JP4832671B2 - 組立家具用連結具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立家具の水平パネルを同軸状に連結するための組立家具用連結具に関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、複数のパネルを組み合わせて構成する組立家具が普及している。組立家具にはユーザーが組み立てるノックダウン式のものがある。組立家具が棚の場合、一対の垂直パネルである側板用パネル間に複数の水平パネルである棚板用パネルが設置され、この棚板用パネルが側板用パネルにより支持されることで一連の棚が形成される構造となっている。多くの物を収納する際には、この様な一連の棚を複数連ねて組立家具を形成する。この場合、棚板用パネル及び側板用パネルの表面に連結金具を設け、側板と棚板を連結させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような連結構造では連結金具が棚板用パネルおよび側板用パネルの表面に設けられるため、組立家具の外観が不良となる。また、棚板用パネルを支持する金具の他棚構造同士の連結金具を必要とするため棚の連結構造が複雑になってしまう。
【0004】
本発明の目的は、組立家具の表面に露出せず、かつ、連結構造が容易な組立家具用連結具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は以下の構成を採用して前記目的を達成しようとするものである。請求項1記載の発明は、垂直パネル10と、この垂直パネル10の側面に接続される水平パネル10A,10Bとを有する棚構造2A,2B,2Cを連接して組立家具を構成するために、隣り合う前記棚構造2A,2B,2C同士を連結する組立家具用連結具40であって、前記垂直パネルに挿入されるブッシュ221と、このブッシュの前記水平パネルが設けられる側に一端が接続され、他端がこの水平パネルと接続される水平パネル支持シャフト222と、この水平パネル支持シャフトの反対側に設けられ、一端が前記ブッシュと接続され、他端が他の棚構造に連結される連結シャフト43とを備え、前記ブッシュは、内部に雌ねじ221Dが形成された円筒状のブッシュ本体221Aと、このブッシュ本体の一端で前記連結シャフトが接続される側に設けられたフランジ部221Bとを備え、前記水平パネル支持シャフトは、前記ブッシュ本体に挿入される一端に雄ねじ222Bが刻設されていることを特徴とする。
【0006】
この構成の発明では、ブッシュは垂直パネルに埋め込まれ、水平パネル支持シャフト及び連結シャフトの一端はブッシュに、水平パネル支持シャフトの他端は水平パネルに、連結シャフトの他端は他の棚構造に接続されるため、水平パネル支持シャフト及び連結シャフトを水平パネル又は他の棚構造で隠蔽できるので、組立家具用連結具が水平パネル及び垂直パネルから露出することはない。従って、組立家具の外観が良好となる。また、ブッシュの反対側に連結シャフトが接続されることにより、連結金具を別途用意する必要がなくなり、部材点数が少なくなるため、構造が単純になる。なお、ここで、棚構造とは水平パネルを垂直パネルで支持する構造を意味し、例えば、普通の棚のみならず、作業面となる水平パネルを垂直パネルで支持する机、座面となる水平パネルを垂直パネルで支持するいす等を含む。
また、この構成の発明によれば、フランジ部が設けられたブッシュは埋設固定される際に垂直パネル表面に係止されるため、垂直パネルに埋め込まれ過ぎてしまうことがない。
そして、この構成の発明によれば、ブッシュと水平パネル支持シャフトとは螺合可能であるため、接続が容易となる。さらに、ブッシュと水平パネル支持シャフトとは螺合されているため、垂直パネル及び水平パネルとの結合強度が高くなり、組立家具の耐荷重性能を向上させることができる。
そして、この構成の発明では、垂直パネルに埋設されたブッシュには雌ねじが形成されているため、水平パネル支持シャフトの雄ねじを挿入し、水平パネル支持シャフトを回転させ、容易に螺合させることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の組立家具用連結具において、前記連結シャフトは前記他の棚構造2Cの水平パネルと接続されることを特徴とする。
この構成の発明では、連結シャフトは前記他の棚構造の水平パネルと接続されるため、組立家具用連結具により垂直パネルを介して、棚板用パネルを同軸的に連結することができる。従って、棚構造を増す場合、新しく取り付けられる棚構造はすでに組み立てられている棚構造の垂直パネル10を共有することとなるので、家具を二つ並べる場合に比べスペースをとらない。
【0009】
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の組立家具用連結具において、前記連結シャフトは、前記ブッシュに対して螺合可能に構成されていることを特徴とする。この構成の発明によれば、ブッシュと連結シャフトとは螺合可能であるため、接続が容易となる。また、棚構造を解体する際はブッシュと連結シャフトとの螺合を解除すればよく、必要のない水平パネルを容易に垂直パネルから取り外すことができる。この際、ブッシュと連結シャフトとの螺合を解除すれば、必要のない水平パネルとともに連結シャフトは取り外すことができるので、垂直パネルから突出することなく外観及び棚構造の使い勝手が良好となる。さらに、ブッシュと連結シャフトとは螺合されているため、垂直パネル及び水平パネルとの結合強度が高くなり、組立家具の耐荷重性能を向上させることができる。
【0010】
請求項記載の発明は請求項記載の組立家具用連結具において、前記連結シャフトには、雄ねじ43Bが形成されていることを特徴とする。この構成の発明では、垂直パネルに埋設されたブッシュには雌ねじが形成されているため、連結シャフトの雄ねじを挿入し、連結シャフトを回転させ、容易に螺合させることができる
【0011】
