JP2008094065A - 円筒面にローレットが刻設されている金属品及び金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転造技術を利用して円筒面にローレットするとともに図形や文字の刻設すること。
【解決手段】 上部にレールガイドを有し該レールガイドの真下に治具載置台を有する堅牢なフレームと、前記治具載置台に固定された下側刻印治具と、前記レールガイドに案内されるスライダーブロックと、前記スライダーブロックの下面に固定され前記下側刻印治具に対峙する上側刻印治具とからなる。下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面に、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して突設し逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を突設してある。下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保される。上側刻印治具が移動過程で下側刻印治具の上面の凹部に置かれる金属品の円筒面を下側刻印治具の上面へ連れ出してローレットと線図と文字を刻設する。
【選択図】図3
【解決手段】 上部にレールガイドを有し該レールガイドの真下に治具載置台を有する堅牢なフレームと、前記治具載置台に固定された下側刻印治具と、前記レールガイドに案内されるスライダーブロックと、前記スライダーブロックの下面に固定され前記下側刻印治具に対峙する上側刻印治具とからなる。下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面に、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して突設し逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を突設してある。下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保される。上側刻印治具が移動過程で下側刻印治具の上面の凹部に置かれる金属品の円筒面を下側刻印治具の上面へ連れ出してローレットと線図と文字を刻設する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ポンチやマイクロメータのノブなどの手持ちする円筒面にローレットと図形や文字を有する金属品及び金属円筒面にローレット加工を行う装置に関し、特に、転造技術を利用して円筒面にローレットするとともに図形や文字の刻設することに関する。
従来、円筒面にローレット加工を施す技術は、円筒面を有する金属品を両端チャックして円筒面に心振れが生じないように回転するとともに、ローレットが付いているロール状工具を押し付けるものである。また、円筒面に文字や図形を刻印する技術は、逆文字や逆図形のポンチを円筒面に当ててハンマーで叩くものである。
なお、ローレット加工に関係する特許文献としては以下のものが挙げられる。
特開2002−307250号公報 ローレットエッジフラットバー製造方法及びその装置
特開2002−144156号公報 ローレット加工方法
特開平10−151502号公報 ローレット加工用カッタ
なお、ローレット加工に関係する特許文献としては以下のものが挙げられる。
従来の技術によれば、円筒面にローレットを加工するとともに文字や図形を同時に刻印することはできなかった。さらに、従来のローレット加工技術は、ローレットが付いているロール状工具を使用するので、円筒面の円周長さがローレットのピッチに一致していないのでローレットのピッチが次々にずれていく不具合があった。また、従来の円筒面に文字や図形を刻印する技術は、文字や図形の縁が盛り上がりかつ平面になることにより全体が刻印され、周面方向に均一な深さで刻印できず、また大きな図形を刻印することはできなかった。
本発明は、円筒面にローレットを加工するとともに文字や図形を同時に刻印することができて、また円筒面に刻設する文字や図形の縁に盛り上がりがなくかつ少しも扁平せず線図や文字を形成している凹部以外の部分は円筒面のままである超高品質な刻み加工となる、円筒面を有する金属品及び金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置を提供することを目的としている。
また本発明は、円筒面の直径が大小いかなる寸法であっても円筒面に刻むローレットのピッチが次々にずれていく不具合を容易に解消できる、円筒面を有する金属品及び金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置を提供することを目的としている。
また本発明は、円筒面の直径が大小いかなる寸法であっても円筒面に刻むローレットのピッチが次々にずれていく不具合を容易に解消できる、円筒面を有する金属品及び金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明にかかるローレットが刻設された円筒面を有する金属品は、
円筒面にローレットが刻設されているとともに、ローレットが刻設されていない部分に線図及び/又は文字が刻設されていて、線図及び/又は文字を刻設している凹部以外の部分は、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがないことを特徴とする。
本発明に係る金属品は、ローレットや線図や文字は、円筒面に転造されるもので、装飾性を高めるものである。
ローレットは、円筒面を帯状に一周していることに限定されるものでなく一周に満たない場合も含まれる。ローレットは、クライアントの要望に応じて非常に広幅のときもあれば、例えば50mm離れた位置の僅か2〜3mm幅のローレットが2本設けられる場合も含まれ、さらには輪郭が波状である場合も含まれる。
線図としては、例えば、馬や犬、猫といった動物やディズニーのキャラクター等、あらゆる図形が含まれる。大きさが異なる凹点の集合であるドット画像も含まれる。文字は、数字、漢字、アルファベット、記号、外国文字が含まれる。
線図や文字は、ローレットに取り囲まれる位置に設けられる場合を含む。
円筒面にローレットを刻設しているときは、円筒面の転動にスリップが生じないので、線図や文字は、円筒面にローレットが刻設されるときに同時に刻設されることが好ましい。
円筒面を有する金属品であって、円筒面にローレットを刻設する金属品としては、ポンチやマイクロメータなど滑りを止めて把持したい様々な円筒面が考えられる。例えば、ゴルフのアイアンシャフトにローレットと図形とIDを入れたいという要望も考えられる。金属品の材質としては、軟鉄、鋼鉄、銑鉄、真鍮、銅などである。
