ
ぞれ摩擦部材を摩擦係合させることによってそれら車輪
に摩擦制動トルクを加える摩擦制動装置を含み、かつ、
その摩擦制動装置が、前輪の摩擦制動トルクと後輪の摩
擦制動トルクとを、ほぼ理想配分線に従って配分する摩
擦制動トルク配分装置を含む(1) 項に記載の制動装置。
摩擦制動トルクは、駆動輪にも非駆動輪にも加えられる
が、回生制動トルクは、駆動輪に加えられ非駆動輪には
加えられない。すなわち、駆動輪には、回生制動トルク
と摩擦制動トルクとの両方が加えられ、非駆動輪には、
摩擦制動トルクのみが加えられることになる。このよう
に、車輪には、回生制動トルクと摩擦制動トルクとの少
なくとも一方が加えられるが、本明細書においては、車
輪に加えられる制動トルク(回生制動トルクと摩擦制動
トルクとの少なくとも一方)を総制動トルクと称する。
本制動装置が、例えば、後輪が非駆動輪である車両に搭
載された場合には、図12に示すように、非駆動輪とし
ての後輪に加えられる総制動トルクより駆動輪としての
前輪に加えられる総制動トルクの方が回生制動トルク分
だけ大きくなる。摩擦係数μが高い路面上において、総
制動トルクが比較的低い状態で制動が行われる場合に
は、前輪,後輪のいずれにおいてもスリップが小さく、
前輪の回転速度と後輪の回転速度とはほぼ同じ大きさに
なる。それに対して、路面の摩擦係数μとの関係におい
て総制動トルクが大きい場合には、前輪が後輪より先に
スリップし、前輪と後輪とで回転速度差が生じる。回生
制動トルクが大きい場合は小さい場合より、前輪の総制
動トルクと後輪の総制動トルクとの差が大きくなり、制
動トルク配分の前輪への偏りが大きくなる。この偏りを
制動トルク配分偏与と称するが、制動トルク配分偏与が
大きいと、前輪先行スリップの傾向がより顕著になり、
前後速度差が生じやすくなる。この場合、前後速度差の
絶対値の勾配に応じて回生制動トルクを抑制すれば、早
期に制動トルク配分偏与を小さくして理想配分に近づけ
ることができる。摩擦制動トルク配分装置は、例えば、
前輪の摩擦制動トルクと後輪の摩擦制動トルクとを別個
に制御可能な前後独立摩擦制動トルク制御装置とした
り、プロポーショニングバルブとしたりすることができ
る。摩擦制動装置が、車輪とともに回転する回転体(ロ
ータ)に摩擦係合部材(パッド)をホイールシリンダに
供給された液圧により摩擦係合させる液圧制動装置であ
る場合に、プロポーショニングバルブを後輪側の液圧系
統に設けるのである。入力液圧が設定圧(折れ点液圧)
以上になると、プロポーショニングバルブの出力液圧
(後輪側の液圧)の増加が入力液圧の増加に対して抑制
されるため、後輪側の液圧が前輪側の液圧に対して抑制
される。なお、図12に示す理想配分線は、プロポーシ
ョニングバルブによって実現し得る線であり、理想配分
線とみなし得る線である。 (3)前記回生制動装置が、前記回生制動トルクを前記
前輪と後輪とのいずれか一方に加え、他方に加えないも
のである(2) 項に記載の制動装置。本項に係る制動装置
は非駆動輪を含む車両に搭載される。非駆動輪は前輪で
あっても後輪であってもよい。 (4)前記速度差勾配対応制御手段を、前後速度差の絶
対値の増加勾配に基づいて回生制動トルクを抑制する速
度差増加時抑制手段と、前後速度差の絶対値の減少勾配
に基づいて回生制動トルクを増加させる速度差減少時増
加手段との少なくとも一方を含む(1) 項ないし(3) 項の
いずれか1つに記載の制動装置。前後速度差の絶対値の
勾配の正,負に基づけば、車両の操縦安定性が低下傾向
にあるか回復傾向にあるかを検出することができ、その
勾配の大きさに基づけば、操縦安定性の低下速度,回復
速度を検出することができる。それに対応して、回生制
動トルクが、勾配の正,負に基づいて制御されるように
しても、勾配の大きさに基づいて制御されるようにして
もよく、いずれにしても、操縦安定性の変化傾向に応じ
て制御されたことになる。例えば、前後速度差の絶対値
の変化勾配が正の値である場合(増加傾向にある場合)
には、その増加勾配に応じて回生制動トルクを小さく
し、負の値(減少傾向にある場合)である場合には、そ
の減少勾配に応じて大きくする。前後速度差の絶対値の
増加勾配に応じて回生制動トルクが抑制されるようにす
れば、前後総制動トルク配分を理想配分に近づけること
ができ、操縦安定性の低下を抑制することができる。ま
た、例えば、単純に、前後速度差の絶対値が設定値以上
である場合には回生制動トルクの付与が停止されるよう
にする場合に比較して、回生制動トルクが過剰に抑制さ
れることを回避し、エネルギ効率の低下を抑制すること
ができる。また、減少勾配に応じて回生制動トルクが大
きくされるようにすれば、エネルギ効率の低下を良好に
回避することができる。 (5)前記速度差勾配対応制御手段が、前記前後速度差
の絶対値の勾配に応じた勾配で回生制動トルクを変化さ
せる速度差勾配対応勾配制御手段を含む(1) 項ないし
(4) 項のいずれか1つに記載の制動装置。前後速度差の
増加勾配の大きさに応じた勾配で回生制動トルクを減少
させれば、車両の操縦安定性の低下速度に応じた速さで
理想配分に近づけることができ、操縦安定性の低下を良
好に回避することができる。また、減少勾配の大きさに
応じた勾配で回生制動トルクを増加させれば、操縦安定
性の回復速度に応じた速さでエネルギ効率を向上させる
ことができる。 (6)前記速度差勾配対応制御手段が、前記回生制動ト
ルクの変更を抑制する変更抑制手段を含む(1) 項ないし
(5) 項のいずれか1つに記載の制動装置。回生制動トル
クの変更頻度が多いと、回生制動装置の寿命が短くなっ
たり、運転者の制動フィーリングが悪くなったりする場
合がある。これらの場合には、回生制動トルクの変更を
抑制することが望ましい。例えば、前後速度差の絶対値
が設定値より小さい場合と、前後速度差の絶対値の勾配
が設定勾配より小さい場合との少なくとも一方におい
て、回生制動トルクを一定の大きさに保つのである。そ
の結果、回生制動トルクの変更頻度が少なくなり、回生
制動装置の耐久性の低下を抑制したり、制動フィーリン
グの悪化を抑制したりすることができる。 (7)当該制動装置が、前記車輪と共に回転するブレー
キ回転体に摩擦部材を摩擦係合させることによって車輪
に摩擦制動トルクを加える摩擦制動装置と、その摩擦制
動装置と前記回生制動装置との少なくとも一方を制御す
ることにより、前記摩擦制動トルクと回生制動トルクと
の少なくとも一方を含む各車輪の総制動トルクを制御す
る総制動トルク制御装置とを含む(1) 項ないし(6) 項の
いずれか1つに記載の制動装置。例えば、各車輪の総制
動トルクを、運転者が要求する要求総制動トルクに近づ
くように制御することができる。この場合には、要求総
制動トルクを、運転者のブレーキ操作部材の操作量、操
作量に応じて発生する物理量等に基づいて取得する要求
総制動トルク取得装置を設けることが望ましい。 (8)前記回生制動トルク制御装置が、前記車両の旋回
の程度に応じた勾配で前記回生制動トルクを変化させる
旋回程度対応制御手段を含む(1) 項ないし(7) 項のいず
れか1つに記載の制動装置。旋回の程度に応じた勾配で
回生制動トルクを変化させれば、旋回の程度に応じた速
さで操縦安定性の低下を抑制することができ、エネルギ
効率が過剰に低下することを良好に回避することができ
る。 (9)前記回生制動トルク制御装置が、前記車両が直進
状態にある場合に前記速度差勾配対応制御手段を選択
し、旋回状態にある場合に前記旋回程度対応制御手段を
選択する制御手段選択手段を含む(8) 項に記載の制動装
置。本項に記載の制動装置においては、車両が直進状態
にあっても、旋回状態にあっても、回生制動トルクが良
好に制御される。なお、前記車両が直進状態にあるか旋
回状態にあるかを検出する走行状態取得装置を設けるこ
とが望ましい。走行状態取得装置は、旋回の程度を取得
する旋回状態取得装置に兼ねさせることができる。 (10)当該制動装置が、前記車輪と共に回転するブレ
ーキ回転体に摩擦部材を摩擦係合させることにより、車
輪に摩擦制動トルクを加える摩擦制動装置を含み、前記
回生制動トルク制御装置が、前記回生制動装置と摩擦制
動装置との少なくとも一方の作動環境が予め定められた
設定状態に達していない場合に、前記回生制動トルクを
予め定められた設定値に抑制する回生制動トルク抑制手
段を含む(1) 項ないし(9) 項のいずれか1つに記載の制
動装置。回生制動装置や摩擦制動装置の作動環境が設定
状態に達していない状態においても、運転者によるブレ
ーキ操作が行われれば制動装置が作動するようにしなけ
ればならない。この場合、実際に生じさせられる制動効
果(車両減速度等)が運転者によるブレーキ操作量(ブ
レーキ操作部材の操作力,操作ストローク,操作時間
等)に対応する大きさから外れることがあり得、運転者