請求項記載の発明は、請求項1から何れかに記載の組立家具用連結具において、前記ブッシュ、前記水平パネル支持シャフト及び前記連結シャフトには、回転工具を係止するための係止部43Eが形成されていることを特徴とする。この構成の発明によれば、ブッシュ、水平パネル支持シャフト及び連結シャフトには各々回転工具を係止するための係止部が設けられているため、各々を回転工具を用いて確実に固定させることができる。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項1から何れかに記載の組立家具用連結具において、前記水平パネル支持シャフト及び前記連結シャフトは同一形状及び同一材質から構成されていることを特徴とする。この構成の発明によれば、水平パネル支持シャフトと連結シャフトは同一形状及び同一材質であるため、組立家具用連結具の部材点数の削減を図ることができる。また、これにより組立家具用連結具のコスト低下を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に基づいて説明する。
図1には本実施形態のノックダウン式の組立家具である棚1が示されている。この棚1は棚本体2と、この棚本体2の正面側に設置される扉5と、棚本体2の脚部に設けられる脚部材6とを備える。棚本体2は図面左側の棚構造2Aと、この棚構造2Aに取り付けられる図面中央部の棚構造2Bと、この棚構造2Bに取り付けられる図面右側の棚構造2Cとから構成される。それぞれの棚構造2Aから2Cの床面からの高さは同じである。これらの棚構造2Aから2Cは、合成樹脂製の組立家具用パネル10,10A,10Bを組み合わせることにより構成される。具体的には棚構造2Aから2Cは、垂直パネルである複数の側板用パネル10と、この側板用パネル10の内側面に接続され、水平パネルである棚板用パネル10A,10Bとを組み合わせて構成されている。
【0014】
図2に示すように棚構造2Bの一方の側板用パネル10は棚構造2Aと共有となっており、棚構造2Bの他方の側板用パネル10は棚構造2Cと共有となっている。側板用パネル10、棚板用パネル10A,10Bは平面矩形形状で、棚1の幅方向端部の長さが等しい。棚板用パネル10Bの棚1の奥行き方向(図2の紙面直交方向)端部の長さは棚板用パネル10Aの長さの2倍となっている。
【0015】
図3に棚板用パネル10Aの棚1の奥行き方向の断面図を示す。棚板用パネル10Aは棚板用パネル本体101Aと、この棚板用パネル本体101Aを補強するための組立家具用補強材である補強材13(図6参照)とを備える。
棚板用パネル本体101Aの内部には、図3に示される断面に直交する方向、すなわち棚板用パネル10Aの幅方向に延びる11個の空洞が配列され、各空洞は幅方向端部で開口されている。この複数の空洞は、配列の両端に設けられた側板用補強材収納部14A,14Bと、この側板用補強材収納部14A,14Bの隣に設けられた棚板用補強材収納部15A,15Bと、側板用パネル10の軽量化を図るための断面矩形形状の空洞121と、から構成される。
図面左側から5つ目の空洞は高い強度が必要な場合に補強材13が収納される補強材収納部15Cとなっている。
【0016】
側板用補強材収納部14Aは補強材13のビーム部16と略等しい断面形状の補強材収納部分141Aと、この補強材収納部分141Aに連通するダボ孔142Aとから構成され、補強材収納部分141Aは棚板用パネル本体101Aの空洞配列方向の端部側に形成されている。棚板用補強材収納部15Aも補強材収納部分151Aと、ダボ孔152Aとから構成される。
側板用補強材収納部14B及び棚板用補強材収納部15Bは補強材収納部分141B,151Bと、この補強材収納部分141B,151Bに連通する孔142B,152Bとから構成される。補強材収納部分141Bは棚板用パネル本体101Aの空洞配列方向の端部側に形成されている。
なお、補強材収納部分141Aと同じく補強材収納部分151A,141B,151Bは、ビーム部16の断面形状と略等しい断面形状となっている。
【0017】
側板用補強材収納部14A,14B、棚板用補強材収納部15A,15Bの補強材収納部分141A,141B,151A,151B及びダボ孔142A,152A、孔142B,152Bの棚板用パネル10Aの幅方向にあたる長さ寸法は略等しい。
図3に示すパネルは棚板用パネル10Aであるため、補強材13が棚板用補強材収納部15A及び15Bに収納されている。
【0018】
棚板用パネル本体101Aの空洞の配列方向の両端部は、パネル中実材からなる切削加工部11となっている。側板用補強材収納部14Bと隣り合う切削加工部11には背板用溝111が形成されており、側板用補強材収納部14Aと隣り合う切削加工部11は奥行き寸法を合わせるための調整部112となっている。
なお、棚板用パネル10Bは棚板用パネル10Aと同じ構造であり、棚板用パネル本体101B及び補強材13とを有する。側板用パネル10も棚板用パネル10Aと同じ構造であり、補強材13Aが側板用パネル本体101の側板用補強材収納部14A及び14Bに収納される。
また、これらのパネルの補強材収納部の配置は、棚板用パネル10A,10Bの棚板用補強材収納部15A,15Bに収納された補強材13と側板用パネル10の側板用補強材収納部14A,14Bに収納された補強材13Aとが組み立てた際に交差しない配置となっている。
図4に棚板用パネル本体101Aの切削の様子を示す。予め棚板用パネル本体101Aの内部に空洞を貫通させておき、その後、棚板用パネル本体101Aの表面を切削加工し、所定の大きさに形成する。
【0019】
図5及び図6に補強材13を示す。この補強材13はビーム部16及びビーム部16の両端部に設置されるプレート部17とから構成される。
図6に示されるようにビーム部16は金属製の角パイプであるビーム部本体160と、及びこのビーム部本体160の両端部に埋め込まれる端部材161とを有する。この端部材161はねじ孔162とこのねじ孔162の周囲に形成された凸部163とを備えている。
棚板用パネル10Aに使用される補強材13のビーム部16の長手方向の長さは、補強材収納部分151A,151Bの棚板用パネル10Aの幅方向にあたる長さと略等しく、ビーム部16は補強材収納部分151A,151Bに収納される。棚板用パネル10Bに使用されるビーム部16も棚板用パネル10Bの補強材収納部分151A,151Bの長さと等しくなっている。
【0020】