円筒面にローレットが刻設されているとともに、ローレットが刻設されていない部分に線図及び/又は文字が刻設されていて、線図及び/又は文字を刻設している凹部以外の部分は、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがないことを特徴とする。
本発明に係る金属品は、ローレットや線図や文字は、円筒面に転造されるもので、装飾性を高めるものである。
ローレットは、円筒面を帯状に一周していることに限定されるものでなく一周に満たない場合も含まれる。ローレットは、クライアントの要望に応じて非常に広幅のときもあれば、例えば50mm離れた位置の僅か2〜3mm幅のローレットが2本設けられる場合も含まれ、さらには輪郭が波状である場合も含まれる。
線図としては、例えば、馬や犬、猫といった動物やディズニーのキャラクター等、あらゆる図形が含まれる。大きさが異なる凹点の集合であるドット画像も含まれる。文字は、数字、漢字、アルファベット、記号、外国文字が含まれる。
線図や文字は、ローレットに取り囲まれる位置に設けられる場合を含む。
円筒面にローレットを刻設しているときは、円筒面の転動にスリップが生じないので、線図や文字は、円筒面にローレットが刻設されるときに同時に刻設されることが好ましい。
円筒面を有する金属品であって、円筒面にローレットを刻設する金属品としては、ポンチやマイクロメータなど滑りを止めて把持したい様々な円筒面が考えられる。例えば、ゴルフのアイアンシャフトにローレットと図形とIDを入れたいという要望も考えられる。金属品の材質としては、軟鉄、鋼鉄、銑鉄、真鍮、銅などである。
請求項2に記載の発明にかかる金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置は、
上部にレールガイドを有し該レールガイドの真下に治具載置台を有する堅牢なフレームと、前記治具載置台に固定された下側刻印治具と、前記レールガイドに案内されるスライダーブロックと、前記スライダーブロックの下面に固定され前記下側刻印治具に対峙する上側刻印治具とからなり、
前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面には、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して突設してあるとともに、前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面の少なくとも一方には、前記ローレット加工用斜線平行突起を外れた部分に逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を突設してあり、
前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保されていて前記スライダーブロックの移動により前記上側刻印治具が前記下側刻印治具に対応していない位置から前記下側刻印治具に対応する位置を通って通過する移動過程で前記上側刻印治具が前記下側刻印治具の上面の凹部に置かれる前記金属品の円筒面を前記下側刻印治具の上面へ転動させて連れ出し、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起と前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起とで前記金属品の円筒面にローレットを刻設するとともに、前記金属品の円筒面のローレットが形成されていない部分に前記逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起により線図及び/又は文字を刻設し、さらに前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面とが前記線図及び/又は文字を形成している凹部以外の部分に生じる盛り上がりを、線図又は文字を形成する前の円筒面まで押え込む構成であることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、シェーパ(工作機械)のワーク設置テーブルに堅牢なフレームをボルトにより固定し、シェーパの往復動を行う刃物取り付け用ヘッドにスライダーブロックを固定し、シェーパの往復動のストロークを調整して、加工を行うことができる。
上記構成において、堅牢なフレームは、コンパクトなフレームを提供すると共に転造圧力を有効に担保するべく撓みを生じさせないために必要であり、レールガイドに案内されるスライダーブロックは、治具載置台に対する間隔を超精密に維持してスライドすることが保障されていて、これによって、下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差を一定に保たれる。レールガイドは、堅牢なフレームとは別部材として設けても良い。また治具載置台は、高さを微調整できる機構を含んでいても良い。
本発明は、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面に突設してある(両側転造)。これによって、治具面と金属品の円筒面との間に滑りが生じないようにしている。これに対して、ローレット加工用突起が三角溝線を交叉させてなる形状として、下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面のいずれか片側に設けて、ローレット加工を行う(片側転造)ときは、ローレット加工用突起が設けられていない治具面と金属品の円筒面との間に滑りが生じること起きるが、この構成を本発明は含んでいない。ローレット加工用斜線平行突起同士の交叉角は90度に限定されない。ローレット加工用斜線平行突起を構成する溝は断面が三角形の溝であるが、60度の溝に限定されない。
本発明は、逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面の両方又は一方の前記ローレット加工用斜線平行突起を外れた部分に突設してある。これによって、逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起によって形成される線図や文字がローレットに干渉しないで形成される。