は自己の欲する制動効果が得られるようにブレーキ操作
量を加減することが必要である。回生制動装置の作動環
境が設定状態に達していない場合には、回生制動トルク
が予め定められた設定値(0あるいはそれに近い小さい
値が望ましい)に抑制される方が、運転者による上記対
処が容易であることは自明である。それに対して、摩擦
制動装置の作動環境が設定状態に達していない場合はや
や複雑である。まず、回生制動装置は常に作動させ得る
とは限らないため、あるいは回生制動装置により生じさ
せ得る制動効果の最大値は比較的小さいのが普通である
ため、摩擦制動装置の作動を停止させ、あるいは予め定
められた小さい設定値に抑制することは不可能であるの
が普通である。そして、摩擦制動装置が、ブレーキ操作
量に応じて電気的に作動を制御されるものである場合
に、その摩擦制動装置の作動環境が設定状態に達してい
なければ、ブレーキ操作量に現れた運転者の意図と、実
際に生じさせられる摩擦制動トルクの大きさとのずれが
大きくなる可能性がある。この事態に運転者が対応する
場合、回生制動装置の作動環境が設定状態に達しておら
ず、回生制動トルクの制御が不適切である場合は勿論、
回生制動トルクの制御が適切に行われる場合であって
も、摩擦制動トルクと回生制動トルクとの和である総制
動トルクに応じて発生する制動効果が意図する大きさに
なるように、ブレーキ操作量を加減するより、回生制動
トルクを含まない総制動トルクに応じて発生する制動効
果が意図する大きさになるように、ブレーキ操作量を加
減する方が容易である場合が多い。摩擦制動装置が、ブ
レーキ操作力に応じたマスタシリンダ液圧がホイールシ
リンダに伝達されることにより、摩擦部材がブレーキ回
転体に押し付けられる単純な液圧ブレーキ装置である場
合にも、ブレーキ液の温度が低く粘性が高い等、作動環
境が設定状態に達していない状態では、回生制動トルク
が0またはそれに近い値に抑制される方が運転者の対処
が容易になる。そこで、本項の制動装置においては、回
生制動装置と摩擦制動装置との少なくとも一方の作動環
境が予め定められた設定状態に達していない場合に、回
生制動トルク抑制手段により回生制動トルクを予め定め
られた設定値に抑制することとしたのである。作動環境
が設定状態に達したか否かは、例えば、回生制動抑制条
件を満たすか否かに基づいて検出することができる。回
生制動抑制条件は、以下に示す〜の少なくとも1つ
とすることができる。 当該制動装置に含まれるセンサのうちの予め定められ
たものの検出準備が終了する以前である場合・・・例え
ば、センサの0点補正やゲインの補正が終了する前に
は、現実に加えられた回生制動トルクや摩擦制動トルク
を正確に取得することができなかったり、摩擦制動トル
クや回生制動トルクを制御するための情報を正確に取得
することができなかったりする。なお、センサ各々につ
いて検出準備が終了したか否かは、例えば、センサ各々
に対応して設けられた準備終了フラグの状態に基づいて
検出することができる。準備終了フラグが、イグニッシ
ョンスイッチがOFFにされた場合にリセットされ、0
点補正やゲイン補正等の準備が終了した場合にセットさ
れるようにすれば、準備終了フラグがセット状態にあれ
ば、そのフラグに対応するセンサの検出準備が終了した
とすることができる。 車両のイグニッションスイッチがON状態に切り換わ
ってからの摩擦制動装置の作動量が予め定められた設定
作動量より少ない場合・・・例えば、車両の運転が開始
されてからの摩擦制動装置の作動回数,積算作動時間等
の作動量が少ない時期には、加えられる摩擦制動トルク
の大きさにばらつきが生じたり、摩擦制動トルクを精度
よく制御できなかったりすることが多い。摩擦制動装置
において、摩擦係合部材としてのパッドの温度が低い場
合や、摩擦制動装置が液圧制動装置である場合におい
て、作動液の温度が低く粘性が高い場合等が該当する。 摩擦制動装置の前回の作動終了時からの経過時間が予
め定められた設定時間を越えた場合・・・例えば、前回
摩擦制動装置の作動終了時から長時間が経過した場合に
は、加えられる摩擦制動トルクの大きさにばらつきが生
じたり、摩擦制動トルクを精度よく制御できなかったり
することが多い。 以上、回生制動抑制条件の一例を示したが、回生制動抑
制条件は、本項に記載のものに限らず、さらに別の条件
を含むものとしたり、〜の少なくとも1つを他の条
件に代えたりすることができる。なお、摩擦制動装置が
電気的な摩擦制動トルク制御装置を備えたものである場
合、回生制動トルクが抑制される際に、電気的な制御が
行われるようにしても、行われないようにしてもよい。
また、回生制動トルクの設定値を0とする場合、回生制
動抑制条件を回生制動禁止条件と称することもできる。 (11)車両の車輪に、電動モータの回生制動により回
生制動トルクを加える回生制動装置と、その回生制動装
置を制御することにより、前記回生制動トルクを制御す
る回生制動トルク制御装置とを含む制動装置であって、
前記回生制動トルク制御装置が、車両の旋回の程度に応
じた勾配で前記回生制動トルクを変化させる旋回程度対
応制御手段を含む制動装置(請求項2)。本項に記載の
制動装置においては、旋回の程度に応じた勾配で回生制
動トルクが変化させられる。回生制動トルクの変化勾配
は、旋回の程度に応じて連続的に変化させられても、段
階的に変化させられてもよい。旋回の程度は、ステアリ
ングホイールの操舵量,タイヤの舵角,車両の横加速
度,左右輪回転速度差,車両のヨーレイト等に基づいて
取得することができる。 (12)当該制動装置が、前記車輪と共に回転するブレ
ーキ回転体に摩擦部材を摩擦係合させることにより車輪
に摩擦制動トルクを加えるとともに、前輪の摩擦制動ト
ルクと後輪の摩擦制動トルクとを、理想配分線に従って
配分する摩擦制動装置を含み、かつ、前記回生制動トル
ク制御装置が、制動が開始された場合に、駆動輪に加え
られる回生制動トルクを回生制動トルク上限値まで急増
させる制動初期回生制動トルク急増手段を含み、前記旋
回程度対応制御手段が、前記旋回の程度に応じて前記制
動初期回生制動トルク急増手段による回生制動トルクの
増加勾配を抑制する増加勾配抑制手段を含む(11)項に記
載の制動装置。本項における増加勾配抑制制御は、制動
初期で回生制動トルクが回生制動トルク上限値に至って
いない場合、すなわち、回生制動トルクの急増中に行わ
れる。回生制動トルクは、エネルギ効率を高めるため
に、制動が開始された場合に急増させられることが望ま
しい。回生制動トルク上限値は、例えば、蓄電状態や電
動モータの回転数等(回生制動装置の状態)に基づいて
決まる回生制動トルク値と運転者の要求する制動トルク
に基づいて決まる回生制動トルク値との小さい方に決定
することができる。しかし、(2) 項に関して説明したよ
うに、回生制動トルクが急増させられると、駆動輪への
制動トルク配分偏与が急激に大きくなる。車両が直進状
態にある場合には、制動トルク配分偏与が急激に大きく
なっても差し支えない場合が多いが、旋回状態にある場
合には望ましくない場合が多い。そこで、回生制動トル
クの増加勾配を旋回の程度に応じて抑制すれば、制動ト
ルク配分偏与速度を抑制することができ、操縦安定性の
低下を抑制することができる。このように、制動トルク
配分偏与速度を抑制する代わりに、制動トルク配分偏与
を禁止することも考えられる。旋回状態にある場合に、
前後配分が変わるとステアリングホイールの操舵修正が
必要になる場合があり、旋回の程度が大きいほどその必
要性が大きくなるのであるが、それは望ましいことでは
ないからである。しかし、制動トルク配分偏与を禁止す
るということは、回生制動トルクの増加を禁止するとい
うことであり、エネルギ効率が悪くなる。それに対し、
本項に記載の制動装置におけるように、旋回の程度に応
じて、すなわち、操舵修正の必要性が大きいほど緩やか
に前後配分を変化させれば、操縦安定性の低下とエネル
ギ効率の低下とを共に抑制することができる。 (13)当該制動装置が、前記車輪と共に回転するブレ
ーキ回転体に摩擦部材を摩擦係合させることにより車輪
に摩擦制動トルクを加えるとともに、前輪の摩擦制動ト
ルクと後輪の摩擦制動トルクとを、理想配分線に従って
配分する摩擦制動装置を含み、かつ、前記旋回程度対応
制御手段が、旋回の程度に応じた勾配で回生制動トルク
を減少させる旋回程度対応減少手段を含む(11)項または
(12)項に記載の制動装置。本項に記載の旋回程度対応減
少手段による制御は、回生制動トルクがほぼ一定の大き
さ(最大値)に保たれている場合に行われる。例えば、
旋回の程度が厳しい場合は緩い場合より回生制動トルク
が大きな勾配で減少させられる。このようにすれば、旋
回の程度に応じて前後総制動トルク配分を速やかに理想
配分に近づけることができる。 (14)当該制動装置が、前記車輪と共に回転するブレ