プレート部17は金属製の長円形状のプレートである。このプレート部17はビーム部16のねじ孔162にねじ止めされるため、ねじ18挿入のためのねじ用挿入孔172が形成されている。さらに、このプレート部17にはビーム部16に取り付けた際に端部材161の凸部163に係合される凹部171がねじ用挿入孔172の一部を切り欠いて形成されている。また、プレート部17をビーム部16に取付け、補強材13を棚板用補強材収納部15A,15Bに収納した際に、ダボ孔152Aまたは142Aに当接する部分には、パネル同士の接合の際に使用される接合孔173が設けられている。
【0021】
補強材収納部分151Aとダボ孔152Aが形成される棚板用パネル10Aの幅方向の端面部分にはプレート部17を収納するためのプレート部用凹部122が形成されている。補強材収納部分141Aとダボ孔142Aが形成される端面部分、補強材収納部分151Bと孔152Bが形成される端面部分も同様の構造となっている。また、棚板用パネル10B及び側板用パネル10の端面部分も同様の構造である。
【0022】
なお、側板用パネル本体101に収納される補強材13Aも、プレート部(図示略)とビーム部16Aを有しているが、側板用パネル本体101にはビーム部16Aのみが使用される。このビーム部16Aは金属製の角パイプであるビーム部本体160A(図12参照)と、端部材(図示略)とを有している。ビーム部16Aの長さは、このビーム部16Aが収納される側板用パネル10の補強材収納部分141A,141Bの長さと略等しい。
ビーム部本体160Aはビーム部本体160と同じ断面形状であり、同じ径寸法である。ビーム部本体160Aは端部内側にねじ孔132Aが刻設されており、このねじ孔132Aに端部材が螺合可能となっている。この端部材は端部材161と同じくねじ孔162と同様のねじ孔と、凸部163と同様の凹部とを有している。
【0023】
棚板用パネル10Aと側板用パネル10との接合はプレート部17を介し回転カム式接合具20により行われる。
回転カム式接合具20は偏芯カム21及びプレート部17の接合孔173を介して偏芯カム21に挿入される固定ピン22とを有する。
偏芯カム21は、円筒状の偏芯カム本体211、及びこの偏芯カム本体211の基端側に設けられ、偏芯カム本体211の径寸法よりも大きな径寸法の円形状の偏芯カム係止部212を備えている。偏芯カム本体211には円筒の円周方向に延びる楕円形状の挿入孔213が形成されており、この挿入孔213には固定ピン22が挿入される。棚板用パネル10Bを設置した際に、下面側となる棚板用パネル10Bの表面に予め設けられた偏芯カム用穴23から偏芯カム21は挿入され、偏芯カム本体211は棚板用パネル10Aのダボ孔152Aあるいはダボ孔142A(図14参照)に埋設される。
また、偏芯カム係止部212にはプラスドライバー用の係止溝212Aが刻設されている。
【0024】
図7及び図8に示すように、固定ピン22は、側板用パネル10に埋め込まれるブッシュ221と、このブッシュ221に一端が挿入される水平パネル支持シャフト222とを有する。
ブッシュ221は、内部に雌ねじ221Dが形成された円筒状のブッシュ本体221Aと、このブッシュ本体221Aの一端に設けられ、平面円形形状のフランジ部221Bと備える。フランジ部221Bの径寸法はブッシュ本体221Aの径寸法よりも大きい。また、フランジ部221Bにはマイナスドライバー用の係止部221Cが形成されている。さらに、ブッシュ本体221Aの外径はプレート部17の接合孔173の内径より大きくなっている。
【0025】
水平パネル支持シャフト222は,ブッシュ本体221Aに挿入される一端に雄ねじ222Bに刻設された円柱状の本体222Aと、この本体222Aの他端に設けられる係合部222Cと、この係合部222Cに設けられ偏芯カム本体211の挿入孔213に挿入される挿入部222Dとから構成される。本体222Aの外径は、プレート部17の接合孔173の内径より小さいものとなっている。係合部222Cは円柱形状であり、挿入部222D及び本体222Aよりも小さな径寸法となっている。また、挿入部222Dの他端側の端面にはプラスドライバー用の係止部が刻設されている。
【0026】
このような回転カム式接合具20により棚板用パネル10Aと側板用パネル10とを接合する場合は以下の手順で行う。
まず偏芯カム21を棚板用パネル10Aの偏芯カム用穴23に挿入する。この際、偏芯カム21の挿入孔213が側板用パネル10に対向するように挿入する。
次に、側板用パネル10に予め設けられている固定ピン用穴24に、組み立て時に棚1の外側となる側板用パネル10の側面にフランジ部221Bが係止されるよう固定ピン22を挿入する。この際、固定ピン22の水平パネル支持シャフト222はプレート部17の接合孔173を介して、ダボ孔152A又は142Aに挿入され、ダボ孔152A又は142A内に埋設されている偏芯カム本体211の挿入孔213に挿入部222Dが挿入される。
【0027】
さらに、偏芯カム21の偏芯カム係止部212の係止溝212Aにプラスドライバーを係止させ、偏芯カム21を回転させる。偏芯カム21の挿入孔213の縁部と、水平パネル支持シャフト222の挿入部222Dと係合部222Cの境界部分とを係合する。
これにより、側板用パネル10と棚板用パネル10Aとが接合され、棚板用パネル10Aの補強材13にかかる荷重をプレート部17を介し、固定ピン22により側板用パネル10の補強材13Aに伝達することが可能となる。
なお、側板用パネル10に予め設けられている固定ピン用穴24はブッシュ本体221Aの外径と略同じ大きさの径であり、ブッシュ本体221Aが埋め込まれるものである。
また、側板用パネル10と棚板用パネル10Bとの接合も同様に行う。
【0028】
隣り合う棚板用パネル10A,10B同士の接合は側板用パネル10を介して図8に示す同軸式の組立家具用連結具40を用いて行う。棚構造2Bと棚構造2Cの棚板用パネル10Aと10Bの連結について説明する。
組立家具用連結具40は回転カム式接合具20の固定ピン22と、この固定ピン22のブッシュ221のフランジ部221B側から挿入される連結シャフト43とを備える。この連結シャフト43は固定ピン22の水平パネル支持シャフト222と同一形状、同一材質であり、ブッシュ本体221Aのフランジ部221B側から挿入され、一端に雄ねじ43B刻設された円柱状の本体43Aと、この本体43Aの他端に設けられる係合部43Cと、この係合部43Cに設けられ、偏芯カム本体211の挿入孔213に挿入される挿入部43Dとから構成される。挿入部43Dにはプラスドライバー用の係止部43Eが設けられている。
【0029】
