JP2008093090A - 仕切り - Google Patents

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Abstract

【課題】引出しのフレームにガタつきなく取り付けられ、横幅や奥行きが異なる引出しにも適用し、自由度および開放度の高い収容態様が可能な引出しの仕切りを提供する。
【解決手段】二本の棒軸体を伸縮自在に、且つ互いに独立して回動可能に連結すると共に、両端に雄ネジを形成したネジ結合部を有してなる仕切り棒と、この仕切り棒の前記ネジ結合部に取り付けられる取付部に爪部を屈成して引出しのフレームに着脱自在に掛止可能な凹状の鉤部を形成すると共に、前記取付部には前記仕切り棒を水平に支持し、且つ、前記ネジ結合部の先端面が前記爪部に向かって突出して前記フレームと当接可能に前記雄ネジが螺合する雌ネジを設けてなる一対のフックとからなる。仕切り棒のネジ結合部は、雄ネジから一段小径とした先端当接部を連設してなる一方、フックの鉤部は、取付部に前記先端当接部の突出孔をネジ孔と連設して設けてなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば引出しの内部を棒状の仕切り体によって所望の区画に仕切る構造に係り、詳しくは、長さ調整機能と締め込み機能を有するアジャスタブルな仕切り棒を備えた仕切りに関するものである。
今や、システムキッチンのキャビネットは、扉式よりも引出し式が主流となっており、収容物を用途別に収容でき、また収容物の出し入れも容易である。このような引出し式のキッチンキャビネットは、食器・調味料・調理利器・鍋・フライパンなど、形状も大きさも異なるキッチン用品を収容するが、当初は全く仕切られてない。そこで、ユーザーは、キッチン用品の分類や使い勝手に応じて引出し内部を仕切るようにしていたのであるが、この場合、引出しの出し入れ時に収容物が前後に動かないよう、特に引出し内部を前後に仕切ることが多い。
そして、こうした仕切り構造として特許文献1や非特許文献1に示すものが公知であった。即ち、これら文献に開示の仕切り構造は、板状の仕切り体に引出しのフレームに係合可能なフック(抱持部)を設けてなる。前記フックは引出しのフレームにスライド自在に係合するため、当該係合状態のまま引出し内部を自由に区画することができる。
特開2002−238684号公報 「サンウエーブ スーパーシステムキッチン*コンポーネント洗面化粧台 サンヴァリエ<ピット>」のカタログ、サンウエーブ工業株式会社、2006年5月、P94
しかしながら、上記文献に開示の仕切り構造は、フックがフレームにスライド自在に取り付けられ、しかも、フックのスライド方向は引出しの出し入れ方向と一致するから、勢いよく引出しを操作すれば、その慣性によってフックが不用意にスライドする。このため、上記従来の仕切り構造では、引出しを出し入れする度にガタつき音や収容物との衝突音が発生するだけなく、仕切り区画が変わることもある。
また、システムキッチンのキャビネットは、横幅が異なる数種の引出しを組み合わせて構成されることが多いが、上記従来の仕切り構造は、仕切り体に長さ調整機能がないため、引出しの横幅に応じた数種の構造を必要とし、同時に、ユーザーにも数種の中からサイズの合うものを選択する手間が生じる。
さらに、上記従来の仕切り構造は、一のフックによって片持ち梁状にフレームに取り付けられるため、取り付け時にフレームへの荷重が大きく、しかも、仕切り体が板状であるため、仕切り構造全体の重みが増し、フレームを変形させる恐れもある。
さらにまた、キッチン用品には鍋やフライパンのように取っ手が付いたものなど、複雑な形状のものも多いが、上記従来の仕切り構造では板状の仕切り体によって隣合う区画が完全には遮断されることになるから、融通が利かず、収容態様の自由度が小さい。同時に、板状の仕切り体は通気性を阻害するため、引出し内部に湿気が溜まりやすく、収容物が黴びる恐れがあると共に、横や斜め上からの視認性も不良であるため、収容物の判別を困難なものとし、デザイン上の開放感も乏しいものである。
本発明は上述した課題を一挙に解決するもので、その目的とするところは、引出しのフレームにガタつきなく取り付けられ、横幅や奥行きが異なる引出しにも適用し、自由度および開放度の高い収容態様が可能な引出しの仕切りを提供することである。