ーキ回転体に摩擦部材を摩擦係合させることにより、車
輪に摩擦制動トルクを加える摩擦制動装置を含み、か
つ、前記回生制動トルク制御装置が、前記回生制動装置
と摩擦制動装置との少なくとも一方の作動環境が予め定
められた設定状態に達していない場合に、前記回生制動
トルクを予め定められた設定値に抑制する回生制動トル
ク抑制手段を含む(11)項ないし(13)項のいずれか1つに
記載の制動装置。 (15)車両の駆動輪に、電動モータの回生制動により
回生制動トルクを加える回生制動装置と、その回生制動
装置を制御することにより、前記回生制動トルクを制御
する回生回生制動トルク制御装置とを含む制動装置であ
って、前記回生制動トルク制御装置が、前記車両の前輪
の回転速度と後輪の回転速度との差である前後速度差の
絶対値に応じた勾配で前記回生制動トルクを変化させる
速度差対応勾配変化手段を含む制動装置。例えば、前後
速度差の絶対値が大きい場合に回生制動トルクを大きな
勾配で変化させ、前後速度差の絶対値が小さい場合に小
さな勾配で変化させる。前後速度差の絶対値に応じた速
度で理想配分に近づけることによって、操縦安定性の低
下を抑制したり、エネルギ効率を向上させたりすること
ができる。なお、本項の制動装置には、前記 (1)項ない
し(14)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用する
ことができる。 (16)車両の駆動輪に、電動モータの回生制動により
回生制動トルクを加える回生制動装置と、その回生制動
装置を制御することにより、前記回生制動トルクを制御
する回生制動トルク制御装置とを含む制動装置であっ
て、前記回生制動トルク制御装置が、車両の旋回状態の
変化勾配に応じて前記回生制動トルクを制御する旋回変
化対応制御手段を含む制動装置。例えば、車両の旋回状
態の変化勾配が大きい場合に、回生制動トルク自体ある
いは回生制動トルクの増加勾配を小さく抑制すること
や、回生制動トルクの減少勾配を大きくすることによっ
て操縦安定性を向上させることができる。なお、本項の
制動装置には、前記(1) 項ないし(15)項のいずれか1つ
に記載の技術的特徴を適用することができる。 (17)車両の車輪に、電動モータの回生制動により回
生制動トルクを加える回生制動装置と、前記車輪と共に
回転するブレーキ回転体に摩擦部材を摩擦係合させるこ
とにより、車輪に摩擦制動トルクを加える摩擦制動装置
と、これら回生制動装置と摩擦制動装置との少なくとも
一方を制御することにより、前記車輪に加えられる回生
制動トルクと摩擦制動トルクとを含む総制動トルクを制
御する総制動トルク制御装置とを含む制動装置であっ
て、前記総制動トルク制御装置が、当該制動装置に含
まれるセンサのうちの予め定められたものの検出準備が
終了する以前である場合と、車両のイグニッションス
イッチがON状態に切り換わってからの前記摩擦制動装
置の作動量が予め定められた設定作動量より少ない場合
と、前記摩擦制動装置の前回の作動終了時からの経過
時間が予め定められた設定時間を越えた場合との少なく
とも1つの場合に、前記回生制動トルクを予め定められ
た設定値に抑制する回生制動トルク抑制手段を含むこと
を特徴とする制動装置(請求項3)。回生制動抑制条件
としては、上述の〜の条件の他に、外気温度,湿度
等を加えることもできる。外気温度が設定温度以下であ
れば、摩擦制動装置において摩擦係合部材としてのパッ
ドの温度が設定温度より低いと推定することができる。
また、摩擦制動装置が液圧制動装置である場合には、作
動液の温度が設定温度より低く、粘度が設定粘度より低
いと推定することができる。一方、外気の湿度が高けれ
ば、摩擦係合部材としてのパッドの湿度が高いと推定す
ることができる。パッドの湿度が高い場合は、パッドの
摩擦係数が大きくなる。検出準備が終了したか否かがチ
ェックされる対象のセンサは、制動装置に含まれるすべ
てのセンサであっても、それらセンサのうち、回生制動
トルクや液圧制動トルクの制御に使用されるセンサ(制
動トルク制御関連センサ)のみとしても、制動トルク制
御関連センサのうちで特に制御への影響が大きいセン
サ、換言すれば、制動トルク制御に関して重要なセンサ
(重要センサ)のみとしてもよい。
制動装置について図面に基づいて説明する。図1に示す
車両は、本制動装置が搭載された車両であり、ハイブリ
ッド車である。駆動輪としての前輪10,12は、電気
的駆動装置14と内燃駆動装置としてのエンジン16と
を含む駆動装置18によって駆動される。電気的駆動装
置14は、モータジェネレータ(発電機,電動モータと
して機能するもの)20,インバータ22,蓄電装置2
4等を含むものであり、このモータジェネレータ20と
エンジン16との間に遊星歯車装置26が設けられてい
る。遊星歯車装置26の図示しないサンギヤにはモータ
ジェネレータ20が連結され、リングギヤにはエンジン
16の出力軸がクラッチを介して接続され、キャリアに
は出力軸28が連結されている。また、キャリアとサン
ギヤとの間にもクラッチが設けられている。出力軸28
は、変速機30,差動装置32を介して駆動輪10,1
2に連結される。
ン16,モータジェネレータ20の作動状態が制御され
ることにより、出力軸28に、エンジン16からの出力
トルクが伝達されたり、モータジェネレータ20からの
出力トルクが伝達されたり、エンジン16からの出力ト
ルクとモータジェネレータ20からの出力トルクとの両
方が伝達されたりする。遊星歯車装置26は、モータジ
ェネレータ20の出力トルクとエンジン16の出力トル
クとを合成したり、分割したりする合成分割機構として
の機能を有するものなのである。
の間には、インバータ22が設けられ、インバータ22
の制御により、モータジェネレータ20が、蓄電装置2
4から電気エネルギが供給されて回転させられる回転駆
動状態と、回生制動により発電機として機能することに
より蓄電装置24に電気エネルギを充電する充電状態
と、自由回転を許容する無負荷状態とに切り換えられ
る。上記インバータ22は、コンピュータを主体とする
電動モータ制御装置36からの指令に基づいてモータジ
ェネレータ20を制御する。また、前記エンジン16の
作動状態は、エンジン制御装置38によって制御され
る。エンジン16,モータジェネレータ20は、主とし
て、アクセル開度に応じた駆動トルクが出力されるよう
に制御される。変速機30は、図示しないシフトレバー
のシフト位置に基づいて機械的に切り換わる液圧回路
と、車速等に基づいて自動制御される複数のクラッチや
ブレーキ等とを含むものであり、これら複数のクラッ
チ,ブレーキ等はシフト位置がD(ドライブ)である場
合に自動制御されることにより、走行時における変速比
が制御される。
ルクが加えられる一方、液圧制動トルクが加えられる。
駆動輪としての前輪10,12と共に回転するブレーキ
回転体としてのロータに摩擦部材としてのパッドがホイ
ールシリンダ40,42に液圧が伝達されることにより
摩擦係合させられ、摩擦制動トルクとしての液圧制動ト
ルクが加えられるのである。本制動装置は摩擦制動装置
としての液圧制動装置44を備えたものなのである。ま
た、上記電気的駆動装置14においてモータジェネレー
タ20が充電状態にある場合には、モータジェネレータ
20の回生制動により車輪10,12に回生制動トルク
が加えられるが、この場合には、電気的駆動装置14が
回生制動装置として機能することになる。液圧制動装置
44は、上記前輪10,12のホイールシリンダ40,
42の他、液圧制御弁装置46,液圧源48,ブレーキ
操作部材としてのブレーキペダル50等を含むものであ
り、液圧源48に発生させられた液圧が、液圧制御弁装
置46によって制御されることにより、ホイールシリン
ダ40,42に伝達される。
タ付きマスタシリンダ52と、ポンプ53,アキュムレ
ータ54,マスタリザーバ55,リリーフ弁56等を含
む定液圧源57とを含むものである。アキュムレータ5
4には、マスタリザーバ55の作動液がポンプ53によ
って汲み上げられて蓄えられる。アキュムレータ54に
は、2個の圧力スイッチ60,61が取り付けられてい
る。一方の圧力スイッチは、アキュレータ54に蓄えら
れた液圧が上限値より大きくなったことを検出するもの
であり、他方の圧力スイッチは下限値より小さくなった
ことを検出するスイッチである。これら圧力スイッチ6
0,61の作動状態に基づいてポンプ53を駆動するモ
ータが制御されることにより、アキュムレータ54に蓄
えられた作動液の液圧が設定範囲に保たれる。アキュム
レータ14の液圧が上限値より大きくなれば、作動液が
リリーフ弁56を介してマスタリザーバ55に戻され
る。ブースタ付きマスタシリンダ52は、2つの液圧室
を有するものであり、一方の液圧室には上記定液圧源5