本発明は、下側刻印治具の上面の凹部に置かれる金属品の円筒面に対して、上側刻印治具の下面に形成されたローレット加工用斜線平行突起が干渉して、金属品の円筒面を下側刻印治具の上面へ転動させて連れ出し、上下のローレット加工用斜線平行突起が金属品の円筒面をサンドイッチして相対的にすれ違い移動して、金属品の円筒面にローレットを加工する。ローレットが加工されるとき、金属品の円筒面は、下側刻印治具と上側刻印治具に対して滑りがなく転動する。金属品の円筒面が滑りがなく転動する間に、下側刻印治具及び/又は上側刻印治具に設けられた逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起によって、線図や文字が金属品の円筒面にローレットと干渉しない位置に形成される。該線図や文字が金属品の円筒面に形成される際には、下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面とで金属品の円筒面をシマリ嵌めとなって締付けているので、線図や文字の際に盛り上がりが生じない。又、転造により線図や文字を形成するので、線図や文字を平面的ではなく、円筒面に刻み箇所を変えつつ形成して行き、周面にわたる大きな図柄やスパイラル配置に複数の文字を刻設できる。本発明によれば、ローレットと線図と文字を一体的なデザインとして形成することができる。例えば、馬や犬、猫といった動物やディズニーのキャラクターをローレットが取り囲んでいるデザインとすることができる。
ローレットの加工開始位置から終了位置とが完全に一致していないと、ローレットは次々にずれていき、綺麗に仕上がらない。
そこで、本発明では、請求項5に記載したように、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起及び前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起の、前記スライダーブロックの移動方向のピッチP(mm)が、前記金属品の円筒面における直径をD(mm)として、P=D×π÷k(kは一周当たりのローレットの本数)の関係となる値である構成とする。ピッチPを前記公式に当てはまる数値にすると、ローレットの加工開始位置から終了位置とが完全に一致して、ローレットは綺麗に仕上がる。
上部にレールガイドを有し該レールガイドの真下に治具載置台を有する堅牢なフレームと、前記治具載置台に固定された下側刻印治具と、前記レールガイドに案内されるスライダーブロックと、前記スライダーブロックの下面に固定され前記下側刻印治具に対峙する上側刻印治具とからなり、
前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面には、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して突設してあるとともに、前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面の少なくとも一方には、前記ローレット加工用斜線平行突起を外れた部分に逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を突設してあり、
前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保されていて前記スライダーブロックの移動により前記上側刻印治具が前記下側刻印治具に対応していない位置から前記下側刻印治具に対応する位置を通って通過する移動過程で前記上側刻印治具が前記下側刻印治具の上面の凹部に置かれる前記金属品の円筒面を前記下側刻印治具の上面へ転動させて連れ出し、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起と前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起とで前記金属品の円筒面にローレットを刻設するとともに、前記金属品の円筒面のローレットが形成されていない部分に前記逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起により線図及び/又は文字を刻設し、さらに前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面とが前記線図及び/又は文字を形成している凹部以外の部分に生じる盛り上がりを、線図又は文字を形成する前の円筒面まで押え込む構成であることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、シェーパ(工作機械)のワーク設置テーブルに堅牢なフレームをボルトにより固定し、シェーパの往復動を行う刃物取り付け用ヘッドにスライダーブロックを固定し、シェーパの往復動のストロークを調整して、加工を行うことができる。
上記構成において、堅牢なフレームは、コンパクトなフレームを提供すると共に転造圧力を有効に担保するべく撓みを生じさせないために必要であり、レールガイドに案内されるスライダーブロックは、治具載置台に対する間隔を超精密に維持してスライドすることが保障されていて、これによって、下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差を一定に保たれる。レールガイドは、堅牢なフレームとは別部材として設けても良い。また治具載置台は、高さを微調整できる機構を含んでいても良い。
本発明は、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面に突設してある(両側転造)。これによって、治具面と金属品の円筒面との間に滑りが生じないようにしている。これに対して、ローレット加工用突起が三角溝線を交叉させてなる形状として、下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面のいずれか片側に設けて、ローレット加工を行う(片側転造)ときは、ローレット加工用突起が設けられていない治具面と金属品の円筒面との間に滑りが生じること起きるが、この構成を本発明は含んでいない。ローレット加工用斜線平行突起同士の交叉角は90度に限定されない。ローレット加工用斜線平行突起を構成する溝は断面が三角形の溝であるが、60度の溝に限定されない。
本発明は、逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面の両方又は一方の前記ローレット加工用斜線平行突起を外れた部分に突設してある。これによって、逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起によって形成される線図や文字がローレットに干渉しないで形成される。