棚構造2Bと棚構造2Cとを連結するに当たり、図9に示すように、既に棚板用パネル10Bに接合された側板用パネル10に埋め込まれたブッシュ221のフランジ部221B側からブッシュ本体221A内部に刻設された雌ねじ221Dに連結シャフト43の雄ねじ43Bを螺合させる。この際、連結シャフト43の係止部43Eにプラスドライバーを係止させ、連結シャフト43を回転させて螺合する。
次に、ブッシュ221に螺合された連結シャフト43の挿入部43Dを棚板用パネル10Aに設置された偏芯カム21の偏芯カム本体211の挿入孔213に挿入させ、棚板用パネル10Aを側板用パネル10に固定する。
棚板用パネル10Aに設置された偏芯カム21を回転し、連結シャフト43と偏芯カム21とを係合させる。
これにより、図10及び図11に示すように棚板用パネル10Aと棚板用パネル10Bは側板用パネル10を介し、組立家具用連結具40により、同軸的に連結される。
一方、図11に示すように棚板用パネル10Bと棚板用パネル10Aを段違いにする場合は、側板用パネル10の内側面から所定位置に固定ピン22を挿入し、棚板用パネル10Aに予め設置された偏芯カム21に係合する。
【0030】
図12に棚本体2の脚部に設けられる脚部材6を示す。この脚部材6は、補強材13Aのビーム部16Aから端部材を取り外したビーム部本体160Aに取り付けられる。
脚部材6は、側板用パネル10の下側の端面に取り付けられる目隠しカバー30の脚部用孔32を介して、補強材13Aのビーム部本体160Aに形成されたねじ孔132Aに螺合される脚部用ボルト61と、この脚部用ボルト61に螺合される貫通ナット62と、この貫通ナット62に螺合されるアジャスター63とを備える。
脚部用ボルト61はねじ孔132Aに螺合可能な径寸法を有するボルト部611と、貫通ナット62に螺合可能で、ボルト部611よりも小さな径寸法を有するボルト部612とを有しており、ボルト部611とボルト部612との境界部分には六角フランジ613が設けられている。
貫通ナット62は筒状の貫通ナット本体621と、この貫通ナット本体621の端部に形成された貫通ナットフランジ部622とを有する。貫通ナット本体621の貫通ナットフランジ部622が形成された端部と対向する端部にはマイナスドライバーを係止することが可能な切欠623が設けられている。
【0031】
アジャスター63は貫通ナット本体621に螺合される雄ねじ631とその下部に設けられるアジャスター本体632とから構成され、このアジャスター本体632が床面と接する端面にはプラスドライバー用の溝633が形成されている。
この脚部材6を取り付ける際には、予め、ビーム部16Aから端部材を取りはずしたビーム部本体160Aを側板用パネル本体101に挿入しておく。次に目隠しカバー30の脚部用孔32を介して、補強材13Aのビーム部本体160Aに脚部用ボルト61を螺合する。さらに、貫通ナット62の切欠623にマイナスドライバーを係止させ、貫通ナット62を貫通ナットフランジ部622側から脚部用ボルト61に螺合する。最後に、アジャスター63の溝633を利用して、貫通ナット62にアジャスター63を螺合する。
脚部材6は全ての側板用パネル10の補強材13Aの下部に取り付けられ、棚本体2には6コの脚部が取り付けられる。
【0032】
図13に棚本体2の正面側に取り付けられる扉5を示す。この扉5はガラス製の扉本体51と、この扉本体51の周囲に設けられる縁部材52とを有する。扉本体51は棚構造2A及び棚構造2Cの正面側と略同じ大きさの平面矩形形状である。縁部材52はアルミ製であり、扉本体51の直線部分に沿って設けられる直線部520と、扉本体51の角部に設けられるコーナー部521とを備える。扉本体51の長手方向に設けられる直線部520を介して対向する一対のコーナー部521の上下端には扉用突起523が形成され、上向きの扉用突起523は最上段の棚板用パネル10A,10Bの下面に形成された突起用孔(図示略)と、下向き扉用突起523は、最下段の棚板用パネル10A,10Bの上面に形成された突起用孔(図示略)と係合し、扉5が開閉可能となっている。また、他方の一対の対向するコーナー部521及び扉5を閉じた際にこのコーナー部521に当接する棚板用パネル10A,10Bにはマグネットが貼付されている。
なお、棚構造2Bには扉5は二つ設けられている。
【0033】
図14から図16に基づき棚本体2の棚構造2B,2Cの組立について説明する。
図14には棚構造2B,2Cの一段目の棚の分解斜視図が示されている。まず、側板用パネル10の下側の端面の空洞121に係合される突起31が設けられた目隠しカバー30を取り付ける。この目隠しカバー30を介して、側板用パネル10の補強材13Aのビーム部本体160Aの下側のねじ孔132Aに脚部材6を螺合する。棚構造2Bの一方の側板用パネル10には図示しないが既に棚構造2Aが取り付けられている。
次に一方の側板用パネル10に回転カム式接合具20を用い、一段目の棚構造2Bの棚板用パネル10Bの一端を取付ける。この際、側板用パネル10及び棚板用パネル10A,10Bの梱包に使用されていたコーナー保護材100をL字の頂点が上になるように床面に置き、棚板用パネル10Bの他端の下方を支持させる。コーナー保護材100の床面から頂点までの寸法は床面に対する棚板用パネル10A,10Bの下面の高さと等しくなっている。
【0034】
棚板用パネル10Bの他端及び棚板用パネル10Aの一端を棚構造2Bの他方の側板用パネル10を介し組立家具用連結具40で同軸状に連結する。さらに、側板用パネル10及び棚板用パネル10Aの背板用溝111に背板7を嵌め込む。
なお、背板7は平面矩形形状であり、長手方向の長さが棚板用パネル10Aの背板用溝111の長さと等しくなっている。
【0035】
図15に二段目及び三段目の棚の分解斜視図を示す。棚構造2Bの側板用パネル10に回転カム式接合具20を用い、一段目と同様、二段目および三段目の棚板用パネル10Bを取付ける。二段目の棚板用パネル10A,10Bは同軸状に設置せず、段違いになるように棚構造2Bの他の側板用パネル10の所定位置に回転カム式接合具20で取り付ける。三段目の棚板用パネル10A,10Bを棚構造2Bの他方の側板用パネル10を介し組立家具用連結具40で連結する。一段目と同様に背板7を側板用パネル10及び棚板用パネル10Aの背板用溝111に嵌め込む。
【0036】