7が接続されている。ブレーキペダル50が踏み込まれ
ると、その踏力が定液圧源57の作動液を利用して倍力
させられ、その倍力された踏力に応じた液圧が、ブース
タ付きマスタシリンダ52の2つの液圧室に発生させら
れる。
液圧室には液通路68を介して、前述の左前輪10のホ
イールシリンダ40と、右前輪12のホイールシリンダ
42とが接続されている。マスタシリンダ52とホイー
ルシリンダ40,42との間には、それぞれ、電磁開閉
弁70,72が設けられている。電磁開閉弁70,72
は、消磁状態で開状態に保たれる常開弁であるが、ブレ
ーキペダル50が操作され、回生制動協調制御が行われ
る場合には、閉状態に切り換えられ、ホイールシリンダ
40,42がブースタ付きマスタシリンダ52から遮断
されて後述するリニアバルブ装置76に接続される。リ
ニアバルブ装置76等の電気系統に異常が生じた場合に
は、開状態に戻されることによりホイールシリンダ4
0,42がブースタ付きマスタシリンダ52に連通させ
られ、制動トルクが確保される。
室には、液通路80を介して、左後輪82のホイールシ
リンダ84と、右後輪86のホイールシリンダ88とが
接続されている。液通路80の途中には、ブースタ付き
マスタシリンダ52側から順に、リニアバルブ装置7
6,電磁開閉弁92およびプロポーショニングバルブ9
4が設けられている。プロポーショニングバルブ94に
より、入力液圧が設定圧以上になると出力液圧の増加が
入力液圧の増加に対して抑制されるため、後輪側のホイ
ールシリンダ84,88の液圧が前輪側のホイールシリ
ンダ40,42の液圧に対して抑制され、前輪側の液圧
制動トルクと後輪側の液圧制動トルクとがほぼ理想配分
線に従って配分されることになる。液通路80の、ブー
スタ付きマスタシリンダ52とリニアバルブ装置76と
の間の部分には液圧センサ96が、また、リニアバルブ
装置76と電磁開閉弁92との間の部分には液圧センサ
98がそれぞれ設けられている。液圧センサ96は、リ
ニアバルブ装置76への入力液圧を検出するセンサであ
り、液圧センサ98は、後輪82,86のホイールシリ
ンダ84,88の液圧を検出するセンサであるが、リニ
アバルブ装置76の出力液圧を検出するセンサでもあ
る。ホイールシリンダ82,88とマスタリザーバ55
とを接続する液通路102の途中には、電磁開閉弁10
4が設けられている。これら電磁開閉弁92,104
は、常には、図示する原位置に保たれるが、アンチロッ
ク制御時には、開閉させられることにより、後輪82,
86の制動スリップ状態が適正状態に保たれるように、
ホイールシリンダ84,88の液圧が制御される。
開閉弁92との間の部分には、液通路108が接続され
ている。液通路108は、リニアバルブ装置76と前輪
側のホイールシリンダ40,42とを接続する通路であ
り、液通路108の途中には、分離弁としての電磁開閉
弁110が設けられている。電磁開閉弁110は、通常
制動時(回生制動協調制御時を含む),アンチロック制
御時等に開状態に切り換えられ、ホイールシリンダ4
0,42にリニアバルブ装置76によって制御された液
圧が伝達される。また、液通路108の電磁開閉弁11
0よりホイールシリンダ40,42側の部分には、それ
ぞれ電磁開閉弁112,114が設けられ、ホイールシ
リンダ40,42とマスタリザーバ55とを接続する液
通路116の途中には、電磁開閉弁117,118が設
けられている。これら電磁開閉弁112,114,11
7,118は、常には、原位置に保たれるが、アンチロ
ック制御時には、開閉させられることにより、前輪1
0,12の制動スリップ状態が適正状態に保たれるよう
に、ホイールシリンダ40,42の液圧がそれぞれ独立
に制御される。なお、電磁開閉弁110は、電気系統の
異常時に閉状態に戻され、前輪側のホイールシリンダ4
0,42が後輪側のホイールシリンダ84,88から分
離される。液通路108の、電磁開閉弁110と電磁開
閉弁112,114との間の部分には、液圧センサ12
0が接続されている。液圧センサ120は、前輪10,
12のホイールシリンダ40,42の液圧を検出するセ
ンサであるが、液圧センサ98の出力が正常か否かの監
視に使用することもできる。電磁開閉弁110が開状態
にある場合に、液圧センサ98による検出液圧が液圧セ
ンサ120の検出液圧から離れている場合に液圧センサ
98の出力が異常である可能性があると判定されるので
ある。
ス通路の途中には、逆止弁124が設けられ、電磁開閉
弁112,114をそれぞれバイパスするバイパス通路
の途中には、それぞれ逆止弁126,128が設けられ
ている。これらの逆止弁124,126および128
は、対応するホイールシリンダからブースタ付きマスタ
シリンダ52に向かう作動液の流れは許容するが、その
逆向きの流れは阻止するものである。これら逆止弁12
4,126,128により、電磁開閉弁92,112,
114が閉状態にある場合においてブレーキペダル50
の踏込みが緩められた場合に、ホイールシリンダの作動
液をブースタ付きマスタシリンダ52に早急に戻すこと
が可能となる。また、各車輪10,12,82,86に
は、これら車輪の回転速度を検出する車輪速センサ13
0〜136が設けられている。車輪速センサ130〜1
36によって検出された車輪速に基づいて制動スリップ
状態等が検出される。
略的に示す系統図である。リニアバルブ装置76は、増
圧リニアバルブ138,減圧リニアバルブ140等を含
むものである。増圧リニアバルブ138および減圧リニ
アバルブ140は、いずれも常閉のバルブである。増圧
リニアバルブ138は、弁座142とそれに対して着
座,離間可能な弁子144とから成るシート弁146を
備え、弁子144は、付勢装置としてのばね148によ
り着座方向に付勢されている。弁子144と一体的に可
動コア150が設けられており、これに対向して固定コ
ア152が設けられている。これら両コア150,15
2は上記ばね148により互いに離間させられている
が、コイル154に電流が供給されることにより磁化さ
れ、可動コア150が固定コア152側に吸引される。
それにより、弁子144が弁座142から離間させら
れ、シート弁146が開かれる。増圧リニアバルブ13
8は、それ自身の前後の液圧差が弁子144を弁座14
2から離間させる向きに作用する向きで液圧源48とホ
イールシリンダとに接続されている。したがって、弁子
144は、シート弁146前後の液圧差に基づく差圧作
用力と、可動コア150,固定コア152およびコイル
154から成るソレノイド156の電磁駆動力との和
が、ばね148の付勢力と釣り合う位置で停止すること
となり、コイル154への供給電流の制御による電磁駆
動力の制御によって、シート弁146の開度を制御する
ことができる。増圧リニアバルブ138の開度を制御す
ることができるのであり、それによって作動液の流量、
すなわちホイールシリンダの増圧速度を制御することが
できる。また、液圧源48の液圧とホイールシリンダの
液圧との差が小さくなり、差圧作用力と電磁駆動力との
和がばね148の付勢力より僅かに小さくなれば、弁子
144が弁座に142に着座してシート弁146が閉じ
るため、コイル154への供給電流の制御により液圧源
48の液圧とホイールシリンダの液圧との差を制御する
ことができる。また、ホイールシリンダと増圧リニアバ
ルブ138の上流側とが、バイパス通路158によって
接続され、バイパス通路158には、ホイールシリンダ
側から液圧源48へ向かう方向への作動液の流れを許容
し、逆向きの流れを阻止する逆止弁160が設けられて
いる。ホイールシリンダの液圧が液圧源48の液圧より
高くなると、ホイールシリンダの作動液が逆止弁160
を経て早急に戻される。
アバルブ138と同じであるため、互いに対応する構成
要素を同一の符号で示し、説明を省略する。ただし、減
圧リニアバルブ140は、ホイールシリンダの液圧と減
圧用リザーバ162の液圧との差に基づく差圧作用力
が、弁子144を弁座142から離間させる向きに作用
する向きで設けられている。したがって、コイル154
への供給電流の制御により、ホイールシリンダの減圧速
度およびホイールシリンダと減圧用リザーバ162との
差圧を制御することができる。減圧用リザーバ162の
液圧は実質的に大気圧と見なし得るため、ホイールシリ
ンダと減圧用リザーバ162との差圧の制御は、ホイー
ルシリンダの液圧制御となる。ホイールシリンダと減圧
用リザーバ162とを、減圧リニアバルブ140をバイ
パスして接続するバイパス通路164が設けられ、バイ
パス通路164には逆止弁166が設けられている。逆
止弁166により、ホイールシリンダから減圧用リザー
バ162への作動液の流れが阻止される。
(図2参照)が接続されており、ブースタ付きマスタシ
リンダ52の液圧が検出される。ブースタ付きマスタシ