本発明は、下側刻印治具の上面の凹部に置かれる金属品の円筒面に対して、上側刻印治具の下面に形成されたローレット加工用斜線平行突起が干渉して、金属品の円筒面を下側刻印治具の上面へ転動させて連れ出し、上下のローレット加工用斜線平行突起が金属品の円筒面をサンドイッチして相対的にすれ違い移動して、金属品の円筒面にローレットを加工する。ローレットが加工されるとき、金属品の円筒面は、下側刻印治具と上側刻印治具に対して滑りがなく転動する。金属品の円筒面が滑りがなく転動する間に、下側刻印治具及び/又は上側刻印治具に設けられた逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起によって、線図や文字が金属品の円筒面にローレットと干渉しない位置に形成される。該線図や文字が金属品の円筒面に形成される際には、下側刻印治具の上面と上側刻印治具の下面とで金属品の円筒面をシマリ嵌めとなって締付けているので、線図や文字の際に盛り上がりが生じない。又、転造により線図や文字を形成するので、線図や文字を平面的ではなく、円筒面に刻み箇所を変えつつ形成して行き、周面にわたる大きな図柄やスパイラル配置に複数の文字を刻設できる。本発明によれば、ローレットと線図と文字を一体的なデザインとして形成することができる。例えば、馬や犬、猫といった動物やディズニーのキャラクターをローレットが取り囲んでいるデザインとすることができる。
ローレットの加工開始位置から終了位置とが完全に一致していないと、ローレットは次々にずれていき、綺麗に仕上がらない。
そこで、本発明では、請求項5に記載したように、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起及び前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起の、前記スライダーブロックの移動方向のピッチP(mm)が、前記金属品の円筒面における直径をD(mm)として、P=D×π÷k(kは一周当たりのローレットの本数)の関係となる値である構成とする。ピッチPを前記公式に当てはまる数値にすると、ローレットの加工開始位置から終了位置とが完全に一致して、ローレットは綺麗に仕上がる。
請求項3に記載の発明にかかる金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置は、
請求項2に記載のスライダーブロックを往復動させる手回し駆動手段を備えていることことを特徴とする。<BR>
本発明によれば、手回し駆動手段を備えているので、シェーパ(工作機械)が必要ではなく、経済的であり、パーソナルな装置として好適である。手動式往復動手段は、例えば、手回しハンドルを回すと、減速機を介してねじ軸が回転し、ねじ軸に螺合するナットランナーが移動する機構を採用することができ、ナットランナーをスライダーブロックと結合すれば、手動によりスライダーブロックを容易に移動できる。
請求項2に記載のスライダーブロックを往復動させる手回し駆動手段を備えていることことを特徴とする。<BR>
本発明によれば、手回し駆動手段を備えているので、シェーパ(工作機械)が必要ではなく、経済的であり、パーソナルな装置として好適である。手動式往復動手段は、例えば、手回しハンドルを回すと、減速機を介してねじ軸が回転し、ねじ軸に螺合するナットランナーが移動する機構を採用することができ、ナットランナーをスライダーブロックと結合すれば、手動によりスライダーブロックを容易に移動できる。
請求項4に記載の発明にかかる金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置は、
請求項2に記載のスライダーブロックを往復動させる動力手段を備えていることを特徴とする。動力手段は、モータを駆動源としているか、あるいは油圧シリンダを駆動源としているのが好ましい。モータと油圧回路を組み込んだロッドレスタイプの油圧シリンダーを採用すると、全体がコンパクトになり使い易い。
請求項2に記載のスライダーブロックを往復動させる動力手段を備えていることを特徴とする。動力手段は、モータを駆動源としているか、あるいは油圧シリンダを駆動源としているのが好ましい。モータと油圧回路を組み込んだロッドレスタイプの油圧シリンダーを採用すると、全体がコンパクトになり使い易い。
請求項5に記載の構成は、 請求項2に記載の、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起及び前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起の、前記スライダーブロックの移動方向のピッチP(mm)が、前記金属品の円筒面における直径をD(mm)として、P=D×π÷k(kは一周当たりのローレットの本数)の関係となる値である、
請求項3と4に記載の装置にも適用される。
請求項3と4に記載の装置にも適用される。
本発明は、円筒面にローレットを加工するとともに文字や図形を同時に刻印することができて、また円筒面に刻設する文字や図形の縁に盛り上がりがなくかつ少しも扁平せず線図や文字を形成している凹部以外の部分は円筒面のままである超高品質な刻み加工となる、円筒面を有する金属品及び金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置を提供することを目的としている。
また本発明は、円筒面の直径が大小いかなる寸法であっても円筒面に刻むローレットのピッチが次々にずれていく不具合を容易に解消できる、円筒面を有する金属品及び金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置を提供することを目的としている。
また本発明は、円筒面の直径が大小いかなる寸法であっても円筒面に刻むローレットのピッチが次々にずれていく不具合を容易に解消できる、円筒面を有する金属品及び金属円筒面に図形や文字の刻印を行う装置を提供することを目的としている。
《金属品の実施形態1》
図1に請求項1に記載したローレットが刻設された円筒面を有する金属品の実施形態を示す。金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されているとともにローレットRが刻設されていない両側部分に線図Qと文字Sが刻設されている。線図Qと文字Sを刻設している凹部の際を含む凹部以外の部分は、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがない。
通常、金属品Wの円筒面に文字を刻設するにはポンチを用いて1字ずつ刻設する。文字は周方向両側で途切れ中央で深くなり、凹部の際は材料が逃げて盛り上がる。
これに対して、本発明は、転造により凹部の際に材料が逃げて盛り上がりができるのを押さえ込んで線図Qと文字Sが刻設されている。
この実施形態は、ローレットRが金属品Wの円筒面に一周して刻設され、線図Qと文字Sが金属品Wの円筒面にローレットRを挟んで刻設されている。