図16に三段目と棚構造2A,2Bの天井に位置する四段目の分解斜視図を示す。四段目の棚板用パネル10A,10Bも上記と同様に棚構造2Bの他方の側板用パネル10を介して組立家具用連結具40で同軸的に取り付ける。側板用パネル10の上側の端面に、下側の端面と同様に空洞121に係合される突起31が設けられた目隠しカバー30を取り付ける。
【0037】
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、側板用パネル本体101及び棚板用パネル本体101A,101Bの内部に貫通する空洞を並列配置させ、補強材13又は補強材13Aを収納する側板用補強材収納部14A,14B及び棚板用補強材収納部15A,15Bを設けたため、パネルを側板用パネル10であるか、棚板用パネル10A,10Bであるかによって、空洞の配列を変える必要がない。棚板用パネル10A,10Bとして使用したい場合は棚板用補強材収納部15A,15Bに補強材13を収納すればよく、側板用パネル10として使用したい場合は側板用補強材収納部14A,14Bに補強材13Aを収納すればよい。そのため、全てのパネル本体を同一形状で成形することができ、パネルの共有化を図ることができる。これにより製造コストの低下も図ることができる。
【0038】
さらに側板用パネル本体101及び棚板用パネル本体101A,101Bの内部に補強材13又は補強材13Aを収納することにより側板用パネル10、棚板用パネル10A,10Bの耐荷重性能を補強材13又は補強材13Aにより大幅に向上させることができるため、空洞121を複数個形成し、側板用パネル10棚板用パネル10A,10Bの肉厚を薄くして軽量化を図ることができる。
また、予め補強材収納部15Cを形成したため、必要に応じてこの補強材収納部15Cに補強材13を収納すれば良く、高荷重用にも対応できる。
さらに、側板用パネル10及び棚板用パネル10A,10Bは合成樹脂製であるため、押出成形等により大量生産可能である。
【0039】
側板用補強材収納部14A,14B及び棚板用補強材収納部15A,15Bの補強材収納部分141A,141B,151A,151Bはビーム部16の形状に応じた形状であるため、ビーム部16又はビーム部16Aを挿入した際に補強材収納部分141A,,141B,151A,151B内でビーム部16又はビーム部16Aが、がたつくことなく、所定位置に固定される。さらに、これらの補強材収納部分に連通するダボ孔142A,152A、孔142B,152Bが形成されているため、側板用パネル本体101あるいは棚板用パネル本体101A,101Bの軽量化を図ることができる。
【0040】
また、これらの収納部の配置は、側板用パネル10の側板用補強材収納部14A,14Bに収納された補強材13Aと棚板用パネル10A,10Bの棚板用補強材収納部15A,15Bに収納された補強材13とが組み立てた際に交差しない用になっているため、補強材13又は補強材13Aに接合用の孔等をあける必要がない。そのため、補強材13又は補強材13Aの製造に手間がかからない。
側板用パネル本体101の空洞の配列方向の両端部には切削加工部11を設けたため、一方の切削加工部11の上下面には背板用溝111を形成し、背板7をはめ込むことができる。また、他方の切削加工部11は奥行き寸法を合わせるための調整部112を形成したため、組み立て時に微調整が可能である。なお、棚板用パネル本体101A,101Bも同様の効果を奏する。
【0041】
補強材13,13Aは金属製の角パイプであり高い補強効果を有するので、少ない本数で棚板用或いは側板用パネルの強度を高めることができる。
ビーム部本体160の両端部にはねじ孔162及びこのねじ孔162の周囲に凸部163が形成された端部材161埋め込まれるため、ビーム部本体160にねじ孔を溶接する場合に比べ手間がかからず、ねじ孔の成形が容易となる。
プレート部17はビーム部16のねじ孔162にねじ止めされるため、確実に固定され、ビーム部16から外れてしまう虞がない。
【0042】
ビーム部16に取り付けた際に端部材161の凸部163に係合される凹部171がねじ用挿入孔172を切り欠いて形成されているため、ビーム部16及びプレート部17を凹凸係合させることで、ねじ締め時のプレート部17の共回りを防止することができる。また、この凹部171はプレート部17のねじ用挿入孔172の一部を切り欠くだけで形成することができるので、プレート部17の製造が容易である。
また、補強材13と補強材13Aの連結をプレート部17を介して行うことにより、補強材13のビーム部16端部以外の部分で、補強材13と補強材13Aを接合できるため、接合の自由度が向上し、接合状態や接合位置によって補強材13の形状等を変える必要がないので、コスト低下を図ることができる。
【0043】
側板用パネル10あるいは棚板用パネル10A,10Bの補強材収納部分151Aとダボ孔152Aが形成される幅方向端面部分にはプレート部17を収納するためのプレート部用凹部122が形成されている。そのため、プレート部17が側板用パネル10あるいは棚板用パネル10A,10Bの端面部分から露出することがなく外観が良好となる。
補強材収納部分141Aとダボ孔142Aが形成されるパネル端面部分、補強材収納部分151Bと孔152Bが形成されるパネル端面部分も同様の構造となっており、同様の効果を奏する。
【0044】
プレート部17は金属製で長円形状であるため、パネル端部に埋設されることでねじ締め時の共回りの防止効果をより高めることができる。
プレート部17にはダボ孔152Aに当接する位置に、固定ピン22を挿入用の接合孔173が予め設けられており、このプレート部17を介し、固定ピン22により棚板用パネル10Aの補強材13にかかる荷重を側板用パネル10の補強材13Aに伝達することが可能となる。これにより、棚板用パネル10Aに作用する荷重を側板用パネル10の補強材13Aに負担させることができるため、棚板用パネル10Aに直接作用する荷重負担を軽減して、棚1の強度を高めることができる。
ビーム部16の端部に設けられたプレート部17を介し、棚板用パネル10Aの偏芯カム21に固定された固定ピン22により側板用パネル10と棚板用パネル10Aとが接合されるため、プレート部17により棚板用補強材収納部15A,15Bに棚板用パネル10Aのビーム部16が固定され、棚板用補強材収納部15A,15Bから抜けてしまうことがない。