リンダ52の液圧は、ブレーキペダル50の操作力に応
じた大きさとなるため、この液圧に対応する制動トルク
を運転者の意図する要求制動トルク値とすることができ
る。ブースタ付きマスタシリンダ52の液圧は、ブレー
キ操作関連量の一態様である。また、液通路68には、
ストロークシミュレータ182が接続され、電磁開閉弁
70および72が共に閉状態とされた状態においてブレ
ーキペダル50のストロークが殆ど0になることが回避
される。
閉弁70,72等を含む液圧制御弁装置46や液圧源4
8等は、PU200,ROM201,RAM202,入
力部203,出力部204等を含むコンピュータを主体
とするブレーキ制御装置210によって制御される。ブ
レーキ制御装置210の入力部203には、前記各液圧
センサ96,98,120,180、車輪速センサ13
0〜136、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態に
あることを検出するブレーキスイッチ212、車両の横
加速度を検出する横Gセンサ214、図示しないステア
リングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ21
6、イグニッションスイッチ218等が接続され、出力
部204には、前述の各電磁開閉弁のソレノイドの他、
リニアバルブ装置76のソレノイド154等が図示しな
い駆動回路を介して接続されている。ブレーキ制御装置
210は、図1に示すようにハイブリッド制御装置22
0に接続されており、ハイブリッド制御装置220に
は、電動モータ制御装置36,エンジン制御装置38等
も接続されている。
2,ROM224,RAM226,入力部228,出力
部230等を含むコンピュータを主体とするものであ
り、入力部228には、蓄電装置24の蓄電量を検出す
る蓄電量検出装置234、車速を取得する車速取得装置
236、図示しないアクセルペダルの開度をスロットル
バルブの開度を検出することによって検出するアクセル
開度センサ238等が接続されており、これらからの出
力信号に基づいて電動モータ制御装置36、エンジン制
御装置38、ブレーキ制御装置210等に制御指令を発
したり、変速機30を直接制御したりする。
タ制御装置36へは、電動モータ,発電機としてのモー
タジェネレータ20への要求トルクを表すデータ(以
下、出力トルク要求値と略称する)が出力され、電動モ
ータ制御装置36からハイブリッド制御装置220へ
は、モータジェネレータ20の回転数,電流等の作動状
態を表す情報が出力される。モータジェネレータ20の
作動状態は、ジェネレータ作動状態検出装置(電動モー
タの回転数を検出するエンコーダ,電動モータに流れる
電流を検出する電流計等が該当する)240によって検
出される。モータジェネレータ20に対する要求トルク
は、駆動トルクの場合と回生制動トルクの場合とがあ
る。例えば、モータジェネレータ20に対する出力回生
制動トルク要求値は、電動モータの回転数や蓄電装置2
4の蓄電状態等に基づいて決まる回生制動装置都合回生
制動トルク上限値と、後述するがブレーキ制御装置21
0から供給される要求回生制動トルク上限値との小さい
方に決定される。そして、電動モータ制御装置36はハ
イブリッド制御装置220から供給された出力トルク要
求値に応じた指令をインバータ22に出力し、モータジ
ェネレータ20は、それの出力トルクが出力トルク要求
値に対応する要求トルクに近づくように制御される。ハ
イブリッド制御装置220において、モータジェネレー
タ20の作動状態に基づいて実際に出力された実出力ト
ルク(駆動トルクあるいは回生制動トルク)が取得され
る。
リッド制御装置220へは、要求回生制動トルク値が出
力され、ハイブリッド制御装置220からブレーキ制御
装置210へは、モータジェネレータ20において実際
に出力された回生制動トルクの大きさである実回生制動
トルク値が出力される。ブレーキ制御装置210は、要
求回生制動トルク値と要求液圧制動トルク値との和が運
転者の要求する要求総制動トルク値となるように、リニ
アバルブ装置76を制御する。また、要求回生制動トル
ク値は、ROM201に格納された図4のフローチャー
トで表される制動トルク制御プログラムの実行に従って
決定される。
作動について説明する。駆動輪としての前輪10,12
には、液圧制動トルクと回生制動トルクとが加えられ、
非駆動輪としての後輪82,86には、回生制動トルク
が加えられないで液圧制動トルクが加えられる。以下、
各々の車輪に加えられる、液圧制動トルクと回生制動ト
ルクとの少なくとも一方を含む制動トルクを総制動トル
クと称する。後輪82,86とリニアバルブ装置76と
の間には、プロポーショニングバルブ94が設けられて
いるため、前述のように、前輪10,12に加えられる
液圧制動トルクと後輪82,86に加えられる液圧制動
トルクとは、ほぼ理想配分線に従って配分されることに
なる。それに対して、前輪10,12には、回生制動ト
ルクが加えられるため、図12に示すように、前輪に加
えられる総制動トルクと後輪に加えられる総制動トルク
との配分は、回生制動トルクの分だけ理想配分線より前
輪側が大きくなる。制動トルクが理想配分線より前輪側
が大きくなるように偏って配分されるのであり、この偏
りを制動トルク配分偏与と称する。なお、図12に示す
理想配分線は前述のようにプロポーショニングバルブ9
4によって実現される配分線であるため、厳密にいえば
理想配分線ではないが、理想配分線とみなし得る線であ
る。
率を高める上で望ましい。しかし、上述のように、回生
制動トルクが大きいと、前輪の総制動トルクが後輪の総
制動トルクに対して過大となり、前後総制動トルク配分
が理想配分から隔たってしまう。また、回生制動装置1
4と液圧制動装置44との少なくとも一方の作動環境が
整っていない場合には、回生制動トルクを抑制した方が
望ましい。そこで、本実施形態においては、ハイブリッ
ド制御装置220に出力する要求回生制動トルク値が、
運転者の意図する要求総制動トルク値とされるわけでは
なく、車両のスリップ状態,旋回状態等に応じた値とさ
れたり、0とされたりするのである。
少なくとも一方の作動環境が整っていない場合、すなわ
ち、作動環境が設定状態に達していない場合に、回生制
動トルクを抑制すれば、抑制しない場合に比較して、車
輪に加えられる総制動トルク制御精度の低下が抑制され
るため、制動フィーリングの低下を抑制したり、操縦安
定性の低下を抑制したりすることができる。運転者は自
己の欲する制動効果が得られるようにブレーキ操作量を
加減する際に、ブレーキ操作部材の操作(運転者の対
処)が容易になるのである。回生制動装置14の作動環
境が整っていない場合に回生制動トルクを抑制すれば、
運転者の対処が容易になることは明らかである。液圧制
動装置44の作動環境が整っていない場合にも、回生制
動トルクが制御される場合より、抑制されて液圧制動ト
ルクのみが制御される方が運転者の上述の対処が容易に
なる。また、回生制動トルクより液圧制動トルクの方が
大きいのが普通であるため、液圧制動トルクを抑制する
より回生制動トルクを抑制する方が望ましい。そこで、
回生制動装置14と液圧制動装置44との少なくとも一
方の作動環境が設定状態に達していない場合、すなわ
ち、回生制動抑制条件が満たされた場合には、回生制動
トルクが0とされるようにしたのである。
4,回生制動装置14に含まれる各センサ60,61,
96,98,130〜136,180,212,21
4,216,234,236,238,240等の検出
準備が終了していない場合、イグニッションスイッチ
218がON状態にされてからの制動作動量が設定量よ
り少ない場合、前回制動終了時からの経過時間が設定
時間Tを越えた場合のいずれかの条件が満たされた場合
に満たされる。の場合については、本実施形態におい
ては、制動作動量としての制動回数が設定回数Nより少
ない場合とされているが、制動作動量として、累積作動
時間とすることもできる。
れると、回生制動装置14や液圧制動装置44に含まれ
るすべてのセンサの0点が補正され、ゲインが補正され
る。しかし、これらのチェックが終了していない場合に
は、センサの出力信号が正確でなかったり、センサの出
力信号に基づいて得られる情報が正確でなかったりす
る。例えば、実回生制動トルク値は、ジェネレータ作動
状態検出装置240によって検出される作動状態に基づ
いて取得されるのであるが、電動モータの回転数や電動
モータに流れる電流を正確に検出できないと、現実に発
生する回生制動トルクを正確に検出できない。液圧セン
サ98,120についても同様に、現実に生じた液圧制
動トルクを正確に検出できなくなる。また、要求回生制
動トルク値や要求液圧制動トルク値は、液圧センサ18
0の出力信号に基づいて求められる要求総制動トルク値