図1に請求項1に記載したローレットが刻設された円筒面を有する金属品の実施形態を示す。金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されているとともにローレットRが刻設されていない両側部分に線図Qと文字Sが刻設されている。線図Qと文字Sを刻設している凹部の際を含む凹部以外の部分は、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがない。
通常、金属品Wの円筒面に文字を刻設するにはポンチを用いて1字ずつ刻設する。文字は周方向両側で途切れ中央で深くなり、凹部の際は材料が逃げて盛り上がる。
これに対して、本発明は、転造により凹部の際に材料が逃げて盛り上がりができるのを押さえ込んで線図Qと文字Sが刻設されている。
この実施形態は、ローレットRが金属品Wの円筒面に一周して刻設され、線図Qと文字Sが金属品Wの円筒面にローレットRを挟んで刻設されている。
《金属品の実施形態2》
図2に請求項1に記載したローレットが刻設された円筒面を有する金属品の他の実施形態を示す。金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されているとともにローレットが無い部分が中抜きされここに線図Qと文字Sが刻設されている。この実施形態も、線図Qと文字Sを刻設している凹部の際が、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがない。
図2に請求項1に記載したローレットが刻設された円筒面を有する金属品の他の実施形態を示す。金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されているとともにローレットが無い部分が中抜きされここに線図Qと文字Sが刻設されている。この実施形態も、線図Qと文字Sを刻設している凹部の際が、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがない。
《装置の実施形態1》
請求項2に記載の発明の実施形態にかかる金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置を図3と図4を用いて説明する。
〈構成〉
図3(a)はこの装置の加工開始前の状態を示し、図3(b)は、加工開始時の状態を示し、図3(c)は加工途中の状態を示す。この装置は、図3(a)に示すように、上部にフレーム上辺部を兼ねるレールガイド1aを有するとともにフレーム下辺部1bに治具載置台1cを有していて治具載置台1cの上面とレールガイド1aの水平案内面とが精密に平行している堅牢なフレーム1Aと、前記治具載置台1cに固定された下側刻印治具2と、前記レールガイド1aに案内されるスライダーブロック3Aと、前記スライダーブロック3Aの下面に固定され前記下側刻印治具2に対峙する上側刻印治具4とからなる。
この実施形態の装置は、スライダーブロック3Aを往復動させる動力装置を有しておらず、刃物取付ヘッドが往復動する工作機械へ装着して使用する。
この実施形態では、シェーパMへ装着して使用する例を示している。堅牢なフレーム1AがシェーパMのワーク装着テーブルm1へ締結具5により固定されるとともに、スライダーブロック3Aの上部に形成した被連結部3aがシェーパMのストローク可変の往復台の先端部に備える刃物取付ヘッドm2へ連結具(スタッドボルトとダブルナット等)m3により堅く連結される。
この実施形態の装置によれば、治具載置台1cは、設置高さが適切であるようにするために、堅牢なフレーム下辺部1cと分離して交換可能に設けられ、下側刻印治具2とともにフレーム下辺部1cへ締結具6により固定される。上側刻印治具4は、スライダーブロック3Aの下面へ締結具7により固定される。
図4は図3(a)におけるIV− IV矢視図であり、下側刻印治具2の上面2aと上側刻印治具4の下面4aについて平面方向に視た図である。上側刻印治具4の下面についても上から視ている。
下側刻印治具2の上面2aと上側刻印治具4の下面4aには、ローレット加工用斜線平行突起2aと4aを両方を平面方向に見たときに互いに逆傾斜角を有して突設してある。また、下側刻印治具2の上面に逆柄の線図突起2bと鏡文字突起2cを突設してある。ローレット加工用斜線平行突起2aと逆柄の線図突起2bと鏡文字突起2cは干渉しないで離れて設けてある。鏡文字突起2cは斜め配列となっている。下側刻印治具2の上面には、金属品Wの円筒面を載置して転造を開始する位置となる凹部(凹円筒面)2dがある。上側刻印治具4の下面4aの一端に0.5mm位の逃げ部4bがある。
図3(a)に示すように、下側刻印治具2の上面に形成した凹部2dへ載置する金属品Wの一端を当接停止して位置決めする当接板8が下側刻印治具2の一方の側面にボルトで付設され、また凹部2dへ載置する金属品Wが上側刻印治具4の初期接触時に僅かな外力が加わることにより下側刻印治具2の上面へ勝手に転がり出さないように揺動レバー式のストッパ9が下側刻印治具2の他方の側面にボルトで付設されている。さらに、下側刻印治具2の別の側面に受皿10が取付けられている。
〈作用〉
(1)金属品Wのセット
図3(a)に示すように、下側刻印治具2に対して上側刻印治具4が右方へ離れて停止しているときに、下側刻印治具2の上側が大きく開放するので、金属品Wを下側刻印治具2の上面に形成した凹部2dへ載置する。金属品Wの一端を当接板8に当接させることで位置決めできる。なお、当接板8は、金属品Wに合わせて調整する。
(2)加工
シェーパMの刃物取付ヘッドm2がスライダーブロック3Aを押動して上側刻印治具4が図3(a)に示す位置から左方へ移動を開始して、上側刻印治具4の移動方向先端部4aが下側刻印治具2の凹部2dへ載置した金属品Wの上に来た状態を図3(b)に示す。図3(b)の状態になるとき、上側刻印治具4の逃げ部4bが金属品Wの上に非接触で被さりかつ揺動レバー式のストッパ9が金属品Wが転がり出すのを停止しているので、上側刻印治具4が金属品Wの上面に接触し、引き続いて上側刻印治具4が右方へ移動すると、金属品Wが下側刻印治具2の凹部2dから脱出して上側刻印治具4と下側刻印治具2に挟まれて下側刻印治具2の上面を転動していき、ストッパ8は金属品Wに押されて揺動し金属品Wの転動を許す。下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面には、ローレット加工用斜線平行突起2aと4aを互いに逆傾斜角を有して突設してあり、下側刻印治具2の上面に逆柄の線図突起2bと鏡文字突起2cを突設してあるので、金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されるとともにローレットが無い部分中抜き形成して線図Qと文字Sが刻設される。