【0045】
棚板用パネル10A,10Bと側板用パネル10との接合が回転カム式接合具20により行われるため、円筒状の偏芯カム21を回転させるだけで、固定ピン22を係合或いは係合解除でき、ねじ等で固定した場合に比べ接合が容易である。
偏芯カム本体211が棚板用パネル10A,10Bのダボ孔152Aに埋設されるため、偏芯カム21用に空洞を設ける必要がなく、偏芯カム21の設置も容易である。
【0046】
偏芯カム本体211はダボ孔152A又は142Aに、固定ピン22のブッシュ本体221Aは側板用パネル10に埋設され、さらに、水平パネル支持シャフト222の本体222A、係合部222C及び挿入部222Dはダボ孔152A又は142Aに挿入される。従って、回転カム式接合具20は棚板用パネル10A,10B、側板用パネル10内部に設けられることとなり、棚本体2の表面に連結金具等を設ける必要がないので、外観が良好となり、棚1の使い勝手もよくなる。
また、偏芯カム係止部212にはプラスドライバー用の係止溝212Aが刻設されているため、プラスドライバーを用いて、固定ピン22を確実に係合させることができる。また、固定ピン22の係合を解除したい場合も容易に解除することができる。
【0047】
偏芯カム21の挿入孔213の縁部と、挿入孔213に挿入された水平パネル支持シャフト222の挿入部222Dと係合部222Cの境界部分とを係合し、棚板用パネル10A,10Bと側板用パネル10を接合するが、挿入部222Dの径は係合部222Cの径よりも大きいため、水平パネル支持シャフト222に棚板用パネル10A,10B方向に引っ張る力がかかっても挿入部222Dが挿入孔213の縁部にひっかかり外れてしまうことがない。
【0048】
円筒状のブッシュ本体221Aには一端にこのブッシュ本体221Aよりも大きな径のフランジ部221Bが設けられているため、固定ピン用穴24にブッシュ221を設置した際に、フランジ部221Bが側板用パネル10の外側面に係止され、ブッシュ221を側板用パネル10に埋め込みすぎてしまう虞がない。
ブッシュ本体221Aの内部には雌ねじ221Dが刻設され、水平パネル支持シャフト222の本体222Aのブッシュ221に挿入される側の端部には雄ねじ222Bが刻設されており、螺合接続されるので、はめ込み等の接続手段に比べて確実に接続することができる。
フランジ部221Bにはマイナスドライバー用の係止部221Cが形成されているため、マイナスドライバー等を用いて容易に水平パネル支持シャフト222の雄ねじ222Bに螺合することができる。また、棚1を解体する際、マイナスドライバーを係止部221Cに係止させ、ブッシュ221を反螺合方向に回転させれば容易に螺合が解除され、側板用パネル10と棚板用パネル10B,10Aとを分離させることができ容易に解体を行うことができる。
【0049】
組立家具用連結具40の連結シャフト43は固定ピン22の水平パネル支持シャフト222と同一形状、同一材質であるため、組立家具用連結具40の部材点数の削減を図ることができる。また、これにより、偏芯カム21を用いて連結シャフト43を固定することができ、さらに部材点数の削減を図ることができる。
固定ピン22は回転カム式接合具20にも組立家具用連結具40にも共通に使用できるため、共通使用できない場合に比べ部材点数が削減でき棚本体2の構造が簡略化される。
また、固定ピン22が側板用パネル10及び棚板用パネル10B内部に設置され、この固定ピン22に螺合される連結シャフト43が棚板用パネル10A,10Bのダボ孔152A,142Aに埋設され、偏芯カム本体211に係合されるため、組立家具用連結具40が棚本体2の表面に露出することがなく棚本体2の外観性が向上する。
【0050】
既に組み立てられている棚構造2Bの他の側板用パネル10を介して棚板用パネル10Aと棚板用パネル10Bが同軸式の組立家具用連結具40で連結させており、棚構造2Bと棚構造2Cとは側板用パネル10を共有するので、家具を二つ並べる場合に比べスペースをとらない。また、すでに取り付けられている側板用パネル10を介して棚板用パネル10A,10Bが連結されるので、必要に応じて容易に棚本体2を大きくすることができる。
【0051】
連結シャフト43のブッシュ221のフランジ223側に挿入される端部には雄ねじ43Bが刻設されているため、ブッシュ本体221Aの雌ねじ221Dと螺合することができ、連結シャフト43はブッシュ221に簡単に接続される。
また、棚1を解体する場合もこの螺合を解除すればよいので、解体が容易となる。挿入部43Dにはプラスドライバー用の係止部43Eが設けられているため、プラスドライバーを用いて容易にブッシュ221に固定することができる。一つのブッシュ221に連結シャフト43及び水平パネル用シャフト222が接続されるため、連結シャフト43、水平パネル用シャフト22それぞれに対応した部材を複数用意する必要がなくなり、棚本体2の構造が簡略化される。
【0052】
側板用パネル10の補強材13Aの下方に脚部材6を設けたため、棚本体2の一段目の棚板用パネル10A,10Bが床面に直接接することがない。従って、棚本体2内、特に一段目の通気がよくなる。
脚部材6の貫通ナット本体621にはマイナスドライバー用の切欠623が設けられているため、脚部用ボルト61に容易に螺合することができる。また、アジャスター63の端面にはプラスドライバー用の溝633が形成されているため、アジャスター63の取り付けがしやすい。
【0053】
棚本体2の正面側に扉5を設けたため、棚内部に収納した物が飛び出てしまうことがない。扉本体51の長手方向に設けられる直線部520を介して対向する一対のコーナー部521の上下端には扉用突起523が形成され、上向きの扉用突起523は最上段の棚板用パネル10A,10Bの下面に形成された突起用孔(図示略)と、下向き扉用突起523は最下段の棚板用パネル10A,10Bの上面に形成された突起用孔(図示略)と係合し、扉5が開閉可能となっており、扉を引き戸にする場合に比べレールを形成する必要がないので、扉5の設置が簡単になる。
また、他方の一対の対向するコーナー部521及び扉5を閉じた際にこのコーナー部521に当接する棚板用パネル10A,10Bにはマグネットが貼付されているため、確実に閉まり、容易に開くことができる。