に基づいて決定されるが、液圧センサ180の出力信号
が正確でない場合は要求総制動トルク値を正確に求める
ことができず、回生制動トルクや液圧制動トルクを精度
よく制御できなくなるのである。センサ各々について検
出準備が終了したか否かは、センサ各々に対応して作成
された準備終了フラグの状態に基づいて検出される。準
備終了フラグは、イグニッションスイッチ218がOF
F状態にされるとリセットされ、そのフラグに対応する
センサについての検出準備が終了すると、セットされ
る。
N状態に切り換えられてからの制動回数が設定回数Nよ
り少ない場合には、液圧制動装置44において、作動液
の温度が低かったり、各輪に設けられたディスクブレー
キ40,42,82,86においてパッドの温度が低か
ったりする。作動液の温度が低い場合や、パッドの温度
が低い場合は、液圧制動トルクを安定して発生させるこ
とができなくなる。前回の制動終了時から今回制動開始
時までの間の時間が設定時間を越えた場合も同様に、作
動液の温度が低かったり、パッドの温度が低かったりす
るのである。なお、本実施形態においては、回生制動抑
制条件が満たされた場合には、回生制動トルクが0とな
るようにされていたが、0以上の微小な値にすることも
できる。また、上記3つの条件のうちの1つが満たされ
た場合に回生制動抑制条件が満たされたとされたが、2
つ以上が満たされた場合に、満たされたとすることもで
きる。さらに、回生制動トルクではなく液圧制動トルク
が抑制されるようにすることも可能である。また、リニ
アバルブ装置76の制御も禁止されるようにすることも
できる。
と後輪の回転速度との前後回転速度差に応じた相対スリ
ップの勾配に応じて決定される。前述のように、前輪1
0,12に回生制動トルクが加えられることにより、前
輪総制動トルクと後輪総制動トルクとの配分が、図12
に示すように、理想配分線とみなし得る線から隔たって
しまう。路面の摩擦係数μが大きく、ブレーキ操作量が
それほど大きくない場合には、スリップが小さく、前輪
10,12の回転速度と後輪82,86の回転速度とは
ほぼ同じ大きさとなる。それに対して、ブレーキ操作量
が路面の摩擦係数μに対して大きい場合等には、総制動
トルクが大きい前輪10,12から先にすべり始め、前
輪10,12の回転速度と後輪82,86の回転速度と
の間に差が生じる。
の操縦安定性の状態がわかる。前後速度差の絶対値が増
加傾向にある場合には、車両の操縦安定性が低下傾向に
あり、その増加勾配が大きいほど、低下速度が大きく、
回生制動トルクを早急に減少させる要求が強いことがわ
かる。また、前後速度差の絶対値が減少傾向にある場合
には操縦安定性が回復傾向にあり、その減少勾配が大き
いほど回復傾向が大きいことがわかる。そこで、増加勾
配に基づいて回生制動トルクを小さくすれば、前後総制
動トルク配分を理想配分にほぼ近づけることができ、操
縦安定性の向上を図ることができる。また、増加勾配に
応じて抑制されるため、回生制動トルクが過剰に抑制さ
れることを回避し得、エネルギ効率の低下を抑制するこ
とができる。減少勾配に基づいて回生制動トルクを大き
くすれば、回生制動トルクを不要に抑制することが回避
され、エネルギ効率の低下を抑制することができる。本
実施形態においては、回生制動トルクが、相対スリップ
Ks の勾配ΔKs に基づいて制御される。相対スリップ
Ks は、式 Ks =|(Vwfr −Vwrr )+(Vwfl −Vwrl )/
(2×Vs )| で表されるように、右側前後車輪12,86の回転速度
差(Vwfr −Vwrr )を車体速度Vs で割った値と左側
前後車輪10,84の回転速度差(Vwfl −Vwrl )を
車体速度Vs で割った値との平均値の絶対値である。こ
の値は、前輪スリップ率(前輪10,12の平均回転速
度を車体速度で割った値)と後輪スリップ率(後輪8
2,86の平均回転速度を車体速度で割った値)との差
の絶対値でもある。
動トルク値Fm(n) *が、運転者の意図する要求総制動ト
ルク値Fd と、相対スリップの勾配等に基づいて決まる
第一要求回生制動トルク値との小さい方の値に決定され
る。第一要求回生制動トルク値は、前述の相対スリップ
の勾配に基づいて決定される要求回生制動トルク値と、
前回の実回生制動トルク値と、相対スリップに応じて決
定された回生制動トルク制限値との中間の値に決定され
る。回生制動トルク制限値FL は、図7のマップで表さ
れるテーブルに従って決定され、要求回生制動トルク値
は、前回の実回生制動トルク値Fm(n-1)′に、相対スリ
ップの勾配に基づいて図8のマップで表されるテーブル
に従って決定された回生制動トルク変化量ΔFm を加え
た値{Fm(n-1)′+ΔFm }とされる。回生制動トルク
変化量ΔFm は、図に示すように、相対スリップの勾配
ΔKs が正である(増加傾向にある)場合には、負の値
とされ、相対スリップの勾配が負である(減少傾向にあ
る)場合には、正の値とされる。また、相対スリップの
増加勾配や減少勾配が大きい場合は、回生制動トルクの
変化量ΔFm の大きさ(絶対値の大きさ)も大きくされ
る。回生制動トルク制限値は、図7に示すように、相対
スリップが大きい場合は小さい場合より小さくされる。
値は、たいていの場合は、速度差勾配に応じて決定され
た要求回生制動トルク値に決定される。相対スリップが
大きく相対スリップが増加傾向にある場合には、回生制
動トルク制限値は小さくされるのに対して回生制動トル
ク変化量ΔFm は負の値となる。3つの値{Fm(n-
1)′,Fm(n-1)′+ΔFm (ΔFm <0),FL }のう
ちで、回生制動トルク制限値FL が3つのうちの最小の
値となり、中間値が、{Fm(n-1)′+ΔFm }となる。
また、逆に、相対スリップが小さく相対スリップが減少
傾向にある場合には、回生制動トルク制限値は大きくさ
れ、回生制動トルク変化量ΔFm は正の値となる。回生
制動トルク制限値が3つのうちの最大の値となり、中間
値は{Fm(n-1)′+ΔFm }となる。なお、相対スリッ
プは、左右車輪の回転速度差を考慮して決定することも
でき、その場合には、相対スリップの検出精度を向上さ
せることができる。
の程度に応じて決定することもできる。旋回状態にあっ
てブレーキ操作部材が操作された場合、あるいは、ブレ
ーキ操作中であって回生制動トルクが回生制動トルク上
限値まで増加する途中である場合に旋回状態になった場
合には、回生制動トルクの増加勾配が抑制される。図1
2に示すように、制動開始時には、エネルギ効率を高め
るために、回生制動トルクは急増させられる。本実施形
態においては回生制動装置14の能力に応じて決まる最
大の勾配で、回生制動トルク上限値まで増加させられ
る。回生制動トルクが急増中にある場合、または、急増
開始時にある場合を制動初期状態と称するが、制動初期
状態において、車両が直進状態にある場合には、回生制
動トルクが急激に大きくされても差し支えないが、旋回
状態にある場合に制動トルク偏与が急激に大きくなるこ
とは望ましくない。そこで、旋回の程度に応じた勾配で
回生制動トルクを増加させるのである。旋回の程度が大
きい場合に回生制動トルクの増加勾配を小さくし(増加
勾配の抑制の程度を大きくするのであり、最大勾配より
かなり小さい勾配とする)、旋回の程度が小さい場合は
増加勾配を大きくする(増加勾配の抑制の程度を小さく
するのであり、最大勾配より僅かに小さい値、あるい
は、最大勾配のままとする)のである。旋回の程度は、
車両の横加速度,ステアリングホイールの操舵量,左右
輪の回転速度差,タイヤの舵角,ヨーレイト等に基づい
て取得することができるが、本実施形態においては、横
加速度の絶対値が旋回程度とされる。本実施形態におい
ては、要求回生制動トルク値が、要求総制動トルク値と
旋回程度対応回生制動トルク値との小さい方に決定され
る。旋回程度対応回生制動トルク値は、前回の実回生制
動トルク値Fm(n-1)′に図9のマップで表されるテーブ
ルに従って旋回程度に応じて決定された回生制動トルク
の増加量ΔFupを加えた値とされる。回生制動トルクの
増加量ΔFupは、旋回程度が大きいと小さくされるので
あり、回生制動トルクの増加勾配が小さくされる。
ク値は、ハイブリッド制御装置220に出力される。そ
して、要求総制動トルク値から要求回生制動トルク値を
引いた値を、要求液圧制動トルク値として、リニアバル
ブ装置76が制御される。ハイブリッド制御装置220
に出力された要求回生制動トルク値と等しい回生制動ト
ルクが現実に出力されたと推定することができるからで
ある。
1(以下、S1と略称する。他のステップについても同
様とする)において、運転者の要求総制動トルク値Fd
が求められ、S2において回生制動抑制条件が満たされ
るか否かが判定される。前述の回生制動抑制条件が満た