ローレット加工用斜線平行突起2aと4aが金属品Wの円筒面の一周よりも長ければ、金属品Wの円筒面にローレットRを一周に刻設できる。金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されるとき、金属品Wは滑りを生じることなく転動するので線図Qと文字Sを同時に刻設すると、線図Qと文字Sをゆがむことなく刻設できる。下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面が金属品Wの円筒面を挟圧しているとともに、ローレット加工用斜線平行突起2aと4aや線図突起2bと鏡文字突起2cが下側刻印治具2の上面や上側刻印治具4の下面より突出しているので、突起の際が盛り上がっても、持ち上がり部分が、下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面により挟圧されて盛り上がりが消失する。フレーム1Aが堅牢であることにより、下側刻印治具2の上面2aと上側刻印治具4の下面4aとの離間距離が金属品Wの円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保され、下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面による金属品Wの円筒面への挟圧を保障してローレットRと線図Qと文字Sを刻設できてかつ線図Qと文字Sの際の盛り上がりを押さえ込むことができる。
ローレット加工用斜線平行突起2a及び4aの、スライダーブロック3Aの移動方向のピッチP(mm)が、金属品Wの円筒面における直径をD(mm)として、P=D×π÷k(kは一周当たりのローレットの本数)の関係となる値として、さらに、kを偶数とするときは、金属品Wの円筒面の上面と下面に噛み込むローレット加工用斜線平行突起2aと4aの位相を合わせ、kを奇数とするときはローレット加工用斜線平行突起2aと4aの位相を半ピッチずらすと、ローレット加工用斜線平行突起2aが金属品Wの円筒面に一周したときに刻設開始した凹部と完全に一致し、ローレット加工用斜線平行突起4aについても同様となる。
請求項2に記載の発明の実施形態にかかる金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置を図3と図4を用いて説明する。
〈構成〉
図3(a)はこの装置の加工開始前の状態を示し、図3(b)は、加工開始時の状態を示し、図3(c)は加工途中の状態を示す。この装置は、図3(a)に示すように、上部にフレーム上辺部を兼ねるレールガイド1aを有するとともにフレーム下辺部1bに治具載置台1cを有していて治具載置台1cの上面とレールガイド1aの水平案内面とが精密に平行している堅牢なフレーム1Aと、前記治具載置台1cに固定された下側刻印治具2と、前記レールガイド1aに案内されるスライダーブロック3Aと、前記スライダーブロック3Aの下面に固定され前記下側刻印治具2に対峙する上側刻印治具4とからなる。
この実施形態の装置は、スライダーブロック3Aを往復動させる動力装置を有しておらず、刃物取付ヘッドが往復動する工作機械へ装着して使用する。
この実施形態では、シェーパMへ装着して使用する例を示している。堅牢なフレーム1AがシェーパMのワーク装着テーブルm1へ締結具5により固定されるとともに、スライダーブロック3Aの上部に形成した被連結部3aがシェーパMのストローク可変の往復台の先端部に備える刃物取付ヘッドm2へ連結具(スタッドボルトとダブルナット等)m3により堅く連結される。
この実施形態の装置によれば、治具載置台1cは、設置高さが適切であるようにするために、堅牢なフレーム下辺部1cと分離して交換可能に設けられ、下側刻印治具2とともにフレーム下辺部1cへ締結具6により固定される。上側刻印治具4は、スライダーブロック3Aの下面へ締結具7により固定される。
図4は図3(a)におけるIV− IV矢視図であり、下側刻印治具2の上面2aと上側刻印治具4の下面4aについて平面方向に視た図である。上側刻印治具4の下面についても上から視ている。
下側刻印治具2の上面2aと上側刻印治具4の下面4aには、ローレット加工用斜線平行突起2aと4aを両方を平面方向に見たときに互いに逆傾斜角を有して突設してある。また、下側刻印治具2の上面に逆柄の線図突起2bと鏡文字突起2cを突設してある。ローレット加工用斜線平行突起2aと逆柄の線図突起2bと鏡文字突起2cは干渉しないで離れて設けてある。鏡文字突起2cは斜め配列となっている。下側刻印治具2の上面には、金属品Wの円筒面を載置して転造を開始する位置となる凹部(凹円筒面)2dがある。上側刻印治具4の下面4aの一端に0.5mm位の逃げ部4bがある。
図3(a)に示すように、下側刻印治具2の上面に形成した凹部2dへ載置する金属品Wの一端を当接停止して位置決めする当接板8が下側刻印治具2の一方の側面にボルトで付設され、また凹部2dへ載置する金属品Wが上側刻印治具4の初期接触時に僅かな外力が加わることにより下側刻印治具2の上面へ勝手に転がり出さないように揺動レバー式のストッパ9が下側刻印治具2の他方の側面にボルトで付設されている。さらに、下側刻印治具2の別の側面に受皿10が取付けられている。
〈作用〉
(1)金属品Wのセット
図3(a)に示すように、下側刻印治具2に対して上側刻印治具4が右方へ離れて停止しているときに、下側刻印治具2の上側が大きく開放するので、金属品Wを下側刻印治具2の上面に形成した凹部2dへ載置する。金属品Wの一端を当接板8に当接させることで位置決めできる。なお、当接板8は、金属品Wに合わせて調整する。
(2)加工
シェーパMの刃物取付ヘッドm2がスライダーブロック3Aを押動して上側刻印治具4が図3(a)に示す位置から左方へ移動を開始して、上側刻印治具4の移動方向先端部4aが下側刻印治具2の凹部2dへ載置した金属品Wの上に来た状態を図3(b)に示す。図3(b)の状態になるとき、上側刻印治具4の逃げ部4bが金属品Wの上に非接触で被さりかつ揺動レバー式のストッパ9が金属品Wが転がり出すのを停止しているので、上側刻印治具4が金属品Wの上面に接触し、引き続いて上側刻印治具4が右方へ移動すると、金属品Wが下側刻印治具2の凹部2dから脱出して上側刻印治具4と下側刻印治具2に挟まれて下側刻印治具2の上面を転動していき、ストッパ8は金属品Wに押されて揺動し金属品Wの転動を許す。下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面には、ローレット加工用斜線平行突起2aと4aを互いに逆傾斜角を有して突設してあり、下側刻印治具2の上面に逆柄の線図突起2bと鏡文字突起2cを突設してあるので、金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されるとともにローレットが無い部分中抜き形成して線図Qと文字Sが刻設される。