この扉本体51はガラス製のため、棚本体2の内部が見え、収納物を把握しやすい。縁部材52はアルミ製であるため、ガラス製の扉本体51を補強することができ、割れにくくすることができる。
【0054】
側板用パネル10の下側の端面及び上側の端面に目隠しカバー30を取り付けることにより、端面を目隠しカバーで覆うことができるから、空洞121等が露出せず外観が良好となる。また、この目隠しカバー30には側板用パネル10の空洞121に係合する突起31が設けられているため、目隠しカバー30の取り付けが容易となる。
【0055】
棚1はノックダウン式であるため、運搬等が容易である。また、棚1を使用しない場合には、分解して倉庫等にしまっておくことができるため、室内等の場所をとらない。
さらに、側板用パネル10及び棚板用パネル10A,10Bの梱包に用いられるL字型のコーナー保護材100はL字の頂点が上になるように床面に置いた際、床面から頂点までの寸法は床面に対する棚板用パネル10A,10Bの下面の高さと等しくなっているため、側板用パネル10に棚板用パネル10A,10Bを取り付ける場合、床面に設置したコーナー保護材100の上に一段目の棚板用パネル10A,10Bを設置すれば、コーナー保護材100によって棚板用パネル10A,10Bが支持される。これにより棚板用パネル10A,10Bを支えながら組み付ける必要がなくなるので、一人でも組み立てることができる。
【0056】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では回転カム式接合具20の固定ピン22はブッシュ221と水平パネル支持シャフト222とからなり、この固定ピン22に連結シャフト43を挿入することで組立家具用連結具40として使用できるとしたが、固定ピンはブッシュと水平パネル支持シャフトとから構成されていなくてもよく、固定ピンは回転カム式接合具のみに使用でき、組立家具用連結具には使用できないものとしてもよい。
また、固定ピン22のブッシュ221のフランジ部221Bは形成されていなくてもよい。さらに、このフランジ部221Bの係止部221Cは形成されていなくてもよい。
【0057】
補強材13のビーム部16の両端部にはねじ孔162が形成された端部材161を埋め込んだが、ビーム部16の両端部を溶接加工して、ねじ孔162を設けてもよい。
また、プレート部17にはねじ用挿入孔172に連通する凹部171を設けたが、図17に示すように、ねじ用挿入孔172の周囲に貫通孔を設けてもよい。
また、プレート部17は長円形状に限らず、取り付けられる各パネルの端面に収納可能な形状であればよい。また、プレート部17はビーム部16に螺合固定されるものとしたが、これに限らず、単にはめ込み固定されるものでもよい。
【0058】
扉本体51はガラス製としたがアクリル板等でもよく、収納するものによっては扉本体51を透明な材料とせず、棚1の内部を見せないようにしてもよい。
また、本実施形態では棚板用パネル10A,10Bの幅方向の端部の長さを等しいものとしたが、収納するものにより、棚板用パネル10A,10Bの幅方向の端部の長さを短くし、長さが異なるものとしてもよい。
また、脚部材6のアジャスター63はキャスターとしてもよく、キャスターとすれば、移動可能な組み立て家具とすることができる。さらに、脚部材6は取り付けなくてもよい。
【0059】
前記実施形態では側板用パネル10を介して棚構造を水平方向に連結し、必要に応じて棚本体2を大きくできるものとしたが、棚板用パネル10A,10Bを介し上下の側板用パネル10同士を連結し高さ方向に棚構造を増やせるものとしてもよい。
また、組立家具を棚としたが、水平パネルを垂直パネルで支持する構造であればよく、例えば、作業台となる水平パネルを垂直パネルで支持する机や、座面となる水平パネルを垂直パネルで支持するいすでもよい。
【0060】
前記実施形態では、脚部材6を取り付ける場合、側板用パネル10の側板用補強材収納部14A,14Bには補強材13Aのビーム部16Aから端部材をはずしたビーム部本体160Aを収納していたが、端部材をはずさず、ビーム部16Aに脚部材を取り付けることができるようにしてもよい。さらには、側板用パネル本体101に補強材13のビーム部16を収納し、図18に示すように、ビーム部16のねじ孔162に螺合可能な雄ねじ631Aを有するアジャスター63Aを、ビーム部16に取り付けてもよい。このようにすれば、補強材を二種類製造する必要が無く、製造コストを削減することができる。
前記実施形態では、棚板用パネル10A,10Bは補強材13を有するものとし、この補強材13のビーム部16に取り付けた端部材161のねじ孔162にプレート部17をねじ止めしていたが、棚板用パネル10A,10Bに補強材13Aのビーム部本体160Aを収納し、このビーム部本体160Aのねじ孔132Aにプレート部17をねじ止めしてもよい。このようにすれば端部材は不要となるため、部材点数の削減を図ることができる。
【0061】
側板用パネル10の下側の端面及び上側の端面に目隠しカバー30を取り付けたが、目隠しカバー30を取り付けなくてもよい。さらに、棚本体2の扉5は扉本体51のコーナー部521に設けられた上向きの扉用突起523が最上段の棚板用パネル10A,10Bの下面に形成された突起用孔と、下向き扉用突起523が最下段の棚板用パネル10A,10Bの上面に形成された突起用孔と係合し開閉可能であるとしたが、これに限らず、扉を引き戸としてもよい。
【0062】
また、前記実施形態では棚1はノックダウン式としたが、これに限らず、工場等で組み立て、完成品としてから出荷するノックダウン式でないものとしてもよい。
さらに、前記実施形態では側板用パネル10、棚板用パネル10A,10Bを合成樹脂製としたが、これに限らず、木製としてもよい。
【0063】
【発明の効果】
このような請求項1記載によれば、ブッシュは垂直パネルに埋め込まれ、水平パネル支持シャフト及び連結シャフトの一端はブッシュに、水平パネル支持シャフトの他端は水平パネルに、連結シャフトの他端は他の棚構造に接続されるため、水平パネル支持シャフト及び連結シャフトを水平パネル又は他の棚構造で隠蔽できるので、組立家具用連結具が水平パネル及び垂直パネルから露出することはない。従って、組立家具の外観が良好となる。また、ブッシュの反対側に連結シャフトが接続されることにより、連結金具を別途用意する必要がなくなり、部材点数が少なくなるため、構造が単純になる。