上述した目的を達成するため本発明では、伸縮自在な仕切り棒の両端にフックを備えた仕切りであって、仕切り棒の先端がフックの掛止空間に向かって突出するようにフックに仕切り棒の両端をネジ結合するという手段を用いた。具体的には、二本の棒軸体を伸縮自在に連結すると共に、両端部に雄ネジを形成してなる仕切り棒と、取付部に爪部を屈成して鉤部を形成すると共に、前記取付部には前記仕切り棒の先端面が当該取付部を貫通して前記爪部との距離を調整可能に前記雄ネジが螺合するネジ孔を設けてなる一対のフックとから構成するという手段を採用する。
この手段によれば、仕切り棒の雄ネジをフックのネジ孔に螺合することで、ネジ結合により仕切り棒とフックとを一体化する。この状態で、両フックを例えば引出しのフレームに掛止することによって、前記フレーム間に仮止めの状態で仕切り棒を架設することができる。このとき、仕切り棒は軸方向に伸縮自在であるため、全長を調整してから、上記仮止めをすることができる。そして、各棒軸体を回して雄ネジの締め込みを大きくすれば、仕切り棒の先端面がネジ孔を介して鉤部の先端(爪部)に向かって突出し、さらに締め込むことによって前記先端面がフレームと当接して、仕切り棒の先端面と鉤部とでフレームを挟持する。これにより、フックをガタつきなくフレームに取り付けることができる。これとは逆方向に棒軸体を回せば雄ネジが後退して、前記当接が解除され、仮止めの状態となり、フックを取り外したり、掛止状態のままフレームをスライドさせてフックの取り付け位置を変更することができる。なお、本発明の適用対象として引出しを例示することができるが、フックを掛止して、仕切り棒を架設できるものであれば、適用対象を特に限定するものではない。また、引出しを適用対象とする場合、そのフレームとは、引出しの底板から垂直に立ち上がった側板の他、当該側板の上方において引出しの前後方向に架設されたサイドバーをも含む概念である。特に、サイドバーはアルミの引き抜き加工によって成形されることがあり、側板に比べて強度的に弱い。この点、本仕切りは仕切り棒によって仕切り体を構成した軽量なものであるから、サイドバーを変形・損傷するほどの荷重は作用しない。
上記手段において、仕切り棒の両端部は、仕切り棒の両端部は、雄ネジの先端に、より小径な先端当接部を連設してなる一方、フックは、取付部にネジ孔と連通して、より小径な前記先端当接部の突出孔を設けてなることが好ましい。先端当接部と雄ネジとの段部が、突出孔とネジ孔との間に形成される段部と係止して、雄ネジの締め込み量が規制されることになり、過度な締め込みによるフレームの当接変形を防止できるからである。
なお、仕切り棒は、少なくとも二本の棒軸体を備え、当該二本構成において、棒軸体同士を伸縮自在に互いに挿通した連結構造を有する他、二本の棒軸体及びその中間に連結軸体を備えた三本構成として、前記連結軸体の両側に各棒軸体を伸縮自在に互いに挿通した連結構造を有するという手段を選択的に採用することができる。ここで、「互いに挿通」とは、二本の棒軸体および連結軸体が、挿入する側と挿入される側のどちらにもなり得ることを意図するものである。これを場合分けすれば、二本構成にあっては、一方の棒軸体を中空パイプとして他方の棒軸体を挿入するパターンが想定され、三本構成にあっては、連結軸体を中空パイプとして棒軸体を挿入するパターンと、双方の棒軸体とも中空パイプとして連結軸体を挿入するパターンが想定される。
このように挿入される側は中空パイプによって構成する必要があるが、挿入する側は必ずしも中空パイプに限定されない。むしろ、挿入する側を中実棒により構成することで、仕切り棒に強度を持たせることができる。
さらに、棒軸体は先端部に雄ネジを一体成形してなることが好ましい。簡単な樹脂成形により構成でき、また金属製としてもフライス加工によって簡単に構成することができるからである。