ローレット加工用斜線平行突起2aと4aが金属品Wの円筒面の一周よりも長ければ、金属品Wの円筒面にローレットRを一周に刻設できる。金属品Wの円筒面にローレットRが刻設されるとき、金属品Wは滑りを生じることなく転動するので線図Qと文字Sを同時に刻設すると、線図Qと文字Sをゆがむことなく刻設できる。下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面が金属品Wの円筒面を挟圧しているとともに、ローレット加工用斜線平行突起2aと4aや線図突起2bと鏡文字突起2cが下側刻印治具2の上面や上側刻印治具4の下面より突出しているので、突起の際が盛り上がっても、持ち上がり部分が、下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面により挟圧されて盛り上がりが消失する。フレーム1Aが堅牢であることにより、下側刻印治具2の上面2aと上側刻印治具4の下面4aとの離間距離が金属品Wの円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保され、下側刻印治具2の上面と上側刻印治具4の下面による金属品Wの円筒面への挟圧を保障してローレットRと線図Qと文字Sを刻設できてかつ線図Qと文字Sの際の盛り上がりを押さえ込むことができる。
ローレット加工用斜線平行突起2a及び4aの、スライダーブロック3Aの移動方向のピッチP(mm)が、金属品Wの円筒面における直径をD(mm)として、P=D×π÷k(kは一周当たりのローレットの本数)の関係となる値として、さらに、kを偶数とするときは、金属品Wの円筒面の上面と下面に噛み込むローレット加工用斜線平行突起2aと4aの位相を合わせ、kを奇数とするときはローレット加工用斜線平行突起2aと4aの位相を半ピッチずらすと、ローレット加工用斜線平行突起2aが金属品Wの円筒面に一周したときに刻設開始した凹部と完全に一致し、ローレット加工用斜線平行突起4aについても同様となる。
《装置の実施形態2》
図5は、請求項3に記載の発明の実施形態にかかる金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置を示す。図5に示す装置において、図3に示す装置と同一の構成について図3と同一の符号を付して説明は省略する。図5に示す装置の図3に示す装置との相違点は、ハンドルを回してスライダーブロック3Bを往復動できる手回し駆動手段11を装備した点にある。すなわち、堅牢なフレーム1Bの上部にねじ軸11aが両端を枢支されかつスライダーブロック3Bに固定して設けられたナットランナー11bがねじ軸11aに螺合しているので、ハンドル11cを回すと、ねじ軸11aが回転してスライダーブロック3Bが移動する構成である。ねじ軸11aとナットランナー11bはボールねじを用いることができる。なお、ハンドル11cを減速機を介してねじ軸11aと連結する構成とすることができる。この発明は、手回し駆動手段を装備しているので、シェーパ等の工作機械が必要でなく、コンパクトであり、趣味や家内工業的な使用に供しうる。
図5は、請求項3に記載の発明の実施形態にかかる金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置を示す。図5に示す装置において、図3に示す装置と同一の構成について図3と同一の符号を付して説明は省略する。図5に示す装置の図3に示す装置との相違点は、ハンドルを回してスライダーブロック3Bを往復動できる手回し駆動手段11を装備した点にある。すなわち、堅牢なフレーム1Bの上部にねじ軸11aが両端を枢支されかつスライダーブロック3Bに固定して設けられたナットランナー11bがねじ軸11aに螺合しているので、ハンドル11cを回すと、ねじ軸11aが回転してスライダーブロック3Bが移動する構成である。ねじ軸11aとナットランナー11bはボールねじを用いることができる。なお、ハンドル11cを減速機を介してねじ軸11aと連結する構成とすることができる。この発明は、手回し駆動手段を装備しているので、シェーパ等の工作機械が必要でなく、コンパクトであり、趣味や家内工業的な使用に供しうる。
《装置の実施形態3》
図6は、請求項4に記載の発明の実施形態にかかる金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置を示す。図6に示す装置において、図3に示す装置と同一の構成について図3と同一の符号を付して説明は省略する。図6に示す装置の図3に示す装置との相違点は、スライダーブロック3Cを往復動する動力手段12を設けた点である。すなわち、堅牢なフレーム1Cの上部にロッドレスシリンダ12aが固設されピストンと連結されたリニアスライド12bがスライダーブロック3Cに連結具12cにより連結され、ロッドレスシリンダ12aの往復動によりスライダーブロック3Cが往復動される構成とした点である。ロッドレスシリンダ12aは、歯車ポンプを備えていて、該歯車ポンプを正転すると一方のシリンダ室内の作動液体を他方のシリンダ室へ送り込んでシリンダが一方向へ移動し、該歯車ポンプを逆転すると他方のシリンダ室内の作動液体を一方のシリンダ室へ送り込んでシリンダが逆移動する構成として、大掛かりの油圧駆動回路がないことが望ましい。なお、スライダーブロック3Cを往復動する動力手段は、シリンダ装置に限定されない。
図6は、請求項4に記載の発明の実施形態にかかる金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置を示す。図6に示す装置において、図3に示す装置と同一の構成について図3と同一の符号を付して説明は省略する。図6に示す装置の図3に示す装置との相違点は、スライダーブロック3Cを往復動する動力手段12を設けた点である。すなわち、堅牢なフレーム1Cの上部にロッドレスシリンダ12aが固設されピストンと連結されたリニアスライド12bがスライダーブロック3Cに連結具12cにより連結され、ロッドレスシリンダ12aの往復動によりスライダーブロック3Cが往復動される構成とした点である。ロッドレスシリンダ12aは、歯車ポンプを備えていて、該歯車ポンプを正転すると一方のシリンダ室内の作動液体を他方のシリンダ室へ送り込んでシリンダが一方向へ移動し、該歯車ポンプを逆転すると他方のシリンダ室内の作動液体を一方のシリンダ室へ送り込んでシリンダが逆移動する構成として、大掛かりの油圧駆動回路がないことが望ましい。なお、スライダーブロック3Cを往復動する動力手段は、シリンダ装置に限定されない。
W 金属品
R ローレット
Q 線図
S 文字
1a レールガイド
1c 治具載置台
1A フレーム