また、請求項1記載の発明によれば、フランジ部が設けられたブッシュは埋設固定される際に垂直パネル表面に係止さるため、垂直パネルに埋め込まれ過ぎてしまうことがない。
そして、請求項1記載の発明によれば、ブッシュと水平パネル支持シャフトとは螺合可能であるため、接続が容易となる。さらに、ブッシュと水平パネル支持シャフトとは螺合されているため、垂直パネル及び水平パネルとの結合強度が高くなり、組立家具の耐荷重性能を向上させることができる。
そして、請求項1記載の発明によれば、垂直パネルに埋設されたブッシュには雌ねじが形成されているため、水平パネル支持シャフトの雄ねじを挿入し、水平パネル支持シャフトを回転させ、容易に螺合させることができる。
【0064】
請求項2記載の発明によれば、連結シャフトは前記他の棚構造の水平パネルと接続されるため、組立家具用連結具により垂直パネルを介して、棚板用パネルを同軸的に連結することができる。従って、棚構造を増す場合、新しく取り付けられる棚構造はすでに組み立てられている棚構造の垂直パネルを共有することとなるので、家具を二つ並べる場合に比べスペースをとらない
【0065】
請求項3記載の発明によれば、ブッシュと連結シャフトとは螺合可能であるため、接続が容易となる。また、棚構造を解体する際はブッシュと連結シャフトとの螺合を解除すればよく、必要のない水平パネルを容易に垂直パネルから取り外すことができる。この際、ブッシュと連結シャフトとの螺合を解除すれば、必要のない水平パネルとともに連結シャフトは取り外すことができるので、垂直パネルから突出することなく外観及び棚構造の使い勝手が良好となる。さらに、ブッシュと連結シャフトとは螺合されているため、垂直パネル及び水平パネルとの結合強度が高くなり、組立家具の耐荷重性能を向上させることができる
【0066】
請求項記載の発明によれば、垂直パネルに埋設されたブッシュには雌ねじが形成されているため、連結シャフトの雄ねじを挿入し、連結シャフトを回転させ、容易に螺合させることができる。
請求項記載の発明によれば、ブッシュ、水平パネル支持シャフト及び連結シャフトには各々回転工具を係止するための係止部が設けられているため、各々を回転工具を用いて確実に固定させることができる。
請求項記載の発明によれば、水平パネル支持シャフトと連結シャフトは同一形状及び同一材質であるため、組立家具用連結具の部材点数の削減を図ることができる。また、これにより組立家具用連結具のコスト低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる棚を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態にかかる棚の内部を示す平面図である。
【図3】前記棚の棚板用パネルの空洞配列と垂直方向の断面図である。
【図4】前記棚の棚板用パネルの切削を示す断面図である。
【図5】前記棚の回転カム式接合具及び補強材を示す斜視図である。
【図6】前記側板用パネル又は棚板用パネルの補強材のビーム部を示す斜視図である。
【図7】前記棚の棚板用パネル及び側板用パネルの接合を示す断面図である。
【図8】固定ピン及び組立家具用連結具を示す斜視図である。
【図9】前記回転カム式接合具のブッシュの取付状態を示す平面図である。
【図10】前記棚板用パネルの同士の連結を示す断面図である。
【図11】前記棚板用パネルの同士及び棚板用パネルと側板用パネルの連結を示す断面図である。
【図12】前記棚の脚部材を示す斜視図である。
【図13】前記棚の扉を示す平面図である。
【図14】前記棚の棚構造2B及び棚構造2Cの一段目部分の分解斜視図である。
【図15】前記棚の棚構造2B及び棚構造2Cの二段目部分の分解斜視図である。
【図16】前記棚の棚構造2B及び棚構造2Cの三段目部分の分解斜視図である。
【図17】前記補強材のプレート部及びビーム部の変形例を示す斜視図である。
【図18】前記脚部材の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2A,2B,2C 棚構造
10 側板用パネル
10A,10B 棚板用パネル
40 組立家具用連結具
43 連結シャフト
43B 雄ねじ
43E 係止部
221 ブッシュ
221B フランジ部
221D 雌ねじ
222 水平パネル支持シャフト

Claims (6)

  1. 垂直パネルと、この垂直パネルの側面に接続される水平パネルとを有する棚構造を連接して組立家具を構成するために、隣り合う前記棚構造同士を連結する組立家具用連結具であって、
    前記垂直パネルに挿入されるブッシュと、
    このブッシュの前記水平パネルが設けられる側に一端が接続され、他端がこの水平パネルと接続される水平パネル支持シャフトと、
    この水平パネル支持シャフトの反対側に設けられ、一端が前記ブッシュと接続され、他端が他の前記棚構造に連結される連結シャフトとを備え
    前記ブッシュは、内部に雌ねじが形成された円筒状のブッシュ本体と、このブッシュ本体の一端で前記連結シャフトが接続される側に設けられたフランジ部とを備え、
    前記水平パネル支持シャフトは、前記ブッシュ本体に挿入される一端に雄ねじが刻設されていることを特徴とする組立家具用連結具。
  2. 請求項1記載の組立家具用連結具において、
    前記連結シャフトは前記他の棚構造の水平パネルと接続されることを特徴とする組立家具用連結具。
  3. 請求項1又は2に記載の組立家具用連結具において、
    記連結シャフトは、前記ブッシュに対して螺合可能に構成されていることを特徴とする組立家具用連結具。
  4. 請求項記載の組立家具用連結具において、
    記連結シャフトには、雄ねじが形成されていることを特徴とする組立家具用連結具。
  5. 請求項1から何れかに記載の組立家具用連結具において、
    前記ブッシュ、前記水平パネル支持シャフト及び前記連結シャフトには、回転工具を係止するための係止部が形成されていることを特徴とする組立家具用連結具。
  6. 請求項1から何れかに記載の組立家具用連結具において、
    前記水平パネル支持シャフト及び前記連結シャフトは同一形状及び同一材質から構成されていることを特徴とする組立家具用連結具。
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