された場合には、S3において要求回生制動トルク値が
0とされ、回生制動抑制条件が満たされない場合には、
S4において要求回生制動トルク値が相対スリップの勾
配あるいは旋回程度に基づいて求められる。そして、S
5において、要求液圧制動トルク値Ffrが、要求総制動
トルク値Fd から要求回生制動トルク値Fm * を引いた
値とされ、それに応じてリニアバルブ装置76が制御さ
れる。
かは、図5のフローチャートで表される回生制動抑制条
件判定の実行に従って判定される。S21において、す
べてのセンサの検出準備が終了したか否かが準備終了フ
ラグ各々の状態に基づいて判定され、S22において、
イグニッションスイッチ218がON状態に切り換えら
れた後の制動回数が設定回数N以上であるか否かが判定
され、S23において、前回制動終了時から今回制動開
始時までの経過時間が設定時間Tより短いか否かが判定
される。S21〜23のすべてのステップにおける判定
がYESである場合には、S24において、回生制動抑
制条件を満たさないとされ、回生制動が許可される。そ
れに対して、いずれか1つのステップにおける判定がN
Oである場合には、S25において、回生制動抑制条件
が満たされたとされ、回生制動が禁止される。
ローチャートで表される要求回生制動トルク値決定の実
行に従って要求回生制動トルク値Fm(n)* が決定され、
ハイブリッド制御装置220に出力される。S41にお
いて、車両が直進状態にあるか否かが判定され、直進状
態である場合には、S42以降において速度差勾配対応
要求回生制動トルク値が決定され、旋回状態である場合
には、S48以降において旋回程度対応要求回生制動ト
ルク値が決定される。直進状態であるか否かは、左右前
輪10,12の回転速度差に基づいて決定される。左右
回転速度差が直進状態にあるとみなし得る設定速度差よ
り小さい場合には直進状態にあるとされ、設定速度差以
上である場合には旋回状態にあるとされる。なお、直進
状態にあるか否かは、操舵角センサ216の出力値に基
づいて取得することもできる。
て、前後回転速度差の絶対値に応じた相対スリップKs
が求められ、S43において、今回の相対スリップから
前回の相対スリップを引いた値が、相対スリップ勾配Δ
Ks とされる。S42の実行が予め定められた時間間隔
毎に行われるため、上述の今回の相対スリップから前回
の相対スリップを引いた値は、単位時間当たりの変化量
となり、勾配とみなすことができるのである。S44に
おいて、相対スリップKs に基づいて回生制動トルク制
限値FL が決定され、S45において、相対スリップの
勾配ΔKs に基づいて回生制動トルク変化量ΔFm が求
められる。そして、S46において、前述の回生制動ト
ルク制限値FL と、ハイブリッド制御装置220から供
給された実回生制動トルク値Fm(n-1)′と、その実回生
制動トルク値Fm(n-1)′に変化量ΔFm を加えた値{F
m(n-1)′+ΔFm }との中間値(第一要求回生制動トル
ク値)と、要求総制動トルクFd との小さい方が、要求
回生制動トルク値とされる。前述のように、たいての場
合には、{Fm(n-1)′+ΔFm }が要求回生制動トルク
値とされることになる。
対応要求回生制動トルク値が求められる。S48におい
て、回生制動トルクが急増中か否か(回生制動トルク上
限値に至ったか否か)が判定される。本実施形態におい
ては、制動開始から予め定められた設定時間内であるか
否かが判定されるのである。制動初期状態にあれば、回
生制動トルク上限値に至っていない状態にあると判定す
ることができる。S49において、旋回の程度Sが求め
られ、S50において、旋回の程度Sに応じて回生制動
トルクの増加量ΔFupが図9にマップに従って決定され
る。そして、S51において、要求総制動トルクFd
と、前回の実回生制動トルク値Fm(n-1)′に増加量ΔF
upを加えた値{Fm(n-1)′+ΔFup}との小さい方が要
求回生制動トルク値とされるのである。
トルク上限値に至った後である場合には、S52におい
て、別の方法で要求回生制動トルク値が決定される。こ
の場合には、前回の実回生制動トルク値Fm(n-1)′を今
回の要求回生制動トルク値としたり、前回の要求回生制
動トルク値Fm(n-1)* を今回の要求回生制動トルク値と
する等、回生制動トルクが一定に保たれるようにするこ
とができる。また、旋回程度Sが設定値より大きい場合
は減少させ(回生制動トルク変化量ΔFm を負とし)、
設定値より小さい場合は増加させ(回生制動トルク変化
量ΔFm を正とし)たりすることができる。
れば、回生制動抑制条件が満たされた場合に要求回生制
動トルク値が0とされるため、車輪に加えられる総制動
トルク制御精度の低下を抑制し、操縦安定性の低下を抑
制することができる。また、回生制動抑制条件が満たさ
れなくなれば、回生制動トルクの抑制が解除されるた
め、回生制動トルクの制御を細やかに行うことができ、
エネルギ効率の低下を抑制することができる。さらに、
相対スリップの勾配に基づく制御、いわゆる、微分制御
が行われるため、前後速度差に応じて抑制される場合に
比較して、回生制動トルクの制御遅れを小さくし、理想
配分に早急に近づけることができ、操縦安定性の低下を
良好に抑制することができる。また、旋回程度に応じて
前輪に加えられる回生制動トルクの増加勾配が抑制され
るため、運転者の余裕に応じて回生制動トルクを増加し
得る。運転者は、制動トルク配分偏与が生じても余裕を
もって操舵修正を行うことが可能となる。
レーキ制御装置210のS42〜47を記憶して実行す
る部分等により速度差勾配対応制御手段が構成され、S
49〜51を記憶して実行する部分等により旋回程度対
応制御手段が構成され、S2,3を記憶して実行する部
分等により回生制動トルク抑制手段が構成される。
にある場合には、速度差勾配対応要求回生制動トルク値
が決定され、旋回状態にある場合に旋回程度対応要求回
生制動トルク値が決定されるようにされていたが、直進
状態にあっても旋回状態にあっても、速度差勾配対応要
求回生制動トルク値が決定されるようにすることもでき
る。旋回状態にあっても、前後速度差が生じるため、そ
れに応じて要求回生制動トルク値を決定することができ
るのである。速度差勾配対応要求回生制動トルク値と旋
回程度対応要求回生制動トルク値とが選択的に求められ
るようにすることは不可欠ではなく、これらのうちのい
ずれか一方が求められるようにすればよい。また、上記
実施形態においては、前回の実回生制動トルク値に前後
速度差勾配ΔKs に応じて決定された回生制動トルク変
化量を加えた値,旋回程度に応じて決定された変化量を
加えた値が求められたが、前回の要求回生制動トルク値
にこれらの変化量を加えた値が求められるようにするこ
とができる。要求回生制動トルク値に応じた実回生制動
トルク値が出力されると推定することができるからであ
る。さらに、回生制動トルク制限値を考慮することは不
可欠ではなく、第一要求回生制動トルク値を、前回の実
回生制動トルク値と相対スリップ勾配に基づいて決定さ
れた要求回生制動トルク値との小さい方とすることもで
きる。また、S48,52のステップは不可欠ではな
い。旋回状態である場合には、S49〜51が実行され
て回生制動トルクの増加勾配が抑制されるだけでもよい
のである。
制条件に、前記〜とは異なる条件を加えることもで
きる。例えば、外気温度が設定温度以下である場合と
湿度が予め定められた設定範囲内にある場合との少な
くとも一方を加えることができる。の外気温度が低い
場合は、パッドの温度や作動液の温度が低いと推定する
ことができる。の湿度が高いとパッドの摩擦係数が高
くなり、湿度が低いと摩擦係数が低くなるため、湿度が
設定範囲内にない場合には、摩擦係数のバラツキが大き
くなるのである。また、上記実施形態においては、に
おいて、回生制動装置14,液圧制動装置44の各々に
含まれるすべてのセンサについて検出準備が終了したか
否かが判定されるようにしたが、回生制動トルクの制
御,液圧制動トルクの制御に使用されるセンサについて
のみ検出準備が終了したか否かが検出されるようにした
り、そのうちで特にトルク制御への影響が大きいセンサ
のみについての検出準備が終了したか否かが検出される
ようにしたりすることができる。回生制動装置14にお
いては、ジェネレータ作動状態検出装置240,蓄電量
検出装置234は車速検出装置236より、制御への影
響が大きく、重要度が高いセンサとすることができる。
液圧制動装置44においては、車輪速センサ130〜1
36,横加速度センサ214,液圧センサ180は、液
圧センサ96,98,120,操舵角センサ216より
重要度が高いセンサとすることができる。において
は、さらに、予め定められた複数のセンサのうちの少な
くとも1つについての検出準備が終了した場合等に検出