2 下側刻印治具
2a ローレット加工用斜線平行突起
2b 逆柄の線図突起
2c 鏡文字突起
3A スライダーブロック
4 上側刻印治具
4a ローレット加工用斜線平行突起
3B スライダーブロック
11 手回し駆動手段
12 動力駆動手段
R ローレット
Q 線図
S 文字
1a レールガイド
1c 治具載置台
1A フレーム
2 下側刻印治具
2a ローレット加工用斜線平行突起
2b 逆柄の線図突起
2c 鏡文字突起
3A スライダーブロック
4 上側刻印治具
4a ローレット加工用斜線平行突起
3B スライダーブロック
11 手回し駆動手段
12 動力駆動手段
Claims (5)
- 円筒面にローレットが刻設されているとともに、ローレットが刻設されていない部分に線図及び/又は文字が刻設されていて、線図及び/又は文字を刻設している凹部以外の部分は、線図又は文字を刻設する前の円筒面に対して盛り上がりがないことを特徴とする円筒面にローレットと図形や文字を有する金属品。
- 上部にレールガイドを有し該レールガイドの真下に治具載置台を有する堅牢なフレームと、前記治具載置台に固定された下側刻印治具と、前記レールガイドに案内されるスライダーブロックと、前記スライダーブロックの下面に固定され前記下側刻印治具に対峙する上側刻印治具とからなり、
前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面には、ローレット加工用斜線平行突起を互いに逆傾斜角を有して突設してあるとともに、前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面の少なくとも一方には、前記ローレット加工用斜線平行突起を外れた部分に逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起を突設してあり、
前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面との離間距離が金属品の円筒面に対してシマリ嵌め公差となる寸法に確保されていて前記スライダーブロックの移動により前記上側刻印治具が前記下側刻印治具に対応していない位置から前記下側刻印治具に対応する位置を通って通過する移動過程で前記上側刻印治具が前記下側刻印治具の上面の凹部に置かれる前記金属品の円筒面を前記下側刻印治具の上面へ転動させて連れ出し、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起と前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起とで前記金属品の円筒面にローレットを刻設するとともに、前記金属品の円筒面のローレットが形成されていない部分に前記逆柄の線図突起及び/又は鏡文字突起により線図及び/又は文字を刻設し、さらに前記下側刻印治具の上面と前記上側刻印治具の下面とが前記線図及び/又は文字を形成している凹部以外の部分に生じる盛り上がりを、線図又は文字を形成する前の円筒面まで押え込む構成である、
ことを特徴とする金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置。 - 請求項2に記載のスライダーブロックを往復動させる手回し駆動手段を備えていること、
ことを特徴とする金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置。 - 請求項2に記載のスライダーブロックを往復動させる動力手段を備えていること、
ことを特徴とする金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置。 - 請求項2に記載の、前記下側刻印治具の上面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起及び前記上側刻印治具の下面より突出する前記ローレット加工用斜線平行突起の、前記スライダーブロックの移動方向のピッチP(mm)が、前記金属品の円筒面における直径をD(mm)として、P=D×π÷k(kは一周当たりのローレットの本数)の関係となる値である、
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一に記載の金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006281883A JP2008094065A (ja) | 2006-10-16 | 2006-10-16 | 円筒面にローレットが刻設されている金属品及び金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置 |
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JP2006281883A JP2008094065A (ja) | 2006-10-16 | 2006-10-16 | 円筒面にローレットが刻設されている金属品及び金属円筒面にローレットと図形や文字を刻設する装置 |
Publications (1)
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123179A1 (ja) | 2008-03-31 | 2009-10-08 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置 |
CN104742631A (zh) * | 2015-03-09 | 2015-07-01 | 陈伟玉 | 插花分离组件 |
JP2017068224A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | キヤノン株式会社 | 回転部材とその製造方法及び加熱装置 |
-
2006
- 2006-10-16 JP JP2006281883A patent/JP2008094065A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN104742631A (zh) * | 2015-03-09 | 2015-07-01 | 陈伟玉 | 插花分离组件 |
CN104742631B (zh) * | 2015-03-09 | 2017-11-24 | 卢玉兰 | 插花分离组件 |
JP2017068224A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | キヤノン株式会社 | 回転部材とその製造方法及び加熱装置 |
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