以上説明したように、本発明では、フックと仕切り棒とをネジ結合するようにし、仕切り棒の締め込み程度によって、その先端面を引出しのフレームと当接するようにしたので、本仕切りをガタつき無く、しっかりとフレームに固定することができる。また、締め込みを緩めれば、先端が後退してフレームとの当接が解除されるなど、その取り付け・取り外しも極めて簡易に行うことができる。さらに、仕切り体として棒状のものを採用したので、全体として軽量とすることができ、しかも、仕切り棒の下方は開放状態となるから、通気性や視認性が確保され、同時に、収容態様の自由度も高い。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る仕切りを示した断面図であって、両端のうち左端のみを示したものである。同図中、1はフック、2は仕切り棒、3は仕切り棒2の両端に設けたネジ結合部である。フック1は、例えば引出しのフレームに着脱自在に掛止する円弧状の鉤部1aの一側面に、仕切り棒2の取付部として、ネジ孔1bを刻設したボス部1cを一体的に設けてなる。なお、ネジ孔1bは、一段小径とした段部1dを介して掛止空間側で開口する突出孔1eと連通して設けられている。ネジ孔1bと突出孔1eは同軸で、その延長線上に鉤部1aの先端である爪部1fが位置するように構成されている。
仕切り棒2は、径が異なる二本の中空パイプ2a・2bを棒軸体として、一方の中空パイプ2aを、その外径よりも大きい内径を有する他方の中空パイプ2bに挿入して連結したもので、一方の中空パイプ2aの挿入長さを変えることで、引出しの横幅に応じて全長を調整できる。また、同時に、両中空パイプ2a・2bは互いに回動可能に連結されている。
ネジ結合部3は、仕切り棒2の両端、即ち中空パイプ2a・2bそれぞれの先端部に一体的に取り付けられるもので、前記フック1のネジ孔1bに螺合する雄ネジ部3aを形成すると共に、その先端には段部3bを介して一段小径として、前記フック1の突出孔1eに挿通する先端当接部3cを形成している。また、ネジ結合部3の後端には中空パイプ2a・2bへの挿入固定部3dを形成してなる。なお、このネジ結合部3は、中空パイプ2bの図示しない一端にも取り付けられることはもちろんであり、これに伴いフック1も一対使用する。
上記構成からなる仕切りの使用態様は、図2に示したように、先ず、仕切り棒2の両端に形成した雄ネジ部3aをフック1のネジ孔1bに螺合することによって、当該ネジ結合により仕切り棒2の両端にフック1を組み付けておく。その上で、仕切り棒2の全長を調整して、フック1の間隔を適用対象物に合わせた後、フック1の鉤部1aを例えば引出しのフレームFに掛止する。このときは仮止め状態にあるので、最後に、各中空パイプ2a・2bを回してネジ結合部3の締め込みを行うことにより、ネジ結合部3の先端に設けた先端当接部3cが突出孔1eを介して鉤部1aの掛止空間に露出し、先端当接部3cの先端面がフレームFと当接することにより、本仕切りを引出しのフレームFに強固に取り付けることができる。ここで、ネジ結合部3の締め込みは、段部1d・3bが係止することによって規制され、過剰な締め込みによって先端当接部3cがフレームFを変形・損傷することを防止する。一方、これとは逆の方向に各中空パイプ2a・2bを回せば、ネジ結合部3の締め込みが緩まり、先端当接部3cが後退してフレームFとの当接が解除されるから、本仕切りをフレームFに沿ってスライドさせたり、フレームFから外して、取り付け位置、即ち区画を変更することができる。
図3は、上記実施形態の仕切りを引出し式のキッチンキャビネットに適用したところを示したものであって、本仕切りをサイドバーに架設することにより、引出し内部を前後に仕切ることができる。このため、収容物を目的別に整理できると共に、引出しの出し入れ時も収容物が移動しない。また、仕切り棒2の下方は開放されるため、引出し内部の通気性、横や斜め上からの視認性が確保され、同時に、複雑な形状のキッチン用品であっても収納の自由度が確保される。
図4は、第二実施形態を示したものであり、フック1のネジ孔1bをボス部1cから鉤部1aの掛止空間まで貫設すると共に、ネジ結合部3は前記先端当接部3cを省略した分、雄ネジ部3aを延長して、直接、雄ネジ部3aの先端をネジ孔1bの掛止空間側開口から突出させるように構成したものである。即ち、この第二実施形態は、雄ネジ部3aそのものをネジ結合部3としたものであり、これに従ってネジ孔1bの構成も簡素化したものであるが、締め切り規制がない以外は、上記第一実施形態と同様の取り付け機能を発揮する。