準備が終了したとすることができる。1のセンサの出力
値を他のセンサの出力値で代用できる場合には、1のセ
ンサと他のセンサとのいずれか一方の検出準備が終了し
ていればよいのである。例えば、液圧センサ98と液圧
センサ120とでは両方の検出準備が終了していなくて
も、たいていの場合には、いずれか一方の検出準備が終
了していれば十分である。
制動トルク決定とを組み合わせることが不可欠ではな
く、別個に実行可能である。また、速度差勾配対応要求
回生制動トルク値は、上記実施形態における場合に限ら
ず、図10のフローチャートに一部を表す要求回生制動
トルク値決定ルーチンの実行に従って決定されるように
することもできる。本実施形態においては、要求回生制
動トルク値が、相対スリップKs が設定値Ks1より大き
い場合と小さい場合とで、異なる方法で決定される。設
定値Ks1より大きい場合には回生制動トルクを相対スリ
ップ勾配に応じた勾配で減少させ、設定値Ks1以下の場
合には一定に保たれる。また、設定値Ks1より大きい場
合においては、図11に示すように、相対スリップの増
加勾配が大きい場合は回生制動トルクの減少量が大きく
されるが、相対スリップが減少勾配にあっても回生制動
トルクが増加させられることはなく、一定に保たれる。
このように、本実施形態においては、相対スリップが設
定値Ks1より大きく、かつ、増加勾配である場合に、回
生制動トルクが減少させられるが、それ以外の場合に
は、一定に保たれる。それによって、回生制動トルクの
変化頻度を少なくし得、制動フィーリングの悪化を抑制
し、回生制動装置14の寿命を長くすることができる。
また、回生制動トルクの減少量が、相対スリップの増加
勾配が大きいほど大きくされるため、相対スリップを早
急に設定値Ks1に近づけることができる。
2,43と同様に、相対スリップKsが求められ、相対
スリップ勾配ΔKs が求められる。そして、S404に
おいて、相対スリップKs が設定値Ks1より大きいか否
かが判定される。設定値Ks1より大きい場合には、S4
05,406において、係数Aが1とされ、相対スリッ
プ勾配ΔKs に基づいて図11のマップで表されるテー
ブルに従って回生制動トルク減少量ΔFmrが決定され、
S407において、要求総制動トルク値Fd と、前回の
実回生制動トルク値Fm(n-1)′から減少量ΔFmrを引い
た値{Fm(n-1)′−ΔFmr}との小さい方が要求回生制
動トルク値Fm * とされる。ここで、要求回生制動トル
ク値が0以下にならないように、制限することもでき
る。例えば、{Fd ,Fm(n-1)′−ΔFmr,0}のうち
の中間値を要求回生制動トルク値とするのである。
プ)Ks が設定値Ks1以下の場合には、S408におい
て、係数Aが0にされる。S407において、要求回生
制動トルク値Fm * が決定されるが、係数Aが0である
ため、要求総制動トルク値Fdと前回の実回生制動トル
ク値Fm(n-1)′との小さい方とされる。この場合には、
回生制動トルクは一定の値に保たれることになる。な
お、相対スリップKs が設定値Ks1の大きさとは関係な
く相対スリップ勾配ΔKs が増加傾向にある場合に回生
制動トルクが減少させられ、減少傾向にある場合には回
生制動トルクが一定の値に保たれるようにしてもよい。
この場合においても、回生制動トルクの変化頻度を抑制
しつつ、エネルギ効率の低下を抑制し、車両操縦安定性
の低下を抑制することができる。
44の構造は上記実施形態におけるそれに限らず、他の
構造のものとすることもできる。液圧制動装置44にお
いて、例えば、プロポーショナルバルブ94も不可欠で
はなく、アンチロック制御用の複数の電磁開閉弁92,
104等の制御により、前輪液圧制動トルクと後輪液圧
制動トルクとが理想配分線に従って配分されるように、
制御することが可能である。また、アンチロック制御用
の電磁開閉弁92,112,114,117,118,
140等も不可欠ではなく、各輪毎にリニアバルブ装置
76を設けたり、前輪側と後輪側とにそれぞれリニアバ
ルブ装置76を設けたりすることもできる。これらの場
合にはリニアバルブ装置76の制御により、前輪液圧制
動トルクと後輪液圧制動トルクとを理想配分線に従って
制御することも、アンチロック制御を行うことも可能で
ある。さらに、リニアバルブ装置76を複数の電磁開閉
弁を含むものとしたり、液圧源48を、ブースタ付きマ
スタシリンダとは別に、1つ以上のポンプ装置を含む動
力式液圧源とすることもできる。ポンプ装置の制御によ
り、各ホイールシリンダに供給される液圧を制御するこ
ともできる。電磁弁の制御も上記実施形態に限定されな
い。
動モータによりパッドがロータに押し付けられる電気的
摩擦制動装置としたり、液圧制動装置44に加えて電気
的摩擦制動装置を設けたりすることができる。回生制動
装置14において、電動モータを各輪毎に設けることも
できる。また、上記実施形態においては、制動装置に、
ブレーキ制御装置210,ハイブリッド制御装置22
0,電動モータ制御装置36等複数のコンピュータを主
体とする制御装置が設けられていたが、これらを1つの
コンピュータとしたり、2つまたは3つを1つのコンピ
ュータとしたりすることもできる。また、運転者の意図
する要求総制動トルクは、マスタシリンダの液圧に基づ
いて取得されるようにされていたが、ブレーキペダル1
0の操作量等に基づいて取得されるようにすることもで
きる。また、適用される車両も、ハイブリッド車に限ら
ず、電気自動車に適用することもできる。さらに、前輪
駆動車に限らず、後輪駆動車であってもよい。その他、
本発明は前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決
手段および効果〕の欄に記載された態様の他に種々の変
形,改良を施した態様で実施することができる。
全体の概略図である。
である。
造を概略的に示す系統図である。
に格納された制動トルク制御プログラムを表すフローチ
ャートである。
内容を示すフローチャートである。
内容を示すフローチャートである。
対スリップと回生制動トルク制限値との関係を表すマッ
プである。
対スリップ勾配と回生制動トルク変化量との関係を表す
マップである。
回程度と回生制動トルク増加量との関係を表すマップで
ある。
まれるブレーキ制御装置のROMに格納された制動トル
ク制御プログラムの一部を表すフローチャートである。
相対スリップ勾配と回生制動トルク減少量との関係を表
すマップである。
動トルクと後輪総制動トルクとの関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】車両の駆動輪に、電動モータの回生制動に
より回生制動トルクを加える回生制動装置と、 その回生制動装置を制御することにより、前記回生制動
トルクを制御する回生制動トルク制御装置とを含む制動
装置であって、 前記回生制動トルク制御装置が、前記車両の前輪の回転
速度と後輪の回転速度との差である前後速度差の絶対値
の勾配に基づいて前記回生制動トルクを制御する速度差
勾配対応制御手段を含むことを特徴とする制動装置。 - 【請求項2】車両の車輪に、電動モータの回生制動によ
り回生制動トルクを加える回生制動装置と、 その回生制動装置を制御することにより、前記回生制動
トルクを制御する回生制動トルク制御装置とを含む制動
装置であって、 前記回生制動トルク制御装置が、前記車両の旋回の程度
に応じた勾配で前記回生制動トルクを変化させる旋回程
度対応制御手段を含むことを特徴とする制動装置。 - 【請求項3】車両の車輪に、電動モータの回生制動によ
り回生制動トルクを加える回生制動装置と、 前記車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材を摩
擦係合させることにより、車輪に摩擦制動トルクを加え
る摩擦制動装置と、 これら回生制動装置と摩擦制動装置との少なくとも一方
を制御することにより、前記車輪に加えられる回生制動
トルクと摩擦制動トルクとの少なくとも一方を含む総制
動トルクを制御する総制動トルク制御装置とを含む制動
装置であって、 前記総制動トルク制御装置が、当該制動装置に含まれ
るセンサのうちの予め定められたものの検出準備が終了
する以前である場合と、車両のイグニッションスイッ
チがON状態に切り換わってからの前記摩擦制動装置の
作動量が予め定められた設定作動量より少ない場合と、
前記摩擦制動装置の前回の作動終了時からの経過時間
が予め定められた設定時間を越えた場合との少なくとも
1つの場合に、前記回生制動トルクを予め定められた設
定値に抑制する回生制動トルク抑制手段を含むことを特
徴とする制動装置。
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