ところで、上記実施形態では、仕切り棒2を二本の中空パイプ2a・2bから構成したが、図5に示すように、挿入する側の棒軸体を中実棒4とすることも可能である。この場合、中実棒4に相当する部分は、中空パイプよりも剪断力に強い仕切りとすることができる。同時に、一方を中実棒4とした場合は、その先端にネジ結合部3を一体成形することができる。当該構成によれば、強度に優れながら、棒軸体とネジ結合部を別部材とすることなく部材数を少なくして、一般的な樹脂成形あるいは金属フライスにより容易且つ低コストで大量生産できる。
さらに、図6は、仕切り棒を三本構成とした第三の実施形態に係るもので、二本の棒軸体10・11に加えて、その中間に連結軸体12を設けたものである。この三本構成では、同図(a)に示したように、連結軸体12を中空パイプから構成し、その両側に各棒軸体10・11を挿入するパターンと、同図(b)に示したように、各棒軸体10・11を中空パイプとして、これらに連結軸体12を挿入するパターンがある。伸縮機能を有することは、何れのパターンも同じである。このように、仕切り棒を三本構成とする利点は、(a)における棒軸体10・11や(b)における連結軸体12、即ち、挿入する側の軸体を樹脂成形(例えば、インジェクション成形)により中実軸とした場合、比較的短い寸法として、熱収縮等による反りがない各軸体を成形できる点にある。このように、現在の樹脂成形技術では、安価に相当長の中実軸を得ることが困難という実状があるが、本発明では、各軸体の長さを限定するものでないことはもちろんである。また、中実軸とすれば強度的にも中空パイプに勝るが、本発明では、挿入する側をも中空パイプによって構成することを排除するものではない。
なお、上記実施形態では、取り付け対象となる引出しのフレームFとして、側板の上方に引出しの捻り防止のため設けられる棒状のサイドバーを例示したが、板状の側板を取り付け対象とすることも可能である。この場合、鉤部1aを側板の上縁形状に合わせたものとすればよい。また、上記実施形態では、引出しの内部を前後に仕切るようにしたが、左右に仕切るように取り付けても良く、さらに本発明の仕切りを複数組用いれば、引出し内部を前後左右に区画することもできる。このとき、フックの取り付け対象として、本仕切りの仕切り棒を含むことができる。
本発明の第一実施形態に係る仕切りの分解断面図 同仕切りの使用態様を示した断面図 同仕切りを引出しに適用した斜視図 本発明の第二実施形態に係る仕切りの要部断面図 棒軸体の他の構成例を示した仕切りの分解断面図 本発明の第三実施形態に係る仕切りの全体図
符号の説明
1 フック
1a 鉤部
1b ネジ孔
1c ボス部(仕切り棒の取付部)
2 仕切り棒
2a・2b 中空パイプ(棒軸体)
3 ネジ結合部
3a 雄ネジ部
3c 先端当接部

Claims (6)

  1. 伸縮自在な仕切り棒の両端にフックを備えた仕切りであって、仕切り棒の先端がフックの掛止空間に向かって突出するようにフックに仕切り棒の両端をネジ結合したことを特徴とする仕切り。
  2. 二本の棒軸体を伸縮自在に連結すると共に、両端部に雄ネジを形成してなる仕切り棒と、取付部に爪部を屈成して鉤部を形成すると共に、前記取付部には前記仕切り棒の先端面が当該取付部を貫通して前記爪部との距離を調整可能に前記雄ネジが螺合するネジ孔を設けてなる一対のフックとからなることを特徴とした仕切り。
  3. 仕切り棒の両端部は、雄ネジの先端に、より小径な先端当接部を連設してなる一方、フックは、取付部にネジ孔と連通して、より小径な前記先端当接部の突出孔を設けてなる請求項2記載の仕切り。
  4. 仕切り棒は、棒軸体同士を伸縮自在に互いに挿通した連結構造を有する請求項1、2または3記載の仕切り。
  5. 仕切り棒は、二本の棒軸体及びその中間に連結軸体を備えた三本構成として、前記連結軸体の両側に各棒軸体を伸縮自在に互いに挿通した連結構造を有する請求項1、2または3記載の仕切り。
  6. 棒軸体は先端部に雄ネジを一体成形してなる請求項2から5のうち何れか一項記載の仕切り。
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